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法律第百五号(平七・六・七)

  ◎保険業法

 保険業法(昭和十四年法律第四十一号)の全部を改正する。

目次

 第一編 総則(第一条・第二条)

 第二編 保険会社等

  第一章 通則(第三条―第八条)

  第二章 保険業を営む株式会社及び相互会社

   第一節 保険業を営む株式会社の特例(第九条―第十七条)

   第二節 相互会社

    第一款 通則(第十八条―第二十一条)

    第二款 設立(第二十二条―第三十条)

    第三款 社員の権利義務(第三十一条―第三十六条)

    第四款 機関

     第一目 社員総会(第三十七条―第四十一条)

     第二目 総代会(第四十二条―第五十条)

     第三目 取締役及び取締役会(第五十一条・第五十二条)

     第四目 監査役(第五十三条)

    第五款 計算(第五十四条―第五十九条)

    第六款 基金の募集及び相互会社の社債発行(第六十条・第六十一条)

    第七款 定款の変更(第六十二条)

    第八款 雑則(第六十三条―第六十七条)

   第三節 組織変更

    第一款 株式会社から相互会社への組織変更(第六十八条―第八十四条)

    第二款 相互会社から株式会社への組織変更(第八十五条―第九十六条)

  第三章 業務(第九十七条―第百五条)

  第四章 子会社(第百六条―第百八条)

  第五章 経理(第百九条―第百二十二条)

  第六章 監督(第百二十三条―第百三十四条)

  第七章 保険契約の包括移転、事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託

   第一節 保険契約の包括移転(第百三十五条―第百四十一条)

   第二節 事業の譲渡又は譲受け(第百四十二条・第百四十三条)

   第三節 業務及び財産の管理の委託(第百四十四条―第百五十条)

  第八章 整理、解散、合併及び清算

   第一節 整理(第百五十一条)

   第二節 解散(第百五十二条―第百五十八条)

   第三節 合併(第百五十九条―第百七十三条)

   第四節 清算(第百七十四条―第百八十四条)

  第九章 外国保険業者

   第一節 通則(第百八十五条―第百九十三条)

   第二節 業務、経理等(第百九十四条―第百九十九条)

   第三節 監督(第二百条―第二百七条)

   第四節 保険業の廃止等(第二百八条―第二百十三条)

   第五節 雑則(第二百十四条―第二百十八条)

   第六節 特定法人に対する特則(第二百十九条―第二百四十条)

  第十章 保険契約者等の保護のための特別の措置等

   第一節 業務及び財産の管理等に関する大蔵大臣の処分等

    第一款 業務の停止、保険契約の移転及び合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理(第二百四十一条)

    第二款 業務及び財産の管理(第二百四十二条―第二百四十九条)

    第三款 契約条件の変更(第二百五十条―第二百五十五条)

    第四款 保険契約の移転等の手続の実施の命令等(第二百五十六条―第二百五十八条)

   第二節 保険契約者保護基金の行う資金援助等

    第一款 保険契約者保護基金(第二百五十九条―第二百六十五条)

    第二款 資金援助等(第二百六十六条―第二百七十条)

   第三節 清算手続等との調整(第二百七十一条)

  第十一章 雑則(第二百七十二条―第二百七十四条)

 第三編 保険募集

  第一章 通則(第二百七十五条)

  第二章 生命保険募集人及び損害保険代理店並びに所属保険会社

   第一節 生命保険募集人及び損害保険代理店(第二百七十六条―第二百八十二条)

   第二節 所属保険会社(第二百八十三条―第二百八十五条)

  第三章 保険仲立人(第二百八十六条―第二百九十三条)

  第四章 業務(第二百九十四条―第三百一条)

  第五章 監督(第三百二条―第三百八条)

 第四編 雑則(第三百九条―第三百十四条)

 第五編 罰則(第三百十五条―第三百三十八条)

 附則

  第一編 総則

 (目的)

第一条 この法律は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者等の保護を図り、もって国民生活の安定及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「保険業」とは、不特定の者を相手方として、人の生死に関し一定額の保険金を支払うことを約し保険料を収受する保険、一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し保険料を収受する保険その他の保険で、次条第四項各号又は第五項各号に掲げるものの引受けを行う事業(他の法律に特別の規定のあるものを除く。)をいう。

2 この法律において「保険会社」とは、次条第一項の大蔵大臣の免許を受けて保険業を行う者をいう。

3 この法律において「生命保険会社」とは、保険会社のうち次条第四項の生命保険業免許を受けた者をいう。

4 この法律において「損害保険会社」とは、保険会社のうち次条第五項の損害保険業免許を受けた者をいう。

5 この法律において「相互会社」とは、保険業を行うことを目的として、この法律に基づき設立された保険契約者をその社員とする社団をいう。

6 この法律において「外国保険業者」とは、外国の法令に準拠して外国において保険業を行う者(保険会社を除く。)をいう。

7 この法律において「外国保険会社等」とは、外国保険業者のうち第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許を受けた者をいう。

8 この法律において「外国生命保険会社等」とは、外国保険会社等のうち第百八十五条第四項の外国生命保険業免許を受けた者をいう。

9 この法律において「外国損害保険会社等」とは、外国保険会社等のうち第百八十五条第五項の外国損害保険業免許を受けた者をいう。

10 この法律において「外国相互会社」とは、外国の法令に準拠して設立された相互会社と同種の外国の法人又はこれに類似する外国の法人をいう。

11 この法律において「生命保険募集人」とは、生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。以下この項において同じ。)の役員(代表権を有する役員及び監査役を除く。以下この条において同じ。)若しくは使用人若しくはこれらの者の使用人又は生命保険会社の委託を受けた者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)若しくはその者の役員若しくは使用人で、その生命保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行うものをいう。

12 この法律において「損害保険募集人」とは、損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。次項において同じ。)の役員若しくは使用人、損害保険代理店又はその役員若しくは使用人をいう。

13 この法律において「損害保険代理店」とは、損害保険会社の委託を受けて、その損害保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行う者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)で、その損害保険会社の役員又は使用人でないものをいう。

14 この法律において「所属保険会社」とは、生命保険募集人又は損害保険募集人が保険募集を行う保険契約の保険者となるべき保険会社(外国保険会社等を含む。)をいう。

15 この法律において「保険仲立人」とは、保険契約の締結の媒介であって生命保険募集人及び損害保険募集人がその所属保険会社のために行う保険契約の締結の媒介以外のものを行う者(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)をいう。

16 この法律において「保険募集」とは、保険契約の締結の代理又は媒介を行うことをいう。

  第二編 保険会社等

   第一章 通則

 (免許)

第三条 保険業は、大蔵大臣の免許を受けた者でなければ、行うことができない。

2 前項の免許は、生命保険業免許及び損害保険業免許の二種類とする。

3 生命保険業免許と損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。

4 生命保険業免許は、第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。

 一 人の生存又は死亡(当該人の余命が一定の期間以内であると医師により診断された身体の状態を含む。以下この項及び次項において同じ。)に関し、一定額の保険金を支払うことを約し、保険料を収受する保険(次号ハに掲げる死亡のみに係るものを除く。)

 二 次に掲げる事由に関し、一定額の保険金を支払うこと又はこれらによって生ずることのある当該人の損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険

  イ 人が疾病にかかったこと。

  ロ 傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態

  ハ 傷害を受けたことを直接の原因とする人の死亡

  ニ イ又はロに掲げるものに類するものとして大蔵省令で定めるもの(人の死亡を除く。)

  ホ イ、ロ又はニに掲げるものに関し、治療(治療に類する行為として大蔵省令で定めるものを含む。)を受けたこと。

 三 次項第一号に掲げる保険のうち、再保険であって、前二号に掲げる保険に係るもの

5 損害保険業免許は、第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。

 一 一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し、保険料を収受する保険(次号に掲げる保険を除く。)

 二 前項第二号に掲げる保険

 三 前項第一号に掲げる保険のうち、人が外国への旅行のために住居を出発した後、住居に帰着するまでの間(以下この号において「海外旅行期間」という。)における当該人の死亡又は人が海外旅行期間中にかかった疾病を直接の原因とする当該人の死亡に関する保険

6 保証証券業務(契約上の債務又は法令上の義務の履行を保証することを約し、その対価を受ける業務のうち、保険数理に基づき、当該対価を決定し、準備金を積み立て、再保険による危険の分散を行うことその他保険に固有の方法を用いて行うものをいう。)による当該保証は、前項第一号に掲げる保険の引受けとみなし、当該保証に係る対価は、同号の保険に係る保険料とみなす。

 (免許申請手続)

第四条 前条第一項の免許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号又は名称

 二 資本の額又は基金の総額

 三 取締役及び監査役の氏名

 四 受けようとする免許の種類

 五 本店又は主たる事務所の所在地

2 前項の免許申請書には、次に掲げる書類その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 一 定款

 二 事業方法書

 三 普通保険約款

 四 保険料及び責任準備金の算出方法書

3 前項第二号から第四号までに掲げる書類には、大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。

 (免許審査基準)

第五条 大蔵大臣は、第三条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該申請をした者(以下この項において「申請者」という。)が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。

 二 申請者が、その人的構成等に照らして、保険会社の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。

 三 前条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。

  イ 保険契約の内容が、保険契約者、被保険者、保険金額を受け取るべき者その他の関係者(以下「保険契約者等」という。)の保護に欠けるおそれのないものであること。

  ロ 保険契約の内容に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

  ハ 保険契約の内容が、公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれのないものであること。

  ニ 保険契約者等の権利義務その他保険契約の内容が、保険契約者等にとって明確かつ平易に定められたものであること。

  ホ その他大蔵省令で定める基準

 四 前条第二項第四号に掲げる書類に記載された事項が次に掲げる基準に適合するものであること。

  イ 保険料及び責任準備金の算出方法が、保険数理に基づき、合理的かつ妥当なものであること。

  ロ 保険料に関し、特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。

  ハ その他大蔵省令で定める基準

2 大蔵大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第三条第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。

 (資本の額又は基金の総額)

第六条 保険会社は、資本の額又は基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額が政令で定める額以上の株式会社又は相互会社でなければならない。

2 前項の政令で定める額は、十億円を下回ってはならない。

 (商号又は名称)

第七条 保険会社は、その商号又は名称中に、生命保険会社又は損害保険会社であることを示す文字として大蔵省令で定めるものを使用しなければならない。

2 保険会社でない者は、その商号又は名称中に保険会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

 (取締役の兼職制限)

第八条 保険会社の常務に従事する取締役は、大蔵大臣の認可を受けた場合を除くほか、他の会社の常務に従事してはならない。

   第二章 保険業を営む株式会社及び相互会社

    第一節 保険業を営む株式会社の特例

 (株式申込証)

第九条 保険業を営む株式会社(以下この節において「会社」という。)の商法(明治三十二年法律第四十八号)第百七十五条第一項(株式の申込みの方式)の株式申込証には、同条第二項各号(株式申込証の記載事項)に掲げる事項のほか、第百十三条第一項後段の定款の定めをしたときは、その規定を記載しなければならない。

2 前項の規定は、会社の商法第二百八十条ノ六(株式申込証)の株式申込証及び同法第二百八十条ノ六ノ二第一項(新株引受権証書)の新株引受権証書について準用する。

 (設立の登記に係る登記事項)

第十条 会社の設立の登記には、商法第百八十八条第二項各号(設立の登記の登記事項)に掲げる事項のほか、第百十三条第一項後段の定款の定めをしたときは、その規定を登記しなければならない。

 (株主名簿の閉鎖の期間等)

第十一条 会社は、商法第二百二十四条ノ三第二項(株主名簿の閉鎖期間)の規定にかかわらず、定款の定めるところにより、毎決算期の翌日から四月を超えない期間、株主名簿の記載の変更を行わないことができる。

2 会社は、商法第二百二十四条ノ三第三項(基準日)(同法第二百三十条ノ七第二項(端株主)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、定款の定めるところにより、定時総会の会日前四月を超えない期間内の一定の日において株主名簿(端株原簿を含む。)に記載されている株主(端株主を含む。)又は質権者をもって、定時総会において議決権を行使し、又は配当を受けるべき者とみなすことができる。

 (取締役の欠格事由等)

第十二条 会社に対する商法第二百五十四条ノ二(取締役の欠格事由)(同法第二百八十条第一項(監査役)及び第四百三十条第二項(清算人)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第二百五十四条ノ二第三号中「本法」とあるのは、「保険業法(平成七年法律第百五号)、本法」とする。

2 会社に対する株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号。以下「商法特例法」という。)第十三条第四項(会計監査人の監査報告書)(商法特例法第十四条第四項(監査役会の監査報告書)及び第十六条第三項(公告すべき貸借対照表の要旨)において準用する場合を含む。)、第二十一条の二(株主総会の招集通知への参考書類の添付)及び第二十一条の三第五項(書面による議決権の行使)の規定の適用については、これらの規定中「法務省令」とあるのは、「大蔵省令」とする。

 (計算書類等の閲覧等)

第十三条 会社に対する商法第二百八十二条第二項(計算書類等の閲覧等)の規定の適用については、同項中「及会社ノ債権者」とあるのは、「、会社ノ債権者、保険契約者、被保険者及保険金額ヲ受取ルベキ者」とする。

 (利益準備金)

第十四条 会社は、その資本の額に達するまでは、毎決算期に利益の処分として支出する金額の五分の一以上を、商法第二百九十三条ノ五第一項(中間配当)の金銭の分配を行うごとにその分配額の五分の一をそれぞれ利益準備金として積み立てなければならない。

 (配当の制限等)

第十五条 会社は、第百十三条第一項前段の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額がある場合には、その全額を償却した後でなければ、利益の配当若しくは商法第二百九十三条ノ五第一項(中間配当)の金銭の分配又は同法第二百十二条第一項ただし書若しくは第二百十二条ノ二第一項(株式の消却)の株式の消却を行うことができない。

2 商法第二百九十条第二項(違法配当の返還請求)の規定は、前項の規定に違反して利益の配当又は金銭の分配を行った場合について準用する。

 (株主の帳簿閲覧権の否認)

第十六条 商法第二百九十三条ノ六(株主の帳簿閲覧権)の規定は、会社の会計の帳簿及び書類については、適用しない。

 (資本の減少)

第十七条 会社は、資本の減少の決議をした場合には、決議の日から二週間以内に決議の要旨及び貸借対照表を公告しなければならない。

2 前項の公告には、保険契約者(当該公告の時において既に保険事故の発生その他の事由により保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この条において「保険金請求権等」という。)が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る保険契約者を除く。第四項において同じ。)で異議のある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を付記しなければならない。

3 前項の期間は、一月を下ってはならない。

4 第二項の期間内に異議を述べた保険契約者の数が保険契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた保険契約者の保険契約に係る債権(保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として大蔵省令で定める金額が保険契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、第一項の資本の減少の決議は、効力を有しない。

5 保険契約者その他保険契約に係る権利を有する者は、当該権利(保険金請求権等を除く。)に係る債権者であることによっては、商法第三百七十六条第二項(資本の減少)において準用する同法第百条(債権者の異議)の異議を述べることができない。

6 会社の資本の減少は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

7 前各項に定めるところにより行われた資本の減少は、第四項の異議を述べた保険契約者及び第二項に規定する保険契約者に係る保険契約に係る権利(保険金請求権等を除く。)を有する者についても、その効力を生ずる。

8 会社の資本の減少による変更の登記の申請書には、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第十八条、第十九条(申請書の添付書面)、第七十九条(株式会社の添付書面の通則)及び第八十七条(資本減少による変更の登記)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 第一項の規定による公告をしたことを証する書面

 二 第二項の異議を述べた保険契約者の数又はその者の第四項の大蔵省令で定める金額が、同項に定める割合を超えなかったことを証する書面

9 前各項に定めるもののほか、第一項から第五項まで及び第七項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

    第二節 相互会社

     第一款 通則

 (法人格)

第十八条 相互会社は、法人とする。

 (住所)

第十九条 相互会社の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

 (名称)

第二十条 相互会社は、その名称中に相互会社という文字を用いなければならない。

 (商法の準用)

第二十一条 商法第九条(登記手続の通則)、第十一条から第十五条まで(登記事項の公告、登記及び公告の効力、支店における登記の効力、不実の登記の効果並びに変更又は消滅の登記)及び第六十一条(登記期間の起算点)の規定は相互会社の登記について、同法第十九条、第二十条(商号登記の効力)、第三十条及び第三十一条(商号の廃止及び商号登記の抹消請求)の規定は相互会社がその名称を登記した場合について、同法第二十一条(営業の主体を誤認させる商号選定の禁止)の規定は相互会社の事業と誤認させるべき商号又は名称の使用について、同法第二十三条(名板貸し)及び第二十四条(商号の譲渡)の規定は相互会社の名称について、同法第二十五条から第二十九条まで(営業譲渡)の規定は相互会社が事業を譲渡し、又は事業若しくは営業を譲り受けた場合について、同法第三十二条から第三十六条まで(商業帳簿)の規定は相互会社の帳簿その他の書類について、同法第三十七条から第四十五条まで(商業使用人)の規定は相互会社の使用人について、同法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条(代理商)の規定は相互会社のために取引の代理又は媒介をする者について、同法第五十五条、第五十八条及び第五十九条(権利能力の制限、解散命令及び解散命令請求者の担保提供)の規定は相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、同法第九条中「商業登記簿」とあるのは「相互保険会社登記簿」と、同法第十九条中「同一ノ営業ノ為ニ」とあるのは「同一ノ営業又ハ事業ノ為ニ商号又ハ名称トシテ」と、同法第二十条第一項中「同一又ハ類似ノ商号」とあるのは「同一又ハ類似ノ商号又ハ名称」と、同条第二項中「同一ノ営業ノ為ニ」とあるのは「同一ノ営業又ハ事業ノ為ニ」と、同法第四十一条第一項中「他ノ商人」とあるのは「他ノ商人若ハ相互会社(外国相互会社ヲ含ム)」と、同法第四十八条中「同種ノ営業ヲ目的トスル会社」とあるのは「同種ノ営業又ハ事業ヲ目的トスル会社又ハ相互会社(外国相互会社ヲ含ム)」と読み替えるものとする。

2 商法第五百四条から第五百二十二条まで(商行為)の規定は相互会社の行う行為について、同法第五百二十四条から第五百二十八条まで(売買)の規定は相互会社が商人又は相互会社(外国相互会社を含む。)との間で行う売買について、同法第五百二十九条から第五百三十四条まで(交互計算)の規定は相互会社が平常取引をする者との間で行う相殺に係る契約について、同法第五百四十三条、第五百四十四条及び第五百四十六条から第五百五十条まで(仲立営業)の規定は相互会社が行う他人間の商行為の媒介について、同法第五百五十一条から第五百五十七条まで(問屋営業)及び第五百九十三条(寄託)の規定は相互会社について、それぞれ準用する。

     第二款 設立

 (定款)

第二十二条 相互会社を設立するには、発起人が定款を作成し、これに署名しなければならない。

2 前項の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 目的

 二 名称

 三 主たる事務所の所在地

 四 基金の総額

 五 基金の拠出者の権利に関する規定

 六 基金の償却の方法

 七 剰余金の分配の方法

 八 公告の方法

 九 発起人の氏名及び住所

3 次に掲げる事項は、定款に記載しなければ、その効力を有しない。

 一 発起人が受けるべき特別の利益及びこれを受けるべき者の氏名

 二 相互会社の成立後に譲り受けることを約した財産、価格及び譲渡人の氏名

 三 発起人が受けるべき報酬の額

 四 相互会社の負担に帰すべき設立費用(定款の認証の手数料及び基金の拠出に係る払込みの取扱いについて銀行又は信託会社に支払うべき報酬を除く。)

4 商法第百六十六条第四項(公告の方法)の規定は相互会社の公告について、同法第百六十七条(定款の認証)の規定は第一項の定款について、それぞれ準用する。

 (基金の拠出)

第二十三条 基金の拠出の申込みをしようとする者は、基金拠出申込証にその拠出する金額及び住所を記載し、これに署名しなければならない。

2 発起人は、次に掲げる事項を記載した基金拠出申込証を作成しなければならない。

 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名

 二 前条第二項各号及び第三項各号に掲げる事項

 三 基金の拠出に係る払込みを取り扱う銀行又は信託会社

 四 一定の時期までに創立総会が終結しないときは、基金の拠出の申込みを取り消すことができること。

3 基金の拠出に係る払込みは、金銭でしなければならない。

4 商法第百七十五条第四項及び第五項(株式の申込み)、第百七十六条(株式の割当て)、第百七十七条第一項及び第二項(株式の払込み)、第百七十八条(払込取扱機関の変更)、第百八十九条(払込取扱機関の証明)、第百九十条(権利株の譲渡)、第百九十一条前段(引受けの無効又は取消しの制限)並びに第百九十二条第一項、第二項及び第四項(発起人等の引受担保責任及び払込担保責任)の規定は基金の拠出について、同法第百七十九条(株式引受人の失権手続)の規定は基金の拠出を引き受けた者について、それぞれ準用する。この場合において、同法第百七十五条第四項中「株式申込証」とあるのは「基金拠出申込証」と、「第二項第十号」とあるのは「保険業法第二十三条第二項第三号」と、同法第百七十六条中「株式ノ数」とあるのは「基金ノ拠出ノ額」と、同法第百七十七条第一項中「発行スル株式ノ総数」とあるのは「募集スル基金ノ総額」と、「各株ニ付其ノ発行価額」とあるのは「基金ノ拠出ヲ引受ケタル者ノ各々ニ其ノ割当テラレタル額」と、同条第二項及び同法第百九十一条前段中「株式申込証」とあるのは「基金拠出申込証」と、同法第百九十二条第二項中「払込又ハ現物出資ノ給付ノ未済ナル株式」とあるのは「払込ノ未済ナル基金ノ拠出」と、「払込ヲ為シ又ハ給付未済財産ノ価額ノ支払」とあるのは「払込」と読み替えるものとする。

 (設立に必要な社員の数)

第二十四条 相互会社の設立に必要な社員の数は、百人以上とする。

 (入社申込証)

第二十五条 相互会社の設立に際し、発起人でない者が社員になろうとするときは、入社申込証二通に当該相互会社との間で締結しようとする保険契約に係る保険の種類を記載して、これに署名しなければならない。

2 発起人は、次に掲げる事項を記載した入社申込証を作成しなければならない。

 一 定款の認証の年月日及びその認証をした公証人の氏名

 二 第二十二条第二項各号及び第三項各号に掲げる事項

 三 基金の拠出者の氏名又は名称及び住所並びに各拠出者が拠出する金額

 四 設立の際募集しようとする社員の数

 五 一定の時期までに創立総会が終結しないときは、入社の申込みを取り消すことができること。

 六 第百十三条第一項後段の定款の定めをしたときは、その規定

3 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条ただし書(心 裡留保の無効)の規定は、相互会社の成立前における入社の申込みには、適用しない。

 (創立総会)

第二十六条 発起人は、基金の総額についてその拠出に係る払込みが終了し、かつ、前条第一項の入社申込証を提出した者の数が同条第二項第四号に掲げる数に達したとき(設立の際に社員を募集しない場合は、基金の総額についてその拠出に係る払込みが終了したとき。)は、遅滞なく、創立総会を招集しなければならない。

2 社員になろうとする者は、創立総会において、各々一個の議決権を有する。

3 創立総会の決議は、社員になろうとする者の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数により行う。

4 商法第百八十条第三項(株主総会の規定の準用)、第百八十一条から第百八十六条まで(検査役の調査、創立事項の報告、取締役及び監査役の選任、設立手続の調査、変態設立事項の変更並びに発起人に対する損害賠償請求)並びに第百八十七条第一項及び第二項(定款変更又は設立廃止の決議)の規定は、相互会社の創立総会について準用する。この場合において、同法第百八十条第三項中「第二百三十九条ノ二、第二百四十一条第一項、第二百四十三条」とあるのは「第二百四十三条」と、「第二百四十七条」とあるのは「及第二百四十七条」と、「及第三百四十五条ノ規定」とあるのは「ノ規定」と、同法第百八十一条第一項中「第百六十八条第一項」とあるのは「保険業法第二十二条第三項」と、同条第二項において準用する同法第百七十三条第二項中「第百六十八条第一項第五号及第六号」とあるのは「保険業法第二十二条第三項第二号」と、「資本」とあるのは「基金ノ総額」と、「同項第五号及第六号」とあり、「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあり、及び「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同条第三項中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「保険業法第二十二条第三項第二号」と、「同項第五号又ハ第六号」とあるのは「同号」と、同法第百八十四条第一項中「第百七十三条ノ二第一項各号ニ掲グル事項」とあるのは「第百八十一条第二項ニ於テ準用スル第百七十三条第二項ニ定ムル場合ニ於ケル同項ノ財産ニ付定款ニ定メタル価格ガ相当ナルヤ否ヤ、相互会社ノ設立ニ際シテ募集スル基金ノ総額ノ引受及払込アリタルヤ否ヤ並ニ社員トナラムトスル者百人以上ナリヤ否ヤ」と、同法第百八十五条第一項中「第百六十八条第一項」とあるのは「保険業法第二十二条第三項」と、同条第二項において準用する同法第百七十三条第五項中「其ノ株式ノ引受ヲ取消ス」とあるのは「其ノ発起人タルヲ辞スル」と、同条第六項中「株式ノ引受ヲ取消シタル」とあるのは「発起人ヲ辞シタル」と読み替えるものとする。

 (設立の登記)

第二十七条 相互会社の設立の登記は、創立総会終結の日(前条第四項において準用する商法第百八十五条第一項(変態設立事項の変更)の規定による変更がされたときは、同条第二項において準用する同法第百七十三条第五項又は第六項(引受けの取消し及び定款の変更)の手続が終了した日)から二週間以内に行わなければならない。

2 前項の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 一 第二十二条第二項第一号、第二号及び第四号から第八号までに掲げる事項

 二 事務所

 三 取締役及び監査役の氏名

 四 代表取締役の氏名及び住所

 五 数人の代表取締役が共同して会社を代表することを定めたときは、その規定

 六 第百十三条第一項後段の定款の定めをしたときは、その規定

3 商法第六十四条第二項(支店所在地における設立の登記)及び第六十五条から第六十七条まで(支店設置の登記、本店及び支店の移転の登記並びに変更の登記)の規定は相互会社について、同法第六十七条ノ二(社員の業務執行停止等の登記)の規定は相互会社の取締役及び監査役について、それぞれ準用する。この場合において、同法第六十四条第二項中「前項」とあり、同法第六十五条第一項中「前条第一項」とあり、並びに同法第六十六条第一項及び第六十七条中「第六十四条第一項」とあるのは、「保険業法第二十七条第二項」と読み替えるものとする。

 (設立の登記の申請)

第二十八条 前条の登記の申請書には、第六十五条において準用する商業登記法第十八条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 定款

 二 基金の拠出の申込み及び引受けを証する書面

 三 社員になろうとする者の名簿

 四 社員を募集したときは、各社員の入社申込証

 五 第二十六条第四項において準用する商法第百八十四条(設立手続の調査)の取締役及び監査役又は検査役の調査報告書並びに同項において準用する同法第百八十一条第二項(募集設立)において準用する同法第百七十三条第三項前段(発起設立における検査役の調査を必要とする場合)の弁護士の証明書並びにこれらの附属書類並びに有価証券の取引所の相場を証する書面

 六 創立総会の議事録

 七 取締役、代表取締役及び監査役が就任を承諾したことを証する書面

 八 基金の拠出に係る払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書

 (成立の時期)

第二十九条 相互会社は、主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

2 発起人及び入社申込証を提出した者は、相互会社が成立し、かつ、当該相互会社が第三条第一項の免許を受けた後、遅滞なく、当該相互会社に保険契約の申込みをしなければならない。

 (商法の準用)

第三十条 商法第百九十二条ノ二から第百九十六条まで(発起人等の財産価格てん補責任、発起人の損害賠償責任、会社不成立の場合の発起人の責任、発起人、取締役及び監査役の連帯責任並びに発起人に対する責任の免除及び代表訴訟)及び第百九十八条(擬似発起人の責任)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同法第百九十二条ノ二第一項中「第百六十八条第一項第五号又は第六号」とあるのは「保険業法第二十二条第三項第二号」と、同条第二項中「第百六十八条第一項第五号又ハ第六号」とあるのは「保険業法第二十二条第三項第二号」と、「現物出資者及譲渡人」とあるのは「譲渡人」と、同法第百九十五条中「第百七十三条ノ二又ハ第百八十四条第一項及第二項」とあるのは「保険業法第二十六条第四項ニ於テ準用スル第百八十四条第一項及第二項」と、同法第百九十六条中「第二百六十六条第五項」とあるのは「保険業法第五十一条第二項ニ於テ準用スル第二百六十六条第五項」と、同法第百九十八条中「株式申込証、目論見書」とあるのは「基金拠出申込証、入社申込証」と、「株式募集」とあるのは「基金又ハ社員ノ募集」と読み替えるものとする。

     第三款 社員の権利義務

 (社員の責任)

第三十一条 社員の責任は、保険料を限度とする。

 (通知及び催告)

第三十二条 相互会社への入社の申込みをした者又は社員に対する通知又は催告は、その者が発起人又は相互会社に通知した住所にあててすれば足りる。ただし、保険関係に属する事項の通知又は催告については、この限りでない。

2 商法第二百二十四条第二項(通知及び催告の到達時)の規定は、前項本文の通知又は催告について準用する。

 (基準日)

第三十三条 相互会社は、社員として権利を行使すべき者を定めるため、その権利を行使すべき日の前四月以内の一定の日における社員をもって、その権利を行使すべき社員とみなすことができる。

2 相互会社は、前項の一定の日を定めた場合には、その日をその二週間前に公告しなければならない。ただし、定款でその日を指定した場合は、この限りでない。

3 第一項に規定する権利には、この法律に別段の定めがあるもの及び剰余金の分配を受ける権利その他の政令で定める権利を含まないものとする。

 (退社事由)

第三十四条 社員は、次に掲げる事由により退社する。

 一 保険関係の消滅

 二 定款で定める事由の発生

2 商法第百六十一条第一項及び第二項(有限責任社員の死亡)の規定は、相互会社の社員が死亡した場合(当該死亡が前項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合を除く。)について準用する。

 (払戻請求権)

第三十五条 退社員は、定款又は保険約款の定めるところにより、その権利に属する金額の払戻しを請求することができる。ただし、その者に代わって社員となる者がある場合は、この限りでない。

 (時効)

第三十六条 前条の払戻しを請求する権利は、二年間行わないときは、時効によって消滅する。

     第四款 機関

      第一目 社員総会

 (議決権)

第三十七条 社員は、社員総会において、各々一個の議決権を有する。

 (提案権)

第三十八条 社員総数の千分の一以上に相当する数の社員又は千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者は、取締役に対して、会日から六週間前に書面をもって、一定の事項を社員総会の会議の目的とすることを請求することができる。

2 商法第二百三十二条ノ二第一項ただし書及び第二項(株主の提案権)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前条」とあるのは、「保険業法第四十一条ニ於テ準用スル前条」と読み替えるものとする。

 (社員総会招集請求権)

第三十九条 社員総数の千分の三以上に相当する数の社員又は三千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者は、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を取締役に提出して、社員総会の招集を請求することができる。

2 商法第二百三十七条第二項及び第三項(少数株主による総会の招集)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「保険業法第三十九条第一項又ハ前項」と読み替えるものとする。

 (社員総会検査役選任請求権)

第四十条 社員総数の千分の一以上に相当する数の社員又は千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者は、社員総会の招集の手続及びその決議の方法を調査させるため、社員総会に先立って検査役の選任を裁判所に請求することができる。

2 商法第二百三十七条ノ二第二項及び第三項(総会検査役選任の請求)の規定は、前項の場合について準用する。

 (商法等の準用)

第四十一条 商法第二百三十条ノ十(株主総会の権限)、第二百三十一条(招集の決定)、第二百三十二条第一項及び第二項(招集の通知)、第二百三十三条(招集地)、第二百三十四条第一項(定時総会の招集)、第二百三十五条(臨時総会の招集)、第二百三十七条ノ三から第二百三十九条まで(取締役及び監査役の説明義務、議長、検査役の選任並びに決議の方法及び株主の議決権行使等)、第二百四十三条(延期及び続行の決議)、第二百四十四条(議事録)、第二百四十五条(第一項第二号を除く。)(営業の譲渡及び譲受け)並びに第二百四十六条から第二百五十二条まで(事後設立、決議取消しの訴え並びに決議不存在及び無効確認の訴え)の規定は社員総会について、商法特例法第二十一条の二(株主総会の招集通知への参考書類の添付)及び第二十一条の三(書面による議決権の行使)の規定は第五十九条第一項において準用する商法特例法第二条各号のいずれかに該当する相互会社でその社員の数が千人以上のものの社員総会について、それぞれ準用する。この場合において、商法第二百三十九条第一項中「発行済株式ノ総数ノ過半数ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「総社員ノ半数以上」と、同法第二百四十五条第一項中「第三百四十三条ニ定ムル決議」とあるのは「保険業法第六十二条第二項ニ定ムル社員総会ノ決議」と、「他ノ会社ノ営業」とあるのは「他ノ相互会社又ハ会社ノ事業又ハ営業」と、同法第二百四十六条第一項中「資本」とあるのは「基金(保険業法第五十六条ノ基金償却積立金ヲ含ム)ノ総額」と、商法特例法第二十一条の二及び第二十一条の三第五項中「法務省令」とあるのは「大蔵省令」と読み替えるものとする。

      第二目 総代会

 (総代会の設置及び総代の任期等)

第四十二条 相互会社は、定款で定めるところにより、社員総会に代わるべき機関として、社員のうちから選出された総代により構成される機関(以下「総代会」という。)を設けることができる。

2 前項の定款には、総代の定数、任期、選出の方法その他の大蔵省令で定める事項を定めなければならない。

3 総代の任期は、四年を超えることはできない。

 (総代の議決権)

第四十三条 総代は、総代会において、各々一個の議決権を有する。

 (総代会の決議の方法等)

第四十四条 総代会の議事は、この法律又は定款に別段の定めがある場合を除き、総代の半数以上が出席し、出席した者の議決権の過半数で決する。ただし、総代会に出席を必要とする総代の数は、定款の定めによっても総代の総数の三分の一未満とすることはできない。

2 総代は、定款に定めがある場合には、代理人をもってその議決権を行使することができる。この場合において、代理人は、一人に限るものとし、かつ、その代理権を証する書面を相互会社に提出しなければならない。

3 前項の代理人となることができる者は、他の総代に限る。

4 商法第二百三十九条第三項、第五項及び第六項(株主の議決権行使及び代理権を証する書面の公示)の規定は、第二項の場合について準用する。この場合において、同条第五項中「第二項但書」とあるのは「保険業法第四十四条第二項後段」と、同条第六項中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。

 (提案権)

第四十五条 社員総数の千分の一以上に相当する数の社員若しくは千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者又は三名以上の総代は、取締役に対して、会日から六週間前に書面をもって、一定の事項を総代会の会議の目的とすることを請求することができる。

2 商法第二百三十二条ノ二第一項ただし書及び第二項(株主の提案権)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前条」とあるのは、「保険業法第四十九条ニ於テ準用スル前条」と読み替えるものとする。

 (総代会招集請求権)

第四十六条 社員総数の千分の三以上に相当する数の社員若しくは三千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者又は九名以上の総代は、会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を取締役に提出して、総代会の招集を請求することができる。

2 商法第二百三十七条第二項及び第三項(少数株主による招集の請求)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「保険業法第四十六条第一項又ハ前項」と読み替えるものとする。

 (総代会検査役選任請求権)

第四十七条 社員総数の千分の一以上に相当する数の社員若しくは千名以上の社員で六月前から引き続いて社員である者又は三名以上の総代は、総代会の招集の手続及びその決議の方法を調査させるため、総代会に先立って検査役の選任を裁判所に請求することができる。

2 商法第二百三十七条ノ二第二項及び第三項(総会検査役選任の請求)の規定は、前項の場合について準用する。

 (総代会における参考書類送付)

第四十八条 相互会社は、総代会の招集の通知には、議決権の行使について参考となるべき事項として大蔵省令で定めるものを記載した書類を添付しなければならない。

 (商法の準用)

第四十九条 商法第二百三十条ノ十(株主総会の権限、)第二百三十一条(招集の決定)、第二百三十二条第一項及び第二項(招集の通知)、第二百三十三条(招集地)、第二百三十四条第一項(定時総会の招集)、第二百三十五条(臨時総会の招集)、第二百三十七条ノ三から第二百三十八条まで(取締役及び監査役の説明義務、議長並びに検査役の選任)、第二百四十三条(延期及び続行の決議)、第二百四十四条(議事録)、第二百四十五条(第一項第二号を除く。)(営業の譲渡及び譲受け)並びに第二百四十六条から第二百五十二条まで(事後設立、決議取消しの訴え並びに決議不在存及び無効確認の訴え)の規定は、相互会社の総代会について準用する。この場合において、同法第二百三十七条ノ三第一項中「株主共同」とあるのは「社員共同」と、同法第二百四十五条第一項中「第三百四十三条ニ定ムル決議」とあるのは「総代会ガ設ケラレタル場合ニ於テハ保険業法第六十二条第二項ニ定ムル総代会ノ決議」と、「他の会社ノ営業」とあるのは「他ノ相互会社又ハ会社ノ事業又ハ営業」と、同法第二百四十六条第一項中「資本」とあるのは、「基金(保険業法第五十六条ノ基金償却積立金ヲ含ム)ノ総額」と、同法第二百四十七条第一項中「於テハ株主」とあるのは「於テハ社員」と、同項第三号中「株主」とあるのは「総代」と、同法第二百四十九条中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。

 (社員総会招集請求権)

第五十条 第四十二条第一項の規定により総代会が設けられている場合においても、社員総数の千分の五以上に相当する数の社員で六月前から引き続いて社員である者は、総代会の廃止又は同条第二項の規定により定款に定めた事項の変更を会議の目的として、当該会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を取締役に提出して、社員総会の招集を請求することができる。

2 商法第二百三十七条第二項及び第三項(少数株主による招集の請求)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前二項」とあるのは、「保険業法第五十条第一項又ハ前項」と読み替えるものとする。

3 前二項の規定により招集された社員総会において、第四十二条第二項の規定により定款に定めた事項の変更の決議をした場合においては、当該事項に係る定款の変更が効力を生じた日から三年を経過する日までの間は、総代会においては、当該事項に係る定款の変更の決議をすることができない。

      第三目 取締役及び取締役会

 (取締役及び取締役会)

