衆議院

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第3号 平成26年10月1日(水曜日)

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平成二十六年十月一日(水曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第三号

  平成二十六年十月一日

    午後二時開議

 一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)


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    午後二時二分開議

議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(伊吹文明君) まず、御報告することがあります。

 元本院議長土井たか子さんは、去る二十日御逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。

 つきましては、議院運営委員会の議を経て土井たか子さんに対する弔詞を贈呈することといたしましたので、これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに本院議長の要職につかれ常に議会政治の発展に貢献された土井たか子さんの長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)

議長(伊吹文明君) それでは、昨日に引き続き、国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。まず、最初の質疑者、井上義久君。

    〔井上義久君登壇〕

井上義久君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました安倍総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。(拍手)

 長野、岐阜県境の御嶽山が噴火し、噴煙、降灰等に巻き込まれ、登山者などに大きな被害が生じました。亡くなられた方々とその御遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

 また、厳しい環境の中、献身的に救助活動に当たっておられる自衛隊や警察、消防など、関係者の皆様に心より敬意を表し、感謝申し上げます。

 政府においては、引き続き救助活動に全力を挙げるとともに、今後の火山活動に対する万全な監視警戒態勢をしき、周辺住民の安全の確保、降灰による農作物への被害の拡大防止などに努めるよう強く要請します。

 また、平成二十六年八月豪雨でも、広島の土砂災害を初め、多くのとうとい命が失われました。傷跡は深く、復旧復興のめどが立っていない地域もあります。

 政府においては、災害復旧、さらには被災者の生活再建、メンタルケアを含めた健康管理など、引き続ききめ細かな対応を求めます。

 東日本大震災、広島等での台風、豪雨による土砂災害、そして今般の御嶽山の噴火など、改めて日本が災害多発国であることを思い知らされました。いつやってくるかわからないのが災害です。国民一人一人が防災への意識を高めるとともに、ハード、ソフト両面にわたる防災・減災対策の強化が急務です。

 御嶽山噴火への対策と今後の防災・減災対策への取り組みについて、総理の答弁を求めます。

 さて、安倍改造内閣が始動しました。

 私たちは、東日本大震災からの復興の加速、経済の再生、社会保障と税の一体改革の推進を最優先課題として取り組んできましたが、さらに全力を傾注し、国民に、目に見える確実な成果を示さなければなりません。

 その上で、少子高齢化、人口減少社会の中で、将来にわたって活力ある日本社会を維持するための地方創生、女性や若者が活躍できる国づくり、また、近隣諸国との関係改善と国際貢献への取り組みなど、課題は山積しています。

 政治にゴールはなく、常に改革、挑戦です。謙虚な姿勢で、国民との対話を通じて理解と合意形成に努め、国民のための政治を貫き通していかなければなりません。

 そのことを、安倍総理、そして新布陣となった閣僚の方々に強く申し上げたいと思います。

 以下、具体的に質問をします。

 初めに、東日本大震災からの復興の加速化について伺います。

 東日本大震災の発災から三年半が経過しましたが、今なお、二十五万人近い方々が避難生活を強いられています。この現実をしっかりと受けとめ、被災者が一日も早く当たり前の日常生活が取り戻せるよう、復興加速化への取り組みを進めていく決意です。

 福島の一部を除き、社会インフラの整備を含めた復旧にめどが立ち、生活再建、まちづくり、農業、漁業、林業を含む産業、なりわいの再生など、復興に向けた課題へとステージが移行しつつあります。

 被災者にとって最も重要な住宅再建は、二〇一五年度末には、高台移転による宅地造成が約五割の一万戸、災害公営住宅は約七割の二万戸が完成する見込みになっていますが、これをさらに加速させなければなりません。

 これまで、用地取得手続の簡素化や運用改善などの加速化措置を講じてきましたが、今後一層、地元市町村が抱える課題や進捗状況に即したきめ細かな支援が必要です。

 沿岸地域の基幹産業である漁業については、水揚げ量が震災前の七割にまで回復する一方、水産加工品等の売り上げの回復は大幅におくれています。金融面はもちろん、販路の確保、拡大など、再生を後押しする支援が必要です。

 福島の再生に向けては、原発事故の収束や廃炉・汚染水対策、除染等の課題があるものの、ようやく復興に向けた動きも見え始めました。福島イノベーション・コースト構想などの復興ビジョンも、具体化に向けて動き出しています。

 そうした中、福島の本格的な復興への大きな一歩となる中間貯蔵施設について、福島県知事が受け入れを表明されました。その英断に心から敬意を表します。

 地元の十分な理解と万全な安全対策を講じつつ、汚染廃棄物の搬入が来年一月から開始できるよう、政府を挙げた取り組みを求めます。

 また、受け入れの前提である三十年以内に福島県外で最終処分を完了することや、中間貯蔵施設に係る国の責任について、その趣旨がはっきりとわかるよう法律に明示すべきです。

 以上、東日本大震災からの復興の加速化、福島の再生について、総理の答弁を求めます。

 震災からの復興は道半ばです。

 集中復興期間が来年度、二〇一五年度までに終了しますが、その後の財源を含めた国としての取り組みについて被災地から不安の声が上がっています。

 残り期間が一年半となり、また、最終年度の二〇一五年度予算案の編成が本格化する中、被災地が集中期間後も安心して復興に取り組めるよう、財源の確保や国の取り組みについて具体的な方向を示すべきと考えます。総理の答弁を求めます。

 経済政策について伺います。

 足元の日本経済は、雇用と所得環境の改善等により緩やかに回復していくことが期待される一方で、駆け込み需要の反動の長期化や最近の円安、天候不良等によるガソリン、生鮮食料品の高どまりなど、下振れリスクもあります。

 実際、家計においては、物価上昇に所得の上昇が追いつかず、実質可処分所得はふえていません。好循環はどこで回っているのかというのが国民の生活実感ではないでしょうか。

 昨年に続いて再開した政労使会議の積極活用などで、企業収益を着実に賃金上昇、雇用確保につなげるための環境整備が重要です。

 また、景気を下支えするためにも、今後、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるべきです。総理の答弁を求めます。

 ことし六月に改訂された日本再興戦略に基づき、成長戦略を本格的な軌道に乗せていかなければなりません。

 成長戦略は、世界の市場を相手にしたグローバル経済の視点と同時に、地域再生からの視点が重要です。

 むしろ、我が国経済の再生、成長の鍵は、GDPや雇用の約七割、八割を占める地域経済の活性化にあると考えます。

 特に、その大半を占める中小のサービス業を中心に経営・金融支援を強化することや、人材教育、ITの活用などにより生産性の向上を図っていくことが重要です。女性や若者はもとより、高齢者や障害者が働きやすい環境を整備し、就労を促すことも欠かせません。

 また、例えば、地域の金融機関を巻き込んだ産学金官のラウンドテーブルによる事業創出など、地域の自主性に基づいた地域の好循環実現に向けた取り組みを、国も積極的に支援していくことも効果的だと思います。

 地域発の成長戦略について、総理の答弁を求めます。

 次に、社会保障と税の一体改革について伺います。

 社会保障と税の一体改革は、当時与党であった民主党と野党であった自民、公明三党が合意した国民との約束であり、成立した法律に沿って社会保障の安定、充実を図っていく責任があることは言うまでもありません。

 来年十月の消費税率の引き上げについては、内閣が経済状況等を総合的に勘案し判断することとされており、それを尊重することは当然であります。

 その一方で、仮に引き上げを先送りした場合の、社会保障の安定、充実や財政健全化目標への影響、市場の評価などのリスクを考えると、予定どおり実施できるように経済環境等を整えることを最優先すべきではないかと考えます。

 そのためにも、思い切った補正予算の編成など、適宜適切な対策を講ずるよう重ねて申し上げます。

 また、消費税の軽減税率については、世論調査などでも常に八割近くの国民が賛成をしており、基幹税目としての消費税の役割を考えると、逆進性対策と同時に、消費税への理解を得るとの観点からも、導入すべきです。

 与党間における、一〇%時に軽減税率を導入するとの合意に沿って、制度設計を急ぐべきと考えますが、総理の答弁を求めます。

 次に、今国会の最重要課題である地方創生について伺います。

 地方創生のキーワードは、人です。

 政府のまち・ひと・しごと創生本部の名称のとおり、町と仕事の真ん中に人がある、このことが重要です。人がかなめであり中心でなければ、地方創生は、しょせん形だけに終わります。

 人が生きる、そのために、地域における行政サービス、特に医療、介護などの社会保障や教育の充実確保を図りつつ、地域で生計が立てられるよう、なりわいとしての産業と雇用の場を確保する、この両輪をかみ合わせながら、個性あふれる、安心して住み続けられる地域をつくっていく、それが地方創生だと考えます。

 今般、公明党は、こうした視点に立ち、全国の地方議員と議論を重ねながら、活気ある温かな地域づくりを目指す提言を取りまとめました。その提言に沿い、以下、質問します。

 第一は、支え合う地域づくりです。

 超高齢社会に突入する我が国においては、高齢者が地域の中で医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを一体的に受けることができる地域包括ケアシステムの構築、推進が不可欠です。そのための財源を適切に確保し、地域の実情に即して活用できるようにすべきです。

 その上で、在宅医療や介護を可能とする訪問看護や、小規模多機能型の居宅介護サービスの全市町村での実施、さらには、生活支援サービスと組み合わせた高齢者住宅の確保などが重要です。

 関連して、認知症対策にも力を注ぐべきです。

 オレンジプランを抜本的に見直し、地域における早期診断、治療、ケア、相談など総合的な支援体制の充実を図るなど、認知症の人とその家族を支え、できる限り住みなれた地域で生活できる環境を整えるべきです。

 また、こうしたサービスを支える介護人材を確保するため、処遇の改善はもとより、介護職のイメージアップのために福祉人材確保指針を抜本的に見直し、国を挙げて取り組むべきです。

 さらに、地域の支え合いには多様な支え手の協力が不可欠であり、NPO、ボランティア、民間事業所などによる新たな地域支援事業の展開が必要と考えます。

 人材の確保について、総理の答弁を求めます。

 第二に、魅力ある地域づくりです。

 全国的に人口減少が進む中で、年間十万人程度の若年層が東京圏への転入超過となっています。地方から見れば、若年層の流出で高齢化に拍車がかかり、地域の活力がさらに奪われかねません。

 こうした人の流れを転換するため、地方のUターン、Iターン、Jターンを促す支援策を構築し、若者の地方就職を進めるべきです。また、地方への定住支援として、都市部の若者が過疎地で暮らしながら地域協力活動を行う地域おこし協力隊が大きな成果を上げており、さらに事業を拡大すべきです。

 また、魅力あるコミュニティーを形成するため、コンパクトでスマートなまちづくりも欠かせません。地域の中小企業の人手不足を抜本的に解消するためのマッチングの仕組みや、地域資源のブランド化などによる新たなビジネスモデルの展開など、地域の特性をフルに発揮できる仕組みを構築すべきです。

 魅力ある地域づくりについて、総理の答弁を求めます。

 第三に、安心な地域づくりです。

 国と地方が連携し、地域の防災・減災対策を抜本的に強化すべきです。特に、橋梁や上下水道、道路、学校施設などの老朽化対策、耐震化を計画的かつ効率的に進めていくべきです。

 また、防災や防犯等の観点から、空き家対策も重要です。

 放置された空き家は、倒壊や火災発生のおそれ、さらには犯罪の温床となるなど、問題は深刻です。周囲に迷惑をかけているような空き家は除却を促し、使用できる空き家は地域の活性化のために利活用するなど、問題解決に向けた法整備を早急に進めるべきと考えます。

 太田国土交通大臣の答弁を求めます。

 第四は、活力ある地域づくりです。

 これからの地域の担い手は、女性や若者です。

 公明党は、女性が輝く社会を構築するための女性の元気応援プランを取りまとめ、提言しています。

 例えば、チャイルドファースト社会を目指した待機児童解消、特に明年四月に本格的に実施される子ども・子育て支援新制度について、財源確保を含めた着実な推進が欠かせません。また、妊娠、出産、産後ケアまでを通じて、ワンストップで母子の健康を支えていくことも重要です。

 一方、若者を取り巻く環境は、正社員か非正規かという働き方の二極化や、起業における障壁、地域からの疎外など、活力を発揮しがたい隘路に陥っています。

 キャリアアップ助成金の活用等による非正規労働者の正社員化など雇用対策を強化するとともに、創業・起業支援など、未来を担う若者が活躍できる環境整備に努めるべきです。

 女性、若者が活躍できる環境整備について、総理の答弁を求めます。

 次に、農林水産業についてです。

 政府は、攻めの農林水産業をテーマに、六次産業化や和食の魅力発信を含む農林水産物の輸出促進、農林漁業の所得向上や地域活性化に向けた施策を展開してきました。

 農林水産業の活性化は地方創生の重要な柱であり、以下、具体的に伺います。

 日本の食料自給率は、カロリーベースで四〇%を下回る水準で推移しており、五〇%という目標に対し大きな開きがあります。食料の安定的な確保や自給率の向上は国の重要な責務であり、新たな基本計画の策定に向け、真摯に議論すべきと考えます。

 昨年、米政策の見直しや農地中間管理機構による農地集約を決定したほか、本年は、農協、農業組合などの改革にも着手しました。農協改革は、この秋からさらなる議論が進められますが、農協がこれまでに果たしてきた役割を踏まえ、現場の実態に即した自己改革を尊重しつつ検討を進めるべきです。

 主食用米の供給が需要を上回る中、農協から農家へ支払われる概算金が昨年より大幅に下落し、米農家は苦悩しています。営農を継続できるよう、当面の資金繰りへの支援などの経営安定対策とともに、米の消費拡大にも取り組むべきです。また、潜在需要が見込まれる飼料用米の生産に安心して取り組めるよう、数量目標を掲げるなど、生産と需要のマッチングを強化すべきです。

 農地の集約化を推進するために、農地を借り受けて担い手へ貸し付ける農地中間管理機構が全県で整備されました。この秋からいよいよ本格的な農地の利用調整が始まりますが、市町村段階の推進体制の整備や制度の周知徹底など、国、地方を挙げて取り組みを進めるべきと考えます。

 以上、農業の課題について、総理の答弁を求めます。

 次に、林業についてです。

 国土の三分の二を森林が占める日本において、森林資源の循環利用は重要な課題です。地域材の安定的、効率的な供給体制の整備を進めるとともに、耐震性、耐火性にすぐれた直交集成材、CLTなどの普及を加速化させるべきです。

