衆議院

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第5号 平成26年10月14日(火曜日)

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平成二十六年十月十四日(火曜日)

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  平成二十六年十月十四日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出)及び地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(伊吹文明君) まず、御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰をされました元議員東中光雄君は、去る八月七日御逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。

 東中光雄君に対する弔詞は、議長において去る十一日既に贈呈をいたしておりますので、これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰された東中光雄君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出)及び地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(伊吹文明君) それでは、この際、内閣提出、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣石破茂君。

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) ただいま議題となりましたまち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、まち・ひと・しごと創生法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、日本全体、特に地方の人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、小さな村落から大都市まで、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためには、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会を形成すること、地域社会を担う個性豊かで多様な人材について、育成を含め確保を図ること、及び、地域における魅力ある多様な就業の機会を創出することの一体的な推進、すなわち、まち・ひと・しごと創生が重要となっております。

 この法律案は、このような観点から、まち・ひと・しごと創生について、基本理念、国等の責務、まち・ひと・しごと創生総合戦略の作成等について定めるとともに、まち・ひと・しごと創生本部を設置する等の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、まち・ひと・しごと創生の基本理念として、希望に応じ、地方に住み続け、または地方に移住するなど、国民が個性豊かで魅力ある地域社会において潤いのある豊かな生活を営むことができるよう、それぞれの地域の実情に応じて環境の整備を図ること、日常生活及び社会生活を営む基盤となるサービスについて、その需要及び供給を長期的に見通しつつ、かつ、地域における住民の負担の程度を考慮して、事業者及び地域住民の理解と協力を得ながら、現在及び将来におけるその提供の確保を図ること、結婚や出産は個人の決定に基づくものであることを基本としつつ、結婚、出産または育児についての希望を持つことができる社会が形成されるよう環境の整備を図ること、仕事と生活の調和を図ることができるよう環境の整備を図ること、地域の特性を生かした創業の促進や事業活動の活性化により、魅力ある就業の機会の創出を図ること、これらが行われるに当たっては、地域の実情に応じ、地方公共団体相互の連携協力による効率的かつ効果的な行政運営の確保を図ること等を定めております。

 第二に、政府は、基本理念にのっとり、まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるものとしております。

 第三に、都道府県は、まち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案して、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるよう努めるものとしております。

 第四に、市町村は、まち・ひと・しごと創生総合戦略等を勘案して、市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるよう努めるものとしております。

 第五に、内閣総理大臣を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部を内閣に設置し、まち・ひと・しごと創生総合戦略の実施を推進するとともに、その実施状況の総合的な検証を定期的に行うこととしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 次に、地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 地域再生は、地域の知恵を生かした自主的、自立的な取り組みを国が支援することにより、我が国の活力の源泉である地域の活力を再生しようとするものであり、これまで、全国各地で創意工夫にあふれるさまざまな取り組みが行われてきました。

 政府としては、少子高齢化が進展し、人口の減少が続く中で、地域の活力の向上及び持続的発展を図る観点から、地域産業の成長及び雇用の維持、創出を早急に対応すべき重要課題として位置づけ、地域の活性化に取り組む地方公共団体の声を聞きつつ、国の地域活性化施策の制度改善に向けた所要の検討を行ってまいりました。

 今般、これらの検討結果に基づき、地域活性化関連の計画の認定等について手続のワンストップ化を可能とするほか、地方公共団体からの提案等に対して内閣総理大臣が一元的に対応するとともに、地方公共団体の要請に応じて内閣総理大臣が関係省庁間を調整する等の措置を講ずることにより、関係省庁が一体となって、意欲ある地方公共団体の主体的な取り組みを総合的に支援するため、この法律案を提出する次第であります。

 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、地域再生計画の認定の申請をしようとする地方公共団体は、内閣総理大臣に対して、地域再生の推進のために政府が講ずべき新たな措置に関する提案をすることができることとしております。

 第二に、構造改革特別区域法の特定事業等に関する事項を記載した地域再生計画について、内閣総理大臣の認定をもって、当該特定事業に係る構造改革特別区域計画の認定等があったものとみなすこととしております。

 第三に、内閣総理大臣は、地域再生計画の認定を受けた地方公共団体が当該計画を実施する際、地方公共団体からの要請に応じて関係行政機関の事務の調整を行うとともに、関係行政機関の長に対し、必要な勧告を行うことができることとしております。

 第四に、認定地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置として、地域農林水産業振興施設整備計画の作成及びこれに基づく農地等の転用等の許可の特例を追加することとしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、まち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

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 まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出)及び地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(伊吹文明君) ただいまの石破国務大臣の趣旨の説明に対し質疑の通告がありますので、順次これを行います。まず、新藤義孝君。

    〔新藤義孝君登壇〕

新藤義孝君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりましたまち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法改正法案について質問をいたします。(拍手)

 質問に先立ちまして、このたびの台風、御嶽山の噴火や先般の広島での大規模な土砂災害など、本年は自然災害が多発し、全国各地で甚大な被害が発生しております。多くの自然災害による犠牲者に哀悼の意を表し、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。全政府を挙げて、一刻も早い復興と支援、そしてさらなる災害対策の強化を要請したいと思います。

 日本を取り戻す。私たち安倍政権は、日本の混乱を収束させ、強い経済と優しい社会を再構築するためにアベノミクスを推進しています。

 賃金や失業率など、マクロ経済指標は改善の傾向を示しておりますが、全国各地にアベノミクスの温かい風を届け、景気回復を実感してもらわなければ、我が国の持続可能な経済成長は本格化しないわけです。

 実体経済を刺激して、地域の元気をつくり出していくために、地方創生は待ったなしの最重要課題だと思っております。

 そして、目前の課題である、都市問題と衰退する地方への対応は、中長期の国家的課題である人口急減社会対策と直接的にリンクをいたします。

 政府は、五十年後に一億人程度の人口を維持するという目標を立てておりますが、仮に今後、合計特殊出生率を、人口が維持できるとされる二・〇七に回復させたとしても、人口減少がおさまるのは八十年後であります。

 東京圏への過度の人口流入に歯どめをかけ、人々がそれぞれの地域で仕事をし、安心して子供を育て、家族を養える暮らしを実現する、そのために、満足できる教育や雇用、医療・福祉環境を整えようとする地方創生の取り組みは、今を生きる私たちと未来を生きる日本人のためにも、政府は今すぐ取りかからなければならないのであります。

 一方で、これまでもまちづくりの取り組みは行われてまいりました。今回の地方創生は、今までとは次元の違う、抜本的かつ実効性あるものにしなければなりません。

 私は、この地方創生を成功に導くために二つの大きなポイントがあると考えています。

 まず一つ目。政府側の実行体制であります。

 各省庁の縦割りを排除し、政策を総合的かつ集中投下する政府一体となった体制をつくり、地域ごとに必要な事業をパッケージ化し推進できるようにする。もちろん、ばらまきと言われるような手法は厳に慎まなければなりません。

 二つ目のポイントです。地方側から自由な提案を可能とする制度の構築。

 従来のように、国の制度に合わせて地方が計画を提案するのではなくて、千七百八十八の自治体がそれぞれ地域の個性を生かし、自由なアイデアを地方から提案できるような制度にしなければなりません。その際には、地方にも実行責任を担ってもらい、提案する事業は自立的かつ持続可能なものでなければなりません。

 まずは、安倍総理より、このたびの地方創生の取り組みを成功に導くための方針について、その熱い思いを述べていただきたいと存じます。

 あわせて、今回提出のまち・ひと・しごと創生法案は、地方創生の推進にどのような意義を持つのか、総理の御見解をお聞かせいただきます。

 地方創生を成功に導くポイントの一つとして、縦割りの排除が必須であると申し上げました。また、いわゆるばらまき手法は効果が上がらないのみならず、事業の持続可能性に疑問符がつきます。

 今後、どのようにして、この縦割りやばらまきを排除して、効果のある事業を自立的に実施できるようにしていくのか、石破地方創生担当大臣よりお考えをお聞かせください。

 次に、成功に導くポイントの二つ目として、地方からの自主的かつ大胆な提案を可能とする制度構築が必要と申し上げました。

 今般の法案において、都道府県、市町村による総合戦略の策定が努力義務化されていることは大いに評価できますが、国は、画一的なやり方ではなく、やる気のある地方自治体や新たな知恵を出そうとする自治体に対し、その創意工夫に応じた支援をしていくべきです。

 事業戦略を策定する際の専門的な作業については、自治体の希望に応じて、国が人材を派遣するなどの支援も有効だと考えています。

 政府は、どのようにして、自治体の自主的な取り組みを促すとともに、自治体への支援を予定しているのか、石破大臣より御答弁を願います。

 東京圏に対する考え方についてお伺いをいたします。

 今般の法案では、東京圏への人口の過度な集中の是正が盛り込まれています。

 例えば、総人口に対する首都圏人口比率を見ますと、パリやロンドンで一五%前後、ニューヨーク、ベルリンで五%前後です。しかし、東京は約三〇%、突出しているわけであります。

 他方、東京の合計特殊出生率は一・一三と極端に低く、東京圏での急速な少子高齢化の進展が、人口減少や地方の衰退に拍車をかけ、全国的な課題を生み出しているとも言えます。

 日本の成長のためには、東京自体を国際的に魅力あふれる都市とし、全国を引っ張っていかなくてはなりません。

 まち・ひと・しごと創生の実行に当たって、東京圏の課題とこれからの対応についてどうお考えか、石破大臣の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。

 次に、地域再生法改正についてのお伺いをいたします。

 地方創生の推進に当たり、まち・ひと・しごと創生法案とあわせて地域再生法の改正案を提出した意義について、安倍総理の御見解をお願いいたします。

 また、今年度政府が進めております省庁横断の取り組みであります地域活性化プラットホームにおいては、選定された三十三の地域に、各省の課長級職員が六、七人現地に出向きまして、首長さん方と膝詰めで協議を行う総合コンサルティング方式、これが非常にこれまでにない新しい取り組みとして地方自治体からの評価をいただいている、このように承知をしております。

 石破大臣には、今回の地域再生法改正案において、こうした取り組みを踏まえて、地域の知恵やアイデア、提案を受けとめ、地域からの照会や相談に対応するためにどのような仕組みを取り入れているのか、御見解をお願いしたいと思います。

 このたびの地方創生の取り組みは、我が国の経済成長を本格化させる実体経済刺激策であるとともに、都市への人口集中と行政負担の増大、地方の弱体化、過疎化の進展という日本が直面する構造的問題の解決策であり、人口急減社会対策という長期的課題の克服に向けた国家戦略となるものであります。何としても成功させなければいけません。

 我が国の明るい未来に向けて、全ての地域、国民が目標を共有するとともに、みんなで参加できる仕組みとなるように、安倍総理の強力なリーダーシップと、そして閣僚の皆様の従来の枠を超えた大胆な活躍を期待したいと思います。

 私どもも全力で取り組んでまいることをお約束し、質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 新藤義孝議員にお答えをいたします。

 地方創生の取り組みの方針と、まち・ひと・しごと創生法案の意義についてお尋ねがありました。

 若者が将来に夢や希望を持てる魅力あふれる地方の創生は、安倍内閣の最重要事項です。

 地方創生、人口減少克服を進めるために、私のもとに設置したまち・ひと・しごと創生本部のもとで、各省の縦割りを排除するとともに、地域の声に徹底して耳を傾け、従来の取り組みの延長線上にはない政策を実行してまいります。

 また、まち・ひと・しごと創生法案は、人口急減、超高齢化という我が国が直面する喫緊の課題に正面から取り組むに当たり、東京圏への人口の過度な集中の抑制と個性あふれる地方の創生が必須であり、その解決の道筋を示した法案であること、この課題には政府が一丸となって取り組む必要があることから、まち・ひと・しごと創生本部を法定設置し、これらを継続的に推進する政府の体制整備をすることに大きな意義があると考えます。

 地域再生法改正案をまち・ひと・しごと創生法案とあわせて提出した意義についてお尋ねがありました。

 まち・ひと・しごと創生法案は、まち・ひと・しごと創生の目的、基本理念、総合戦略の策定、まち・ひと・しごと創生本部の設置など、政策推進の体制等の基本的な事項を定めたものであります。

 一方で、地域活性化の成果を速やかに上げていくためには地方公共団体の取り組みに対する具体的な支援の充実が必要であることから、地域活性化関連の計画認定手続のワンストップ化等、より具体的な内容を盛り込んだ地域再生法改正案をあわせて国会に提出したところであります。

 これらは、相互に補完し合いながら、人口減少克服、地方創生という構造的な課題に対処しようとするものであり、同時並行的に進めることが必要であると考えております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 新藤議員から四問いただきました。

 まず、縦割りやばらまきについてお尋ねがありました。

 全閣僚が構成員となっておりますまち・ひと・しごと創生本部におきまして定めた基本方針において、各府省の縦割りを断固排除し、政策目的が限定されておらず、執行に当たっての自由度が極端に高く、政策効果の検証がされない予算措置などの、いわゆるばらまき型の対応を排除することといたしております。

 縦割りやばらまきを排除するために、各閣僚が本部の決定に従って予算の編成作業等に自覚を持って臨んでいくことはもとより、私も、現行の内閣法及び現在提案しておりますまち・ひと・しごと創生法案に盛り込んだ権限に基づき、総合調整を行い、政府一丸となって地方創生に取り組んでまいります。

 具体的には、今回の地方創生に当たっては、まち・ひと・しごと創生本部において十二月に取りまとめる予定の総合戦略において、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、効果の高い政策を集中的に実施してまいります。

 この実現のため、各府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者や有識者からヒアリングを行う基本政策検討チームを立ち上げ、検討を行っているところであり、基礎的自治体である市町村を初めとする、使う側のニーズに合った施策を整理してまいります。

 次に、地方自治体の自主的な取り組みと自治体への支援についてのお尋ねであります。

 地方のことを一番知っているのはその地方であり、地方からアイデアを出していただき、有効なものについては、国は全力で応えることが必要であります。

 都道府県、市区町村を合わせますと、地域の実情に応じ千七百八十八通りの処方箋があるはずであり、今回、地方版総合戦略という形でこれを示していただきたいと考えております。

 国においては、十二月に作成する総合戦略において中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、限られた財源の中で効果の高い施策を集中的に実施していくこととしており、こうした政策により、地方への支援を積極的に行ってまいります。

 また、総合戦略の策定、実行への人的な支援体制につきましては、比較的規模の小さな市町村の補佐役として若手の国家公務員等を派遣するシティーマネジャー制度や、市町村等の要望に応じ、当該地域に愛着を持つ各府省庁の職員を相談窓口として選任する地方創生コンシェルジュ制度を詰めているところであり、支援を希望する市町村の期待に応えてまいります。