第五十一条 取締役は、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)において選任する。

2 商法第二百五十四条第三項(会社との関係)、第二百五十四条ノ二から第二百五十六条ノ二まで(取締役の欠格事由、義務、員数及び任期並びに選任決議の定足数)、第二百五十七条(解任)、第二百五十八条(欠員の場合の処置)、第二百六十四条から第二百六十九条まで(競業避止義務、取締役会社間の取引、取締役の責任等、取締役の責任を追及する訴え及び報酬)、第二百七十一条(職務代行者の権限)及び第二百七十二条(株主の差止請求権)の規定は相互会社の取締役について、同法第二百五十九条から第二百六十条ノ四まで(取締役会の招集者、招集の通知、招集手続の省略、権限及び決議の方法、監査役の取締役会出席権等並びに議事録)の規定は相互会社の取締役会について、同法第二百六十一条(会社代表)及び第二百六十二条(表見代表取締役の行為についての責任)の規定は相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、同法第二百五十四条ノ二第三号中「本法」とあるのは「保険業法、本法」と、同法第二百五十四条ノ三中「総会」とあるのは「社員総会又ハ総代会」と、同法第二百五十六条第三項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ定時総代会)」と、同法第二百五十六条ノ二中「ニ付テハ総会ニ」とあるのは「ヲ社員総会ニ於テ行フ場合ニ於テハ」と、「株主ノ有スベキ株式」とあるのは「社員」と、「発行済株式ノ総数」とあるのは「社員総数」と、同法第二百五十七条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会以下本款ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「第三百四十三条」とあるのは「保険業法第六十二条第二項」と、同条第三項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上又ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者又ハ九名以上ノ総代)」と、同法第二百六十六条第一項中「配当又ハ分配」とあるのは「支払又ハ償却若ハ分配」と、同項第一号中「第二百九十条第一項」とあるのは「保険業法第五十五条第一項又ハ第二項」と、「利益ノ配当」とあるのは「基金利息ノ支払又ハ基金ノ償却若ハ剰余金ノ分配」と、「総会ニ提出シ又ハ第二百九十三条ノ五第三項ノ規定ニ違反スル金銭ノ分配ヲ為シタル」とあるのは「社員総会ニ提出シタル」と、同項第二号中「第二百九十四条ノ二第一項」とあるのは「保険業法第五十九条第一項ニ於テ準用スル第二百九十四条ノ二第一項」と、同条第五項中「総株主」とあるのは「総社員」と、同条第六項中「発行済株式ノ総数」とあるのは「社員総数(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代ノ総数)」と、「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同法第二百六十六条ノ三第二項中「株式申込証、新株引受権証書」とあるのは「基金拠出申込証」と、「第二百八十一条第一項」とあるのは「保険業法第五十九条第一項ニ於テ準用スル第二百八十一条第一項」と、同法第二百六十七条第一項中「六月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主」とあるのは「六月前ヨリ引続キ社員デアル者」と、同法第二百六十九条中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同法第二百七十二条中「六月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主」とあるのは「六月前ヨリ引続キ社員デアル者」と、同法第二百六十条ノ四第五項中「親会社若ハ子会社」とあるのは「子会社(相互会社ガ株式会社ノ発行済株式ノ総数ノ過半数ニ当ル株式又ハ有限会社ノ資本ノ過半ニ当ル出資口数ヲ有スル場合ニ於ケル当該株式会社又ハ有限会社ヲ謂フ)」と読み替えるものとする。

 (定款等の備付け及び閲覧等)

第五十二条 取締役は、定款を各事務所に、社員の名簿及び社債原簿を主たる事務所に備え置かなければならない。この場合において、社債原簿の名義書換代理人を置いたときは、社債原簿又はその複本を名義書換代理人の営業所にそれぞれ備え置くことができる。

2 前項の社員の名簿の記載事項その他社員の名簿に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

3 商法第二百六十三条第二項(定款等の閲覧等)の規定は、第一項の書類について準用する。

      第四目 監査役

 (監査役)

第五十三条 監査役は、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)において選任する。

2 商法第二百五十四条第三項(会社との関係)、第二百五十四条ノ二(欠格事由)、第二百五十六条ノ二(選任決議の定足数)、第二百五十七条(解任)、第二百五十八条(欠員の場合の処置)、第二百六十六条第五項(会社に対する責任の免除)、第二百六十六条ノ三第一項(第三者に対する責任)、第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役の責任を追及する訴え)、第二百七十三条から第二百七十九条ノ二まで(監査役)及び第二百八十条第二項(監査報告書の虚偽記載)の規定は、相互会社の監査役について準用する。この場合において、同法第二百五十四条ノ二第三号中「本法」とあるのは「保険業法、本法」と、同法第二百五十六条ノ二中「ニ付テハ総会ニ」とあるのは「ヲ社員総会ニ於テ行フ場合ニ於テハ」と、「株主ノ有スベキ株式」とあるのは「社員」と、「発行済株式ノ総数」とあるのは「社員総数」と、同法第二百五十七条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会以下本款及次款ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「第三百四十三条」とあるのは「保険業法第六十二条第二項」と、同条第三項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上又ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者又ハ九名以上ノ総代)」と、同法第二百六十六条第五項中「総株主」とあるのは「総社員」と、同法第二百六十七条第一項中「六月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主」とあるのは「六月前ヨリ引続キ社員デアル者」と、同法第二百七十三条第一項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ定時総代会次項ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、同法第二百七十四条ノ三第一項中「親会社ノ監査役」とあるのは「監査役」と、「子会社」とあるのは「子会社(保険業法第五十一条第二項ニ於テ準用スル第二百六十条ノ四第五項ニ規定スル子会社ヲ謂フ以下本款ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「親会社ノ監査役」とあるのは「監査役」と、同法第二百七十五条、第二百七十五条ノ三及び第二百七十九条第一項中「株主総会」とあり、並びに同条第二項中「総会」とあるのは「社員総会」と読み替えるものとする。

     第五款 計算

 (損失てん補準備金)

第五十四条 相互会社は、基金(第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額(定款でこれを上回る額を定めたときは、その額)に達するまでは、毎決算期に剰余金の処分として支出する金額(第五十八条第二項の準備金のうち大蔵省令で定めるものに積み立てる金額を含む。)の千分の三以上を、損失てん補準備金として積み立てなければならない。

 (基金利息の支払等の制限)

第五十五条 基金利息の支払は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額を限度として行うことができる。

 一 基金の総額

 二 損失てん補準備金及び次条の基金償却積立金の額(第五十七条第一項の規定により取り崩した基金償却積立金の額があるときは、その合計額を含む。次項において同じ。)

2 基金の償却又は剰余金の分配は、貸借対照表上の純資産額から次に掲げる金額の合計額を控除した額を限度として行うことができる。ただし、第百十三条第一項前段の規定により貸借対照表の資産の部に計上した額の全額を償却した後でなければ、これを行うことができない。

 一 基金の総額

 二 損失てん補準備金及び次条の基金償却積立金の額

 三 前項の基金利息の支払額

 四 その決算期に積み立てることを要する損失てん補準備金の額

 五 第五十九条第一項において準用する商法第二百八十六条ノ三(試験研究費及び開発費の繰延べ)の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額

3 前二項の規定に違反して、基金利息の支払又は基金の償却若しくは剰余金の分配を行ったときは、当該相互会社の債権者は、これを返還させることができる。

 (基金償却積立金)

第五十六条 基金を償却するときは、その償却する金額に相当する金額を、基金償却積立金として積み立てなければならない。

 (損失てん補準備金及び基金償却積立金の取崩し)

第五十七条 損失てん補準備金及び基金償却積立金は、損失のてん補に充てる場合を除くほか、取り崩すことができない。

2 基金償却積立金は、損失てん補準備金を損失のてん補に充ててもなお不足する場合でなければ、損失のてん補に充てることができない。

 (剰余金の分配)

第五十八条 剰余金の分配は、公正かつ衡平な分配をするための基準として大蔵省令で定める基準に従い、行わなければならない。

2 相互会社は、その定款において第二十二条第二項第七号に掲げる事項として、毎決算期に剰余金の処分を行う場合において、その対象となる金額として大蔵省令で定める金額のうち、当該金額に一定の比率を乗じた額以上の額を、社員に対する剰余金の分配をするための準備金として大蔵省令で定めるものに積み立てるべき旨を定めなければならない。

3 前項に規定する一定の比率は、大蔵省令で定める比率を下回ってはならない。

4 相互会社は、その決算の状況に照らしてやむを得ない事情がある場合には、前二項の規定にかかわらず、定款において、当該決算期における剰余金の処分に限り、第二項の大蔵省令で定める金額に前項の大蔵省令で定める比率を下回る比率を乗じた額を第二項の大蔵省令で定める準備金に積み立てる旨を定めることができる。

5 前項の定款の定めは、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (計算書類等)

第五十九条 第十三条の規定により読み替えて適用する商法第二百八十二条第二項(計算書類等の閲覧等)の規定並びに同法第二百八十一条から第二百八十一条ノ三まで(計算書類等の作成及び監査、計算書類等の監査役への提出時期並びに監査役の監査報告書)、第二百八十二条第一項(計算書類等の備置き)、第二百八十三条(計算書類の報告及び承認)、第二百八十五条(資産評価に関する特則)、第二百八十五条ノ二(流動資産の評価)、第二百八十五条ノ四から第二百八十五条ノ七まで(金銭債権、社債その他の債券、株式その他の出資及びのれんの評価)、第二百八十六条ノ三から第二百八十七条ノ二まで(試験研究費及び開発費、新株発行費用、社債発行費用並びに社債差額の繰延べ並びに引当金)及び第二百九十四条から第二百九十五条まで(会社の業務及び財産状況の検査、株主の権利の行使に関する利益の供与並びに会社の使用人の先取特権)並びに商法特例法第二章(第三条第五項、第二十一条の二及び第二十一条の三を除く。)(資本の額が五億円以上又は負債の合計金額が二百億円以上の株式会社に関する特例)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、商法第二百八十一条第一項中「営業報告書」とあるのは「事業報告書」と、「利益」とあるのは「剰余金」と、同法第二百八十一条ノ二第一項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ定時総代会以下本節ニ於テ同ジ)」と、同法第二百八十一条ノ三第二項中「営業報告書」とあるのは「事業報告書」と、「利益」とあるのは「剰余金」と、同法第二百八十二条第一項並びに第二百八十三条第一項及び第二項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、同法第二百八十五条中「第三十四条第二号」とあるのは「保険業法第二十一条第一項ニ於テ準用スル第三十四条第二号」と、同法第二百八十六条ノ四中「新株ヲ発行シタル」とあるのは「基金ヲ募集シタル」と、「其ノ発行」とあるのは「其ノ募集」と、「新株発行」とあるのは「基金募集」と、同法第二百九十四条第一項中「発行済株式ノ総数ノ十分ノ一以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上又ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者又ハ九名以上ノ総代)」と、同法第二百九十四条ノ二第一項及び第二項中「株主」とあるのは「社員又ハ総代」と、同条第四項中「第二百六十七条」とあるのは「保険業法第五十一条第二項ニ於テ準用スル第二百六十七条」と、商法特例法第二条中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、「商法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、「資本の額」とあるのは「基金(保険業法第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額」と、商法特例法第三条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会。以下この章において同じ。)」と、同条第二項及び第三項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同条第四項中「発起人が会社の設立に際して発行する株式の総数を引き受けたときは発起人が、その他のときは創立総会」とあるのは「創立総会」と、商法特例法第四条第二項第二号中「商法第二百十一条ノ二」とあるのは「保険業法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十条ノ四第五項」と、商法特例法第五条の二第一項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会。以下この章において同じ。)」と、同条第二項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、「その総会」とあるのは「その社員総会」と、同条第三項並びに商法特例法第六条第一項及び第三項、第六条の二第二項及び第三項並びに第六条の三中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、商法特例法第十二条第一項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、「商法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、商法特例法第十三条第二項中「商法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、同条第四項中「法務省令」とあるのは「大蔵省令」と、商法特例法第十四条第三項第三号中「商法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、商法特例法第十五条中「商法第二百三十八条、第二百八十二条」とあるのは「保険業法第四十一条又は第四十九条において準用する商法第二百三十八条並びに保険業法第五十九条第一項において準用する商法第二百八十二条」と、商法特例法第十六条第一項中「商法」とあり、及び「同法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、同条第二項中「商法」とあり、及び「同法」とあるのは「保険業法第五十九条第一項において準用する商法」と、商法特例法第十七条中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、商法特例法第十八条の四第一項中「につき同法」とあるのは「につき保険業法第五十三条第二項において準用する商法」と、「同法第二百八十条第一項」とあるのは「保険業法第五十三条第二項」と、「により同法」とあるのは「により商法」と、商法特例法第十九条第一項中「商法」とあるのは「保険業法第四十一条又は第四十九条において準用する商法」と、「第二百七十四条ノ二並びに」とあるのは「保険業法第五十三条第二項において準用する商法第二百七十四条ノ二並びに保険業法第百八十三条第一項において準用する商法」と、同条第二項中「商法」とあるのは「保険業法第五十三条第二項において準用する商法」と、「、第二百八十一条ノ二」とあるのは「並びに保険業法第五十九条第一項において準用する商法第二百八十一条ノ二」と、商法特例法第二十条及び第二十一条中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、「同条」とあるのは「同条、第三条第一項から第四項まで及び第四条」と読み替えるものとする。

2 前項において準用する商法第二百八十一条第一項の貸借対照表、損益計算書、事業報告書及び附属明細書並びに前項において準用する同法第二百八十三条第三項の貸借対照表の要旨の記載方法は、大蔵省令で定める。

     第六款 基金の募集及び相互会社の社債発行

 (基金の募集)

第六十条 相互会社は、その成立後においても、その定款を変更して基金の総額を増加し、新たに基金を募集することができる。

2 前項の場合において、取締役は、次に掲げる事項を記載した基金拠出申込証を作成しなければならない。

 一 第二十二条第二項第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項

 二 新たに募集する基金の額及び払込期日、当該基金の拠出者が有する権利並びにその償却の方法

 三 基金の拠出に係る払込みを取り扱う銀行又は信託会社

3 第一項の基金の募集による変更の登記の申請書には、第六十五条において準用する商業登記法第十八条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 基金の拠出の申込み及び引受けを証する書面

 二 基金の拠出に係る払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書

4 第二十三条第一項及び第三項並びに商法第百七十五条第四項及び第五項(株式の申込み)、第百七十六条(株式の割当て)、第百七十七条第二項(株式の払込み)、第百七十八条(払込取扱機関の変更)、第百八十九条(払込取扱機関の保管証明)、第百九十条(権利株の譲渡)、第二百八十条ノ七(新株の払込み)、第二百八十条ノ九(株主となる時期)、第二百八十条ノ十二(引受けの無効又は取消しの制限)、第二百八十条ノ十三(取締役の引受担保責任)、第二百八十条ノ十五(新株発行の無効の訴え)、第二百八十条ノ十六(訴えの手続)、第二百八十条ノ十七第一項(無効判決の効力)並びに第二百八十条ノ十八第一項(新株主に対する払戻し)の規定は、第一項の基金の募集について準用する。この場合において、同法第百七十五条第四項中「株式申込証」とあるのは「基金拠出申込証」と、「第二項第十号」とあるのは「保険業法第六十条第二項第三号」と、同法第百七十六条中「株式ノ数」とあるのは「基金ノ拠出ノ額」と、同法第百七十七条第二項中「株式申込証」とあるのは「基金拠出申込証」と、同法第二百八十条ノ七中「各株ニ付其ノ発行価額又ハ第二百八十条ノ二第一項第九号ノ金額」とあるのは「割当テラレタル拠出ノ額」と、同法第二百八十条ノ九第一項中「払込又ハ現物出資ノ給付」とあるのは「払込」と、「株主」とあるのは「拠出者」と、同条第二項中「払込又ハ現物出資ノ給付」とあるのは「払込」と、同法第二百八十条ノ十二中「株式申込証若ハ新株引受権証書」とあるのは「基金拠出申込証」と、「株式ニ付株主」とあるのは「拠出者」と、同法第二百八十条ノ十五第二項中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。

 (相互会社の社債発行)

第六十一条 相互会社は、取締役会の決議により社債を発行することができる。

2 商法第二百九十七条から第三百四条まで及び第三百六条から第三百四十一条まで(社債)並びに商法中改正法律施行法(昭和十三年法律第七十三号)第六十一条(社債権者集会に関する公告の方法)の規定は前項の規定により相互会社が社債を発行する場合について、民法第三百六十五条(記名社債質の対抗要件)の規定は同項の規定により発行された記名の社債について、それぞれ準用する。この場合において、商法第三百一条第二項第一号中「商号」とあるのは「名称又ハ商号」と、同項第九号中「各会社ノ」とあるのは「当該社債ヲ発行シタル相互会社又ハ株式会社ノ各々ノ」と、同法第三百四条中「会社ハ」とあるのは「相互会社ハ他ノ相互会社又ハ株式会社ト」と読み替えるものとする。

3 相互会社が発行する社債は、社債等登録法(昭和十七年法律第十一号)その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、商法第二編第四章第五節の規定により発行された社債とみなす。

     第七款 定款の変更

 (定款の変更)

第六十二条 定款を変更するには、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。第三項において同じ。)の決議を必要とする。

2 前項の決議は、総社員の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数(総代会の場合は、総代の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数)により行う。

3 商法第三百四十二条第二項(議案の要領の記載)の規定は、第一項の社員総会について準用する。この場合において、同条第二項中「第二百三十二条」とあるのは、「保険業法第四十一条又ハ第四十九条ニ於テ準用スル第二百三十二条」と読み替えるものとする。

     第八款 雑則

 (非社員契約)

第六十三条 相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の大蔵省令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。

2 前項の定款には、同項の定めをする保険契約の種類のほか、大蔵省令で定める事項を定めなければならない。

3 相互会社が行う第一項の保険契約に係る保険の引受けは、大蔵省令で定める限度を超えてはならない。

4 相互会社は、第一項の保険契約に係る保険の引受けをする場合には、大蔵省令で定めるところにより、当該保険契約に係る経理を、社員である保険契約者の保険契約に係る経理と区分してしなければならない。

5 商法第三編第十章(第六百六十四条(第六百八十三条第一項において準用する場合を含む。)を除く。)(保険)及び第四編第六章(海上保険)の規定は、第一項の保険契約について準用する。

6 前各項に定めるもののほか、第一項の保険契約に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (登記簿)

第六十四条 登記所に、相互保険会社登記簿を備える。

 (商業登記法の準用)

第六十五条 商業登記法第一条から第五条まで(登記所及び登記官)、第七条から第二十七条まで(登記簿等、登記手続の通則及び類似商号登記の禁止)、第三十一条、第三十三条、第三十五条から第四十二条まで(商号の登記)、第五十一条から第五十三条まで(支配人の登記)、第五十五条第一項(設立の登記)、第五十六条から第五十九条まで(支店所在地における登記及び本店移転の登記)、第七十九条(株式会社の添付書面の通則)、第八十一条(取締役等の変更の登記)及び第百七条から第百二十条まで(登記の更正及び抹消、電子情報処理組織による登記に関する特例並びに雑則)の規定は、相互会社に関する登記について準用する。この場合において、同法第二十七条中「商号」とあるのは「商号又は名称」と、「営業」とあるのは「営業又は事業」と、同法第三十一条第一項、第三十三条第一項、第三十七条第二項及び第四十二条中「商法」とあるのは「保険業法第二十一条第一項において準用する商法」と、同法第五十六条第三項中「商法第六十四条第一項」とあるのは「保険業法第二十七条第二項」と、同法第七十九条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と読み替えるものとする。

 (非訟事件手続法の準用)

第六十六条 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百二十六条第一項、第二項及び第五項、第百二十七条、第百二十八条、第百二十九条ノ二から第百三十二条ノ二まで、第百三十二条ノ四、第百三十二条ノ五、第百三十二条ノ八、第百三十四条から第百三十五条ノ八まで(会社及び競売に関する事件)、第百三十五条ノ十五から第百三十五条ノ二十一まで、第百三十五条ノ二十三(社債に関する事件)、第百三十五条ノ二十四から第百三十五条ノ三十八まで、第百三十五条ノ四十一、第百三十五条ノ四十二、第百三十五条ノ四十七から第百三十五条ノ六十四まで(会社の整理に関する事件)、第百三十六条前段、第百三十六条ノ二、第百三十七条前段、第百三十七条ノ二、第百三十八条、第百三十八条ノ三から第百三十八条ノ十五まで(会社の清算に関する事件)、第百三十九条(第二号、第三号及び第八号を除く。)(登記の嘱託をなすべき場合)並びに第百四十条(裁判の謄本の添付)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 (商法中改正法律施行法等の準用)

第六十七条 商法中改正法律施行法第五条(特別区等)及び第十七条(公告の方法)の規定は、相互会社について準用する。

2 商法中署名すべき場合に関する法律(明治三十三年法律第十七号)の規定は、相互会社について準用する。

    第三節 組織変更

     第一款 株式会社から相互会社への組織変更

 (組織変更)

第六十八条 保険業を営む株式会社は、その組織を変更して相互会社とすることができる。

2 前項の組織変更(以下この款において「組織変更」という。)をする場合においては、組織変更後の相互会社の基金の総額を第六条第一項の政令で定める額以上の額とするため、基金を募集しなければならない。

3 前項に規定する基金の総額の全部又は一部は、組織変更時において準備金を積み立てることにより、これに代えることができる。この場合においては、当該積み立てる額については、同項の基金の募集は、することを要しない。

4 前項の準備金は、基金償却積立金とみなして、この法律(第五十六条を除く。)の規定を適用する。

5 組織変更をする場合においては、第三項の準備金のほか、損失てん補準備金を積み立てることができる。

 (組織変更計画書の承認)

第六十九条 株式会社は、組織変更をするには、組織変更計画書を作成して、株主総会の決議により、その承認を受けなければならない。

2 前項の場合には、商法第三百四十三条(定款変更の決議の方法)に定める決議によらなければならない。

3 株式会社は、第一項の決議を行う場合には、商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の規定による通知において、組織変更計画書の要領を示さなければならない。

4 株式会社は、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 組織変更後の相互会社の基金の総額

 二 前条第三項の準備金及び同条第五項の損失てん補準備金の額

 三 株主に対する補償に関する事項

 四 組織変更後における保険契約者の権利に関する事項

 五 組織変更をする時期その他大蔵省令で定める事項

5 第一項の決議は、転換社債を発行している場合においては転換の請求をすることができる期間が経過した日以後、新株引受権付社債を発行している場合においては新株の引受権を行使することができる期間が経過した日以後でなければ、することができない。

 (組織変更決議の公告等及び異議申立て)

第七十条 株式会社が組織変更の決議を行ったときは、当該決議の日から二週間以内に、決議の内容及び貸借対照表を公告し、かつ、株主及び株主名簿に記載のある質権者に対して、決議の内容を各別に通知しなければならない。

2 第十七条第二項から第五項まで、第七項及び第九項並びに商法第百条(債権者の異議)の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第十七条第二項中「前項」とあるのは「第七十条第一項」と、同条第四項中「第一項の資本の減少の決議」とあるのは「第六十九条第一項の承認の決議」と、同条第五項中「商法第三百七十六条第二項(資本の減少)において準用する同法」とあるのは「第七十条第二項において準用する商法」と、同条第七項中「前各項」とあるのは「第七十条第一項及び同条第二項において準用する第二項から第五項まで」と、「資本の減少」とあるのは「第六十八条第一項の組織変更」と、同条第九項中「前各項に定めるもののほか、第一項」とあるのは「第七十条第一項並びに同条第二項において準用する第二項」と、「第七項」とあるのは「第七項に定めるもののほか、これら」と読み替えるものとする。

3 保険契約に係る権利を有する者、第九十九条第三項に規定する保険金信託業務に係る金銭信託の受益者その他の政令で定める債権者に対する前項において準用する商法第百条第一項の催告は、することを要しない。

4 信託業法(大正十一年法律第六十五号)第十六条第二項(異議を述べた受益者)の規定は、第二項において準用する商法第百条の異議を述べた前項の金銭信託の受益者がいる場合について準用する。

5 商法第三百七十六条第三項(資本減少の場合における社債権者の異議)の規定は、社債権者が第二項において準用する同法第百条の異議を述べようとする場合について準用する。

 (組織変更手続中の契約)

第七十一条 株式会社が、前条第一項の公告をした日の翌日以後保険契約を締結しようとするときは、保険契約者になろうとする者に対して、組織変更の手続中である旨を通知し、その承諾を得なければならない。

2 前項の承諾をした保険契約者は、次条から第七十六条までの規定の適用については、保険契約者でないものとみなす。

 (保険契約者総会)

第七十二条 第七十条第二項において準用する第十七条第二項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第七十条第二項において準用する第十七条第四項の大蔵省令で定める金額が同項に定める割合を超えなかったときは、当該会社の取締役は、第七十条第二項において準用する商法第百条(債権者の異議)に定める手続が終了した後、遅滞なく、保険契約者総会を招集しなければならない。

 (決議の方法等)

第七十三条 保険契約者は、保険契約者総会において、各々一個の議決権を有する。

2 保険契約者総会の決議は、保険契約者の半数以上が出席し、その議決権の四分の三以上の多数により行う。

3 商法第百八十条第三項(創立総会)及び第二百三十八条(検査役の選任)の規定は、保険契約者総会について準用する。この場合において、同法第百八十条第三項中「第二百三十九条ノ二、第二百四十一条第一項、第二百四十三条」とあるのは「第二百四十三条」と、「、第二百四十七条」とあるのは「及第二百四十七条」と、「及第三百四十五条ノ規定」とあるのは「ノ規定」と読み替えるものとする。

4 商法第二百二十四条第一項及び第二項(通知又は催告)の規定は、前項において準用する同法第百八十条第三項において準用する同法第二百三十二条第一項(招集の通知)の通知について準用する。この場合において、同法第二百二十四条第一項中「株主名簿ニ記載シタル株主ノ住所又ハ其ノ者」とあるのは、「其ノ者」と読み替えるものとする。

 (取締役の報告)

第七十四条 取締役は、組織変更に関する事項を保険契約者総会に報告しなければならない。

 (保険契約者総会の決議)

第七十五条 保険契約者総会においては、その決議により、定款その他相互会社の組織に必要な事項を定めるとともに、相互会社の取締役及び監査役となるべき者を選任しなければならない。

2 第六十九条第一項の決議は、前項の決議により変更することができる。ただし、株式会社の債権者の利益を害することはできない。

3 前項の変更が株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、株主総会の同意を得なければならない。この場合においては、第六十九条第二項の規定を準用する。

4 前項の株主総会の同意が得られなかった場合は、第六十九条第一項の承認の決議は、その効力を失う。

5 商法第百八十七条第二項(招集の通知に記載のない事項の決議)の規定は、第一項の決議について準用する。

 (保険契約者総代会)

第七十六条 株式会社は、第六十九条第一項の決議により、保険契約者総会に代わるべき機関として、保険契約者のうちから選出された総代により構成される機関(以下「保険契約者総代会」という。)を置くことができる。

2 前項の決議においては、総代の定数、選出の方法その他の大蔵省令で定める事項を定めなければならない。

3 株式会社は、第一項の決議の日から二週間以内に、その決議の内容を公告しなければならない。

4 第十七条第二項から第四項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第七十六条第三項」と、同条第四項中「第一項の資本の減少の決議」とあるのは「第七十六条第一項の保険契約者総代会を置く旨の決議」と読み替えるものとする。

5 第四十四条第二項から第四項まで及び第七十二条から前条までの規定は、保険契約者総代会について準用する。この場合において、第四十四条第二項中「定款」とあるのは「第七十六条第一項の決議」と、第七十三条第三項において準用する商法第百八十条第三項中「第二百三十七条ノ四、第二百三十九条第二項第四項乃至第六項」とあるのは「第二百三十七条ノ四」と読み替えるものとする。

 (組織変更における基金の募集)

第七十七条 株式会社の取締役は、組織変更後の相互会社の基金について募集を要する場合には、その要する額について保険契約者総会又は保険契約者総代会が終結した後(第七十五条第三項の場合にあっては、同項の株主総会の同意が得られた後)、遅滞なく、その募集をしなければならない。

2 前項の場合において、株式会社の取締役は、次に掲げる事項を記載した基金拠出申込証を作成しなければならない。

 一 第二十二条第二項第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項

 二 基金の拠出に係る払込みを取り扱う銀行又は信託会社

3 第二十三条第一項、第三項及び第四項の規定は、第一項の募集に係る基金の拠出について準用する。この場合において、同条第四項において準用する商法第百七十五条第四項中「第二十三条第二項第三号」とあるのは「第七十七条第二項第二号」と、第二十三条第四項において準用する同法第百九十二条第一項及び第二項中「発起人及会社成立当時ノ取締役」とあるのは「株式会社ノ取締役及組織変更当時ノ相互会社ノ取締役」と読み替えるものとする。

 (基金の募集後の保険契約者総会)

第七十八条 前条第一項の場合において、株式会社の取締役は、同項の募集に係る基金の総額の払込みがあった後、遅滞なく、第二回の保険契約者総会又は保険契約者総代会を招集しなければならない。

2 相互会社の取締役及び監査役となるべき者は、前条第一項の募集に係る基金の総額についてその引受け及び払込みがあったかどうかを調査し、前項の保険契約者総会又は保険契約者総代会に報告しなければならない。

3 商法第百八十四条第三項(検査役の選任)の規定は、第一項の保険契約者総会又は保険契約者総代会について準用する。この場合において、同条第三項中「発起人」とあるのは、「株式会社ノ取締役」と読み替えるものとする。

 (組織変更の認可)

第七十九条 組織変更は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があった場合には、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 組織変更後の相互会社が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。

 二 組織変更により、保険契約者の有する権利が害されるおそれがないこと。

 三 前二号に掲げるもののほか、組織変更により、保険会社の業務の健全な運営に支障を生ずるおそれがないこと。

 (組織変更による入社)

第八十条 株式会社の保険契約者は、組織変更により、組織変更後の相互会社に入社するものとする。

 (組織変更の公告)

第八十一条 組織変更後の相互会社は、組織変更の後、遅滞なく、組織変更が行われたことを公告しなければならない。第七十条第一項の公告をした株式会社が組織変更を行わないこととなったときも、同様とする。

 (旧株式に関する質権)

第八十二条 商法第二百八条(質権の効力)並びに第二百九条第一項及び第二項(株式の登録質)の規定は、組織変更の場合について準用する。

 (登記)

第八十三条 株式会社が組織変更を行ったときは、組織変更の日から本店又は主たる事務所の所在地においては二週間以内に、支店又は従たる事務所の所在地においては三週間以内に、組織変更前の株式会社については解散の登記を、組織変更後の相互会社については設立の登記をしなければならない。

2 前項の規定による第二十七条第二項に定める登記の申請書には、第六十五条において準用する商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 組織変更計画書

 二 定款

 三 第七十条第一項の公告をしたことを証する書面

 四 株主総会及び保険契約者総会(保険契約者総代会を設けたときは、保険契約者総代会)の議事録

 五 第七十条第二項において準用する第十七条第二項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第七十条第二項において準用する第十七条第四項の大蔵省令で定める金額が、同項に定める割合を超えなかったことを証する書面

 六 第七十条第二項において準用する商法第百条(債権者の異議)の規定による公告及び催告をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、その者に対し弁済し、若しくは担保を提供し、又は信託したことを証する書面

 七 相互会社の取締役、代表取締役及び監査役が就任を承諾したことを証する書面

 八 基金の募集をしたときは、基金の拠出の申込み及び引受けを証する書面

 九 基金の募集をしたときは、基金の拠出に係る払込みを取り扱った銀行又は信託会社の払込金の保管に関する証明書

3 商業登記法第七十一条及び第七十三条(組織変更の登記)の規定は、第一項の場合について準用する。

 (組織変更無効の訴え)

第八十四条 組織変更の無効は、主たる事務所の所在地において組織変更の日から六月以内に、訴えをもってのみ主張することができる。

2 商法第八十八条(管轄裁判所)、第百五条第二項から第四項まで、第百六条、第百八条、第百九条(合併無効の訴え)、第二百四十九条(担保の提供)及び第四百十五条(提起権者)並びに非訟事件手続法第百三十五条ノ六(設立無効の登記)及び第百四十条(裁判の謄本の添付)の規定は前項の訴えについて、商法第二百八十条ノ十七第一項及び第二百八十条ノ十八第一項(新株発行の無効の訴え)の規定は第七十七条第一項の基金の募集をした場合について、それぞれ準用する。

     第二款 相互会社から株式会社への組織変更

 (組織変更)

第八十五条 相互会社は、その組織を変更して保険業を営む株式会社とすることができる。

 (組織変更計画書の承認)

第八十六条 相互会社は、前条の組織変更(以下この款において「組織変更」という。)をするには、組織変更計画書を作成して、社員総会(総代会を設けているときは、総代会。次項において同じ。)の決議により、その承認を受けなければならない。

2 前項の社員総会においては、その決議により、定款その他株式会社の組織に必要な事項を定めるとともに、組織変更後の株式会社の取締役及び監査役となるべき者を選任しなければならない。

3 前二項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

4 相互会社は、第一項の決議を行う場合には、第四十一条又は第四十九条において準用する商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の規定による通知において、組織変更計画書の要領、組織変更後の株式会社の定款及び第二項に規定する者の選任に関する議案の要領を示さなければならない。

5 相互会社は、組織変更計画書において、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 組織変更後の株式会社の資本の額

 二 組織変更後に発行する株式の総数及び額面株式を発行するときは、一株の金額

 三 組織変更に際して発行する株式の総数及び額面又は無額面の別

 四 社員に対する株式の割当てに関する事項

 五 組織変更後における保険契約者の権利に関する事項

 六 組織変更剰余金額に関する事項

 七 組織変更をする時期その他大蔵省令で定める事項

 (組織変更決議の公告)

第八十七条 相互会社が、組織変更の決議を行ったときは、当該決議の日から二週間以内に、決議の内容及び貸借対照表を公告しなければならない。

2 第七十条第二項から第五項まで及び第七十一条第一項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第七十条第二項中「第七十条第一項」とあるのは「第八十七条第一項」と、「第六十九条第一項」とあるのは「第八十六条第一項」と、「第七十条第二項」とあるのは「第八十七条第二項において準用する第七十条第二項」と、「同条第二項」とあるのは「同条第二項において準用する第七十条第二項」と、「第六十八条第一項」とあるのは「第八十五条」と、第七十一条第一項中「通知し、その承諾を得なければならない」とあるのは「通知しなければならない」と読み替えるものとする。

 (基金の償却)

第八十八条 相互会社は、償却を終わっていない基金があるときは、組織変更の日までに、組織変更計画書の定めるところに従い、基金の全額を償却しなければならない。

2 第五十六条の規定は、前項の場合には、適用しない。

 (社員への株式の割当て)

第八十九条 相互会社の社員は、組織変更計画書の定めるところにより、組織変更後の株式会社の株式の割当てを受けるものとする。

2 前項の株式の割当ては、社員の寄与分(社員の支払った保険料及び当該保険料として収受した金銭を運用することによって得られた収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の支出に充てられていないものから当該社員に対する保険契約上の債務を履行するために確保すべき資産の額を控除した残額に相当するものとして大蔵省令で定めるところにより計算した金額をいう。)に応じて、しなければならない。

3 商法第二百十七条第一項及び第二項(一株に満たない端数に関する処置)並びに非訟事件手続法第百二十六条第一項(管轄裁判所)及び第百三十二条ノ三(端数の任意売却許可の申請)の規定は、前二項の場合について準用する。

4 第一項の規定により社員に割り当てた株式を発行する場合には、当該株式を商法第百六十六条第一項第六号、第二項及び第三項(定款の記載事項)に規定する会社の設立に際して発行する株式とみなす。

5 商法第二百十八条第二項(株式分割)の規定は、組織変更の場合について準用する。

6 前各項に定めるもののほか、組識変更の場合における株式の割当てに関し必要な事項は、政令で定める。

 (新会社の資本及び取締役のてん補責任)

第九十条 組織変更後の株式会社の資本の額は、組織変更時に組織変更前の相互会社に現に存する純資産額を上回ることができない。

2 前項の場合において、組織変更時における組織変更後の株式会社に現に存する純資産額が資本の額に不足するときは、組織変更の決議の当時の相互会社の取締役は、組織変更後の株式会社に対し連帯してその不足額を支払う義務を負う。

 (準備金の積立て)

第九十一条 組織変更後の株式会社は、組織変更時における純資産額から資本の額を控除した残額については、商法第二百八十八条ノ二第一項(資本準備金)の資本準備金として積み立てなければならない。

2 商法第二百八十八条ノ二第三項(合併の場合の準備金の積立て)の規定は、前項の残額について準用する。この場合において、同条第三項中「合併ニ因リ消滅シタル会社ノ利益準備金」とあるのは「組織変更前ノ相互会社ノ損失填補準備金」と、「其ノ利益準備金」とあるのは「其ノ損失填補準備金」と読み替えるものとする。

 (組織変更剰余金額)

第九十二条 組織変更を行う相互会社は、第八十六条第二項の定款において、組織変更剰余金額を定めることができる。

2 組織変更後の株式会社は、貸借対照表上の純資産額から資本の額及び組織変更剰余金額の合計額を控除した残額を超えて、利益の配当を行うことができない。

3 組織変更剰余金額は、退社員の全体について、第八十九条第二項の大蔵省令に準じて大蔵省令で定めるところにより計算した金額の総額を上限とする。

4 前三項に定めるもののほか、組織変更剰余金額に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (組織変更の認可)

第九十三条 組織変更は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があった場合には、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 組織変更後の株式会社が保険会社の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。

 二 組織変更により、保険契約者の有する権利が害されるおそれがないこと。

 三 第八十九条の規定による株式の割当てが、適正に行われていること。

 四 前三号に掲げるもののほか、組織変更により、保険会社の業務の健全な運営に支障を生ずるおそれがないこと。

 (株主となる時期)

第九十四条 相互会社の社員で第八十九条第一項の規定により株式を割り当てられた者は、組織変更により組織変更後の株式会社の株主となる。

2 前項の場合においては、当該組織変更の日を商法第二百二十五条第二号(株券の記載事項)に掲げる日とみなし、当該組織変更を同法第二百二十六条(株券発行の時期)に規定する会社の成立とみなして、これらの規定を適用する。

 (登記)

第九十五条 相互会社が組織変更を行ったときは、組織変更の日から主たる事務所及び本店の所在地においては二週間以内に、従たる事務所及び支店の所在地においては三週間以内に、組織変更前の相互会社については解散の登記を、組織変更後の株式会社については設立の登記をしなければならない。

2 前項の規定による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 組織変更計画書

 二 定款

 三 相互会社の社員総会又は総代会の議事録

 四 第八十七条第一項の公告をしたことを証する書面

 五 第八十七条第二項において準用する第七十条第二項において準用する第十七条第二項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第八十七条第二項において準用する第七十条第二項において準用する第十七条第四項の大蔵省令で定める金額が、同項に定める割合を超えなかったことを証する書面

 六 第八十七条第二項において準用する第七十条第二項において準用する商法第百条(債権者の異議)の規定による公告及び通知をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、その者に対し弁済し、若しくは担保を提供し、又は信託したことを証する書面

 七 組織変更時に組織変更前の相互会社に現に存する純資産額を証する書面

 八 株式会社の取締役、代表取締役及び監査役が就任を承諾したことを証する書面

 九 名義書換代理人又は登録機関を置いたときは、これらの者との契約を証する書面

3 商業登記法第七十一条及び第七十三条(組織変更の登記)の規定は、第一項の場合について準用する。

 (株式会社から相互会社への組織変更の規定の準用)

第九十六条 第八十一条及び第八十四条の規定は、相互会社から株式会社への組織変更について準用する。この場合において、同条第二項中「、第百九条」とあるのは「から第百十条まで」と、「前項の訴えについて、商法第二百八十条ノ十七第一項及び第二百八十条ノ十八第一項(新株発行の無効の訴え)の規定は第七十七条第一項の基金の募集をした場合について、それぞれ」とあるのは「、前項の訴えについて」と読み替えるものとする。

   第三章 業務

 (業務の範囲)

第九十七条 保険会社は、第三条第二項の免許の種類に従い、保険の引受けを行うことができる。

2 保険会社は、保険料として収受した金銭その他の資産の運用を行うには、有価証券の取得その他の大蔵省令で定める方法によらなければならない。

3 保険会社は、大蔵省令で定める資産については、大蔵省令で定めるところにより計算した額を超えて運用してはならない。

第九十八条 保険会社は、前条の規定により行う業務のほか、当該業務に付随する次に掲げる業務その他の業務を行うことができる。

 一 他の保険会社(外国保険業者を含む。)の保険業に係る業務の代理又は事務の代行(大蔵省令で定めるものに限る。)

 二 債務の保証

 三 国債、地方債若しくは政府保証債(以下この号において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもってするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い