 そのためにも、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック関連施設への国産材の積極的な活用を推進すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。

 水産業については、水産物の安定的な供給と水産業の健全な発展のために、資源管理の一層の推進が必要です。

 また、世界各地での魚介類の消費増を踏まえ、養殖業の持続的な発展と輸出の促進に力を注ぐべきです。

 他方、国内では、水産物消費の減少傾向が続いており、手軽においしく食べられる水産物、ファストフィッシュや、地元の漁師が自信を持って薦めるプライドフィッシュの推進など、消費拡大に向けた取り組みが重要です。

 さらに、漁村地域の活性化のためには、水産物の高付加価値化などで所得の向上を総合的、戦略的に進めることも必要です。また、当面の燃油高騰対策にも万全を期すべきです。

 水産業の活性化について、総理の答弁を求めます。

 次に、難病対策についてです。

 さきの通常国会で、患者、家族の方々の悲願であった難病対策の新法が成立し、恒久的かつ安定的な制度が確立しました。

 この結果、まずは八月に、医療費助成の対象として百十疾患が選定され、今後の認定で、最終的には約三百疾患にまで対象が拡大されることとなっています。

 医療費助成とあわせ、効果的な治療方法の確立と医療の質の向上による疾患の克服こそが患者の最大の願いです。特に、超希少難病の治療薬や医療機器の研究開発については、国としても強力に支援していくべきと考えます。

 難病対策への取り組みについて、総理の答弁を求めます。

 がん対策について伺います。

 第一に、がん検診受診率の向上です。基本計画では、平成二十八年度までに原則五〇%という目標を掲げているものの、現状は三割台にとどまっています。企業、自治体を含めた連携協力で、一層の普及啓発に努めるべきです。

 また、無料クーポンの配付とともに、乳がんや子宮頸がん検診の対象者に、お知らせの送付や電話などで個別に受診を勧めるコール・リコール制度がスタートしました。さらに、精密検査を要する人への再勧奨を推進するなど、対策を強化すべきです。

 学校等におけるがん教育の全国展開も極めて重要です。今年度、全国二十一地域七十校でモデル事業を実施し、さらに今後、教材等の開発を進める予定になっています。児童生徒が授業を通してがんを知り、命の大切さを学び、将来の検診受診率の向上に結びつくような教育を推進すべきです。

 苦痛を和らげる緩和ケアについては、がん医療に携わる全ての医師が研修を受けるべきと定めていますが、病院間で大きな格差が生じています。研修を病院任せにせず、今こそ国を挙げて取り組むべきです。

 以上、がん対策の課題について、総理の答弁を求めます。

 再生可能エネルギーの導入促進について伺います。

 我が国の発電電力量における再生可能エネルギーの割合は、水力発電を除けば一・六%程度であり、主要欧米諸国に比べて依然として少ないのが現状です。

 本年四月に閣議決定したエネルギー基本計画に基づき、再生可能エネルギーの導入促進を図るための司令塔として、再生可能エネルギー等関係閣僚会議が創設されましたが、第一回会合以降、目に見えた進展がありません。

 我が国にとって、再生可能エネルギーの導入促進は急務です。

 普及に向けては、固定価格買い取り制度の適切な運用を初め、低コスト化、高効率化に向けた技術開発や、大型蓄電池の導入、送配電網の増強といったインフラ整備などの施策を加速させなければなりません。

 公明党は、二〇三〇年を目標に、総発電量における再エネの発電割合三〇%を目指すべきと考えており、国としても、具体的かつ野心的な目標を早急に提示すべきです。

 あわせて、再エネへの民間投資を誘発するため、子や孫に再エネに関する投資を資産として贈与した場合、贈与税を軽減する緑の贈与制度を創設すべきと考えています。

 総理の答弁を求めます。

 外交、安全保障について伺います。

 日中関係については、十一月に予定されるAPECに向け、経済協力分野を初め、関係改善に向けた対話の機運が高まっています。こうした中、日中間の偶発的な軍事衝突を避けるための海上連絡メカニズムの設置に向けた協議の再開が合意されたことは前進です。

 こうした動きを好機と捉え、政府・与党が連携し、あらゆるチャンネルを生かした重層的な対話を促進していくことが重要と考えます。

 明年、国交正常化から五十年を迎える日韓関係を含め、中韓両国との関係改善にどう取り組まれるのか、総理に伺います。

 我が国を取り巻く安全保障環境が変化する中、国民の生命と財産を守るため、切れ目のない安全保障法制を整備することは、極めて重要な課題です。

 去る七月一日、新たな安全保障法制の整備のための基本方針が、自公両党の協議を経て閣議決定されました。今後は、この閣議決定や、これを受けて行われた七月十四日、十五日の衆参予算委員会における安倍総理並びに内閣法制局長官の答弁を十分に踏まえ、法整備を行うことが重要だと考えます。

 今後の法整備の進め方について、総理の答弁を求めます。

 公明党は、本年十一月十七日、結党から五十年を迎えます。

 幾多の困難を乗り越え、今日を迎えられたのは、公明党に夢や希望を託し、幅広い御支持、御支援を寄せてくださった皆様方のおかげであり、改めて心より感謝申し上げます。

 公明党は、「大衆とともに」の立党精神を不変の原点とし、中道、すなわち、生命、生活、生存を最大限に尊重する人間主義の旗を掲げ、常に庶民、大衆の側に立った政治の実現を目指してきました。この間、福祉の充実や政治腐敗との闘い、日中国交正常化への貢献や安全保障政策における国民的な合意形成など、日本の政治に大きな役割と足跡をしるしてきたと自負しております。

 民主政治にとって、政党の役割は極めて重要です。多様な民意を受けとめ、それを集約して合意形成を図る政党の存在がなければ、議会政治は成り立たないと言っても過言ではありません。

 公明党が、「大衆とともに」の立党精神を大事にし、現場第一主義に徹してきたのは、国民の声をきちんと受けとめ、それを政治に反映するという不断の努力なくして、国民の信頼に基づく政治は築けないと考えてきたからです。

 これからも公明党は、地域密着型の政党として、現場第一主義を貫き、地方議員、国会議員のネットワークを通じて国民の声を政治に届けることをお誓いし、私の代表質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上義久議員にお答えをいたします。

 御嶽山噴火への対策と今後の防災・減災対策への取り組みについてお尋ねがありました。

 御嶽山の現場では、噴火活動が続く中、警察、消防、自衛隊による懸命の救出活動が行われていますが、いまだ連絡のとれない方々がおられます。政府としては、二次災害に留意しつつ、引き続き救助活動に全力を尽くしてまいります。

 また、今回の経験を踏まえ、今後、火山活動の監視を強化するなど、防災対策にスピード感を持って取り組んでまいります。

 今夏、各地で相次いだ豪雨、土砂災害についても、一日も早い生活再建などの被災者の支援策に関係機関が一体となって取り組んでまいります。

 自然災害が起こりやすい我が国において、国民の生命と財産を守るため、法改正も含め、ハードとソフトの対策を適切に組み合わせた総合的な防災・減災対策に政府一丸となって取り組んでまいります。

 復興の加速化、福島の再生についてお尋ねがありました。

 岩手と宮城での高台移転や災害公営住宅は、八割を超える事業が始まっています。引き続き、住宅再建の加速化措置に取り組むとともに、水産業の販路回復など、産業、なりわいの再生にも政府一丸となって取り組んでまいります。

 原子力災害から一日も早く福島を再生することは、国の責務です。

 中間貯蔵施設については、地元の皆様の御理解を得つつ、万全な安全対策を講じ、できる限り早期に搬入を開始できるよう、最大限努力してまいります。

 また、中間貯蔵施設に関する国の責務の明確化や、中間貯蔵開始後三十年以内の福島県外での最終処分の法制化に対応する法案を今国会に提出できるよう、準備を進めています。

 新内閣でも、全員が復興大臣との意識を共有し、復興のさらなる加速化に向け、全力で取り組みます。

 集中復興期間後の復興への取り組みについてお尋ねがありました。

 五年間の集中復興期間の区切りとなる二十七年度予算については、被災地の一刻も早い復興のため、必要な額をきちんと措置していきたいと考えています。

 これまで、例えば、用地取得が難しいといった被災地の声をもとに、用地取得の迅速化などの加速化措置を講じ、災害公営住宅等の住宅再建を進めてまいりました。

 二十八年度以降についても、引き続き、被災者の方々の心に寄り添い、しっかりと対応してまいります。

 賃金上昇、景気対策等についてお尋ねがありました。

 三本の矢の効果もあり、経済の好循環が生まれ始めています。一人当たり名目賃金に雇用者数を乗じた国民全体の所得、賃金である雇用者所得は、昨年四月以降上昇基調にあります。

 他方、今般の物価上昇により、まだ賃金の上昇を実感しづらい状況であることも事実であります。

 このため、政労使会議での議論などを通じ、経済の好循環実現に向けた環境整備を図り、賃金上昇、雇用拡大が達成される状況を実現してまいります。

 また、今後、本年七―九月期のQEなど各種の経済指標が明らかになってきますので、それらをよく見ながら、経済の状況等に慎重に目配りしてまいります。

 地域発の成長戦略についてお尋ねがありました。

 安倍内閣では、デフレ脱却を目指し、経済最優先で政権運営に臨んでいます。しかし、その効果はまだ日本の隅々にまで行き渡っているとは言えません。

 アベノミクスの効果を全国に波及させ、地域経済の好循環をもたらし、景気回復の実感を全国津々浦々に届けていくことが、安倍内閣の大きな使命であります。

 本年六月に改訂版を取りまとめた成長戦略には、御指摘の、サービス産業の生産性の向上や、多様な人材の活躍推進、産学金官による地域企業の立ち上げ支援など、地域経済を後押しする幅広い施策を盛り込んでおります。

 こうした施策の着実な実行に加え、地域におけるイノベーションのさらなる推進、地域を支える基盤産業の支援など、地域の成長を後押しする成長戦略の進化にしっかりと取り組んでまいります。

 消費税の軽減税率についてお尋ねがありました。

 消費税の軽減税率については、平成二十六年度与党税制改正大綱を踏まえ、与党税制協議会において検討されているものと承知しており、政府としては、与党における検討を見守ってまいりたいと思います。

 介護人材の確保等についてのお尋ねがありました。

 高齢化の進展に伴い介護需要が高まる中、介護人材の確保は喫緊の課題です。

 このため、介護職の一層のイメージアップと国民の理解促進を図る等の観点から、福祉人材確保のための国の指針を見直し、介護人材確保に向けた総合的な方策を講じてまいります。

 また、高齢者の多様なニーズに応えるため、市町村が地域の実情に応じてNPO、ボランティアなどを活用する地域支援事業を推進することにより、地域の支え合いの仕組みづくりを強化してまいります。

 魅力ある地域づくりについてお尋ねがありました。

 若者が将来に夢や希望を持てる魅力あふれる地方の創生は、安倍内閣の最重要課題です。景気回復の波を全国隅々にまで届けるとともに、若い方々が安心して働き、子育てができる地域をつくることにより、地方への人の流れをつくることが必要です。

 このため、私のもとに設置したまち・ひと・しごと創生本部においては、それぞれの地域ならではの資源やよさを生かすことにより、地方に仕事をつくることを重視してまいります。

 今後、都市から地方に移住して地域協力活動を行う地域おこし協力隊や、地域資源を活用したふるさと名物による地域のブランド力の向上等を含め、効果の高い政策を集中的に進めてまいります。

 女性や若者が活躍できる環境整備についてお尋ねがありました。

 人口減少や高齢化が進む中、地域を担う女性や若者の活躍を推進していくことは、極めて重要な課題であります。

 このため、子ども・子育て支援新制度に基づく支援の充実を進め、また、妊娠期から切れ目のない支援を行うワンストップ拠点の整備などに取り組み、女性を支援してまいります。

 また、若者の雇用については、引き続き、非正規雇用の方々に対して処遇改善を進めるとともに、正社員転換も強力に推進し、その能力の発揮を促していきます。

 さらに、資金調達の支援等を通じ、女性や若者による創業も促進し、女性や若者が活躍できる社会づくりを強力に進めてまいります。

 農業の課題についてお尋ねがありました。

 安倍内閣においては、農業の成長産業化を図るため、輸出促進や六次産業化の推進による付加価値の向上、農地集積バンクによる担い手への農地集積などに、全国各地の状況に合わせて精力的に取り組んでいくこととしております。

 加えて、米の生産調整を見直す中で、需要のある飼料用米等の生産を振興することによって農地のフル活用を図り、食料自給率、食料自給力の維持向上を図っていくこととしています。

 さらに、六十年ぶりとなる農協の抜本改革を行います。地域の農協が主役となり農業の成長産業化に全力投球できるよう、次期通常国会に関連法案を提出すべく、検討を進めてまいります。

 今後、こうした改革により農業、農村全体の所得倍増の実現につなげていくため、食料・農業・農村基本計画の見直しを行い、農政の着実な改革を進めてまいります。

 林業についてお尋ねがありました。

 山村地域において、若者たちが将来に夢や希望を持って暮らしていけるようにするためには、地域の豊富な森林資源を活用して、林業の成長産業化を実現していくことが重要であります。

 このため、CLTと呼ばれる木材製品の普及の加速化、公共建築物の木造化、ニーズに対応した国産材の安定供給体制の構築などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。

 なお、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック関連施設についても、農林水産省と文部科学省、東京都等との連携を密にし、木材利用の促進に取り組んでいきたいと考えております。

 水産業の活性化についてのお尋ねがありました。

 水産業については、その成長産業化を実現することにより、漁業者の所得向上を図り、浜の活力を取り戻していくことが重要です。

 このため、持続的発展のための資源管理、収益性の高い漁業、養殖業の展開、六次産業化による付加価値の向上と消費の拡大、輸出の促進などに積極的に取り組んで、水産日本の復活を実現していきたいと考えております。

