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第一六二回

閣第四一号

   水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案

 (水産資源保護法の一部改正)

第一条 水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)の一部を次のように改正する。

  目次中「水産動物の種苗」を「水産動物」に、「第十三条の二」を「第十三条の二―第十三条の五」に改める。

  第二章第一節の二の節名中「水産動物の種苗」を「水産動物」に改める。

  第十三条の二第一項中「増殖又は養殖の用に供する水産動物(以下この条において「水産動物の種苗」という。)」を「輸入防疫対象疾病(持続的養殖生産確保法(平成十一年法律第五十一号)第二条第二項に規定する特定疾病に該当する水産動物の伝染性疾病その他の水産動物の伝染性疾病であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)にかかるおそれのある水産動物」に、「当該水産動物の種苗」を「当該水産動物」に、「第三項において」を「以下」に改め、同条第二項中「当該水産動物の種苗」を「当該水産動物」に、「水産動物の種苗の伝染性疾病(農林水産省令で定めるものに限る。)」を「輸入防疫対象疾病」に改め、同条第三項中「水産動物の種苗及び」を「水産動物及び」に、「前項の検査証明書又はその写しにより水産動物の種苗の伝染性疾病の病原体を広げるおそれがないと認めるときは、第一項」を「次の各号のいずれかに該当するときは、同項」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 前項の検査証明書又はその写しにより輸入防疫対象疾病の病原体を広げるおそれがないと認められるとき。

  二 次条第一項の規定による命令に係る措置が実施されることにより輸入防疫対象疾病の病原体を広げるおそれがなくなると認められるとき。

  第二章第一節の二中第十三条の二の次に次の三条を加える。

  (許可に当たつての命令等)

 第十三条の三 農林水産大臣は、前条第一項の許可の申請に係る水産動物及びその容器包装が、輸出国の事情その他の事情からみて、同条第二項の検査証明書又はその写しのみによつては輸入防疫対象疾病の病原体を広げるおそれがないとは認められないときは、同条第一項の許可をするに当たり、その申請をした者に対し、輸入防疫対象疾病の潜伏期間を考慮して農林水産省令で定める期間当該水産動物及びその容器包装を農林水産省令で定める方法により管理すべきことを命ずることができる。

 2 前項の規定による命令を受けた者は、同項の期間内に当該水産動物が輸入防疫対象疾病にかかり、又はかかつている疑いがあることを発見したときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の行う検査を受けなければならない。

 3 前項の検査を受けた者は、その結果についての通知を受けるまでの間は、当該水産動物及びその容器包装を第一項の農林水産省令で定める方法により管理しなければならない。

  (焼却等の命令)

 第十三条の四 農林水産大臣は、前条第二項の検査の結果、第十三条の二第一項の許可の申請に係る水産動物が輸入防疫対象疾病にかかつていると認められるときは、当該水産動物又はその容器包装を所有し、又は管理する者に対し、当該水産動物又はその容器包装、いけすその他輸入防疫対象疾病の病原体が付着し、若しくは付着しているおそれのある物品の焼却、埋却、消毒その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

  (報告及び立入検査)

 第十三条の五 農林水産大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、水産動物及びその容器包装を輸入しようとする者又は輸入した者その他の関係者に対し、これらの輸入に関し必要な報告を求め、又はその職員に、これらの者の事業場、事務所若しくは水産動物の管理に係る施設に立ち入り、水産動物、容器包装、書類その他の物件を検査させることができる。

 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

  第十八条第一項中「定の」を「定めの」に、「以下第四項」を「第五項」に、「埋立」を「埋立て」に、「しゆんせつ」を「しゆんせつ」に、「きたす」を「来す」に改める。

  第三十七条中「一に」を「いずれかに」に、「、五十万円」を「又は五十万円」に改め、「、拘留又は科料」を削り、第三号及び第四号を削り、第二号を第四号とし、第一号を第三号とし、同号の前に次の二号を加える。