 四 金銭債権(譲渡性預金証書その他の大蔵省令で定める証書をもって表示されるものを含む。)の取得又は譲渡(資産の運用として行うものを除く。)

 五 有価証券(前号に規定する証書をもって表示される金銭債権に該当するものを除く。)の私募の取扱い

2 保険会社は、前項第一号に掲げる業務を行おうとするときは、その内容を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

3 第一項第三号の「政府保証債」とは、政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。

4 第一項第四号に掲げる業務には、同号に規定する証書をもって表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第八項各号(定義)に掲げる行為を行う業務を含むものとする。

5 第一項第五号の「有価証券の私募の取扱い」とは、有価証券の私募(証券取引法第二条第八項第六号に規定する私募をいう。)の取扱いをいう。

第九十九条 保険会社は、前二条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、証券取引法第六十五条第二項各号(金融機関の証券業務の特例)に掲げる有価証券又は取引について、同項各号に定める行為を行う業務(前条第一項の規定により行う業務を除く。)を行うことができる。

2 保険会社は、前二条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を行うことができる。

 一 地方債又は社債その他の債券の募集又は管理の受託

 二 担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)により行う担保付社債に関する信託業務

3 生命保険会社は、前二条の規定により行う業務のほか、第九十七条の業務の遂行を妨げない限度において、信託業法の規定にかかわらず、その支払う保険金について、信託の引受けを行う業務(以下「保険金信託業務」という。)を行うことができる。

4 保険会社が第一項の規定により同項に規定する業務を行おうとする場合には、当該保険会社は、不特定かつ多数の者を相手方とする当該業務については、その内容及び方法を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた業務の内容及び方法を変更しようとするときも、同様とする。

5 保険会社は、第二項の規定により同項各号に掲げる業務を行おうとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

6 保険会社は、第二項各号に掲げる業務に関しては、商法、担保附社債信託法その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、銀行(相互会社にあっては、これらの法令に規定する会社又は銀行)とみなす。この場合においては、信託業法第三条第二項ただし書(商号)の規定は、適用しない。

7 生命保険会社が保険金信託業務を行おうとする場合には、当該生命保険会社は、その方法を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた業務の方法を変更しようとするときも、同様とする。

8 信託業法第七条から第十条まで(国債の供託、優先弁済、損失の補てん等及び固有財産との区分)の規定は、生命保険会社が第三項の規定により保険金信託業務を行う場合について準用する。この場合において、同法第七条中「資本金」とあるのは、「資本金(相互会社ニ付テハ基金(保険業法第五十六条ノ基金償却積立金ヲ含ム)ノ総額)」と読み替えるものとする。

9 第三項の規定により保険金信託業務を行う生命保険会社は、当該保険金信託業務については、租税に関する法令で政令で定めるものの適用については、政令で定めるところにより、信託会社とみなす。

 (他業の制限)

第百条 保険会社は、前三条の規定により行う業務及び他の法律により行う業務のほか、他の業務を行うことができない。

 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)

第百一条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより保険契約者若しくは被保険者の利益を不当に害することとなるとき、又は第百五条第四項の規定による公示があった後一月を経過したとき(同条第三項の請求に応じ、大蔵大臣が第百三条の規定による処分をした場合を除く。)は、この限りでない。

 一 航空保険事業(航空機(ロケットを含む。以下この号において同じ。)若しくは航空機により運送される貨物を保険の目的とする保険又は航空機の事故により生じた損害を賠償する責任に関する保険の引受けを行う事業をいい、航空機搭乗中の者の傷害に関する保険の引受けに係る事業を含む。)、原子力保険事業(原子力施設を保険の目的とする保険又は原子力施設の事故により生じた損害を賠償する責任に関する保険の引受けを行う事業をいう。)、自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)の規定に基づく自動車損害賠償責任保険事業又は地震保険に関する法律(昭和四十一年法律第七十三号)に規定する地震保険契約に関する事業の固有の業務につき損害保険会社が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)と行う共同行為

 二 前号以外の保険の引受けに係る事業において、危険の分散又は平準化を図るためにあらかじめ損害保険会社と他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)との間で、共同して再保険することを定めておかなければ、保険契約者又は被保険者に著しく不利益を及ぼすおそれがあると認められる場合に、当該再保険契約又は当該再保険に係る保険契約につき次に掲げる行為の全部又は一部に関し損害保険会社が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)と行う共同行為

  イ 保険約款の内容(保険料率に係るものを除く。)の決定

  ロ 損害査定の方法の決定

  ハ 再保険の取引に関する相手方又は数量の決定

  ニ 再保険料率及び再保険に関する手数料の決定

2 第百五条第三項の規定による請求が共同行為の内容の一部について行われたときは、その共同行為の内容のうちその請求に係る部分以外の部分については、前項ただし書(同条第四項の規定による公示に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、前項本文の規定の適用があるものとする。

 (共同行為の認可)

第百二条 損害保険会社は、前条第一項各号の共同行為を行い、又はその内容を変更しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請に係る共同行為の内容が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。

 一 保険契約者又は被保険者の利益を不当に害さないこと。

 二 不当に差別的でないこと。

 三 加入及び脱退を不当に制限しないこと。

 四 危険の分散又は平準化その他共同行為を行う目的に照らして必要最小限度であること。

 (共同行為の変更命令及び認可の取消し)

第百三条 大蔵大臣は、前条第一項の認可に係る共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、その損害保険会社に対し、その共同行為の内容を変更すべきことを命じ、又はその認可を取り消さなければならない。

 (共同行為の廃止の届出)

第百四条 損害保険会社は、共同行為を廃止したときは、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 (公正取引委員会との関係)

第百五条 大蔵大臣は、第百二条第一項の認可をしようとするときは、あらかじめ、公正取引委員会の同意を得なければならない。

2 大蔵大臣は、第百三条の規定による処分をしたとき、又は前条の規定による届出を受理したときは、遅滞なく、その旨を公正取引委員会に通知しなければならない。

3 公正取引委員会は、第百二条第一項の認可を受けた共同行為の内容が同条第二項各号に適合するものでなくなったと認めるときは、大蔵大臣に対し、第百三条の規定による処分をすべきことを請求することができる。

4 公正取引委員会は、前項の規定による請求をしたときは、その旨を官報に公示しなければならない。

   第四章 子会社

 (保険会社の株式の所有)

第百六条 次の各号に掲げる保険会社は、当該各号に定める保険会社の株式(議決権のあるものに限る。以下この章において同じ。)については、大蔵大臣の認可を受けて、その発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数の百分の五十を超える数の株式を取得し、又は所有することができる。

 一 生命保険会社 損害保険会社又は生命保険会社(大蔵省令で定める生命保険会社に限る。)

 二 損害保険会社 生命保険会社又は損害保険会社(大蔵省令で定める損害保険会社に限る。)

2 前項の場合において、生命保険会社又は損害保険会社が取得し、又は所有する株式には、当該生命保険会社又は損害保険会社が担保権の実行により取得し、又は所有する株式その他大蔵省令で定める株式を含まないものとし、信託財産である株式で、当該生命保険会社又は損害保険会社が委託者又は受益者として議決権を行使し、又は議決権の行使について指図を行うことができるものを含むものとする。

 (子損害保険会社等又は子生命保険会社等との間の取引等)

第百七条 生命保険会社は、その子損害保険会社等(当該生命保険会社が前条第一項の認可を受けて株式を所有する損害保険会社その他の当該生命保険会社と政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)又は子損害保険会社等に係る顧客との間で、損害保険会社は、その子生命保険会社等(当該損害保険会社が前条第一項の認可を受けて株式を所有する生命保険会社その他の当該損害保険会社と政令で定める特殊の関係のある者をいう。以下この条において同じ。)又は子生命保険会社等に係る顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき公益上必要がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 一 子損害保険会社等又は子生命保険会社等との間で、当該生命保険会社又は当該損害保険会社の取引の通常の条件に照らして著しく異なる条件で、資産の売買その他の取引を行うこと。

 二 子損害保険会社等若しくは子生命保険会社等との間又は子損害保険会社等若しくは子生命保険会社等に係る顧客との間で行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該生命保険会社若しくはその子損害保険会社等若しくは当該損害保険会社若しくはその子生命保険会社等の行う保険業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれのあるものとして大蔵省令で定める取引又は行為

 (海外現地法人の株式等の所有)

第百八条 保険会社は、次に掲げる会社の株式又は持分(以下この条において「株式等」という。)については、大蔵大臣の認可を受けて、その発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額の百分の五十を超える数又は額の株式等を取得し、又は所有することができる。

 一 保険業を行う外国の会社

 二 前号に掲げる会社に準ずる外国の会社で大蔵省令で定めるもの

2 第百六条第二項の規定は、前項の場合において保険会社が取得し、又は所有する株式等について準用する。

   第五章 経理

 (事業年度)

第百九条 保険会社の事業年度は、四月一日から翌年三月三十一日までとする。

 (業務報告書)

第百十条 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、大蔵大臣に提出しなければならない。

2 業務報告書の記載事項、提出期日その他業務報告書に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧)

第百十一条 保険会社は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類を作成し、本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所に備え置き、公衆の縦覧に供するものとする。ただし、保険契約者等その他の取引者の秘密を害するおそれのある事項、保険会社の業務の遂行上不当な不利益を与えるおそれのある事項及びその記載のため過大な費用の負担を要する事項については、この限りでない。

 (株式の評価の特例)

第百十二条 保険会社は、その所有する株式のうち取引所の相場のあるもの(第百十八条第一項に規定する特別勘定に属するものとして経理されたものを除く。以下この項において同じ。)の時価が当該株式の取得価額を超えるときは、商法第二百八十五条ノ六第一項(株式の評価)(第五十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、大蔵大臣の認可を受けて、当該株式について取得価額を超え時価を超えない価額を付すことができる。

2 前項の規定による評価換えにより計上した利益は、大蔵省令で定める準備金に積み立てなければならない。

 (創立費及び事業費の償却)

第百十三条 保険会社は、商法第二百八十六条前段(創立費の繰延べ)に規定する金額(相互会社にあっては、第二十二条第三項第三号に規定する報酬及び同項第四号に掲げる設立費用(同号に規定する手数料及び報酬を含む。)として支出した金額並びに第二十七条第一項の設立の登記のために支出した税額)及び当該保険会社の成立後の最初の五事業年度の事業費に係る金額(同法第二百八十六条ノ二前段(開業準備費の繰延べ)に規定する金額(相互会社に係るこれに相当する金額を含む。)を含む。)を、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合において、当該保険会社は、定款で定めるところにより、当該計上した金額を当該保険会社の成立後十年以内に償却しなければならない。

2 商法第二百八十六条及び第二百八十六条ノ二の規定は、保険業を営む株式会社については、適用しない。

 (契約者配当)

第百十四条 保険業を営む株式会社は、契約者配当(保険契約者に対し、保険料及び保険料として収受する金銭を運用することによって得られる収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の費用に充てられないものの全部又は一部を分配することを保険約款で定めている場合において、その分配をいう。以下同じ。)を行う場合は、公正かつ衡平な分配をするための基準として大蔵省令で定める基準に従い、行わなければならない。

2 契約者配当に充てるための準備金の積立てその他契約者配当に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (価格変動準備金)

第百十五条 保険会社は、その所有する株式その他の価格変動による損失が生じ得るものとして大蔵省令で定める資産(次項において「株式等」という。)について、大蔵省令で定めるところにより計算した金額を価格変動準備金として積み立てなければならない。ただし、その全部又は一部の金額について積立てをしないことについて大蔵大臣の認可を受けた場合における当該認可を受けた金額については、この限りでない。

2 前項の準備金は、株式等の売買等による損失(売買、評価換え及び外国為替相場の変動による損失並びに償還損をいう。)の額が株式等の売買等による利益(売買及び外国為替相場の変動による利益並びに償還益をいう。)の額を超える場合においてその差額のてん補に充てる場合を除くほか、取り崩してはならない。ただし、大蔵大臣の認可を受けたときは、この限りでない。

 (責任準備金)

第百十六条 保険会社は、毎決算期において、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てなければならない。

2 大蔵大臣は、長期の保険契約で大蔵省令で定めるものについて、責任準備金の積立方式及び予定死亡率その他の責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準について必要な定めをすることができる。

3 前二項に定めるもののほか、保険契約を再保険に付した場合における当該保険契約に係る責任準備金の積立方法その他責任準備金の積立てに関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (支払備金)

第百十七条 保険会社は、毎決算期において、保険金、返戻金その他の給付金(以下この項において「保険金等」という。)で、保険契約に基づいて支払義務が発生したものその他これに準ずるものとして大蔵省令で定めるものがある場合において、保険金等の支出として計上していないものがあるときは、支払備金を積み立てなければならない。

2 前項の支払備金の積立てに関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (特別勘定)

第百十八条 保険会社は、大蔵省令で定める保険契約について、当該保険契約に係る責任準備金の金額に対応する財産をその他の財産と区別して経理するため、特別の勘定(次項及び次条において「特別勘定」という。)を設けることができる。

2 保険会社は、大蔵省令で定める場合を除き、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 特別勘定に属するものとして経理された財産を特別勘定以外の勘定又は他の特別勘定に振り替えること。

 二 特別勘定に属するものとして経理された財産以外の財産を特別勘定に振り替えること。

 (特別勘定に属する財産の評価)

第百十九条 保険会社は、特別勘定に属するものとして経理された財産のうち取引所の相場のある有価証券及び証券取引法第七十六条(店頭売買有価証券に関する規則)に規定する店頭売買有価証券について、商法第二百八十五条ノ五(社債その他の債券の評価)及び第二百八十五条ノ六(株式その他の出資の評価)(これらの規定を第五十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、時価を付すことができる。

 (保険計理人の選任等)

第百二十条 保険会社(生命保険会社及び大蔵省令で定める要件に該当する損害保険会社に限る。第三項及び第百二十二条において同じ。)は、取締役会において保険計理人を選任し、保険料の算出方法その他の事項に係る保険数理に関する事項として大蔵省令で定めるものに関与させなければならない。

2 保険計理人は、保険数理に関して必要な知識及び経験を有する者として大蔵省令で定める要件に該当する者でなければならない。

3 保険会社は、保険計理人を選任したとき、又は保険計理人が退任したときは、大蔵省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 (保険計理人の職務)

第百二十一条 保険計理人は、毎決算期において、次に掲げる事項について、大蔵省令で定めるところにより確認し、その結果を記載した意見書を取締役会に提出しなければならない。

 一 大蔵省令で定める保険契約に係る責任準備金が健全な保険数理に基づいて積み立てられているかどうか。

 二 契約者配当又は社員に対する剰余金の分配が公正かつ衡平に行われているかどうか。

 三 その他大蔵省令で定める事項

2 保険計理人は、前項の意見書を取締役会に提出した後、遅滞なく、その写しを大蔵大臣に提出しなければならない。

3 大蔵大臣は、保険計理人に対し、前項の意見書の写しについてその説明を求め、その他その職務に属する事項について意見を求めることができる。

4 前三項に定めるもののほか、第一項の意見書に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (保険計理人の解任)

第百二十二条 大蔵大臣は、保険計理人が、この法律又はこの法律に基づく大蔵大臣の処分に違反したときは、当該保険会社に対し、その解任を命ずることができる。

   第六章 監督

 (事業方法書等に定めた事項の変更)

第百二十三条 保険会社は、第四条第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項(保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして大蔵省令で定める事項を除く。)を変更しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

2 保険会社は、前項に規定する書類に定めた事項を変更しようとする場合で、同項の大蔵省令で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ当該変更しようとする旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 (事業方法書等に定めた事項の変更の認可)

第百二十四条 大蔵大臣は、前条第一項の認可の申請があったときは、次の各号に掲げる事項について、当該各号に定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 第四条第二項第二号及び第三号に掲げる書類に定めた事項 第五条第一項第三号イからホまでに掲げる基準

 二 第四条第二項第四号に掲げる書類に定めた事項 第五条第一項第四号イからハまでに掲げる基準

 (事業方法書等に定めた事項の変更の届出等)

第百二十五条 第百二十三条第二項の規定による届出があった場合には、大蔵大臣が当該届出を受理した日の翌日から起算して九十日を経過した日に、当該届出に係る変更があったものとする。

2 大蔵大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合していると認めるときは、前項に規定する期間を相当と認める期間に短縮することができる。この場合において、大蔵大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該短縮後の期間を通知しなければならない。

3 大蔵大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合するかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が第一項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、当該期間を相当と認める期間に延長することができる。この場合において、大蔵大臣は、当該届出をした者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。

4 大蔵大臣は、第百二十三条第二項の規定による届出に係る事項が第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまでに掲げる基準に適合しないと認めるときは、当該届出を受理した日の翌日から起算して九十日を経過する日までの期間(前項の規定により当該期間が延長された場合にあっては、当該延長後の期間)内に限り、当該届出をした者に対し、期限を付して当該届出に係る事項について変更を命じ、又は当該届出の撤回を命ずることができる。

 (定款の変更の認可)

第百二十六条 保険会社の次に掲げる事項に係る定款の変更についての株主総会又は社員総会若しくは総代会の決議は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 一 商号又は名称

 二 基金の償却に関する事項

 三 社員の退社事由

 四 総代の定数及び選出方法に関する事項

 五 第六十三条第一項の契約に関する事項

 六 第百八十二条の残余財産の処分に関する事項

 (届出事項)

第百二十七条 保険会社は、次の各号のいずれかに該当するときは、大蔵省令で定めるところにより、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 保険業を開始したとき。

 二 資本の額又は基金の総額を増額しようとするとき。

 三 他に特段の定めのある事項以外の事項に係る定款の変更をしたとき。

 四 外国において支店若しくは従たる事務所又は駐在員事務所を設置しようとするとき。

 五 その他大蔵省令で定める場合に該当するとき。

 (報告又は資料の提出)

第百二十八条 大蔵大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、保険会社に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

2 大蔵大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該保険会社の子会社に対し、当該保険会社の業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。

3 保険会社の子会社は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。

4 前二項において「子会社」とは、保険会社がその発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分(次項において「株式等」という。)を所有する会社をいう。

5 第百六条第二項の規定は、前項の場合において保険会社が所有する株式等について準用する。

 (立入検査)

第百二十九条 大蔵大臣は、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、保険会社の営業所、事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定による立入り、質問又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、保険会社の子会社(前条第四項に規定する子会社をいう。次項において同じ。)の施設に立ち入らせ、当該保険会社に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

3 保険会社の子会社は、正当な理由があるときは、前項の規定による質問及び検査を拒むことができる。

 (健全性維持のための措置)

第百三十条 大蔵大臣は、保険会社の資本、基金、準備金その他の大蔵省令で定めるものの額の合計額、引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに相当する額として大蔵省令で定めるところにより計算した額その他当該保険会社の財産の状況等を勘案し、適切な改善措置を講じなければ経営の健全性を損ない保険契約者等の保護に欠けることとなるおそれがあると認めるときは、当該保険会社に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、経営の健全性を確保するための改善計画の提出を求めることができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定により提出された同項の改善計画の内容が不十分であると認めるときは、当該保険会社に対し、期限を示して、当該改善計画の変更を命ずることができる。

 (事業方法書等に定めた事項の変更命令)

第百三十一条 大蔵大臣は、保険会社の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、その必要の限度において、第四条第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。

 (業務の停止等)

第百三十二条 大蔵大臣は、保険会社の業務又は財産の状況に照らして、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該保険会社に対し、その必要の限度において、期限を付して業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。

 (免許の取消し等)

第百三十三条 大蔵大臣は、保険会社が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該保険会社の業務の全部若しくは一部の停止若しくは取締役若しくは監査役の解任を命じ、又は第三条第一項の免許を取り消すことができる。

 一 法令、法令に基づく大蔵大臣の処分又は第四条第二項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。

 二 当該免許に付された条件に違反したとき。

 三 公益を害する行為をしたとき。

第百三十四条 大蔵大臣は、保険会社の財産の状況が著しく悪化し、保険業を継続することが保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該保険会社の第三条第一項の免許を取り消すことができる。

   第七章 保険契約の包括移転、事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託

    第一節 保険契約の包括移転

 (保険契約の包括移転)

第百三十五条 保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等を含む。以下この項において同じ。)との契約により保険契約を当該他の保険会社(以下この節において「移転先会社」という。)に移転することができる。

2 保険契約の移転は、責任準備金の算出の基礎が同一である保険契約(第百三十七条第一項の公告の時において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約を除く。)の全部を包括してしなければならない。

3 第一項の契約には、保険契約の移転とともにする保険会社の財産の移転に関する事項を定めなければならない。この場合には、保険契約の移転をしようとする保険会社(以下この節において「移転会社」という。)は、同項の契約により移転するものとされる保険契約に係る保険契約者(以下この節において「移転対象契約者」という。)以外の当該移転会社の債権者の利益を保護するために必要と認められる財産を留保しなければならない。

4 移転会社は、第一項の契約において、当該契約により移転するものとされる保険契約について、契約条項の軽微な変更で保険契約者の不利益とならないものを定めることができる。

 (保険契約の移転の決議)

第百三十六条 前条第一項の保険契約の移転をするには、移転会社及び移転先会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会又は社員総会(総代会を設けているときは、総代会)(以下この章、次章及び第十章において「株主総会等」という。)の決議を必要とする。

2 前項の場合には、商法第三百四十三条(定款変更の決議の方法)に定める決議又は第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

3 移転会社及び移転先会社は、第一項の決議をする場合には、商法第二百三十二条第一項(招集の通知)(第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の規定による通知において、前条第一項の契約の要旨を示さなければならない。

 (保険契約の移転の公告及び異議申立て)

第百三十七条 移転会社は、前条第一項の決議をした日から二週間以内に、第百三十五条第一項の契約の要旨並びに移転会社及び移転先会社の貸借対照表(外国保険会社等の場合にあっては、日本における保険業の貸借対照表)を公告しなければならない。

2 前項の公告には、移転対象契約者で異議がある者は、一定の期間内に異議を述べるべき旨を付記しなければならない。

3 前項の期間は、一月を下ってはならない。

4 第二項の期間内に異議を述べた移転対象契約者の数が移転対象契約者の総数の五分の一を超え、かつ、当該異議を述べた移転対象契約者の保険契約に係る債権(当該保険契約について、第一項の公告の時において既に生じている保険金請求権等(第十七条第二項に規定する保険金請求権等をいう。)がある場合には、当該保険金請求権等を除く。)の額に相当する金額として大蔵省令で定める金額が移転対象契約者の当該金額の総額の五分の一を超えるときは、保険契約の移転をしてはならない。

5 第二項の期間内に異議を述べた移転対象契約者の数又はその者の前項の大蔵省令で定める金額が、同項に定める割合を超えないときは、当該移転対象契約者全員が当該保険契約の移転を承認したものとみなす。

 (保険契約の締結の停止)

第百三十八条 移転会社は、第百三十六条第一項の決議があった時から保険契約の移転をし、又はしないこととなった時まで、その移転をしようとする保険契約と同種の保険契約を締結してはならない。

 (保険契約の移転の認可)

第百三十九条 保険契約の移転は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該保険契約の移転が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。

 二 移転先会社が、当該保険契約の移転を受けた後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。

 三 移転対象契約者以外の移転会社の債権者の利益を不当に害するおそれがないものであること。

 (保険契約の移転の公告等)

第百四十条 移転会社は、保険契約の移転後、遅滞なく、保険契約の移転をしたこと及び大蔵省令で定める事項を公告しなければならない。保険契約の移転をしないこととなったときも、同様とする。

2 移転先会社は、保険契約の移転を受けたときは、当該保険契約の移転後三月以内に、当該保険契約の移転に係る保険契約者に対し、その旨(第百三十五条第一項の契約において、当該保険契約の移転に係る保険契約について同条第四項に規定する軽微な変更を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該軽微な変更の内容)を通知しなければならない。

3 移転会社が保険契約者に対して貸付金その他の債権を有しており、かつ、当該債権が第百三十五条第一項の契約により保険契約とともに移転先会社に移転することとされている場合において、第一項前段の規定による公告がされたときは、当該保険契約者に対して民法第四百六十七条(指名債権の譲渡の対抗要件)の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該公告の日付をもって確定日付とする。

 (保険契約の移転による入社)

第百四十一条 保険契約の移転がされた場合において、移転先会社が相互会社であるときは、当該保険契約の移転に係る移転対象契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、移転先会社の定款において当該保険契約の移転に係る保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。

    第二節 事業の譲渡又は譲受け

 (事業の譲渡又は譲受けの認可)

第百四十二条 保険会社を全部又は一部の当事者とする事業の譲渡又は譲受けは、大蔵省令で定めるものを除き、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (保険金信託業務を行う保険会社の特例)

第百四十三条 保険金信託業務を行う相互会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転の決議をした場合で、当該保険金信託業務に係る事業の譲渡について社員総会(総代会を設けているときは、総代会)又は取締役会の決議をしたときは、当該相互会社は、当該決議をした日から二週間以内に、当該決議の要旨及び当該事業の譲渡に異議のある金銭信託の受益者(以下この条において「受益者」という。)は一定の期間内に異議を述べるべき旨を公告しなければならない。

2 前項の期間は、一月を下ってはならない。

3 受益者が第一項の期間内に異議を述べなかったときは、当該受益者は、当該事業の譲渡を承認したものとみなす。

4 信託業法第十六条第二項(異議を述べた受益者)の規定は、当該事業の譲渡について異議を述べた受益者がある場合について準用する。

   第三節 業務及び財産の管理の委託

 (業務及び財産の管理の委託)

第百四十四条 保険会社は、この法律の定めるところに従い、他の保険会社(外国保険会社等(大蔵省令で定めるものを除く。)を含む。以下この項において同じ。)との契約により当該他の保険会社(以下この節において「受託会社」という。)にその業務及び財産の管理の委託をすることができる。

2 前項の管理の委託をするには、当該管理の委託をする保険会社(以下この節において「委託会社」という。)及び受託会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会等の決議を必要とする。

3 前項の場合には、商法第三百四十三条(定款変更の決議の方法)に定める決議又は第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

4 第百三十六条第三項の規定は、第二項の決議をする場合について準用する。

 (業務及び財産の管理の委託の認可)

第百四十五条 前条第一項の管理の委託は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該管理の委託が、保険契約者等の保護に照らして、必要かつ適当なものであること。

 二 受託会社が、当該管理の委託に係る業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。

 (公告及び登記)

第百四十六条 委託会社は、前条第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、第百四十四条第一項の契約(以下この節において「管理委託契約」という。)の要旨を公告し、かつ、当該管理の委託をした旨並びに受託会社の商号、名称又は氏名及びその本店若しくは主たる事務所又は日本における主たる店舗(第百八十七条第一項第四号に規定する日本における主たる店舗をいう。)を登記しなければならない。

2 前項の登記は、委託会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地において行わなければならない。

3 第一項の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)(これらの規定を第六十五条において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 管理委託契約に係る契約書

 二 受託会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録

 (内部関係)

第百四十七条 この法律に別段の定めがある場合を除くほか、委託会社と受託会社との間の関係は、委任に関する規定に従う。

 (外部関係)

第百四十八条 受託会社が委託会社のために保険契約の締結その他の行為をするときは、委託会社のためにすることを表示しなければならない。

2 前項の表示をしないでした行為は、受託会社が自己のためにしたものとみなす。

3 商法第三十八条第一項及び第三項(支配人の代理権)の規定は、受託会社について準用する。この場合において、同条第一項中「営業主」とあるのは「保険業法第百四十四条第二項ニ規定スル委託会社」と、「営業」とあるのは「業務及財産」と読み替えるものとする。

4 民法第四十四条第一項(法人の不法行為能力)の規定は、委託会社について準用する。この場合において、同項中「理事其他ノ代理人」とあるのは、「保険業法第百四十四条第一項ニ規定スル受託会社」と読み替えるものとする。

 (管理委託契約の変更又は解除)

第百四十九条 管理委託契約に定めた事項の変更又は管理委託契約の解除をするには、委託会社及び受託会社(外国保険会社等を除く。)において株主総会等の決議を必要とする。

2 前項の変更又は解除は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

3 第百四十四条第三項及び第四項の規定は、第一項の決議をする場合について準用する。

 (管理委託契約の変更又は終了の公告等)

第百五十条 委託会社は、前条第二項の認可を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。管理委託契約が同条第一項の解除以外の原因によって終了したときも、同様とする。

2 第百四十六条第三項の規定は、管理委託契約に定める事項の変更又は管理委託契約の終了の登記をする場合について準用する。この場合において、同項中「次に掲げる書類」とあるのは「次に掲げる書類(解除以外の原因による終了の場合にあっては、第一号に掲げる書類及びその終了の事由の発生を証する書面)」と、同項第一号中「管理委託契約」とあるのは「管理委託契約(変更の場合にあっては、変更後の管理委託契約)」と読み替えるものとする。

   第八章 整理、解散、合併及び清算

    第一節 整理

 (商法の準用)

第百五十一条 商法第三百八十一条から第三百八十五条まで(整理の開始、登記、破産手続等の中止及び失効、競売手続の中止並びに時効の中止)、第三百八十六条(第一項第二号を除く。)(整理実行のために裁判所のする処分)、第三百八十七条から第三百九十一条まで(処分に関する登記又は登録、検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)及び第三百九十四条から第四百三条まで(損害賠償請求権の査定、監督命令、管理命令、整理終結の決定、整理終結等に伴う登記又は登録、和議手続の開始、破産手続の開始及び破産法の規定の準用)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同法第三百八十一条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者又ハ基金(保険業法第五十六条ノ基金償却積立金ヲ含ム)ノ総額ノ十分ノ一以上ニ当ル債権者」と、同法第三百八十六条第二項中「前項第一号乃至第三号」とあるのは「前項第一号、第三号」と、同法第三百八十九条第二号中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三又ハ第二百八十条ノ十三ノ二」とあるのは「保険業法第二十三条第四項ニ於テ準用スル第百九十二条第一項第二項第四項、同法第三十条ニ於テ準用スル第百九十二条ノ二若ハ第百九十三条第一項、同法第五十一条第二項ニ於テ準用スル第二百六十六条、同法第五十三条第二項ニ於テ準用スル第二百七十七条又ハ同法第六十条第四項ニ於テ準用スル第二百八十条ノ十三」と、同法第三百九十八条第二項中「第二百四十七条、第二百八十条ノ十五、第三百八十条、第四百十五条及第四百二十八条」とあるのは「保険業法第四十一条又ハ第四十九条ニ於テ準用スル第二百四十七条、同法第六十条第四項ニ於テ準用スル第二百八十条ノ十五、同法第百七十三条第一項ニ於テ準用スル第四百十五条及同法第百八十三条第一項ニ於テ準用スル第四百二十八条」と読み替えるものとする。

    第二節 解散

 (解散の原因)

第百五十二条 保険業を営む株式会社に対する商法第四百四条(株式会社の解散の原因)の規定の適用については、同条第一号中「第九十四条第一号、第三号」とあるのは、「第九十四条第三号」とする。

2 前項の規定により読み替えて適用する商法第四百四条の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同条第二号中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会)」と読み替えるものとする。

3 保険会社は、第一項の規定により読み替えて適用する商法第四百四条各号(前項において準用する場合を含む。)に掲げる事由のほか、次に掲げる事由(保険業を営む株式会社にあっては、第二号に掲げる事由)により解散する。

 一 保険契約の全部に係る保険契約の移転

 二 免許の取消し

 (解散等の認可)

第百五十三条 次に掲げる事項は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 一 保険会社の解散についての株主総会等の決議

 二 保険業の廃止についての株主総会の決議

 三 保険業を営む株式会社を全部又は一部の当事者とする合併(第百六十六条第一項の合併を除く。次項において同じ。)

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該決議に係る解散若しくは保険業の廃止又は当該合併が、当該保険会社の業務及び財産の状況に照らして、やむを得ないものであること。

 二 当該決議に係る解散若しくは保険業の廃止又は当該合併が、保険契約者等の保護に欠けるおそれのないものであること。

3 大蔵大臣は、第一項の認可の申請をした保険会社(株式会社及び第六十三条第一項の定款の定めをしている相互会社に限る。)を保険者とする保険契約(当該申請の日において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約を除く。)がある場合には、第一項の認可をしないものとする。

 (解散等の公告)

第百五十四条 保険会社は、前条第一項の認可を受けたときは、大蔵省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨及び当該認可を受けた事項の内容を公告しなければならない。

 (保険契約の移転による解散の登記)

第百五十五条 第百五十二条第三項第一号に掲げる事由による解散の登記の申請書には、第六十五条において準用する商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)並びに第百五十八条において準用する同法第六十一条第三項(解散の登記)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 第百三十五条第一項に規定する移転先会社(外国保険会社等を除く。)の株主総会等の議事録

 二 第百三十七条第一項の規定による公告をしたことを証する書面

 三 第百三十七条第二項の期間内に異議を述べた同項に規定する移転対象契約者の数又はその者の同条第四項(第二百五十一条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の大蔵省令で定める金額が、第百三十七条第四項に定める割合を超えなかったことを証する書面

 四 第二百五十条第四項の公告をしたときは、これを証する書面

 (相互会社の解散の手続等)

第百五十六条 相互会社が解散の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

第百五十七条 相互会社は、総代会において解散の決議をしたときは、当該決議の日から二週間以内に、当該決議の要旨及び貸借対照表を公告しなければならない。

2 前項の場合においては、社員総数の千分の五以上に相当する数の社員で六月前から引き続き社員である者は、当該決議に係る事項を会議の目的として、当該会議の目的たる事項及び招集の理由を記載した書面を取締役に提出して、社員総会の招集を請求することができる。この場合において、当該書類の提出は、同項の公告の日から、一月以内にしなければならない。

3 前項の場合において、同項の書面の提出があった日から六週間を経過する日までの総代会がした解散の決議を承認する旨の社員総会の決議がない場合には、当該総代会の決議は、その効力を失う。

4 前条の規定は、前項の社員総会の決議について準用する。

第百五十八条 商法第九十六条(解散の登記)並びに商業登記法第六十一条第一項及び第三項(解散の登記)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同項中「商法」とあるのは、「保険業法第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第一項において準用する同法」と読み替えるものとする。

    第三節 合併

 (相互会社と株式会社の合併)

第百五十九条 相互会社は、他の相互会社又は保険業を営む株式会社と合併することができる。

2 前項の場合において、合併後存続する会社又は合併により設立される会社は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める会社でなければならない。

 一 相互会社と相互会社とが合併する場合 相互会社

 二 相互会社と保険業を営む株式会社とが合併する場合 相互会社又は保険業を営む株式会社

3 相互会社と株式会社とが合併する場合には、それぞれこの法律及び商法の合併に関する規定に従うものとする。

 (合併契約書記載事項等)

第百六十条 相互会社と相互会社とが合併する場合において、その一方が合併後存続するときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 合併により消滅する相互会社の社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

 二 第百七十三条第一項において準用する商法第四百十二条第一項(吸収合併の報告総会)の規定により総代会を招集する場合には、第百七十三条第一項において準用する同法第四百十二条第二項の総代と同一の権利を有する者の数及び選出の方法

 三 会併により消滅する相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

 四 各会社において合併契約書の承認の決議をする社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の期日

 五 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

第百六十一条 相互会社と相互会社とが合併する場合において、合併により相互会社が設立されるときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 合併により設立される相互会社に関する第二十二条第二項第一号から第八号までに掲げる事項

 二 合併により消滅する各相互会社の社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

 三 合併後における保険契約者の権利に関する事項

 四 各会社において合併契約書の承認の決議をする社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の期日

 五 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

2 前項の合併の場合においては、第百七十三条第一項において準用する商法第四百十三条の創立総会に代わるべき機関として、合併により設立される相互会社の社員となるべき者のうちから選出された総代により構成される機関(以下「創立総代会」という。)を置くことができる。

3 前項の場合においては、第一項の合併契約書に、同項各号に掲げる事項のほか、創立総代会を構成する総代の数及び選出の方法を記載しなければならない。

第百六十二条 株式会社と相互会社とが合併する場合において、合併後存続する保険会社が相互会社であるときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 合併により消滅する株式会社の株主に対する補償の方法

 二 第百七十三条第一項において準用する商法第四百十二条第一項(吸収合併の報告総会)の規定により総代会を招集する場合には、第百七十三条第一項において準用する同法第四百十二条第二項の総代と同一の権利を有する者の数及び選出の方法

 三 合併後存続する相互会社の準備金に関する事項

 四 合併により消滅する株式会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

 五 各会社において合併契約書の承認の決議をする株主総会等の期日

 六 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

2 第六十八条第五項の規定は、前項の合併の場合について準用する。この場合において、同条第五項中「第三項の準備金のほか、損失てん補準備金」とあるのは、「損失てん補準備金」と読み替えるものとする。

3 第七十一条第一項の規定は、第一項の合併により消滅する株式会社について準用する。この場合において、同条第一項中「前条第一項」とあるのは「第百六十六条第一項」と、「組織変更」とあるのは「合併」と、「通知し、その承諾を得なければならない」とあるのは「通知しなければならない」と読み替えるものとする。

4 第八十二条の規定は、第一項の合併について準用する。

第百六十三条 株式会社と相互会社とが合併する場合において、合併により設立される保険会社が相互会社であるときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 合併により設立される相互会社に関する第二十二条第二項第一号から第八号までに掲げる事項

 二 合併により消滅する株式会社の株主に対する補償の方法

 三 合併により設立される相互会社の準備金に関する事項

 四 合併後における保険契約者の権利に関する事項

 五 各会社において合併契約書の承認の決議をする株主総会等の期日

 六 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

2 第百六十一条第二項及び第三項並びに前条第二項の規定は前項の合併の場合について、同条第三項の規定は当該合併により消滅する株式会社について、それぞれ準用する。

3 第八十二条の規定は、第一項の合併について準用する。

第百六十四条 株式会社と相互会社とが合併する場合において、合併後存続する保険会社が株式会社であるときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 商法第四百九条第一号及び第三号(吸収合併の合併契約書)に掲げる事項

 二 合併後存続する株式会社が合併に際して発行する新株の総数、額面又は無額面の別、種類及び数並びに合併により消滅する相互会社の社員に対する新株の割当てに関する事項

 三 合併により消滅する相互会社の基金の拠出者又は社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

 四 合併により消滅する相互会社の保険契約者の合併後における権利に関する事項

 五 合併剰余金額について定めたときは、その規定

 六 各会社において合併契約書の承認の決議をする株主総会等の期日

 七 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

2 第八十八条の規定は、前項の合併の場合について準用する。この場合において、同条第一項中「組織変更計画書」とあるのは、「合併契約書」と読み替えるものとする。

3 第八十九条第一項から第三項まで及び第六項の規定は第一項の合併について、第百六十二条第三項の規定は当該合併により消滅する相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、第八十九条第一項中「相互会社の社員は、組織変更計画書」とあるのは「第百六十四条第一項の合併により消滅する相互会社の社員は、合併契約書」と、「組織変更後の株式会社」とあるのは「当該合併後存続する株式会社」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第百六十四条第一項及び前項」と、同条第六項中「前各項」とあるのは「第一項から第三項まで」と、「組織変更」とあるのは「第百六十四条第一項の合併」と読み替えるものとする。

4 第一項の合併後存続する株式会社に対する商法第二百八十八条ノ二第三項(資本準備金)の規定の適用については、同項中「消滅シタル会社ノ利益準備金」とあるのは「消滅シタル相互会社ノ損失填補準備金」と、「其ノ利益準備金」とあるのは「其ノ損失填補準備金」とする。

5 第九十二条の規定は、第一項の合併後存続する株式会社について準用する。この場合において、同条第一項中「第八十六条第二項の定款」とあるのは「定款」と、「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と、同条第二項中「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と、同条第三項中「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と、「第八十九条第二項」とあるのは「第百六十四条第三項において準用する第八十九条第二項」と、同条第四項中「組織変更剰余金額」とあるのは「合併剰余金額」と読み替えるものとする。