 難病対策への取り組みについてお尋ねがありました。

 難病に苦しむ方々の視点に立って政策を進めていくことは、私のライフワークと考えております。

 この難病対策を充実強化するための新法がさきの国会で成立をし、来年一月の施行に向けて準備を進めています。

 具体的には、消費税収を財源として大幅に予算を拡充し、医療費助成の対象疾病を五十六から最終的には約三百に拡大することとしております。

 また、医療費助成制度を通じ、症例数が少なく研究が進みにくい疾病について、データベースを構築し、治療研究に役立てることとしています。

 さらに、関係省庁等の連携のもと、基礎研究から実用化研究まで切れ目なく、新規治療薬、医療機器等の開発につなげるための研究を進めてまいります。

 これらの施策を着実に推進することにより、難病の克服に向けて全力を傾けてまいります。

 がん対策についてのお尋ねがありました。

 がん対策については、第一次安倍内閣において初めて策定したがん対策推進基本計画に基づき、具体的な目標を掲げ、総合的な取り組みを進めているところです。

 この中で、がん検診の受診率向上のための取り組みを進めるとともに、児童生徒に対するがん教育について、現在行っているモデル事業の成果を踏まえ、どのように全国で展開していくか、検討を進めてまいります。

 また、患者、家族ができる限り質の高い生活を送ることができるよう、がん診断時からの緩和ケアの提供について、医師に対する研修の全国実施等に取り組んでいるところであります。

 がんによる死亡を減少させるとともに、がん患者の方々が安心して暮らせるよう、これらの取り組みを通じ、関係者が連携してがん対策を進めてまいります。

 再生可能エネルギーについてお尋ねがありました。

 再生可能エネルギーを最大限導入していくことは、安倍政権のエネルギー政策の基本であります。

 そのため、固定価格買い取り制度を適切に運用することに加え、大型蓄電池の実証事業、送電網の整備実証、より多くの光を吸収できる新たな太陽電池の技術開発など、必要な施策を総動員して進めてまいります。

 また、再生可能エネルギーの導入目標については、今後のエネルギーミックスの検討の中で、各エネルギー源の特性を十分に考慮しつつ、全体的なバランスを考慮して目標を設定してまいります。

 緑の贈与制度については、税制改正のプロセスを通じ、引き続き検討を行ってまいります。

 中国、韓国との関係改善についてのお尋ねがありました。

 私は、中国や韓国との関係を改善していきたいと考えております。中国も韓国も、日本にとって重要な隣国です。隣国同士であるがゆえにさまざまな課題が生じますが、課題があるからこそ、前提条件をつけずに対話していくべきと考えています。

 十一月には北京でAPECが開催されます。中国の平和的発展は、日本にとって、そして世界にとってチャンスであると言えます。地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ日中両国が安定的な友好関係を築いていくためにも、APECで北京を訪問する際に日中首脳会談ができればよいと考えています。

 そのためには、先般のニューヨークにおける外相同士の協議のように、両国が互いに静かな努力を重ねていくことが必要であります。

 韓国とも、先般、ニューヨークで外相会談が行われました。今後も、一歩一歩お互いに努力を重ね、さまざまな国際会議の機会に首脳会談ができればよいと考えております。

 御指摘のように、中国、韓国との関係改善に向け、お互いに努力を重ねていく上で、政府・与党が連携し、また公明党の皆様にはさまざまな場面を通じて御協力をいただいているところでありますが、あらゆるチャンネルを生かした重層的な対話を促進していくことが重要であると考えております。

 今後の安全保障法制の整備についてのお尋ねがありました。

 政府としては、先般の閣議決定で示された基本方針のもと、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を精力的に進めています。

 内容が非常に多岐にわたるため、少し時間がかかると考えていますが、与党とも相談の上、法案提出時期を決めていきたいと考えています。

 法案整備を進める過程で、これまでも国民の皆様の御理解を得るよう努めてまいりましたが、引き続き、一層の御理解を得るように努めてまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣太田昭宏君登壇〕

国務大臣(太田昭宏君) 安心な地域づくりについてお尋ねがありました。

 まず、防災・減災対策につきましては、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化していることや、首都直下地震、南海トラフ巨大地震の発生が切迫していることなどから、対策を強化する必要があります。

 このため、ハードの整備とともに、情報伝達や避難体制を構築するなど、ソフト対策も総動員し、防災、減災を重視した地域づくりの取り組みを徹底して進める必要があります。

 また、高度成長期以降に整備したインフラが老朽化しています。この対策も必要であります。

 このため、本年五月に策定しましたインフラ長寿命化計画に即し、インフラの点検や修理、修繕、更新を着実に進めるなど、計画的に取り組んでまいります。

 引き続き、防災、減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化に重点的に取り組んでまいります。

 次に、空き家については、都市部でも地方部でも増加しており、対策の強化が必要だと考えています。

 具体的には、放置されて周辺に悪影響を及ぼす空き家については、除却を促進する必要があります。

 また、使える空き家は利活用を進め、都市部では住宅としての流通を促進するとともに、地方部では地域活性化の拠点などとして活用することが考えられます。

 空き家対策に関する法整備につきましては、現在、議員立法の議論が進められており、こうした動きとよく連携し、空き家対策に取り組んでまいります。

 以上です。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) それでは、次の質疑者、平沼赳夫君。

    〔平沼赳夫君登壇〕

平沼赳夫君 初めに、夏の豪雨に伴う土砂災害及び御嶽山噴火でお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

 私は、次世代の党を代表して、安倍総理の所信表明演説について質問をいたします。(拍手)

 次世代の党は、自立、新保守、次世代をキーワードに、日本の国のあり方を日本人自身の手で決定する自主憲法を制定することを通じて、日本の独立と繁栄を守るとともに、世界平和と人類社会の進歩に貢献することを目指し、八月一日に結党いたしました。

 言うまでもなく、保守とは、改革を否定するものではありません。むしろ、祖先より受け継いだ民族性、文化を守り伝えていくために、いわば国柄を守るためには、疲弊した制度を徹底的に改革していくことが求められます。

 しかし、安倍総理の進める少子化対策、女性政策が果たして我が国の国柄を守り抜いていくことにつながるか、大いに疑問を持っております。

 と申しますのも、総理は、女性が輝く社会を目指すと表明されていますが、それは、子育ては社会でやるから女性も外に出て働くべきといったような、いささか乱暴な主張に聞こえてしまうのです。

 確かに、能力と意思がありながら、働きたいのに働けない、働ける環境にない、その思いを抱いている女性に働ける環境を提供することは重要であります。

 しかし、その一方で、国立社会保障・人口問題研究所が二〇〇八年に実施した調査によれば、子供が三歳になるまでは家庭で子育てに専念したいと考える女性が八割を超えております。人生にはさまざまなステージがあり、そのステージごとに女性が望むライフスタイルも異なるのです。

 よって、共働きの女性も専業主婦の女性も、その時々においてさまざまな選択が可能となるような社会を目指さなければならないと思っておりますが、総理の御見解をお伺いします。

 次世代の党は、子育て支援、少子化対策として、三世代同居や近居への支援を強化すべきと考えています。祖父母から孫までがスープの冷めない距離に住むことにより、家庭の大切さを感じながら育つことは、子供たちへの高い教育的効果が図られるものと考えます。

 国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、両親と同居または近くに住んでいる女性の方が出産後も働き続ける割合が高いという結果が報告されています。つまり、子供を産み育てやすい環境とは、両親が同居または近くに住んでいる状態であることが読み取れます。

 このような子育て世代のニーズを踏まえ、三世代同居住宅建設または近居への支援や世帯単位課税等、大家族に有利な税制の導入など、家族でともに支え合い、助け合いながら生きていこうとする人たちに対しては国はもっと支援すべきだと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。

 関連して、非正規雇用問題について御質問いたします。

 正社員になりたいがなれない不本意非正規雇用者は、二十五歳から三十四歳の若い世代に多く、非正規雇用者の賃金は、正社員に比べて四割近くも低い現状が指摘されています。同一の労働には同一の賃金が支払われるべきです。また、正社員と比較した場合の非正規労働者の能力トレーニングの機会は不十分であり、その面でも格差があります。

 若者の能力を最大限に活用するための能力開発とキャリアパスをつくる仕組みが必要と考えますが、総理はどのようなお考えでしょうか。御質問いたします。

 農林水産業の発展は、地方経済に直結するテーマであるだけでなく、食の安全という国民の健康を左右する極めて重要な問題です。

 農林水産業に対する新規参入をさらに進めると同時に、食の安全を向上させる仕組みを整えるべきだと思いますが、農林水産業の活性化と食の安全確保についての総理の御見解をお伺いいたします。

 農林水産業以外の分野でも、医療やエネルギーなどで大胆な規制改革を進めていけば、必ず新しいビジネスが生まれてくると思います。

 しかし、現状では、規制改革が不十分であるため、自由な経済活動が制限されたままである一方で、円安に伴うガソリン、輸入資材の高騰が、とりわけ地方の中小企業にダメージを与えています。

 よって、円安に伴う緊急の中小企業対策と、さらなる規制改革を同時に進めるべきだと思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。

 消費税増税について御質問いたします。

 厳しさを増す財政状況を考えれば、中長期的には消費税増税の必要があることは、私どもは認めます。しかし、四月から六月期のGDPの成長率は年率マイナス七・一%と大きく落ち込み、景気回復がおくれる現今の経済状況において、消費税率を上げる判断が正しいとは思えません。

 増税の前にやるべき改革があります。

 次世代の党は、公会計を、現金主義、単式簿記から、発生主義、複式簿記へと変える公会計改革を提案しています。具体的には、財政健全化責任法案や公的年金制度の世代間格差を是正する法案を推し進めています。

 来年秋にも予定されている消費税増税は慎重に検討し、まず、こうした私たちの提案を真摯に受けとめ、次世代のために、財政規律を強化し、大胆な行財政改革、社会保障の抜本改革を断行すべきではないでしょうか。総理の御見解をお伺いいたします。

 そもそも、このたびの消費税増税は、税と社会保障の一体改革を断行し、歳出の穴を塞ぎ、持続可能な社会保障制度を実現していくためのものでございました。ところが、高齢者の医療費負担はわずか一割なのに対して、日本の将来を担う子供たちや国民健康保険加入の現役世代の負担は三割です。

 次世代や現役世代に大きな負担を強いている社会保障制度の改革の先送りは絶対に許されないと思いますが、税と社会保障の一体改革が遅々として進んでいない現状について、総理の御見解をお伺いいたします。

 去る七月十八日、最高裁判所は、永住外国人は生活保護法の適用対象ではないとの初めての判断を示しました。生活保護法は、対象を国民に限定しており、解釈で曖昧に運用してよい問題ではありません。

 現在、世帯主が日本国籍を有さない生活保護受給世帯に属する人員は七万四千名を超えます。金額は、厚生労働省は実態を把握しておらないようですが、受給人数から単純計算すると、恐らく一千二百億円は下らない額に上っているものと思われます。これは決して少ない額ではありません。

 最高裁判決を踏まえ、生活保護制度は国民に限定すべきと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

 さて、六月に改正された日本再興戦略には、外国人材の活用として、技能実習制度の拡充や、建設及び造船分野での外国人材の活用、国家戦略特区における家事支援人材の受け入れなどがうたわれています。新しい在留資格の創設は移民政策につながるのではないかと疑問を持つ国民も少なくありません。

 我が次世代の党は、文化的、社会的影響を顧みない移民の大量受け入れには慎重であるべきと考えています。

 そもそも政府は、外国人への生活保護の全体像すら正確に把握できておらず、日本在住の外国人に対する対策は不十分です。

 そこで、まず、外国人労働者に関する実態、特に外国人労働者が地域社会に与える影響などを徹底的に調査し、その結果を国民に公表すべきと考えますが、総理のお考えをお伺いいたします。

 エネルギー政策について質問いたします。

 所信表明演説では、規制緩和による水素の活用に言及がありました。

 次世代の党の結党大会では、海上メガフロートに一万基の風力発電機を設置し、そのエネルギーで海水から水素をつくることによって、全国で消費されるガソリンの全てを水素に置きかえるということを提案いたしました。

 水素ステーションの活用とあわせて、再生可能エネルギーを利用した水素の製造とガスライン構築によって、エネルギー自給率一〇〇%の国を目指すべきと考えますが、総理はどうお考えでしょうか。

 関連して、今年の上半期の経常収支は赤字となりました。原発再稼働のおくれによる燃料輸入費用の増大が大きな原因であります。

 原発の再稼働は必要であると考えますが、原子炉が冷却できなくなれば危機的事態になることが知られるようになった今日、テロリストに狙われる危険もあり、原発再稼働の条件として自衛隊による原発の警備を加えることを検討すべきと考えておりますが、総理の御見解をお伺いいたします。

 教育について質問いたします。

 平成十八年十二月、第一次安倍内閣のもとで教育基本法が改正されました。しかし、教育現場には、歴史と伝統を尊重し、公共の精神を重んずる日本国民の育成という改正教育基本法の目的が浸透しているとは思えません。

 今、日本に必要な教育は、世界で活躍できる立派な日本人を育てる教育であります。そのためにも、日本という国家を担う自覚と、バランスのとれた視野の広い歴史観を持つ日本人を育てる教育とするため、高校での日本史の必修化と小中学校での道徳の教科化を急ぐべきだと思いますが、総理の御見解をお伺いしたいと思います。

 慰安婦問題について御質問いたします。

 慰安婦強制連行説のもととなった吉田清治氏の話は全く根拠のない虚偽であったことは、朝日新聞が認めました。また、政府の調査によると、強制性を客観的に裏づける証拠がないまま河野談話が公表されたことが、二月二十日の石原信雄元官房副長官の参考人発言により明らかとなりました。

 ところが、河野談話はいまだに政府の正式見解として扱われ、慰安婦イコール性奴隷説は是正されず、在外邦人は、今もいわれなき非難にさらされています。河野談話は、歴史的真実に基づき、直ちに否定されなければなりません。

 総理に質問します。

 河野談話にかわる新たな官房長官談話を発表しないのでしょうか。また、現在使われている学校教科書の慰安婦記述の見直しはどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。

 来年は、終戦七十年です。ところが、いまだに、南の島々にさきの大戦で散華された多くの御遺骨が帰還されていません。

 アメリカには、全ての兵士を故郷に帰すを合い言葉に、海外の兵士の御遺骨の帰還と鑑定を行う専門の組織として、米軍統合戦時捕虜行方不明者調査司令部、通称JPACがあります。

 次世代の党は、九月十一日、ハワイの本部を訪問し、JPAC司令官のマッキーグ空軍少将と意見交換を行ったところ、日米合同で遺骨帰還事業を行うことが重要であるとの認識で一致しました。

