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法律第七十三号(平一四・六・一九)

  ◎漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律

 (漁業再建整備特別措置法の一部改正)

第一条 漁業再建整備特別措置法(昭和五十一年法律第四十三号)の一部を次のように改正する。

  題名を次のように改める。

    漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法

  第一条中「対処するため」の下に「、漁業経営の改善」を加え、「構造改善及び」を削り、「漁業の再建整備」を「効率的かつ安定的な漁業経営の育成」に改める。

  第二条第二項を削り、同条第一項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   この法律において「漁業経営の改善」とは、漁業者が、漁船その他の施設の整備、生産方式の合理化、経営管理の合理化その他の措置を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることをいう。

  第四条及び第五条を削る。

  第三条第一項中「、政令」を「、前条第一項第一号の政令」に改め、同条を第五条とし、第二条の次に次の二条を加える。

  (改善指針)

 第三条 農林水産大臣は、漁業経営の改善に関する指針(以下「改善指針」という。)を定めなければならない。

 2 改善指針には、次に掲げる事項について定めるものとする。

  一 漁業の経済的諸条件の著しい変動、漁業を取り巻く国際環境の変化等に対処するために行う漁業経営の改善に関する事項

  二 漁業経営の改善の内容に関する事項

  三 漁業経営の改善の実施方法に関する事項

  四 その他漁業経営の改善に当たつて配慮すべき事項

 3 農林水産大臣は、改善指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、水産政策審議会の意見を聴かなければならない。

 4 農林水産大臣は、改善指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

  (改善計画)

 第四条 漁業者及び漁業協同組合等(漁業者を直接又は間接の構成員(以下単に「構成員」という。)とする漁業協同組合その他の政令で定める法人をいう。以下同じ。)は、農林水産省令で定めるところにより、単独で又は共同で行おうとする漁業経営の改善に関する計画(個人である漁業者がその経営組織を変更してその者又はその者の営む漁業に従事する者を主たる組合員、社員又は株主とする法人(株式会社にあつては、定款に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定めがあるものに限る。第九条第一号及び第十条第一項において同じ。)を設立しようとする場合にあつては、当該法人が行う漁業経営の改善に関するものを含む。以下「改善計画」という。)を作成し、これを、次の各号に掲げる改善計画以外の改善計画にあつては農林水産大臣に、次の各号に掲げる改善計画にあつては当該各号に定める都道府県知事に提出して、その改善計画が適当である旨の認定を受けることができる。ただし、漁業者又は漁業協同組合等が共同で改善計画を作成した場合にあつては、農林水産省令で定めるところにより、代表者を定め、これを農林水産大臣又は都道府県知事に提出するものとする。

  一 政令で定める業種以外の業種に係る漁業を主として営む漁業者が単独で作成した改善計画 当該漁業者の住所地を管轄する都道府県知事

  二 特定漁業協同組合等(前号の漁業者を主たる構成員とする漁業協同組合等であつてその定款に地区が定められているもののうちその地区が一の都道府県の区域を超えないもの及び同号の漁業者を主たる構成員とする漁業協同組合等であつてその行う事業が一の都道府県の区域内に限られるものをいう。)が単独で作成した改善計画 当該都道府県知事

  三 漁業者又は漁業協同組合等が共同で作成した改善計画であつて、その代表者が第一号の漁業者又は前号の特定漁業協同組合等からなり、かつ、当該漁業者の住所地をその区域に含む都道府県又は当該特定漁業協同組合等に係る都道府県が同一であるもの 当該都道府県知事

 2 改善計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

  一 漁業経営の改善の目標

  二 漁業経営の改善による経営の向上の程度を示す指標

  三 漁業経営の改善の内容及び実施時期

  四 漁業経営の改善を実施するのに必要な資金の額及びその調達方法

 3 農林水産大臣又は都道府県知事は、第一項の認定の申請があつた場合において、その改善計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、同項の認定をするものとする。

  一 前項第一号から第三号までに掲げる事項が改善指針に照らして適切なものであること。

  二 前項第三号及び第四号に掲げる事項が漁業経営の改善を確実に遂行するため適切なものであること。

 4 前三項に規定するもののほか、改善計画の認定及びその取消しに関し必要な事項は、政令で定める。

  第六条第三項中「(当該漁業が特定業種漁業である場合にあつては、当該特定業種に係る構造改善基本方針に定める事項に照らし適切なものであること)」を削る。

  第七条中「政府」を「国及び都道府県」に、「第五条第一項」を「第四条第一項」に、「構造改善計画」を「改善計画」に改める。

  第八条第一項中「第三条第一項」を「第四条第一項第一号」に改め、同条第二項中「第三条第一項」を「第五条第一項」に改める。

  第九条第一号を次のように改める。

  一 第四条第一項の認定を受けた漁業者(当該認定に係る改善計画に従い設立された法人を含む。第十一条及び第十五条第一項において同じ。)又は漁業協同組合等 当該認定に係る改善計画に従い漁業経営の改善のための措置を行うために必要な資金

  第十条を次のように改める。

  (漁業権の移転の特例)

 第十条 第四条第一項の認定を受けた個人である漁業者であつて漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第六条第二項に規定する定置漁業権又は区画漁業権を有する者が、当該認定に係る改善計画に従いその経営組織を変更してその者又はその者の営む当該漁業権の内容たる漁業に従事する者を主たる組合員、社員又は株主とする法人を設立し、当該漁業権を、その内容たる漁業を営むために当該法人に譲渡する場合において、当該漁業権の免許をした都道府県知事の認可を受けたときは、同法第二十六条第一項本文の規定は、適用しない。

