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第一六二回

閣第三一号

   不正競争防止法等の一部を改正する法律案

 (不正競争防止法の一部改正)

第一条 不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項第三号中「(最初に販売された日から起算して三年を経過したものを除く。)」を削り、「他人の商品と同種の商品(同種の商品がない場合にあっては、当該他人の商品とその機能及び効用が同一又は類似の商品)が通常有する」を「商品の機能を確保するために不可欠な」に、「、若しくは」を「、又は」に改め、同条中第八項を第十項とし、第四項から第七項までを二項ずつ繰り下げ、第三項の次に次の二項を加える。

 4 この法律において「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいう。

 5 この法律において「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう。

  第四条ただし書中「第八条」を「第十五条」に改める。

  第十五条第一項各号を次のように改める。

  一 前条第一項第一号から第三号まで又は第十一号 三億円以下の罰金刑

  二 前条第一項第四号、第五号、第九号又は第十号 一億五千万円以下の罰金刑

  三 前条第二項 一億円以下の罰金刑

  第十五条第二項中「前条第一項第六号の二の罪に係る同条第二項」を「前条第一項第四号、第五号、第九号及び第十号の罪に係る同条第三項」に改め、同条を第二十二条とする。

  第十四条第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同項第七号中「第九条、第十条又は第十一条第一項」を「第十六条、第十七条又は第十八条第一項」に改め、同号を同項第十一号とし、同項第六号の二を同項第十号とし、同項第六号中「をいう」の下に「。次号において同じ」を加え、同号を同項第七号とし、同号の次に次の二号を加える。

  八 営業秘密を保有者から示されたその役員又は従業者であった者であって、不正の競争の目的で、その在職中に、その営業秘密の管理に係る任務に背いてその営業秘密の開示の申込みをし、又はその営業秘密の使用若しくは開示について請託を受けて、その営業秘密をその職を退いた後に使用し、又は開示した者(第六号に掲げる者を除く。)

  九 不正の競争の目的で、第四号又は第六号から前号までの罪に当たる開示によって営業秘密を取得して、その営業秘密を使用し、又は開示した者

  第十四条第一項中第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、同項第二号中「前号」を「第一号」に改め、同号を同項第三号とし、同項第一号の次に次の一号を加える。

  二 他人の著名な商品等表示に係る信用若しくは名声を利用して不正の利益を得る目的で、又は当該信用若しくは名声を害する目的で第二条第一項第二号に掲げる不正競争を行った者

  第十四条第四項中「第一項」の下に「及び第二項」を加え、同項を同条第七項とし、同条第三項中「第一項第七号(第十一条第一項」を「第一項第十一号(第十八条第一項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項中「前項第三号から第六号の二まで」を「第一項第四号から第十号まで」に改め、同項を同条第三項とし、同項の次に次の二項を加える。

 4 第一項第四号又は第六号から第九号までの罪は、詐欺等行為若しくは管理侵害行為があった時又は保有者から示された時に日本国内において管理されていた営業秘密について、日本国外においてこれらの罪を犯した者にも適用する。

 5 第一項第十号の罪は、日本国外において同号の罪を犯した者にも適用する。

  第十四条第一項の次に次の一項を加える。

 2 不正の利益を得る目的で第二条第一項第三号に掲げる不正競争を行った者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

  第十四条を第二十一条とし、第十三条を第二十条とする。

  第十二条第一項中「第八条」を「第十五条」に、「第十四条(第一項第七号に係る部分を除く。)及び第十五条」を「第二十一条(第一項第十一号に係る部分を除く。)及び第二十二条」に改め、同項第五号を次のように改める。

  五 第二条第一項第三号に掲げる不正競争 次のいずれかに掲げる行為

   イ 日本国内において最初に販売された日から起算して三年を経過した商品について、その商品の形態を模倣した商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

   ロ 他人の商品の形態を模倣した商品を譲り受けた者(その譲り受けた時にその商品が他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)がその商品を譲渡し、貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する行為