 硫黄島もそうですが、さきの大戦で日米両国の将兵が激戦を繰り広げたこともあって、御遺骨が同じ場所に眠っていることが多く、日米合同で事業を実施した方が効果的だというのが理由の第一であります。

 第二に、遺骨収集のためには、アジア太平洋のどこで戦闘が行われたのか、日米両国の持つ戦闘記録を共有していくことが必要であるからであります。

 そこで、終戦七十年の記念事業として、日米合同で御遺骨の帰還事業に取り組むべきだと思いますが、総理の御意見をお願いいたしたいと思います。

 拉致問題についてお伺いいたします。

 北朝鮮は、拉致された疑いのある方を含む全ての日本人拉致被害者に関して再調査を行い、夏の終わりから秋の初めにかけて初回報告を行うとしていましたが、調査は全体で一年程度を目標としており、現在はまだ初期段階にある、現時点で、この段階を超えた説明は行うことができないとの通報を行ってきました。

 前言を翻し、次回の報告時期も示さない不誠実な態度に、関係者は落胆させられました。

 特定失踪者を含めた拉致被害者全員の帰国が実現するまで日朝国交正常化なしとの方針で、粘り強く交渉を続けていくべきと考えます。拉致被害者の帰国なくして制裁解除なし。北朝鮮からの提案の、平壌にやってこいなんていうのは拒否すべきだと思います。

 この問題は、外務省だけでなく、拉致対策本部、拉致議連、家族、民間の方々の知恵を合わせて、オール・ジャパンで取り組むべき問題であると考えます。

 特定失踪者を含めた拉致被害者の全員帰国について、オール・ジャパンで取り組むことについてどうお考えか、安倍総理の言葉でお答えいただきたいと思います。

 さて、日本を取り巻く国際情勢は年々厳しくなる一方ですが、総理の所信表明演説には厳しい国際情勢についての言及がなく、安全保障を軽視しているかのような印象を、国民だけでなく、国際社会にも与えかねません。

 残念ながら、このたびの所信表明演説は、国家の宰相として持つべき危機意識の欠如した、緊張感を欠いた作文と言わざるを得ません。

 あえて申し上げますが、隣国の中国の軍事費は、公表分だけでも過去二十年間で二十倍となり、日本の数倍の軍事費を使って軍拡を進めています。その影響は極めて深刻です。

 特に、中国のミサイルは日本全土をターゲットにしているにもかかわらず、巡航ミサイルや弾道ミサイルを保有していない日本の防衛体制は、極めて脆弱です。

 九月にホノルルでアメリカの太平洋海兵隊司令部でも意見交換をしましたが、抑止力強化のためには、アメリカ海兵隊との合同訓練をふやすとともに、潜水艦を増強し、巡航ミサイルを配備するため、日本の防衛費を思い切って増額する必要があると認識しますが、総理はどのようにお考えでしょうか。

 防衛面での法整備についてお伺いします。

 法整備で大事なのは、今の自衛隊法などをネガリスト方式、つまり、できないことを列挙する方式に変えることであると認識します。

 ポジリストと呼ばれる現行の自衛隊法では、防衛出動、海上警備行動など事態ごとに対応措置が規定され、想定外の行動ができません。

 そこで、次世代の党は、現在、国家安全保障基本法案を準備し、ネガリスト方式への転換を目指そうと考えていますが、安倍総理の、防衛関連法のネガリストへの転換について賛成なのか反対なのか、原則論で結構ですから、御見解をお伺いいたしたいと思います。

 海洋の安全保障に関してお伺いいたします。

 次世代の党では、九月一日より六人の国会議員がフィリピンを訪問し、沿岸警備隊や下院国防・安保委員長などと活発な意見交換を行いました。

 フィリピン側は日本にアジアの安全保障でイニシアチブをとってほしいとの要望が強く、海洋における法の支配を推進するための協力に関する共同文書に双方が署名、調印いたしました。

 今後、東南アジア各国や米国だけでなく、中国も引き入れる形で、海洋安全保障を推進する国際議連をつくっていきたいと考えております。

 次世代の党は、九月八日からアメリカを訪問、米国上下両院議員らと活発に意見を交換してまいりました。集団的自衛権行使容認について高い評価を受けただけでなく、我が党がフィリピン側と設立したアジアにおける海洋安全保障のための議員連盟に対し、好意的な形で賛同をいただきました。

 こうした議員間の海洋安全保障メカニズム構築についてどのように認識されているか、総理の御見解をお聞かせください。

 長年自民党本部に掲げられた自主憲法制定推進本部の看板は、いつの間にか、憲法改正推進本部になっておりました。

 私自身、落選を二度経験しながらも、最初の選挙から、公約の第一に自主憲法制定を掲げてまいりました。以来三十八年、ようやく憲法改正のための国民投票も整備され、新たな憲法を制定できる機運が高まってまいりました。

 ところが、今回の所信表明演説には、憲法改正という文字はありませんでした。まことに残念でなりません。

 次世代の党は、安倍総理にかわって、国会の同志に申し上げます。

 日本人の手による日本人のための憲法を制定することに是か非かという大局の視点に立ち、何としてでも衆参両院の三分の二の勢力を結集しようではありませんか。

 次世代に胸を張れる日本へ。

 次世代の党は、終戦百年に当たる二〇四五年の日本の姿を念頭に置きながら、自主憲法制定を初めとする根本的な改革に勇気を持って取り組むことをお誓い申し上げ、私の代表質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 平沼赳夫議員にお答えをいたします。

 女性のライフステージに応じてさまざまな選択が可能となる社会の実現に関するお尋ねがありました。

 御指摘のとおり、女性の置かれた状況は多様であり、それぞれの希望に応じ、女性が個性と能力を十分に発揮することができる社会をつくっていくことが必要であると考えます。家庭で子育てに専念したい方も、子育てと仕事の両立を望む女性も、その希望を実現できるよう、さまざまな支援措置を講じてまいります。

 三世代同居や近居に対する支援や、世帯単位課税等についてのお尋ねがありました。

 子育てをするに当たり、祖父母との近居や同居を理想とする方も相当数おられると認識しています。政府としては、三世代同居、近居への支援として、例えば、都市再生機構賃貸住宅における近居促進制度などを実施しており、引き続き、子育てに適した住宅、居住環境の確保に取り組んでまいります。

 また、御指摘の世帯単位課税については、女性の働き方に対して抑制的な効果がある等の指摘もなされております。

 今後、税制を検討するに当たっては、家族のあり方や働き方に関する国民の考え方を十分に踏まえる必要があると考えます。

 若者の職業能力開発等についてお尋ねがありました。

 非正規雇用については、正規雇用に比べて賃金が低い、能力開発の機会が少ないことなどが課題となっており、特に、将来を担う若者の可能性を最大限発揮できる環境を整備していくことは重要です。

 このため、正社員を希望する若者に対しては、正社員転換を支援するとともに、安定就労に向けた取り組みを進めてまいります。

 また、職業訓練を行う事業主への支援の拡充、キャリアコンサルティングの充実等、若者の職業能力開発を進める環境整備に取り組んでまいります。

 農林水産業の活性化と食の安全確保についてお尋ねがありました。

 農業を成長産業にしていくためには、担い手への農地集積による生産性の向上と、六次産業化等による付加価値の向上を着実に進めていくことが重要です。

 また、地域に多様な担い手を確保していくことが重要であり、新規就農者への支援のほか、リース方式による企業参入の促進を図っていくことが、地域農業の活性化の観点から重要と考えています。

 また、農林水産物、食品を供給するに当たり、その安全性を確保することは前提でありますが、高品質で安全な我が国の農林水産物、食品の特性を生かし、内外の需要を開拓してまいります。

 今後、こうした施策を着実に実行することによって、農林水産業、農山漁村全体の所得倍増の実現につなげていきたいと考えています。

 円安に伴う緊急の中小企業対策と、さらなる規制改革についてお尋ねがありました。

 エネルギーコスト増などにより、厳しい経営環境に置かれた中小・小規模事業者の方々に対しては、資金繰り支援や省エネ設備の導入補助に全力で取り組んでいます。

 さらに、円安に伴うコスト上昇分を転嫁できない場合を含め、下請代金支払遅延等防止法に違反した行為に対し、引き続き厳正な取り締まりを行ってまいります。

 規制改革については、民間のダイナミックなイノベーションの中から多様性あふれる新たなビジネスを生み出すことができるよう、岩盤のようにかたい規制に果敢に挑戦してまいります。

 消費税率の引き上げと公会計制度、財政健全化についてお尋ねがありました。

 消費税率の引き上げは、国の信認を維持するとともに、社会保障制度を次世代に引き渡し、また、子育て支援を充実させるためのものです。

 消費税率の一〇%への引き上げについては、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 国の公会計制度に関しては、平成十五年度決算分より毎年、発生主義、複式簿記といった企業会計の考え方及び手法を参考として、国の財務書類を作成、公表しています。

 財政健全化は重要な課題です。経済再生と財政健全化の両立を図り、国、地方の基礎的財政収支に関する財政健全化目標の達成を目指します。

 このため、無駄や非効率は最大限排除しなければなりません。社会保障支出を含め、聖域を設けずに見直しを行い、予算の中身を大胆に重点化、効率化してまいります。

 社会保障と税の一体改革についてお尋ねがありました。

 社会保障と税の一体改革については、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指すとの考え方のもと、取り組んでいるところであります。本年四月に消費税率を八%に引き上げ、その増収分は、全額、子育て支援を含めた社会保障の充実、安定化に充てております。

 社会保障制度改革については、受益と負担の均衡がとれた制度とするため、社会保障改革プログラム法に沿って改革を進めていきます。

 世界に冠たる社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくため、引き続き、一体改革を着実に進めてまいります。

 外国人に対する生活保護についてお尋ねがありました。

 現在、外国人については生活保護法の適用はありません。

 一方、適法に日本に滞在し、永住者、定住者等の一定の在留資格を有する外国人については、生活保護法に準じて、必要と認める保護を行うこととしています。このような保護は、人道上の観点から行政措置として行われるものであり、今、これを見直すことは考えておりません。

 外国人労働者についてお尋ねがありました。

 日本再興戦略に盛り込まれている外国人材の活用は、移民政策ではありません。多様な経験、技術を持った海外からの人材に日本で能力を発揮していただくものであります。

 安倍政権は、いわゆる移民政策をとることは考えておりません。

 日本再興戦略の具体化等に当たっては、毎年公表している外国人労働者の雇用状況を初めとして、必要に応じて、外国人労働者を取り巻く状況を把握しながら、国民の皆様の御意見を伺いつつ、検討を進めてまいります。

 水素の活用によるエネルギー自給率向上についてのお尋ねがありました。

 水素は、エネルギー安全保障や二酸化炭素削減に大きく寄与し得る未来のエネルギーです。

 水素の本格的な活用を進めるため、昨年、さまざまな省庁にまたがる規制を一挙に改革しました。その結果、水素ステーションがいよいよ商業化され、世界に先駆けて燃料電池自動車が販売されようとしており、水素社会が現実に幕をあけようとしています。

 こうした足元の水素の利用拡大にあわせて、再生可能エネルギー等を用いて製造した水素を安定、安価に供給するシステムの確立を目指します。これにより、エネルギー自給率向上に最大限貢献すべく、技術開発を進めております。

 今後とも、水素社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 原発のテロ対策についてお尋ねがありました。

 テロ等の不測の事態から原子力発電所を守ることは、再稼働の有無にかかわらず、極めて重要な課題です。

 原子力発電所の警備は、公共の安全と秩序の維持に第一義的な責任を有する警察機関において行っているところでありますが、一般の警察力をもって対応できない場合には、自衛隊に治安出動等を発令して対応することとなります。

 政府としては、今後とも、自衛隊と警察機関の共同訓練を積極的に実施するなど、万全を期してまいります。

 高等学校における日本史の必修化と、小中学校での道徳の教科化についてお尋ねがありました。

 高等学校における日本史の必修化については、日本人としてのアイデンティティー、日本の歴史と文化に対する教養などを備え、グローバルに活躍できる人材を育成する観点から、今後検討を進めてまいります。

 また、小中学校における道徳教育については、道徳を特別の教科として位置づけ、道徳教育の目標、内容の見直しや教員養成の充実など、抜本的な改善充実を図ってまいります。

 河野談話及び教科書の記述についてのお尋ねがありました。

 河野官房長官談話については、既に官房長官も述べているとおり、安倍内閣で見直すことは現在考えておらず、河野官房長官談話に関して新たな談話を発表することも現在考えておりません。

 また、既に検定に合格した現行の教科書における慰安婦に関する記述の訂正を発行者に求めることまでは考えておりませんが、今後の申請図書については、先般改正した新しい検定基準に基づき、教科用図書検定調査審議会において適切に教科書検定が行われるべきものと考えます。

 御遺骨の帰還についてお尋ねがありました。

 来年、戦後七十周年を迎えますが、いまだ、祖国を思いながら異国の地に倒れられた多くの方々の御遺骨が祖国に帰国されていません。

 御遺骨の帰還については、一柱でも多くの御遺骨を早期に収容できるよう、米国を初め各国の政府機関等の協力を得ながら、国の責務として、政府一体となって取り組んでまいります。

 拉致問題についてお尋ねがありました。

 拉致問題の全面解決については、御指摘のとおり、政府だけではなく、御家族、また、平沼議員が会長を務めておられる拉致議連や、政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会を初めとする党派を超えた取り組みに加え、広く国民の理解と協力を得て、オール・ジャパンの力、知見を結集していくことが大切であると考えております。

 また、北朝鮮側も、日本の国民、そして日本の国の意思がどこにあるか、見ているわけであります。

 今こそ、我々は、オール・ジャパンで、拉致被害者を帰せ、しっかりと声を一つにして北朝鮮側に求めていく必要がある、このように考えております。

 拉致問題の全面解決は安倍内閣の最重要課題であり、全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日が来るまで私たちの使命は終わらないとの決意で、この問題に全力をもって取り組んでまいります。

 抑止力強化のための海兵隊との合同訓練及び防衛費の増額についてのお尋ねがありました。

 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、我が国の平和と安全を確保するため、抑止力の強化は喫緊の課題であると認識しております。