 次に、東京圏の課題と対応についてのお尋ねであります。

 現在の東京一極集中の問題としては、地方を支える人材が東京に流出している問題とともに、地方から出生率が極端に低い東京へ人口が流出していることによる我が国の人口減少の問題がある。また、東京では、その過密な人口の状況を背景に、住宅価格が高い、通勤時間が長い、待機児童が多いといった問題とともに、大規模な災害リスクの問題があり、このままでは、いずれ、人口バランスが極めていびつな地域となり、福祉が支えられなくなると認識しております。

 このような認識のもと、安心して働き、希望どおり結婚し、子育てができるような魅力あふれる地方を創生し、地方への人の流れをつくるとともに、東京圏の活力の維持向上を図りつつ、過密化、人口集中を軽減し、快適かつ安全、安心な環境を実現することで、我が国の経済の牽引車としての役割を果たすことが重要であると考えており、これらの実現に向けて力強く政策を実行してまいります。

 次に、地域再生法案に関し、政府が地域からの提案や照会に対応する仕組みについてのお尋ねがありました。

 今回の地域再生法改正案では、地方公共団体から、政府が講ずべき新たな措置に関して提案があった場合、その必要性について検討し、地方公共団体に応答する、また、地方公共団体が実施しようとする事業について、国の支援措置の内容や法令解釈についての照会があった場合、関係省庁に確認を求めた上で、地方公共団体に遅滞なく回答するなど、いずれの場合についても、内閣総理大臣が一元的に対応する仕組みを導入しております。

 このような仕組みを通じて、地域の声にしっかりと耳を傾け、地域の実態に合った親切かつ丁寧な支援を行ってまいります。

 以上であります。(拍手)

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議長(伊吹文明君) それでは、次の質疑者、渡辺周君。

    〔渡辺周君登壇〕

渡辺周君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました二法案につきまして、関連を含めて質問をいたします。(拍手)

 まず、冒頭、十八号、十九号と相次いで来襲した台風、また御嶽山の噴火によって犠牲となられた方々と被害を受けた皆様方にお悔やみとお見舞いを申し上げ、全力で復旧復興に取り組んでいくことをお約束申し上げます。

 本日の安全保障委員会における与党の強引な運営に強く抗議をいたします。

 与党側は、江渡防衛大臣の政治資金問題に関する領収書を提出するという約束を一方的にほごにしたばかりか、疑惑にふたをするかのように質疑を進めました。まさに言語道断であります。与党に猛省を求め、質問に入ります。

 安倍内閣が発足して一年十カ月になろうとしています。異次元の金融緩和、財政出動、そして成長戦略という安倍総理の三本の矢経済政策は、最新の経済統計等を見ますと、その副作用と先行き不安が顕著になってまいりました。

 今国会における論戦で我が党は、悪い円安、コストプッシュ型インフレ、家計と実質賃金の問題、若者のワーキングプア、女性と子供の貧困、中小企業の経営難、財政ばらまきなど、多くの問題点を指摘してまいりました。

 一部には恩恵が与えられたものの、この国の屋台骨を支えている国民生活、中小企業にその恩恵は遠く、地方創生のかなめ、担い手に景気回復の実感はありません。

 ここで改めて、実質賃金、可処分所得の低下、円安による急激な物価上昇を踏まえ、アベノミクスは成功しているのか、また、その先行きについて、総理の説明を求めます。

 そのような状況下、新たに強調され出したのが、女性の登用と地方創生であります。

 全国八百九十六の自治体が消滅すると試算されたショッキングな日本創成会議のデータによれば、その要因は東京一極集中と若年女性の減少であります。二〇四〇年における二十から三十九歳の若年女性とは今十三歳以下の女性ということになりますが、不安なく郷土に住むことができる雇用、生活の場、子育ての環境をつくり上げていくことが急務であります。

 地方創生には、若者、女性が活気づき、世代を超えて全ての人たちに出番と居場所がある地域社会をつくることが必須であります。

 二〇二〇年の東京オリンピックに向けて東京のインフラ整備は加速し、熱を帯びてまいります。六年後に迫った東京オリンピックに近未来を夢見ますが、東京が再び脚光を浴び、一極集中が加速していくことが考えられます。都市機能を高めてオリンピックを成功させ、世界から訪れる訪日外国人のニーズに応えながらも、地方の人口をどう維持し、バランスよく地方を発展させていくかの視点を欠いてはなりません。

 東京がクローズアップされる中で、少子化に歯どめをかけ、地方の疲弊と地域社会の崩壊をどう改善していくのか、総理のビジョンをお聞かせください。

 続いて、地方分権についてお聞きします。

 石破地方創生担当大臣は、九月十八日の地方分権改革有識者会議の席で、東京一極集中に歯どめをかけ、人口減少を克服するという課題に、地域の特性に応じた解決法を見出していかなければならないと述べ、そのためには、地方分権改革を地方創生とともに推進することが不可欠である、今回の地方創生とは、国の形を変えるものであり、地方分権改革はその中核をなすものの一つであると述べています。

 しかし、現実には、政府の地方分権推進本部は、地方公共団体への事務、権限の移譲や地方に対する規制緩和について、地方自治体から募集した自主的な千六十件の提案に対し、各府省が実施するとしたのはわずか十件であり、全体提案の八割に当たる八百十七件は対応不可としました。その実態は、やはり中央主導で、地方からの提案に冷たい水をぶっかけるノーを突きつけ、地方の創意工夫への熱意をしぼませています。

 相も変わらず、中央の抵抗がそのまま放置され、遅々として進まぬ、このような状況の中で、国の形を変える地方創生、国が選ぶのではなく、地方が選ぶ地方分権は本当に実現できるのでしょうか。御答弁ください。

 民主党政権のもとで、我々は大胆かつ積極的に地域主権改革に取り組みました。地域のさまざまな資源や歴史、文化、伝統等を最大限に活用し、それぞれの地域において富を生み出すという考え方に基づいて、依存と分配から自立と創造の仕組みに転換することを目指しました。その成果として、ひもつき補助金の一括交付金化、義務づけ、枠づけの大きな見直し、国と地方の協議の場の法定化を構築しました。

 ところが、安倍政権になって、民主党政権の実績を抹消したかったのでしょうか、一括交付金を廃止し、ひもつき補助金を復活させてしまいました。今になって石破大臣が、地方から一括交付金の要請もあり、政府で真剣に検討すると述べています。つまり、民主党政権で断行したことは、地方自治体から歓迎され、的を得ていたということではないでしょうか。

 地方の声を率直に受けとめ、一括交付金を復活させるのでしょうか。復活した場合、その形はどのようなものになるのでしょうか。答えを求めます。

 次に、電力会社の再生可能エネルギーの買い取り保留問題についてお尋ねします。

 民主党政権が一括交付金と並んで地方活性化の切り札にしたのは、緑の分権改革、エネルギーの地産地消でありました。太陽光、バイオマス、地熱など、地域の資源を活用したエネルギーの地産地消は、地域地域の創意工夫を高め、新たな雇用の創出につながります。

 民間事業者で組織する一般社団法人太陽光発電協会の資料によれば、太陽光発電市場は、二〇一〇年の売上金額五千四百五十五億円から二〇一二年度には一兆二百億円、二〇一三年度には二兆五千億円、白物家電市場と同等のマーケットを創出しました。

 直接雇用人員数でも、二〇一〇年の二万一千八百二十人から二〇一二年には四万八百人に、二〇一三年度には九万人となりました。周辺産業従事者を加えた総雇用人員では、二〇一〇年から七倍の二十一万人となったとのことであります。

 ところが、ここへ来て、再生可能エネルギーの新規受け入れの中断、保留が各地で持ち上がり、自治体や事業者、個人の間に不安が広がっています。

 買い取り制度を前提として、地方再生の切り札、救世主として、自治体や事業者、個人が決断し、投資しましたが、このまま中断、保留となれば、エネルギーの地産地消に伴う雇用創出、過疎地域の転換施策は断念せざるを得ず、地域創生のチャンスはついえてしまいます。

 保留、中断の理由は、買い取り制度に伴う増加のスピードが予想以上に速く、送電容量を超えるおそれとされており、他社への融通や蓄電池、揚水発電による需給調整力の増強といった対応が急務であります。

 安倍総理も、今国会の所信表明の中で、徹底した省エネルギーの実施と再生可能エネルギーの最大限の導入により、できる限り原発依存度を低減させてまいりますと述べました。

 地域創生のために、エネルギーの地産地消の導入、確立は柱となるものと考えますが、今回の中断、保留を受けて、政府はこれからどうしていくのか、方針を安倍総理に伺います。

 続いて、岩盤規制への取り組みについて伺います。

 総理はさきの所信表明演説で、農業、雇用、医療、エネルギーなど、岩盤のようにかたい規制にこれからも果敢に挑戦していくと述べました。しかし、規制は中央主導のお上によってつくられたものであり、そのトップである総理が果敢に挑戦すると言うのであれば、実現に疑問符がつきます。

 岩盤規制に挑戦するのではなく、ぶっ壊すという強いリーダーシップで、各省庁に指示を出して具体的成果を出すべきですが、いかがですか。総理にお聞きします。

 今回の地方創生の目玉施策の一つに、中央省庁からの官僚の派遣があります。これまでも地方自治体には各省庁から職員が出向しており、何ら目新しいことはありません。

 先ほど申し上げたとおり、地方からの権限移譲や規制緩和の要望の八割を対応不可とした中央官庁から職員を地方自治体に派遣することが、地方創生にどうつながるのでしょうか。地方の自主性を発揮するならば、地方の職員を大学やシンクタンクなどに派遣して、先進例を学ぶチャンスをつくり、視野と人脈を広げる方が地方創生のリーダーづくり、人づくりになるのではないでしょうか。

 中央省庁の職員を地方自治体に派遣することが地方創生にどういうメリットをもたらすのか、お答えください。

 民主党政権は、地方が個性を発揮して、その町、その村に見合った魅力づくりをするその担い手は、官民だけでなく、新しい公共、NPOであると位置づけ、一定条件をクリアした認定NPOへの寄附に対する税額控除を導入しました。NPO法人は現在全国に四万九千団体、寄附税制の対象となる団体はおよそ七百です。介護や介助、子育て、まちづくり、防災など、地域の住民ニーズに沿う形で活動をしなくてはならない、今やなくてはならない存在であります。

 しかし、昨年末の税制改正大綱では寄附に伴う税額控除が見直し項目に掲げられ、今春には政府税調が企業や法人に対する租税特別措置の廃止、縮小方針を打ち出しており、今後NPO税制も見直されるのではという懸念の声が高まっています。

 地方創生の担い手であるNPOの活動については、自民党も二〇一三政策集で、「地域コミュニティの再生」や「過疎地域対策の充実」の項目でNPO支援をさんざんうたっており、地域創生の担い手であるNPOの活動を税制見直しによって立ち枯れさせるようなことはよもやないとは信じますが、総理の認定NPOへの寄附税制に対してのお考えを伺います。

 法案の細部について伺います。

 まち・ひと・しごと創生法案では、基本理念を定め、国、地方の責務、事業者や国民への努力を課しています。基本理念に書かれている各項目はごもっともなことが書かれていますが、本法案はいわゆる理念法であり、具体策はありません。国、地方はもちろん、特に事業者や国民がこの法律に沿って行動するために、どのような誘導政策やメニューをお考えでしょうか。

 また、国の総合政策を勘案し、地方にも戦略策定の努力義務を課していますが、どのような観点で策定していくのか、お伺いをいたします。

 さらには、現実問題として、二カ月後に迫った予算編成にどう対処するおつもりですか。

 各省は、概算要求において、特別枠目当てに縦割り、ばらまき、水膨れとも言える予算要求を行っています。各省、各大臣の納得のもとに精査をし、整理統合、一元化できるのでしょうか。

 二カ月後に迫った予算編成に向けてどのようなお考えか、答弁を求めます。

 地方創生法案の実施法として提案されているのは、地方再生法の改正だけであります。これは、主として、国土交通、農水、経済産業の三省の所管事業を限定的に対象にしたものであります。これでは、過去の失敗した地方分散計画と同様の結果になります。

 他の法案はいつ提案されるのか、とりわけ地方交付税制度や社会保障制度改革は、どのような内容でいつまでに提案されるのか、総理に伺います。

 最後に、地域の自主性、自立性を高めるための改革の推進の観点から、塩崎厚生労働大臣にお尋ねします。

 一部週刊誌で、塩崎厚生労働大臣が、御自身の所管である地元の老人ホーム事業に口ききしたのではないかという報道があります。詳細はまた関係委員会でお尋ねしますが、御地元松山市の決定を覆すという、地方の自主性、自立性を無視するような出来事に口ききをしていたという報道が事実であるとすれば、この問題は看過できません。この報道にあります地元老人ホーム事業に口ききしたという記事の真偽のほどはいかがでしょうか。説明を求めます。

 私どもは、三年三カ月の政権を担った経験をもとに、地方の自由度を高めて、真の地域主権を進め、地方の自立と覚悟のもと、個性豊かな地域創生のため、建設的な提言を行い、実現していくことを約束して、私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 渡辺周議員にお答えをいたします。

 経済政策についてお尋ねがありました。

 安倍政権では、デフレ脱却を目指し、三本の矢の取り組みにより、経済最優先で政権運営に当たってまいりました。その結果、賃上げが過去十五年で最高水準となるなど、経済の好循環が生まれ始めています。

 消費税率引き上げの影響を除いた一人当たりの実質賃金のマイナス幅は縮小してきており、一人当たり賃金に雇用者数を乗じた実質総雇用者所得は、四月、五月はマイナスだったものが、六月以降、七月、八月とプラスになってきております。

 引き続き、成長戦略の確実な実施や政労使の会議での議論などを通じ、好調な企業収益を、設備投資や賃上げ、雇用環境のさらなる改善等を通じて経済の好循環につなげ、全国津々浦々に至るまで景気回復の実感をできる、そういう状況を実現してまいりたいと考えております。

 地方の疲弊と地域社会の崩壊をどう改善していくのかについてお尋ねがありました。

 東京一極集中に歯どめをかけ、各地域の活性化を図っていくためには、東京中心の経済政策とは異なる地域特性を踏まえた取り組みが必要であると考えています。

 このため、それぞれの地域ならではの資源や創意工夫を生かすことにより、地方に仕事をつくることを重視し、地方に住みたい、子供を持ちたいといった国民の意欲を実現するアプローチをとり、さらに、地域の声に徹底して耳を傾け、みずからの発意に基づく取り組みを国が後押ししていく手法により、少子化に歯どめをかけ、地方の活性化を図ってまいります。

 地方分権改革についてお尋ねがありました。

 元気で豊かな地方を創生していくためには、地方の自主性を高める地方分権改革の推進が不可欠であります。

 地方からいただいた提案については、現在、有識者会議の議論も踏まえ、さらに検討を深めているところであり、提案の最大限の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、一括交付金の復活についてお尋ねがありました。

 民主党政権時代の一括交付金については、手続の煩雑さなどさまざまな問題点が指摘されていたことから、昨年度廃止し、地方からの意見を踏まえ、より大きな政策目的にまとめるなど、運用改善を図った上で各省庁の交付金等に移行をしました。