  第十二条を第十九条とし、第七条から第十一条までを七条ずつ繰り下げ、第六条の七を第十三条とし、第六条の六を第十二条とし、第六条の五を第十一条とする。

  第六条の四第一項第一号中「第六条第三項」を「第七条第三項」に、「第六条の七第四項」を「第十三条第四項」に改め、同条を第十条とし、第六条の三を第九条とし、第六条の二を第八条とし、第六条を第七条とし、第五条の二を第六条とする。

  附則第三条第二号を削り、同条第三号を同条第二号とする。

  附則第四条中「第七条及び第八条」を「第十四条及び第十五条」に改める。

  附則第五条中「第六条」を「第七条」に改める。

  附則第六条中「第七条」を「第十四条」に改め、「、第三号」を削る。

  附則第七条中「第九条第一項ただし書」を「第十六条第一項ただし書」に、「第十条ただし書」を「第十七条ただし書」に改める。

  附則第八条中「第九条」を「第十六条」に改める。

  附則第九条中「第十条」を「第十七条」に改める。

  附則第十条中「第十四条(第一項第七号に係る部分を除く。)及び第十五条」を「第二十一条(第一項第十一号に係る部分を除く。)及び第二十二条」に、「附則第三条第三号」を「附則第三条第二号」に改める。

 (特許法の一部改正)

第二条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  第百五条の四第一項中「第二条第四項」を「第二条第六項」に改める。

  第二百条の二第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第二百一条第一項第一号中「第百九十六条」の下に「又は前条第一項」を加え、同項第二号中「、第百九十八条又は前条第一項」を「又は第百九十八条」に改める。

 (実用新案法の一部改正)

第三条 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第六十条の二第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第六十一条第一項第二号を同項第三号とし、同項第一号中「又は前条第一項」を削り、同号を同項第二号とし、同項に第一号として次の一号を加える。

  一 前条第一項 一億五千万円以下の罰金刑

 (意匠法の一部改正)

第四条 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

  第六十三条第一項第四号中「第二条第四項」を「第二条第六項」に改める。

  第七十三条の二第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第七十四条第一項第二号を同項第三号とし、同項第一号中「又は前条第一項」を削り、同号を同項第二号とし、同項に第一号として次の一号を加える。

  一 前条第一項 一億五千万円以下の罰金刑

 (商標法の一部改正)

第五条 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条第一項第一号中「第二条第四項」を「第二条第六項」に改める。

  第八十一条の二第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第八十二条第一項第一号中「第七十八条」の下に「又は前条第一項」を加え、同項第二号中「、第八十条又は前条第一項」を「又は第八十条」に改める。

 (著作権法の一部改正)

第六条 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。

  第百十四条の六第一項中「第二条第四項」を「第二条第六項」に改める。

  第百二十二条の二中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 2 前項の罪は、国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第百二十三条第一項中「前条」を「前条第一項」に改める。

  第百二十四条第一項第一号中「を除く。)」の下に「又は第百二十二条の二第一項」を加え、同項第二号を削り、同項第三号を同項第二号とする。

 (弁理士法の一部改正)

第七条 弁理士法(平成十二年法律第四十九号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二項第二号を次のように改める。

  二 特許、実用新案、意匠、商標、回路配置若しくは特定不正競争に関する事件又は著作物(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第一号に規定する著作物をいう。以下同じ。)に関する権利に関する事件の裁判外紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第一条に規定する裁判外紛争解決手続をいう。以下この号において同じ。)であって、これらの事件の裁判外紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うことができると認められる団体として経済産業大臣が指定するものが行うものについての代理

  第四条第三項中「(著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第二条第一項第一号に規定する著作物をいう。)」を削る。

  第八条第三号中「第十四条第一項第一号から第六号まで若しくは第七号(同法第十一条第一項に係る部分を除く。)」を「第二十一条第一項第一号から第九号まで若しくは第十一号(同法第十八条第一項に係る部分を除く。)若しくは第二項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条、第十三条及び第十四条の規定は、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律(平成十七年法律第▼▼▼号)の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

 (経過措置)

第二条 第一条の規定による改正後の不正競争防止法第二条第一項第三号の規定は、この法律の施行後にした同号に掲げる行為について適用し、この法律の施行前にした第一条の規定による改正前の不正競争防止法第二条第一項第三号に掲げる行為については、なお従前の例による。