 そのような観点から、我が国独自の抑止力とともに、日米同盟の抑止力を向上させるため、米海兵隊を初めとする米軍と自衛隊との共同訓練を積極的に推進してまいります。

 また、防衛関係費については、政権交代後、二年連続の増額としているところですが、今後とも、国民の生命財産と領土、領海、領空を断固として守り抜くため、しっかりと確保してまいります。

 引き続き、抑止力を強化するための施策を着実に実施することにより、我が国の防衛に万全を期してまいります。

 防衛法制のネガリスト方式への転換についてお尋ねがありました。

 今後の安全保障法制の整備については、先般の閣議決定で示された基本方針のもと、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法制について、政府として十分な検討を行い、与党とも調整の上、国会に提出し、御審議いただくことを考えております。

 具体的な法制のあり方や法整備の内容は現在検討中であり、御指摘のようなネガリスト方式については、その課題も含め、引き続き十分検討してまいります。

 議員間の海洋安全保障メカニズム構築についてのお尋ねがありました。

 海洋安全保障の確保は、アジア太平洋地域の喫緊の課題です。このため、私は、シャングリラ・ダイアログにおいて、海における法の支配の三原則を訴えたところであります。

 このような観点から、次世代の党の国会議員団がフィリピンや米国を訪問し、法の支配に基づく、自由で開かれた海を守り、育んでいくために活発に活動されていることは、まことに意義深いものであると敬意を表する次第であります。

 以上であります。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、浅尾慶一郎君。

    〔浅尾慶一郎君登壇〕

浅尾慶一郎君 みんなの党代表の浅尾慶一郎です。(拍手)

 御嶽山の噴火は、有史以来まれに見る火山災害となっています。被害に遭われた皆様に心より哀悼の意を表します。また、依然安否が定かでない方の御家族や、有毒ガスが発生する中、必死の救助活動に取り組んでいる方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 みんなの党も災害対策本部を設置いたしましたけれども、今後、農業被害等も想定される中、政府には十分な対応を求めてまいります。

 二〇五〇年、今から三十六年後には、皆さんは何歳でしょうか。もちろん、現役でこの議場で活躍されている方もいらっしゃるでしょう。総理大臣になっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、恐らく、多くは、私たちの子供や孫が活躍する、そういう社会となっているのではないでしょうか。

 現在、みんなの党では、二〇五〇年のあるべき日本の社会を、みんなの日本二〇五〇とし、皆様にお示しをすべく議論を重ねています。

 我々政治家の本来の役目は、理想を熱く語り、それを実現するための政策を冷静に考えることです。今を生きる私たちには、この国をよりよくし、未来を生きる世代に受け継いでいく責任があります。そのためには、国家として目指す方向を示していく必要があります。

 総理は、二〇五〇年、これからの未来をどうあるべきとお考えでしょうか。総理のビジョンをお伺いいたします。

 夢のある未来を語るためには、見たくない現実であっても、きちんと見きわめることが必要です。

 総理、経済の実態はどうなっているでしょうか。

 確かに、株価は高値で推移しております。しかし、これは、円安により外貨ベースで見て割安となった日本資産を海外勢が買っているからではありませんか。

 また、日本の大企業の多くが、今では、海外で生産して海外で売るという構図になっています。このことで、海外での利益も、円安でかさ上げされて計上しているからではないでしょうか。

 だから、東証一部の一日の売買代金は本年四月以降およそ二兆円弱で横ばいとなり、過熱感のない株高と言われているのではないでしょうか。

 総理、株価は、もはや国内の実体経済をあらわしません。見たくなくても、現実をきちんと見るべきです。

 実際に、四月から六月期の名目給与は前年に比べて〇・八%増にとどまり、三%の増税に追いついていません。給与が上がらないのに税金が上がれば、国民は財布のひもを締めざるを得ません。

 四月から六月期の実質消費は昨年に比べて五・二%減少、また、昨日発表された家計調査では、八月の消費は前年同期比四・七%減少。これは、消費税が上がった四月から数えて五カ月間の移動平均で見ますと、過去三十年で最悪の結果であります。

 失業率は低下しましたけれども、遅行指標である雇用は、実は昨年の経済状況を反映しているにすぎません。

 また、総理は、有効求人倍率の改善をアベノミクスの成果として挙げられましたが、これも、団塊の世代の方の引退等、労働力人口の年齢構造の変化や非正規雇用の増加によるものではないでしょうか。

 もはや我が国の経済は、増税前の駆け込み需要に伴う反動減では説明のつかない悪化を続けています。総理、このような景気の現状をどう認識されていますか。

 景気対策として、公共事業の上積みが議論されることがあります。しかし、現下の状況を見ると、さらなる上積みをしても、景気対策の効果は薄いと考えております。

 今国会では、地方が一つのテーマです。全四十七都道府県、約千七百の市区町村の公共事業の昨年度からの繰越分と本年度の予算の計上額の総額は二十二兆円ですが、ことしの六月末までにそのうちで支出済みとなった額は、たったの六・九%、一兆五千億強です。

 総理、このような公共事業の施行状況をどのように考えていらっしゃいますか。公共事業を積み増しても、昔のようにお金がすぐには回らない状況なのではないでしょうか。

 景気対策には、みんなの党がかねてより主張している消費増税凍結しかありません。総理の御見解を伺います。

 日本郵政が来年秋の株式上場に向けて事業基盤の見直しに着手するという報道がありました。具体的には、国営時代から背負っていた七千億円の年金債務を処理し、将来にわたる支払い負担をなくすことで、投資家への関心を高めようとしています。また、ほかにも、日本郵便の事業整備に六千億円を投じるとされています。

 菅官房長官に提言書をお持ちいたしましたが、みんなの党は、ゆうちょ銀行の資本額は過大であると、かねて指摘をしております。具体的には、現在十一兆円あります資本を七兆円程度まで減資しても、ダブルA水準の優良企業としての信用度を十分に確保できると私どもは考えております。

 みんなの党の指摘に対して、日本郵政は何度も、現在の資本額は適正です、減資できませんという説明を繰り返してきました。しかし、先ほどの報道にあります資本の見直しが本当なら、十一兆円の資本から一兆三千億円を日本郵政グループ内に用いるということではありませんか。

 総理、ゆうちょ銀行の資本額十一兆円は適切ですか。ゆうちょ銀行の株主が間接的に日本国一者である今のうちに、適正な資本規模に向けた減資を行い、復興財源に充てることで、所得税や住民税の増税を前倒し廃止する方がよいと思いませんか。お考えを伺います。

 総理、冨山和彦さんのゾンビ企業という言葉を御存じだと思います。グローバルの経済圏で諸外国と一位を争うような企業ではなく、ローカルの経済圏で、既に役目は終わったのに、補助金や税制で命を長らえているような企業のことです。不完全競争市場であるローカルの経済圏では、これらの企業が生き残っていることで、労働力が固定化し、生産性の低下につながっています。

 私たちは、これからの社会には新陳代謝が必要だと考えております。新しい産業や企業、事業に予算をつぎ込む新陳は、これまでの政府や与党が得意としてきた政策かもしれません。しかしながら、生産性の低いゾンビ企業の市場からの退出など、痛みを伴う代謝は、これまで見て見ぬふりをしてこられたのではないですか。

 総理は、所信表明演説の中で、個人保証偏重の慣行を断ち切りますと御発言をされました。これは今までの新陳の政策であります。代謝にも目を向け、転廃業の際の経営者負担を軽減し、早期再生・再編促進型への倒産法制の見直しも必要です。

 例えば、みんなの党が主張するように、公的金融機関においても、私的整理ガイドラインの民間金融機関と同じ基準で個人保証を入れた債務者に対応する考えはありませんか。経営者が個人保証を入れている場合に、公的金融機関でもその人に一定程度の留保資産を残すことが代謝につなげることになります。

 さて、今国会の目玉政策の一つである地方創生についてであります。

 九月に公表された基準地価を見ると、三大都市圏では地価の上昇が住宅地にも波及する一方で、地方圏で約八割で地価が下落するなど、大都市圏への経済と人口の集中が如実にわかる結果となりました。

 みんなの党は、地方創生には思い切った政策転換こそが必要だと考えています。これからも日本全国一律に、さまざまな行政資産を建設、構築する必要があるでしょうか。それよりも、地方の拠点都市へ政策のある種の集中を行うことで、魅力的な、暮らしやすいまちづくりを目指すべきではないでしょうか。

 例えば、災害対策の観点からこのことも重要であります。大規模な土砂災害対策として、予算をつぎ込んで山肌をべたべたとコンクリートで固めてしまう選択肢と、中心市街地へ移住を促進し、その際の費用を大幅に公的に負担するといった選択肢を比較考量することはできないでしょうか。

 個人の財産を公的資金で拡充することの是非にかかわることですが、際限なくコンクリートで固めるよりもトータルの費用は少なくて済みます。

 地方創生はばらまきになってはなりません。このような思い切った政策の転換を行う決意がおありか、お伺いをいたします。

 人口減少社会において国力を維持する鍵は生産性の向上であります。そのためには、長期的に大切なことは人への投資であります。教育の重要性は誰もが認めるところです。その割には、我が国の教育面への予算の配分は余りにお粗末であります。

 財源の制約があるというなら、思い切って社会保障の伸びをゼロとし、その五〇%を教育予算の拡充に振りかえるといった、将来世代を重視した考え方へと大胆な発想の転換はとれないでしょうか。

 総理は、今回の所信表明演説で、水素の活用を阻んできた規制を昨年改革しましたと御発言されました。これで岩盤規制改革は終わりですか。

 みんなの党は、電力、農業、医療の三分野で、闘う改革を進めます。すなわち、電力自由化や、農協の経済事業と金融事業の分離、農業への株式会社の参入拡大、混合診療治療の解禁など、既得権益と闘う改革です。

 六月の成長戦略では、農協改革についても触れられました。ところが、農協中央会制度の見直し後の姿がいまだに不明確です。

 加えて、企業の農地所有についても、農業生産法人の出資の過半は農業関係者というラインは死守した上で、さらなる農業生産法人の要件の緩和は五年後見直しとしています。これは、さらなる要件緩和は今後五年間行わないということでしょうか。

 総理が、向こう二年間、いかなる既得権益といえども私のドリルからは無傷でいられないと強くおっしゃった際、みんなの党は応援する姿勢を示しました。

 改めて、総理の岩盤規制打破に向けた覚悟をお伺いいたします。

 総理は、去る九月二十五日、国連総会で、日本の安保理常任理事国入りの決意を示されました。

 そもそも、現在の国連が必ずしも機能していない部分もあるという認識は、私も共有いたします。安保理改革は必要です。また、我が国は、長らく、米国に次いで世界第二位の国連分担金の負担国でした。もっと発言の機会を求めたいという考えもわかります。

 では、そのために、どのような国連全体の改革が必要とお考えでしょうか。

 総理は、安保法制懇の報告書が出された本年五月十五日の記者会見で、自衛隊が武力行使を目的として集団安全保障に参加することは決してないと御発言をされました。仮に常任理事国入りした場合、自国も、すなわち日本も、常任理事国として賛成した活動に参加しないということでしょうか。

 集団安全保障の活動は、拒否権が行使されず安保理において決した活動ですので、一般的に言えば、集団的自衛権行使の活動よりも広く国際的な理解が得られるものです。

 仮に我が国が常任理事国になった場合、総理は、集団安全保障活動にどのように対応されますか。

 また、集団的自衛権は限定的に行使するが集団安全保障活動には参加しないという姿勢を、我が国周辺諸国も含めて、他国にどのように説明し、常任理事国入りの支持を集めていく予定か、総理のお考えを伺います。

 原子力は、国が責任を持って管理すべきです。

 原発再稼働に際しても、その計画や地元自治体への説明を電力会社に任せ、原子力規制委員会が審査するという体制のままでよいのでしょうか。

 川内原発について、原子力規制委の審査が進み、来年にも再稼働の方向と報道されています。

 仮に川内原発において重大な事故が発生したとき、避難をしなければならないのは地元の住民です。地元の皆さんに避難計画は共有されていますか。

 もとより、みんなの党は、世界標準の新基準に適合しない限り原発の再稼働を認めないという姿勢を明確にしておりますけれども、住民への十分な説明や避難計画の周知も、最低条件の一つです。事故が起こってからでは遅いのです。総理の御見解を伺います。

 八月二十一日に経済産業省から、原発電力の固定買い取り制度が提案されました。使用済み核燃料の処理や廃炉費用などを電力料金に加算し、電力会社の収入を保証するものです。

 経済産業省は、これで事業者の廃炉が促進されると説明していますが、そもそも、廃炉費用が発生することは、原発建設が始まったころからわかり切っていることです。なぜ、この期に及んで、廃炉を促進するために国民の負担をふやすのでしょうか。

 稼働できない原発は、電力会社にとっては大きな不良資産です。企業は全て、不良資産を処理したいはずです。

 みんなの党は、電力会社の経営を圧迫し続ける原発を優良資産である送電網とともに国に売り渡すことができる原発国有化法案をさきの国会に提出いたしました。

 原発廃炉の費用は、利用者ではなく、原発政策を推進してきた国がその一端を担うべきです。みんなの党の原発国有化法案が成立すれば、廃炉に係る費用は、国が送電網の運用利益で賄います。こうすれば、発送電分離と原発の国による管理が一挙に可能となります。

 原子力を国が責任を持って管理すれば、民意を踏まえて原発の将来を決めることも容易になります。総理はどのようにお考えになりますか。

 一九六一年五月二十五日、ケネディ大統領は、米国連邦議会での演説で、今後十年以内に人を月に着陸させるとアポロ計画の支援を表明しました。それから八年後の一九六九年の七月二十日、アポロ十一号が月面に着陸いたしました。

 夢のあるビジョンを描く、それも指導者の大きな使命の一つです。

 日本企業が、太陽光のみを使って二酸化炭素を植物以上の効率で固定化することに成功いたしました。こうした基礎技術をさらに発展させて、植物の十倍、百倍の効率で二酸化炭素を固定化し、例えばエタノールがつくれるようになれば、大変な技術革新であります。これは、まさに我が国が産油国となるような夢のある話であります。実は、人工光合成の推進は、みんなの党の結党以来の政策でもあります。

 ケネディ大統領がこのアポロ演説をした際には、地球の周回軌道にすら人間を送り出せなかった、そうした時代でありました。

 今、日本が持っておりますこの基礎技術を使うことによって、例えば日本が産油国になるような、そうした計画を国家の意思として打ち出していくということが日本に大きな夢を与えることになるのではないか、このように考えております。