  一 第十三条の三第一項、第十三条の四又は第二十四条第一項の規定による命令に違反した者

  二 第十三条の三第二項若しくは第三項又は第二十五条の規定に違反した者

  第三十八条中「前条第四号」を「前条第二号(第二十五条に係る部分に限る。)」に改める。

  第四十条中「一に」を「いずれかに」に、「、十万円」を「又は三十万円」に改め、「、拘留又は科料」を削り、同条第三号中「第三十条」を「第三十条第一項」に改め、同号を同条第四号とし、同条中第二号を第三号とし、第一号を第二号とし、同号の前に次の一号を加える。

  一 第十三条の五第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 (持続的養殖生産確保法の一部改正)

第二条 持続的養殖生産確保法(平成十一年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。

  第七条の次に次の一条を加える。

  (特定疾病についての届出義務)

 第七条の二 養殖業を行う者又はこれに従事する者は、その所有又は管理に係る養殖水産動植物が特定疾病にかかり、又はかかっている疑いがあることを発見したときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該養殖水産動植物の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

 2 前項の規定による届出を受けた都道府県知事は、当該届出をした者に対し、当該養殖水産動植物について都道府県知事の行う検査を受けるべき旨を命ずることができる。

 3 都道府県知事は、第一項の規定による届出に係る養殖水産動植物がかかり、又はかかっている疑いがある疾病が特定疾病であると認めるときその他特定疾病が発生したと認めるときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に報告するとともに、関係都道府県知事に通報しなければならない。

  第八条の見出しを「(養殖水産動植物の移動制限等)」に改め、同条第一項第二号中「又は埋却」を「、埋却その他特定疾病の病原体の感染性を失わせる方法による処分」に改め、同項第三号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。

  三 特定疾病にかかるおそれのある養殖水産動植物(都道府県知事が指定する区域内に所在するものに限る。)を所有し、又は管理する者に対し、当該養殖水産動植物の移動を制限し、又は禁止すること。

  第九条第五項中「以下」を「第十三条第三項において」に改め、同条の次に次の二条を加える。

  (検査、注射、薬浴又は投薬)

 第九条の二 都道府県知事は、特定疾病のまん延を防止するため必要があるときは、養殖水産動植物を所有し、又は管理する者に対し、養殖水産動植物について都道府県知事の行う検査、注射、薬浴又は投薬を受けるべき旨を命ずることができる。

 2 第八条第二項の規定は、前項の規定による命令について準用する。

  (証明書の交付)

 第九条の三 都道府県知事は、第七条の二第二項の規定による検査又は前条第一項の規定による検査、注射、薬浴若しくは投薬を受けた養殖水産動植物を所有し、又は管理する者から請求があったときは、農林水産省令で定めるところにより、検査、注射、薬浴又は投薬を行った旨の証明書を交付しなければならない。

  第十二条の見出し中「特定疾病等」を「新疾病」に改め、同条中「特定疾病又は」を削る。

  第十三条第一項中「第十条第一項の規定による立入検査、質問及び集取並びに第十五条の規定による指導及び助言に関する事務のうち」を「この法律に規定する」に、「に係るものを行わせる」を「の事務に従事させる」に改める。

  第十五条の二中「第八条第一項」を「第七条の二、第八条第一項」に、「並びに」を「(第九条の二第二項において準用する場合を含む。)、」に改め、「第三項まで」の下に「、第九条の二第一項並びに第九条の三」を加える。

  第十八条中「第八条第一項第二号の規定による命令に違反した」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。

  一 第七条の二第一項の規定に違反した者

  二 第七条の二第二項又は第八条第一項第二号若しくは第三号の規定による命令に違反した者

  第十九条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条第一号中「第八条第一項第三号」を「第八条第一項第四号又は第九条の二第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (地方自治法の一部改正)

第二条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  別表第一持続的養殖生産確保法(平成十一年法律第五十一号)の項中「第八条第一項」を「第七条の二、第八条第一項」に、「並びに」を「(第九条の二第二項において準用する場合を含む。)、」に改め、「第三項まで」の下に「、第九条の二第一項並びに第九条の三」を加える。


     理 由

 水産防疫を的確に実施するため、水産動物の輸入の許可に関し、その対象の拡充、輸入後の一定期間の管理の命令の創設等の措置を講ずるとともに、養殖水産動植物の伝染性疾病のまん延の防止のための措置として、疾病発生時の届出の義務付け、疾病にかかるおそれのある養殖水産動植物の移動制限等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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