 2 前項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。

  第十一条中「第五条第一項」を「第四条第一項」に、「漁業協同組合等の構成員である中小漁業者であつて特定業種漁業を営むものは、租税特別措置法」を「漁業者が当該認定に係る改善計画に従い新たに取得し、又は建造した船舶については、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)」に改め、「その有する固定資産について」を削る。

  第十五条及び第十六条を削る。

  第十七条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「第五条第一項の認定を受けた漁業協同組合等又は」及び「構造改善計画又は」を削り、同項を同条第三項とし、同条第一項中「第三条第一項」を「第五条第一項」に改め、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   農林水産大臣又は都道府県知事は、第四条第一項の認定を受けた漁業者又は漁業協同組合等に対し、改善計画の実施状況について必要な報告を求めることができる。

  第十七条を第十五条とする。

  第十八条中「十万円」を「三十万円」に改め、同条を第十六条とする。

  第十九条を第十七条とする。

 (農林漁業金融公庫法の一部改正)

第二条 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。

  第十八条第一項第五号の四中「縮減」の下に「、漁業の休業その他の漁業の整備」を加え、同号を同項第五号の五とし、同項第五号の三の次に次の一号を加える。

  五の四 漁業経営の改善のためにする漁船その他の施設の整備、生産方式の合理化、経営管理の合理化その他の措置に伴い必要な資金であつて主務大臣の指定するもの

  第十八条第三項中「若しくは沿岸漁業」を削り、「漁業の再建整備」を「漁業経営の改善若しくは漁業の整備」に改める。

  別表第二の第二号の貸付金の種類の欄中「又は沿岸漁業」を削り、「第十八条第一項第五号の二、第七号」を「第十八条第一項第七号」に改め、同表の第四号の貸付金の種類の欄中「漁業再建整備特別措置法」を「漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法」に改め、「第五号の四」の下に「、第五号の五」を加え、同号(一)の貸付金の種類の欄中「若しくは取得又は漁業の生産力の維持増進に必要な施設の改良、造成若しくは取得」を「又は取得」に改め、同号(一)の利率の欄中「年 六分五厘」を「年 三分五厘」に改め、同号(二)の貸付金の種類の欄中「縮減」の下に「、漁業の休業その他の漁業の整備」を加え、同号(三)の利率の欄中「年 七分五厘」を「年 六分五厘」に改め、同号(三)の次に次のように加える。

 (四) (一)から(三)までに掲げるもの以外のもの

年 五分

十八年

三年

 (中小漁業融資保証法の一部改正)

第三条 中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)の一部を次のように改正する。

  第四条第二号を次のように改める。

  二 漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法(昭和五十一年法律第四十三号)第四条第一項の認定に係る同項の改善計画に従つて漁業経営の改善のための措置を行う中小漁業者等に対しその経営の改善に必要な資金の貸付けを行う金融機関に対する当該貸付けに必要な資金の供給

  第七十六条中「及び次条に規定する資金」を削り、同条の次に次の一条を加える。

  (改善資金に関する特例)

 第七十六条の二 第六十九条第一項又は第二項の保険関係(公害防止資金及び災害資金に係る保険関係を除く。)であつて、漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法第四条第一項の認定に係る同項の改善計画に従つて漁業経営の改善のための措置を行うために必要な資金(以下「改善資金」という。)に係る債務の保証に係るものにおいては、第六十九条第三項の一定の率は、同条第四項の規定にかかわらず、同項の政令で定める協会については百分の八十とし、その他の協会については百分の六十とする。

  第七十七条中「及び災害資金」を「、災害資金及び改善資金」に、「漁業再建整備特別措置法」を「漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

 (漁業再建整備特別措置法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 この法律の施行前に第一条の規定による改正前の漁業再建整備特別措置法第五条第一項の認定を受けた漁業協同組合等に関する構造改善計画の変更の認定及び取消し並びに報告の徴収については、なお従前の例による。

第三条 農林水産大臣は、この法律の施行前においても、第一条の規定による改正後の漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法(次項において「新法」という。)第三条の規定の例により、同条第一項に規定する改善指針を定め、これを公表することができる。

2 前項の規定により定められた改善指針は、この法律の施行の日において新法第三条第一項の規定により定められたものとみなす。

 (農林漁業金融公庫法の一部改正に伴う経過措置)

第四条 この法律の施行前に貸し付けられた第二条の規定による改正前の農林漁業金融公庫法別表第二の第二号並びに第四号(一)及び(三)に掲げる資金(同表の第二号に掲げる資金については、沿岸漁業に係るものに限る。)については、なお従前の例による。

 (中小漁業融資保証法の一部改正に伴う経過措置)

第五条 この法律の施行前に第三条の規定による改正前の中小漁業融資保証法第四条第二号の規定により漁業信用基金協会から金融機関に対して供給された資金及び同号に掲げる業務に必要なものとして農林漁業信用基金法(昭和六十二年法律第七十九号)第二十七条第一項第八号の規定により農林漁業信用基金から漁業信用基金協会に対して貸し付けられた資金については、なお従前の例による。

 (罰則に関する経過措置)

第六条 この法律の施行前にした行為並びに附則第二条及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法及び水産基本法の一部改正)

第七条 次に掲げる法律の規定中「漁業再建整備特別措置法」を「漁業経営の改善及び再建整備に関する特別措置法」に改める。

 一 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法(昭和五十二年法律第九十四号)第七条第三項

 二 水産基本法(平成十三年法律第八十九号)第三十六条第三項

(内閣総理・財務・厚生労働・農林水産大臣署名) 

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