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     国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律案要綱


第一 目的                                    (第一条関係)
 この法律は、有効で安全な医療機器の迅速な実用化等により国民が受ける医療の質の向上を図るため、医療機器の研究開発及び普及に関し、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とすること。
第二 基本理念                                  (第二条関係)
 医療機器の研究開発及び普及は、次に掲げる事項を基本として行われなければならないこと。
1 医療機器について、医療の水準が我が国と同等である外国において実用化される時期に遅れることなく、我が国において実用化されるようにすること。
2 医療機器について、使用の成績等を踏まえた改良が随時行われることにより有効性及び安全性の向上が図られるものであること、種類が多岐にわたること、有効性及び安全性が使用方法及び使用する者の技能に負うところが大きいこと等の特性を有することを踏まえ、それらの特性に応じて品質、有効性及び安全性の確保を図ること。
3 関連事業者、大学その他の研究機関及び医師その他の医療関係者の連携の強化等により、我が国の高度な技術を活用し、かつ、我が国における医療の需要にきめ細かく対応した先進的な医療機器が創出されるようにすること。
第三 国の責務                                  (第三条関係)
 国は、第二の基本理念にのっとり、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すること。
第四 医療機器の製造、販売等を行う事業者等の責務                 (第四条関係)
 医療機器の製造、販売等を行う事業者及び医療機器に関する試験又は研究の業務を行う者は、第二の基本理念にのっとりその事業活動等を行うとともに、国が講ずる医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策に協力するよう努めなければならないこと。
第五 医師等の責務                                (第五条関係)
 医師その他の医療関係者は、国が講ずる医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策に協力するよう努めなければならないこと。
第六 法制上の措置等                               (第六条関係)
 政府は、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならないこと。
第七 基本計画                                  (第七条関係)
一 政府は、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならないこと。
二 基本計画は、医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策についての基本的な方針等について定めるものとすること。
三 政府は、基本計画に定める施策については、原則として、当該施策の具体的な目標及びその達成の時期を定めるものとし、適時に、その目標の達成状況を調査し、その結果を公表しなければならないこと。
四 政府は、基本計画を策定し、又は変更したときは、遅滞なく、公表しなければならないこと。
第八 医療機器に関する規制の見直し                        (第八条関係)
 国は、医療機器の特性に応じてその規制を合理化し、医療機器の迅速な実用化、多様な主体の参入による医療機器の研究開発の活性化等を図るため、国際的な標準を踏まえつつ、製造販売について民間の主体による認証に委ねる医療機器の範囲、医療機器の製造販売の承認等に係る製造管理及び品質管理の方法の調査の手法、医療機器の製造業の許可制度その他の事項の見直しを行うものとすること。
第九 医療機器の製造販売の承認等の迅速化のための体制の充実等           (第九条関係)
一 国は、医療機器の製造販売の承認等の迅速化を図るため、審査及び調査に係る従事者の増員及び資質の向上その他の実施体制の充実、審査等に係る基準の明確化その他の必要な施策を講ずるものとすること。
二 国は、医療機器の製造販売の承認の申請が速やかに行われることに資するよう、申請に関する相談体制の充実、治験及び臨床研究を行う拠点の整備、治験の意義に関する国民の理解の増進、治験の基準と同等の基準に基づく臨床研究の促進その他の必要な施策を講ずるものとすること。
第十 医療機器の種類の多様化に応じた品質等の確保                 (第十条関係)
 国は、情報処理に関する技術の進歩に伴うソフトウェアの使用の拡大等により医療機器の種類が多様化していることを踏まえ、その実態に応じて医療機器の品質、有効性及び安全性を確保するために必要な制度の整備を行うものとすること。
第十一 医療機器の適正な使用に関する情報提供体制の充実等            (第十一条関係)
 国は、医療機器の有効性及び安全性が使用方法及び使用する者の技能に負うところが大きいことに鑑み、医療機器の有効性及び安全性を確保するため、医療機器の適正な使用に関し、情報の提供を行う体制の充実、医師その他の医療従事者に対する研修の充実、国民の理解の増進その他の必要な施策を講ずるものとすること。
第十二 先進的な医療機器の研究開発の促進                    (第十二条関係)
 国は、先進的な医療機器の研究開発を促進するため、関連事業者、大学その他の研究機関及び医師その他の医療関係者の医療機器の研究開発に関する連携の拠点の整備、これらの者の間の医療機器の研究開発に関する情報の共有の促進、医療機器の研究開発に関する人材の養成の促進、高度なものづくり技術を有する中小企業者等の医療機器の研究開発に関する事業への参入の促進その他の必要な施策を講ずるものとすること。
第十三 医療機器の輸出等の促進                         (第十三条関係)
 国は、医療機器の使用の成績等に係る情報の蓄積等を通じた医療機器の研究開発及び普及の進展に資するよう、医療機器の輸出その他の医療機器に係る国際的な事業展開の促進のため必要な施策を講ずるものとすること。
第十四 関係者の連携協力に関する措置                      (第十四条関係)
 国は、基本計画に定められた目標の達成その他医療機器の研究開発及び普及の促進に関する施策の効果的な推進を図るため、厚生労働省、文部科学省、経済産業省その他の関係行政機関の職員、医療機器の製造、販売等を行う事業者、医療機器に関する試験又は研究の業務を行う者、医師その他の医療関係者等による協議の場を設ける等、関係者の連携協力に関し必要な措置を講ずるものとすること。
第十五 施行期日                                  (附則関係)
 この法律は、公布の日から施行すること。

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