第三条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第九条第一項から第三項まで、第十条及び第十一条の規定は、この法律の施行前に財産上の不正な利益を得る目的で犯した第一条の規定による改正前の不正競争防止法第十四条第一項第一号から第六号の二まで若しくは第七号(同法第十一条第一項に係る部分を除く。)、第二条の規定による改正前の特許法第二百条の二第一項、第三条の規定による改正前の実用新案法第六十条の二第一項、第四条の規定による改正前の意匠法第七十三条の二第一項、第五条の規定による改正前の商標法第八十一条の二第一項、第六条の規定による改正前の著作権法第百二十二条の二又は附則第六条の規定による改正前の特許法等の一部を改正する法律(平成五年法律第二十六号)附則第四条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第三条の規定による改正前の実用新案法(附則第六条において「平成五年旧実用新案法」という。)第六十条の二第一項に掲げる罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。)により生じ、若しくは当該犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に関してこの法律の施行後にした行為に対しても、適用する。この場合において、これらの財産は、組織的犯罪処罰法第二条第二項第一号の犯罪収益とみなす。

第四条 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日がこの法律の施行の日後である場合におけるこの法律の施行の日から犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間の組織的犯罪処罰法第二条第二項第三号の規定の適用については、同号中「第十一条第一項」とあるのは「第十八条第一項」と、「第十四条第一項第七号」とあるのは「第二十一条第一項第十一号」とする。

 (政令への委任)

第五条 前三条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (平成五年旧実用新案法の一部改正)

第六条 平成五年旧実用新案法の一部を次のように改正する。

  第六十条の二第一項中「三年」を「五年」に、「又は三百万円」を「若しくは五百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条に次の一項を加える。

 3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

  第六十一条第一項第三号を同項第四号とし、同項第二号を同項第三号とし、同項第一号中「又は前条第一項」を削り、同号を同項第二号とし、同項に第一号として次の一号を加える。

  一 前条第一項 一億五千万円以下の罰金刑

 (不正競争防止法の一部を改正する法律の一部改正)

第七条 不正競争防止法の一部を改正する法律(平成十五年法律第四十六号)の一部を次のように改正する。

  附則第二条中「第六条の三」を「第九条」に改める。

 (裁判所法等の一部を改正する法律の一部改正)

第八条 裁判所法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。

  附則第三条第四号中「第六条の四から第六条の六まで」を「第十条から第十二条まで」に改める。

 (民事訴訟費用等に関する法律の一部改正)

第九条 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の一部を次のように改正する。

  別表第一の一七の項ホ中「第六条の四第一項若しくは第六条の五第一項」を「第十条第一項若しくは第十一条第一項」に改める。

 (商標法の一部を改正する法律の一部改正)

第十条 商標法の一部を改正する法律(平成三年法律第六十五号)の一部を次のように改正する。

  附則第十一条を次のように改める。

 第十一条 削除

 (商標法等の一部を改正する法律の一部改正)

第十一条 商標法等の一部を改正する法律(平成八年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。

  附則第五条第三項中「、第十条第一項及び第十一条第一項」を「及び第十条第一項」に改める。

 (民事訴訟法の一部改正)

第十二条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の一部を次のように改正する。

  第九十二条第一項第二号中「第二条第四項」を「第二条第六項」に改める。

 (組織的犯罪処罰法の一部改正)

第十三条 組織的犯罪処罰法の一部を次のように改正する。

  第二条第二項第三号ロを次のように改める。

   ロ 不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二十一条第一項第十一号(外国公務員等に対する不正の利益の供与等)の罪(同法第十八条第一項の違反行為に係るものに限る。)

  別表第二第十九号を次のように改める。

  十九 削除

 (犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の一部改正)

第十四条 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

  附則第四条中「、別表第一第四号」を「又は別表第一第四号」に改め、「又は別表第二第十九号」を削る。


     理 由

 我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性の増大等にかんがみ、知的財産の保護を強化するため、日本国外における営業秘密の不正な使用及び開示等に係る処罰規定並びに他人の商品の形態を模倣する行為等に係る処罰規定を整備するとともに、不正競争を行った者等に対する罰則を強化し、あわせて知的財産に係る裁判外紛争解決手続における弁理士の役割を拡充する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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