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   厚生労働委員長衛藤晟一君解任決議案(第一五九回国会、決議第一号)


 本院は、厚生労働委員長衛藤晟一君を解任する。
  右決議する。

     理 由
 厚生労働委員長衛藤晟一君は、委員長就任にあたり、「本委員会は、年金問題、医療問題、介護問題、雇用問題などいずれも国民生活に密接に関連した課題が山積いたしております。特に、年金問題、我が国が急速に少子高齢化社会へと移行しつつある中、国民の重大な関心事となっております・・・。」と年金問題の重要性を強調し、あわせて委員長の職責の重大さを痛感し、公平且つ円満な委員会運営に努めることを公約していた。
 しかしながら、衛藤君は去る、四月二八日、同君が重要性を訴えた「年金問題」の「抜本改革」を全く実現することなく、いたずらに国民の負担増を強いるだけの「国民年金法等の一部を改正する法律案」他二案、いわゆる年金関連法案の厚生労働委員会における審議を突然打ち切り、与党単独で採決を強行するという、自らの公約を微塵も省みない暴挙を行ったのである。
 そもそも同法案は、「一四年連続の厚生年金掛け金引き上げ法案」と厳しく批判され、いたずらに国民の負担増だけを強いる法案である。また、厚生年金からのグリーンピア施設等への莫大な支出が明らかになる一方で、年金資金からの巨額の拠出金回収のメドは全く立たず、その責任を政治家も官僚も全く取ろうとしないこと。あるいは二〇〇二年度実績で国民年金の未納又は免除者が三七・八%に達すること。なお且つ、その中には法案提出者である小泉内閣の主要閣僚も含まれており、同年度の徴収不能額が八一九四億円にのぼっていることなど、国民の年金制度に対する不信・不満は極限に達している。
 そのような中で、国民生活に重大な影響をもたらす、このような重要法案を十分な審議もしないで、また、公聴会を開催して国民の意見を審議に反映する努力もせずに与党多数で採決を強行したのである。国民の強い批判を受ける中で、与党の理不尽な意向を真に受けて、あのような暴挙を行った厚生労働委員長衛藤晟一君の行為は断じて容認できない。また、衛藤君は年金関連法案の衆議院本会議での採決終了まで自らの国民年金未納問題を隠蔽していた。理事会などで自らの年金未納は再三否定しており、極めて悪質である。さらには、年金法案の採決後、衛藤君が委員長としての「自己責任」を明らかにしないため、厚生労働委員会は一ヶ月以上混乱状態のまま開催できなかった。にもかかわらず、あろうことか衛藤君は六月四日に再び委員長の職権で委員会を開会した上、与党単独で、与党の都合で先送りしていた、「児童手当法の一部を改正する法律案」他の趣旨説明と質疑、さらには採決まで強行しようとしているのである。言語道断である。衛藤君には委員長としての見識の欠片もない。即刻辞任すべきである。衛藤君の行為は厚生労働委員長の重い職責に全く背くものと言わざるを得ない。よって、ここに衛藤晟一君の厚生労働委員長解任を強く求める。
 以上が本決議案を提出する理由である。

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