第百六十五条 株式会社と相互会社とが合併する場合において、合併により設立される保険会社が株式会社であるときは、合併契約書に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 商法第四百十条第一号及び第三号(新設合併の合併契約書)に掲げる事項

 二 合併により設立される株式会社が合併に際して発行する株式の総数、額面又は無額面の別、種類及び数並びに各会社の株主又は社員に対する株式の割当てに関する事項

 三 各会社の株主又は基金の拠出者若しくは社員に支払うべき金額を定めたときは、その規定

 四 合併後における保険契約者の権利に関する事項

 五 合併剰余金額について定めたときは、その金額

 六 各会社において合併契約書の承認の決議をする株主総会等の期日

 七 合併をする時期その他大蔵省令で定める事項

2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の合併の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「第百六十四条第一項」とあるのは「第百六十五条第一項」と、「当該合併後存続する」とあるのは「当該合併により設立される」と、同条第五項中「第百六十四条第三項」とあるのは「第百六十五条第二項において準用する第百六十四条第三項」と読み替えるものとする。

 (合併の決議の公告及び異議申立て)

第百六十六条 合併(合併後存続する会社又は合併により設立される会社が保険会社である場合に限る。)をしようとする保険会社は、合併の決議の日から二週間以内に、合併契約書の要旨及び各会社の貸借対照表を公告しなければならない。

2 第百六十三条の場合においては、株式会社の前項の公告には、設立委員に関する事項を付記しなければならない。

3 第十七条第二項から第五項まで、第七項及び第九項の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第百六十六条第一項」と、同条第四項中「第一項の資本の減少の決議」とあるのは「商法第四百八条第一項(第百七十三条第一項において準用する場合を含む。)の承認の決議」と、同条第五項中「商法第三百七十六条第二項(資本の減少)」とあるのは「第百七十三条第一項又は商法第四百十六条第一項(株式会社の合併)」と、同条第七項中「前各項」とあるのは「第百六十六条第一項及び同条第三項において準用する第二項から第五項まで」と、「資本の減少」とあるのは「合併」と、同条第九項中「前各項に定めるもののほか、第一項」とあるのは「第百六十六条第一項並びに同条第三項において準用する第二項」と、「第七項」とあるのは「第七項に定めるもののほか、これら」と読み替えるものとする。

4 第七十条第三項の規定は、第一項の保険会社の合併の場合について準用する。この場合において、同条第三項中「前項において準用する商法」とあるのは、「第百七十三条第一項又は商法第四百十六条第一項(株式会社の合併)において準用する同法」と読み替えるものとする。

5 合併後存続する保険会社又は合併により設立される保険会社は、合併後、遅滞なく、合併がされたこと及び大蔵省令で定める事項を公告しなければならない。第一項の公告をした保険会社が合併をしないこととなったときも、同様とする。

 (合併の認可)

第百六十七条 前条第一項の保険会社の合併は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2 大蔵大臣は、前項の認可の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該合併が、保険契約者等の保護に照らして、適当なものであること。

 二 当該合併が、保険会社相互の適正な競争関係を阻害するおそれのないものであること。

 三 当該合併後存続する保険会社又は当該合併により設立される保険会社が、合併後に、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行する見込みが確実であること。

 (みなし免許)

第百六十八条 前条第一項の認可を受けて合併により設立される株式会社又は相互会社は、当該設立の時に、第三条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。

2 前項の免許は、合併により消滅する保険会社が受けていた第三条第一項の免許に係る同条第二項の免許の種類と同一の種類の免許とする。

 (合併による入社)

第百六十九条 第百五十九条第一項の合併が行われた場合において、合併後存続する保険会社又は合併により設立される保険会社が相互会社であるときは、合併により消滅する保険会社の保険契約者は、当該相互会社に入社する。ただし、合併後存続する相互会社又は合併により設立される相互会社の定款において当該保険契約者の保険契約と同種の保険契約に係る保険契約者が社員とされていない場合は、この限りでない。

 (合併の登記)

第百七十条 第百六十六条第一項の合併による変更の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条(申請書の添付書面)及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)(これらの規定を第六十五条において準用する場合を含む。)並びに同法第九十条(合併の登記)(第百七十三条第三項において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 第百六十六条第一項の規定による公告をしたことを証する書面

 二 第百六十六条第三項において準用する第十七条第二項の期間内に異議を述べた保険契約者の数又はその者の第百六十六条第三項において準用する第十七条第四項(第二百五十五条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この号において同じ。)の大蔵省令で定める金額が、第百六十六条第三項において準用する第十七条第四項に定める割合を超えなかったことを証する書面

 三 第二百五十四条第三項の規定による公告をしたときは、これを証する書面

2 第百六十六条第一項の合併による設立の登記の申請書には、商業登記法第十八条、第十九条及び第七十九条(これらの規定を第六十五条において準用する場合を含む。)並びに同法第九十一条(合併の登記)(第百七十三条第三項において準用する場合を含む。)に定める書類のほか、前項各号に掲げる書類を添付しなければならない。

 (信託業務を行う会社に関する特則)

第百七十一条 保険金信託業務を行う保険会社が第百六十六条第一項の合併により消滅するときは、合併後存続する保険会社又は合併により設立される保険会社は、信託法(大正十一年法律第六十二号)第四十二条第一項後段(受託者の任務終了)の規定にかかわらず、合併により消滅する保険会社の信託に関する権利義務を承継する。

2 信託業法第十六条第二項(異議を述べた受益者)の規定は、前項の場合について準用する。

 (相互会社の合併の手続等)

第百七十二条 相互会社が合併の決議をする場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

2 第百三十六条第三項の規定は、前項の決議をする場合について準用する。

第百七十三条 商法第五十六条第三項及び第四項(設立委員)、第百条(債権者の異議)、第百二条(合併の効力発生)、第百三条(合併の効果)、第百四条第一項及び第三項(合併無効の訴え)、第百五条(合併無効の訴えの手続)、第百六条(債権者の担保の提供)、第百八条から第百十一条まで(合併無効の登記、無効判決の第三者に対する効力及び不遡及効並びに合併後の債務及び会社財産の帰属)、第四百八条第一項及び第二項(合併契約書の承認)、第四百八条ノ二(合併の場合の貸借対照表の備置き等)、第四百十二条(吸収合併の報告総会)、第四百十三条(新設合併の創立総会)、第四百十四条第一項(合併の登記)、第四百十五条(合併無効の訴え)並びに第四百十六条第二項(減資に対する社債権者の異議申出方法の合併への準用)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同法第五十六条第四項中「第九十八条第一項及第三百四十三条」とあるのは「保険業法第六十二条第二項」と、同法第四百八条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会以下本節ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「第二百三十二条」とあるのは「保険業法第四十一条又ハ第四十九条ニ於テ準用スル第二百三十二条」と、同法第四百八条ノ二第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同法第四百十二条第一項中「、合併ニ因ル株式ノ併合アリタルトキハ其ノ効力ヲ生ジタル後、併合ニ因リ一株ニ満タザル端数ヲ生ズルトキハ合併後存続スル会社ニ於テ第二百十七条ノ処分ヲ為シタル後、第三百五十条第一項ノ手続ヲ為シタルトキハ同項ノ期間ノ満了後遅滞ナク株主総会」とあるのは「遅滞ナク社員総会」と、同条第二項中「合併ニ際シテ発行スル新株ノ引受人」とあるのは「合併ニ因リ社員トナルベキ者(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ社員トナルベキ者ヨリ選出サレタル者)」と、「株主総会ニ於テ株主」とあるのは「社員総会ニ於テ社員(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代)」と、同法第四百十三条第一項中「、合併ニ因ル株式ノ併合アリタルトキハ其ノ効力ヲ生ジタル後、併合ニ因リ一株ニ満タザル端数ヲ生ズルトキハ第二百十七条ノ処分ヲ為シタル後、第三百五十条第一項ノ手続ヲ為シタルトキハ同項ノ期間ノ満了後遅滞ナク創立総会」とあるのは「遅滞ナク創立総会」と、同条第三項中「第百八十条第二項第三項」とあるのは「保険業法第二十六条第三項ノ規定並ニ同条第四項ニ於テ準用スル第百八十条第三項」と、同法第四百十四条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、「第百八十八条」とあるのは「保険業法第二十七条」と読み替えるものとする。

2 第百六十一条第二項(第百六十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により創立総代会を置く場合における前項の規定の適用については、同項中「創立総会」と、」とあるのは、「創立総会(創立総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ創立総代会以下本条及次条ニ於テ同ジ)」と、」とする。

3 商業登記法第六十六条、第六十八条第二項、第六十九条、第七十条、第九十条及び第九十一条(合併の登記)の規定は、相互会社に関する登記について準用する。

    第四節 清算

 (大蔵大臣による清算人の選任及び解任)

第百七十四条 大蔵大臣は、保険会社が第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する商法第四百四条第一号(株式会社の解散の原因)(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由のうち同法第九十四条第六号(解散を命ずる裁判)に掲げる事由により解散する場合においては利害関係人若しくは法務大臣の請求により又は職権で、同法第四百十七条第一項(清算人の決定)(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の場合において清算人となる者がいないとき、及び同法第四百二十八条第三項(設立無効の訴え)(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百三十八条前段(設立無効の場合の清算)の場合においては利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。

2 商法第四百三十条第一項(株式会社の清算)において準用する同法第百二十二条(裁判所による清算人の選任)、同法第四百二十八条第三項において準用する同法第百三十八条後段(設立無効の場合の裁判所による清算人の選任)及び同法第四百十七条第二項(清算人がいない場合の清算人の選任)の規定は、保険業を営む株式会社については、適用しない。

3 保険会社が免許の取消しによって解散したときは、商法第四百十七条第一項(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、大蔵大臣が清算人を選任する。

4 商法第百二十九条第三項(数人の清算人の代表)の規定は、大蔵大臣が選任した清算人について準用する。

5 清算人(大蔵大臣が選任した者及び特別清算の場合の清算人を除く。)は、その就職の日から二週間以内に次に掲げる事項を大蔵大臣に届け出なければならない。ただし、その間に特別清算が開始した場合は、この限りでない。

 一 解散の事由及びその年月日

 二 清算人の氏名及び住所

6 大蔵大臣は、保険会社の清算(特別清算を除く。)の場合において、重要な事由があると認めるときは、清算人を解任することができる。この場合において、大蔵大臣は、清算人を選任することができる。

7 保険業を営む株式会社の清算の場合における商法第四百二十六条(清算人の解任)の規定の適用については、同条第一項中「裁判所」とあるのは「大蔵大臣」と、同条第二項中「清算人」とあるのは「清算人(大蔵大臣ガ選任シタル者ヲ除ク)」とする。

8 第百八十三条第二項又は商業登記法第九十二条において準用する同法第六十二条第二項及び第六十三条第二項(清算人の登記)の規定は、大蔵大臣が選任した清算人について準用する。

9 第六項の規定により大蔵大臣が清算人を解任する場合においては、大蔵大臣は、清算に係る保険会社(以下この節において「清算保険会社」という。)の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。

 (大蔵大臣の選任する清算人の報酬)

第百七十五条 前条第一項、第三項又は第六項の規定により選任された清算人は、清算保険会社から報酬を受けることができる。

2 前項の報酬の額は、大蔵大臣が定める。

 (決算書類の提出)

第百七十六条 清算保険会社の清算人(特別清算の場合の清算人を除く。)は、商法第四百十九条第一項(会社財産調査報告義務)、第四百二十条第五項(計算書類の作成と監査)又は第四百二十七条第一項(清算の終了)(これらの規定を第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定により株主総会等においてこれらの規定に規定する書類について承認を得たときは、遅滞なく、当該書類を大蔵大臣に提出しなければならない。

 (解散後の保険契約の解除)

第百七十七条 保険会社が、第百五十二条第一項の規定により読み替えて適用する商法第四百四条第一号(株式会社の解散の原因)(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由のうち同法第九十四条第六号(解散を命ずる裁判)に掲げる事由若しくは同法第四百四条第二号(第百五十二条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる事由又は第百五十二条第三項第二号に掲げる事由によって解散したときは、保険契約者は、将来に向かって保険契約の解除をすることができる。

2 前項の場合において、保険契約者が同項の規定による保険契約の解除をしなかったときは、当該保険契約は、解散の日から三月を経過した日にその効力を失う。

3 前二項の場合においては、清算保険会社は、被保険者のために積み立てた金額、未経過期間(保険契約に定めた保険期間のうち、当該保険契約が解除され、又は効力を失った時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料その他大蔵省令で定める金額を保険契約者に払い戻さなければならない。

 (債権申出期間中の弁済の許可)

第百七十八条 保険業を営む株式会社の清算の場合において商法第四百二十三条(債権申出期間内の弁済)の規定の適用については、同条第二項中「裁判所」とあるのは、「大蔵大臣」とする。

 (清算の監督命令)

第百七十九条 大蔵大臣は、保険会社の清算(特別清算を除く。)の場合において、必要があると認めるときは、当該清算保険会社に対し、財産の供託その他清算の監督上必要な措置を命ずることができる。

2 第百二十八条第一項及び第百二十九条第一項の規定は、前項の場合において、大蔵大臣が清算保険会社の清算の監督上必要があると認めるときについて準用する。

 (相互会社の清算)

第百八十条 相互会社が解散したときは、合併及び破産の場合を除くほか、この節の規定により清算しなければならない。

 (財産処分の順序)

第百八十一条 解散した相互会社の清算人は、相互会社の債務の弁済及び基金の払戻しをしなければならない。

2 前項の場合において、基金の払戻しは、相互会社の債務の弁済をした後でなければ、してはならない。

 (残余財産の分配)

第百八十二条 解散した相互会社の残余財産の処分については、定款に定めがない場合には、社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議によらなければならない。

2 相互会社の残余財産は、社員に分配し、又は保険契約者等の保護に資するような方法により処分しなければならない。

3 相互会社の残余財産を社員に分配する場合には、社員の寄与分(社員の支払った保険料及び当該保険料として収受した金銭を運用することによって得られた収益のうち、保険金、返戻金その他の給付金の支払、事業費の支出その他の支出(第百七十七条第三項の規定による払戻しを含む。)に充てられていないものとして大蔵省令で定めるところにより計算した金額をいう。)に応じて、しなければならない。

4 相互会社の残余財産を第二項に規定する保険契約者等の保護に資するような方法により処分する場合には、退社員の全体について前項の大蔵省令に準じて大蔵省令で定めるところにより計算した金額の総額を上限とする。

5 第一項の場合には、第六十二条第二項に定める決議によらなければならない。

6 第一項の決議は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 (商法等の準用)

第百八十三条 第三十八条、第三十九条、第四十五条、第四十六条、第五十条及び第五十二条の規定並びに第百七十四条第七項の規定により読み替えて適用する商法第四百二十六条(清算人の解任)の規定、第百七十八条の規定により読み替えて適用する同法第四百二十三条(債権申出期間内の弁済)の規定並びに同法第二百三十七条ノ二第三項(裁判所による株主総会の招集)、第二百三十九条第五項及び第六項(代理権を証する書面の公示等)、第四百十八条から第四百二十二条まで(清算人の届出義務、会社財産調査報告義務、計算書類等の監査等及び債権者に対する催告)、第四百二十七条(清算の終了)並びに第四百三十条第二項(清算に関する準用規定)の規定は相互会社の清算人について、第五十九条第二項並びに同法第四百十七条第一項(清算人の決定)及び第四百二十四条(除斥された債権者の権利)の規定は相互会社の清算の場合について、同法第四百二十八条(設立無効の訴え)、第四百二十九条(書類の保存)及び第四百三十条第一項(清算に関する準用規定)の規定は相互会社について、それぞれ準用する。この場合において、第百七十四条第七項の規定により読み替えて適用する同法第四百二十六条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会次条ニ於テ同ジ)」と、同条第二項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上又ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者又ハ九名以上ノ総代)」と、同条第二百三十七条ノ二第三項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会第二百三十九条第五項ニ於テ同ジ)」と、同法第二百三十九条第五項中「総会」とあるのは「社員総会」と、同法第四百十九条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会)」と、同法第四百二十条第一項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ定時総代会以下本条ニ於テ同ジ)」と、同条第二項、第三項及び第五項中「定時総会」とあるのは「定時社員総会」と、同法第四百二十七条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会」と、同法第四百三十条第二項中「第二百三十二条ノ二、第二百三十七条、第二百三十七条ノ三」とあるのは「第二百三十七条ノ三」と、「第二百六十三条、第二百六十五条」とあるのは「第二百六十五条」と、「、第二百八十三条第三項、第二百九十三条ノ六及第二百九十三条ノ七ノ規定」とあるのは「及第二百八十三条第三項ノ規定」と、第五十九条第二項中「前項において準用する商法第二百八十一条第一項の貸借対照表、損益計算書、事業報告書及び附属明細書」とあるのは「第百八十三条第一項において準用する商法第四百二十条第一項の貸借対照表及び附属明細書」と、「前項において準用する同法」とあるのは「第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する同法」と、同法第四百十七条第一項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会ヲ設ケタル場合ニ於テハ総代会)」と、同法第四百二十八条第三項中「第百三十八条」とあるのは「第百三十八条前段」と、同法第四百三十条第一項中「第百二十二条」とあるのは「第百二十三条」と、「第百二十九条第二項第三項、第百三十一条」とあるのは「第百二十九条第二項、第百三十一条但書」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 商業登記法第六十二条、第六十三条(清算人の登記)及び第六十四条第二項(清算結了の登記)の規定は、相互会社の清算人の登記について準用する。この場合において、これらの規定中「商法」とあるのは「保険業法第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第一項において準用する同法」と読み替えるものとする。

 (相互会社の特別清算に関する商法の準用)

第百八十四条 商法第四百三十一条から第四百五十三条まで(特別清算の開始、特別清算開始前の処分、登記及び効果、清算人の義務、裁判所による清算人の任免、裁判所の監督のための調査及び処分、債務の弁済、債権者集会、監査委員、清算行為に関する特則、競売による財産の換価、協定、検査命令並びに検査役の報告事項)、第四百五十四条(第一項第二号を除く。)(裁判所の処分)、第四百五十五条(破産手続の開始)及び第四百五十六条(破産法等の規定の準用)の規定は、相互会社について準用する。この場合において、同法第四百三十一条第一項中「株主ノ申立」とあるのは「社員ノ申立」と、同法第四百三十二条及び第四百三十七条中「、第二号又ハ第六号」とあるのは「又ハ第六号」と、同法第四百四十五条第四項中「第二百四十五条」とあるのは「保険業法第四十一条又ハ第四十九条ニ於テ準用スル第二百四十五条」と、同法第四百五十二条第一項中「六月前ヨリ引続キ発行済株式ノ総数ノ百分ノ三以上ニ当ル株式ヲ有スル株主」とあるのは「社員総数ノ千分ノ三以上若ハ三千名以上ノ社員ニシテ六月前ヨリ引続キ社員デアル者」と、同法第四百五十三条中「第百九十二条第一項第二項第四項、第百九十二条ノ二、第百九十三条第一項、第二百六十六条、第二百七十七条、第二百八十条ノ十三、第二百八十条ノ十三ノ二又ハ第四百三十条第二項」とあるのは「保険業法第二十三条第四項ニ於テ準用スル第百九十二条第一項第二項第四項、同法第三十条ニ於テ準用スル第百九十二条ノ二若ハ第百九十三条第一項、同法第五十一条第二項ニ於テ準用スル第二百六十六条、同法第五十三条第二項ニ於テ準用スル第二百七十七条、同法第六十条第四項ニ於テ準用スル第二百八十条ノ十三又ハ同法第百八十三条第一項ニ於テ準用スル第四百三十条第二項」と読み替えるものとする

   第九章 外国保険業者

    第一節 通則

 (免許)

第百八十五条 外国保険業者は、第三条第一項の規定にかかわらず、日本に支店等(外国保険業者の日本における支店、従たる事務所その他の事務所又は外国保険業者の委託を受けて当該外国保険業者の日本における保険業に係る保険の引受けの代理をする者の事務所をいう。以下この節から第五節までにおいて同じ。)を設けて大蔵大臣の免許を受けた場合に限り、当該免許に係る保険業を当該支店等において行うことができる。

2 前項の免許は、外国生命保険業免許及び外国損害保険業免許の二種類とする。

3 外国生命保険業免許と外国損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。

4 外国生命保険業免許は、第三条第四項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。

5 外国損害保険業免許は、第三条第五項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。

6 外国保険会社等は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約については、大蔵省令で定める場合を除くほか、日本国内において締結しなければならない。

 (日本に支店等を設けない外国保険業者等)

第百八十六条 日本に支店等を設けない外国保険業者は、日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約(政令で定める保険契約を除く。次項において同じ。)を締結してはならない。ただし、同項の許可に係る保険契約については、この限りでない。

2 日本に支店等を設けない外国保険業者に対して日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、大蔵省令で定めるところにより、大蔵大臣の許可を受けなければならない。

3 大蔵大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認められる場合には、前項の許可をしてはならない。

 一 当該保険契約の内容が法令に違反し、又は不公正であること。

 二 当該保険契約の締結に代えて、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同等又は有利な条件で保険契約を締結することが容易であること。

 三 当該保険契約の条件が、保険会社又は外国保険会社等との間において当該契約と同種の保険契約を締結する場合に通常付されるべき条件に比して著しく権衡を失するものであること。

 四 当該保険契約を締結することにより、被保険者その他の関係者の利益が不当に侵害されるおそれがあること。

 五 当該保険契約を締結することにより、日本における保険業の健全な発展に悪影響を及ぼし、又は公益を害するおそれがあること。

 (免許申請手続等)

第百八十七条 第百八十五条第一項の免許を受けようとする外国保険業者は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 当該外国保険業者の本国(当該外国保険業者が保険業の開始又は当該外国保険業者に係る法人の設立に当たって準拠した法令を制定した国をいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)の国名並びに当該外国保険業者の氏名又は商号若しくは名称、住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地及び保険業の開始又は設立の年月日

 二 日本における代表者の氏名及び住所

 三 受けようとする免許の種類

 四 日本における主たる店舗(支店等のうち、外国保険業者がその日本における保険業の本拠として定めたものをいう。以下この節から第四節までにおいて同じ。)

2 前項の免許申請書には、次に掲げる事項を証する本国の権限のある機関の証明書を添付しなければならない。

 一 当該外国保険業者の保険業の開始又は当該外国保険業者に係る法人の設立が適法に行われたこと。

 二 当該免許を受けて行おうとする日本における保険業と同種類の保険業を本国において適法に行っていること。

3 前項に定めるもののほか、第一項の免許申請書には、次に掲げる書類その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 一 定款又はこれに準ずる書類

 二 日本における事業の方法書

 三 日本において締結する保険契約の普通保険約款

 四 日本において締結する保険契約に係る保険料及び責任準備金の算出方法書

4 前項第二号から第四号までに掲げる書類には、大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。

5 第五条の規定は、第百八十五条第一項の免許の申請があった場合について準用する。この場合において、第五条第一項第一号及び第二号中「保険会社の業務」とあるのは「外国保険会社等の日本における業務」と、同項第三号中「前条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第百八十七条第三項第二号及び第三号」と、同項第四号中「前条第二項第四号」とあるのは「第百八十七条第三項第四号」と読み替えるものとする。

 (免許の条件)

第百八十八条 大蔵大臣は、外国生命保険業免許の申請をした外国保険業者の行おうとする日本における保険業が、保険金額が外国通貨で表示された保険契約で政令で定める者を相手方とするものの引受けのみに係るものである場合には、当該保険契約に係る業務のみを行うことができる旨の条件を付して第百八十五条第一項の免許をすることができる。

2 前項の条件が付された第百八十五条第一項の免許を受けた外国生命保険会社等に対しては、第百九十六条その他の政令で定める規定は適用しないものとするほか、この法律の適用に関し必要な特例を政令で定めることができる。

3 第一項に規定する場合における外国保険業者の第百八十五条第一項の免許の申請手続の特例その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (大蔵大臣の告示)

第百八十九条 大蔵大臣は、第百八十五条第一項の免許をしたときは、その旨及び第百八十七条第一項各号に掲げる事項を、遅滞なく、官報で告示するものとする。同項第一号、第二号又は第四号に掲げる事項の変更について第二百九条の規定による届出があったときも、同様とする。

 (供託)

第百九十条 外国保険会社等は、日本における保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、日本における主たる店舗の最寄りの供託所に供託しなければならない。

2 大蔵大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、外国保険会社等に対し、その日本における保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。

3 外国保険会社等は、政令で定めるところにより、当該外国保険会社等のために所要の供託金が大蔵大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を大蔵大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の供託金の全部又は一部の供託をしないことができる。

4 大蔵大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、外国保険会社等と前項の契約を締結した者又は当該外国保険会社等に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。

5 外国保険会社等は、第一項の供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託(第三項の契約の締結を含む。第八項において同じ。)を行い、その旨を大蔵大臣に届け出た後でなければ、その免許に係る保険業を開始してはならない。

6 日本における保険契約に係る保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約により生じた債権に関し、当該外国保険会社等に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。

8 外国保険会社等は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなったときは、大蔵省令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託を行い、その旨を遅滞なく大蔵大臣に届け出なければならない。

9 外国保険会社等は、国債その他の大蔵省令で定める有価証券をもって、第一項、第二項又は前項の供託金に代えることができる。

10 第一項、第二項、第四項又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、取り戻すことができる。

 一 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百五条又は第二百六条の規定により取り消されたとき。

 二 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百七十二条の規定によりその効力を失ったとき。

11 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、法務省令・大蔵省令で定める。

 (外国保険会社等の商号又は名称)

第百九十一条 第七条第二項の規定は、外国保険会社等には適用しない。

 (日本における代表者)

第百九十二条 商法第七十八条(代表社員の権限)の規定は、外国保険会社等の日本における代表者について準用する。この場合において、同条第一項中「営業」とあるのは、「営業又ハ事業」と読み替えるものとする。

2 日本における代表者は、その退任の後においても、これに代わるべき代表者の氏名及び住所について商法第四十条(支配人の登記)若しくは第四百七十九条第三項(外国会社の営業所の登記)(次条において準用する場合を含む。)の登記又は第百八十九条後段の規定による告示があるまでは、なお日本における代表者としての権利義務を有する。

3 第八条の規定は、外国保険会社等の日本における代表者について準用する。

 (商法の準用)

第百九十三条 商法第四百七十九条第一項から第三項まで(外国会社の営業所)の規定は、外国相互会社について準用する。

    第二節 業務、経理等

 (特殊関係者との間の取引等)

第百九十四条 外国保険会社等は、当該外国保険会社等と政令で定める特殊の関係のある者(以下この条において「特殊関係者」という。)又は特殊関係者に係る顧客との間で、次に掲げる取引又は行為をしてはならない。ただし、当該取引又は行為をすることにつき公益上必要がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 一 特殊関係者との間で、当該外国保険会社等の取引の通常の条件に照らして著しく異なる条件で、資産の売買その他の取引を行うこと。

 二 特殊関係者との間又は特殊関係者に係る顧客との間で行う取引又は行為のうち前号に掲げるものに準ずる取引又は行為で、当該外国保険会社等の行う日本における保険業の健全かつ適切な運営に支障を及ぼすおそれのあるものとして大蔵省令で定める取引又は行為

 (本店又は主たる事務所の決算書類の提出)

第百九十五条 外国保険会社等は、事業年度ごとに、その本店又は主たる事務所において作成した財産目録、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を、大蔵省令で定めるところにより、当該事業年度終了後相当の期間内に、大蔵大臣に提出しなければならない。

 (定款等の備付け及び閲覧等)

第百九十六条 外国保険会社等の日本における代表者は、定款又はこれに準する書類(外国相互会社にあっては、これらの書類及び日本における社員の名簿)を、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。

2 外国保険会社等の日本における代表者は、前条に規定する書類を、同条の規定により提出した日の翌日から起算して五年を経過する日まで、大蔵省令で定めるところにより、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。

3 外国保険会社等の日本における代表者は、日本における事業年度に係る毎決算期に次に掲げる書類及び附属明細書を作成し、その計算の基礎となった日本における事業年度終了の日の翌日から起算して五年を経過する日まで、日本における主たる店舗に備え置かなければならない。

 一 日本における保険業の貸借対照表

 二 日本における保険業の損益計算書

 三 日本における保険業の事業報告書

4 外国保険会社等の債権者、保険契約書、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、外国保険会社等のその業務を行うべき時間内に限り、前三項に規定する書類の閲覧を求め、又は当該外国保険会社等の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

5 第三項の書類に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (資産の国内保有義務)

第百九十七条 外国保検会社等は、第百九十九条において準用する第百十六条第一項及び第百十七条第一項の規定により日本において積み立てた責任準備金及び支払備金の額を基礎として大蔵省令で定めるところにより計算した金額と第百九十条の供託金その他の自己資本に相当するものとして大蔵省令で定める金額との合計額に相当する資産を、大蔵省令で定めるところにより、日本において保有しなければならない。

 (商法の準用)

第百九十八条 商法第十九条、第二十条(商号登記の効力)、第三十条及び第三十一条(商号の廃止及び商業登記の抹消請求)の規定は外国相互会社がその名称を登記した場合について、同法第二十一条(営業の主体を誤認させる商号選定の禁止)の規定は外国相互会社の事業と誤認させるべき商号又は名称の使用について、同法第二十三条(名板貸し)の規定は外国相互会社の名称について、同法第二十五条から第二十九条まで(営業譲渡)の規定は外国相互会社が事業を譲渡し、又は事業若しくは営業を譲り受けた場合について、同法第三十二条から第三十六条まで(商業帳簿)の規定は外国相互会社の帳簿その他の書類について、同法第三十七条から第四十五条まで(商業使用人)の規定は外国相互会社の使用人について、同法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条(代理商)の規定は外国相互会社のために取引の代理又は媒介をする者について、それぞれ準用する。

2 商法第五百四条から第五百二十二条まで(商行為)の規定は外国相互会社の行う行為について、同法第五百二十四条から第五百二十八条まで(売買)の規定は外国相互会社が商人又は相互会社(外国相互会社を含む。)との間で行う売買について、同法第五百二十九条から第五百三十四条まで(交互計算)の規定は外国相互会社が平常取引をする者との間で行う相殺に係る契約について、同法第五百四十三条、第五百四十四条及び第五百四十六条から第五百五十条まで(仲立営業)の規定は外国相互会社が行う他人間の商行為の媒介について、同法第五百五十一条から第五百五十七条まで(問屋営業)並びに第五百九十三条(寄託)の規定は外国相互会社について、それぞれ準用する。

 (業務等に関する規定の準用)

第百九十九条 第九十七条、第九十八条、第九十九条第一項、第二項及び第四項から第六項まで並びに第百条の規定は外国保険会社等の支店等における業務について、第九十九条第三項及び第七項から第九項までの規定は外国生命保険会社等の支店等における業務について、第百一条から第百五条までの規定は外国損害保険会社等が他の損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。)との間で行う共同行為について、第百九条から第百十二条まで及び第百十四条から第百二十二条までの規定は外国保険会社等について、それぞれ準用する。この場合において、第九十七条第一項中「第三条第二項」とあるのは「第百八十五条第二項」と、第九十九条第六項中「相互会社」とあるのは「外国相互会社」と、同条第八項中「資本金(相互会社ニ付テハ基金(保険業法第五十六条ノ基金償却積立金ヲ含ム)ノ総額)」とあるのは「保険業法第百九十条ノ供託金其ノ他ノ大蔵省令ニ定ムルモノノ額ノ合計額」と、第百九条中「事業年度」とあるのは「日本における事業年度」と、第百十条第一項中「事業年度ごとに、業務」とあるのは「日本における事業年度ごとに、日本における業務」と、第百十一条中「事業年度ごとに、業務」とあるのは「日本における事業年度ごとに、日本における業務」と、「本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所」とあるのは「第百八十五条第一項に規定する支店等」と、「保険会社の」とあるのは「外国保険会社等の」と、第百十二条第一項中「所有する」とあるのは「日本において所有する」と、「商法第二百八十五条ノ六第一項(株式の評価)(第五十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、大蔵大臣」とあるのは「大蔵大臣」と、同条第二項中「大蔵省令」とあるのは「日本において大蔵省令」と、第百十四条第一項中「保険契約者」とあるのは「日本における保険契約者」と、第百十五条第一項中「所有する」とあるのは「日本において所有する」と、「価格変動準備金」とあるのは「日本において価格変動準備金」と、同条第二項中「株式等」とあるのは「日本における株式等」と、第百十六条第一項中「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、「責任準備金」とあるのは「日本において責任準備金」と、同条第二項中「長期の」とあるのは「日本における長期の」と、同条第三項中「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、第百十七条第一項中「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「保険契約」とあるのは「日本における保険契約」と、「支出として」とあるのは「支出として日本において」と、「支払備金」とあるのは「日本において支払備金」と、第百十八条第一項中「大蔵省令で定める保険契約」とあるのは「日本における保険契約のうち大蔵省令で定めるもの」と、「設ける」とあるのは「日本において設ける」と、第百十九条中「商法第二百八十五条ノ五(社債その他の債券の評価)及び第二百八十五条ノ六(株式その他の出資の評価)(これらの規定を第五十九条第一項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、時価」とあるのは「時価」と、第百二十条第一項中「生命保険会社及び大蔵省令で定める要件に該当する損害保険会社」とあるのは「外国生命保険会社等及び大蔵省令で定める要件に該当する外国損害保険会社等」と、「は、取締役会において保険計理人」とあるのは「の日本における代表者は、当該外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「保険料の算出方法」とあるのは「日本において締結する保険契約に係る保険料の算出方法」と、同条第二項及び第三項中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、第百二十一条中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「毎決算期」とあるのは「日本における事業年度に係る毎決算期」と、「取締役会」とあるのは「外国保険会社等の日本における代表者」と、第百二十二条中「保険計理人」とあるのは「外国保険会社等の日本における保険計理人」と、「当該保険会社」とあるのは「当該外国保険会社等」と読み替えるものとする。

    第三節 監督

 (報告又は資料の提出)

第二百条 大蔵大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、外国保険会社等又は第百八十五条第一項に規定する保険の引受けの代理をする者に対し、当該外国保険会社等の日本における業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

2 大蔵大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該外国保険会社等の特殊関係者(第百九十四条に規定する特殊関係者をいう。次項及び次条において同じ。)に対し、当該外国保険会社等の日本における業務又は財産の状況に関し参考となるべき報告又は資料の提出を求めることができる。

3 外国保険会社等の特殊関係者は、正当な理由があるときは、前項の規定による報告又は資料の提出を拒むことができる。

 (立入検査)

第二百一条 大蔵大臣は、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、外国保険会社等の支店等に立ち入らせ、当該外国保険会社等の日本における業務若しくは財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定による立入り、質間又は検査を行う場合において特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該職員に、外国保険会社等の特殊関係者の施設に立ち入らせ、当該外国保険会社等に対する質問若しくは検査に必要な事項に関し質間させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

3 外国保険会社等の特殊関係者は、正当な理由があるときは、前項の規定による質間及び検査を拒むことができる。

 (健全性維持のための措置)

第二百二条 大蔵大臣は、外国保険会社等の第百九十条の供託金その他の大蔵省令で定めるものの額の合計額、日本において引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに相当する額として大蔵省令で定めるところにより計算した額その他当該外国保険会社等の日本に所在する財産の状況等を勘案し、適切な改善措置を講じなければ当該外国保険会社等の日本における業務の運営の健全性を損ない日本における保険契約者等の保護に欠けることとなるおそれがあると認めるときは、当該外国保険会社等に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、その日本における業務の運営の健全性を確保するための改善計画の提出を求めることができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定により提出された同項の改善計画の内容が不十分であると認めるときは、当該外国保険会社等に対して、期限を示して、当該改善計画の変更を命ずることができる。

 (事業の方法書等に定めた事項の変更命令)

第二百三条 大蔵大臣は、外国保険会社等の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該外国保険会社等に対し、その必要の限度において、第百八十七条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。

 (業務の停止等)

第二百四条 大蔵大臣は、外国保険会社等の業務又は財産の状況に照らして、外国保険会社等の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該外国保険会社等に対し、その必要の限度において、期限を付して日本における業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。

 (免許の取消し等)

第二百五条 大蔵大臣は、外国保険会社等が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該外国保険会社等の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における代表者の解任を命じ、又は第百八十五条第一項の免許を取り消すことができる。

 一 法令(外国の法令を含む。)、法令に基づく大蔵大臣の処分又は第百八十七条第三項各号に掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。

 二 第百八十五条第一項の免許又は本国において受けている保険業に係る免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。第二百九条第七号において同じ。)に付された条件に違反したとき。

 三 公益を害する行為をしたとき。

第二百六条 大蔵大臣は、外国保険会社等の財産の状況が著しく悪化し、日本における保険業を継続することが日本における保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該外国保険会社等の第百八十五条第一項の免許を取り消すことができる。

 (監督に関する規定の準用)

第二百七条 第百二十三条から第百二十五条までの規定は、外国保険会社等について準用する。この場合において、第百二十三条第一項中「第四条第二項第二号から第四号まで」とあるのは「第百八十七条第三項第二号から第四号まで」と、第百二十四条第一号中「第四条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第百八十七条第三項第二号及び第三号」と、「第五条第一項第三号イからホまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第三号イからホまで」と、同条第二号中「第四条第二項第四号」とあるのは「第百八十七条第三項第四号」と、「第五条第一項第四号イからハまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第四号イからハまで」と、第百二十五条中「第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまで」とあるのは「第百八十七条第五項において準用する第五条第一項第三号イからホまで又は第四号イからハまで」と読み替えるものとする。

    第四節 保険業の廃止等

 (日本における保険業の廃止)

第二百八条 外国保険会社等は、日本における保険業を廃止しようとする場合(次条第六号に該当する場合を除く。)には、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

 (外国保険会社等の届出)

第二百九条 外国保険会社等は、次の各号のいずれかに該当するときは、大蔵省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 日本における保険業を開始したとき。

 二 第百八十七条第一項第一号、第二号若しくは第四号に掲げる事項又は同条第三項第一号に掲げる書類に定めた事項を変更したとき。

 三 資本若しくは出資の額又は基金の総額を変更したとき。

 四 組織変更をしたとき。

 五 合併をし、又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡若しくは譲受け(支店等のみに係るものを除く。)をしたとき。

 六 解散(合併によるものを除く。)をし、又は保険業の廃止をしたとき。

 七 本国において受けている保険業に係る免許を取り消されたとき。

 八 破産したとき。

 九 その他大蔵省令で定める場合に該当するとき。

 (保険契約の包括移転に関する規定の準用)

第二百十条 第七章第一節の規定は、外国保険会社等の日本における保険契約の移転について準用する。この場合において、第百三十五条第三項中「債権者」とあるのは「第百八十五条第一項に規定する支店等に係る債権者」と、第百三十六条第一項及び第三項中「移転会社及び移転先会社」とあるのは「移転先会社」と、第百三十七条第一項中「前条第一項の決議」とあるのは「第百三十五条第一項の契約に係る契約書(以下この節において「移転契約書」という。)の作成」と、「第百三十五条第一項」とあるのは「同項」と、第百三十八条中「第百三十六条第一項の決議があった時」とあるのは「移転契約書を作成した時」と、「締結してはならない」とあるのは「日本において締結してはならない」と、第百三十九条第二項第三号中「債権者」とあるのは「第百八十五条第一項に規定する支店等に係る債権者」と読み替えるものとする。

2 外国保険会社等が日本における保険契約の全部を移転したときは、その日本における保険業を廃止したものとみなす。この場合においては、第二百八条の規定は、適用しない。

 (事業の譲渡又は譲受け並びに業務及び財産の管理の委託に関する規定の準用)

