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   財務大臣・金融担当大臣麻生太郎君不信任決議案(第一九八回国会、決議第五号)


 本院は、財務大臣・金融担当大臣麻生太郎君を信任せず。
  右決議する。

     理 由
 金融担当大臣の麻生太郎君をめぐっては、何より大問題なのは、「老後資金二千万円不足問題」において、自らが大臣として諮問した結果、出された金融審議会市場ワーキング・グループからの報告書が、自らの意に沿わないので受け取らないという前代未聞の暴挙に出たことである。麻生君は、政府のスタンスと異なるという意味不明の見苦しい言い訳をしたが、実際には厚生労働省の資料を基にした議論の結果出された報告書で、政府の従来の姿勢を踏襲したことは明らかであり、政府のスタンス云々の言い訳は付け焼き刃の事実誤認も甚だしい思い込みに過ぎない。諮問を受けて真剣に議論した委員にも全くもって失礼極まる暴言であり、この一点を以てしても大臣の資格はない。
 麻生君は、資質に対する根本的な疑念や傲慢極まる数々の言動への批判が絶えることはなく、そもそも大臣たる職にふさわしい人物では全くない。金融政策の行き詰まりも明らかであり、一刻も早くその職を辞するべきであることは、数々の世論調査の結果を見るまでもなく、明白である。国民の怒りと不信感を増長させ、政治不信を極限まで高め続けている麻生君に、これ以上、金融担当大臣の任を続けさせることは許されない。
 財務大臣の麻生太郎君をめぐっては、資質に対する疑念、傲慢な言動への批判は絶えることがなく、財務大臣の職にあるべき人物ではない。その失言の類いは、例を挙げればきりがないが、今年になっての「子どもを産まなかった方が問題」発言は、過去にも繰り返されており、形ばかりの謝罪の言葉は、空虚に響くだけである。
 人の税金を使って学校に行った、セクハラした次官は女性にはめられて訴えられている、自民党勝利は北朝鮮のおかげ、ヒトラーはいくら動機が正しくてもだめ、ナチス憲法に変わって誰も気づかなかったあの手口に学んではどうか、アルツハイマーの人でも分かる、など、その口から発せられる言葉は、耳を塞ぎたくなるほどの暴言・放言のオンパレードであり、もはや大臣にあたいしないどころか、政治家の任にもない。麻生君の人間性すら疑わざるを得ない。
 更には、いわゆる森友問題をめぐる決裁文書の改竄、隠蔽や、不十分としか言いようのない調査と処分、佐川国税庁長官の辞任、福田事務次官のセクハラ問題と辞任、国会からの提出要求資料の廃棄など、財務省を巡ってあまりにも多くの問題が噴出し続けた。どの問題一つをとっても財務省全体を揺るがす大問題であり、財務省に対する国民の信頼は、もはや地に落ちている。その責任者は麻生君その人であり、何度辞任しても足りないほどの罪状であると断じざるを得ない。
 麻生君は、こうした数々の大問題に対して他人事のような答弁、発言を再三にわたって繰り返し、大臣としての責任感を微塵も感じさせず、看過し難い。国民の怒りと不信感を増長させ、政治不信を極限まで高めた麻生君に、これ以上大臣の任を続けさせることは許されない。本来ならば、自らが財務大臣の職を辞すべきところ、そのような責任感すら全く持ち合わせていない。
 麻生君は、財務大臣の最も重要な職責である、財政再建への取り組みが全く不十分である。我が国の財政は悪化の一途をたどっている。プライマリーバランスの黒字化目標は、二〇二五年度に五年も先送りされている。しかも、今年度予算は、財政制度等審議会の「平成時代の財政運営の失敗と過ちを二度と繰り返してはならない」旨の建議を一顧だにせず、過去最大の一〇〇兆円の大台を超える予算を編成した。この様に、財政規律は、緩みっぱなしであり、麻生君の責任は極めて重いと言わざるを得ない。
 これ以上、麻生君が財務大臣の座に居座り続けることは、国民生活をさらに崩壊させ、国益を損ない続けることである。麻生君が一刻も早く辞することが、効率的かつ透明な行政と健全な日本経済と国民生活を取り戻すことの第一歩となる。
 以上が、本決議案を提出する理由である。

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