 今後、地方の主体的な取り組みを基本とする観点から、個別補助金のように使用目的を狭く縛ることは避ける一方で、効果の高い政策を集中的に実施するため、地方みずからが客観的な分析に基づき政策目標を設定し、政策目標の達成に向けた厳格な効果検証もみずから行うとともに、やる気のある地方の提案を競い合っていただくことを前提に、必要な支援策を検討してまいります。

 地域再生のためのエネルギーの地産地消と、電力会社による新規受け入れの中断についてのお尋ねがありました。

 バイオマスを初めとする再生可能エネルギーは、各地域のエネルギー源を有効活用するものであり、地方創生の一翼を担う重要な存在であると認識しています。

 電力会社の接続問題に関する制約は、地域における再生可能エネルギーの導入を進める上でも克服しなければならない重要な問題であり、電力会社の対応が適切かどうか、専門的、技術的観点から厳しく検証をするとともに、電力系統の整備も含め、その導入拡大に向けて何が必要か、あらゆる角度から検討を進めていく必要があると考えています。

 このため、外部の専門家による検討の場を経済産業省に設置し、その検証結果を年内にお示ししたいと考えております。

 規制改革への取り組みについてお尋ねがありました。

 大胆な規制改革を断行し、民間のダイナミックなイノベーションの中から多様性あふれる新たなビジネスが生まれる、これは、私の成長戦略の鍵であります。

 このため、これまでできるはずがないとされてきた多くの改革を次々と決断してまいりました。例えば、約六十年間地域独占が続いてきた電力小売市場の完全自由化、六十年ぶりの農協の抜本改革への着手などであります。

 これからも、国家戦略特区制度も活用し、農業、雇用、医療、エネルギーなど、岩盤のようにかたい規制を改革してまいります。

 中央省庁の公務員の地方への派遣についてお尋ねがありました。

 現在、市町村の希望に応じて、意欲と能力のある若手の国家公務員等を市町村長の補佐役として派遣する仕組みを検討しています。

 地方創生を強力に推進する上で必要な人材の確保が困難な状況にある比較的規模の小さな市町村を対象とする予定であり、こうした市町村にあっては、外部の新たな知見を取り入れることで、より効果のある総合戦略をみずから策定するとともに、その実行につなげていくことが可能になると考えております。

 NPO税制及びNPOへの支援についてお尋ねがありました。

 NPO税制を含め、NPOに関する政策については、地域の課題解決や地域活性化の重要な担い手となっているNPOも存在することや、寄附文化の醸成を推進する観点も踏まえながら検討してまいります。

 まち・ひと・しごと創生の具体的な施策や総合戦略の策定方法についてお尋ねがありました。

 まち・ひと・しごと創生の具体的な施策については、創生本部の基本方針に示された五つの検討項目に沿って、地方自治体関係者や外部有識者の知見を得つつ検討し、年内に策定する総合戦略の中に盛り込んでまいります。

 国の総合戦略については、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、限られた財源の中で効果の高い施策を集中的に実施していくという観点に立って策定し、客観的指標を設定して、実施状況を検証してまいります。

 また、地方の総合戦略については、国の総合戦略を勘案しつつ、地域の特性を踏まえて、主体的に策定していただく必要があります。また、客観的指標の設定等を通じて、実施状況の厳格な検証に取り組んでいただきたいと考えております。

 来年度の予算編成についてお尋ねがありました。

 来年、二十七年度予算編成に向けては、本部のもとに設定したまち・ひと・しごと創生会議や石破大臣のもとに設置した基本政策検討チームにおいて、各省や地方からのヒアリングを含め、精力的に議論を行っているところであります。その成果を踏まえつつ、本部主導で、制度、政策の総点検の成果を取りまとめてまいりたいと考えています。

 こうした点検に基づいて、真に地方にとって必要な施策を組み立て、限られた財源の中で、一元的、効果的、効率的な予算編成につなげてまいります。

 各省の予算要求をどのように精査していくかについてお尋ねがありました。

 地方創生の推進に当たっては、地方の個性を尊重し、活気あふれる発意に基づく地方の自主的な取り組みを国が後押しすることとしております。

 このため、地方の声に徹底して耳を傾け、国の示す枠にはめるような手法やばらまき型の投資は断じて行いません。

 各省が概算要求を行った事業については、まち・ひと・しごと創生本部のリーダーシップにより、施策の効果検証を厳格に実施するとともに、重複を排除してまいります。また、地方の創意工夫に基づく取り組みをワンストップで支援する体制を構築していきます。こうした手順で、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施してまいります。

 地域再生法以外の法案の提出等についてお尋ねがありました。

 今国会には、本日御審議いただいている二法案のほか、地方創生関連法案として、地域支援、ビジネス支援強化のための中小企業地域資源活用促進法の改正法案、国家戦略特区法改正法案等四法案を提出させていただくこととしているところであります。

 また、現在、有識者の方々や地方関係者から知見をいただきつつ、二〇二〇年までの五カ年計画となる国の総合戦略を十二月に取りまとめるべく検討を進めているところであります。御指摘の地方交付税制度や社会保障制度などの取り組みについては、総合戦略に沿って具体的に整理し、必要な場合は法的措置を講じていきます。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 渡辺周議員より、縦割り、ばらまき等をいかに排除するかという御質問を賜りました。

 全大臣を構成員といたしますまち・ひと・しごと創生本部の設置に先立ちまして、安倍総理より、各府省の縦割りを断固排除し、ばらまき型の対応を絶対にすることがないよう、地方創生担当大臣において調整し、一元的、効果的、効率的に政策を実施するよう指示があったところであります。

 ばらまきの典型例としては、政策目的が限定されておらず、執行に当たっての自由度が極端に高く、政策効果の検証が十分になされない予算措置が挙げられると考えております。

 したがいまして、今回の地方創生に当たりましては、まち・ひと・しごと創生本部におきまして十二月に取りまとめる予定の国の総合戦略において、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、効果の高い政策を集中的に実施していくことを目指してまいります。

 この実現のため、各府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者や有識者からヒアリングを行っております基本政策検討チームの結果を近々取りまとめ、地方創生に向け、中長期的に、確かな結果が出る施策を、構成員であります全大臣の納得のもとに整理いたしてまいります。

 以上であります。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 渡辺周議員から、私の地元の老人ホーム事業に関する報道についてのお尋ねがありました。

 御指摘の報道については、特別養護老人ホームの開設に当たって、ユニットリーダーの基準に関する解釈について議員事務所が厚生労働省に照会したものであり、これは、法令の解釈を確認するために所管省庁に照会する通常の議員事務所の活動の一環でございます。

 しかし、こうした経緯について議員事務所から報告を受けた私は、厚生労働大臣としての立場など、諸般の事情を考慮すれば、厚生労働省から松山市に連絡すること自体が誤解を招くと考え、松山市に連絡を行わないよう即座に指示をしたところであり、現に松山市への連絡は行われておりません。

 このように、本件に関して口ききなどを行った事実はございません。

 今後とも、厚生労働大臣として、現場の自主性、自立性を尊重しつつ、公正な制度の運営に取り組むとともに、高度な倫理観を持って職務に邁進してまいりたいと考えております。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(伊吹文明君) 次の質疑者、小熊慎司君。

    〔小熊慎司君登壇〕

小熊慎司君 まず、冒頭、相次ぐ台風の上陸により被害に遭われた全ての皆様方に、心よりお見舞いを申し上げます。

 また、江渡大臣個人の問題で、国家にかかわる安全保障の課題が国会で議論を真っ当にされない、このかかる事態に遺憾の意を表明し、大臣の真摯なる対応を求めて、質問に入ります。(拍手)

 地方創生を安倍内閣の重要課題の一つとして位置づけ、人口減少などの課題に真正面から取り組むことは、一定の評価をするところであります。

 また、この危機に取り組み、地方創生に資することは、与野党を問わず、政治家としての責務であると考えます。

 しかしながら、これは今に始まったものではなく、これまでも起きていた危機でありました。

 これまで、それなりに対策がとられてきましたが、バブル崩壊後には、巨額の地方債を発行し、地方自治体の財政を圧迫させ、地方を弱体化させてしまいました。

 その後、地方にとって使い勝手のいい、自由に使えるお金ということで、地方への景気対策、活性化支援という名目で、補正予算から臨時交付金が次々に出されました。平成二十年度には六千二百六十億円、二十一年度には二兆七千八百九十億円、二十二年度には三千五百億円、二十四年度には一兆三千九百八十億円、そして二十五年度は八百七十億円、五年間で実に五兆五千二百五十億円にもなりました。

 これだけの巨額の予算を使って地方がどのように活性化されたのか、検証した上で今後の地方創生を図らなければ、的確な政策は打ち出せないはずです。

 反省なくして前進はありません。

 そこで、この交付金の効果はどのように検証されているのか、お伺いをいたします。

 また、補正を急遽組んで、上から使えとばらまかれても、地方では新しいことがすぐにできるわけではありません。結局、赤字財政の穴埋めになってしまうだけではないのでしょうか。地域づくりは、もっと息の長い取り組みでなければならないはずです。

 そこで、今回の地方創生での財政支援は、旧来のばらまきをしないと言っていますが、これまでの臨時交付金とは一体何が違うのか、お伺いをいたします。

 また、来年度予算については、概算要求で四兆円の新しい日本のための優先課題推進枠が、地方創生関連の予算に使える新たな枠として設定されております。その特別枠の要望が最も多かったのは国土交通省の一兆四千百八十一億円で、従来型のばらまき公共事業の復活ではないかと危惧されているところです。

 総理は、さきに石破地方創生担当大臣に、ばらまき型の対応を絶対にしないようにと指示されましたが、既にその甘い汁を吸おうと色めき立っている方々がいるのも事実です。

 そこで、旧来型の政治、ばらまきではないということを明確にお示しください。

 現在の政府は、従来型のハード偏重の公共事業をふやし過ぎて、地方では消化し切れていないのは御承知のとおりであります。入札不調や公共工事の未消化額の急増は、政府の発注量が民間の受注能力をはるかに超えていることを示しております。国交省の発表では、この一年で未消化はふえ、七月時点の未消化は十六兆円にもなっています。

 需要超過となった公共事業は、人手不足と人件費、資材などの高騰をもたらし、かえって地域を苦しめております。東日本大震災の被災地はその典型で、いまだに復興住宅の執行率は低いままです。一部業者や既得権益のみが潤う大規模堤防のために、地域の人々の住宅や暮らしが犠牲になっている例も見受けられます。これこそが、中央集権的な政策の弊害の象徴と言えるのではないでしょうか。

 公共事業こそ、中央集権型の発想や仕組みを改めて、事業の選択、箇所づけ、基準、執行方法まで、全て地方に任せるべきではないかと考えますが、今後の対応をお伺いいたします。

 さらに、概算要求の事業を見てみれば、石破大臣の管轄外で、国交省によるコンパクトシティーの推進や地域交通ネットワークの整備、地域の魅力ある空間の創出事業等があり、総務省においては、地方中枢拠点都市圏、集落間ネットワーク圏の形成促進などの事業、そして、経産省では、地域密着型企業の立ち上げ支援のためのローカル一万プロジェクトによる中心市街地の再興を核とするコンパクトシティー事業や、地域発ベンチャーや地域ブランド支援など、似たようなものがずらりと並んでいます。

 このように、地方創生枠は縦割りで重複している事業が多いのですが、今後、適正な政策効果を上げるためにどのように調整していくのか、お伺いをいたします。

 平成十七年に始まった地域再生法は、地域で地方再生計画をつくり、財政支援を受けるという制度であり、地方再生本部がつくられました。

 また、平成十九年には、この地域再生本部と都市再生本部などの地域活性化関係の五つの本部を統合して、内閣官房に地域活性化総合本部がつくられたところです。

 一元的に戦略を立案するためということでワンストップ拠点をつくったはずですが、今回また、内閣官房にまち・ひと・しごと創生本部が置かれました。似たようなことを繰り返しているだけでは、意味がありません。

 そこでお聞きいたしますが、これまでの地域活性化総合本部とは何がどう違うのか、お示しをください。

 また、地域再生計画と総合戦略と何が違うのか、あわせてお伺いをいたします。

 さらに、なぜ新しい組織が必要なのか、お伺いをいたします。

 地方再生を目的として、本年度から、地方自治法を改正し、地域拠点都市圏構想をスタートさせ、人口二十万人以上の地方中核都市を対象に、近隣市町村と連携協約を結んだ都市を地方中枢拠点都市に指定して、財政支援を手厚く行うこととなりました。これはまさに、選択と集中路線が明確になったと言えます。つまり、全国均衡発展路線から転換し、切り捨てを容認した政策が動いていると言っても過言ではありません。

 そこで、地方創生は、この選択と集中路線を基本理念とするのか、お伺いをいたします。

 また、そうでないというなら、地域拠点都市圏構想などの政策との整合性がとれないのではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

 さらに、これまで取り組んできた定住自立構想とは何がどう違うのか、あわせてお伺いをいたします。

 安倍政権の目玉政策には、地方中枢拠点都市構想と同じような、都市機能の集約化を進める集約的都市構造化戦略があります。しかし、これまでコンパクトシティー構想を進めてきた富山市や青森市の例を見ると、周辺部人口が減れば、中央市街地の人口も減る傾向が見られます。それは、地方都市は、周辺部との経済活動の結びつきが強く、周辺農村があって初めて地方都市は機能している面があり、相互作用によって地域経済が維持されているからです。

 選択と集中路線によって、効率の悪い周辺の農山漁村地域が切り捨てられれば、災害の危険も増すばかりか、地方都市の体力自体も衰えてしまいます。そうなれば、地方中核都市をつくり、何とか地域からの人口流出を防ぐという人口のダム機能さえも果たせなくなるのではないでしょうか。

 そうした視点に立てば、選択と集中路線では人口減少は食いとめられないと考えますが、見解をお伺いいたします。

 また、人口のダム機能を果たすためには、その地域に働く場や居場所があることが肝心となります。企業誘致移転は地方自治体の重要な政策課題でありますが、補助金をつけて誘致する方法では、優遇措置が終われば企業がまた移転をしていく危惧があります。重要なことは、地域で新しい事業を起こし、人が暮らしていけるようにすることです。

 幸い、最近、農村への移住をする四十歳以下の人がふえています。石破大臣の地元の鳥取県でも、一一年度は五百四人だった移住者が、本年は九百六十二人にふえ、二倍近くになりました。農村に来る人が、定住ではなく、観光でもセカンドハウスでも、どのような形態でも人が集まってきやすいような仕組みをつくる必要があります。

 そのためにはまず、地方に足を運ぶ、あるいは移り住む人たちのニーズを徹底的に分析することが重要であり、しっかり分析できてから政策を打たなくては意味がありません。地方と都市をお互いに結びつける施策が必要であって、地域同士の交流、連携を国はサポートすべきと考えます。