第二百十一条 第百四十二条の規定は外国保険会社等を全部又は一部の当事者とする日本における事業の譲渡又は譲受けについて、第七章第三節の規定は外国保険会社等がその日本における業務及び財産の管理の委託をする場合について、それぞれ準用する。この場合において、第百四十四条第二項中「当該管理の委託をする保険会社(以下この節において「委託会社」という。)及び受託会社」とあるのは「受託会社」と、第百四十六条第二項中「本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所」とあるのは「同項の日本における主たる店舗」と、同条第三項中「、第十九条」とあるのは「及び第十九条」と、「及び第七十九条(株式会社の添付書面の通則)(これらの規定を第六十五条」とあるのは「(これらの規定を第二百十六条第一項」と、第百四十八条第三項中「保険業法第百四十四条第二項ニ規定スル委託会社」とあるのは「日本ニ於ケル業務及財産ノ管理ノ委託ヲ為シタル保険業法第二条第七項ニ規定スル外国保険会社等」と、同条第四項中「保険業法第百四十四条第一項」とあるのは「保険業法第二百十一条ニ於テ準用スル同法第百四十四条第一項」と、第百四十九条第一項中「委託会社及び受託会社」とあるのは「受託会社」と読み替えるものとする。

 (外国保険会社等の清算)

第二百十二条 外国保険会社等は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本に所在する財産の全部について清算をしなければならない。

 一 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百五条又は第二百六条の規定により取り消されたとき。

 二 当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が第二百七十二条の規定によりその効力を失ったとき。

2 前項の規定により外国保険会社等が清算をする場合には、大蔵大臣は、利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。当該清算人を解任する場合についても、同様とする。

3 大蔵大臣は、前項の規定により清算人を解任する場合においては、当該清算に係る外国保険会社等の日本における主たる店舗の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。

4 第百七十八条の規定により読み替えて適用する商法第四百二十三条(債権申出期間内の弁済)の規定並びに同法第四百二十一条、第四百二十二条、第四百二十四条及び第四百三十条から第四百五十六条まで(株式会社の清算及び特別清算)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による外国保険会社等の清算について準用する。

5 非訟事件手続法第百三十八条ノ十六(外国会社の営業所閉鎖の場合の清算)の規定は、第一項の規定による外国保険会社等の清算について準用する。

6 第百七十七条の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合について、第百七十五条及び第百七十九条第一項の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合(第四項において準用する商法第四百三十一条から第四百五十六条までの規定の適用がある場合を除く。以下この項において同じ。)について、第二百条第一項及び第二百一条第一項の規定は第一項の規定による外国保険会社等の清算の場合において大蔵大臣が清算に係る外国保険会社等の清算の監督上必要があると認めるときについて、それぞれ準用する。この場合において、第百七十七条第二項中「解散の日」とあるのは「当該外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の免許が取り消され、又はその効力を失った日」と、同条第三項中「清算保険会社」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と、第百七十五条中「前条第一項、第三項又は第六項」とあるのは「第二百十二条第二項」と、「清算保険会社」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と、第百七十九条第一項中「清算保険会社」とあるのは「清算に係る外国保険会社等」と読み替えるものとする。

 (商法等の準用)

第二百十三条 商法第四百八十四条(営業所閉鎖命令)及び第四百八十五条(日本にある財産の清算)の規定は、外国相互会社が日本国内に従たる事務所その他の事務所を設けた場合について準用する。

2 非訟事件手続法第百三十八条ノ十六(外国会社の営業所閉鎖の場合の清算)の規定は、前項の場合について準用する。

    第五節 雑則

 (登記簿)

第二百十四条 登記所に、外国相互保険会社登記簿を備える。

 (商法の準用)

第二百十五条 商法第九条(登記手続の通則)、第十一条から第十五条まで(登記事項の公告、登記及び公告の効力、支店における登記の効力、不実の登記の効果並びに変更又は消滅の登記)及び第六十一条(登記期間の起算点)の規定は、外国相互会社の登記について準用する。この場合において、同法第九条中「商業登記簿」とあるのは、「外国相互保険会社登記簿」と読み替えるものとする。

 (商業登記法等の準用)

第二百十六条 商業登記法第一条から第五条まで(登記所及び登記官)、第七条から第十九条まで、第二十条第一項及び第二項、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条(第十一号、第十二号及び第十六号を除く。)、第二十五条から第二十七条まで(登記簿等、登記手続の通則及び類似商号登記の禁止)、第三十三条(商号の登記の抹消)、第四十二条(市町村の意義)、第五十一条から第五十三条まで(支配人の登記)並びに第百三条から第百二十条まで(外国会社の登記、登記の更正及び抹消、電子情報処理組織による登記に関する特例並びに雑則)の規定は、外国相互会社に関する登記について準用する。

2 商法中改正法律施行法第五条(特別区等)及び第十七条(公告の方法)の規定は、外国相互会社について準用する。

 (非訟事件手続の準用)

第二百十七条 非訟事件手続法第百二十六条第三項及び第五項、第百三十五条ノ九第二項並びに第百三十八条ノ十六(商事非訟事件)の規定は、外国相互会社について準用する。

 (駐在員事務所の設置の届出等)

第二百十八条 第百八十五条第一項の免許を有しない外国保険業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第一号に掲げる場合にあってはあらかじめ、その旨及び当該業務の内容、当該業務を行う施設の所在地その他大蔵省令で定める事項を、第二号から第四号までに掲げる場合にあっては遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 次に掲げる業務を行うため、日本国内に駐在員事務所その他の施設を設置しようとするとき(他の目的により設置している事務所その他の施設において当該業務を行おうとする場合を含む。)。

  イ 保険業に関する情報の収集又は提供

  ロ その他保険業に関連を有する業務

 二 前号の施設を廃止したとき。

 三 第一号の施設において行う同号イ又はロに掲げる業務を廃止したとき。

 四 第一号の場合において届け出た事項を変更したとき。

2 大蔵大臣は、公益上必要があると認めるときは、前項の外国保険業者に対し、同項第一号の施設において行う同号イ又はロに掲げる業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

    第六節 特定法人に対する特則

 (免許)

第二百十九条 次の各号のいずれにも該当する法人(以下この節において「特定法人」という。)は、保険の引受けを行う当該特定法人の社員(以下「引受社員」という。)の日本における保険業に係る引受けの代理並びに当該日本における保険業に係る当該特定法人及びその引受社員の業務の代理をする者(以下この節において「総代理店」という。)を定め、引受社員が日本において保険業を行うことについて、大蔵大臣の免許を受けることができる。

 一 外国の特別の法令により設立された法人であること。

 二 その社員である者が、外国の法令の特別の規定により、当該外国において保険業の免許(当該免許に類する許可、登録その他の行政処分を含む。)を受けないで、保険業を行うことが認められていること。

2 前項の免許は、特定生命保険業免許及び特定損害保険業免許の二種類とする。

3 特定生命保険業免許と特定損害保険業免許とは、同一の特定法人が受けることはできない。

4 特定生命保険業免許は、引受社員が日本における事業として第三条第四項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行うことに係る免許とする。

5 特定損害保険業免許は、引受社員が日本における事業として第三条第五項第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて同項第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行うことに係る免許とする。

6 特定法人が第一項の免許を受けた場合には、当該特定法人の引受社員は、第三条第一項及び第百八十五条第一項の規定にかかわらず、第二項の免許の種類に従い、総代理店の事務所において日本における保険業を行うことができる。

 (免許申請手続)

第二百二十条 前条第一項の免許を受けようとする特定法人は、次に掲げる事項を記載した免許申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 当該特定法人の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地及び設立の年月日

 二 当該特定法人の設立に当たって準拠した法令を制定した国(以下この節において「設立準拠法国」という。)の国名

 三 当該特定法人及び引受社員を日本において代表する者(以下この節において「日本における代表者」という。)の氏名及び住所

 四 受けようとする免許の種類

 五 当該特定法人及び引受社員の日本における主たる店舗(総代理店の本店をいう。以下この節において同じ。)

2 前項の免許申請書には、当該特定法人の設立が適法に行われたこと及び引受社員が設立準拠法国において適法に日本において行おうとする保険業と同種類の保険業を行っていることを証する設立準拠法国の権限のある機関の証明書を添付しなければならない。

3 前項に定めるもののほか、第一項の免許申請書には、次に掲げる書類その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 一 特定法人の定款又はこれに準ずる書類

 二 引受社員の日本における事業に係る事業の方法書

 三 引受社員が日本において締結する保険契約に係る普通保険約款

 四 引受社員が日本において締結する保険契約に係る保険料及び責任準備金の算出方法書

 五 引受社員が日本において行う保険の引受けについて保険契約の内容を確定するための協議を行うことのある者で大蔵省令で定めるものの氏名又は商号及び住所又は本店の所在地を記載した書類

4 前項第二号から第四号までに掲げる書類には、大蔵省令で定める事項を記載しなければならない。

 (免許審査基準)

第二百二十一条 大蔵大臣は、第二百十九条第一項の免許の申請があったときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

 一 当該申請をした者(以下この項において「申請者」という。)が、その人的構成等に照らして、引受社員の日本における業務の的確、公正かつ効率的な遂行を確保するために必要な知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。

 二 申請者が、設立準拠法国の法令又は当該法人の規約により引受社員の保険契約上の債務の履行を確実にするための財産を保有していることその他保険契約者等の保護のための措置が十分に講じられていること。

 三 引受社員の行う日本における保険業に係る収支の見込みが良好であること。

 四 前条第三項第二号及び第三号に掲げる書類に記載された事項が、第五条第一項第三号イからホまでに掲げる基準に適合するものであること。

 五 前条第三項第四号に掲げる書類に記載された事項が、第五条第一項第四号イからハまでに掲げる基準に適合するものであること。

2 大蔵大臣は、前項に定める審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第二百十九条第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。

 (大蔵大臣の告示)

第二百二十二条 大蔵大臣は、第二百十九条第一項の免許をしたときは、その旨及び第二百二十条第一項各号に掲げる事項を、遅滞なく、官報で告示するものとする。同項第一号、第二号、第三号又は第五号に掲げる事項の変更について第二百三十四条の規定による届出があったときも、同様とする。

 (供託)

第二百二十三条 第二百十九条第一項の免許を受けた特定法人(以下「免許特定法人」という。)は、日本における保険契約者等の保護のため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、日本における主たる店舗の最寄りの供託所に供託しなければならない。

2 大蔵大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、免許特定法人に対し、引受社員が日本における保険業を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。

3 免許特定法人は、政令で定めるところにより、当該免許特定法人のために所要の供託金が大蔵大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を大蔵大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の供託金の全部又は一部の供託をしないことができる。

4 大蔵大臣は、日本における保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、免許特定法人と前項の契約を締結した者又は当該免許特定法人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。

5 引受社員は、免許特定法人が第一項の供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託(第三項の契約の締結を含む。第九項において同じ。)を行い、その旨を大蔵大臣に届け出た後でなければ、第二百十九条第一項の免許に係る保険業を開始してはならない。

6 引受社員の日本における保険契約に係る保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約により生じた債権に関し、免許特定法人に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

7 前項の規定の適用については、免許特定法人は、その引受社員が日本において引き受けた保険に係る保険契約について、当該保険契約に係る引受社員の債務を連帯して保証したものとみなす。

8 第六項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。

9 免許特定法人は、第六項の権利の実行その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなったときは、大蔵省令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託を行い、その旨を遅滞なく大蔵大臣に届け出なければならない。

10 免許特定法人は、国債その他の大蔵省令で定める有価証券をもって、第一項、第二項又は前項の供託金に代えることができる。

11 第一項、第二項、第四項又は第九項の規定により供託した供託金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、取り戻すことができる。

 一 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により取り消されたとき。

 二 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十六条の規定によりその効力を失ったとき。

12 前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、法務省令・大蔵省令で定める。

 (日本において保険業を行う引受社員の届出等)

第二百二十四条 日本における代表者は、日本において保険業を行う引受社員及び第二百二十条第三項第五号の大蔵省令で定める者の氏名又は商号及び住所又は本店の所在地を、あらかじめ、大蔵大臣に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったときも、同様とする。

2 日本における代表者は、日本において保険業を行う引受社員の名簿を日本における主たる店舗に備え置かなければならない。

3 引受社員の日本における業務に係る債権者、保険契約者、被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、総代理店のその業務を行うべき時間内に限り、前項に規定する名簿の閲覧を求め、又は当該総代理店の定める費用を支払ってその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

 (事業の方法書等に定めた事項の変更)

第二百二十五条 免許特定法人は、第二百二十条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項(日本における保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして大蔵省令で定める事項を除く。)を変更しようとするときは、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

2 免許特定法人は、前項に規定する書類に定めた事項を変更しようとする場合で、同項の大蔵省令で定める事項を変更しようとするときは、あらかじめ、当該変更しようとする旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

3 第百二十四条及び第百二十五条の規定は、第一項の認可及び前項の届出について準用する。この場合において、第百二十四条第一号中「第四条第二項第二号及び第三号」とあるのは「第二百二十条第三項第二号及び第三号」と、同条第二号中「第四条第二項第四号」とあるのは「第二百二十条第三項第四号」と読み替えるものとする。

 (報告又は資料の提出)

第二百二十六条 大蔵大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、免許特定法人、引受社員又は総代理店に対し、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

 (立入検査)

第二百二十七条 大蔵大臣は、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該職員に、総代理店の事務所に立ち入らせ、当該免許特定法人又は引受社員の日本における業務又は財産の状況に関し質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

 (健全性維持のための措置)

第二百二十八条 大蔵大臣は、免許特定法人の第二百二十三条の供託金その他の大蔵省令で定めるものの額の合計額、引受社員の日本において引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに相当する額として大蔵省令で定めるところにより計算した額その他当該免許特定法人及び引受社員の日本に所在する財産の状況等を勘案し、適切な改善措置を講じなければ当該引受社員の日本における業務の運営の健全性を損ない日本における保険契約者等の保護に欠けることとなるおそれがあると認めるときは、当該免許特定法人又は引受社員に対し、措置を講ずべき事項及び期限を示して、その日本における業務の運営の健全性を確保するための改善計画の提出を求めることができる。

2 大蔵大臣は、前項の規定により提出された同項の改善計画の内容が不十分であると認めるときは、当該免許特定法人又は引受社員に対して、期限を示して、当該改善計画の変更を命ずることができる。

 (事業の方法書等に定めた事項の変更命令)

第二百二十九条 大蔵大臣は、免許特定法人及び引受社員の業務若しくは財産の状況に照らして、又は事情の変更により、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人に対し、その必要の限度において、第二百二十条第三項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更を命ずることができる。

 (業務の停止等)

第二百三十条 大蔵大臣は、免許特定法人又は引受社員の業務又は財産の状況に照らして、引受社員の日本における業務の健全かつ適切な運営を確保し、日本における保険契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、当該免許特定法人又は引受社員に対し、その必要の限度において、期限を付して引受社員の日本における業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は財産の供託その他監督上必要な措置を命ずることができる。

 (免許の取消し等)

第二百三十一条 大蔵大臣は、免許特定法人又は引受社員が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、引受社員の日本における業務の全部若しくは一部の停止若しくは日本における代表者の解任を命じ、又は第二百十九条第一項の免許を取り消すことができる。

 一 法令(外国の法令を含む。)、法令に基づく大蔵大臣の処分又は第二百二十条第三項第一号から第四号までに掲げる書類に定めた事項のうち特に重要なものに違反したとき。

 二 当該免許に付された条件に違反したとき。

 三 公益を害する行為をしたとき。

第二百三十二条 大蔵大臣は、免許特定法人及び引受社員の財産の状況が著しく悪化し、引受社員が日本における保険業を継続することが日本における保険契約者等の保護の見地から適当でないと認めるときは、当該免許特定法人の第二百十九条第一項の免許を取り消すことができる。

 (総代理店の廃止の認可)

第二百三十三条 免許特定法人は、総代理店を廃止しようとする場合には、大蔵大臣の認可を受けなければならない。

 (免許特定法人の届出)

第二百三十四条 免許特定法人は、次の各号のいずれかに該当するときは、大蔵省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 当該免許特定法人の引受社員が日本における保険業を開始したとき。

 二 第二百二十条第一項第一号、第二号、第三号若しくは第五号に掲げる事項又は同条第三項第一号に掲げる書類に定めた事項を変更したとき。

 三 当該免許特定法人が組織変更をしたとき。

 四 当該免許特定法人が事業の全部の譲渡をしたとき。

 五 当該免許特定法人が解散(合併によるものを除く。)をしたとき。

 六 当該免許特定法人が破産したとき。

 七 日本において保険業を行う引受社員が破産したとき。

 八 その他大蔵省令で定める場合に該当するとき。

 (免許特定法人及び引受社員の清算)

第二百三十五条 免許特定法人及び引受社員は、次の各号のいずれかに該当するときは、日本に所在する財産の全部について清算をしなければならない。

 一 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により取り消されたとき。

 二 当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が次条の規定によりその効力を失ったとき。

2 前項の規定により免許特定法人及び引受社員が清算をする場合には、大蔵大臣は、利害関係人の請求により又は職権で、清算人を選任する。当該清算人を解任する場合についても、同様とする。

3 大蔵大臣は、前項の規定により清算人を解任する場合においては、当該清算に係る免許特定法人及び引受社員の日本における主たる店舗の所在地の登記所にその旨の登記を嘱託しなければならない。

4 第百七十八条の規定により読み替えて適用する商法第四百二十三条(債権申出期間内の弁済)の規定並びに同法第四百二十一条、第四百二十二条、第四百二十四条及び第四百三十条から第四百五十六条まで(株式会社の清算及び特別清算)の規定は、その性質上許されないものを除き、第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算について準用する。

5 非訟事件手続法第百三十八条ノ十六(外国会社の営業所閉鎖の場合の清算)の規定は、第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算について準用する。

6 第百七十七条の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合について、第百七十五条及び第百七十九条第一項の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合(第四項において準用する商法第四百三十一条から第四百五十六条までの規定の適用がある場合を除く。以下この項において同じ。)について、第二百二十六条及び第二百二十七条の規定は第一項の規定による免許特定法人及び引受社員の清算の場合において大蔵大臣が清算に係る免許特定法人及び引受社員の清算の監督上必要があると認めるときについて、それぞれ準用する。この場合において、第百七十七条第二項中「解散の日」とあるのは「当該免許特定法人に係る第二百十九条第一項の免許が取り消され、又はその効力を失った日」と、同条第三項中「清算保険会社」とあるのは「清算に係る引受社員」と、第百七十五条中「前条第一項、第三項又は第六項」とあるのは「第二百三十五条第二項」と、「清算保険会社」とあるのは「当該清算に係る免許特定法人及び引受社員」と、第百七十九条第一項中「清算保険会社」とあるのは「清算に係る免許特定法人及び引受社員」と読み替えるものとする。

 (免許の失効)

第二百三十六条 免許特定法人が次の各号のいずれかに該当するときは、当該免許特定法人の第二百十九条第一項の大蔵大臣の免許は、その効力を失う。

 一 日本における保険業をすべての引受社員が廃止したとき。

 二 当該免許を受けた日から六月を経過しても日本における保険業を開始した引受社員がないとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ、免許特定法人が大蔵大臣の承認を受けたときを除く。)。

2 第二百三十四条第四号から第六号までのいずれかに該当して同条の規定による届出があったときは、当該届出をした免許特定法人に係る第二百十九条第一項の大蔵大臣の免許は、その効力を失う。

 (大蔵大臣の告示)

第二百三十七条 次に掲げる場合には、大蔵大臣は、その旨を官報で告示するものとする。

 一 第二百三十条若しくは第二百三十一条の規定又は第二百四十条の規定により適用する第二百四十一条の規定により引受社員の日本における業務の全部又は一部の停止を命じたとき。

 二 第二百三十一条又は第二百三十二条の規定により第二百十九条第一項の免許を取り消したとき。

 三 第二百四十条の規定により適用する第二百四十一条の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は第二百四十条の規定により適用する第二百五十八条第一項の規定による命令をしたとき。

 四 前条の規定により第二百十九条第一項の免許がその効力を失ったとき。

 (公告)

第二百三十八条 免許特定法人又は引受社員がこの法律の規定により行う公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載しなければならない。

 (総代理店の届出等)

第二百三十九条 第二百十九条第一項の免許を受けようとする特定法人及び当該特定法人の引受社員に係る総代理店になろうとする者は、当該免許の申請時までに、その旨、業務の内容、引受社員の日本に所在する財産の管理の方法その他の大蔵省令で定める事項を大蔵大臣に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったときも、同様とする。

 (この法律の適用関係等)

第二百四十条 特定法人が第二百十九条第一項の免許を受けた場合におけるこの法律の適用については、次に定めるところによる。

 一 第百八十五条第六項、第百八十六条第三項、第百九十一条、第百九十七条、第百九十九条において準用する第九十七条から第百条まで、第百十二条及び第百十四条から第百二十二条まで、第二百十条、第二編第十章、第三編並びに第四編の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、免許特定法人の引受社員を外国保険会社等又は第二百十九条第二項の免許の種類に応じ外国生命保険会社等若しくは外国損害保険会社等とみなす。この場合において、第百九十七条中「第百九十条」とあるのは「第二百二十三条」と、第百九十九条において準用する第九十七条第一項中「第百八十五条第二項」とあるのは「第二百十九条第二項」とする。

 二 第百九十九条において準用する第百一条から第百五条までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、特定損害保険業免許を受けた特定法人の日本において保険業を行う引受社員を外国損害保険会社等とみなす。

 三 第百九十五条並びに第百九十九条において準用する第百十条及び第百十一条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、免許特定法人を外国保険会社等とみなす。この場合において、第百九十五条中「財産目録、貸借対照表」とあるのは「当該免許特定法人及び引受社員の貸借対照表」と、第百九十九条において準用する第百十条第一項中「日本における業務」とあるのは「免許特定法人及び引受社員の日本における業務」と、第百九十九条において準用する第百十一条中「日本における業務」とあるのは「免許特定法人及び引受社員の日本における業務」と、「外国保険会社等の業務」とあるのは「免許特定法人及び引受社員の業務」と、「第百八十五条第一項に規定する支店等」とあるのは「第二百十九条第一項に規定する総代理店の本店及び支店」とする。

 四 第百九十二条及び第百九十六条の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、日本における代表者を外国保険会社等の日本における代表者とみなす。この場合において、同条第四項中「外国保険会社等の債権者」とあるのは「引受社員の債権者」と、「外国保険会社等のその業務」とあるのは「総代理店のその業務」と、「当該外国保険会社等」とあるのは「当該総代理店」とする。

 五 第百九十九条において準用する第百九条並びに第二百十一条において準用する第百四十二条及び第七章第三節の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、免許特定法人及び引受社員を外国保険会社等とみなす。

 六 第二百十八条の規定は、免許特定法人の引受社員については、適用しない。

2 原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、免許特定法人の引受社員を外国保険会社等又は第二百十九条第二項の免許の種類に応じ外国生命保険会社等若しくは外国損害保険会社等とみなす。

   第十章 保険契約者等の保護のための特別の措置等

    第一節 業務及び財産の管理等に関する大蔵大臣の処分等

     第一款 業務の停止、保険契約の移転及び合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理

 (業の務停止、保険契約の移転及び合併等の協議の命令並びに業務及び財産の管理)

第二百四十一条 大蔵大臣は、保険会社(外国保険会社等を含む。第二百四十三条、第二百五十四条、第二百五十五条及び第二百六十条第五項第一号ロを除き、以下この章において同じ。)の業務若しくは財産の状況に照らしてその保険業(外国保険会社等にあっては、日本における保険業。以下この条において同じ。)の継続が困難であると認めるとき、又はその業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務。以下この条から第二百五十条までにおいて同じ。)の運営が著しく不適切でありその保険業の継続が保険契約者等(外国保険会社等の場合にあっては、日本における保険契約者等。以下この章において同じ。)の保護に欠ける事態を招くおそれがあると認めるときは、当該保険会社に対し、業務の全部若しくは一部の停止、保険契約の移転若しくは合併の協議(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約の移転の協議)その他必要な措置を命じ、又は保険管理人による業務及び財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産。次条において同じ。)の管理を命ずる処分をすることができる。

     第二款 業務及び財産の管理

 (保険管理人の選任等)

第二百四十二条 前条の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分(以下この款及び第二百五十八条第二項において「管理を命ずる処分」という。)があったときは、当該処分を受けた保険会社(以下この節において「被管理会社」という。)を代表し、業務の執行並びに財産の管理及び処分行う権利(外国保険会社等を代表する権利にあっては、日本における保険業に係る範囲に限る。)は、保険管理人に専属する。商法第二百四十七条(決議取消しの訴え)(第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)、第二百八十条ノ十五(新株発行の無効の訴え)(第六十条第四項において準用する場合を含む。)、第三百八十条(資本減少無効の訴え)、第四百十五条(合併無効の訴え)(第八十四条第二項(第九十六条において準用する場合を含む。)及び第百七十三条第一項において準用する場合を含む。)及び第四百二十八条(設立無効の訴え)(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による取締役の権利についても、同様とする。

2 保険管理人は、大蔵大臣が選任する。

3 大蔵大臣は、保険管理人に対して、被管理会社の業務及び財産の管理に関し必要な措置を命ずることができる。

4 大蔵大臣は、保険管理人が被管理会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないと認めるときは、保険管理人を解任することができる。

5 大蔵大臣は、第二項の規定により保険管理人を選任したとき、又は前項の規定により保険管理人を解任したときは、被管理会社に対し、その旨を通知しなければならない。

6 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)第九十七条、第九十八条、第九十八条の四及び第二百八十五条(数人の管財人の職務執行、管財人代理の選任、注意義務並びに費用の前払及び報酬)の規定は保険管理人について、民法第四十四条第一項(法人の不法行為能力)の規定は被管理会社について、それぞれ準用する。この場合において、会社更生法第九十七条第一項、第九十八条第二項及び第二百八十五条第一項中「裁判所」とあるのは「大蔵大臣」と、民法第四十四条第一項中「理事其他ノ代理人」とあるのは「保険管理人」と読み替えるものとする。

第二百四十三条 保険会社は、保険管理人となることができる。

2 保険会社は、大蔵大臣から保険管理人となることを求められた場合には、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。

 (通知及び登記)

第二百四十四条 大蔵大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、直ちに、被管理会社の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理会社の本店又は主たる事務所及び支店又は従たる事務所の所在地(外国保険会社等の場合にあっては、第百八十五条第一項に規定する支店等の所在地)の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。

 (業務の停止)

第二百四十五条 管理を命ずる処分があったときは、被管理会社は、その業務を停止しなければならない。ただし、保険管理人の申出により、その業務の一部を停止しないことについて大蔵大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。

 (株主の名義書換の禁止)

第二百四十六条 被管理会社(外国保険会社等を除く。)が株式会社である場合において、大蔵大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。

 (計画の承認)

第二百四十七条 大蔵大臣は、保険契約者等の保護のため被管理会社に係る保険契約(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約。第二百五十四条及び第二百六十条第二項を除き、以下この章において同じ。)の存続を図ることが必要であると認めるときは、保険管理人に対し、保険契約の移転、合併その他必要な措置を定める計画の作成を命ずることができる。

2 保険管理人は、前項の計画を作成したときは、大蔵大臣の承認を得なければならない。

3 保険管理人は、前項の承認があったときは、遅滞なく、当該承認に係る第一項の計画を実行に移さなければならない。

4 保険管理人は、やむを得ない事情が生じた場合には、大蔵大臣の承認を受けて、第一項の計画を変更し、又は廃止することができる。

5 大蔵大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、保険管理人に対し、第一項の計画の変更又は廃止を命ずることができる。

 (保険管理人による管理を命ずる処分の取消し)

第二百四十八条 大蔵大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなったと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。

2 第二百四十四条の規定は、前項の場合について準用する。

 (会社整理に関する商法の規定の不適用)

第二百四十九条 商法第三百八十一条第一項(整理の開始)、第三百八十六条第一項(第六号から第九号までを除く。)及び第二項(整理実行のために裁判所の行う処分)、第三百八十七条第一項(処分に関する登記及び登録)、第三百八十八条から第三百九十一条まで(検査命令、検査役の報告事項、検査役の権限及び整理委員)、第三百九十七条(監督命令)並びに第三百九十八条(管理命令)(これらの規定を第百五十一条において準用する場合を含む。)の規定は、管理を命ずる処分があった場合における当該管理を命ずる処分に係る被管理会社については、適用しない。

    第三款 契約条件の変更

 (契約条件の変更)

第二百五十条 第二百四十一条の規定により保険契約の全部に係る保険契約の移転の協議を命ぜられた保険会社が当該保険契約の移転をする場合又は被管理会社である保険会社が第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って保険契約の全部に係る保険契約の移転をする場合には、第百三十五条第一項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。)の契約において、第百三十五条第四項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。)に規定する軽微な変更のほか、当該契約により移転するものとされる保険契約について保険金額の削減その他の契約条項の変更(当該軽微な変更を除く。以下この款において「契約条件の変更」という。)を定めることができる。

2 前項の保険契約の移転をする場合には、当該保険会社に係る保険契約のうち、特定契約以外の全部を包括して移転しなければならない。

3 前項に規定する「特定契約」とは、次項の公告の時(当該公告の時において既に、第二百四十一条の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、保険契約に係る支払のすべてを停止している場合又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、この条第五項若しくは第二百五十四条第四項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払のすべてを停止している場合にあっては、その保険契約に係る支払のすべてを停止した時)において既に保険事故が発生している保険契約(当該保険事故に係る保険金の支払により消滅することとなるものに限る。)その他の政令で定める保険契約をいう。

4 第一項の保険会社は、外国保険会社等以外の会社であるときは第百三十六条第一項の株主総会等の招集の通知の発送日において、当該株主総会等が開かれる旨及び当該契約条件の変更を含む保険契約の移転の決議が会議の目的となっている旨を、外国保険会社等であるときは第百三十五条第一項の契約に係る契約書の作成日において、当該契約条件の変更を含む契約書が作成された旨を、それぞれ公告しなければならない。

5 第一項の保険会社は、前項の公告の時において既に、第二百四十一条の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、この項本文若しくは第二百五十四条第四項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部を停止しなければならない。ただし、当該保険会社の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、大蔵大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。

 (保険契約の移転の公告及び異議申立てに関する特例)

第二百五十一条 前条第一項の保険契約の移転をする場合には、第百三十七条第一項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。)の公告に、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の主要な内容その他の大蔵省令で定める事項を付記しなければならない。

2 前条第一項の保険契約の移転をする場合における第百三十七条第四項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第百三十七条第四項中「五分の一」とあるのは、「十分の一」とする。

 (契約条件の変更を伴う保険契約の移転の効果)

第二百五十二条 第二百五十条第一項の保険契約の移転をしたときは、当該保険契約の移転に係る保険契約に係る債権及び債務については、当該保険契約について第百三十五条第一項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の契約において定められた契約条件の変更がされた後の条件で、第百三十五条第一項に規定する移転先会社が承継する。

 (契約条件の変更の通知)

第二百五十三条 第二百五十条第一項の保険契約の移転をした場合における第百四十条第二項(第二百十条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、第百四十条第二項中「同条第四項に規定する軽微な変更を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該軽微な変更の内容」とあるのは、「第二百五十条第一項に規定する契約条件の変更(第百三十五条第四項に規定する軽微な変更を含む。以下この項において同じ。)を定めたときは、保険契約の移転を受けたこと及び当該契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容」とする。

 (合併契約における契約条件の変更)

第二百五十四条 第二百四十一条の規定により合併の協議を命ぜられた保険会社が合併をしようとする場合又は被管理会社である保険会社が第二百四十七条第二項の承認(同条第四項の変更の承認を含む。)を受けた同条第一項の計画に従って合併する場合には、合併契約書において、当該保険会社に係る保険契約(特定契約を除く。)について契約条件の変更を定めることができる。

2 前項に規定する「特定契約」とは、次項の公告の時(当該公告の時において既に、第二百四十一条の規定により業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、保険契約に係る支払のすべてを停止している場合又は第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項若しくはこの条第四項の規定によりその業務を停止し、保険契約に係る支払のすべてを停止している場合にあっては、その保険契約に係る支払のすべてを停止した時)において既に保険金請求権等(第百六十六条第三項において準用する第十七条第二項に規定する保険金請求権等をいう。)が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)をいう。

3 第一項の保険会社は、商法第四百八条第一項(合併契約書の承認)(第百七十三条第一項において準用する場合を含む。)の承認の決議を行う株主総会等の招集の通知の発送日において、当該株主総会等が開かれる旨及び当該契約条件の変更を含む合併契約書の承認の決議が会議の目的となっている旨を公告しなければならない。

4 第一項の保険会社は、前項の公告の時において既に、第二百四十一条の規定により業務の全部の停止を命ぜられ、又は第二百四十五条本文(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)、第二百五十条第五項本文若しくはこの項本文の規定によりその業務の全部を停止している場合を除き、当該公告の時から、その業務の全部を停止しなければならない。ただし、当該保険会社の申出により、その業務の一部を停止しないことについて、大蔵大臣が必要があると認めた場合には、当該業務の一部については、この限りでない。

 (合併の公告及び異議申立てに関する特例)

第二百五十五条 前条第一項の保険会社は、第百六十六条第一項の公告に、契約条件の変更により生ずる保険契約者の権利義務の変更の内容その他の大蔵省令で定める事項を付記しなければならない。

2 前条第一項の合併をする場合における第百六十六条第三項において準用する第十七条第四項の規定の適用については、同項中「五分の一」とあるのは、「十分の一」とする。

3 前条第一項の合併の場合においては、合併後存続する保険会社又は合併により設立される保険会社は、合併後三月以内に、同項の保険会社の保険契約者に対し、その旨及び契約条件の変更後の保険契約者の権利及び義務の内容を通知しなければならない。

     第四款 保険契約の移転等の手続の実施の命令等

 (保険契約の移転等の協議の相手方の指定)

第二百五十六条 大蔵大臣は、第二百四十一条の規定により保険契約の移転又は合併の協議その他必要な措置を命じた場合において必要があると認めるときは、当該処分を受けた保険会社が当該命ぜられた措置に係る協議をすべき相手方として他の保険会社を指定し、当該他の保険会社にその協議に応ずるよう勧告することができる。

2 前項の規定は、大蔵大臣が第二百四十七条第二項の規定により同条第一項の計画を承認した場合について準用する。この場合において、前項中「当該処分を受けた保険会社が当該命ぜられた措置」とあるのは、「被管理会社が当該計画に定められた措置」と読み替えるものとする。

 (保険契約の移転等の条件のあっせん)

第二百五十七条 大蔵大臣は、前条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の場合において、その協議が調わないときは、あらかじめ同条第一項に規定する処分を受けた保険会社又は同条第二項において準用する同条第一項の被管理会社及び同項の勧告を受けた他の保険会社の意見を聴取し、条件を示して、必要なあっせんをすることができる。

 (保険契約の移転等の手続の実施の命令)

第二百五十八条 大蔵大臣は、前条の場合において同条の他の保険会社があっせんに係る条件に同意したときは、同条に規定する処分を受けた保険会社又は被管理会社に対し、当該条件に従い第二百五十六条第一項に規定する当該命ぜられた措置又は同条第二項において準用する同条第一項に規定する当該計画に定められた措置を実行するために必要な手続をとることを命ずることができる。

2 第二百四十五条の規定は、前項の場合(管理を命ずる処分を受けている場合を除く。)について準用する。

    第二節 保険契約者保護基金の行う資金援助等

     第一款 保険契約者保護基金

 (指定)

第二百五十九条 大蔵大臣は、次に掲げる要件を備える者の申請があった場合において、その者が次条第一項各号に掲げる業務及び同条第二項の業務の全部(以下この款において「資金援助等事業」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、この節の定めるところにより資金援助等事業を行う者として、指定することができる。

 一 民法第三十四条(公益法人の設立)の規定により設立された法人であること。

 二 第二百六十五条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過していない者でないこと。

 三 その役員のうち、禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ないものがないこと。

 四 その役員のうちに、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者がないこと。

 五 その役員のうちに、この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者がないこと。

2 大蔵大臣は、前項の指定をしたときは、指定した者(以下この節において「保険契約者保護基金」という。)の名称及び事務所の所在地を官報で告示しなければならない。

3 保険契約者保護基金は、その名称又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

4 大蔵大臣は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を官報で告示しなければならない。

 (業務)

第二百六十条 保険契約者保護基金は、保険契約の移転等の円滑な実施を援助することにより保険契約者等の保護を図り、もって保険業に対する信頼性を維持するため、この節の定めるところにより、次に掲げる業務を行うものとする。

 一 救済保険会社に対して、資金援助を行うこと。

 二 負担金を収納し、及び管理すること。

 三 前二号の業務に附帯する業務

2 保険契約者保護基金は、前項の規定により行う業務のほか、同項第一号の業務の遂行を妨げない限度において、一時的な資金事情により、保険金(外国保険会社等にあっては、日本における保険契約に係る保険金)の支払を遅延し、又は遅延するおそれのある事業参加者に対する資金の貸付けを行うものとする。

3 保険契約者保護基金は、大蔵省令で定めるところにより、事業参加者の名簿を作成し、これを大蔵大臣に提出するとともに、公衆の縦覧に供しなければならない。

4 保険契約者保護基金は、大蔵省令で定めるところにより、その業務の一部を、他の者に委託することができる。

5 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 保険契約の移転等 次に掲げるものをいう。

  イ 破 綻保険会社と他の保険会社との間で、破 綻保険会社に係る保険契約の全部に係る保険契約の移転をすること。

  ロ 破 綻保険会社(外国保険会社等を除く。)と他の保険会社との合併で、当該他の保険会社が存続することとなるもの

  ハ 破 綻保険会社の株式の他の保険会社による取得で、当該破 綻保険会社の業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務。次号及び次款において同じ。)の健全かつ適切な運営を確保し、保険契約者等の保護を図るために必要な事項として大蔵大臣が定めるものを実施するために行うもの

 二 破 綻保険会社 事業参加者で、業務若しくは財産(外国保険会社等にあっては、日本に所在する財産)の状況に照らして保険金の支払を停止するおそれがある者又は保険金の支払を停止した者をいう。

 三 救済保険会社 事業参加者で、保険契約の移転等を行う者のうち破 綻保険会社でない者をいう。

 四 事業参加者 保険契約者保護基金が行う資金援助に係る資金を拠出することを約した保険会社をいう。

 五 資金援助 金銭の贈与、資金の貸付け、資産の買取り、債務の保証その他大蔵省令で定めるものをいう。

 六 負担金 第四号の契約により事業参加者が拠出する資金をいう。

 (業務規程)

第二百六十一条 保険契約者保護基金は、資金援助等事業の実施に関する規程(以下この款において「業務規程」という。)を定め、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

2 業務規程には、救済保険会社(前条第五項第三号に規定する救済保険会社をいう。次款において同じ。)に対する資金援助(同項第五号に規定する資金援助をいう。次款において同じ。)に関する事項、負担金(同項第六号に規定する負担金をいう。)の拠出に関する事項その他大蔵省令で定める事項を定めなければならない。

3 大蔵大臣は、第一項の認可をした業務規程が資金援助等事業の適正かつ確実な運営上不適当なものとなったと認めるときは、その変更を命ずることができる。

 (守秘義務)

第二百六十二条 保険契約者保護基金の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、資金援助等事業に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

 (立入検査等)

第二百六十三条 大蔵大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、保険契約者保護基金に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、保険契約者保護基金の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 (監督命令)

第二百六十四条 大蔵大臣は、この節の規定を施行するため必要があると認めるときは、保険契約者保護基金に対し、監督上必要な命令をすることができる。

2 大蔵大臣は、保険契約者保護基金の役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは業務規程に違反する行為をしたとき、又はその在任により保険契約者保護基金が第二百五十九条第一項第三号から第五号までに掲げる要件に適合しなくなるときは、当該保険契約者保護基金に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

