衆議院

メインへスキップ



第一八六回

衆第三号

   放送法の一部を改正する法律案

 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第四節 監査委員会(第四十二条−第四十八条)」を

第四節 監査委員会(第四十二条−第四十八条)

 

 

第四節の二 会長指名委員会(第四十八条の二−第四十八条の五)

に、「第九章 放送番組センター(第百六十七条−第百七十三条)」を

第九章 放送番組センター(第百六十七条−第百七十三条)

 

 

第九章の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会(第百七十三条の二−第百七十三条の八)

に改める。

 第十八条第一項第五号中「監査委員会」の下に「、会長指名委員会」を加える。

 第二十九条第一項第一号タ中「第六十二条」を「第六十二条第一項」に改め、同条第二項中「を委員」の下に「又は会長」を加え、同条に次の一項を加える。

4 第一項第一号ロ、ハ(7)、タ(役員の報酬及び退職金の支給の基準並びに役員の服務に関する準則に限る。)及びレに掲げる事項に係る議決は、経営委員会の出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

 第三十条第一項中「委員十二人」の下に「及び会長」を加え、同条に次の一項を加える。

5 前項に規定する委員長の職務を代行する者の選任は、経営委員会の出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

 第三十一条第三項第四号中「政党」を「政党その他の政治団体」に改め、同条第四項中「五人」を「四人」に、「政党」を「政党その他の政治団体」に改め、同条に次の二項を加える。

5 総務大臣は、内閣総理大臣が委員を任命するに当たり、その委員として任命すべき者の選定に資するよう、委員の候補者を選定し、その名簿を内閣総理大臣に提出するものとする。

6 総務大臣は、前項の規定による委員の候補者の選定については、日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会に諮問するものとする。

 第三十六条第二項中「五人」を「四人」に、「政党」を「政党その他の政治団体」に、「四人」を「三人」に改める。

 第三十九条第四項を削り、同条第五項を同条第四項とし、同条に次の一項を加える。

5 会長指名委員会が選定する会長指名委員は、会長指名委員会の職務の執行の状況を経営委員会に報告しなければならない。

 第四十条の見出しを「(議決の方法)」に改め、同条第二項中「の外、出席委員」を「のほか、出席者」に改め、同条第三項を削る。

 第四十一条中「遅滞なく」を「総務省令で定める期間内に」に改め、同条に次の一項を加える。

2 前項の議事録は、経営委員会における意思決定に至る過程等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、できる限り詳細に作成されなければならない。

 第四十二条に次の一項を加える。

4 前項の任命は、経営委員会の出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

 第三章第四節の次に次の一節を加える。

    第四節の二 会長指名委員会

 (会長指名委員会の設置等)

第四十八条の二 協会に会長指名委員会を置く。

2 会長指名委員会は、会長指名委員三人以上をもつて組織する。

3 会長指名委員は、経営委員会の委員の中から、経営委員会が任命する。

4 会長指名委員の任命については、過半数が同一の政党その他の政治団体に属する者となることとなつてはならない。

5 経営委員会は、会長指名委員のうち過半数が同一の政党その他の政治団体に属することとなつたときは、同一の政党その他の政治団体に属する者が会長指名委員の数の半数(会長指名委員の数が奇数である場合には、その二分の一の数に生じた端数を切り捨てた数)になるように、会長指名委員を罷免するものとする。

6 第三項の任命又は前項の罷免は、経営委員会の出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

 (会長指名委員会の権限)

第四十八条の三 会長指名委員会は、会長の任命及び罷免に関する経営委員会の議案の内容を決定する。

 (会長指名委員会による情報の公表)

第四十八条の四 会長指名委員会は、あらかじめ、会長として任命すべき者の選定の基準及び手続を定め、これを公表しなければならない。

2 会長指名委員会は、会長指名委員会の終了後、会長の任命及び罷免を議事とする経営委員会の日の前日までに、経営委員会の定めるところにより、会長指名委員会の議事の経過の要領及びその結果を記載した書類を作成し、これを公表しなければならない。

 (会長指名委員会への準用)