 みんなの党は、総理を初め、与野党を問わず皆さんと、理想を熱く語り、それを実現するための政策を冷静に考えてまいります。

 皆さんの御協力をお願いいたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 浅尾慶一郎議員にお答えをいたします。

 日本の未来像についてお尋ねがありました。

 二〇五〇年には、私は九十六歳であります。時代を担うべきは、私の次の世代、さらにはその次の世代の若者たちではないでしょうか。

 私たちが今なすべきは、若者たちがみずからの意思と力で未来を切り開くことができる、そうした真っ当な日本を取り戻すことだと考えています。

 私が目指すのは、自立の精神を大切にしながら、活力とチャンスと優しさに満ちあふれた国、そして世界に開かれた国であります。

 意欲さえあれば、老いも若きも、男性も女性も、難病や障害を持つ方も、誰にでも何度でもチャンスがある。日本のあらゆる可能性をオープンな世界で開花させることができれば、二〇五〇年には輝かしい未来が待っているはずであります。

 ぜひとも、今後も、浅尾議員を初め、みんなの党の皆さんとも、政策を冷静かつ建設的に議論しながら、国家国民のため、ともに結果を出していきたいと考えております。

 景気の現状認識についてお尋ねがありました。

 三本の矢の政策により、春闘での賃上げ率が過去十五年で最高となるなど、経済の好循環も生まれ始めています。

 消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減もあり、四―六月期の成長率は前期比年率でマイナス七・一%となりましたが、二〇一四年一―六月は前年同期比一・三%のプラス成長となっており、全体的には経済成長が続いていると考えております。

 他方、消費税率引き上げや燃料価格の高騰、この夏の天候不順などもあり、これらによる景気への影響にも引き続き慎重に目配りしてまいります。

 景気対策としての公共事業の効果と、消費税率の引き上げについてお尋ねがありました。

 二十五年度補正予算及び二十六年度予算については、国、地方を挙げて、早期実施の取り組みを進めているところであります。

 この結果、御指摘の公共事業等施行状況調査においても、地方公共団体が行う公共事業について、契約率、支出済み額の割合ともに、前年同期より増加しており、同調査をもって景気対策の効果はないとするのは、当たらないと考えています。

 なお、消費税率の引き上げは、国の信認を維持するとともに、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものであります。

 消費税率一〇%への引き上げについては、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 ゆうちょ銀行の資本額等についてお尋ねがありました。

 ゆうちょ銀行の自己資本の水準については、同行のリスク特性を勘案し、財務の健全性を確保できるよう、同行が自主的に経営判断すべきものであります。

 政府としては、日本郵政株式の平成三十四年度までの売却収入を復興財源に充てることとしており、今後の上場時に適切かつ最大の株式売却収入を得る観点から、日本郵政グループ全体の企業価値を高めていただくことが重要であると考えております。

 なお、この売却収入及び復興特別所得税・住民税を含めて平成二十七年度までの復興財源二十五兆円を確保すること等を踏まえれば、復興特別所得税等の前倒し廃止といったことは困難と考えております。

 企業の新陳代謝についてお尋ねがありました。

 日本経済の活性化には、企業の新陳代謝が重要です。

 このため、特に中小・小規模事業者の方々には、事業承継を契機とした既存事業からの撤退と、新事業展開の促進に向けた支援を行ってまいります。さらに、小規模事業者の経営者の方が廃業した際の負担を軽減すべく、小規模企業共済制度の利便性向上を図ってまいります。

 倒産法制につきましては、今後とも、社会のニーズに対応したあり方を適宜適切に検討してまいります。

 公的金融機関における個人保証の対応についてのお尋ねがありました。

 個人保証偏重の慣行を断ち切り、再チャレンジしやすい環境を整えるため、本年二月から、経営者保証に関するガイドラインの運用を開始しました。

 このガイドラインは、民間金融機関のみならず、公的金融機関においても適用されます。御指摘のような個人保証債務の履行時においても、早期に事業再生や廃業を決断した場合には、経営者に一定の資産を残すことを可能とするように運営しています。

 こうしたガイドラインの実効性を確保することで、円滑な事業の清算や、一度事業に失敗した人の再チャレンジを応援してまいります。

 地方における暮らしやすいまちづくりについてのお尋ねがありました。

 人口減少が進み、財政制約が高まる我が国において地域の活力を維持するためには、都市機能や居住を町中に誘導し、既存の施設などを有効活用しながら、コンパクトなまちづくりを図ることが重要であります。さきの国会でも、そのための法改正を行ったところです。

 一方、頻発する災害から国民の生命と財産を守るため、ハードだけではなく、土砂災害の危険性に関する情報の提供などのソフト対策を組み合わせつつ対応していく必要があります。

 また、災害リスクの少ない地域に居住を促進することも重要と考えております。

 このような取り組みを通じ、安全で暮らしやすいまちづくりを進めてまいります。

 教育予算の拡充についてお尋ねがありました。

 教育再生は内閣における最重要課題の一つであり、教育を通じて、我が国の未来を切り開く人材の育成に積極的に取り組むことが極めて重要であります。

 このため、予算の合理化、重点化を図る中で、教育再生に資する施策について、必要な予算を確保してまいります。

 規制改革への取り組みについてお尋ねがありました。

 大胆な規制改革を断行し、民間のダイナミックなイノベーションの中から多様性あふれる新たなビジネスが生まれる、これは私の成長戦略の鍵であります。

 このため、これまでできるはずがないとされてきた多くの改革を次々と決断してきました。例えば、約六十年間独占が続いてきた電力小売市場の完全自由化、六十年ぶりの農協の抜本改革への着手、患者本位で治療の選択肢を拡大する新たな制度の導入などです。

 これからも、国家戦略特区制度も活用し、農業、雇用、医療、エネルギーなど、岩盤のようにかたい規制に果敢に挑戦してまいります。

 国連改革についてお尋ねがありました。

 国連が創設されて以来約七十年が経過し、国際社会の構図は大きく変化しているものの、安保理の構成はほとんど変化しておりません。

 来年の国連創設七十周年を機に、安保理を初め、国連が現在の国際社会の現実を反映し、課題によりよく対応できるよう、二十一世紀にふさわしい姿に変えていくため、多くの国々と協力して、日本がリーダーシップをとっていきたいと考えています。

 安保理常任理事国入りと集団安全保障措置についてのお尋ねがありました。

 安保理常任理事国入りのいかんにかかわらず、憲法上、我が国による武力の行使が許容されるのは、新三要件を満たす場合に限られます。これは、国際法上の根拠が、集団的自衛権となる場合も、集団安全保障となる場合も変わりはありません。

 いずれにせよ、常任理事国入りを目指すに当たっては、我が国が、積極的平和主義の立場から、地域や世界の平和と安定にこれまで以上により積極的に貢献していくことを各国に丁寧に説明し、常任理事国入りへの支持を得ていく考えであります。

 原発再稼働と、国による原発の管理についてお尋ねがありました。

 原発の再稼働に当たっては、地元の理解を得ることが重要であり、避難計画も含め、国も前面に立ち、丁寧に説明をしてまいります。

 再稼働後についても、避難計画のさらなる充実強化を図るとともに、地元の状況を踏まえつつ、さまざまな機会を通じて丁寧な説明に努めてまいります。

 国による原発の一括管理については、行政の肥大化、事業の非効率化等多くの課題があり、現時点で検討しておりません。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、志位和夫君。

    〔志位和夫君登壇〕

志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問いたします。(拍手)

 冒頭、御嶽山噴火によって犠牲となった方々への深い哀悼とともに、被害者の方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 引き続き、捜索、救出に全力を挙げるとともに、警戒監視に万全を尽くすことを求めます。

 総理は、七月一日、集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行しました。しかし、反対の世論は閣議決定以降も広がり、どんな世論調査でも、五割から六割が反対の声を上げています。

 私がまずただしたいのは、こうした国民の批判に対する総理の基本姿勢の問題です。総理は事あるごとに、丁寧に説明を行い、国民の理解を得る努力を続けると言われます。しかし、実際の行動はどうでしょうか。

 八月の広島、長崎の平和式典に際して、被爆者代表から、閣議決定に対する強い批判が総理に突きつけられました。長崎の被爆者代表は、集団的自衛権行使について私たちは納得していませんと総理に訴えました。ところが、総理は、この訴えを、見解の相違と切り捨てたのです。

 総理、このどこに、丁寧な説明、国民の理解を得る努力があるというのですか。ここにあるのは、異論に耳をかさない強権姿勢だけではありませんか。異論を見解の相違と切り捨てるなら、民主政治は成り立たなくなると考えませんか。答弁を求めます。

 集団的自衛権の行使とは、日本に対する武力攻撃がなくても、他国のために武力の行使をする、海外での武力行使を行うということです。

 その現実的な危険がどこにあるか。

 二〇〇一年のアフガニスタン報復戦争、二〇〇三年のイラク侵略戦争のような戦争をアメリカが引き起こした際に、従来の海外派兵法にあった、武力行使をしてはならない、戦闘地域に行ってはならないという二つの歯どめを外し、自衛隊が従来の戦闘地域と言われた地域にまで行って軍事活動を行うことになることは、我が党が国会論戦で明らかにしてきたことです。

 そうなれば、自衛隊が攻撃対象とされ、総理は、攻撃された場合には武器の使用をすると認めました。それは、自衛隊が戦闘に参加することにほかならないではありませんか。

 安倍政権がやろうとしていることは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもない、アフガン、イラク戦争のような戦争で、自衛隊が米軍と肩を並べて戦争を行う、海外で戦争する国づくりこそ、その正体ではありませんか。

 日本共産党は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、その具体化のための立法作業を中止することを強く要求します。総理の答弁を求めます。

 私たちの住む北東アジアには、さまざまな紛争問題があります。しかし、それに対して専ら軍事で構えたらどうなるでしょう。軍事対軍事の悪循環に陥ってしまいます。

 今、日本にとって何よりも大切なことは、憲法九条に立った、平和の外交戦略を確立することではないでしょうか。

 日本共産党は、次の四つの目標と原則に立った北東アジア平和協力構想を提唱しております。

 第一に、紛争の平和解決のルールを定めた北東アジア規模の友好協力条約を締結する。

 第二に、北朝鮮問題を六カ国協議で解決し、この枠組みを地域の平和と安定の枠組みに発展させる。

 第三に、領土問題の外交的解決を目指し、紛争をエスカレートさせない行動規範を結ぶ。

 第四に、日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は不可欠の土台となる。

 以上四点でありますが、これは決して理想論ではありません。(発言する者あり)

副議長(赤松広隆君) 静粛に願います。

志位和夫君(続) それは、ASEANの国々が現につくっている東南アジア友好協力条約のような紛争の平和解決の枠組みを北東アジアにも構築しようというものであります。

 私は、我が党が提唱する北東アジア平和協力構想の方向こそ、この地域に平和と安定をもたらす最も現実的かつ抜本的方策であると確信するものであります。総理の見解を求めます。

 次に、暮らしと経済について質問します。

 消費税増税後の四―六月期のGDPは、年率換算でマイナス七・一%の落ち込みとなりました。特に、家計消費はマイナス一九・五%と、この二十年来で最大の落ち込みとなりました。

 現在の経済状況について、総理の認識を二点伺いたい。

 一つは、なぜこれだけの家計消費の落ち込みが起きたのかという問題です。

 政府が言ってきた駆け込み需要の反動では、とても説明がつきません。その根本的要因は、働く人の実質賃金が前年比で十四カ月連続マイナスとなっていることにあります。円安による物価上昇に消費税増税が加わって、給料の目減りが続いているのであります。

 総理は、実質賃金の低下が家計消費落ち込みの根本的要因であることを認めますか。お答えいただきたい。

 いま一つは、家計と経済のこの深刻な事態を想定内と考えているのかという問題です。

 もしも総理がこの事態を想定内と言い張るならば、安倍政権は、実質賃金の低下、給料の目減りを想定した経済政策をとっていることになります。

 総理、政府の想定を超えた事態が起きていることを率直に認め、経済政策を転換する勇気が必要ではありませんか。明確な答弁を求めます。

 日本経済は、好循環どころか、悪循環の危険水域に入っています。

 日本共産党は、暮らしと経済を立て直すために、四つの緊急提案を行うものです。

 第一は、消費税一〇%への増税をきっぱり中止することであります。

 国民の実質所得が減り続けるもとで、さらなる増税で所得を奪い取ることは、日本経済にとって自殺行為になると考えますが、いかがですか。

 第二は、二百八十五兆円まで膨れ上がった大企業の内部留保の一部を活用して、大幅賃上げと安定した雇用をふやすことです。

 そのために政治がなすべきことは何か。非正規から正社員への流れをつくる雇用のルール強化、サービス残業の根絶と長時間過密労働の是正、ブラック企業の規制、中小企業への抜本的支援と一体での最低賃金の大幅引き上げなど、所得をふやす政策をとるべきではありませんか。

 生涯派遣、正社員ゼロに道を開く労働者派遣法の抜本改悪、残業代ゼロの労働時間規制緩和は、使い捨て労働、過労死をひどくし、賃下げを促進するものであり、中止することを強く求めるものであります。

 第三は、社会保障の切り捨てから充実へ、抜本的転換を図ることです。

 安倍政権が六月に決定した骨太の方針では、社会保障給付の自然増を聖域なく見直すことが明記されました。自然増を削るとなれば、今の給付水準をさらに引き下げることになります。

 かつて小泉内閣が進めた社会保障費の自然増を毎年二千二百億円削減する方針は、医療崩壊、介護難民をつくり出し、日本の社会保障をぼろぼろにしてしまいました。自民党も、これを諸悪の根源と反省し、麻生内閣のもとでこの方針を撤回したではありませんか。

 それを臆面もなく復活するつもりですか。無反省、無責任な社会保障切り捨て政策を中止し、充実へとかじを切るべきではありませんか。

 第四は、税金は負担能力に応じてという応能負担の原則に立った税制改革によって財源をつくり出すことです。

 富裕層への優遇税制のために、所得一億円を超えると税負担が軽くなるという逆転現象が起きています。

 大企業への優遇税制のために、法人税の実質負担率は、大企業が一三・九%、中小企業が二四・七%と、ここでも逆転現象が生じています。

 この不公平を正す税制改革こそ、最優先の課題ではありませんか。

 国民に消費税大増税を押しつけながら、大企業に減税をばらまき、その財源との口実で、外形標準課税の拡大など、赤字で苦しむ中小企業にも増税を強いるというのは、税のゆがみを二重三重にひどくするものであり、断じて認められません。

