愛玩動物看護師法案要綱
第一 目的
この法律は、愛玩動物看護師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるよう規律し、もって愛玩動物に関する獣医療の普及及び向上並びに愛玩動物の適正な飼養に寄与することを目的とすること。
(第一条関係)
第二 定義
1 この法律において「愛玩動物」とは、獣医師法第十七条に規定する飼育動物のうち、犬、猫その他政令で定める動物をいうこと。 (第二条第一項関係)
2 この法律において「愛玩動物看護師」とは、農林水産大臣及び環境大臣の免許を受けて、愛玩動物看護師の名称を用いて、診療の補助(愛玩動物に対する診療(獣医師法第十七条に規定する診療をいう。以下同じ。)の一環として行われる衛生上の危害を生ずるおそれが少ないと認められる行為であって、獣医師の指示の下に行われるものをいう。以下同じ。)及び疾病にかかり、又は負傷した愛玩動物の世話その他の愛玩動物の看護並びに愛玩動物を飼養する者その他の者に対するその愛護及び適正な飼養に係る助言その他の支援を業とする者をいうこと。 (第二条第二項関係)
第三 免許
1 愛玩動物看護師になろうとする者は、愛玩動物看護師国家試験(以下「試験」という。)に合格し、農林水産大臣及び環境大臣の免許を受けなければならないこと。 (第三条関係)
2 欠格事由、愛玩動物看護師名簿、免許の取消しその他所要の規定を設けること。
第四 登録
1 農林水産省及び環境省にそれぞれ愛玩動物看護師名簿を備え、免許に関する事項を登録すること。
(第五条関係)
2 農林水産大臣及び環境大臣は、その指定する者に、愛玩動物看護師の登録の実施等に関する事務を行わせることができるものとするほか、登録に関し所要の規定を設けること。
第五 試験
1 試験は、愛玩動物看護師として必要な知識及び技能について行うものとし、毎年一回以上、農林水産大臣及び環境大臣が行うものとすること。 (第二十九条及び第三十条関係)
2 試験は、次のいずれかに該当する者でなければ、受けることができないものとすること。
(第三十一条関係)
(1) 学校教育法に基づく大学において農林水産大臣及び環境大臣の指定する科目を修めて卒業した者
(2) 農林水産省令・環境省令で定める基準に適合するものとして、都道府県知事が指定した愛玩動物看護師養成所において、三年以上愛玩動物看護師として必要な知識及び技能を修得した者
(3) 外国の第二の2の業務に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で愛玩動物看護師に係る農林水産大臣及び環境大臣の免許に相当する免許を受けた者で、農林水産大臣及び環境大臣が(1)及び(2)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
3 農林水産大臣及び環境大臣は、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務を行わせることができるものとするほか、試験に関し所要の規定を設けること。
第六 業務等
1 愛玩動物看護師は、獣医師法第十七条の規定にかかわらず、診療の補助を行うことを業とすることができること。 (第四十条関係)
2 愛玩動物看護師でない者は、愛玩動物看護師又はこれに紛らわしい名称を使用してはならないこと。
(第四十二条関係)
第七 罰則
罰則に関し、所要の規定を設けること。 (第四十四条から第四十八条まで関係)
第八 施行期日等
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、指定試験機関等に係る一部の規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。 (附則第一条関係)
二 受験資格の特例
次のいずれかに該当する者は、第五の2にかかわらず、試験を受けることができること。
(附則第二条関係)
1 次のいずれかに該当する者であって、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から五年を経過する日までに農林水産大臣及び環境大臣が指定した講習会の課程を修了したもの
(1) 施行日前に学校教育法に基づく大学を卒業した者であって、当該大学において農林水産大臣及び環境大臣の指定する科目を修めたもの
(2) 施行日前に学校教育法に基づく大学に入学した者であって、農林水産大臣及び環境大臣の指定する科目を修めて施行日以後に卒業したもの
(3) 第二の2の業務(診療の補助を除く。)に必要な知識及び技能を修得させる養成所であって都道府県知事が指定したものにおいて、施行日前に当該知識及び技能の修得を終えた者
(4) 第二の2の業務(診療の補助を除く。)に必要な知識及び技能を修得させる養成所であって都道府県知事が指定したものにおいて、この法律の施行の際現に当該知識及び技能を修得中であり、その修得をこの法律の施行日以後に終えた者
2 愛玩動物看護師国家試験予備試験(以下「予備試験」という。)に合格した者
三 予備試験
1 農林水産大臣及び環境大臣は、試験を受けようとする者が第五の2の(1)及び(2)に掲げる者と同等の知識及び技能を有するかどうかを判定することを目的として、施行日から五年を経過する日までの間、毎年一回以上、予備試験を行うものとすること。 (附則第三条第一項関係)
2 予備試験は、第二の2の業務(診療の補助を除く。)を五年以上業として行った者又は農林水産大臣及び環境大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める者であって、農林水産大臣及び環境大臣が指定した講習会の課程を修了したものでなければ、受けることができないものとすること。
(附則第三条第二項関係)
四 その他
その他所要の規定を整備すること。