第四十八条の五 第四十七条及び第四十八条(第三項を除く。)の規定は、会長指名委員会について準用する。

 第五十五条第一項中「監査委員」の下に「、会長指名委員」を加え、「とき、」を「とき」に改め、同条第二項中「たえない」を「堪えない」に、「とき、」を「とき」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 前項の会長、監査委員又は会長指名委員の罷免は、経営委員会の出席委員の過半数をもつて決する。可否同数のときは、委員長が決する。

 第六十二条中「義務」の下に「、役員の法令及び定款を遵守して協会のため忠実に職務を行う義務」を加え、同条に次の一項を加える。

2 前項に規定する役員の服務に関する準則には、協会の放送の不偏不党、真実及び自律に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するために役員が遵守すべき事項が含まれるものとする。

 第九章の次に次の一章を加える。

   第九章の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会

 (設置)

第百七十三条の二 総務省に、日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会(以下この章において「選定委員会」という。)を置く。

 (所掌事務)

第百七十三条の三 選定委員会は、第三十一条第六項の規定による総務大臣の諮問に応じ、経営委員会の委員の候補者の選定について調査審議する。

 (組織)

第百七十三条の四 選定委員会は、委員六人以内をもつて組織する。

 (委員の任命)

第百七十三条の五 委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、総務大臣が任命する。

 (委員の任期等)

第百七十三条の六 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 委員は、再任されることができる。

3 委員は、非常勤とする。

 (委員長)

第百七十三条の七 選定委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。

2 委員長は、会務を総理し、選定委員会を代表する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (政令への委任)

第百七十三条の八 この法律に規定するもののほか、選定委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

 第百九十一条第一項第三号中「第四十一条」を「第四十一条第一項、第四十八条の四第一項若しくは第二項」に、「第六十二条」を「第六十二条第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に日本放送協会の経営委員会の委員(附則第四条において「経営委員」という。)である者に対するこの法律による改正後の放送法(次項において「新法」という。)第三十五条の規定による罷免に関しては、この法律の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に日本放送協会の会長、副会長及び理事である者に対する新法第五十四条の規定による罷免に関しては、この法律の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。

3 この法律の施行前に開かれた日本放送協会の経営委員会の議事録については、なお従前の例による。

4 前三項に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (総務省設置法の一部改正)

第三条 総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第四款 電気通信紛争処理委員会(第十九条)」を

第四款 電気通信紛争処理委員会(第十九条)

 

 

第四款の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会(第十九条の二)

 に改める。

  第八条第二項中「電気通信紛争処理委員会」を

電気通信紛争処理委員会

 

 

日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会

 に改める。

  第三章第二節第四款の次に次の一款を加える。

      第四款の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会

 第十九条の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会については、放送法(これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。

 (検討)

第四条 経営委員の候補者の選定の在り方については、この法律の施行後一年以内を目途に、候補者の選定過程における公正性の適切な確保を図る観点から、この法律の施行の状況、通信及び放送の分野における規律に関する事務の公正かつ中立な処理を確保するための法制の整備の状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。

第五条 政府は、この法律の施行後三年以内に、放送法第九十三条第一項第四号及び第二項に定める基幹放送の業務に係る認定の要件その他の表現の自由ができるだけ多くの者によって享有されるようにするための制度の在り方について、放送の健全な発達を図り、国民にその効用をもたらすことを保障する観点から、新聞社、通信社その他のニュース又は情報の頒布を業とする事業者と同法第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者との関係の在り方を含めて検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


     理 由

 日本放送協会の経営委員会の委員及び会長の任命、経営委員会の運営並びに役員の服務の適正を確保するため、総務大臣が、総務省に設置する日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会に諮問して経営委員会の委員の候補者を選定し、その名簿を内閣総理大臣に提出すること並びに日本放送協会に設置する会長指名委員会が会長の任命及び罷免に関する経営委員会の議案の内容を決定することを定め、同一の政党その他の政治団体に属することができる経営委員会の委員の数の制限を厳格化し、並びに経営委員会の構成員に会長を加えることを定めるとともに、役員の服務に関する準則において定める事項を明らかにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.