 (指定の取消し)

第二百六十五条 大蔵大臣は、保険契約者保護基金が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百五十九条第一項の指定を取り消すことができる。

 一 資金援助等事業を適正かつ確実に運営することができないと認められるとき。

 二 この法律、この法律に基づく命令又は業務規程に違反したとき。

 三 第二百六十一条第三項又は前条の規定による処分に違反したとき。

2 大蔵大臣は、前項の規定により第二百五十九条第一項の指定を取り消したときは、その旨を官報で告示しなければならない。

     第二款 資金援助等

 (資金援助の申込み)

第二百六十六条 救済保険会社は、保険契約者保護基金が保険契約の移転等(第二百六十条第五項第一号に規定する保険契約の移転等をいう。以下この款において同じ。)について、同条第一項第一号の資金援助を行うことを、保険契約者保護基金に申し込むことができる。

2 保険契約者保護基金は、前項の場合において必要があるときは、同項の申込みをした救済保険会社、当該保険契約の移転等に係る破 綻保険会社(第二百六十条第五項第二号に規定する破 綻保険会社をいう。以下この款において同じ。)その他の関係者に対し、資料の提出を求めることができる。

3 大蔵大臣は、第一項の場合において保険契約者保護基金から要請があった場合で特に必要があると認めるときは、保険契約者保護基金に対し、資料の交付をし、又はこれを閲覧させることができる。

 (適格性の認定)

第二百六十七条 前条第一項の場合においては、保険契約の移転等を行う保険会社は、同項の申込みが行われる時までに、当該保険契約の移転等について、大蔵大臣の認定を受けなければならない。

2 前項の認定の申請は、同項の保険会社の連名で行わなければならない。

3 大蔵大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第一項の認定を行うことができる。

 一 当該保険契約の移転等が行われることが、保険契約者等の保護に資すること。

 二 保険契約者保護基金による資金援助が行われることが、当該保険契約の移転等が円滑に行われるために不可欠であること。

 三 当該保険契約の移転等に係る破綻保険会社について、保険契約の移転等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、保険業に対する信頼性が損なわれるおそれがあること。

4 大蔵大臣は、第一項の認定を行ったときは、その旨を保険契約者保護基金に通知しなければならない。

 (適格性の認定の特例)

第二百六十八条 大蔵大臣は、次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、第二百五十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の勧告に、前条第一項の規定にかかわらず、第二百六十六条第一項の申込みを行うことができる旨を付記することができる。

 一 第二百四十一条の規定による処分に係る保険会社が破 綻保険会社に該当し、かつ、当該保険会社の業務の全部の廃止又は解散が前条第三項第三号に掲げる要件に該当すること。

 二 保険契約者保護基金による資金援助が行われることが当該勧告に係る保険契約の移転等を行うために不可欠なものであること。

2 前条第四項の規定は、前項の付記をした場合について準用する。

 (資金援助)

第二百六十九条 保険契約者保護基金は、救済保険会社に対する資金援助を行うかどうか及び資金援助の額を決定する場合には、当該資金援助に要すると見込まれる費用、利用可能な資金の状況その他の事情を考慮してするものとする。

2 保険契約者保護基金は、前項の決定をしたときは、遅滞なく、その決定に係る事項を大蔵大臣に報告しなければならない。

3 保険契約者保護基金は、第一項の規定により資金援助を行うことを決定したときは、当該資金援助の申込みを行った救済保険会社と当該資金援助に関する契約を締結するものとする。

 (事業参加者に対する資金の貸付け)

第二百七十条 第二百六十条第二項の資金の貸付けは、当該資金の貸付けを行うことが同項の事業参加者に係る同項の保険金の円滑な支払のために必要かつ適当であると認められる場合に限り、行うことができる。

2 前項の資金の貸付けは、当該資金の貸付けに係る貸付金債権の回収が確実であると認められることその他の大蔵省令で定める要件を満たすものでなければならない。

3 保険契約者保護基金は、第一項の資金の貸付けをすることを決定したときは、遅滞なく、その決定に係る事項を大蔵大臣に報告しなければならない。

   第三節 清算手続等との調整

 (清算手続等における大蔵大臣の意見等)

第二百七十一条 裁判所は、保険会社の清算手続、破産手続、和議手続、整理手続又は更生手続において、大蔵大臣に対し、意見を求め、又は検査若しくは調査を依頼することができる。

2 大蔵大臣は、前項に規定する手続において、必要があると認めるときは、裁判所に対し、意見を述べることができる。

3 第百二十九条第一項、第二百一条第一項及び第二百二十七条の規定は、第一項の規定により大蔵大臣が裁判所から検査又は調査の依頼を受けた場合について準用する。

   第十一章 雑則

 (免許の失効)

第二百七十二条 保険会社(外国保険会社等を含む。第二百七十四条において同じ。)が次の各号のいずれか(外国保険会社等にあっては、第一号又は第四号)に該当するときは、第三条第一項又は第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許は、その効力を失う。

 一 保険業(外国保険会社等にあっては、日本における保険業。第四号において同じ。)を廃止したとき。

 二 解散したとき(設立又は合併(当該合併により保険会社を設立するものに限る。)を無効とする判決が確定したときを含む。)。

 三 保険業を営む株式会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転をしたとき。

 四 当該免許を受けた日から六月以内に保険業を開始しなかったとき(やむを得ない理由がある場合において、あらかじめ大蔵大臣の承認を受けたときを除く。)。

2 第二百九条第五号から第八号までのいずれかに該当して同条の規定による届出(同条第五号に係る届出にあっては、当該合併後当該外国保険会社等が消滅することとなる合併及び事業の全部の譲渡に係る届出に限る。)があったときは、当該届出をした外国保険会社等に係る第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許は、その効力を失う。

 (大蔵大臣の告示)

第二百七十三条 次に掲げる場合には、大蔵大臣は、その旨を官報で告示するものとする。

 一 第百三十二条、第百三十三条、第二百四条、第二百五条又は第二百四十一条の規定により業務(外国保険会社等にあっては、日本における業務)の全部又は一部の停止を命じたとき。

 二 第百三十三条、第百三十四条、第二百五条又は第二百六条の規定により第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許を取り消したとき。

 三 第二百四十一条の規定による保険管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は第二百五十八条第一項の規定による命令をしたとき。

 四 前条の規定により第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許がその効力を失ったとき。

 (公告)

第二百七十四条 保険会社がこの法律の規定により行う公告は、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載しなければならない。

  第三編 保険募集

   第一章 通則

 (保険募集の制限)

第二百七十五条 次の各号に掲げる者が当該各号に定める保険募集を行う場合を除くほか、何人も保険募集を行ってはならない。

 一 次条の登録を受けた生命保険募集人 その所属保険会社のために行う保険契約の締結の代理又は媒介

 二 損害保険会社(外国損害保険会社等を含む。以下この編において同じ。)の役員(代表権を有する役員及び監査役を除く。以下この条、第二百八十三条及び第三百二条において同じ。)若しくは使用人又は次条の登録を受けた損害保険代理店若しくはその役員若しくは使用人 その所属保険会社のために行う保険契約の締結の代理又は媒介

 三 第二百八十六条の登録を受けた保険仲立人又はその役員若しくは使用人 保険契約(外国保険会社等以外の外国保険業者が保険者となる保険契約については、政令で定めるものに限る。)の締結の媒介であって生命保険募集人及び損害保険募集人がその所属保険会社のために行う保険契約の締結の媒介以外のもの

   第二章 生命保険募集人及び損害保険代理店並びに所属保険会社

    第一節 生命保険募集人及び損害保険代理店

 (登録)

第二百七十六条 生命保険募集人及び損害保険代理店は、この法律の定めるところにより、大蔵大臣の登録を受けなければならない。

 (登録の申請)

第二百七十七条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 事務所の名称及び所在地

 三 所属保険会社の商号、名称又は氏名

 四 他に業務を行っているときは、その業務の種類

 五 その他大蔵省令で定める事項

2 前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 第二百七十九条第一項第一号から第五号まで、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)、第十号又は第十一号のいずれにも該当しないことを誓約する書面

 二 登録申請者が法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この編において同じ。)であるときは、その役員(法人でない社団又は財団におけるその代表者又は管理人を含む。第二百八十三条及び第三百二条を除き、以下この編において同じ。)の氏名及び住所を記載した書面

 三 前二号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める書類

 (登録の実施)

第二百七十八条 大蔵大臣は、第二百七十六条の登録の申請があった場合においては、次条第一項から第三項までの規定により登録を拒否する場合を除くほか、直ちに、次に掲げる事項を大蔵省に備える生命保険募集人登録簿又は損害保険代理店登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 大蔵大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者及び所属保険会社に通知しなければならない。

 (登録の拒否)

第二百七十九条 大蔵大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者

 二 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 四 第三百七条第一項の規定により第二百七十六条の登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。以下この号において「登録等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録等を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)

 五 禁治産者若しくは準禁治産者又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者

 六 申請の日前三年以内に保険募集に関し著しく不適当な行為をした者

 七 保険仲立人又はその役員若しくは保険募集を行う使用人

 八 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの

 九 法人でその役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者のあるもの

 十 個人でその保険募集を行う使用人のうちに第七号に該当する者のあるもの

 十一 法人でその役員又は保険募集を行う使用人のうちに第七号に該当する者のあるもの

2 大蔵大臣は、前項の規定により登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、登録申請者にその旨を通知し、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提出する機会を与えるため、大蔵大臣の指定する職員をして意見を聴取させなければならない。

3 前項の場合において、大蔵大臣は、意見を聴取される者が正当な理由がないのに、意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで登録を拒否することができる。

4 大蔵大臣は、前三項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、書面をもって、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

 (変更等の届出等)

第二百八十条 生命保険募集人又は損害保険代理店が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 第二百七十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき。 当該変更に係る生命保険募集人又は損害保険代理店

 二 保険募集の業務を廃止したとき。 生命保険募集人若しくは損害保険代理店であった個人又は生命保険募集人若しくは損害保険代理店であった法人を代表する役員

 三 生命保険募集人又は損害保険代理店である個人が死亡したとき。 その相続人

 四 生命保険募集人又は損害保険代理店である法人が破産したとき。 その破産管財人

 五 生命保険募集人又は損害保険代理店である法人が合併(法人でない社団又は財団にあっては、合併に相当する行為。次号において同じ。)により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者

 六 生命保険募集人又は損害保険代理店である法人が合併及び破産以外の理由により解散(法人でない社団又は財団にあっては、解散に相当する行為)をしたとき。 その清算人(法人でない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人であった者)

2 大蔵大臣は、前項第一号に係る同項の届出を受理したときは、届出があった事項を生命保険募集人登録簿又は損害保険代理店登録簿に登録し、その旨を所属保険会社に通知しなければならない。

3 生命保険募集人又は損害保険代理店が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該生命保険募集人又は損害保険代理店の登録は、その効力を失う。

 (登録手数料)

第二百八十一条 第二百七十六条の登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

 (生命保険募集人に係る制限)

第二百八十二条 生命保険会社(外国生命保険会社等を含む。以下この編において同じ。)は、他の生命保険会社の生命保険募集人に対して、保険募集の委託をしてはならない。

2 生命保険募集人は、他の生命保険会社の役員若しくは使用人若しくはこれらの者の使用人を兼ね、又は他の生命保険会社の委託を受けて保険募集を行い、若しくは他の生命保険会社の委託を受けて保険募集を行う者の役員若しくは使用人として保険募集を行うことができない。

3 前二項の規定は、生命保険幕集人が二以上の所属保険会社を有する場合においても、その保険募集に係る業務遂行能力その他の状況に照らして、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、適用しない。

    第二節 所属保険会社

 (所属保険会社の賠償責任)

第二百八十三条 所属保険会社は、生命保険募集人又は損害保険募集人が保険募集につき保険契約者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

 一 生命保険会社の役員若しくはその使用人である生命保険募集人又は損害保険会社の役員である損害保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社が当該役員の選任につき相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集につき保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

 二 生命保険会社の使用人若しくはその使用人である生命保険募集人又は損害保険会社の使用人である損害保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社が当該使用人(生命保険会社の使用人の使用人を除く。)の雇用につき相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集につき保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

 三 生命保険会社の委託に基づく生命保険募集人若しくはその役員若しくは使用人である生命保険募集人又は損害保険代理店若しくはその役員若しくは使用人である損害保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社が当該生命保険募集人又は損害保険代理店の委託をするにつき相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集につき保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

3 第一項の規定は、所属保険会社から生命保険募集人又は損害保険募集人に対する求償権の行使を妨げない。

4 民法第七百二十四条(損害賠償請求権の消滅時効)の規定は、第一項の請求権について準用する。

 (所属保険会社を代理人とする登録の申請等)

第二百八十四条 生命保険募集人若しくは損害保険代理店又は第二百八十条第一項第二号から第六号までに定める者は、所属保険会社を代理人として、第二百七十七条第一項の規定による登録の申請又は第二百八十条第一項若しくは第三百二条の規定による届出をすることができる。

 (生命保険募集人又は損害保険代理店の原簿)

第二百八十五条 所属保険会社は、大蔵省令で定めるところにより、当該所属保険会社に係る生命保険募集人又は損害保険代理店に関する原簿を、その本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所(外国保険会社等の場合にあっては、第百八十五条第一項に規定する支店等)に備え置かなければならない。

2 利害関係人は、必要があるときは、所属保険会社に対して、前項の原簿の閲覧を求めることができる。

   第三章 保険仲立人

 (登録)

第二百八十六条 保険仲立人は、この法律の定めるところにより、大蔵大臣の登録を受けなければならない。

 (登録の申請)

第二百八十七条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した登録申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。

 一 商号、名称又は氏名及び住所

 二 事務所の名称及び所在地

 三 取り扱う保険契約の種類

 四 他に業務を行っているときは、その業務の種類

 五 その他大蔵省令で定める事項

2 前項の登録申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 一 第二百八十九条第一項第一号から第五号まで、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)又は第十号のいずれにも該当しないことを誓約する書面

 二 登録申請者が法人であるときは、その役員の氏名及び住所を記載した書面

 三 前二号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める書類

 (登録の実施)

第二百八十八条 大蔵大臣は、第二百八十六条の登録の申請があった場合においては、次条第一項から第三項までの規定により登録を拒否する場合を除くほか、直ちに、次に掲げる事項を大蔵省に備える保険仲立人登録簿に登録しなければならない。

 一 前条第一項各号に掲げる事項

 二 登録年月日及び登録番号

2 大蔵大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

3 大蔵大臣は、保険仲立人登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

 (登録の拒否)

第二百八十九条 大蔵大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者

 二 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 三 この法律又はこれに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 四 第三百七条第一項の規定により第二百八十六条の登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。以下この号において「登録等」という。)を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者(当該登録等を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から三年を経過しないものを含む。)

 五 禁治産者若しくは準禁治産者又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者

 六 申請の日前三年以内に保険募集に関し著しく不適当な行為をした者

 七 保険会社(外国保険会社等を含む。以下この編において同じ。)、保険会社の役員(生命保険募集人及び損害保険募集人である者を除く。)、生命保険募集人又は損害保険募集人(損害保険代理店の使用人については保険募集を行う者に限る。)

 八 個人でその保険募集を行う使用人のうちに前各号のいずれかに該当する者のあるもの

 九 法人でその役員又は保険募集を行う使用人のうちに第一号から第七号までのいずれかに該当する者のあるもの

 十 保険募集に係る業務を的確に遂行するに足りる能力を有しない者

2 大蔵大臣は、前項の規定により登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、登録申請者にその旨を通知し、その者又はその代理人の出頭を求め、釈明のための証拠を提示する機会を与えるため、大蔵大臣の指定する職員をして意見を聴取させなければならない。

3 前項の場合において、大蔵大臣は、意見を聴取される者が正当な理由がないのに、意見の聴取に応じないときは、意見の聴取を行わないで登録を拒否することができる。

4 大蔵大臣は、前三項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、書面をもって、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

 (変更等の届出等)

第二百九十条 保険仲立人が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 第二百八十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき。 当該変更に係る保険仲立人

 二 保険募集の業務を廃止したとき。 保険仲立人であった個人又は保険仲立人であった法人を代表する役員

 三 保険仲立人である個人が死亡したとき。 その相続人

 四 保険仲立人である法人が破産したとき。 その破産管財人

 五 保険仲立人である法人が合併(法人でない社団又は財団にあっては、合併に相当する行為。次号において同じ。)により消滅したとき。 その法人を代表する役員であった者

 六 保険仲立人である法人が合併及び破産以外の理由により解散(法人でない社団又は財団にあっては、解散に相当する行為)をしたとき。 その清算人(法人でない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人であった者)

2 大蔵大臣は、前項第一号に係る同項の届出を受理したときは、届出があった事項を保険仲立人登録簿に登録しなければならない。

3 保険仲立人が第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったときは、当該保険仲立人の登録は、その効力を失う。

 (保証金)

第二百九十一条 保険仲立人は、保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

2 前項の保証金の額は、保険仲立人の業務の状況及び保険契約者等の保護を考慮して、政令で定める額とする。

3 保険仲立人は、政令で定めるところにより、当該保険仲立人のために所要の保証金が大蔵大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、かつ、その旨を大蔵大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなっている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき第一項の保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。

4 大蔵大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、保険仲立人と前項の契約を締結した者又は当該保険仲立人に対し、契約金額に相当する金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。

5 保険仲立人は、第一項の保証金につき供託(第三項の契約の締結を含む。)を行い、かつ、その旨を大蔵大臣に届け出た後でなければ、保険契約の締結の媒介を行ってはならない。

6 保険仲立人に保険契約の締結の媒介を委託した保険契約者、当該保険契約の被保険者又は保険金額を受け取るべき者は、保険契約の締結の媒介に関して生じた債権に関し、当該保険仲立人に係る保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

7 前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。

8 保険仲立人は、第六項の権利の実行その他の理由により、保証金の額(契約金額を含む。第十項において同じ。)が第二項の政令で定める額に不足することとなったときは、大蔵省令で定める日から二週間以内にその不足額につき供託(第三項の契約の締結を含む。第三百十九条第三号において同じ。)を行い、かつ、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

9 第一項又は前項の規定により供託する保証金は、国債その他の大蔵省令で定める有価証券をもってこれに充てることができる。

10 第一項、第四項又は第八項の規定により供託した保証金は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、大蔵大臣の承認を受けて、その全部又は一部を取り戻すことができる。

 一 前条第一項第二号から第六号までのいずれかに該当することとなったとき。

 二 第三百七条第一項又は第二項の規定により登録が取り消されたとき。

 三 業務の状況の変化その他の理由により保証金の額が第二項の政令で定める額を超えることとなったとき。

11 大蔵大臣は、前項の承認をするときは、保険契約の締結の媒介に関して生じた債権の弁済を確保するために必要と認める限度において、取り戻すことができる時期及び取り戻すことができる保証金の額を指定することができる。

12 前各項に定めるもののほか、保証金に関し必要な事項は、法務省令・大蔵省令で定める。

 (保険仲立入賠償責任保険契約)

第二百九十二条 保険仲立人は、政令で定めるところにより、保険仲立人賠償責任保険契約を締結し、大蔵大臣の承認を受けたときは、当該契約の効力の存する間、当該契約の保険金の額に応じて前条第一項の保証金の一部の供託(同条第三項の契約の締結を含む。次項において同じ。)をしないことができる。

2 大蔵大臣は、保険契約者等の保護のため必要があると認めるときは、前項の保険仲立人賠償責任保険契約を締結した保険仲立人に対し、前条第一項の保証金につき供託をしないことができるとされた金額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。

3 前二項に定めるもののほか、保険仲立人賠償責任保険契約に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (商法の準用)

第二百九十三条 商法第五百四十三条、第五百四十四条及び第五百四十六条から第五百五十条まで(仲立営業)の規定は、保険仲立人が行う保険契約の締結の媒介であって相互会社(外国相互会社を含む。)が当該保険契約の保険者となるべきものについて準用する。

   第四章 業務

 (生命保険募集人及び損害保険募集人の権限の明示)

第二百九十四条 生命保険募集人及び損害保険募集人は、保険募集を行おうとするときは、顧客に対して、自己が保険会社の代理人として保険契約を締結するか、又は保険契約の締結を媒介するかの別を明示しなければならない。

 (自己契約の禁止)

第二百九十五条 損害保険代理店及び保険仲立人は、その主たる目的として、自己又は自己を雇用している者を保険契約者又は被保険者とする保険契約(保険仲立人にあっては、大蔵省令で定めるものに限る。次項において「自己契約」という。)の保険募集を行ってはならない。

2 前項の規定の適用については、損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った自己契約に係る保険料の合計額として大蔵省令で定めるところにより計算した額が、当該損害保険代理店又は保険仲立人が保険募集を行った保険契約に係る保険料の合計額として大蔵省令で定めるところにより計算した額の百分の五十を超えることとなったときは、当該損害保険代理店又は保険仲立人は、自己契約の保険募集を行うことをその主たる目的としたものとみなす。

 (保険仲立人の氏名等の明示)

第二百九十六条 保険仲立人は、保険契約の締結の媒介を行おうとするときは、大蔵省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を顧客に交付しなければならない。

 一 保険仲立人の商号、名称又は氏名及び住所

 二 保険仲立人の権限に関する事項

 三 保険仲立人の損害賠償に関する事項

 四 前三号に掲げるもののほか、大蔵省令で定める事項

 (保険仲立人の開示事項)

第二百九十七条 保険仲立人は、顧客から求められたときは、保険契約の締結の媒介に関して当該保険仲立人が受ける手数料、報酬その他の対価の額その他大蔵省令で定める事項を、明らかにしなければならない。

 (結約書の記載事項)

第二百九十八条 保険仲立人に対する商法第五百四十六条第一項(結約書作成及び交付義務)(第二百九十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「其要領」とあるのは、「大蔵省令ニ定ムル事項」とする。

 (保険仲立人の誠実義務)

第二百九十九条 保険仲立人は、顧客のため誠実に保険契約の締結の媒介を行わなければならない。

 (保険契約の締結又は保険募集に関する禁止行為)

第三百条 保険会社、保険会社の役員(生命保険募集人及び損害保険募集人である者を除く。)、生命保険募集人、損害保険募集人又は保険仲立人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結又は保険募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 保険契約者又は被保険者に対して、虚偽のことを告げ、又は保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げない行為

 二 保険契約者又は被保険者が保険会社に対して重要な事項につき虚偽のことを告げることを勧める行為

 三 保険契約者又は被保険者が保険会社に対して重要な事実を告げるのを妨げ、又は告げないことを勧める行為

 四 保険契約者又は被保険者に対して、不利益となるべき事実を告げずに、既に成立している保険契約を消滅させて新たな保険契約の申込みをさせ、又は新たな保険契約の申込みをさせて既に成立している保険契約を消滅させる行為

 五 保険契約者又は被保険者に対して、保険料の割引、割戻しその他特別の利益の提供を約し、又は提供する行為

 六 保険契約者若しくは被保険者又は不特定の者に対して、一の保険契約の契約内容につき他の保険契約の契約内容と比較した事項であって誤解させるおそれのあるものを告げ、又は表示する行為

 七 保険契約者若しくは被保険者又は不特定の者に対して、将来における契約者配当又は社員に対する剰余金の分配その他将来における金額が不確実な事項として大蔵省令で定めるものについて、断定的判断を示し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げ、若しくは表示する行為

 八 前各号に定めるもののほか、保険契約者等の保護に欠けるおそれがあるものとして大蔵省令で定める行為

2 前項第五号の規定は、保険会社が第四条第二項各号(外国保険会社等の場合にあっては、第百八十七条第三項各号)に掲げる書類に基づいて行う場合には、適用しない。

第三百一条 生命保険会社はその子損害保険会社等(第百七条に規定する子損害保険会社等をいい、外国生命保険会社等の場合にあっては、第百九十四条に規定する特殊関係者をいう。以下この条において同じ。)が行う保険契約の締結又は子損害保険会社等に係る保険募集に関して、損害保険会社はその子生命保険会社等(第百七条に規定する子生命保険会社等をいい、外国損害保険会社等の場合にあっては、第百九十四条に規定する特殊関係者をいう。以下この条において同じ。)が行う保険契約の締結又は子生命保険会社等に係る保険募集に関して、次に掲げる行為又は取引をしてはならない。

 一 当該子損害保険会社等又は当該子生命保険会社等を保険者とする保険契約の保険契約者又は被保険者に対して、特別の利益の提供を約し、又は提供する行為

 二 当該子損害保険会社等若しくは当該子生命保険会社等との間又は当該子損害保険会社等若しくは当該子生命保険会社等を保険者とする保険契約の保険契約者若しくは被保険者との間で行う行為又は取引のうち前号に掲げるものに準ずる行為又は取引で、保険募集の公正を害するおそれのあるものとして大蔵省令で定める行為又は取引

   第五章 監督

 (役員又は使用人の届出)

第三百二条 損害保険代理店又は保険仲立人は、その役員又は使用人に保険募集を行わせようとするときは、その者の氏名及び住所を大蔵大臣に届け出なければならない。届け出た事項について変更を生じたとき、又は届出に係る役員若しくは使用人が保険募集を行わないこととなったとき、若しくはこれらの者が死亡したときも、同様とする。

 (帳簿書類の備付け)

第三百三条 保険仲立人は、大蔵省令で定めるところにより、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿書類を備え、保険契約者ごとに保険契約の締結の年月日その他の大蔵省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

 (事業報告書の提出)

第三百四条 保険仲立人は、事業年度ごとに、大蔵省令で定めるところにより、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを大蔵大臣に提出しなければならない。

 (立入検査等)

第三百五条 大蔵大臣は、この法律の施行に必要な限度において、生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人に対し、その業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、当該生命保険募集人、損害保険代理店若しくは保険仲立人の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 (業務改善命令)

第三百六条 大蔵大臣は、生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人の業務の運営に関し、保険契約者等の利益を害する事実があると認めるときは、保険契約者等の保護のため必要な限度において、当該生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 (登録の取消し等)

第三百七条 大蔵大臣は、生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人が次の各号のいずれかに該当するときは、第二百七十六条若しくは第二百八十六条の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 一 生命保険募集人若しくは損害保険代理店が第二百七十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)、第十号若しくは第十一号のいずれかに該当することとなったとき、又は保険仲立人が第二百八十九条第一項第一号から第三号まで、第四号(この法律に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)、第五号、第七号、第八号(同項第六号に係る部分を除く。)、第九号(同項第六号に係る部分を除く。)若しくは第十号のいずれかに該当することとなったとき。

 二 不正の手段により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を受けたとき。

 三 この法律又はこの法律に基づく大蔵大臣の処分に違反したとき、その他保険募集に関し著しく不適当な行為をしたと認められるとき。

2 大蔵大臣は、生命保険募集人、損害保険代理店若しくは保険仲立人の事務所の所在地を確知できないとき、又は生命保険募集人、損害保険代理店若しくは保険仲立人の所在(法人である場合にあっては、その法人を代表する役員の所在)を確知できないときは、大蔵省令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人から申出がないときは、当該生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人の登録を取り消すことができる。

3 前項の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(不利益処分)の規定は、適用しない。

 (登録の抹消等)

第三百八条 大蔵大臣は、次に掲げる場合には、生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人の登録を抹消しなければならない。

 一 前条第一項又は第二項の規定により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を取り消したとき。

 二 第二百八十条第三項の規定により第二百七十六条の登録がその効力を失ったとき、又は第二百九十条第三項の規定により第二百八十六条の登録がその効力を失ったとき。

2 大蔵大臣は、前項の規定により生命保険募集人又は損害保険代理店に関する登録を抹消したときは、当該生命保険募集人又は損害保険代理店に係る所属保険会社にその旨を通知しなければならない。この場合において、当該所属保険会社は、第二百八十五条第一項に規定する原簿から当該生命保険募集人又は損害保険代理店に係る記載を消除しなければならない。

  第四編 雑則

 (保険契約の申込みの撤回等)

第三百九条 保険会社(外国保険会社等を含む。以下この条において同じ。)に対し保険契約の申込みをした者又は保険契約者(以下この条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその保険契約の申込みの撤回又は解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。

 一 申込者等が、大蔵省令で定めるところにより、保険契約の申込みの撤回等に関する事項を記載した書面を交付された場合において、その交付をされた日と申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して八日を経過したとき。

 二 申込者等が、営業若しくは事業のために、又は営業若しくは事業として締結する保険契約として申込みをしたとき。

 三 民法第三十四条(公益法人の設立)の規定に基づき設立された法人、特別の法律により設立された法人、法人でない社団若しくは財団で代表者若しくは管理人の定めのあるもの又は国若しくは地方公共団体が保険契約の申込みをしたとき。

 四 当該保険契約の保険期間が一年以下であるとき。

 五 当該保険契約が、法令により申込者等が加入を義務付けられているものであるとき。

 六 申込者等が保険会社、生命保険募集人、損害保険代理店又は保険仲立人の営業所、事務所その他の場所において保険契約の申込みをした場合その他の場合で、申込者等の保護に欠けるおそれがないと認められるものとして政令で定める場合

2 保険契約の申込みの撤回等は、当該保険契約の申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。

3 保険会社は、保険契約の申込みの撤回等があった場合には、申込者等に対し、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金その他の金銭の支払を請求することができない。ただし、第一項の規定による保険契約の解除の場合における当該解除までの期間に相当する保険料として大蔵省令で定める金額については、この限りでない。

4 保険会社は、保険契約の申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。ただし、第一項の規定による保険契約の解除の場合における当該保険契約に係る保険料の前払として受領した金銭のうち前項の大蔵省令で定める金額については、この限りはない。

5 生命保険募集人、損害保険代理店その他の保険募集を行う者は、保険契約につき申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。

6 保険仲立人その他の保険募集を行う者は、保険会社に保険契約の申込みの撤回等に伴い損害賠償その他の金銭を支払った場合において、当該支払に伴う損害賠償その他の金銭の支払を、申込みの撤回等をした者に対し、請求することができない。

7 保険契約の申込みの撤回等の当時、既に保険金の支払の事由が生じているときは、当該申込みの撤回等は、その効力を生じない。ただし、申込みの撤回等を行った者が、申込みの撤回等の当時、既に保険金の支払の事由の生じたことを知っているときは、この限りはない。

8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。

 (認可等の条件)

第三百十条 大蔵大臣は、この法律の規定による認可、許可又は承認(次項及び第三百十二条において「認可等」という。)に条件を付し、及びこれを変更することができる。

2 前項の条件は、認可等の趣旨に照らして、又は認可等に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。

 (検査職員の証票の携帯及び提示等)

第三百十一条 第百二十九条(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百一条(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百二十七条(第二百三十五条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百六十三条又は第三百五条の規定による立入り、質問又は検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

2 前項に規定する各規定による立入り、質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 (大蔵省令への委任)

第三百十二条 この法律に定めるもののほか、この法律による認可等に関する申請の手続、書類の提出の手続その他この法律を実施するため必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (権限の委任)

第三百十三条 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、この法律による権限の一部を財務局長又は財務支局長に行わせることができる。

 (経過措置)

第三百十四条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に従い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

  第五編 罰則

第三百十五条 第三条第一項の規定に違反して、大蔵大臣の免許を受けないで保険業を行った者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第三百十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第百八十六条第一項の規定に違反した者

 二 第百八十八条第一項の規定により付した条件に違反した者

第三百十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第五条第二項(第百八十七条第五項において準用する場合を含む。)又は第二百二十一条第二項の規定により付した条件に違反した者

 二 第百三十二条、第百三十三条、第二百四条、第二百五条、第二百三十条、第二百三十一条、第二百四十一条又は第三百七条第一項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者

 三 第百九十条第五項、第二百二十三条第五項又は第二百九十一条第五項の規定に違反した者

 四 第二百四十五条(第二百五十八条第二項において準用する場合を含む。)第二百五十条第五項又は第二百五十四条第四項の規定に違反して業務を行った者

 五 第二百七十五条各号に掲げる者でない者であって、保険募集を行った者

 六 不正の手段により第二百七十六条又は第二百八十六条の登録を受けた者

 七 第三百条第一項の規定に違反して同項第一号から第三号までに掲げる行為をした者

第三百十八条 第二百六十二条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第三百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 一 第百九十条第八項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかった者

 二 第二百二十三条第九項の規定に違反して、同項の不足額につき供託を行わなかった者

 三 第二百九十一条第八項の規定に違反して、同項の不足額につき保証金の供託を行わなかった者

第三百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 一 第百二条第一項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定による認可を受けてしなければならない事項を認可を受けないでした者

 二 第百十条(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百九十五条又は第三百四条の規定に違反して、これらの規定に規定する書類を提出せず、又はこれらの書類に記載すべき重要な事項を記載せず、若しくは重要な事項につき虚偽の記載をしてこれらの書類を提出した者

 三 第百二十八条第一項(第百七十九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第二項、第二百条第一項(第二百十二条第六項において準用する場合を含む。)若しくは第二項、第二百二十六条(第二百三十五条第六項において準用する場合を含む。)、第二百六十三条又は第三百五条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

 四 第百二十九条第一項(第百七十九条第二項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二項、第二百一条第一項(第二百十二条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第二項、第二百二十七条(第二百三十五条第六項及び第二百七十一条第三項において準用する場合を含む。)、第二百六十三条又は第三百五条の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

 五 第百七十九条第一項(第二百十二条第六項又は第二百三十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者

 六 第二百七十七条第一項の登録申請書若しくは同条第二項の書類又は第二百八十七条第一項の登録申請書若しくは同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者

 七 第三百三条の規定に違反して、帳簿書類を備えず、これに同条に規定する事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又はこれを保存しなかった者

 八 第三百六条の規定による命令に違反した者

第三百二十一条 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第三百十五条から第三百十七条まで又は前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各条の罰金刑を科する。

2 法人でない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその法人でない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第三百二十二条 保険会社の保険管理人若しくは保険計理人又は相互会社の発起人、第百七十三条第一項において準用する商法第五十六条第三項の設立委員、取締役、監査役、第二十七条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者若しくは支配人その他事業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人が、自己若しくは第三者の利益を図り又は保険会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該保険会社に財産上の損害を加えたときは、七年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 相互会社の清算人、第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第一項において準用する同法第百二十三条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者、第百五十一条において準用する同法第三百九十一条第一項の整理委員、第百五十一条において準用する同法第三百九十七条第一項の監督員又は第百五十一条において準用する同法第三百九十八条第一項の管理人が、自己若しくは第三者の利益を図り又は相互会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該相互会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。

3 前二項の未遂は、罰する。

第三百二十三条 相互会社又は外国相互会社の社債権者集会の代表者又はその決議を執行する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 前項の未遂は、罰する。

第三百二十四条 保険業を営む株式会社(以下この編において「株式会社」という。)の保険管理人又は保険計理人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれに併科する。

 一 商法第二百八十条ノ二第一項第三号に掲げる事項について、裁判所又は株主総会に対して虚偽の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたとき。

 二 何人の名義をもってするかを問わず、株式会社の計算において不正にその株式を取得し、又は質権の目的としてこれを受けたとき。

 三 法令又は定款の規定に違反して、利益若しくは利息の配当又は商法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配をしたとき。

 四 株式会社の目的の範囲外において、投機取引のために株式会社の財産を処分したとき。

2 相互会社の保険管理人、保険計理人、発起人、第百七十三条第一項において準用する商法第五十六条第三項の設立委員、取締役、監査役、第二十七条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者、支配人その他事業に関するある種類若しくは特定の事項の委任を受けた使用人又は検査役は、次の各号のいずれかに該当する場合には、前項と同一の刑に処する。

 一 相互会社の設立の場合において社員の数、基金の総額の引受け若しくは基金の拠出に係る払込みについて、又は第二十二条第三項各号に掲げる事項について、裁判所又は創立総会に対して虚偽の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたとき。

 二 法令又は定款の規定に違反して、基金の償却、基金利息の支払又は剰余金の分配をしたとき。

 三 相互会社の目的の範囲外において、投機取引のために相互会社の財産を処分したとき。

3 相互会社が株式会社に組織変更する場合において、相互会社の保険管理人、取締役、監査役、第二十七条第三項において準用する商法第六十七条ノ二の職務代行者又は第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者が、第九十条第一項の純資産額について大蔵大臣又は社員総会若しくは総代会に対して虚偽の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたときは、三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

4 株式会社が相互会社に組織変更する場合において、株式会社の保険管理人、取締役、商法第百八十八条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の取締役の職務代行者、同法第二百五十八条第二項の職務代表者若しくは検査役又は相互会社の取締役若しくは監査役となるべき者が、基金の総額の引受け若しくは基金の拠出に係る払込みについて、保険契約者総会又は保険契約者総代会に対して虚偽の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたときも、前項と同様とする。

第三百二十五条 第三百二十二条第一項に規定する者、外国相互会社の日本における代表者若しくは外国保険会社等若しくは免許特定法人の引受社員の保険管理人又は基金若しくは相互会社若しくは外国相互会社の社債の募集の委託を受けた者が、株式、基金又は社債の募集に当たり、重要な事項について不実の記載のある株式申込証、基金拠出申込証、社債申込証、目論見書、株式、基金又は社債の募集の広告その他株式、基金又は社債の募集に関する文書を行使したときは、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 相互会社又は外国相互会社の社債の売出しを行う者が、その売出しに関する文書であって、重要な事項について不実の記載のあるものを行使したときも、前項と同様とする。

第三百二十六条 第三百二十二条第一項に規定する者が、基金の拠出に係る払込み又は株式の払込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。預合いに応じた者も、同様とする。

第三百二十七条 株式会社の保険管理人が、株式会社が発行する株式の総数を超えて株式を発行したときは、五年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

第三百二十八条 第三百二十二条若しくは第三百二十三条に規定する者又は相互会社の検査役若しくは第百八十四条において準用する商法第四百四十四条第一項の監査委員が、その職務に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。

3 第一項の場合において、収受した財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第三百二十九条 相互会社の会計監査人が、その職務に関し、不正の請託を受けて、賄 賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 相互会社の会計監査人が監査法人である場合においては、相互会社の会計監査人の職務を行う社員が、その職務に関し、不正の請託を受けて、賄 賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。相互会社の会計監査人が監査法人である場合において、その社員が、相互会社の会計監査人の職務に関し、不正の請託を受けて、相互会社の会計監査人に賄賂を収受させ、又はその供与を要求し、若しくは約束をしたときも、同様とする。

3 前二項に規定する賄 賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、第一項と同様とする。

4 第一項又は第二項の場合において、収受した賄 賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第三百三十条 次に掲げる事項に関し、不正の請託を受けて、財産上の利益を収受し、又はその要求若しくは約束をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 一 相互会社の創立総会、創立総代会、社員総会、総代会、社債権者集会若しくは債権者集会、株式会社が第六十八条第一項の組織変更をする場合の保険契約者総会若しくは保険契約者総代会又は外国相互会社の社債権者集会若しくは債権者集会における発言又は議決権の行使