 そこで、国が前面に出るよりは、国は支援することに徹して、地域間交流を促進すべきと考えますが、対応をお伺いいたします。

 地方創生は、人口減少と東京一極集中の是正を政策目標に挙げています。しかし、人口が日本全体で減っている以上、地方から東京への人口流出を食いとめるだけではなく、東京から地方に人が移動しない限り、是正にはなりません。

 そこで、総合戦略で数値目標を掲げて各地域の人口配分計画をつくらなくては、政策誘導はできないのではないでしょうか。

 日本の人口が全体的に減少する中で、どの地域にもいい顔をできないのは事実ではあります。そうした厳しい現実をしっかりと受けとめ、逃げずに、そして甘い幻想をまき散らさず、地域の人口ビジョンを国が責任を持って示すことこそ、真の人口減少対策ができると考えます。

 そこで、理想とする将来人口配分について、具体的にお示しください。

 また、人口配分計画の作成への今後の対応をお伺いいたします。

 我々維新の党は、中央集権を打破し、地域のことは地域で決める、地方に権限、財源、人間を移譲し、地域の実情に合ったきめ細かい行政を行う、上から目線の中央集権的地方創生は意味がないと主張しています。

 まち・ひと・しごと法案では、総合戦略を国がつくり、それを勘案し都道府県が総合戦略をつくり、さらにそれを勘案して市町村が総合戦略をつくるとなっています。これはまさに、中央から地方へという中央集権的発想にほかなりません。

 地方の計画が出る前に、国の総合戦略が十二月に出ることになっていますが、現在、それと呼応する形で各省庁から予算要求がされております。地方の総合計画が出ていない段階で予算がつくのは、結局、中央から事業をつくって、予算をとれるように各地域で計画をつくってこいと言っているのではないのでしょうかと、そのような問題も指摘されても仕方のない状況です。

 そこで、こうした上から目線の中央集権的地方創生では、真の地方創生は達成できないと考えますが、見解をお伺いいたします。

 地域主権の確立なくして地方再生はありません。維新の党は、広域地方政府として道州制の導入を主張しています。権限、財源を地方に移譲し、中央からの天下りを根絶し、地方出先機関の統廃合をすべきです。財政、権限の両面で地方が自立できれば、地方の実情や創意工夫に合った施策が可能になります。

 自民党におかれましても、道州制の実現を国民に約束しておられます。

 自民党のウエブサイトにも、道州制は、統治構造を根本から改める改革、中央集権体制を改め、地方分権型国家を構築し、地域経済社会の活性化、多極型国土の形成、中央、地方全体の行財政の効率化、二重、三重行政の解消により無駄をなくすための改革であるとしており、維新の党の基本政策集と全く同じ文言が並んでいます。

 しかし、残念ながら、現在、自民党の道州制論議はとまっています。どうなっているんでしょうか。

 真の地方創生は、まさに、地域の自立なくして地方創生はありません。その突破口として、まずは大阪都構想を実現させ、そして、真の個人の自立、地域の自立、国家の自立をなし遂げる道州制を実現することこそ地方創生の真の改革であると、我々は、その改革に邁進をするところであります。

 今のこの上から目線の中央集権の政治のままで、本当に日本の再生があるんでしょうか。四十七都道府県制度で、今のこの地方自治の制度が、中央のコントロール下に置かれているこの地方自治体の改革に資していると言えるのではありません。

 やはり、本当の国家の再生のためには、真の民主主義国家とは、地域の自立の中にこそあります。そのために、道州制の実現こそ地方創生の柱となるべきであると考えますが、最後に総理の見解を求めて、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。感謝します。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 小熊慎司議員にお答えをいたします。

 地方創生は予算のばらまきになるのではないかとのお尋ねがありました。

 予算編成に当たっては、まち・ひと・しごと創生本部のリーダーシップで各省の縦割りを排除するとともに、施策の効果検証を厳格に実施することにより、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施してまいります。したがって、地方からの陳情に応えて、ばらまき型の投資を行うようなことは断じてありません。

 公共事業に関するお尋ねがありました。

 入札不調につきましては、全国的に見ても、今年度に入って減少傾向となっております。不調となった案件についても、工事発注の規模を大型化し、再発注するなどの工夫により、ほぼ契約に至っている状況であります。

 また、御指摘の十六兆円は、まさに現在執行中の工事量でありまして、人手不足等の事情で執行できていないとの御指摘は当たりません。

 実際には、政府全体の公共事業等の六月末の実施率は、平成二十五年度補正予算で六八%、平成二十六年度予算で四四%と、いずれも昨年度よりも高いものとなっております。

 なお、公共事業については、その実施に当たり、地方の裁量を高める工夫をしているところであり、今後とも、地方のニーズに配慮した公共事業の実施に努めてまいります。

 地域間交流についてお尋ねがありました。

 地域間交流については、都市と農山漁村との交流など、各地方で、地域の方々が主役となってさまざまな取り組みが行われております。こうした交流は、都市から地方への移住や観光など、地方への人の流れをつくる観点から大変有益であると考えています。国は、このような地域の主体的な取り組みを尊重し、後方から支援することが基本と考えております。

 地方創生の手法についてお尋ねがありました。

 各地域の活性化策を推進するに当たっては、これまでの国主導のやり方ではなく、地方の声に徹底して耳を傾け、国の示す枠にはめるような手法はとらず、みずからの発意に基づく取り組みを国が後押しすることを基本とすべきと考えています。

 各地域の活性化策を推進するに当たっては、物や人の流れ、産業構造等の地域特性の客観的な分析を踏まえ、地方みずからが考えていただくこと、地域特性を踏まえた地域主導の提案を国としてもワンストップで支援すること、必要な場合は関連の制度改革を行うこと、資金の手当てだけでなく、知恵やスキルを持った人材を地方に確保することといったアプローチをとること等が重要であると考えています。

 道州制及び地方創生についてお尋ねがありました。

 道州制の導入は、地域経済の活性化のみならず、行政の効率化などを目指し、国と地方のあり方を根本から見直す大きな改革であり、与党において、道州制に関する基本法案の早期制定を目指し、精力的に議論を行っております。

 この議論が集約されていくプロセスの中で、法案を国会に提出することになると考えております。

 一方、地方創生は、人口減少、超高齢化という危機的な現実を直視しつつ、若者が将来に夢や希望を持てる魅力あふれる地方をつくり、景気回復を全国津々浦々で実感できるようにすることを目指したものであります。

 したがって、道州制と地方創生については、活力ある地域づくりを目指すという共通点はあるものの、いずれかのみで十分というものではなく、それぞれのアプローチからの取り組みを同時並行的に行っていくことが重要であると考えます。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 小熊議員から八問いただきました。

 まず、過去に措置された交付金の効果の検証についてのお尋ねであります。

 お尋ねの交付金につきましては、いずれも補正予算で措置をされましたもので、地方公共団体が行う地域の実情に応じたきめ細かな事業等を対象として、国が交付金を交付したものであります。

 これらの交付金につきましては、活用した地方公共団体にアンケートを行ったところ、おおむね九割が、事業に取り組む上で有効であったと回答しており、地域づくりの上で寄与したものと考えております。

 今回の地方創生に当たりましては、地方の個性を尊重し、地方の自主的な取り組みを国が後押ししていくことが重要でありますが、その際、ばらまき型の対応を絶対にすることがないようにしなければなりません。

 このような認識のもと、関係各府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者及び有識者からヒアリングを行う基本政策検討チームで検討を行っており、予算措置を含め、地方創生に向け、長期的に確かな結果が出る必要な施策を整理していくことといたしております。

 次に、地方への財政措置についてのお尋ねがありました。

 全大臣を構成員とするまち・ひと・しごと創生本部の設置に先立ちまして、総理より、各府省の縦割りを断固排除し、ばらまき型の対応を絶対にすることがないよう、地方創生担当大臣において調整し、一元的、効果的、効率的に政策を実施するよう指示があったところであります。

 これに従いまして、今回の地方創生に当たりましては、国の五カ年計画として十二月に策定する総合戦略において、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施していくことを考えております。

 この実現のため、関係府省担当者だけでなく、地方公共団体関係者や有識者からヒアリングを行う基本政策検討チームを立ち上げ、検討を行ったところでありますが、例えば、これまでの臨時交付金とは異なり、物や人の流れ、産業構造等の地域特性の客観的な分析を地方みずからが行って政策目標を設定し、政策目標の達成に向けた厳格な効果検証もみずから行う、やる気のある地方の提案を競い合っていただくことを前提に、使用目的を狭く縛らない交付金等を検討することが考えられます。

 こうしたものを含め、真に地方にとって効果が高く、使い勝手のよい、新たな施策を実行いたしてまいります。

 次に、各省間の施策の重複の排除についてでありますが、まち・ひと・しごと創生本部の設置に先立って総理より指示がありましたことは、先ほど来申し上げておるとおりであります。

 これに従いまして、今回の地方創生に当たりましては、国の五カ年計画として十二月に策定する総合戦略におきまして、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、効果の高い政策を集中的に実行してまいるわけであります。

 この実現のため、地方公共団体、有識者からヒアリングを行うチームを立ち上げ、検討を行っておるところであり、このような取り組みを通じて、各省間の施策の重複を排除いたしてまいるところでございます。

 次に、まち・ひと・しごと創生本部と地域活性化統合事務局の違いについてでありますが、地域活性化統合事務局がその事務を一元的に処理している地域再生本部や都市再生本部等は、それぞれ法律に基づき、地域再生や都市の再生等に関する基本方針案の作成など、具体の事務を実施しておるものであります。

 我が国が直面する最重要の政策課題である人口減少、超高齢化問題に対処するに当たりましては、多分野にまたがる政策の目標や基本的方向性等を明示し、各省の縦割りを排し、従来の取り組みの延長線上にはない政策を力強く実施する必要があることから、今回新たに、まち・ひと・しごと創生本部を設置いたしたところであります。

 このように、まち・ひと・しごと創生本部と地域再生本部や都市再生本部等は、異なる役割の中で相互に補完し合いながら、それぞれのアプローチからの取り組みを同時並行的に行っていくことが重要であります。

 こうした違いのもと、地域再生計画は、それぞれの地域において地域再生を図るために取り組もうとする個別の事業や、それを実施するための国の支援措置等について具体的に定める実施計画でありますが、創生本部が年末に策定する総合戦略は、国の五カ年計画として、各分野にまたがる政策の目標や基本的方向性等を明示し、政策全般にわたる戦略を定めるものであります。

 したがいまして、政策の大きな枠組みを示す地方版の総合戦略と、個別の事業の具体的な実施計画である地域再生計画とは、性格が異なるものとなるわけであります。

 次に、地方創生の基本理念と地方中枢拠点都市圏についてのお尋ねであります。

 地方創生は、中山間地域、定住自立圏、地方中枢拠点都市圏、大都市圏等それぞれの地域において、その特性に即した地域課題の解決を図ることとし、個々の市町村や都道府県の実情に応じた処方箋を講じることとしていることから、一部の地方を切り捨てるものではなく、また、選択と集中路線を基本理念とするものではありません。

 なお、総務省が進めております地方中枢拠点都市圏構想は、集約とネットワーク化の考え方により、中心市の都市機能の強化を図ることにより、周辺市町村の住民も含めた圏域全体の住民の暮らしを支えるものであり、選択と集中により周辺市町村を切り捨てるものではないことから、本構想を進めたとしても、地方創生の考え方と整合性がとれないものではないと考えておるところであります。

 次に、地方中枢拠点都市圏構想と定住自立圏構想の違いについてであります。

 定住自立圏は、人口五万人程度以上の中心市と近隣市町村とが相互に役割分担し、連携協力することにより、圏域全体で必要な生活機能を確保することを目指した施策であります。

 一方、地方中枢拠点都市圏は、中心都市の要件が人口二十万人以上であり、中心都市が、圏域全体の生活関連機能サービスの向上に加え、圏域全体の経済成長の牽引、高度医療や高等教育など高次の都市機能の集積の役割をも担うことが期待されており、中心都市の要件や圏域が果たす役割の点において、定住自立圏とは異なるものであります。

 次に、選択と集中路線では人口減は食いとめられないとのお尋ねをいただきました。

 地方創生は、中山間地域、定住自立圏、地方中枢拠点都市圏、大都市圏等それぞれの地域において、その特性に即した地域課題の解決を図ることといたしており、御指摘のように、選択と集中路線によって、効率の悪い周辺の農山漁村地域を切り捨てるようなことは考えておりません。

 また、地方中枢拠点都市圏や定住自立圏などの圏域において、集中とネットワーク化の考え方により、都市機能、生活機能等の確保を図り、人口のダム機能が果たせるよう取り組んでまいります。

 次に、地域の人口減少の克服と東京一極集中の歯どめの実現に向けた取り組みについてであります。

 まち・ひと・しごと創生本部では、我が国の人口減少、超高齢化を克服するための長期ビジョン及び総合戦略を十二月に取りまとめる予定であります。

 長期ビジョンでは、五十年後に一億人程度の人口を維持することを基本目標に、日本の人口動向を分析し、将来展望を示すことを想定しております。また、総合戦略は、二〇一五年を始期とし、二〇二〇年を目標年次とする国の五カ年計画として、実効性の高いメニューを提示することを想定しております。

 それに向けて、先週十日に開催した第二回まち・ひと・しごと創生本部会合におきましては、私から長期ビジョンと総合戦略の論点を提示いたしました。

 これらを勘案しつつ、各都道府県や市町村自身の手によって、地方人口ビジョン及び地方版総合戦略を遅くとも平成二十七年度中に取りまとめることをお願いしております。その際には、国としても、人材面での支援も視野に入れつつ、必要な支援をいたしてまいります。

 以上であります。(拍手)

    〔議長退席、副議長着席〕

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、稲津久君。

    〔稲津久君登壇〕

稲津久君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりましたまち・ひと・しごと創生法案及び地域再生法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)

 このたびの台風、先般の広島での大規模な土砂災害及び御嶽山噴火によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 さて、議題となりました本二法案は、我が国の人口減少に歯どめをかけ、東京圏への人口の過度な一極集中を是正し、それぞれの地域が将来にわたって活力を維持することを目的に、新たな支援策を講じようとするもので、まさに日本の国づくりを示すものと言えます。

 公明党は、地方創生は、人口減少、東京への過度な一極集中を是正するとともに、人が生きがいや誇りを持って、それぞれの地域で安心して生活ができることを最大の目的とする、すなわち人が生きる地方創生の実現を目指します。

 地方創生は人がかなめです。人が中心にならなければ、地方創生は主人公のいない劇になってしまう。それぞれの地域で人々が何を望み、どのような課題を抱え、何を願っているのか、そのことに応えることこそが、地方創生の本来の目的であると考えます。

