衆議院

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第一七七回

衆第二三号

   児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案

 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)の一部を次のように改正する。

 第二条第三項中「描写したもの」の下に「(専ら医学その他の学術研究の用に供するものを除く。)」を加え、同項第二号中「であって」の下に「殊更に」を加え、同項第三号中「であって」の下に「、児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、(でん) (適用上の注意等)

第三条 この法律の適用に当たっては、学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。

2 この法律のいかなる規定も、架空のものを描写した漫画、アニメーション、コンピュータゲーム等を規制するものと解釈してはならない。

 第七条の見出し中「児童ポルノ」の下に「取得、」を加え、同条第六項中「第四項」を「第五項」に改め、「目的で」の下に「、みだりに」を加え、同項を同条第七項とし、同条第五項中「目的で」の下に「、みだりに」を加え、同項を同条第六項とし、同条第四項中「児童ポルノ」を「みだりに、児童ポルノ」に、「電気通信回線」を「みだりに、電気通信回線」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る」を「みだりに、」に改め、「製造」の下に「(これを複製して製造する場合を除く。)」を加え、「第一項」を「第二項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「目的で」の下に「、みだりに」を、「電磁的記録」の下に「(専ら医学その他の学術研究の用に供するものを除く。第六項において同じ。)」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項中「児童ポルノ」を「みだりに、児童ポルノ」に、「電気通信回線」を「みだりに、電気通信回線」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

  みだりに、児童ポルノを対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。みだりに、電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録(専ら医学その他の学術研究の用に供するものを除く。次項及び第五項において同じ。)を対償を供与し又はその供与の約束をして反復して取得した者も、同様とする。

 第九条中「から前条まで」を「、第六条、第七条第二項から第七項まで及び前条」に改める。

 第十条中「第五項」を「第六項」に改める。

 第十四条第一項中「児童ポルノの」の下に「取得、」を加え、「かんがみ」を「鑑み」に改め、同条第二項中「児童ポルノの」の下に「取得、」を加える。

 第十五条第一項中「関係行政機関」を「厚生労働省、法務省、都道府県警察、児童相談所、福祉事務所その他の国、都道府県又は市町村の関係行政機関」に改め、同条第二項中「関係行政機関は、前項」を「前項の関係行政機関は、同項」に改める。

 第十七条を第十八条とし、第十六条の次に次の一条を加える。

 (心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等)

第十七条 社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとする。

2 社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議は、前項の検証及び評価の結果を勘案し、必要があると認めるときは、当該児童の保護に関する施策の在り方について、それぞれ厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べるものとする。

3 厚生労働大臣又は関係行政機関は、前項の意見があった場合において必要があると認めるときは、当該児童の保護を図るために必要な措置を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (条例との関係)

第三条 地方公共団体の条例の規定で、この法律による改正後の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下この項において「新法」という。)第二条第三項に規定する児童ポルノを取得し、若しくは所持する行為、新法第七条第一項に規定する電磁的記録その他の記録を取得し、若しくは保管する行為又は新法第七条第四項の規定に違反する行為を処罰する旨を定めているものの当該行為に係る部分については、この法律の施行と同時に、その効力を失うものとする。

2 前項の規定により条例の規定がその効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした違反行為の処罰については、その失効後も、なお従前の例による。

 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正)

第四条 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。

  第三十五条及び第三十五条の二中「第七条」を「第七条第二項から第七項まで」に改める。

 (厚生労働省設置法の一部改正)

第五条 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)の一部を次のように改正する。

  第七条第一項第四号中「(昭和二十二年法律第百六十四号)」の下に「、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)」を加える。

 (組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部改正)

第六条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  別表第七十号中「第七条第四項から第六項まで」を「第七条第五項から第七項まで」に改める。


     理 由

 児童ポルノに係る問題により適切に対処するため、児童ポルノの定義を明確化するとともに、みだりに児童ポルノを有償でかつ反復して取得すること等を処罰する規定を設けることとし、あわせて心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策を推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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