 二 第二十六条第四項において準用する商法第百八十条第三項において準用する同法第二百四十七条第一項若しくは第二百五十二条の規定、第三十条において準用する同法第百九十六条において準用する同法第二百六十七条第二項若しくは第三項若しくは第二百六十八条ノ三第一項の規定、第四十一条若しくは第四十九条において準用する同法第二百四十七条第一項若しくは第二百五十二条の規定、第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十七条第三項、第二百六十七条第二項若しくは第三項若しくは第二百六十八条ノ三第一項の規定、第五十九条第一項において準用する同法第二百九十四条ノ二第四項において準用する第五十一条第二項において準用する同法第二百六十七条第二項若しくは第三項若しくは第二百六十八条ノ三第一項の規定、第六十条第四項において準用する同法第二百八十条ノ十五の規定、第七十三条第三項(第七十六条第五項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百八十条第三項において準用する同法第二百四十七条第一項若しくは第二百五十二条の規定、第八十四条第一項(第九十六条において準用する場合を含む。)及び第八十四条第二項(第九十六条において準用する場合を含む。)において準用する同法第四百十五条の規定、第百五十一条において準用する同法第三百九十四条第一項の規定、第百七十三条第一項において準用する同法第百四条第一項及び第四百十五条の規定、第百八十三条第一項において準用する同法第四百二十八条第一項の規定、第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する同法第二百六十七条第二項若しくは第三項若しくは第二百六十八条ノ三第一項の規定若しくは第百八十四条において準用する同法第四百五十四条第三項において準用する同法第三百九十四条第一項の規定による訴えの提起又は第五十一条第二項において準用する同法第二百六十八条第二項の規定による訴訟参加

 三 社員総数の千分の五、千分の三若しくは千分の一以上に相当する数若しくは三千名若しくは千名以上の社員、九名若しくは三名以上の総代又は相互会社における社債総額の十分の一以上に当たる社債権者の権利の行使

 四 第五十一条第二項において準用する商法第二百七十二条の規定、第百五十一条において準用する同法第三百八十一条第一項の規定、第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する第二百七十二条の規定又は第百八十四条において準用する同法第四百三十一条第一項、第四百三十九条第二項若しくは第四百五十二条第一項の規定による権利の行使

2 前項の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者も、同項と同様とする。

3 第一項の場合において、収受した財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

第三百三十一条 保険会社の保険管理人又は相互会社の取締役、監査役、第二十七条第三項において準用する商法第六十七条ノ二の職務代行者、第五十一条第二項若しくは第五十三条第二項において準用する同法第二百五十八条第二項の職務代行者若しくは支配人その他の使用人が、株主又は社員若しくは総代の権利の行使に関し、保険会社の計算において財産上の利益を供与したときは、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者に供与させた者も、同項と同様とする。

第三百三十二条 第三百二十二条から第三百二十七条まで、第三百二十八条第一項、第三百三十条第一項又は前条第一項に規定する者が法人であるときは、これらの規定は、その行為をした取締役その他業務を執行する役員又は支配人に適用する。

第三百三十三条 保険会社の発起人、設立委員、取締役、監査役、検査役、会計監査人若しくはその職務を行う社員、清算人、第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人、商法第三百九十一条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の整理委員、同法第三百九十七条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の監督員、同法第三百九十八条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の管理人、同法第四百四十四条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の監査委員、名義書換代理人、社債管理会社、事務を承継すべき社債管理会社、社債権者集会の代表者若しくはその決議を執行する者、第二十七条第三項若しくは同法第百八十八条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、同法第四百三十条第一項(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百二十三条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、同法第二百五十八条第二項(第五十一条第二項、第五十三条第二項並びに同法第二百八十条第一項及び第四百三十条第二項(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の職務代行者若しくは支配人、外国保険会社等の日本における代表者、清算人、第二百十一条において準用する第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人若しくは支配人、免許特定法人及び引受社員を日本において代表する者又は外国保険会社等と第百九十条第三項の契約を締結した者若しくは免許特定法人と第二百二十三条第三項の契約を締結した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

 一 第八条(第百九十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して他の会社の常務に従事したとき。

 二 第九条、第二十三条第二項、第二十五条第二項若しくは第六十条第二項の規定、第六十一条第二項において準用する商法第三百一条第二項の規定又は第七十七条第二項の規定に違反して、株式申込証、新株引受権証書、基金拠出申込証、入社申込証若しくは社債申込証を作成せず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは不実の記載をしたとき。

 三 この法律又はこの法律において準用する商法に定める登記を怠ったとき。

 四 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類の閲覧若しくは謄写又はその謄本若しくは抄本の交付を拒んだとき。

 五 第十四条、第五十四条、第五十六条、第五十七条若しくは第九十一条第一項の規定、同条第二項において準用する商法第二百八十八条ノ二第三項の規定又は第百十二条第二項若しくは第百十五条(これらの規定を第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、準備金若しくは積立金を積み立てず、又はこれらを取り崩したとき。

 六 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法に定める公告若しくは通知をすることを怠り、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。

 七 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法の規定に違反して、第二十一条第一項において準用する商法第三十二条第一項の会計帳簿若しくは貸借対照表、定款、創立総会、創立総代会、社員総会、総代会、取締役会、監査役会、保険契約者総会、保険契約者総代会、社債権者集会若しくは債権者集会の議事録、社員の名簿、第四十一条において準用する商法特例法第二十一条の二若しくは第四十八条に規定する書類、第五十九条第一項において準用する商法第二百八十一条第一項の書類、監査報告書、社債原簿若しくはその複本、第百八十三条第一項において準用する同法第四百十九条第一項若しくは第四百二十条第一項の書類、第百八十三条第一項において準用する同法第四百二十七条第一項の決算報告書又は第百八十四条において準用する同法第四百四十三条の書類に記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

 八 第二十三条第四項(第七十七条第三項において準用する増合を含む。)又は第六十条第四項において準用する商法第百七十五条第四項の規定に違反して、書面を交付せず、これに記載すべき事項を記載せず、又は不実の記載をしたとき。

 九 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法に定める検査又は調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。

 十 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法に定める事項について、官庁、裁判所、創立総会、創立総代会、社員総会、総代会、保険契約者総会、保険契約者総代会、社債権者集会又は債権者集会に対し不実の申立てを行い、又は事実を隠ぺいしたとき。

 十一 第二十六条第四項若しくは第七十三条第三項(第七十六条第五項において準用する場合を含む。)において準用する商法第百八十条第三項において準用する同法第二百三十七条ノ三の規定、第四十一条若しくは第四十九条において準用する同法第二百三十七条ノ三の規定、第百七十三条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)において準用する同法第四百十三条第三項において準用する同法第百八十条第三項において準用する同法第二百三十七条ノ三の規定又は第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する同法第二百三十七条ノ三の規定に違反して、正当な理由がないのに、創立総会、創立総代会、社員総会、総代会、保険契約者総会又は保険契約者総代会において、社員になろうとする者、社員、総代又は保険契約者の求めた事項について説明をしないとき。

 十二 第三十八条第一項又は第四十五条第一項(これらの規定を第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による請求があった場合に、その請求に係る事項を会議の目的としないとき。

 十三 第四十条第二項、第四十七条第二項若しくは第百八十三条第一項において準用する商法第二百三十七条ノ二第三項の規定若しくは第五十九条第一項において準用する同法第二百九十四条第二項において準用する同法第二百三十七条ノ二第三項の規定による裁判所の命令若しくは第四十一条若しくは第四十九条において準用する同法第二百三十三条若しくは第二百三十四条第一項の規定に違反して、社員総会若しくは総代会を招集し、若しくは招集せず、又は定款に定めた地以外の地においてこれらを招集したとき。

 十四 この法律又はこの法律において準用する商法若しくは商法特例法の規定に違反して、帳簿又は書類を備え置かないとき。

 十五 第四十一条において準用する商法特例法第二十一条の二若しくは第二十一条の三第二項の規定、第四十八条の規定又は第五十九条第一項において準用する商法特例法第十五条において準用する同項において準用する商法第二百八十三条第二項の規定に違反して、社員総会若しくは総代会の招集の通知に書類又は書面を添付しなかったとき。

 十六 この法律において準用する商法若しくは商法特例法の規定又は定款に定めた取締役又は監査役の員数を欠くこととなった場合において、その選任手続をすることを怠ったとき。

 十七 第五十一条第二項において準用する商法第二百六十四条第二項の規定、第五十一条第二項において準用する同法第二百六十五条第三項において準用する同法第二百六十四条第二項の規定又は第百八十三条第一項において準用する同法第四百三十条第二項において準用する同法第二百六十五条第三項において準用する同法第二百六十四条第二項の規定に違反して、これらの規定に規定する事実を取締役会又は清算人会に報告せず、又は不実の報告をしたとき。

 十八 第五十九条第一項において準用する商法特例法第三条第一項又は第六条の四第一項の規定に違反して、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の選任手続をしなかったとき。

 十九 第五十九条第一項において準用する商法特例法第十八条第一項の規定に違反して、同項に規定する者に該当する者を監査役に選任しなかったとき。

 二十 第五十九条第一項において準用する商法特例法第十八条第二項に規定する常勤の監査役を定める手続をしなかったとき。

 二十一 第六十一条第二項において準用する商法第二百九十七条の規定に違反して社債を募集し、又は同項において準用する同法第三百十四条第一項の規定に違反して、事務を承継すべき社債管理会社を定めなかったとき。

 二十二 第六十一条第二項において準用する商法第三百六条第一項の規定に違反して債券を発行したとき。

 二十三 第六十九条、第七十七条又は第八十六条の規定に違反して組織変更の手続をしたとき。

 二十四 第九十八条第二項又は第九十九条第四項前段若しくは第五項(これらの規定を第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、認可を受けないでこれらの規定に規定する業務を行ったとき。

 二十五 第九十九条第四項後段(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による認可を受けないで同項後段に規定する業務の内容又は方法を変更したとき。

 二十六 第百条(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して他の業務を行ったとき。

 二十七 第百十六条又は第百十七条(これらの規定を第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、責任準備金又は支払備金を積み立てなかったとき。

 二十八 第百十八条第二項(第百九十五条において準用する場合を含む。)の規定に違反して同項各号に掲げる行為をしたとき。

 二十九 第百二十条第一項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、保険計理人の選任手続をせず、若しくは第百二十条第二項(第百九十九条において準用する場合を含む。)の大蔵省令で定める要件に該当する者でない者を保険計理人に選任し、又は第百二十条第三項(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して、同項の規定による届出をしなかったとき。

 三十 第百二十二条(第百九十九条において準用する場合を含む。)、第百九十条第四項、第二百二十三条第四項、第二百四十二条第三項若しくは第二百五十八条第一項の規定による命令又は第百三十二条、第二百四条、第二百三十条若しくは第二百四十一条の規定による命令(業務の全部又は一部の停止の命令を除く。)に違反したとき。

 三十一 第百二十三条第一項(第二百七条において準用する場合を含む。)又は第二百二十五条第一項の規定による認可を受けないで、これらの規定に規定する書類に定めた事項の変更をしたとき。

 三十二 第百二十三条第二項(第二百七条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十五条第二項の規定による届出をせず、又は第百二十五条第一項(第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)に規定する期間(第百二十五条第二項又は第三項(これらの規定を第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定により当該期間が短縮され、又は延長された場合にあっては、当該短縮又は延長後の期間)内に第百二十三条第一項(第二百七条において準用する場合を含む。)若しくは第二百二十五条第一項の大蔵省令で定める事項を変更したとき。

 三十三 第百二十五条第四項(第二百七条及び第二百二十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定による変更又は届出の撤回の命令に違反したとき。

 三十四 第百二十七条、第二百九条、第二百十八条第一項、第二百三十四条又は第二百三十九条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 三十五 第百三十条第一項、第二百二条第一項若しくは第二百二十八条第一項の規定に違反して、改善計画の提出をしなかったとき、又は第百三十条第二項、第二百二条第二項若しくは第二百二十八条第二項の規定による改善計画の変更の命令に違反したとき。

 三十六 第百三十一条、第二百三条又は第二百二十九条の規定による命令に違反したとき。

 三十七 第百三十六条(第二百十条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して保険契約の移転の手続をしたとき。

 三十八 第百三十八条(第二百十条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して保険契約の締結をしたとき。

 三十九 第百五十一条において準用する商法第三百八十六条の規定又は第百八十四条において準用する同法第四百三十二条、第四百三十七条若しくは第四百五十四条第一項の規定による裁判所の財産保全の処分に違反したとき。

 四十 第百七十三条第一項において準用する商法第百条の規定に違反して合併をしたとき。

 四十一 第百七十四条第一項、第三項若しくは第六項、第二百十二条第二項若しくは第二百三十五条第二項の規定により大蔵大臣が選任した清算人、第二百四十二条第二項の規定により大蔵大臣が選任した保険管理人、第百五十一条において準用する商法第三百九十八条第一項の規定により裁判所が選任した管理人又は第百八十四条において準用する同法第四百三十五条第二項の規定により裁判所が選任した清算人に事務の引渡しをしないとき。

 四十二 第百七十六条の規定に違反して、同条に規定する書類を提出せず、又は不実の記載をした書類を提出したとき。

 四十三 第百八十一条の規定に違反して財産を処分したとき。

 四十四 第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第一項において準用する同法第百二十四条第三項において準用する民法第八十一条第一項の規定に違反して、破産宣告の請求をすることを怠り、又は第百八十四条において準用する商法第四百三十一条第二項の規定に違反して、特別清算開始の申立てをすることを怠ったとき。

 四十五 清算の終了を遅延させる目的をもって、第百八十三条第一項において準用する商法第四百二十一条第一項の期間を不当に定めたとき。

 四十六 第百八十三条第一項において準用する第百七十八条の規定により読み替えて適用する商法第四百二十三条の規定又は第百八十四条において準用する同法第四百三十八条の規定に違反して債務の弁済をしたとき。

 四十七 第百八十四条において準用する商法第四百四十五条第一項又は第二項の規定に違反したとき。

 四十八 第二百十三条第一項において準用する商法第四百八十四条の規定による裁判所の命令に違反したとき。

 四十九 第二百十八条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

 五十 第二百四十三条第二項の規定に違反して、正当な理由がないのに、保険管理人となることを拒否したとき。

 五十一 第百九十七条の規定に違反して、同条に規定する合計額に相当する資産を日本において保有しないとき。

 五十二 第二百四十八条第一項の規定により同項に規定する管理を命ずる処分が取り消されたにもかかわらず、第二百四十二条第一項に規定する被管理会社の取締役又は清算人に事務の引渡しをしないとき。

 五十三 第三百十条第一項の規定により付した条件に違反したとき。

2 株式会社の保険管理人又は外国保険会社等の保険管理人は、商法第四百九十八条第一項各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

第三百三十四条 保険金信託業務を行う生命保険会社の取締役、清算人、第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人、商法第三百九十一条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の整理委員、同法第三百九十七条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の監督員、同法第三百九十八条第一項(第百五十一条において準用する場合を含む。)の管理人、同法第四百四十四条第一項(第百八十四条において準用する場合を含む。)の監査委員、第二十七条第三項若しくは同法第百八十八条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、同法第四百三十条第一項(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第百二十三条第三項において準用する同法第六十七条ノ二の職務代行者、同法第二百五十八条第二項(第五十一条第二項、第五十三条第二項並びに同法第二百八十条第一項及び第四百三十条第二項(第百八十三条第一項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の職務代行者若しくは支配人又は保険金信託業務を行う外国生命保険会社等の日本における代表者、清算人、第二百十一条において準用する第百四十四条第一項に規定する受託会社、保険管理人若しくは支配人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。

 一 第九十九条第七項前段(第百九十九条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、認可を受けないで保険金信託業務を行ったとき。

 二 第九十九条第七項後段(第百九十九条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による認可を受けないで同項後段に規定する保険金信託業務の方法を変更したとき。

 三 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第七条の規定に違反したとき。

 四 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第九条の規定又は同条の規定に基づく命令に違反して信託につき補てん又は補足の契約を行ったとき。

 五 第九十九条第八項(第百九十九条において準用する場合を含む。)において準用する信託業法第十条の規定に違反して信託財産を固有財産としたとき。

 六 信託法第二十八条の規定に違反して、同条の規定により行うべき信託財産の管理を行わないとき。

 七 信託法第三十九条の規定に違反して、同条第一項に規定する事務の処理若しくは計算を行わず、又は同条第二項に規定する財産目録を作成しないとき。

 八 信託法第四十条の規定に違反して、正当な理由がないのに、同条第一項若しくは第二項に規定する書類の閲覧を拒み、又は信託事務の処理についての説明を行わないとき。

第三百三十五条 第七条第二項の規定に違反した者は、百万円以下の過料に処する。

第三百三十六条 保険契約者保護基金の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。

 一 第二百六十条第三項の規定に違反して、同項に規定する名簿を公衆の縦覧に供しないとき。

 二 第二百六十四条の規定による命令に違反したとき。

 三 第二百六十九条第二項又は第二百七十条第三項の規定による報告をしなかったとき。

第三百三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。

 一 第百八十六条第二項の規定に違反して、許可を受けないで同項に規定する保険契約の申込みをした者

 二 第二百八十条第一項、第二百九十条第一項又は第三百二条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 三 第二百九十一条第四項又は第二百九十二条第二項の規定による命令に違反して、供託しなかった者

第三百三十八条 不正の競争の目的をもって相互会社が登記した名称と同一若しくは類似の商号若しくは名称を使用した者又は不正の目的をもって他の相互会社の事業と誤認させる名称を使用した相互会社若しくは不正の目的をもって相互会社の事業であると誤認させる商号若しくは名称を使用した者(相互会社を除く。)は、二十万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第百六条の規定は、公布の日から施行する。

 (保険募集の取締に関する法律等の廃止)

第二条 次に掲げる法律は、廃止する。

 一 保険募集の取締に関する法律(昭和二十三年法律第百七十一号)

 二 外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)

 (免許に関する経過措置)

第三条 この法律の施行の際現に改正前の保険業法(以下「旧法」という。)第一条第一項の主務大臣の免許を受けている者(旧法第百五十九条又は旧法以外の法律若しくはこれに基づく命令の規定(次項において「旧法第百五十九条等の規定」という。)により旧法第一条第一項の主務大臣の免許を受けたものとみなされる者を含む。)は、この法律の施行の際に改正後の保険業法(以下「新法」という。)第三条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。

2 前項の規定により同項に規定する者(以下「旧法の免許を受けた保険会社」という。)が受けたものとみなされる新法第三条第一項の大蔵大臣の免許は、その者に係る旧法第一条第一項の免許(旧法第百五十九条等の規定により受けたものとみなされる場合における当該免許を含む。)が旧法の生命保険事業又は損害保険事業のいずれを営むことにつき受けた免許であるかの区分に応じ、それぞれ新法第三条第四項の生命保険業免許又は同条第五項の損害保険業免許とする。

第四条 旧法の免許を受けた保険会社に係る旧法第一条第二項第一号から第四号までに掲げる書類でこの法律の施行の際現に主務大臣に提出されているものは、新法第四条第二項各号のうちそのそれぞれに相当する号に掲げる書類(旧法第一条第二項第四号に掲げる書類にあっては、新法第四条第二項第四号に掲げる書類)とみなす。

 (資本の額又は基金の総額に関する経過措置)

第五条 新法第六条第一項の規定は、旧法の免許を受けた保険会社で、この法律の施行の際現にその資本の額又は基金(旧法第六十五条の規定による積立金を含む。)の総額が同項の政令で定める額を下回っているものについては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して五年を経過する日(当該五年を経過する日までに当該旧法の免許を受けた保険会社が新法第七十九条第一項又は第九十三条第一項の大蔵大臣の認可を受けたときは、当該認可に係る組織変更の日)までの間は、適用しない。

2 前項の規定の適用を受ける旧法の免許を受けた保険会社が相互会社であるときは、同項の期間において、基金(新法第五十六条の基金償却積立金(次項及び附則第三十九条の規定により当該基金償却積立金として積み立てられたものとみなされるものを含む。)を含む。)の総額が新法第六条第一項の政令で定める額に達するまでは、新法第五十五条第二項に定める基金の償却又は剰余金の分配に充てることのできる金額の全部又は一部を積立金として積み立てることができる。

3 前項の規定により積み立てられた積立金は、新法第五十六条の基金償却積立金として積み立てられたものとみなす。

 (商号又は名称に関する経過措置)

第六条 新法第七条第二項の規定は、この法律の施行の際現に保険会社であると誤認されるおそれのある文字を用いている者については、施行日から起算して六月間は、適用しない。

 (株式申込証に関する経過措置)

第七条 新法第九条第一項の規定は、施行日以後に発起人が株主の募集に着手する場合における商法第百七十五条第一項(株式の申込みの方式)の株式申込証について適用し、施行日前に発起人が株主の募集に着手した場合における当該株式申込証については、なお従前の例による。

2 新法第九条第二項において準用する同条第一項の規定は、施行日以後に商法第二百八十条ノ二(新株発行事項の決定)の規定による新株の発行に関する取締役会又は株主総会の決議をする場合における同法第二百八十条ノ六(株式申込証)の株式申込証又は同法第二百八十条ノ六ノ二第一項(新株引受権証書)の新株引受権証書について適用する。

 (取締役の欠格事由等に関する経過措置)

第八条 新法第十二条第一項の規定により読み替えて適用する商法第二百五十四条ノ二第三号(取締役の欠格事由)(同法第二百八十条第一項(監査役)及び第四百三十条第二項(清算人)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧法の規定(この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧法の規定を含む。)により刑に処せられた者は、その処分を受けた日において、新法の規定により刑に処せられたものとみなす。

 (利益準備金に関する経過措置)

第九条 新法第十四条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る利益準備金の積立てについて適用する。

 (配当の制限等に関する経過措置)

第十条 新法第十五条の規定は、施行日以後に開催される取締役会又は株主総会の決議に係る利益の配当若しくは商法第二百九十三条ノ五第一項(中間配当)の金銭の分配又は同法第二百十二条第一項ただし書若しくは第二百十二条ノ二第一項(株式の消却)の株式の消却について適用し、施行日前に開催された取締役会又は株主総会の決議に係る利益の配当又は同法第二百九十三条ノ五第一項の金銭の分配については、なお従前の例による。

 (株主の帳簿閲覧権の否認に関する経過措置)

第十一条 新法第十六条の規定は、施行日前に株主が商法第二百九十三条ノ六第一項(株主の帳簿閲覧権)の会計の帳簿及び書類の閲覧又は謄写の請求をした場合については、適用しない。

 (資本の減少に関する経過措置)

第十二条 新法第十七条の規定は、施行日以後にされる株主総会の決議に係る資本の減少について適用し、施行日前にされた株主総会の決議に係る資本の減少については、なお従前の例による。

 (保険契約者等の先取特権に関する経過措置)

第十三条 この法律の施行の際現に存する旧法第三十二条の規定による先取特権又は旧法第三十三条の規定による権利については、なお従前の例による。

 (相互会社に関する経過措置)

第十四条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社は、新法の規定による相互会社とみなす。

 (相互会社の取締役等の行為に関する経過措置)

第十五条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の発起人、取締役、代表取締役、監査役、会計監査人又は清算人が施行日前にした又はするべきであった旧法において準用する商法又は商法特例法に規定する行為については、この附則に別段の定めがあるものを除くほか、当該行為をした又はするべきであった日に、それぞれ新法の規定による相互会社の発起人、取締役、代表取締役、監査役、会計監査人又は清算人がした又はするべきであった新法において準用する商法又は商法特例法の相当の規定に規定する行為とみなす。

 (相互会社の支配人等の行為等に関する経過措置)

第十六条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が旧法第四十二条において準用する商法第三十七条(支配人の選任)の規定により選任した支配人(旧法第四十二条において準用する商法第四十二条(表見支配人)又は第四十三条(ある種類又は特定の委任を受けた使用人)に規定する使用人を含む。)の施行日前における行為その他当該支配人に係る事項については、当該事項のあった日に、新法の規定による相互会社が新法第二十一条第一項において準用する商法第三十七条の規定により選任した支配人(同項において準用する同法第四十二条又は第四十三条に規定する使用人を含む。)に係る事項があったものとみなして、同項において準用する同法第三十八条から第四十三条まで(商業使用人)の規定を適用する。

2 新法第二十一条第一項において準用する商法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条(代理商)の規定の適用については、旧法の規定による相互会社についての旧法第四十二条において準用する商法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条に規定する施行日前の行為その他の事項は、当該行為その他の事項のあった日における新法の規定による相互会社についての行為その他の事項とみなす。

3 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の社員、債権者その他の利害関係人が旧法において準用する商法第五十八条(解散命令)その他同法の規定に基づいて施行日前にした旧法の規定による相互会社に係る裁判所への請求及び当該請求に係る施行日前の裁判所の命令は、この附則に別段の定めがある場合を除くほか、当該請求又は当該命令があった日に新法において準用する商法の相当の規定に基づいてされた新法の規定による相互会社に係る裁判所への請求又は裁判所の命令とみなす。

 (相互会社の商業帳簿等に関する経過措置)

第十七条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が旧法において準用する商法の規定に基づいて施行日前に作成した商業帳簿、計算書類その他の会計又は経理に関する書類は、その作成した日に、新法の規定による相互会社が新法において準用する商法の相当の規定に基づいて作成したものとみなす。

 (相互会社の設立に関する経過措置)

第十八条 新法第二編第二章第二節第二款の規定は、施行日以後に新法第二十二条第四項において準用する商法第百六十七条(定款の認証)の規定による認証を受けた定款に係る相互会社の設立の手続並びに施行日以後にする相互会社の設立の登記及びその申請について適用し、施行日前に旧法第四十二条において準用する商法第百六十七条の規定による認証を受けた定款に係る相互会社の設立(設立の登記及びその申請を除く。)については、なお従前の例による。

 (相互会社の定款に関する経過措置)

第十九条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社及び前条の規定によりその設立についてなお従前の例によることとされる相互会社の定款の旧法第三十四条第一号から第九号までに掲げる事項の記載は、新法第二十二条第二項第一号から第八号まで及び第三項第二号のうちそのそれぞれに相当する号に掲げる事項(旧法第三十四条第一号に掲げる事項にあっては、新法第二十二条第二項第一号に掲げる事項)の記載とみなし、当該定款に旧法第三十四条第十号に掲げる事項の記載があるときは、その記載は、ないものとみなす。

 (設立の登記の申請に関する経過措置)

第二十条 新法第二十八条第二号の規定は、附則第十八条の規定によりその設立についてなお従前の例によることとされる相互会社が設立の登記を申請する場合については、適用しない。

 (相互会社の発起人の責任を追及する訴えに関する経過措置)

第二十一条 新法第三十条において準用する商法第百九十六条(発起人に対する責任の免除及び代表訴訟)において準用する同法第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役の責任を追及する訴え)の規定は、施行日以後に社員が新法第三十条において準用する商法第百九十六条において準用する同法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求する場合又は新法第三十条において準用する商法第百九十六条において準用する同法第二百六十七条第三項の訴えを提起する場合について適用し、施行日前に社員が旧法第四十一条において準用する旧法第五十七条第一項の訴えの提起を請求した場合又は旧法第四十一条において準用する旧法第五十七条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起した場合については、なお従前の例による。

 (保険料の払込みに係る相殺に関する経過措置)

第二十二条 社員が施行日前に払い込むべきであった旧法第四十五条に規定する保険料の払込みに係る相殺については、なお従前の例による。

 (通知及び催告に関する経過措置)

第二十三条 新法第三十二条の規定は、施行日以後に発する同条第一項本文の通知又は催告について適用し、施行日前に発した旧法第五十条本文の通知又は催告については、なお従前の例による。

 (退社員に関する経過措置)

第二十四条 新法第三十五条及び第三十六条の規定は、施行日以後の退社員について適用し、施行日前の退社員については、なお従前の例による。

 (社員及び総代の議決権に関する経過措置)

第二十五条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の定款に、旧法第五十二条ただし書(旧法第五十一条第二項において準用する場合を含む。)に規定する別段の定めが記載されているときは、その記載はないものとみなす。

 (社員総会に関する提案権等に関する経過措置)

第二十六条 新法第三十八条から第四十条までの規定は、施行日以後に社員がこれらの規定に規定する事項について請求する場合について適用し、施行日前に旧法第五十二条ノ二第一項、第五十三条第一項又は第五十三条ノ二第一項の規定による請求がされた場合については、なお従前の例による。

 (社員総会等の決議に関する経過措置)

第二十七条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の社員総会(旧法第五十一条第一項に規定するこれに代わるべき機関を含む。)が旧法において準用する商法又は商法特例法の規定に基づいて施行日前にした取締役又は監査役の選任その他の事項に関する決議は、この附則に別段の定めがあるものを除き、当該決議があった日において、新法の規定による相互会社の社員総会又は附則第二十九条の規定により新法第四十二条第一項の総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関が新法において準用する商法の相当の規定に基づいてした決議とみなす。

 (社員総会に係る商法等の準用に関する経過措置)

第二十八条 新法第四十一条において準用する商法及び商法特例法の規定は、施行日以後に同条において準用する商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の招集の通知が発せられる社員総会について適用し、施行日前に旧法第五十四条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられた社員総会については、なお従前の例による。

2 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の定款に旧法第五十二条ノ二第一項ただし書、第五十三条第一項ただし書又は第五十三条ノ二第一項ただし書の規定により他の標準が定められている場合において、その定められている社員総数のうちの社員の数の割合又は社員の数がそれぞれ新法第三十八条第一項、第三十九条第一項又は第四十条第一項に規定する社員総数のうちの社員の数の割合又は社員の数を超えているときは、その記載はないものとみなす。

 (総代会の設置等に関する経過措置)

第二十九条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が旧法第五十一条第一項に規定する機関を設けている場合において、同項の定款の定めが新法第四十二条第二項及び第三項の規定に適合するときは、当該機関を同条第一項の総代会とみなす。

2 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が旧法第五十一条第一項に規定する機関を設けている場合において、同項の定款の定めが新法第四十二条第二項及び第三項の規定に適合しないときは、施行日から起算して一年を経過する日までの間に限り、当該機関を同条第一項の総代会とみなす。

3 前項の場合において、同項に規定する旧法の規定による相互会社が、同項に規定する期間内に新法第四十二条第二項及び第三項の規定に適合するようにその定款を変更したときは、当該旧法の規定による相互会社の旧法第五十一条第一項に規定する機関は、当該期間の経過後においても、新法第四十二条第一項の総代会とみなす。

4 前三項の規定により新法第四十二条第一項の総代会とみなされた機関の構成員は、同項の総代とみなす。

 (総代会の決議の方法等に関する経過措置)

第三十条 新法第四十三条及び第四十四条の規定は、施行日以後に新法第四十九条において準用する商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の招集の通知が発せられる新法第四十二条第一項の総代会(前条の規定により総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関を含む。)について適用し、施行日前に旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十四条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられた前条第一項又は第二項の規定により新法第四十二条第一項の総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関については、なお従前の例による。

 (総代会に関する提案権等に関する経過措置)

第三十一条 新法第四十五条から第四十七条までの規定は、施行日以後に社員又は新法第四十二条第一項の総代(附則第二十九条第四項の規定により新法第四十二条第一項の総代とみなされる者を含む。)が新法第四十五条第一項、第四十六条第一項又は第四十七条第一項に規定する事項について請求する場合について適用し、施行日前に旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十二条ノ二第一項、第五十三条第一項又は第五十三条ノ二第一項の規定による請求がされた場合については、なお従前の例による。

2 附則第二十八条第二項の規定は、この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の定款に旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十二条ノ二第一項ただし書、第五十三条第一項ただし書又は第五十三条ノ二第一項ただし書の規定により他の標準が定められている場合について準用する。

3 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の定款に旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十二条ノ二第一項ただし書、第五十三条第一項ただし書又は第五十三条ノ二第一項ただし書の規定により附則第二十九条第四項の規定により新法第四十二条第一項の総代とみなされる者の数が記載されている場合において、当該記載されている数がそれぞれ新法第四十五条第一項、第四十六条第一項又は第四十七条第一項に規定する総代の数を超えているときは、その記載はないものとみなす。

 (総代会における参考書類送付に関する経過措置)

第三十二条 新法第四十八条の規定は、施行日以後に発せられる新法第四十九条において準用する商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の招集の通知について適用し、施行日前に発せられた旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十四条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知については、なお従前の例による。

 (総代会に係る商法の準用に関する経過措置)

第三十三条 新法第四十九条において準用する商法の規定は、施行日以後に同条において準用する商法第二百三十二条第一項(招集の通知)の招集の通知が発せられる新法第四十二条第一項の総代会(附則第二十九条の規定により総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関を含む。)について適用し、施行日前に旧法第五十一条第二項において準用する旧法第五十四条において準用する商法第二百三十二条第一項の招集の通知が発せられた附則第二十九条第一項又は第二項の規定により新法第四十二条第一項の総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関については、なお従前の例による。

 (相互会社の取締役会等の決議等に関する経過措置)

第三十四条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の取締役会又は監査役会が旧法において準用する商法又は商法特例法の規定に基づいて施行日前にした決議その他の権限の行使は、当該権限の行使がされた日において、新法の規定による相互会社の取締役会又は監査役会が新法において準用する商法又は商法特例法の相当の規定に基づいてした決議その他の権限の行使とみなす。

 (相互会社の取締役に係る商法の準用に関する経過措置)

第三十五条 附則第八条の規定は、新法第五十一条第二項において準用する商法第二百五十四条ノ二(取締役の欠格事由)の規定を適用する場合について準用する。

2 新法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役の責任を追及する訴え)の規定は、施行日以後に社員が同項において準用する同法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求する場合又は新法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起する場合について適用し、施行日前に社員が旧法第五十七条第一項の訴えの提起を請求した場合又は同条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起した場合については、なお従前の例による。

3 新法第五十一条第二項において準用する商法第二百六十四条(競業避止義務)の規定は、施行日以後に取締役が行う取引について適用する。

 (社員の名簿に関する経過措置)

第三十六条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社の取締役が旧法第五十六条の規定により備え置いた社員名簿は、新法第五十二条第一項の社員の名簿とみなす。

 (相互会社の監査役に係る商法の準用に関する経過措置)

第三十七条 附則第八条の規定は、新法第五十三条第二項において準用する商法第二百五十四条ノ二(取締役の欠格事由)の規定を適用する場合について準用する。

2 新法第五十三条第二項において準用する商法第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役の責任を追及する訴え)の規定は、施行日以後に社員が同項において準用する同法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求する場合又は新法第五十三条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起する場合について適用し、施行日前に社員が旧法第六十二条において準用する旧法第五十七条第一項の訴えの提起を請求した場合又は旧法第六十二条において準用する旧法第五十七条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起した場合については、なお従前の例による。

 (損失てん補準備金に関する経過措置)

第三十八条 新法第五十四条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条の損失てん補準備金の積立てについて適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧法第六十三条第一項の準備金の積立てについては、なお従前の例による。

2 旧法の規定による相互会社に係るこの法律の施行の際現に存する旧法第六十三条第一項の準備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条第一項の準備金は、新法第五十四条の損失てん補準備金として積み立てられたものとみなす。

3 前項の規定により新法第五十四条の損失てん補準備金として積みたてられたものとみなされる旧法第六十三条第一項の準備金の額が新法第五十四条に規定する基金(新法第五十六条の基金償却積立金を含む。)の総額又は定款で定められた額を超える場合における決算上の処理については、大蔵省令で定める。

 (基金及び基金償却積立金に関する経過措置)

第三十九条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社に係る旧法の規定による基金及び旧法第六十五条の規定による積立金は、それぞれ新法の規定による基金又は新法第五十六条の規定により積み立てられた基金償却積立金とみなす。

 (剰余金の分配に関する経過措置)

第四十条 新法第五十八条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る剰余金の分配について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧法第六十六条の剰余金の分配については、なお従前の例による。

 (試験研究費等に関する経過措置)

第四十一条 この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が施行日前に支出した旧法第六十七条において準用する商法第二百八十六条ノ三(試験研究費及び開発費の繰延べ)に規定する金額については、当該支出をした日に、新法の規定による相互会社が支出した新法第五十九条第一項において準用する商法第二百八十六条ノ三に規定する金額とみなす。

2 新法第五十九条第一項において準用する商法第二百八十六条ノ四(新株発行費用の繰延べ)の規定は、施行日以後に開始する事業年度に支出される同条に規定する基金の募集のために必要な費用の額について適用する。

3 新法第五十九条第一項において準用する商法第二百八十六条ノ四に規定する基金の募集のために必要な費用の額で、この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が施行日前に開始した事業年度に支出したものについては、その額から施行日以後開始する最初の事業年度の決算期前の決算期に同条の規定が適用されたならば償却すべきであった額の最少額を控除した金額を、施行日以後に開始する最初の事業年度の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上することができる。この場合においては、同条の規定による償却期間から既に経過した期間を控除した期間内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。

4 新法第五十九条第一項において準用する商法第二百九十四条(会社の業務及び財産状況の検査)の規定は、施行日以後に同条第一項に規定する社員又は総代が同項の請求をする場合について適用する。この場合において、この法律の施行の際現に存する旧法の規定による相互会社が施行日前にした業務の執行は、当該業務の執行の日において、新法の規定による相互会社がしたものとみなす。

 (基金の募集に関する経過措置)

第四十二条 新法第六十条の規定は、施行日以後に相互会社が基金の募集に着手する場合について適用する。

 (登記簿に関する経過措置)

第四十三条 この法律の施行の際現に登記所に備えられている相互保険会社登記簿は、新法第六十四条の相互保険会社登記簿とみなす。

 (商業登記法の準用に関する経過措置)

第四十四条 施行日前にした旧法第七十九条の勅令で定めるところにより準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、新法第六十五条において準用する商業登記法の規定による相当の行為とみなす。

 (非訟事件手続法の準用に関する経過措置)

第四十五条 施行日前に開始した旧法第七十九条の勅令で定めるところにより準用する非訟事件手続法の規定による手続は、新法第六十六条において準用する非訟事件手続法の規定による手続とみなす。

 (株式会社から相互会社への組織変更に関する経過措置)

第四十六条 新法第二編第二章第三節第一款の規定は、施行日以後にされる新法第六十九条第一項の株主総会の決議に係る新法第六十八条第一項の組織変更について適用し、施行日前にされた旧法第二十条第一項の株主総会の決議に係る旧法第十九条第一項の組織変更については、なお従前の例による。

 (業務の範囲に関する経過措置)

第四十七条 旧法の免許を受けた保険会社で、この法律の施行の際現に旧法第五条第一項ただし書の規定により主務大臣の認可を受けて同項ただし書に規定する他の損害保険事業を営む会社のためにその損害保険事業に属する取引の代理又は媒介を行う業務を営むものは、この法律の施行の際に新法第九十八条第二項の認可を受けたものとみなす。

2 旧法の免許を受けた保険会社で、この法律の施行の際現に新法第九十八条第一項第一号の業務(前項に規定する業務を除く。)を行っているものは、施行日から起算して六月以内に当該業務の内容を大蔵大臣に届け出なければならない。

3 前項の届出をした旧法の免許を受けた保険会社は、当該届出に係る業務を行うことについて、施行日において新法第九十八条第二項の認可を受けたものとみなす。

第四十八条 旧法の免許を受けた保険会社で、この法律の施行の際現に新法第九十九条第一項の業務を行っているものは、施行日から起算して六月以内に当該業務の内容を大蔵大臣に届け出なければならない。

2 前項の届出をした旧法の免許を受けた保険会社は、当該届出に係る業務を行うことについて、施行日において新法第九十九条第四項の認可を受けたものとみなす。

3 旧法の免許を受けた保険会社で、この法律の施行の際現に旧法第五条第一項ただし書の規定により主務大臣の認可を受けて同項ただし書に規定する信託の引受けを行う業務を営むものは、この法律の施行の際に新法第九十九条第七項の認可を受けたものとみなす。

 (独占禁止法の適用除外に関する経過措置)

第四十九条 附則第三条の規定により新法第三条第五項の損害保険業免許を受けたものとみなされる旧法の免許を受けた保険会社及び附則第七十二条の規定により新法第百八十五条第五項の外国損害保険業免許を受けたものとみなされる附則第二条の規定による廃止前の外国保険事業者に関する法律(以下「旧外国保険事業者法」という。)第二条第一項に規定する外国保険事業者(以下この条において「旧法の免許を受けた損害保険会社等」という。)がこの法律の施行の際現に他の旧法の免許を受けた損害保険会社等と行っている旧法第十二条ノ三各号(旧外国保険事業者法第十九条において準用する場合を含む。)に掲げる協定、契約その他の共同行為(以下この条において「共同行為」という。)については、当該共同行為に係るすべての旧法の免許を受けた損害保険会社等が施行日から起算して三月以内に大蔵省令で定めるところにより大蔵大臣に届出をした場合に限り、施行日から起算して二年を経過する日までの間は、旧法第十二条ノ三から第十二条ノ七まで(旧外国保険事業者法第十九条において準用する場合を含む。)の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、なおその効力を有する。