 そこで、以下、伺います。

 まず、人口減少対策の基本的な考え方についてです。

 政府が掲げる、五十年後も人口一億人程度の人口構造を保つ、そのための大胆な戦略とともに、その効果があらわれるまでの数十年間における人口減少社会にどう対応するかという視点、つまり、人口減少の動きを食いとめ、人口の増加、維持を目指すための地方の持続可能な人口構造構築に向けた積極的な取り組みと、人口減少に伴う雇用規模の縮小、社会保障負担の増大、生活サービスや行政サービスの維持、インフラ整備のあり方など、方向性の違う課題を同時並行で進めるという視点に立った対策を行うべきと考えますが、総理の見解を伺います。

 政府はこれまで、一貫して少子化対策に取り組んできましたが、残念ながら十分な効果が得られておりません。創生本部において、少子化対策、産業振興など、国がこれまで実施してきた地方向け施策の効果を検証する作業に着手をしたと聞いております。この検証作業の意義は何か、地方創生担当大臣にお伺いします。

 本法案では、総合戦略の案を作成するに当たり、人口の現状及び将来の見通しを踏まえ、かつ、実施状況の総合的な検証を定期的に行うための客観的な指標を設定することとしています。本法案における検証規定の意義は何か、また客観的な指標とは具体的にどのような指標となるのか、地方創生担当大臣の答弁を求めます。

 あらゆる分野において女性の力を生かしていくことは、国民生活全体の質の向上につながり、地方の創生を大きく前進させることにつながります。公明党は、女性が輝く社会を構築するために、女性の元気応援プランを取りまとめ、提言をしました。この提言を踏まえ、伺います。

 まずは、地方自治体における女性職員の登用を促進するため、自治体の取り組みを把握し、好事例を集め、全国に情報を発信すべきではないでしょうか。

 さらに、企業等における女性の指導的立場の割合を三割にすべきことを総理は明言していますが、何を期待されるのか、総理の見解を伺います。

 また、子育てや介護、仕事との両立は、女性の就業を促進する上で大きな課題です。在宅テレワークは女性の雇用拡大に大きな効果が期待されますが、在宅テレワークの環境整備を進めるために、テレワークを導入した企業に対する助成制度や、労働規制の見直しを実現すべきと考えます。厚生労働大臣の答弁を求めます。

 次に、地方団体からの要請について伺います。

 全国知事会は、より自由度の高い交付金の創設を要請しています。財政面での支援を実施する際には、ばらまき型の投資は行わないこと、各府省庁の縦割りを排除したワンストップ型の政策支援もあわせて重要になりますが、このような視点についてのお考えを総理に伺います。

 また、地方六団体からは、農地制度のあり方について、農地の総量確保を図るとともに、農地転用の許可に当たっては、一定の要件を満たす場合においては除外要件を緩和し、転用許可を迅速かつ円滑に行うことを提言しています。

 農業を成長産業とするための支援とともに、地方創生の取り組みを推進するためには、農地制度のあり方に関し、国は地方の意見を十分に踏まえるべきと考えますが、農林水産大臣の所見を伺います。

 次に、予算編成に当たって、政府の方針をお聞きします。

 各府省庁の概算要求のうち、新しい日本のための優先課題推進枠、特に人口減少の克服、地方創生に係る予算をどのように整理するのでしょうか。各府省庁が縦割りで事業を行うのではなく、創生本部が横串を刺すような一体的な取り組みが必要ではないかと考えますが、総理の見解を伺います。

 あわせて、今年度においても補正予算で措置する必要があるのではないか、総理の見解を伺います。

 次に、地方の独自政策の必要性について伺います。

 東京圏への過度な一極集中は、長時間通勤や保育所等の待機児童増加などの原因により、少子化をますます促進させるだけではなく、介護などの社会福祉分野の人材確保問題、さらには災害リスクの増加など、さまざまな問題が懸念をされています。今後、国だけではなく地方自治体も、過度な一極集中の解消に向けた取り組みを行っていくことになりますが、例えば医療費助成制度など、地方が独自で行う事業に対し、国の制度が阻害をしていないかどうか等、総点検を行うべきではないかと考えますが、総理の答弁を求めます。

 次に、新たな広域連携について伺います。

 さきの通常国会で成立した改正地方自治法により、地方中枢拠点都市を中心とした新たな広域連携と、地方公共団体間の連携協約締結の仕組みが制度化されました。活力ある経済圏を形成し、地方が踏みとどまるための拠点としての新たな広域連携の重要性について、総理にお尋ねをいたします。

 ある民間の調査によれば、東京在住者の四割が今後地方への移住を検討しているとありました。

 特に、移住促進には、就労の場と住居の確保の面で大きな課題がありますが、有楽町のふるさと回帰支援センター内の各県ブースにおいて、山梨県が移住相談員と就職支援ナビゲーターを配置して、ワンストップでの移住相談を実施したところ、都道府県移住希望地ランキングで第二位にまで上昇したとの例もあります。

 このような事例を研究し、政策展開に生かすことで、東京への過度な一極集中を是正する足がかりになるのではないかと考えますが、総理の見解を伺います。

 我が国の経済には、グローバル経済圏と、農林水産業及び地域での商品販売やサービス産業が多い地方のローカル経済圏という考え方があります。ローカル経済圏は、GDPや雇用の七割を占めている一方、慢性的な人手不足が深刻化しています。ローカル経済圏の活性化のためには、生産性の高い企業等に事業と雇用を集約化させ、そこが安定した雇用を生むような構造にしなくてはなりません。

 その意味において、地域経済循環創造事業交付金等を活用した事業には大きく期待をしたいと考えます。そこで先行して行われているモデル事業の実施状況、特に地域の金融機関が果たす役割は何か、また、より一層の制度の拡充が望まれると思いますが、総理の見解を伺います。

 最後に、我が国は、人口減少と東京への過度な一極集中という極めて難しい課題に直面をしています。しかし、今だからこそ、国家百年の計に立った、大胆かつ集中的な施策と投資を行い、国民の期待に応える政策の実現に邁進すべきと訴え、私の質問とさせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 稲津久議員にお答えをいたします。

 五十年後も人口一億人程度の人口構造を実現するための戦略と対策についてお尋ねがありました。

 まち・ひと・しごと創生本部では、我が国の人口減少、超高齢化を克服するための長期ビジョン及び二〇二〇年までの総合戦略を十二月に取りまとめる予定であります。

 これらの検討に当たっては、若い世代の就労、結婚、子育ての希望を実現するとともに、東京一極集中に歯どめをかけ、地方に住んで豊かな生活を実現したいという国民の希望を実現するための取り組みが必要となります。

 その一方で、当面の人口減少から生じる各地域の課題の解決にも留意し、対策を講じる必要があります。

 このため、総合戦略においては、人口減少、超高齢化問題に対処するための政策の基本的方向性のみならず、当面の地域課題の解決に向けた取り組みについても明示してまいります。

 女性の登用促進についてお尋ねがありました。

 本年五月、公明党より、地方議員等からのヒアリングを踏まえて作成された女性の元気応援プランを御提言いただきました。国としても、女性の活躍推進に関する各自治体の特色ある取り組みについて積極的に情報共有を図るなど、地方自治体とも引き続きしっかりと連携し、取り組んでまいります。

 また、我が国の持続的成長を実現していくためには、我が国の最大の潜在力である女性の力の発揮が不可欠であります。

 そのためにも、二〇二〇年までに、女性が指導的地位に占める割合を三〇%とする目標の実現に向けて取り組むとともに、子育てや介護と仕事の両立が可能となる社会の実現にも全力を尽くしてまいります。

 地方団体からの要請に対応した、国からの財政的支援のあり方についてお尋ねがありました。

 地方創生の推進に当たっては、活気あふれる発意に基づく地方の自主的な取り組みを国が後押しすることとしております。

 このため、地方の声に徹底して耳を傾け、国の示す枠にはめるような手法や、御指摘のようなばらまき型の投資は断じて行いません。

 地方への財政面での支援を行うに際しては、まち・ひと・しごと創生本部のリーダーシップにより、施策の効果検証を厳格に実施するとともに、重複を排除していきます。また、御指摘のように、地方の創意工夫に基づく取り組みをワンストップで支援する体制を構築してまいります。

 新しい日本のための優先課題推進枠、補正予算についてお尋ねがありました。

 新しい日本のための優先課題推進枠は、改訂版日本再興戦略等で示された課題等について、予算の重点化を進めるためのものであります。

 地方の創生に向けた取り組みについては、ばらまき型の手法はとらない、各府省庁の縦割りを排除する、地方の自主的な取り組みを基本とすることとしており、効果の高い施策への重点化を図ってまいります。

 なお、補正予算については、今後、本年七月―九月期のQEなど各種の経済指標が明らかになってきますので、まずは、それらをよく見ていきたいと考えています。その際、各地域の実情を含め、経済の状況等に慎重に目配りしてまいります。

 次に、地方独自で行う制度と国の政策の総点検の必要性についてお尋ねがありました。

 地方創生に当たっては、各地方の発意に基づく自主的な取り組みを後押しすることを基本としており、国の制度が示す枠にはめるような手法はとりません。さらに、地域の主導的な取り組みと関連する国の制度との関係について、必要な検証を行ってまいります。こうした手順で、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施してまいります。

 新たな広域連携の重要性についてお尋ねがありました。

 今回創設した連携協約は、地方公共団体が連携して事務を行う際の基本的な方針及び役割分担を議会の議決を経て定めることにより、新たな組織を立ち上げることなく、簡素で効率的な相互協力を継続的、安定的に進めていこうとするものであります。

 御指摘のように、地方の経済を牽引する役割を果たす視点から、地方中枢拠点都市と近隣市町村が柔軟に連携する新たな広域連携は大変重要であり、今後、連携協約を活用した先行的な取り組みに対する支援などを通じて、新たな広域連携を促進してまいります。

 移住相談についてお尋ねがありました。

 政府において行った調査において、東京在住者の四割が地方への移住を検討または今後検討したいと考えている一方、雇用や生活の利便性の確保、移住に関する十分な情報の提供がないことなどが課題として挙げられています。

 このため、移住に関する情報を総合的に収集、提供し、移住希望者からの相談にワンストップで対応できるようにすることは重要であると認識しており、議員御指摘のような先進事例も参考にして、今後の政策につなげてまいります。

 ローカル経済圏の活性化についてお尋ねがありました。

 ローカル経済圏の活性化については、地域密着型企業の立ち上げを図ることが有効であり、地域経済循環創造事業交付金については、既に百六十事業を実施しています。

 地域金融機関には、事業計画の改善の提案と、担保や保証に依存しない融資の実施等の役割を果たしていただくことになっています。

 産学金官一体となり、地域経済の好循環をつくり出すことが期待されるものであり、施策効果の一層の向上に努めてまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 稲津議員から二問いただきました。

 まず、創生本部におきます検証作業の意義についてであります。

 地方創生を進めるに当たりましては、例えば、各地域の創意工夫を生かした良質な雇用機会の創出や、地域経済を支える人材を育成する取り組み、東京一極集中を是正し、地域経済を支える人材を地域に積極的に呼び戻す取り組みなどが重要であると考えております。

 こうした認識のもと、これまでの国主導のやり方ではなく、地方の個性を尊重し、地方の自主的な取り組みを国が後押しする、その際、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、ばらまき型の投資ではなく、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施してまいりたいと考えております。

 この実現のため、関係各府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者、有識者からヒアリングを行う基本政策検討チームを立ち上げ、テーマを七つに分け、今月二日以降十日まで、全部で七回、連日開催をいたしました。

 今回のチームにおける検証作業の結果は、今後、創生会議等に報告し、十二月に取りまとめる国の五カ年計画である総合戦略に向け、さらに御議論いただくことになりますが、例えば、物や人の流れ、産業構造等の地域特性の客観的な分析を地方みずからが行って政策目標を設定し、政策目標の達成に向けた厳格な効果検証もみずから行う、やる気のある地方からさまざまな御提案をいただくことを前提に、真に地方にとって効果が高く、なおかつ使い勝手のよい、新たな施策を実行してまいります。

 次に、法案における検証規定の意義と客観的指標の内容についてであります。

 今回のまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に当たりましては、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、ばらまき型の投資ではなく、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施することといたしております。

 このため、まち・ひと・しごと創生法案では、第八条第三項及び第十二条第二号で、総合戦略の実施状況について総合的な検証を定期的に行うこと、そのために客観的な指標を設定することを明記し、その確実な実施を担保することといたしております。

 お尋ねの客観的指標につきましては、厳格な効果検証のために大変重要なものであり、まち・ひと・しごと創生本部及びまち・ひと・しごと創生会議におきまして、どのようなものが適切なのか、その具体的な内容を議論し、今後詰めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

国務大臣(塩崎恭久君) 稲津久議員から、テレワークについてのお尋ねがございました。

 テレワークは、仕事と子育てや介護との両立など、ワーク・ライフ・バランスの向上につながる働き方であり、適正な労働条件を確保した上で、その普及に向けた支援策を強力に推進していきたいと考えております。

 このため、厚生労働省では、テレワークの導入に取り組む企業への相談事業に加え、今年度から新たに、自宅から会社のシステムに安全にアクセスする機器等を購入する中小企業に対する助成の実施、関係省庁と連携し、子育て等と仕事を両立できるテレワークモデルを構築するための実証事業などの対策を進めております。

 あわせて、子育てや介護等の事情を抱える働き手のニーズも踏まえた労働時間制度の総合的な検討に取り組んでまいります。

 厚生労働省としては、今後、地域における多様な雇用の場づくりといった視点も取り入れ、関係省庁と緊密に連携を図りながら、質の高いテレワークを推進し、女性の就業促進に努めてまいりたいと思います。(拍手)

    〔国務大臣西川公也君登壇〕

国務大臣(西川公也君) 稲津久議員の御質問にお答えいたします。

 農地制度についてのお尋ねがありました。

 農地制度のあり方については、昨年十二月の閣議決定で示された見直し方針に即し、地方の意見も踏まえつつ、国と地方公共団体との適切な役割分担のもとに、農地の確保を図る観点から検討してまいりたいと考えております。

 また、地域再生法改正法案においては、市町村が策定する計画に従って行われる農林水産業の六次産業化に資する施設等の整備について、農地法等の特例を設けることにより、地方創生の取り組みを推進することとしているところであります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、松田学君。

    〔松田学君登壇〕

松田学君 次世代に胸を張れる日本へ。次世代の党の松田学です。(拍手)

 私たち次世代の党は、まち・ひと・しごと創生法案を審議する特別委員会の設置に反対しました。それは、精神訓示を羅列しただけの本法案に、あえて特別委員会を設置するだけの内容がないからであります。

 内容がすかすかなのは、本臨時国会冒頭での安倍総理の所信表明演説もそうでありました。国家の宰相として持つべき危機意識の欠如した、緊張感を欠いた作文だったと平沼党首が代表質問で申し上げたとおりであります。