 企業から家計へと軸足を移す経済政策の転換が必要です。我が党の緊急提案に対する総理の見解を問うものです。

 次に、福島の復興と原発問題について質問します。

 原発事故から三年半が経過した今なお、福島では、十二万五千人を超える県民が厳しい避難生活を強いられています。福島県民の願いに寄り添い、それに応える政治が強く求められています。

 総理の基本姿勢を、二点に絞って伺います。

 一つは、全会一致の県議会での決議などオール福島が求めている、福島第二原発を含む県内全十基廃炉の願いに応える意思があるかです。

 総理は、昨年九月、福島第一原発の五、六号機については、東京電力に廃炉を要請しました。しかし、福島第二原発の四つの原子炉については、いまだに廃炉を要請していません。オール福島の願いに応えて東電に廃炉を要請する意思があるのか否か、しかと答弁願いたい。

 いま一つは、オール福島が求めている完全賠償の問題です。

 全町避難を強いられている浪江町民は、被害実態にふさわしい損害賠償を求めて、原子力損害賠償紛争解決センターに集団申し立てを行いました。それを受けて、紛争解決センターは、慰謝料増額の和解案を提示しました。ところが、東京電力は、その受け入れを拒否し続けています。

 総理、東電の和解案拒否は、損害賠償請求を円滑、迅速かつ公正に解決するために中立公正な国の機関として設けられた原子力損害賠償紛争解決センターの存在意義を否定するものだと考えませんか。

 理不尽な東電の和解案拒否に対して沈黙を続ける政府の姿勢に、不信と怒りの訴えが寄せられております。

 総理、東電に対して、和解案を受け入れるよう、強く指導すべきではありませんか。明確な答弁を求めます。

 安倍政権は、全国の原発再稼働の突破口として、九州電力川内原発の再稼働を強行しようとしています。

 総理に二点伺います。

 第一は、巨大噴火への備えについてです。

 原子力規制委員会は、巨大噴火を数年単位で予知し、予知された時点で、原子炉をとめて燃料棒を運び出すとしています。

 しかし、規制委員会の検討会合でも、専門家から、噴火予知は無理との意見が噴出しております。気象庁の火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣東大名誉教授も、前兆現象を数年前に把握できた例は世界にないと言っています。

 総理、巨大噴火が数年単位で予知できるという科学的知見が一体どこにあるのか、具体的に提示していただきたい。

 第二は、避難体制についてです。

 九州電力は、川内原発で過酷事故が起きれば、十九分後にはメルトダウンが起こり、一時間半で格納容器が壊れると認めています。ところが、内閣府が九月十二日にまとめた避難計画などの緊急時対応には、避難に要する時間は一切示されていません。

 総理は、この避難計画を具体的かつ合理的と評価して了承したといいますが、限られた時間内に避難ができるかどうかもわからない避難計画の一体どこが具体的かつ合理的なのですか。はっきりお答えいただきたい。

 噴火は予知できるという新たな安全神話と無責任な避難計画で再稼働を強行するなどということは、断じて許されるものではありません。総理の答弁を求めます。

 最後に、沖縄の米軍基地問題について質問いたします。

 安倍政権が、抗議する県民を強制排除して、名護市辺野古の新基地建設を着工したことに、県民の激しい怒りが噴き出しています。

 九月三日、沖縄県議会は、まるで戦後の米軍占領時代に銃剣とブルドーザーで住民を追い出して土地を奪った米軍のやり方と同じだと厳しく批判し、工事の即時中止を求める意見書を採択しました。

 九月七日の名護市議選挙では、新基地建設反対の稲嶺市長を支える与党の当選者が過半数を占めました。名護市では、二〇一〇年の市長選以降、二回の市長選、二回の市議選で、市民は新基地建設反対の意思を示しています。

 さらに、県民世論調査では、実に八〇・二%が新基地建設反対と答えています。

 ところが、菅官房長官は、九月十日の記者会見で、十一月の沖縄県知事選挙について、辺野古の新基地建設は、知事が承認し、粛々と工事しており、もう過去の問題だ、争点にはならないなどと述べました。この発言が大きな怒りを呼んでいます。

 総理、あなたもこの問題を過去の問題と考えているのですか。知事選で県民がどういう審判を下そうと、それにかかわりなく、あくまで新基地建設を強行するつもりですか。県民の意思を一顧だにしない姿勢は民主主義を否定するものだと考えませんか。

 新基地建設は、過去の問題ではありません。次代を担う子供や孫に禍根を残すことはできないという、沖縄の将来が鋭く問われている問題なのです。総理の答弁を求めます。

 日本共産党は、名護市辺野古への新基地建設に断固反対するとともに、普天間基地の無条件撤去、基地のない平和な沖縄を目指して、全力を尽くす決意であります。

 集団的自衛権、暮らしと経済、原発、米軍基地、どの分野でも、安倍政権の政治は、国民多数の民意に背き、日本の国を滅ぼす、亡国の政治と言わなければなりません。

 安倍政権打倒の国民的大運動を起こすため、国民とともに闘い抜く決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 志位和夫議員にお答えをいたします。

 御嶽山の噴火への対応についてお尋ねがありました。

 御嶽山の現場では、噴火活動が続く中、警察、消防、自衛隊による懸命な救助活動が行われていますが、いまだ連絡のとれない方々がおられます。

 政府としては、二次災害に留意しつつ、引き続き、関係機関が一体となって、救出活動に全力を尽くしてまいります。今後の噴火活動に最大限の警戒を行い、国民生活への影響にも万全の対策を講じてまいります。

 集団的自衛権に関する閣議決定についてのお尋ねがありました。

 今回の閣議決定については、衆参両院の予算委員会における閉会中の集中審議を初め、国会審議や記者会見などで累次にわたって丁寧に説明し、国民の皆様の御理解を得るよう努めてまいりました。

 閣議決定を実施に移すためには、今後、国会に法案を提出し、御審議いただくことが必要となりますが、野党の皆様との真摯な議論も通じ、わかりやすく説明し、国民の一層の御理解を得るよう努めてまいります。

 自衛隊の海外における戦闘への参加、閣議決定の撤回などについてお尋ねがありました。

 先般の閣議決定においても、憲法第九条のもとで許容されるのは、あくまで我が国の存立を全うし、国民の平和な暮らしを守るため、すなわち、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置としての武力の行使のみです。

 海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も、全く変わりありません。そして、自衛隊が、かつてのイラク戦争やアフガン戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。これは、予算委員会等を通じて何回も答弁してきたとおりであります。

 また、他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使を認めるものでもありません。したがって、外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるということは決してありません。

 政府としては、閣議決定で示された基本方針のもと、安全保障法制の整備に向け、精力的に準備を進めていく考えであります。

 北東アジアの平和と安定について、共産党の構想についてお尋ねがありました。

 日本は、必要な防衛力、抑止力を維持すべきと考えておりますが、専ら軍事で構えているという批判は的外れであります。

 この地域の平和と安定のためには、まず法の支配を遵守し、問題があれば、話し合いを通じて平和的に解決していくことが必要であります。

 近隣諸国同士がお互いに意思疎通を図り、関係改善に向けて努力を重ねていくことも、地域の平和と安定にとって有益です。そして、大局的な観点から、未来志向の関係を築いていくことが重要と考えます。

 家計消費と賃金についてのお尋ねがありました。

 一人当たり名目賃金に雇用者数を乗じた国民全体の所得、賃金である雇用者所得は、昨年四月以降上昇基調にあります。

 しかしながら、今般の物価上昇により、まだ賃金の上昇を実感しづらい状況であることも事実であります。

 また、消費税率の引き上げに伴う駆け込み需要の反動の継続や天候不順といったことを要因として、家計消費は確かに足踏みが見られます。

 このため、物価上昇や天候不順などによる景気への影響にも慎重に目配りしつつ、成長戦略の確実な実行等により、景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けてまいります。

 消費税率の一〇%への引き上げについてのお尋ねがありました。

 消費税率の引き上げは、国の信認を維持するとともに、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものです。

 他方、引き上げにより景気が悪化して、税収も増加しないという事態に陥ることは絶対に避けなければなりません。

 経済再生と財政健全化の両立、この道しかありません。

 消費税率の一〇%への引き上げについては、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 賃上げや雇用についてのお尋ねがありました。

 働く人がより豊かになるよう、非正規雇用の方々の正社員転換や処遇改善を進めるとともに、中小企業等への支援を図りつつ、最低賃金の引き上げに向けて努めてまいります。

 一方で、賃金不払い残業や過重労働などについて、重点的な監督指導を行うとともに、法に違反するものには引き続き厳正に対処してまいります。

 労働者派遣法の改正については、派遣労働者のキャリアアップを支援するとともに、派遣期間の設定について、労使双方にとってわかりやすい制度とする観点などから行うものであり、生涯派遣、正社員ゼロとの御指摘は当たりません。

 新たな労働時間制度については、希望しない人には適用しない、職務が明確で、高い職業能力を持つ人材に絞る、賃金が下がることのないようにするとの三原則のもと検討を進めており、残業代ゼロ制度とは全く異なるものであり、そのようなレッテル張りは不適当と考えます。

 以上のように、安倍内閣としては、全ての人々が生きがいを持って働くことができる環境をつくっていくことが重要と考えており、使い捨て労働、過労死をひどくするとの御指摘は当たりません。

 社会保障費の伸びについてのお尋ねがありました。

 社会保障費の伸びを毎年二千二百億円抑制していくという小泉内閣時代の方針は、社会保障費が増大し、制度の持続可能性を確保することが何より重要であった中で、何とか制度を合理化しようという試みであったと認識しています。

 社会保障改革に当たっては、単純に社会保障費の伸びに機械的なキャップをかけて抑制するという手法ではなく、必要な給付やサービスの質を維持しながら、いかに効率化を図っていくかが課題です。

 一つ一つの改革を積み上げていくことにより、引き続き、受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度の確立に努めていきます。

 消費税率引き上げと、富裕層や大企業の優遇についてお尋ねがありました。

 消費税率の引き上げは、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものであり、その増収分は、全額、社会保障の充実、安定化に充てられ、国民に還元されます。

 また、所得税や相続税の最高税率を見直すなど、再分配機能の回復にも取り組んでおります。

 法人税改革については、日本の競争力を高める観点から、法人税を成長志向型に変革していくことで、経済の好循環を通じ、国民生活の向上につながっていくものと考えています。

 また、地方経済を支える中小企業、小規模事業者への配慮の観点も含め検討していくこととしており、大企業に減税をばらまき、中小企業に増税を強いるとの御指摘は当たらないと考えます。

 福島第二原発についてお尋ねがありました。

 福島第二原発については、今後のエネルギー政策の状況や新規制基準への対応、地元のさまざまな御意見等も総合的に勘案しながら、事業者が判断を行うものと考えています。

 東京電力の損害賠償についてお尋ねがありました。

 原子力損害賠償紛争解決センターに対する浪江町の住民の方々からの申し立てについては、現在、和解仲介の手続が継続中でありますので、個別の事案についてのコメントは差し控えます。

 今後とも、東京電力に対しては、丁寧な対応を求めてまいります。

 川内原発の再稼働についてお尋ねがありました。

 川内原発の審査に当たっては、火山による影響についても原子力規制委員会が厳格な審査を行っており、再稼働に求められる安全性は確保されていると考えています。

 避難計画を含む川内地域の緊急時対応については、要援護者を含む住民の避難や屋内退避の実施について、具体的な手順、行政区ごとの避難先の施設、複数の避難経路、必要な輸送バスの確保策が細部まで練られており、全体として、十分に具体的な内容になっています。

 また、IAEAの国際基準、国の指針に沿って、原発からの距離に応じて、避難を初めとする防護措置を実施する合理的な内容となっています。

 安全神話、無責任な避難計画という指摘は当たりません。国も前面に立ち、地元に丁寧に説明してまいります。

 普天間飛行場の移設についてお尋ねがありました。

 最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければならないということです。これが大前提であり、かつ、政府と地元の皆様の共通認識であると思います。

 普天間飛行場の移設に必要な辺野古の埋立申請は、昨年末に承認されました。法治国家として、関係法令にのっとり、既に判断が示されたものと考えています。

 普天間飛行場の一日も早い返還こそが、地元の皆様の願いだと思います。普天間の固定化を回避するため、法令に従い、辺野古移設を着実に進め、負担軽減に取り組むことが、民主主義を否定するものとの御指摘は当たらないと考えます。

 沖縄の将来のためにも、一日も早い普天間の返還を実現し、目に見える形で沖縄の負担軽減を図ることができるよう、政府を挙げて全力で取り組んでまいります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、鈴木克昌君。

    〔鈴木克昌君登壇〕

鈴木克昌君 私は、生活の党を代表して、安倍総理の所信表明演説に関して、人口減少、地域活性化、景気悪化、集団的自衛権、北東アジア外交の五つの問題を中心に質問をいたします。(拍手)

 質問に先立ちまして、去る九月二十七日に発生した御嶽山の噴火及び去る八月に広島市での大規模な土砂災害を初めとする全国各地に甚大な被害をもたらした平成二十六年八月豪雨によってお亡くなりになられた方々に対し、深く哀悼の意を表します。また、御遺族の皆様並びに被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 御嶽山においては、今なお懸命な救出活動が続いております。行方不明の方々の一刻も早い救出と無事をお祈り申し上げるとともに、政府においても、関係者と協力し、救出に全力を挙げるよう要請いたします。

 さて、質問の第一は、人口減少問題であります。

 国立社会保障・人口問題研究所では、西暦三〇〇〇年に日本人はこの世にいなくなるという衝撃的な推計を公表しています。

 この問題は、国家存続にかかわる最重要課題であり、国が率先して取り組まなければなりません。その解決に向けた王道は、国民が所得減少と雇用不安という日々の生活不安から解放され、安心して子供を産み、子育て、教育に力を注ぐことのできる環境を国が責任を持って整える政策を確立することにあると考えます。

 フランスでは、一九九〇年代半ばに出生率が過去最低の一・六五人に低下したものの、シラク三原則のように、各種の子供手当や家族手当、出産、育児優遇の税制を整備した結果、出生率が飛躍的に向上し、二・〇人を超えるまでになりました。