2 前項の規定の適用がある場合における旧法第十二条ノ五第三項(旧外国保険事業者法第十九条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、旧法第十二条第三項及び第四項の規定は、なおその効力を有する。

3 第一項に規定する共同行為で新法第百一条第一項各号に掲げる共同行為に該当するものについては、第一項の旧法の免許を受けた損害保険会社等は、同項に規定する期間内においても、新法第百二条第一項の認可の申請をすることができる。この場合において、当該期間内に当該認可をすることとする処分があったときは、当該認可がその効力を生ずる日以後は、第一項の規定は適用しない。

 (海外現地法人の株式等の所有に関する経過措置)

第五十条 この法律の施行の際現に旧法の免許を受けた保険会社が新法第百八条第一項各号に掲げる会社の発行済株式(議決権のあるものに限る。)の総数又は出資の総額(以下この条において「発行済株式等」という。)の百分の五十を超える数又は額の株式(議決権のあるものに限る。)又は持分(以下この条において「株式等」という。)を所有しているときは、当該旧法の免許を受けた保険会社は、施行日から起算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

2 この法律の施行の際旧法の免許を受けた保険会社が第一号に掲げる許可を受け、又は第二号に掲げる届出をしている株式等の取得(施行日において実行していないものに限る。)が、新法第百八条第一項各号に掲げる会社の発行済株式等の百分の五十を超える株式等の取得となるときは、当該旧法の免許を受けた保険会社は、施行日から起算して三月以内にその旨を大蔵大臣に届け出なければならない。

 一 外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第二十一条第二項(大蔵大臣の許可を要する資本取引)の規定による許可

 二 外国為替及び外国貿易管理法第二十二条第一項第四号(居住者による対外直接投資に係る届出)の規定による届出(当該届出につき、同法第二十三条第二項(資本取引に係る内容の審査及び変更勧告等)の規定による大蔵大臣の勧告を受けることなく同条第一項の規定により当該届出に係る当該株式等の取得を行ってはならない期間を経過している場合又は当該勧告を受け同条第四項の規定により当該勧告を応諾する旨の通知がされている場合に限る。)

3 新法第百八条第二項において準用する新法第百六条第二項の規定は、前二項の場合において旧法の免許を受けた保険会社が取得し、又は所有する株式等について準用する。

4 第一項又は第二項の規定により届出をした旧法の免許を受けた保険会社は、当該届出に係る株式等の取得又は所有につき、施行日において新法第百八条第一項の認可を受けたものとみなす。

 (大蔵大臣への提出書類に関する経過措置)

第五十一条 新法第百十条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条第一項に規定する業務報告書について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧法第八十二条第一項の書類については、なお従前の例による。

 (業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧に関する経過措置)

第五十二条 新法第百十一条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条に規定する説明書類について適用する。

 (株式の評価の特例に関する経過措置)

第五十三条 新法第百十二条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る株式の評価について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る株式の評価については、なお従前の例による。

2 旧法の免許を受けた保険会社に係るこの法律の施行の際現に存する旧法第八十四条第二項の準備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条第二項の準備金は、新法第百十二条第二項の大蔵省令で定める準備金として積み立てられたものとみなす。

 (創立費及び事業費の償却に関する経過措置)

第五十四条 旧法の免許を受けた保険会社に係る旧法第八十五条第一項に規定する設立費用及び初めの五年度の事業費で、この法律の施行の際まだ償却されていない金額は、新法第百十三条第一項の規定により貸借対照表の資産の部に計上しているものとみなして、同項の規定を適用する。

 (契約者配当に関する経過措置)

第五十五条 新法第百十四条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条第一項に規定する契約者配当を行う場合について準用する。

 (価格変動準備金に関する経過措置)

第五十六条 新法第百十五条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条第一項の価格変動準備金の積立てについて適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧法第八十六条の準備金の積立てについては、なお従前の例による。

2 旧法の免許を受けた保険会社に係るこの法律の施行の際現に存する旧法第八十六条の準備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の準備金は、新法第百十五条第一項の価格変動準備金として積み立てられたものとみなす。

3 前項の規定により新法第百十五条第一項の価格変動準備金として積み立てられたものとみなされる旧法第八十六条の準備金の額が同項に規定する大蔵省令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額の決算上の処理について必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (責任準備金に関する経過措置)

第五十七条 新法第百十六条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条第一項の責任準備金の積立てについて適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧法第八十八条第一項の責任準備金の積立てについては、なお従前の例による。

2 旧法の免許を受けた保険会社に係るこの法律の施行の際現に存する旧法第八十八条第一項の責任準備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条第一項の準備金は、新法第百十六条第一項の責任準備金として積み立てられたものとみなす。

 (支払備金に関する経過措置)

第五十八条 新法第百十七条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る同条第一項の支払備金の積立てについて適用する。

 (特別勘定に関する経過措置)

第五十九条 この法律の施行の際現に旧法の免許を受けた保険会社が新法第百十八条第一項の大蔵省令で定める保険契約に係る旧法第八十八条第一項の責任準備金の金額に対応する財産をその他の財産と区別して経理するための特別の勘定を設けている場合には、当該特別の勘定は、新法第百十八条第一項の規定により設けた特別勘定とみなす。

2 新法第百十九条の規定は、施行日以後に開始する事業年度において特別勘定に属するものとして経理された財産の評価について適用する。

 (保険計理人の選任等に関する経過措置)

第六十条 新法第百二十条の規定は、附則第三条の規定により新法第三条第五項の損害保険業免許を受けたものとみなされる旧法の免許を受けた保険会社については、施行日から起算して三月を経過する日までの間は、適用しない。

2 この法律の施行の際現に旧法第八十九条第一項の規定により選任されている保険計理人は、施行日において新法第百二十条第一項の規定により選任された保険計理人とみなす。

3 新法第百二十条第二項の規定は、前項の規定により同条第一項の規定により選任されたものとみなされる保険計理人については、施行日から起算して二年を経過する日までの間は、適用しない。

 (保険計理人の職務に関する経過措置)

第六十一条 新法第百二十一条の規定は、施行日以後に開始する事業年度に係る事項に関する保険計理人の職務について適用し、附則第三条の規定により新法第三条第四項の生命保険業免許を受けたものとみなされる旧法の免許を受けた保険会社の施行日前に開始した事業年度に係る事項に関する保険計理人の職務については、なお従前の例による。

 (保険計理人の解任に関する経過措置)

第六十二条 新法第百二十二条の規定は、施行日以後にした行為に係る保険計理人の解任について適用し、施行日前の怠る行為及び施行日前にした行為に係る保険計理人の解任については、なお従前の例による。

 (事業方法書等に係る変更の認可等に関する経過措置)

第六十三条 旧法の免許を受けた保険会社がこの法律の施行の際現に旧法第十条第一項の規定により旧法第一条第二項第二号から第四号までに掲げる書類に定めた事項の変更に係る主務大臣の認可を申請している場合には、当該申請を新法第百二十三条第一項の大蔵大臣の認可の申請とみなす。この場合において、当該変更に係る事項が同項の大蔵省令で定める事項に該当するときは、当該変更に係る事項は、同項の大蔵省令で定める事項に該当しないものとみなす。

2 旧法の免許を受けた保険会社がこの法律の施行の際現に旧法第十条第一項の規定により旧法第一条第二項第一号に掲げる書類に定めた事項の変更に係る主務大臣の認可を申請している場合において、当該変更に係る事項が新法第百二十六条各号に掲げる事項のいずれかに該当するときは、当該申請は、同条の認可に係る申請とみなす。

3 前項に規定する場合において、当該変更に係る事項が新法第百二十六条各号に掲げる事項のいずれにも該当しないときは、当該変更は、この法律の施行の際にその効力を生ずるものとし、かつ、施行日において新法第百二十七条第三号に掲げる事項に係る同条の届出がされたものとみなす。

 (業務の停止等に関する経過措置)

第六十四条 施行日前にされた旧法第十二条第一項の規定による事業の停止の命令は、新法第百三十二条の規定による同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分とみなす。

2 施行日前に旧法第十二条第一項の規定による事業の停止の命令に係る同条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も同条第二項及び第四項の規定の例により手続を続行して、新法第百三十二条の規定による同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分をすることができる。

 (免許の取消し等に関する経過措置)

第六十五条 旧法の免許を受けた保険会社が施行日前にした旧法第十二条第一項に規定する行為は、新法第百三十三条第一号又は第三号に規定する行為とみなして、同条の規定を適用する。

2 施行日前に旧法第十二条第一項の規定による処分に係る同条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も同条第四項の規定の例により手続を続行して、当該処分に相当する新法第百三十三条の規定による処分をすることができる。

 (保険契約の包括移転に関する経過措置)

第六十六条 新法第二編第七章第一節の規定は、施行日以後に商法第二百三十二条第一項(招集の通知)(新法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられる株主総会又は社員総会若しくは新法第四十二条第一項の総代会(附則第二十九条の規定により同項の総代会とみなされる旧法第五十一条第一項に規定する機関を含む。)(以下「株主総会等」という。)の決議に係る保険契約の移転について適用し、施行日前に商法第二百三十二条第一項(旧法第五十四条(旧法第五十一条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられた株主総会等の決議に係る保険契約の移転については、なお従前の例による。

 (業務及び財産の管理の委託に関する経過措置)

第六十七条 旧法第九十三条の認可を受けた旧法第九十二条第一項の契約でこの法律の施行の際現に効力を有するものは、新法第百四十四条第一項の契約とみなして、新法第百四十六条から第百五十条までの規定を適用する。

 (整理に関する経過措置)

第六十八条 新法第百五十一条において準用する商法の会社の整理に関する規定は、施行日以後に同法第三百八十一条(整理の開始)の申立て又は通告がされる場合について適用し、施行日前に旧法第七十八条において準用する商法第三百八十一条の申立て又は通告がされた場合については、なお従前の例による。

 (解散等に関する経過措置)

第六十九条 新法第二編第八章第二節の規定は、施行日以後に生ずる新法第百五十二条に規定する事由に係る保険会社の解散について適用し、施行日前に生じた旧法第百八条第一項に規定する事由に係る旧法の保険会社の解散については、なお従前の例による。

 (合併に関する経過措置)

第七十条 新法第二編第八章第三節の規定は、施行日以後に商法第二百三十二条第一項(招集の通知)(新法第四十一条及び第四十九条において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられる株主総会等の決議に係る合併について適用し、施行日前に商法第二百三十二条第一項(旧法第五十四条(旧法第五十一条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の招集の通知が発せられた株主総会等の決議に係る合併については、なお従前の例による。

 (清算手続等に関する経過措置)

第七十一条 新法第二編第八章第四節の規定は、施行日以後に生ずる新法第百五十二条に規定する事由に係る保険会社の解散に係る清算について適用し、施行日前に生じた旧法第百八条第一項に規定する事由に係る旧法の保険会社の解散に係る清算については、なお従前の例による。

2 新法第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第二項(清算に関する準用規定)において準用する同法第二百六十七条から第二百六十八条ノ三まで(取締役の責任を追及する訴え)の規定は、施行日以後に社員が新法第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第二項において準用する同法第二百六十七条第一項の訴えの提起を請求する場合又は新法第百八十三条第一項において準用する商法第四百三十条第二項において準用する同法第二百六十七条第三項の訴えを提起する場合について適用し、施行日前に社員が旧法第七十七条において準用する旧法第五十七条第一項の訴えの提起を請求した場合又は旧法第七十七条において準用する旧法第五十七条第二項において準用する商法第二百六十七条第三項の訴えを提起した場合については、なお従前の例による。

 (外国保険会社等に係る事業の免許に関する経過措置)

第七十二条 この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第三条第一項の大蔵大臣の免許を受けている者(旧外国保険事業者法附則第三項又は第五項の規定により同条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなされる者を含む。)は、この法律の施行の際に新法第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許を受けたものとみなす。

2 前項の規定により同項に規定する者(以下「旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等」という。)が受けたものとみなされる新法第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許は、その者が旧外国保険事業者法第二条第一項の外国生命保険事業者又は外国損害保険事業者のいずれであるかの区分に応じ、それぞれ新法第百八十五条第四項の外国生命保険業免許又は同条第五項の外国損害保険業免許とする。

 (免許申請書等に関する経過措置)

第七十三条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に係る旧外国保険事業者法第四条第一項の申請書に記載された同項各号に掲げる事項(旧外国保険事業者法第七条第一項の届出がされた場合には、当該届出に係る変更後のもの)は、新法第百八十七条第一項の免許申請書に記載された同項各号のうちそのそれぞれに相当する号に掲げる事項とみなす。

2 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に係る旧外国保険事業者法第四条第四項第一号から第五号までに掲げる書類でこの法律の施行の際現に大蔵大臣に提出されているものは、新法第百八十七条第三項各号のうちそのそれぞれに相当する号に掲げる書類(旧外国保険事業者法第四条第四項第四号又は第五号に掲げる書類にあっては、新法第百八十七条第三項第四号に掲げる書類)とみなす。

 (免許の条件に関する経過措置)

第七十四条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等がこの法律の施行の際現に行っている旧外国保険事業者法第一条に規定する日本における保険事業の内容が新法第百八十八条第一項に規定する場合に該当するときは、附則第七十二条の規定によりその者がこの法律の施行の際に受けたものとみなされる新法第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許は、新法第百八十八条第一項の条件が付されたものとする。

 (外国保険会社等の供託に関する経過措置)

第七十五条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等がこの法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第八条の規定により供託している供託物は、新法第百九十条第一項の規定による供託がされているものとみなす。

2 前項の旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に対する新法第百九十条第八項の規定の適用については、施行日から起算して五年を経過する日までの間は、前項の規定により同条第一項の規定による供託がされているものとみなされる前項に規定する供託物に係る供託金額として大蔵省令で定める額をもって、同条第八項に規定する同条第一項の政令で定める額とみなす。

3 第一項の場合において、この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第八条の規定による供託物の上に存する旧外国保険事業者法第九条第一項及び第二項に規定する者の優先権は、新法第百九十条第六項に規定する権利とみなす。

4 前項の場合において、当該旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等が外国相互会社である場合における新法第百九十条第六項の規定の特例その他同条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 (日本における代表者等に関する経過措置)

第七十六条 新法第百九十二条第一項及び第二項の規定は、施行日前に生じた事項についても適用する。この場合における同項の規定の適用については、施行日前にされた旧外国保険事業者法第七条第一項の届出及び公告は、新法第百九十二条第二項の告示とみなす。

 (外国相互会社に係る商法の外国会社の営業所に関する規定の準用に関する経過措置)

第七十七条 この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第三条第一項の免許を受けている外国相互会社は、新法第百九十三条において準用する商法第四百七十九条第一項(外国会社の営業所)の規定により日本において取引を継続しているものとみなし、当該外国相互会社が民法第四十九条第一項(外国法人の登記)において準用する同法第四十五条第三項(法人の設立登記)及び第四十六条(登記事項及び変更登記)の規定により登記している事項は、新法第百九十三条において準用する商法第四百七十九条第二項及び第三項の規定による登記がされているものとみなす。

 (本店又は主たる事務所の決算書類の提出並びに定款等の備付け及び閲覧等に関する経過措置)

第七十八条 新法第百九十五条並びに第百九十六条第二項及び第四項(新法第百九十五条に規定する書類に係る部分に限る。)の規定は、外国保険会社等の施行日以後に終了する事業年度に係る新法第百九十五条に規定する書類について適用し、施行日前に終了した事業年度に係る旧外国保険事業者法第十二条に規定する書類については、なお従前の例による。

2 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等の日本における代表者がこの法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第十七条第一項の規定により備え置いている定款又はこれに準ずる書類及び日本における社員の名簿は、新法第百九十六条第一項の規定により備え置かれているものとみなす。

3 新法第百九十六条第三項、第四項(同条第三項に係る部分に限る。)及び第五項の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第三項に規定する書類について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る旧外国保険事業者法第十七条第一項に規定する書類(前二項に規定する書類を除く。)については、なお従前の例による。

 (外国保険会社等の資産の国内保有義務に関する経過措置)

第七十九条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に対する新法第百九十七条の規定の適用については、施行日から起算して五年を経過する日までの間は、同条中「合計額」とあるのは「合計額に大蔵省令で定める割合を乗じた額」とする。

 (外国相互会社の支配人等の行為等に関する経過措置)

第八十条 この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第三条第一項の免許を受けている外国相互会社が旧外国保険事業者法第十八条において準用する商法第三十七条(支配人の選任)の規定により選任した支配人(旧外国保険事業者法第十八条において準用する商法第四十二条(表見支配人)又は第四十三条(ある種類又は特定の委任を受けた使用人)に規定する使用人を含む。)の施行日前の行為その他当該支配人に係る事項については、当該事項のあった日に、新法の外国相互会社が新法第百九十八条第一項において準用する商法第三十七条の規定により選任した支配人(同項において準用する同法第四十二条又は第四十三条に規定する使用人を含む。)に係る事項があったものとみなして同項において準用する同法第三十八条から第四十三条まで(商業使用人)の規定を適用する。

2 新法第百九十八条第一項において準用する商法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条(代理商)の規定の適用については、旧外国保険事業者法の外国相互会社についての旧外国保険事業者法第十八条において準用する商法第四十六条から第四十八条まで、第五十条及び第五十一条に規定する施行日前の行為その他の事項は、当該行為その他の事項のあった日における新法の外国相互会社についての行為その他の事項とみなす。

 (外国相互会社の商業帳簿等に関する経過措置)

第八十一条 この法律の施行の際現に存する旧外国保険事業者法の外国相互会社が旧外国保険事業者法第十八条において準用する商法第一編第五章(商業帳簿)の規定に基づいて施行日前に作成した帳簿その他の書類は、その作成した日に、新法の外国相互会社が新法第百九十八条第一項において準用する商法第一編第五章の相当の規定に基づいて作成したものとみなす。

 (外国保険会社等に係る業務、経理等に関する規定の準用に関する経過措置)

第八十二条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等で、この法律の施行の際現に新法第百九十九条において準用する新法第九十八条第一項第一号の業務を行っているものは、施行日から起算して六月以内に当該業務の内容を大蔵大臣に届け出なければならない。

2 前項の届出をした旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等は、当該届出に係る業務を行うことについて、施行日において新法第百九十九条において準用する新法第九十八条第二項の認可を受けたものとみなす。

第八十三条 新法第百九十九条において準用する新法第百十条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第一項に規定する業務報告書について適用し、施行日前に開始した日本における事業年度に係る旧外国保険事業者法第十一条第一項に規定する事業の報告書については、なお従前の例による。

第八十四条 新法第百九十九条において準用する新法第百十一条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条に規定する説明書類について適用する。

第八十五条 新法第百九十九条において準用する新法第百十二条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る株式の評価について適用する。

第八十六条 新法第百九十九条において準用する新法第百十四条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第一項に規定する契約者配当を行う場合について適用する。

第八十七条 新法第百九十九条において準用する新法第百十五条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第一項の価格変動準備金の積立てについて適用する。

第八十八条 新法第百九十九条において準用する新法第百十六条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第一項の責任準備金の積立てについて適用し、施行日前に開始した日本における事業年度に係る旧外国保険事業者法第十三条の責任準備金の積立てについては、なお従前の例による。

2 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に係るこの法律の施行の際現に存する旧外国保険事業者法第十三条の責任準備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の責任準備金は、新法第百九十九条において準用する新法第百十六条の規定により日本において責任準備金として積み立てられたものとみなす。

第八十九条 新法第百九十九条において準用する新法第百十七条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度に係る同条第一項の支払備金の積立てについて適用し、施行日前に開始した日本における事業年度に係る旧外国保険事業者法第十三条の支払備金の積立てについては、なお従前の例による。

2 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に係るこの法律の施行の際現に存する旧外国保険事業者法第十三条の支払備金及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同条の支払備金は、新法第百九十九条において準用する新法第百十七条の規定により日本において支払備金として積み立てられたものとみなす。

第九十条 この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等が新法第百九十九条において準用する新法第百十八条第一項の大蔵省令で定める保険契約に係る旧外国保険事業者法第十三条の責任準備金の金額に対応する財産をその他の財産と区別して経理するための特別の勘定を設けている場合は、当該特別の勘定は、新法第百九十九条において準用する新法第百十八条第一項の規定により設けた特別勘定とみなす。

2 新法第百九十九条において準用する新法第百十九条の規定は、施行日以後に開始する日本における事業年度において特別勘定に属するものとして経理された財産の評価について適用する。

第九十一条 新法第百九十九条において準用する新法第百二十条の規定は、旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等については、施行日から起算して三月を経過する日までの間は、適用しない。

 (業務の停止等に関する経過措置)

第九十二条 施行日前にされた旧外国保険事業者法第二十二条第一項の規定による日本における事業の停止の命令は、新法第二百四条の規定による同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分とみなす。

2 施行日前に旧外国保険事業者法第二十二条第一項の規定による日本における事業の停止の命令に係る同条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も同条第二項及び第四項の規定の例により手続を続行して、新法第二百四条の規定による同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分をすることができる。

 (免許の取済し等に関する経過措置)

第九十三条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等が施行日前にした旧外国保険事業者法第二十二条第一項に規定する行為は、新法第二百五条第一号に規定する行為とみなして、同条の規定を適用する。

2 施行日前に旧外国保険事業者法第二十二条第一項の規定による処分に係る同条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も同条第四項の規定の例により手続を続行して、当該処分に相当する新法第二百五条の規定による処分をすることができる。

 (事業の方法書等に係る変更の認可に関する経過措置)

第九十四条 旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等がこの法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第十九条において準用する旧法第十条第一項の規定により旧外国保険事業者法第四条第四項第二号から第五号までに掲げる書類に定めた事項の変更に係る主務大臣の認可を申請している場合は、当該申請を新法第二百七条において準用する新法第百二十三条第一項の大蔵大臣の認可の申請とみなす。この場合において当該変更に係る事項が同項の大蔵省令で定める事項に該当するときは、当該変更に係る事項は、同項の大蔵省令に定める事項に該当しないものとみなす。

 (外国保険会社等の保険契約の包括移転に関する経過措置)

第九十五条 新法第二百十条第一項において準用する新法第二編第七章第一節の規定は、施行日以後に外国保険会社等が作成する同項において準用する新法第百三十五条第一項の契約に係る契約書に係る保険契約の移転について適用し、施行日前に作成した旧外国保険事業者法第二十一条第一項の契約に係る契約書に係る保険契約の移転については、なお従前の例による。

 (外国保険会社等の清算に関する経過措置)

第九十六条 新法第二百十二条の規定は、施行日以後に同条第一項各号のいずれかに該当することとなる外国保険会社等について適用し、施行日前に旧外国保険事業者法第二十六条第一項に規定する場合に該当することとなった同項の外国保険事業者については、なお従前の例による。

 (外国保険事業者の従たる事務所等に対する営業所閉鎖命令等に関する経過措置)

第九十七条 旧外国保険事業者法第二十九条の外国保険事業者が日本において従たる事務所その他の事務所を設け、又は専ら外国保険事業者のために募集をする者が営業所若しくは事務所を設けた場合において、施行日前に同条において準用する商法第四百八十四条第一項各号(営業所閉鎖命令)のいずれかに該当する事由が生じた場合については、なお従前の例による。

 (外国相互保険会社登記簿に関する経過措置)

第九十八条 旧外国保険事業者法第三十一条の外国相互保険会社登記簿は、新法第二百十四条に定める外国相互保険会社登記簿とみなす。

 (外国相互会社に係る商業登記法の準用に関する経過措置)

第九十九条 施行日前にした旧外国保険事業者法第三十三条において準用する商業登記法の規定による処分、手続その他の行為は、新法第二百十六条第一項において準用する商業登記法の規定による相当の行為とみなす。

 (外国相互会社に係る非訟事件手続法の準用に関する経過措置)

第百条 施行日前に開始した旧外国保険事業者法第三十三条において準用する非訟事件手続法の規定による手続は、新法第二百十七条において準用する非訟事件手続法の規定による手続とみなす。

 (外国保険業者の駐在員事務所の設置の届出等に関する経過措置)

第百一条 この法律の施行の際現に新法第二百十八条第一項第一号の施設に該当する施設を設置している旧外国保険事業者法第二条第一項に規定する外国保険事業者で、旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等でないものは、施行日から起算して六月以内に、その間に新法第百八十五条第一項の免許を受け、又は当該施設を廃止し、若しくは同号イ又はロに掲げる業務を廃止した場合を除き、当該施設について同号イ又はロに掲げる業務内容、当該業務を行う施設の所在地その他新法第二百十八条第一項の大蔵省令で定める事項を大蔵大臣に届け出なければならない。この場合において、当該届出は、同項の規定によりされた届出とみなす。

 (事業の停止の命令に関する経過措置)

第百二条 施行日前にされた旧法第百条第一項の規定による事業の停止の命令及び旧外国保険事業者法第二十三条第一項の規定による日本における事業の停止の命令は、新法第二百四十一条の規定により同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分とみなす。

2 施行日前に旧法第百条第一項の規定による事業の停止の命令に係る同条第三項において準用する旧法第十二条第三項の規定による通知及び公示又は旧外国保険事業者法第二十三条第一項の規定による日本における事業の停止の命令に係る同条第三項において準用する旧外国保険事業者法第二十二条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も旧法第百条第二項及び同条第三項において準用する旧法第十二条第四項の規定又は旧外国保険事業者法第二十三条第二項及び同条第三項において準用する旧外国保険事業者法第二十二条第四項の規定の例により手続を続行して、新法第二百四十一条の規定による同条に規定する業務の全部又は一部の停止を命ずる処分をすることができる。

 (業務及び財産の管理の命令に関する経過措置)

第百三条 施行日前にされた旧法第百条第一項の規定による業務及び財産の管理の命令並びに旧外国保険事業者法第二十三条第一項の規定による日本における業務及び財産の管理の命令は、新法第二百四十一条の規定による保険管理人による同条に規定する業務及び財産の管理を命ずる処分とみなし、当該業務及び財産の管理の命令又は日本における業務及び財産の管理の命令に係る保険管理人は、当該業務及び財産の管理を命ずる処分に係る保険管理人とみなす。

2 施行日前に旧法第百条第一項の規定による業務及び財産の管理の命令に係る同条第三項において準用する旧法第十二条第三項の規定による通知及び公示又は旧外国保険事業者法第二十三条第一項の規定による日本における業務及び財産の管理の命令に係る同条第三項において準用する旧外国保険事業者法第二十二条第三項の規定による通知及び公示がされた場合においては、施行日以後も旧法第百条第二項及び同条第三項において準用する旧法第十二条第四項の規定又は旧外国保険事業者法第二十三条第二項及び同条第三項において準用する旧外国保険事業者法第二十二条第四項の規定の例により手続を続行して、新法第二百四十一条の規定による保険管理人による同条に規定する業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができる。

 (保険契約の移転の命令に関する経過措置)

第百四条 施行日前に旧法第百条第一項の規定による契約の移転の命令に係る同条第三項において準用する旧法第十二条第三項の規定による通知及び公示又は旧外国保険事業者法第二十三条第一項の規定による日本における保険契約の移転の命令に係る同条第三項において準用する旧外国保険事業者法第二十二条第三項の規定による通知及び公示がされた場合におけるこれらの命令に係る契約の移転又は日本における保険契約の移転については、旧法第百条及び第百二十一条から第百二十六条まで並びに旧外国保険事業者法第二十三条の規定は、新法第二百五十九条第一項の指定がされる日の前日までの間は、なおその効力を有する。

2 前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧法第百条第三項、第百二十一条第五項、第百二十二条第二項及び第三項並びに第百二十六条並びに旧外国保険事業者法第二十三条第三項及び第四項の規定の適用については、旧法第十二条第三項及び第四項、第百三条、第百四条、第百九条、第百十一条第二項ただし書、第百十四条、第百十五条、第百十七条、第百十八条並びに第百二十条並びに旧外国保険事業者法第二十二条第三項及び第四項の規定は、なおその効力を有する。この場合において、旧法第百九条中「本法第三十九条第二項」とあるのは、「保険業法(平成七年法律第百五号)第六十二条第二項」とする。

3 第一項に規定する期間の経過前にした行為に対する罰則の適用については、同項の規定によりなおその効力を有するものとされる同項に規定する規定は、同項に規定する期間の経過後も、なおその効力を有する。

4 第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧法第百条及び第百二十一条から第百二十六条まで又は旧外国保険事業者法第二十三条の規定の適用がある場合においては、附則第六十六条及び第九十五条の規定にかかわらず、新法第二編第七章第一節(新法第二百十条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。

 (保険契約者保護基金の指定等に関する経過措置)

第百五条 新法第二百五十九条第一項第五号の規定の適用については、旧法、附則第二条の規定による廃止前の保険募集の取締に関する法律(以下「旧募集取締法」という。)又は旧外国保険事業者法の規定(この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧法、旧募集取締法及び旧外国保険事業者法の規定を含む。)により罰金の刑に処せられた者は、その処分を受けた日において、新法の規定により罰金の刑に処せられた者とみなす。

第百六条 施行日前に民法第三十四条(公益法人の設立)の規定により設立された法人は、施行日前においても、新法第二百六十一条第二項の規定の例により、新法第二百五十九条第一項に規定する資金援助等事業の実施に関する規程を定めて、大蔵大臣の指定を受けることができる。

2 大蔵大臣は、前項の申請をした者が、次に掲げる要件を備えており、かつ、新法第二百六十条第一項各号に掲げる業務及び同条第二項の業務を適正かつ確実に行うことができると認められるときは、前項の指定をすることができる。

 一 当該申請をした者の役員のうちに、禁治産者若しくは準禁治産者又は破産者で復権を得ないものがないこと。

 二 当該申請をした者の役員のうちに、禁 錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者がないこと。

 三 当該申請をした者の役員のうちに、旧法、旧保険募集取締法又は旧外国保険事業者法の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者がないこと。

3 第一項の大蔵大臣の指定を受けた者は、施行日において新法第二百五十九条第一項の指定を受けたものとみなし、その者が定めた第一項の規程は、施行日において新法第二百六十一条第一項の認可を受けた同項に規定する業務規程とみなす。

 (免許の失効に関する経過措置)

第百七条 新法第二百七十二条第一項第四号の規定は、施行日以後に保険会社又は外国保険会社等が受ける新法第三条第一項の大蔵大臣の免許及び新法第百八十五条第一項の大蔵大臣の免許について適用し、旧法の免許を受けた保険会社又は旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等に係る施行日前の旧法第一条第一項の主務大臣の免許及び旧外国保険事業者法第三条第一項の大蔵大臣の免許については、なお従前の例による。

 (生命保険募集人及び損害保険代理店の登録に関する経過措置)

第百八条 この法律の施行の際現に旧募集取締法第三条の登録を受けている生命保険募集人(保険募集の取締に関する法律の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第百五十二号)附則第二項の規定により旧募集取締法第四条第二項の規定により生命保険募集人登録簿に登録されている者とみなされる者を含む。)及び損害保険代理店(以下「旧法登録の生命保険募集人等」という。)は、この法律の施行の際に新法第二百七十六条の大蔵大臣の登録を受けたものとみなす。

 (生命保険募集人登録簿等に関する経過措置)

第百九条 この法律の施行の際現に存する旧募集取締法第四条第一項の規定による生命保険募集人登録簿及び損害保険代理店登録簿は、新法第二百七十八条第一項の規定による生命保険募集人登録簿及び損害保険代理店登録簿とみなす。

2 新法第二百七十八条第二項の規定は、前条の規定によりこの法律の施行の際に新法第二百七十六条の大蔵大臣の登録を受けたものとみなされた者で旧募集取締法第四条第三項の規定による通知を受けていないもの及びその所属保険会社について適用する。

 (生命保険募集人等に係る登録の拒否に関する経過措置)

第百十条 新法第二百七十九条第一項第三号の規定の適用については、旧募集取締法の規定(この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧募集取締法の規定を含む。)により罰金の刑に処せられた者は、その処分を受けた日において、新法の規定に違反し、罰金の刑に処せられた者とみなす。

2 新法第二百七十九条第一項第四号の規定の適用については、旧募集取締法第七条の二又は第二十条第一項の規定により旧募集取締法第三条第一項の登録を取り消された者は、その処分を受けた日において、新法第三百七条第一項の規定により新法第二百七十六条の登録を取り消された者とみなす。

 (所属保険会社の賠償責任に関する経過措置)

第百十一条 新法第二百八十三条の規定は、施行日以後に生命保険募集人又は損害保険募集人が保険募集につき保険契約者に加えた損害の賠償について適用し、施行日前に生命保険募集人、損害保険会社の役員若しくは使用人又は損害保険代理店が募集につき保険契約者に加えた損害の賠償については、なお従前の例による。

 (生命保険募集人及び損害保険代理店の原簿に関する経過措置)

第百十二条 この法律の施行の際現に存する旧募集取締法第十三条第一項の規定による生命保険募集人又は損害保険代理店に関する原簿は、新法第二百八十五条第一項の生命保険募集人又は損害保険代理店に関する原簿とみなす。

 (保険仲立人に係る登録の拒否に関する経過措置)

第百十三条 新法第二百八十九条第一項第三号の規定の適用については、旧法、旧募集取締法又は旧外国保険事者法の規定(この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧法、旧募集取締法及び外国保険事業者法の規定を含む。)により罰金の刑に処せられた者は、その処分を受けた日において、新法の規定に違反し、罰金の刑に処せられた者とみなす。

 (損害保険代理店の役員又は使用人の届出に関する経過措置)

第百十四条 施行日前にした旧募集取締法第八条の規定による損害保険代理店の役員又は使用人の届出は、新法第三百二条の規定による届出とみなす。

 (生命保険募集人等の変更等の届出等に関する経過措置)

第百十五条 この法律の施行の際旧募集取締法第七条の規定による届出をしていない旧法登録の生命保険募集人等については、同条及び旧募集取締法第二十六条の規定は、なおその効力を有する。

2 施行日以後に前項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧募集取締法第七条第三項の規定による届出があった旧法登録の生命保険募集人等については、旧募集取締法第七条の三(第二号に係る部分に限る。)の規定は、なおその効力を有する。

 (登録の取消し等に関する経過措置)

第百十六条 旧法登録の生命保険募集人等が施行日前にした旧募集取締法第七条の二第三号又は第二十条第一項各号のいずれかに該当する行為は、新法第三百七条第一項第二号又は第三号に規定する行為とみなして同条の規定を適用する。

 (登録の抹消等に関する経過措置)

第百十七条 旧法登録の生命保険募集人等のうちに施行日前に旧募集取締法第七条の三各号のいずれかに該当する事実があり、かつ、この法律の施行の際同条の規定による登録の抹消がされていない者があるときは、それらの者は新法第三百八条第一項第二号に該当する者とみなす。

 (外国生命保険事業者の役員等に関する経過措置)

第百十八条 この法律の施行の際現に旧外国保険事業者法第三条第一項の大蔵大臣の免許を受けている外国生命保険事業者の役員又は使用人は、施行日から起算して六月を経過する日(当該六月を経過する日までに新法第二百七十九条第一項から第三項までの規定による登録の拒否の処分があったときは、当該処分のあった日)までの間は、新法第二百七十五条の規定にかかわらず、保険募集を行うことができる。その者が当該期間内に新法第二百七十七条の登録の申請をした場合において、当該期間を経過したときは、当該申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。

2 大蔵大臣は、前項に規定する外国生命保険事業者の役員又は使用人が新法第三百七条第一項第一号又は第三号のいずれかに該当することとなったときは、前項に規定する期間内において、業務の廃止又は業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

3 第一項に規定する外国生命保険事業者の役員又は使用人が前項の規定により保険募集の業務の廃止を命じられた場合には、新法第二百七十九条第一項の規定の適用については、当該業務の廃止の命令を新法第三百七条第一項の規定による新法第二百七十六条の登録の取消しとみなす。

 (保険仲立人に関する経過措置)

第百十九条 新法第二百八十六条の登録を受けた保険仲立人又はその役員若しくは使用人が保険期間が長期にわたる保険契約であって政令で定めるものの締結の媒介を行おうとする場合には、当該保険仲立人は、当分の間、その方法を定めて、大蔵大臣の認可を受けなければならない。当該認可を受けた方法を変更しようとするときも、同様とする。

2 大蔵大臣は、前項の認可を受けた保険仲立人が、この法律若しくはこの法律に基づく大蔵大臣の処分に違反したとき、又は公益を害する行為をしたときは、同項の認可を取り消すことができる。

3 第一項の認可に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 (保険契約の申込みの撤回等に関する経過措置)

第百二十条 新法第三百九条の規定は、施行日以後に保険会社又は外国保険会社等が受ける保険契約の申込み又は施行日以後に締結される保険契約(施行日前にその申込みを受けたものを除く。)について適用する。

 (特定保険会社の特定分野保険事業に係る特例)

第百二十一条 大蔵大臣は、当分の間、新法第三条第一項の免許(同条第四項第二号又は第五項第二号に掲げる保険の引受けを行う事業を含む場合に限る。)の申請があった場合においては、当該免許に、特定保険会社(保険会社(旧法の免許を受けた保険会社を含む。)又は外国保険会社等(旧外国保険事業者法の免許を受けた外国保険会社等を含む。)でその経営が同条第四項第二号又は第五項第二号に掲げる保険の引受けを行う事業に依存している程度が比較的大きいものをいう。以下この条において同じ。)の特定分野保険事業(同条第四項第二号又は第五項第二号に掲げる保険の引受けを行う事業をいう。以下この条において同じ。)に係る経営環境に急激な変化をもたらし、特定保険会社の事業の健全性の確保に欠けるおそれが生ずることのないよう、新法第五条第二項の規定により必要な条件を付することができる。

2 大蔵大臣は、当分の間、特定分野保険事業に係る新法第百二十三条第一項に規定する書類に定めた事項に係る同項又は同条第二項の規定による変更の認可の申請又は変更の届出があった場合においては、新法第百二十四条各号に定める基準及び新法第百二十五条第四項に規定する基準のほか、特定保険会社の特定分野保険事業に係る経営環境に急激な変化をもたらし、特定保険会社の事業の健全性の確保に欠けるおそれが生ずることがないかどうかについても考慮して、当該申請又は当該届出に係る事項を審査するものとする。

 (登記事項に関する経過措置)

第百二十二条 旧法の免許を受けた保険会社は、施行日から起算して六月以内に、新法によって新たに登記すべきものとなった事項を登記しなければならない。

2 前項の登記をするまでに他の登記をするときは、その登記と同時に同項の登記をしなければならない。

3 第一項の登記をするまでに同項の事項に変更を生じたときは、遅滞なく、変更前の事項につき同項の登記をしなければならない。

4 前三項の規定に違反したときは、当該旧法の免許を受けた保険会社の代表取締役を百万円以下の過料に処する。

 (旧法等の規定に基づく処分又は手続の効力)

第百二十三条 施行日前に旧法、旧募集取締法若しくは旧外国保険事業者法又はこれらに基づく命令の規定によってした認可、承認その他の処分又は申請その他の手続で新法又はこれに基づく命令に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新法又はこれに基づく命令の相当の規定によってした認可、承認その他の処分又は申請その他の手続とみなす。

 (罰則に関する経過措置)

第百二十四条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第百二十五条 附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し、必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第百二十六条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の施行状況、保険業を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律に規定する保険業に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(大蔵・内閣総理大臣署名)

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