 今国会は地方創生と女性活躍が二大テーマだそうですが、我が国には、国会として真摯に取り組むべき大テーマがもっと山積しているはずです。この国難の折に、安倍政権は、国論を二分する重大問題を避けて、安全運転、つまり守りの停滞局面に入ってしまったようです。

 そもそも、特別委員会を設置すべきは、多くの国民が不安を抱いている消費税問題、我が国の名誉と国益にかかわる歴史問題の方ではないでしょうか。

 今重点的に審議すべき課題の優先順位が間違っているのではないか。安倍総理の認識を伺います。

 このところ、アベノミクスの化けの皮が剥がれてきています。これは、安倍政権の失速を象徴するものでもあります。

 そもそも、アベノミクスには政策設計の誤りがありました。円安によるコストプッシュ型インフレは、インフレ目標の設定が想定する物価上昇ではなく、スタグフレーションへの道です。むしろ、円安で交易条件が悪化し、社会保障給付に回る消費増税よりも、経済により重い負荷がかかっていく可能性があります。

 異次元の金融緩和も、肝心の市中のマネーの拡大ではなく、長期金利上昇を力ずくで抑えるためにやめられなくなった大量の国債購入で日銀のバランスシートをやみくもに拡大させ、経済財政の破局のリスクを高め、日本経済に時限爆弾を埋め込んでいます。これを糊塗しようと成長戦略を掲げても、中身の薄い言葉とスローガンだけのレトリック政策にとどまっています。その究極が、このローカルアベノミクスではないでしょうか。

 安倍総理は、消費税率一〇%への引き上げのデフレリスクを心配していますが、他方で、消費増税の先送りが長期金利急上昇のきっかけになるというリスクには対応のしようがないと黒田日銀総裁は述べています。これは、増税してもしなくてもアベノミクスが行き詰まりであることを示しているものではないでしょうか。消費増税先送りで懸念されるリスクへの対応策をどうするかも含め、安倍総理の認識を伺います。

 さて、日本経済は、九〇年代以降、二つの経済圏に分断されたと言われています。グローバル経済圏と、一人当たり実質所得が低下をし続けているローカル経済圏であります。

 第三の矢は、大企業や資産保有者、外資や成功者などグローバル経済圏を向いた従来型の新自由主義的な政策でありますが、人口の大半を占めるローカル経済圏には、これとは異なるパラダイムの政策が必要であります。ローカルアベノミクスは、この点を踏まえた新しい枠組みの政策設計を提供しようとするものなのか、石破大臣に伺います。

 そもそも、成長戦略は、官僚や既得権益が許す範囲を見きわめながら個別の規制改革措置を出していくような手法では、経済に大きくききません。今の日本経済に必要なのは、成長の仕組みづくりに向けて、その大枠を定めることではないでしょうか。

 私たち次世代の党は、地方それぞれが独自の成長ストーリーを追求できる枠組みとして、グローバル大競争にたえ得る広域経済圏単位での経済循環の構築を考えております。

 四十七都道府県単位で東京に依存するモデルは通用しなくなりました。自立なきところに成長はありません。そして、地方の自立の単位は、より広域なものにする必要があります。

 日本の各地方ブロックは、欧州中規模独立国家並みの規模を誇っています。そこに機能分化と統合を設計する単位として、次世代の党は、道州制を日本型州制度として組み立てることを考えています。

 成長戦略には、統治機構改革まで踏み込んだ将来展望が不可欠であります。日本の将来の姿形を想定し、そこに向けた大きな自立のストーリーを各地方に生み出していくべきであります。

 自民党も道州制を公約で掲げましたが、それをどこまで現実の課題として本気で実現しようとしているのか、道州制と経済成長とを結びつける発想がローカルアベノミクスにあるのかどうか、安倍総理の認識を伺います。

 今回の地方創生法案を見て、私は、昨年内閣委員会で審議した国家戦略特区法案を思い出しました。それは、アベノミクス成長戦略の柱とされたにもかかわらず、規制改革の重要なメニューについては、まさにすかすかの内容でありました。そこにかいま見えたのは、個別の事業を国が主導して育成する、中央集権型のパターナリズム的な発想でありました。

 自立の名のもとに官や中央への依存を強めさせるのが官僚の手口であります。今回の地域再生法の一部を改正する法律案も、地方の国への依存を強め、地方分権に逆行するものであります。政策体系が曖昧なまま、抽象的な理念のもとに個別の支援措置を並べる手法は、国の介入の余地を拡大することになります。

 今や、意味ある政治の対立軸は、自立かパターナリズムかであります。

 自民党が自立の立場に立つのであれば、今回の両法案から自立への設計がどのようにして組み立てられるのか、石破大臣の見解を伺います。

 来年度予算に向けて、早速、各省庁から、ローカルアベノミクスに名をかりた総花的なメニューの概算要求が出ています。

 与党がこの地方創生を来年春の統一地方選挙対策としていることは見え見えであります。選挙対策のために国民の血税を費やし、次世代へのツケ回しをふやす政治は、次世代の党として、これ以上許すわけにはいきません。

 かつて日本維新の会が、複式会計、発生主義による公会計改革に基づいて、政府予算案を大きく圧縮した、引き締まった予算案を提案しましたが、その予算編成システムは次世代の党に引き継がれております。

 私たちは、来年度予算についても厳しくチェックし、財政規律強化の姿を提示してまいります。

 地方創生について、総理は、ばらまきはさせないとしていますが、それを担保する具体的な仕組みをどう講じようとしているのか、私たちが提案している公会計改革や財政健全化責任法案に対する所見とあわせて、総理に伺います。

 地方の再生に必要なのは、みずからの未来をみずから選択できる地方を生み出す新しい国づくりであります。日本の未来を描く営みに向けて、我が党の平沼党首は、これも安倍総理の所信表明演説から抜けていた憲法改正を、安倍総理にかわって代表質問で呼びかけました。

 停滞し始めたかに見える安倍政権の前を行き、そこに新たな道を開いて日本を前進させる機動力として、次世代の党は、今国会に全力を挙げて取り組むことを宣言して、私の質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 松田学議員にお答えをいたします。

 国会で審議すべき課題の優先順位についてお尋ねがありました。

 人口減少や超高齢化といった構造的な課題は深刻です。こうした中、若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生や、女性に活躍の舞台を用意し、日本のあらゆる可能性を開花させることは、待ったなしの課題であります。同時に、国民の生活に直結する景気の現状にも慎重に目配りし、経済最優先で取り組むことは当然であります。

 社会保障改革や教育の再生、外交、安全保障の立て直しなど、内外の諸課題に引き続き全力を尽くしてまいります。

 さらには、国の形、理想を語る憲法についても、改正に向けた国民的な議論を深めていくべきと考えます。

 こうした諸課題について、次世代の党の皆さんとも、ぜひとも建設的な議論を行い、国家国民のため、ともに結果を出していきたいと考えております。

 なお、特別委員会の設置については、国会がお決めになることだと考えております。

 アベノミクスと消費税率引き上げについてお尋ねがありました。

 安倍政権では、デフレ脱却を目指し、三本の矢の取り組みにより、経済最優先で政権運営に当たってまいりました。

 この結果、賃上げは過去十五年で最高水準となったことに加え、企業の経常利益は過去最高水準となるなど、日本経済は、長期停滞やデフレで失われた自信をようやく取り戻しつつあります。

 したがって、アベノミクスが行き詰まっているとの御指摘は当たらないと考えております。

 今般の消費税率の引き上げは、国の信認を維持するとともに、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものであります。

 他方、引き上げにより景気が悪化して、税収も増加しないという事態に陥ることは、絶対に避けなければなりません。経済再生と財政健全化の両立、この道しかないと考えております。

 消費税率の一〇%への引き上げについては、予定どおり引き上げない場合のリスクも含め、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 道州制についてお尋ねがありました。

 道州制の導入は、地域経済の活性化、経済成長を含めた国全体のさらなる活力と競争力の創出や行政の効率化などを目指し、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革であります。

 現在、与党において、道州制に関する基本法案の早期制定を目指して精力的に議論を行っており、この議論が集約されていくプロセスの中で法案が国会に提出されることになると考えており、政府としても、連携を深めて取り組んでまいります。

 次に、ばらまきをさせないための具体的な取り組みや公会計改革等についてお尋ねがありました。

 地方創生の推進に当たっては、私のもとに創設したまち・ひと・しごと創生本部のリーダーシップで、各省の縦割りを排除するとともに、施策の効果検証を厳格に実施していきます。また、地方発の取り組みをワンストップで支援し、国の示す枠にはめる手法をとらないこととし、ばらまきを排除してまいります。

 また、国の公会計制度に関しては、平成十五年度決算分より毎年、発生主義、複式簿記といった企業会計の考え方及び手法を参考として、国の財務書類を作成、公表しています。

 さらに、安倍内閣においては、経済再生と財政健全化の両立を図り、国、地方の基礎的財政収支に関する財政健全化目標の達成を目指しているところであります。

 なお、御党が御提案されている財政健全化責任法案の取り扱いについては、国会の会派間で決められるものと考えておりますが、法制化という手段そのものよりも、同様の趣旨を実現することこそが重要だと考えております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 松田議員から二問頂戴をいたしました。

 まず、ローカルアベノミクスの新しい枠組みについてでありますが、企業収益の改善を賃金等を通じた所得の拡大と雇用の拡大につなげ、それが消費の拡大、そしてさらなる投資を生んで収益拡大につながるという経済の好循環を地方においても実現しようとすることが、ローカルアベノミクスの基本的な考え方と認識をしております。

 こうしたローカルアベノミクスを推進するとともに、地方においてより深刻な人口減少問題に正面から取り組み、地域の持つ優位性を最大限に生かした地域経済の好循環を実現することが、今回の地方創生の重要な視点であると認識をいたしております。

 こうした取り組みに当たりましては、これまでの国主導のやり方ではなく、地域住民の参加を得て、地方の個性を尊重し、地方の自主的な取り組みを国が後押しすることが重要であります。

 この認識のもと、各府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者や有識者からヒアリングを行う基本政策検討チームを立ち上げ、検討を行っておるところであり、真に地方にとって効果が高く、使い勝手のよい、新たな施策を実行いたしてまいるものであります。

 次に、両法案から自立の設計がどのように組み立てられるかとのお尋ねでありますが、まち・ひと・しごと創生法案におきましては、基本理念や地方公共団体の責務において、地方公共団体が、事業者とも連携を図りながら、自主的に施策を実施することとされております。御指摘のようなパターナリズム的発想ではなく、それぞれの地域が主体的にまち・ひと・しごと創生に取り組むことが期待されるところであります。

 また、地域再生制度は、地方が主体となって自律的にそれぞれの地域の再生プランをつくり、それを国が支援する枠組みとなっております。

 今回の改正案においては、地方からの提案制度を盛り込むなど、支援についても、国からの一方的なものではなく、地方の声により耳を傾け、地方の実情に合ったものとなるよう制度を改正することといたしておるところであります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、佐藤正夫君。

    〔佐藤正夫君登壇〕

佐藤正夫君 みんなの党の佐藤正夫です。

 私は、みんなの党を代表して、まち・ひと・しごと創生法案、地域再生法改正案について質問をいたします。(拍手)

 質問に先立ちまして、この週末我が国を襲った台風十九号の被害を含め、ことしは、豪雨被害や土砂災害、自然災害が多発いたしました。被害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、災害に遭われた皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、江戸時代末期に活躍した高杉晋作は、当時の幕府の政治に飽き足らず、倒幕運動に力を入れる一方で、古い身分制度や出身にこだわらず、能力に応じた画期的な奇兵隊をつくり、幕府との戦争に勝ちました。

 高杉晋作が亡くなって約百五十年たった今、同じく長州の政治家である安倍総理、まさか、しがらみだらけの古い、中央集権の自民党の政策や制度にとらわれて、今回も官僚主導の予算ばらまきとかけ声だけの改革に終わるのではないですか。

 まち・ひと・しごと創生法案二条の基本理念には、地方選挙の公約によくある内容が書いてあります。個性豊かで魅力ある地域社会、潤いのある豊かな生活、地域の特性を生かした創業の促進や事業活動の活性化、魅力ある就業の機会の創出。残念ですが、具体性が見えません。

 総理、まさかこの法案も、これまでどおりの予算のばらまきに終わるのではないでしょうか。

 それでは、質問に入ります。

 みんなの党が訴えていたデフレ脱却に向け、安倍総理は、日銀の黒田総裁とともに、異次元の金融緩和を進めてこられ、円安を誘導し、景気回復の道筋をつくられました。しかし、消費税率三%アップによって景気が悪くなり、地方創生にもダメージです。

 みんなの党は、デフレ脱却を第一とし、物価上昇に実質賃金アップが追いつかないタイムラグの間は、消費税増税に反対です。今やるべきは、消費税をもとの五%に戻すこと。だからこそ、みんなの党は、今年度予算に対して、消費税率アップなしの予算組み替え動議を提案いたしました。

 総理にお尋ねしますが、総理は、まさか国民との約束をお忘れではないでしょうね。おととし十一月の野田総理との党首討論で、国会の定数是正と一票の格差是正を行った上で消費税を導入する、定数是正と一票の格差を是正するまでは国会議員の歳費を二〇%削減するというお約束をしたではありませんか。まさかお忘れではないでしょうね。

 定数是正なし、一票の格差是正なし、しかも国会議員歳費の二〇%カットをやめている今の状況のまま、消費税率一〇%に増税して、地方創生とデフレ脱却にブレーキをかけることは許されません。安倍総理の御見解を伺います。

 一方、安倍総理は、まち・ひと・しごと創生本部初会合において、異次元の大胆な政策をまとめると発言されました。安倍総理の考える異次元の大胆な地方創生ビジョンとはどんなものでしょうか、お尋ねいたします。

 みんなの党は、地域主権型道州制を主張しています。安倍総理の言う異次元の大胆な政策とは、それこそ道州制ではないでしょうか。首都直下型地震なども心配される中、霞が関と東京への一極集中から、道州や基礎自治体に権限、財源、人間の三ゲンを移して、都市間競争を促し、我が国の新たなる発展を目指す、この道州制について、安倍総理のお考えを伺います。

 まち・ひと・しごと創生会議メンバーでもある増田元総務大臣によれば、我が国は人口減少に直面しており、このままでは二一〇〇年には人口四千九百五十万人、右肩上がりの成長を前提とした予算や政府組織、社会を改めねばならないと指摘されています。

 法案では、我が国がスクラップ・アンド・ビルドを迫られているという問題意識が根本的に欠けています。これでは地方創生など無理ですが、石破大臣の見解を伺います。

 地方創生は地方分権の延長線上にありますが、これまで中央官庁は、百二十六の自治体が提案してきた千六十の要望のうち、約八割を拒否。分権すら拒否する今の政権に地方創生は無理だと考えますが、石破大臣の御見解を伺います。

