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   国会法等の一部を改正する法律案要綱


第一 国会法の一部改正
一 情報監視審査会の設置等(第百二条の十三、第百二条の十四、第百二条の二十及び第百二条の二十一関係)
  1 行政における特定秘密の保護に関する制度の運用を常時監視するため特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について調査し、並びに各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会からの特定秘密の提出の要求に係る行政機関の長の判断の適否等を審査するため、各議院に情報監視審査会を設けること。
  2 情報監視審査会は、調査のため、特定秘密保護法第十九条の規定による報告を受けること。
  3 国務大臣等の出席等の規定を情報監視審査会に準用すること。
  4 この法律及び他の法律に定めるもののほか、情報監視審査会に関する事項は、各議院の議決によりこれを定めること。
 二 情報監視審査会に対する特定秘密の提出又は提示の手続(第百二条の十五関係)
1 各議院の情報監視審査会から調査のため、行政機関の長に対し、必要な特定秘密の提出(提示を含むものとする。以下同じ。)を求めたときは、その求めに応じなければならないこと。
2 行政機関の長が1の求めに応じないときは、その理由を疎明しなければならないこと。その理由をその情報監視審査会において受諾し得る場合には、行政機関の長は、その特定秘密の提出をする必要がないこと。
3 2の理由を受諾することができない場合は、その情報監視審査会は、更にその特定秘密の提出が我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがある旨の内閣の声明を要求することができること。その声明があった場合は、行政機関の長は、その特定秘密の提出をする必要がないこと。
4 3の要求後十日以内に、内閣がその声明を出さないときは、行政機関の長は、先に求められた特定秘密の提出をしなければならないこと。
三 運用改善の勧告(第百二条の十六関係)
1 情報監視審査会は、調査の結果、必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、行政における特定秘密の保護に関する制度の運用について改善すべき旨の勧告をすることができること。
2 情報監視審査会は、行政機関の長に対し、1の勧告の結果とられた措置について報告を求めることができること。
 四 提出の勧告(第百二条の十七関係)
1 情報監視審査会は、六1の審査の求め又は要請を受けた場合は、各議院の議決により定めるところにより、これについて審査するものとすること。
2 1の審査のため、行政機関の長に対し、必要な特定秘密の提出を求めた場合について、二と同様の規定を整備すること。
3 情報監視審査会は、1の審査の結果に基づき必要があると認めるときは、行政機関の長に対し、当該審査の求め又は要請をした委員会等の求めに応じて報告又は記録の提出をすべき旨の勧告をすることができること。この場合において、当該勧告は、その提出を求める報告又は記録の範囲を限定して行うことができること。
4 二の2から4までは、行政機関の長が3の勧告に従わない場合について準用すること。
5 情報監視審査会は、1の審査の結果を、当該審査の求め又は要請をした委員会等に対して通知するものとすること。
五 情報監視審査会における特定秘密の保護措置
  1 適性評価(第百二条の十八関係)
  各議院の情報監視審査会の事務は、その議院の議長が別に法律で定めるところにより実施する適性評価においてその事務を行った場合に特定秘密を漏らすおそれがないと認められた者でなければ、行ってはならないこと。
2 特定秘密を利用し、又は知ることができる者の制限(第百二条の十九関係)
二及び四により、特定秘密が各議院の情報監視審査会に提出されたときは、その特定秘密は、その情報監視審査会の委員及び各議院の議決により定める者並びにその事務を行う職員に限り、かつ、その調査又は審査に必要な範囲で、利用し、又は知ることができるものとすること。
 六 委員会等による国政調査への政府の対応の審査
  1 情報監視審査会への審査要請(第百四条の二関係)
    委員会等が国会法第百四条の規定によりその内容に特定秘密である情報が含まれる報告又は記録の提出を求めた場合において、行政機関の長が理由を疎明してその求めに応じなかったときは、その委員会等は、内閣の声明を要求することに代えて、その議院の情報監視審査会に対し、行政機関の長がその求めに応じないことについて審査を求め、又はこれを要請することができること。
  2 特定秘密を利用し、又は知ることができる者の制限(第百四条の三関係)
  国会法第百四条の規定により、その内容に特定秘密である情報を含む報告又は記録が委員会等に提出されたときは、その報告又は記録は、その委員会等の委員等及びその事務を行う職員に限り、かつ、その審査又は調査に必要な範囲で、利用し、又は知ることができるものとすること。
第二 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律の一部改正(第五条の二から第五条の五まで関係)
   議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律に基づく証言又は書類の提出についても、第一の四、五2及び六と同様の規定を整備すること。
第三 国会職員法の一部改正(第五章の二関係)
一 各議院の議長は、両議院の議長が協議して定めるところにより、両議院の議長が協議して定める国会職員又は国会職員になることが見込まれる者について、適性評価を実施するものとすること。
二 各議院の議長は、評価対象者について、両議院の議長が協議して定める事項についての調査を行うため必要な範囲内において、その院の国会職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができること。
 三 一及び二に定めるもののほか、適性評価の実施に関し必要な事項は、両議院の議長が協議して定めること。
第四 検討事項(附則第三項から第五項まで関係)
一 この法律の施行後、我が国が国際社会の中で我が国及び国民の安全を確保するために必要な海外の情報を収集することを目的とする行政機関が設置される場合には、国会における当該行政機関の監視の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。
二 情報監視審査会における調査スタッフの能力の向上、効果的な調査手法の開発その他情報監視審査会の調査機能の充実強化のための方策については、国会において、常に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
三 政府は、この法律の施行後速やかに、行政機関が保有する特定秘密以外の公表しないこととされている情報の取扱いの適正を確保するための仕組みを整備するものとし、当該情報の提供を受ける国会における手続及びその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
第五 施行期日等(附則第一項、第二項、第六項及び第七項関係)
一 この法律は、特定秘密の保護に関する法律の施行の日から施行すること。ただし、第三及び二は、公布の日から施行すること。
二 情報監視審査会の委員の選任のために必要な行為その他情報監視審査会の設置のために必要な準備行為は、この法律の施行前においても行うことができること。
三 その他所要の規定の整備を行うこと。

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