 日本でも、二〇〇九年に民主党が政権をとったときのマニフェストには、子ども手当の創設が明記されました。

 しかし、その子ども手当も、自民党政権に戻った途端になくなってしまいました。財源がないと言われますが、官僚利権などへの資金配分を排除するなどして、国民の生活を第一とする施策にこそ財政資金を優先して配分すべきであります。少子高齢化、人口問題の解決には、フランスの例を見てもわかるとおり、子ども手当を復活させることが一番であります。

 一方で、女性が子供を産み、育てていくための環境整備を図っていくことも重要であります。

 待機児童はいまだ二万人以上おり、また、親が安心して子供を預けるためには、保育士等の質の向上も重要な問題であります。保育所など、子供を預けられる施設の量的、質的面のさらなる充実が必要です。

 また、子供に手がかからなくなったらもう一度働きたいという女性は多いので、女性が職場復帰、再就職しやすい社会システムも導入すべきであります。

 人口問題を解決するために必要不可欠なもう一つの条件は、格差の拡大、新しい貧困問題の拡大に歯どめをかけることであります。

 非正規雇用労働者が労働者全体の三七%を占め、一生懸命働いても年収が二百万円に届かないという、いわゆるワーキングプアと呼ばれる労働者が一千万人を突破する中で、その拡大を放置していては、出生率の上昇を見込むことはできません。若い人たちが安心して働くことができ、しかも、子供を産み、育てることに自信を持てる経済環境をつくり出すことこそ、人口問題への対応の第一歩であるべきであります。

 また、地域のことはその地域にお金も権限も任せるといった大胆な改革を行わない限り、地方振興は実現できません。特に、官僚支配の源泉となっている税金の徴収権と配分権を地方に移譲することが肝要です。

 ひもつきの補助金を廃止して、各自治体がみずからの意思で自由に使える自主財源として交付すべきです。このための財源として、平成二十六年度予算でいうと、直接の政策経費五十六兆四千六百九十七億円から無駄を二割省くことができれば、十一兆円を捻出することができます。

 予算がひもつきでなくなることで柔軟性が生まれ、地域の伝統的な文化や技術を生かした特徴ある産業も生まれ、そこに新たな雇用が生まれます。また、権限が地方に移譲されれば、企業も東京にいる必然性は薄れ、土地、人件費のトータルコストが割安である地方での立地が必ず広がります。このことが、若年層の雇用拡大、地域への定着を促進し、地方の活性化をもたらします。

 地方分権、地域主権のメリットは、これだけではありません。

 地方の実情に合った地産地消を基本とする新しいエネルギー政策を各自治体が推進することで、脱原発をより現実的なものにすることができます。太陽、風力など、再生可能エネルギーを中心に据えた新しいエネルギー政策が、地域に新しい産業と雇用を生むことにもなります。

 財政の地方自治権を拡大することを軸に、地方分権を大胆に推進することにより、地域は活性化され、それが人口減少問題克服の重要な糸口になるはずであります。日本全国の各地域の均衡ある発展、活性化が広がることは、地方を元気にするだけではなく、停滞している日本全体の活力を生み出す源泉になるものと考えます。

 安倍総理、このような真の地方分権こそ、少子化と地方低迷の問題を解決する抜本策ではないでしょうか。総理の御所見を伺います。

 次に、経済について伺います。

 本年四月から六月期のGDPは年率換算で七・一%の大幅減となり、これ以外でも各種経済指標が軒並み悪化し、日本経済崩壊の懸念が国内外で指摘されています。

 GDPが予想以上に落ち込んだのは、消費税増税の影響ももちろんありますが、それだけが原因ではありません。日本のGDPの六割を個人消費が占めていますが、その国民の大多数の所得が平成八年をピークに減り続けているわけですから、GDPが拡大するはずがありません。

 安倍政権が推し進める物価高、すなわちインフレをよいものであるとする偏向した経済政策は、生産性の高い、競争力のある大企業の利益成長を後押しして、その企業が拡大させた利益を国民に分配すれば、国民全体の所得水準拡大につながるというものであります。

 ことしの春闘でベースアップが観察されましたが、それは一部大企業の、しかも正社員だけのことであり、それ以外の、全労働者の七割近くを占める中小企業の社員や、全国に約二千万人いる非正規社員は、その恩恵に浴するに至っていません。

 さらに、消費税増税だけではなく、医療や年金などでは、負担増と給付減が生活者の暮らしを容赦なく苦しいものにしています。

 つまり、大多数の人にとってのアベノミクスとは、所得拡大を伴わない、単なる物価上昇、負担上昇だけをもたらす、百害あって一利のないものになっているのが実態であります。

 七月の勤労者の現金給与総額は増加しましたが、一時的にボーナスがふえただけで、所得環境の基調が好転したわけではありません。

 このような経済環境にもかかわらず、安倍政権は消費税率をさらに八%から一〇%に引き上げようとしています。消費税が上がれば、個人消費はますます冷え込み、さらにGDPを押し下げていくのは明らかであります。

 安倍総理、このような景気状況の中、どの経済指標がどのような数値を示すなら消費税再増税が可能であると判断するのか、具体的かつ明確な御見解を伺います。

 また、安倍政権が後押しする円安政策のもとでも輸出は伸びず、むしろ国内産業の空洞化が加速しています。自動車産業を初めとする日本の輸出企業と呼ばれる大企業は、為替の影響を避け、利益を上げるために海外へ工場を移転してきました。国内で生産して海外へ輸出するという今までの貿易立国という形ではなく、外国で直接生産するスタイルが進んできたため、国内産業の空洞化が顕著になってきています。

 アベノミクスは、こうした日本経済の構造変化を的確に捉えることができずに、輸出を主導する大企業の短期的な利益拡大だけを支援しており、国内経済に新たな投資を呼び起こすための施策を提示したり、新たな国内需要を生み出すための新規産業を創出し、これを育成したりする経済政策をほとんど示していません。

 その一方で、地方の、重要ではあるが競争力の乏しい農林漁業や零細な商工業などがどんどん切り捨てられ弱体化し、内需がますます萎縮、縮小しています。内需の縮小に歯どめをかける施策が示されぬ中で、企業の海外への転出がさらに進行し、国内産業の空洞化と内需減退がスパイラル的に進行するという悪循環が形成されてしまっています。

 この状況が強まる中で、安倍政権の拙劣な外交政策が日本と近隣諸国との経済関係を冷却化させ、二〇一三年の日本から中国への輸出額は前年比八・七%減の約千六百二十億ドル、貿易額は二〇一三年に五・一%減の三千百三十億ドルに落ち込んでしまいました。同年の韓国への輸出も前年比六・七%減の約六百億ドル、貿易総額は八・二%減の約九百四十七億ドルへと落ち込んでいます。

 アジアの成長を取り込むと意気込みながら、日本の貿易相手国として第一位の中国、第四位の韓国との経済活動をこのように低迷させては、とても成長実現どころではありません。

 これら一連の経済問題を解決するには、安倍内閣が推進している労働者の非正規化推進政策、非正規社員をふやす政策を抜本的に改めるべきであります。

 また、さきに述べましたように、中央に集中している財源と権限を地方に移譲し、中央集権から地方分権、地域主権へと、国家統治の基本を根本から改める必要があります。

 これらの施策により、国内雇用の拡大、家計所得の増大、内需の振興を実現していくことができます。内需拡大による成長実現こそが、国内産業の空洞化、輸出に振り回される日本経済の脆弱性を取り除く最良の方策であると考えます。

 しかし、残念ながら、安倍政権は、これとは全く正反対の政策をとっています。

 日本は、一日も早く現在の経済政策を軌道修正し、雇用政策、税収再配分、産業政策など、全ての政策を総動員して、一人一人の国民所得をふやし、内需の底上げを図る方向を目指すべきではないでしょうか。総理の御所見を伺います。

 最後に、集団的自衛権と北東アジア外交問題について伺います。

 七月一日、安倍政権は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の閣議決定を行いました。これによって、我が国と直接かかわりのない国や地域の紛争に自衛隊を派遣することを可能にしようとしています。これは、明らかに国是に反し、国民の生命と日本の将来を危うくする道であります。

 まず、決定のあり方に問題があります。

 憲法は、日本が直接攻撃を受けた場合、すなわち正当防衛にのみ、自衛権の行使を許しています。それ以外の紛争に自衛隊を派遣するということは、憲法九条でかたく禁じられています。条文に書かれてないところに解釈が生まれますが、憲法に集団的自衛権を認めない旨が明記されている以上、解釈する余地はありません。

 今後、閣議決定に基づく憲法解釈の変更に基づく集団的自衛権の行使として海外に自衛隊を派遣するならば、それはもはや、日本において、憲法は有名無実であることを意味することになります。この点について、総理の見解を伺います。

 さて、安倍政権は、集団的自衛権の行使容認によって、日本をより安全かつ平和にできると強弁しています。しかし、隣国である中国、韓国は、地域の緊張が高まると強い懸念を示しています。

 私たち生活の党は、九月三日から五日まで、日本の政党としては初めて、韓国で研修会を行いました。その目的は、安倍政権下で戦後最悪とも評されるほど日韓関係が冷え込む中、韓国の政治家や有識者らと直接話し、相互理解と信頼関係を深め、日韓関係の正常化に少しでも貢献するためでありました。

 セヌリ党代表を初め、韓国の与野党の政治指導者は一致して、安倍総理の政治姿勢、歴史認識を批判していました。同時に、日本と韓国との間には長い友好交流の歴史があり、両国は民主主義と市場経済という普遍的価値で結ばれており、日韓の友好協力関係の発展は、両国、アジア、世界の平和と安定に不可欠であり、早期に関係改善をすべきであるとの認識において、私どもと見解の一致を見ました。

 ナチス・ドイツに占領されていたフランスも、現在はドイツと非常に仲よくやっています。かつて覇権争いをしてきたイギリスとフランスも、今では、英仏海峡トンネルを掘って、ドーバー海峡を越え、ユーロスターでつながっています。

 こうした仏独や英仏の関係に倣い、二十一世紀の日本も、大きな視点に立って日韓関係を考えれば、必ずよい方向に向かっていくはずであります。

 一九九〇年に訪日した盧泰愚大統領が、この日本の国会で演説した際、来る世紀には、東京を出発した日本の青年が海底トンネルを通過して、ソウルの親友と一緒に北京とモスクワに、パリとロンドンに、大陸を結び世界を一つにつなぐ友情旅行を楽しむ時代をともに創造しましょうと述べました。

 私は、今こそ、民族的、文化的、言語的にも最も近い隣国である韓国と日本は、このような夢を実現するために、お互いに力を尽くすべきではないでしょうか。

 韓国と中国との関係改善の進め方について総理の見解をお伺いし、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 鈴木克昌議員にお答えをいたします。

 御嶽山の噴火への対応についてお尋ねがありました。

 御嶽山の現場では、噴火活動が続く中、警察、消防、自衛隊による懸命の救出活動が行われていますが、いまだ連絡のとれない方々がおられます。

 政府としては、二次災害に留意しつつ、引き続き、関係機関が一体となって、救出活動に全力を尽くしてまいります。今後の噴火活動に最大限の警戒を行い、国民生活への影響にも万全の対策を講じてまいります。

 地方分権についてお尋ねがありました。

 豊かで明るい元気な地方の創生は、安倍内閣の最重要課題です。地域みずからの発想と創意工夫により、人口減少や超高齢化といった課題に立ち向かい、個性と魅力あふれる地方をつくっていくためには、地方の自主性、自立性をさらに高めていくことが不可欠であります。

 安倍内閣では、地方の発意を重視しながら、国から地方への権限、財源等の移譲を促進するなど、地方分権改革を力強く着実に進めてまいります。

 消費税率の一〇%への引き上げについてお尋ねがありました。

 消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減もあり、四―六月期の実質GDP成長率は前期比年率マイナス七・一%となりましたが、二〇一四年一―六月は前年同期比一・三%のプラス成長となっており、全体的には経済成長が続いていると考えております。

 消費税率の一〇%への引き上げについては、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 安倍内閣の経済政策についてお尋ねがありました。

 安倍内閣では、デフレ脱却を目指し、経済最優先で政権運営に当たってまいりました。その結果、賃上げは過去十五年で最高水準になるなど、経済の好循環が生まれ始めています。

 持続的な経済成長を通じて富を生み出すことができなければ、経済全体のパイは縮小していき、個人の所得も減少していきます。

 このため、引き続き、経済成長戦略を確実に実行し、賃金の引き上げが消費の拡大につながる持続的な経済成長の実現を目指します。景気回復の実感を全国津々浦々にまでお届けしてまいります。

 先般の閣議決定と憲法解釈の関係についてのお尋ねがありました。

 憲法に集団的自衛権を認めない旨明記されているわけではありません。

 先般の閣議決定における憲法解釈は、我が国を取り巻く安全保障環境が客観的に大きく変化しているという現実を踏まえ、従来の憲法解釈との論理的整合性と法的安定性に十分留意し、従来の政府見解における憲法第九条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための合理的な当てはめの帰結を導いたものであります。

 したがって、先般の閣議決定は、合理的な解釈の限界を超えるような憲法解釈の変更ではなく、憲法をないがしろにするものではありません。

 韓国、中国との関係改善についてお尋ねがありました。

 韓国とは、ニューヨークで外相会談を行いました。今後もお互いに努力を重ね、国際会議の機会に首脳会談ができればよいと考えています。

 中国とは、十一月の北京APECの際に首脳会談ができればよいと考えています。そのためには、ニューヨークでの外相同士の協議のように、両国が互いに静かな努力を重ねていくことが必要であります。(拍手)

副議長(赤松広隆君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣     麻生 太郎君

       総務大臣     高市 早苗君

       法務大臣     松島みどり君

       外務大臣     岸田 文雄君

       文部科学大臣   下村 博文君

       厚生労働大臣   塩崎 恭久君

       農林水産大臣   西川 公也君

       経済産業大臣   小渕 優子君

       国土交通大臣   太田 昭宏君

       環境大臣     望月 義夫君

       防衛大臣     江渡 聡徳君

       国務大臣     甘利  明君

       国務大臣     有村 治子君

       国務大臣     石破  茂君

       国務大臣     菅  義偉君

       国務大臣     竹下  亘君

       国務大臣     山口 俊一君

       国務大臣     山谷えり子君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官  加藤 勝信君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  横畠 裕介君


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