 増田元総務大臣によれば、全国から東京に若者が集まり、東京に来た若者の結婚、出産が少ないため、東京に人が吸い込まれ人口減少が続く人口のブラックホール現象が起きている、これをとめるには、結婚、妊娠、出産、子育てを一気通貫で応援する必要があり、地方創生に加えて、少子化や男女共同参画の担当相もセットで一人の閣僚でやる必要があると思いますと増田元大臣は述べています。私も全く同感です。

 地方創生大臣と少子化担当大臣、男女共同参画大臣の兼任について、任命権者である安倍総理のお考えを伺います。

 法案十七条一項には、独立行政法人や地方独立行政法人、特殊法人に協力を求めることができるとあり、普通に読めば問題ないと思いますが、いわゆる霞が関文学でいえば、地方創生のため、独立行政法人などの予算をふやしてよいということだけではなく、独立行政法人などに官僚の天下りや現役出向をふやして構わないと読めます。

 地方創生を理由に独立行政法人をふやし、独法への天下りや現役出向をふやすことにならないか、石破大臣の御見解を伺います。

 最後に、法案十八条では、本部事務の責任者を官僚である内閣官房副長官補と規定されています。

副議長(赤松広隆君) 佐藤君に申し上げます。

 申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

佐藤正夫君(続) 官僚が本部の事務局をまとめるのですから、結局、霞が関の都合に合わせて、大胆な規制改革や分権改革は行わず、横串を刺さずに省庁の縦割りを温存して、各省庁から上がってきた政策をホッチキスでとめ、与党政治家が満足するように予算をばらまき、官僚に都合のよい現状維持として終わる、いつか来た道を繰り返し、残るは国債、地方債だけになると想像しますが、石破大臣の見解を伺います。

 質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 佐藤正夫議員にお答えをいたします。

 消費税率の引き上げについてお尋ねがありました。

 今般の消費税率引き上げは、国の信認を維持するとともに、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものです。

 他方、引き上げにより景気が悪化して、税収も増加しないという事態に陥ることは、絶対に避けなければなりません。

 経済再生と財政健全化を両立させながら、経済の好循環を確かなものとし、その景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けることが、安倍内閣の使命であります。

 消費税率の一〇%への引き上げについては、冷静な経済分析を行った上で、経済状況等を総合的に勘案しながら、本年中に適切に判断してまいります。

 異次元の大胆な政策とはどのようなものかについてお尋ねがありました。

 先日の本部会合において取りまとめた基本方針においては、従来の取り組みの延長線上にはない、次元の異なる大胆な政策を実現していくことを示したところであります。

 具体的には、我が国の人口減少、超高齢化という課題に対してこれまでにない危機感を持ち、私を本部長とする、まち・ひと・しごと創生本部を司令塔として、縦割りを排除し、政府一丸となって取り組み、国の示す枠にはめるような手法を排し、地方みずからの創意工夫による自主的な取り組みを国が後押しすることを基本とし、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施してまいります。

 道州制についてお尋ねがありました。

 道州制の導入は、地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革であります。

 与党において、道州制に関する基本法案の早期制定を目指し、精力的に議論を行っており、政府としても、連携を深めて取り組んでおります。

 地方創生担当大臣が少子化担当大臣や男女共同参画大臣も兼ねるべきとのお尋ねがありました。

 地方創生担当大臣は、地方創生に関する政策の企画立案、実行に当たり、各大臣の所管する政策を調整し、一元的、効果的、効率的に実施する役割を担っております。

 少子化や男女共同参画については、地方創生と密接にかかわるものの、国全体として横断的に取り組むべき課題であり、担当大臣を置くことが適当と考えたものであります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 佐藤議員から四問頂戴をいたしました。

 まず、スクラップ・アンド・ビルドの問題意識が欠けているのではないかとの御指摘であります。

 今回の地方創生に当たりましては、まち・ひと・しごと創生法案に基づき、従来の取り組みの延長線上にはない、次元の異なる大胆な政策を、中長期的な観点から、確かな結果が出るまで断固として力強く実行することにより、人口減少克服、地方創生という構造的な課題に正面から取り組みます。

 その際、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、ばらまき型の投資ではなく、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施するとともに、各府省庁の縦割りを排除し、ワンストップ型の政策を展開することとし、同じような目標、手法の施策は統合し、効果的、効率的に実施することとしております。

 時代に合わなくなりました制度、組織を見直すことは当然のことでありまして、スクラップ・アンド・ビルドの問題意識が欠けているとの御指摘は当たりません。

 次に、地方分権についてのお尋ねであります。

 地方分権は、子育てやまちづくりなど、地方が抱える課題に地域の特性に応じた解決策を見出す上で重要な改革であり、地方創生というこの国の形を変える取り組みの中核をなすものの一つであると認識をいたしております。

 御指摘の、地方からの提案につきましては、今後、各省からの集中ヒアリングを再度行い、精力的に議論を行っていく予定であります。やる気、熱意、知恵のある地方を応援する立場から、縦割りを排し、各省との調整を強力に進め、提案の最大限の実現に努めてまいります。

 こうして地方分権を推進することで、地方創生に向けた取り組みもより円滑に進むようになってまいります。

 次に、まち・ひと・しごと創生法案の第十七条の資料の提出その他の協力に関する規定についてであります。

 本法案の第十七条は、総合戦略の案の作成や実施の推進等の本部の所掌事務を遂行するに当たって、地方公共団体や独立行政法人等に資料の提出や意見の表明等の協力を求めることができるとした規定でありまして、当該規定は、本部の任務を円滑かつ適切に遂行するために必要な規定であり、独法等への天下りや現役出向をふやす意図があるものでは全くございません。

 次に、予算のばらまきについてのお尋ねでありますが、今回の地方創生に当たりましては、基本認識として、人口急減に直面し、残された時間や選択肢は多くないという点で、これまでにない危機感を持って取り組んでおり、従来の取り組みの延長線上にはない、次元の異なる大胆な政策を力強く実行していくことといたしております。

 このような考え方のもと、中長期を含めた政策目標を設定の上、効果検証を厳格に実施し、ばらまき型の投資ではなく、限られた財源の中で効果の高い政策を集中的に実施いたしてまいります。

 この実現のために設置いたしました基本政策検討チームにおいて、府省担当者だけではなく、地方公共団体関係者や有識者からヒアリングを行う等、外部の意見を聞く場を設けたところであります。

 したがいまして、御指摘のように、従来型の予算のばらまきになるようなことは決してございません。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 塩川鉄也君。

    〔塩川鉄也君登壇〕

塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表し、地方創生関連法案について質問します。(拍手)

 安倍総理は、今国会を地方創生国会と位置づけ、国民が安心して働き、希望どおり結婚し子育てができ、将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれる地方を創生するとしています。

 それでは、伺いたい。

 地方から、安心して働く場や、結婚し、子育てができる環境を奪ったのは誰か。地方から魅力や活力がなくなったのは、農業を破壊し、福祉を削り、全総計画、市町村合併推進などで地方を切り捨ててきた歴代自民党政治に原因があるのではありませんか。見解を求めます。

 まち・ひと・しごと創生法案は、地方創生の中心問題として、人口減少の克服と東京一極集中の是正を挙げていますが、それぞれの原因をどのように把握しているのか。

 第一に、人口減少はなぜ起こったのか。

 今日、若者が結婚し、出産、子育てをしていくことが難しい状況に置かれています。若者と女性の二人に一人が、非正規など異常な不安定雇用と低賃金、長時間労働を強いられているからです。それは、自公政権による労働法制の規制緩和によってつくり出されてきたのではありませんか。そのことへの反省はありますか。

 安倍内閣が今国会に提出している労働者派遣法改正案は、若者に生涯派遣を押しつけ、正社員化どころか、逆に、正規から非正規への置きかえを進めることになりませんか。さらに、残業代ゼロ制度の導入や裁量労働制の拡大を進めようとしていますが、これらは、長時間労働を一層ひどくするものではありませんか。

 こうした雇用政策が、どうして人口減少の克服につながるのか、明確な答弁を求めます。

 第二に、総理は、東京一極集中の是正を言いますが、そもそも、なぜ集中してきたのか。

 一つは、地方から東京圏への人口流出は、地方の産業が壊され、雇用が失われてきたことによるものです。

 地方の中心的な産業であり、雇用の場である農業や林業は、輸入自由化によって潰されてきました。大店法廃止後のまちづくり三法はまともに機能せず、郊外大型店の身勝手な進出と撤退で、シャッター通りが全国に拡大したのであります。

 二つは、企業立地促進法は、都市と地方の格差縮小、地方の所得と雇用拡大を掲げましたが、多国籍企業の地方進出を後押しし、自治体の企業誘致の補助金競争をあおるものとなりました。肝心の雇用は、非正規がふえるばかりで、最後には、シャープなど大企業の身勝手な工場の縮小、撤退が繰り返され、その結果、産業の空洞化や産地の崩壊を招いたのです。

 三つは、国策として進められた平成の大合併によって、一九九九年三月末三千二百三十二あった自治体は、ほぼ半減しました。自治体の面積は平均で二倍になる一方、地方交付税は大幅に削減され、地方の疲弊を加速させたのであります。

 四つ目に、国際競争力の名で都市関連法制の規制緩和を進める都市再生政策や道路、港湾、空港など大都市部の大規模開発を推し進め、地方の人口を吸い上げたのであります。

 総理、これらの自民党政治の政策に原因があると考えますか。それぞれの政策をどのように総括しているのか、伺いたい。

 安倍内閣は、本当に東京一極集中の是正をやる気があるのでしょうか。

 既に、市場任せの政策で米価が大暴落し、農家経営が立ち行かない事態が起こっています。日豪EPAやTPPを推進すれば、農畜産業を初め、地域経済に壊滅的な打撃を与えるのは明白ではありませんか。

 物価、原材料が高騰する中、消費税の増税が中小企業の経営を厳しく圧迫し、倒産、廃業にも追い込むことになるという認識はありますか。

 東京、大阪、名古屋の三大都市を結ぶスーパーメガリージョンとは一体何ですか。その中心に据えられているリニア中央新幹線を整備すれば東京一極集中が加速することは、リニア整備を認めた審議会でさえ指摘しているではありませんか。

 東京を外資誘導で再生するという国家戦略特区構想も、東京圏への人口の集中を加速させるのではありませんか。

 地方から産業と雇用を奪った原因を放置し、一極集中を加速する政策をとりながら、どうして東京一極集中を是正できるのですか。

 最後に私が指摘したいのは、国民が生活する全ての地域を自治体とともに支えていくこと、それが国の役割であるということであります。

 農林水産業や再生可能エネルギーなど地域資源の活用を進めて雇用と所得をつくり、医療と介護を確保して地域の安心を築く取り組みに応えること、条件不利地域への地方交付税を大幅に拡充することであります。大都市圏への大型開発を見直して、地域密着、防災、維持管理優先の公共投資に振り向けるべきです。

 ところが、安倍内閣は、人口二十万人以上の地方中枢拠点都市に都市の機能と住民サービスを集約しようとしています。集約によって周辺地域が衰退すれば、拠点の都市も維持できなくなることは明瞭です。

 地方の縮小、撤退を前提にして、どうして地方に安心と魅力がつくれるのですか。さらなる市町村合併推進、道州制導入など、認められません。

 また、地方創生本部の基本方針は、大都市圏で増大する高齢化、単身化に対して、地域包括ケアの推進を強調しています。これは、社会保障費の支出を減らし、必要な医療、介護などは自助、互助で行えというものではありませんか。

 その上、学校や保育園、公民館などの公共施設の統廃合をPPP・PFI事業と連動させようとしています。これは、企業のもうけを優先するものではありませんか。公共施設やまちづくりは、住民意見を大切にして進めるべきではありませんか。

 以上、答弁を求め、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 塩川鉄也議員にお答えをいたします。

 歴代自民党政権が地方の活力を奪ったのではないかとのお尋ねがありました。

 地方の活性化に関し、全総計画や合併推進等、これまで歴代自民党政権が行ってきた政策は、その時々の状況を踏まえ、適切に実施されたものであると考えています。

 今回の地方創生に当たっては、私のもとに創設したまち・ひと・しごと創生本部のもとで、私が先頭に立ち、今までの地域再生関連の政策を含め検証、総括した上で、客観的な現状分析と将来予測を踏まえ、政策目標を明確に設定していきます。

 また、これまでの政策の効果検証や今後の政策の枠組みに関し、現在、有識者の方々や地方関係者からの知見をいただいているところであります。

 これらを踏まえ、地域の活性化と人口減少克服をあわせて解決する取り組みを集中的に進めてまいります。

 若者の労働環境についてお尋ねがありました。

 労働法制については、経済産業構造の変化に応じ、雇用の安定を図りつつ、働く方々の多様なニーズに対応した働き方の実現を目指し、改正を行ってまいりました。

 一方、将来を担う若者については、その可能性を最大限発揮できる環境を整備することが重要です。このため、賃金不払い残業や過重労働などに対し重点的な監督指導を行うとともに、法に違反するものには厳正に対処してきたところです。

 また、非正規雇用の若者について、キャリアアップ助成金などの支援により処遇改善を進めるとともに、正社員を希望する若者に対して、正社員への転換を推進しています。

 安倍内閣としては、将来を担う若者が生きがいを持ち、安心して働くことのできる環境づくりに全力で取り組んでまいります。

 労働者派遣法改正案及び労働時間制度の見直しについてお尋ねがありました。

 労働者派遣法改正案は、キャリアコンサルティングや計画的な教育訓練を派遣会社に義務づけるなど、派遣労働者の正社員化を含むキャリアアップを支援するものであり、若者に生涯派遣を押しつけるものではありません。

 新たな労働時間制度の創設や裁量労働制の見直しは、時間ではなく成果で評価する働き方の導入を進めることにより、日本人の創造性を解き放ち、付加価値を高めていくものであります。当然、長時間労働を強いられることがあってはならないと考えており、企業等に対する監督指導など、働き過ぎ防止のための取り組みの強化を図ってまいります。

 以上のように、安倍内閣としては、全ての人が生きがいを持って働くことができるようにすることが重要と考えております。若者が安心して働ける環境を実現すること等により、人口減少の克服を図ってまいります。

 貿易交渉やまちづくり三法が東京圏への人口流出に与える影響についてお尋ねがありました。

 貿易交渉においては、これまでも、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の結果を追求してきたところです。また、国境措置の変更に伴う国内の農林漁業への影響が最小になるように措置してきたところであります。

 地方の商店街が衰退している要因としては、郊外大型店との競争のみならず、経営者の高齢化による後継者不足を初めとするさまざまな要因が複合的に関連していると認識しております。

 政府としては、商店街の空き店舗への誘致を支援することなどにより、商店街の新陳代謝を進め、商店街の活性化を図ってまいります。

 いずれにせよ、東京圏への人口流出に歯どめをかけるためには、地方に住み、働き、豊かな生活を実現したい人々の希望を実現することが重要であると考えています。

 企業立地促進法についてお尋ねがありました。

 産業空洞化という課題に対して、地域の強みを生かした地域経済の活性化と産業集積を図るため、企業の立地計画に対して支援を行っています。

 現在、四十七都道府県が百九十三の基本計画を策定し、この計画のもと、四千社が六・三兆円の設備投資計画を進めています。これらの企業が、地域の雇用を支える中核企業となって、取引関係のある協力企業とともに地域経済を底上げしていくものと考えております。

 市町村合併が地方の疲弊を加速させたとのお尋ねがありました。

 平成の合併について、市町村の規模が拡大したことにより、行財政基盤の強化が図られ、住民サービスが向上したという効果が認められます。

 今後、合併をした市町村がさらに一体感を強める努力を続け、名実ともに一つの自治体となり、その地域が発展していくものと考えており、御指摘は当たらないと考えております。

 都市再生と一極集中についてお尋ねがありました。

 都市機能の強化は、都市を我が国経済の牽引役としていく上で重要な課題であり、都市再生特別措置法に基づき、さまざま支援をしております。例えば、大都市を中心に国際競争力を強化するため、東京だけでなく全国の六十二地域を指定し、容積率の緩和、金融、税制面での支援などの措置を講じています。

 一方、地方部を含めた全国の都市の再生を図るため、まちづくりに資するプロジェクトに対し、交付金による財政支援や金融支援などを講じており、これまで数多くの地方都市で活用されています。

 このように、これまでの地方都市再生政策は、東京等の大都市のみを対象として行ってきたものではなく、広く全国の地方都市を含め支援してきたものであり、御指摘は当たらないと考えております。

 東京一極集中の是正への意欲と、経済連携や消費税の増税についてお尋ねがありました。

 人口急減という我が国が直面する課題に正面から取り組むに当たり、東京圏への人口の過度な集中の抑制は必須であると考えております。

 また、地域の重要な産業である農業の活性化は待ったなしの課題であり、農業を若者に魅力ある成長産業としていくことが重要だと考えております。

 経済連携の推進に当たっても、地方の産業の存立及び健全な発展を含め、守るべきは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求していく考えです。

 さらに、地域を支える中小企業の影響を抑えるため、消費税や原材料、エネルギー価格の転嫁対策や、政府金融機関による資金繰り対策、省エネ設備導入支援などを講じてまいります。

 リニア中央新幹線についてお尋ねがありました。

 御指摘の審議会答申は、リニア中央新幹線の整備について、利便性向上により地域の活性化をもたらす可能性について言及する一方、さらなる東京一極集中を招く可能性にも触れ、開業を見据えて、沿線地域が独自の魅力を発揮する地域づくりを実施していくことが重要である旨指摘していると承知しております。

 したがって、東京以外の地域が、その創意工夫により、魅力を大きく向上させることが重要と認識しております。その際には、過去の新幹線整備の際の経験なども生かしつつ、さらに地域が活性化するようにしてまいりたいと考えております。

 国家戦略特区についてお尋ねがありました。

 国家戦略特区は、岩盤規制改革全般について突破口を開くものであり、東京圏だけでなく、新潟市、養父市などの地方の改革拠点も指定しております。

 特区法の改正案には、やる気のある自治体や事業者から提案された、地域の起業や高齢者の雇用につながる具体的な規制改革事項も盛り込む予定であります。

 次に、地域を支えるために必要な国の役割についてお尋ねがありました。

 地方創生に関する政策の検討、実施に当たっては、防災や生活基盤の整備、医療、介護の充実など、地域ごとの課題の解決を図る取り組みを行うこと、人口減少の克服と地域経済の成長に資する税制、地方交付税、社会保障制度などの制度改革について検討を実施すること、おのおのの地域ならではの資源やよさを生かすことにより、地方に仕事をつくることを重視することといった点に留意し、支援を行ってまいりたいと考えております。

 いずれにしても、地域の特性を踏まえた地域主導の提案を支援していくことが国の役割であると認識しています。

 地方中枢拠点都市への機能集約により、周辺地域が衰退し、拠点の都市も維持できなくなるのではないかとのお尋ねがありました。

 地方中枢拠点都市圏は、住民が安心して快適な暮らしを営んでいける元気な地方をつくるため、広域連携により、地方の経済を牽引する中核的な役割を果たす都市圏として創設したものであります。いわば、中心的な都市と周辺の地域の取り組みの相乗効果により共存共栄を目指していくものであり、御指摘は当たらないと考えております。

 地域包括ケアと社会保障のあり方についてお尋ねがありました。

 住みなれた地域で暮らし続けるためには、医療や介護のほか、住まいや食事など生活全般にわたる支援を包括的に確保する地域包括ケアシステムを構築することが重要であります。

 安倍内閣としては、社会保障について、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせ、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べることを基本姿勢としています。

 地域包括ケアシステムも、自助や互助だけで成り立つものではなく、医療保険や介護保険などの共助のほか、公助も組み合わせて、住みなれた地域での暮らしを支える仕組みとしてまいります。

 PPPやPFIについてお尋ねがありました。

 公共施設の整備、維持更新と財政健全化を両立させるためには、公共施設の統廃合を含め、民間の資金、ノウハウを最大限活用することが必要です。

 このため、今後もPPPやPFIを推進し、できるだけ税財源に頼ることなく、民間投資を喚起しながら必要な公共施設の整備、維持更新を行い、地域の活性化や住民福祉の向上、我が国の経済成長につなげてまいりたいと思います。

 以上であります。(拍手)

    ―――――――――――――

副議長(赤松広隆君) 次に、畑浩治君。

    〔畑浩治君登壇〕

畑浩治君 生活の党の畑浩治でございます。

 党を代表して、両法案に対して質問をいたします。(拍手)

 まず、冒頭、台風十八号、十九号、先般の広島での大規模な土砂災害及び御嶽山噴火によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。

 さて、これまで多くの地域活性化制度が立案されてまいりました。今必要なのは、既存の制度を前提とした、単なるワンストップの運用や一部の規制緩和ではなく、従来の地域活性化制度の抜本的整理であります。これらの抜本的整理を行わずして、新規制度を屋上屋を架す形でつくることは、その実効性に疑問が生じます。

 従来の地域活性化制度の効果の検証を行った上で、その抜本的整理を行いつつ、真に効果のある地方創生制度を立案すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 そして、地域のことはその地域にお金も権限も任せるといった大胆な改革を行わない限り、地方創生は実現できません。本法律案は、既存の計画立法制度と同様のスキームであり、既存の制度の中で一部手続を簡素化するにすぎないものであり、その実効性に大いに疑問があります。

 地域に大幅に権限と財源を移譲して、財政措置の相当部分を地方がみずからの裁量で自由に使えるように措置してこそ、地域事情に即した、効果ある施策を行うことができます。

 私たちはこれを地域経済ニューディールと呼びますが、本法案はそのような思想のもとで組み立てられているとは思われません。いかがでしょうか。

 安倍政権により、二十五年度から地域自主戦略交付金が廃止されました。地域にとって使い勝手のよい、自由度の高い交付金を目指した地域自主戦略交付金が廃止されたことは、地方創生の観点からも問題でした。

 来年度予算概算要求では、地域再生戦略交付金という形で、わずか百億ではありますが、新設要求されています。今になって地域自主戦略交付金廃止の誤りに気がついたようですが、この程度の交付金創設によりどのような効果を狙っているのか、お伺いします。

 地域活性化のために必要なことは、地域の自主性を発揮させることとともに、適切なセーフティーネットを用意することであります。単なる競争促進政策のみでは、条件の不利な地域や分野の創生は困難だからです。

 例えば、米の価格下落が農村地域の不安を招いています。農地の集約化、経営の合理化といった構造改革的側面を重視した農政改革を行うことが政府の方針ですが、私は、セーフティーネットを重視しつつ、適切なバランスをとることこそが必要だと考えます。

 平成二十六年産米からは米の直接支払い交付金を一万五千円から七千五百円に半減して、三十年産米から廃止しようとしています。このようなやり方では、今回のような事態には対応できません。戸別所得補償制度がやはり合理的だという認識が農家の間に広がっております。

 地域社会におけるセーフティーネットの構築について、いかがお考えでしょうか。

 地域活性化の手法として、再生可能エネルギーなど、地域の実情に合った、地産地消を基本とする新しいエネルギー政策を推進することが有効です。

 今、電力会社が再生可能エネルギーの受け入れを中断する動きが拡大しており、地方に衝撃が広がっております。結局は原発再稼働しかないのだという雰囲気をつくっていると言う人さえいます。

 この点は大きな問題ですが、私は、本来は、単に電気を売ることにより利益を得るだけではなく、エネルギーの地産地消を行い、このような地域に産業の立地を図ることの方が、地域の持続的な発展という意味では効果的だと考えます。

 岩手県の葛巻町は、中山間地の典型のようなところですが、風力、太陽光、メタン、木質バイオマスチップ等という地域資源をフルに生かして、電気自給率一六六%を達成しています。

 葛巻町長からは、エネルギー資源の豊富な地域に産業を立地させることが、地域振興的効果とともに、エネルギー制約の時代におけるエネルギー有効利用の観点からも必要不可欠だという意見を聞きました。

 エネルギーの地産地消こそ、地方創生の鍵だと思います。このために、地域政策、産業政策及び国土政策の抜本的転換を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 人口減少は、すぐには歯どめがかけられないのが現実です。であれば、今の人口の二倍の効果で地方衰退に歯どめをかける方法を考えるべきです。それは、ダブル居住であります。都市と田舎の二地域で住めるようにするための支援策を講じて、地域の活性化に資するようにすることです。

 地方で定住人口を直ちにふやすことは困難です。移住のハードルを下げつつ、地方の人口維持を果たすためには、一年の一定期間でも地方に住んでもらえるような施策、あるいは、都市と近郊の農村地域を行ったり来たりできるような施策が必要だと考えます。ヨーロッパなどでは普通に行われていることであります。都市住民にとっても、生活の質を高めるためによい施策だと考えます。

 このダブル居住について、地域活性化の観点からどのように評価しているのか、伺います。

 地方創生は、古くて新しい課題であります。これまでの施策が必ずしも効果を上げていると言えない中で、地方の衰退、人口減少が進み、抜本的対策が待ったなしの状態です。

 単にパフォーマンス的に法律を打ち上げるのではなく、これまでの施策も徹底的に検証しつつ、真に効果のある施策を講じることが必要です。このことこそが、地方の人々の求めていることなのであります。

 このために徹底的な議論を行っていくことを申し上げて、私の質問といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

内閣総理大臣(安倍晋三君) 畑浩治議員にお答えをいたします。

 真に効果のある地方創生制度の立案についてお尋ねがありました。

 安倍内閣では、地域活性化に向けた地域の取り組みを国として後押しするため、地域活性化の推進に関する閣僚等会合を設置し、本年五月には、三十件余りの先進的なモデルケースを選定して支援してきたところです。

 これらの取り組みを通じて地域再生制度を検証し、浮かび上がった課題を解決するため、意欲ある地域を政府一体となってより強力に支援する仕組みを地域再生法改正案に盛り込みました。

 その他の地域活性化策については、現在、重複がないか、施策の効果は十分に出ているか等の観点から点検を行っているところであり、こうした検討を踏まえ、必要な施策をまとめてまいります。

 地方創生における地方の裁量の考え方についてお尋ねがありました。

 各地域の活性化策を推進するに当たっては、地方の個性ある取り組みを国が後押しすることを基本としています。地方の取り組みを後押しするに当たっては、地域への権限、財源等の移譲を促進するなど、地方分権改革についても力強く着実に進めていきます。

 地域再生法改正もまた、地域特性を踏まえた地域主導の提案を国としてワンストップで支援するなど、地方の声に徹底して耳を傾け、地方の自主的な取り組みを国が支援することで、地域の実情に即した、効果がある施策を展開することができるようにするものであります。

 地域社会におけるセーフティーネットについてお尋ねがありました。

 我が国の農業の活性化は待ったなしの課題であり、安倍内閣においては、農業の成長産業化を図るため、農地集積バンクによる農地集積や米の生産調整の見直しなどの改革を進めていくこととしています。

 旧戸別所得補償制度は、全ての販売農家を対象とし、担い手への農地集積のスピードをおくらす面があったことなどから、意欲と能力ある担い手に集中した経営所得安定対策に見直したところであります。

 なお、米の価格が急激に変動した場合には、収入減少の影響を緩和するナラシ対策などのセーフティーネット措置を講じているところです。

 こうした改革を通じて、農業を若者に魅力ある成長産業とし、同時に、安心して携わっていけるようにしていくことが大切であり、地方に住み、働き、豊かな生活を実現したい人々の希望を実現していくことが重要であると考えております。

 地方における再生エネルギーの活用と地域政策の転換についてお尋ねがありました。

 再生可能エネルギーは、各地域のエネルギー源を有効活用するものであり、地域において取り組みやすく、また国産エネルギー資源の拡大によるエネルギー制約の克服に寄与するものとして、その最大限の導入を進めることとしています。

 政府としては、再生可能エネルギーも含めた地域の強みを生かした企業の立地計画に対して、企業立地促進法に基づき、支援しているところです。

 今後、地方創生の具体策を検討していく中で、これまでの国主導による地域活性化対策から、地域の特性を踏まえた地域主導の提案をワンストップで支援する方針に転換し、地域活性化を進めてまいります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣石破茂君登壇〕

国務大臣(石破茂君) 畑議員から二問頂戴をいたしました。

 まず、来年度概算要求百億円の交付金の創設により、どのような効果を狙っているかとのお尋ねであります。

 地方創生のためには、地方の特色を生かした、地域の自主性と創意工夫を引き出していくことが重要であります。

 また、現在実施しております地域活性化に向けた取り組みを国が横断的、重層的に支援する地域活性化プラットホームにおきましては、各省庁の既存の補助金等では対象とならないすき間への対応を求める御要望が多く寄せられたところであります。

 御指摘の交付金は、このような認識や地方からの声を踏まえ、先導性があり、各省庁の補助制度とあわせて使うことで効果等が高まる事業を支援するものとして概算要求を行ったものであります。

 二地域居住についてでありますが、東京一極集中を是正するためには、地方から東京への人口流出に歯どめをかけるだけではなく、地方に移住し、地方で豊かな生活を実現したい人々の希望を実現することが必要であります。

 地域間の一時的な交流にとどまらず、同時に生活の場を二つ持ついわゆる二地域居住は、農山漁村の地域活性化につながるだけでなく、都市住民が地方のよさを実感し、円滑な移住、定住につながることが期待されております。

 このため、地方の活性化及び円滑な移住に寄与する二地域居住の推進に向け、都市農村交流や空き家の活用対策などを積極的に進めてまいります。

 以上であります。(拍手)

副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       厚生労働大臣   塩崎 恭久君

       農林水産大臣   西川 公也君

       国務大臣     石破  茂君

 出席内閣官房副長官及び副大臣

       内閣官房副長官  加藤 勝信君

       内閣府副大臣   平  将明君


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