衆議院

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第12号 平成26年4月16日(水曜日)

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平成二十六年四月十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 後藤 茂之君

   理事 あべ 俊子君 理事 金子 恭之君

   理事 北村 茂男君 理事 とかしきなおみ君

   理事 丹羽 雄哉君 理事 山井 和則君

   理事 上野ひろし君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    秋本 真利君

      井上 貴博君    今枝宗一郎君

      岩田 和親君    大串 正樹君

      大野敬太郎君    金子 恵美君

      小松  裕君    古賀  篤君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      末吉 光徳君    田中 英之君

      田畑 裕明君    高鳥 修一君

      高橋ひなこ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    中谷 真一君

      永山 文雄君    橋本  岳君

      船橋 利実君    堀内 詔子君

      前田 一男君    松本  純君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      山下 貴司君    大西 健介君

      中根 康浩君    長妻  昭君

      柚木 道義君    足立 康史君

      浦野 靖人君    河野 正美君

      清水鴻一郎君    重徳 和彦君

      江田 康幸君    輿水 恵一君

      桝屋 敬悟君    中島 克仁君

      井坂 信彦君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   厚生労働副大臣      佐藤 茂樹君

   厚生労働副大臣      土屋 品子君

   厚生労働大臣政務官    高鳥 修一君

   厚生労働大臣政務官    赤石 清美君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            小野  尚君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 南  俊行君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  佐藤 敏信君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            今別府敏雄君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       内田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       石井 淳子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           岡田 太造君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    蒲原 基道君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  木倉 敬之君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十六日

 辞任         補欠選任

  大久保三代君     橋本  岳君

  田畑 裕明君     中谷 真一君

  船橋 利実君     井上 貴博君

  堀内 詔子君     末吉 光徳君

  山下 貴司君     大野敬太郎君

  重徳 和彦君     河野 正美君

  輿水 恵一君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     船橋 利実君

  大野敬太郎君     秋本 真利君

  末吉 光徳君     堀内 詔子君

  中谷 真一君     田畑 裕明君

  橋本  岳君     前田 一男君

  河野 正美君     重徳 和彦君

  江田 康幸君     輿水 恵一君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     山下 貴司君

  前田 一男君     岩田 和親君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     大久保三代君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 難病の患者に対する医療等に関する法律案(内閣提出第二四号)

 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)


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     ――――◇―――――

後藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、難病の患者に対する医療等に関する法律案及び児童福祉法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局参事官小野尚君、総務省大臣官房審議官青木信之君、大臣官房審議官南俊行君、厚生労働省医政局長原徳壽君、健康局長佐藤敏信君、医薬食品局長今別府敏雄君、職業安定局雇用開発部長内田俊彦君、雇用均等・児童家庭局長石井淳子君、社会・援護局長岡田太造君、社会・援護局障害保健福祉部長蒲原基道君、保険局長木倉敬之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

後藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

後藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。

山井委員 おはようございます。きょうは五十五分間質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本来の難病の個別の話に入る前に、昨日の参考人質疑においても希少がんの参考人の方からも話がございましたし、また、今回、小児がんのお子さんたちを成人後どういうふうに支えていくのか、そういうふうな議論も重要となっております。そこで、その前提として、今から七年前の平成十九年にがん対策法というのが、超党派でまさにこの厚生労働委員会で成立をしたわけですけれども、そのことについてまずお伺いをしたいと思っております。

 がん対策法、七年前に、議員立法で成立して施行されたわけですが、この厚生労働委員会で成立をさせました。そのがん対策法の効果というものは、施行から七年たっていかがでしょうか。具体的に言いますと、施行以降の今日までの予算の増加、さらに、がんを原因とする死亡率の低下等について御説明願いたいと思います。

田村国務大臣 おはようございます。

 今、がん対策基本法のお話がございました。これは、たしか山井委員が厚生労働委員会で、平成十八年だったと思いますけれども、趣旨説明をされたというふうに記憶をいたしております。大変深くおかかわりになられた法案でございます。

 平成十九年四月の施行後でありますけれども、総合的かつ計画的にこのがん対策を推進しておるわけでありまして、今、予算の話がございました。平成十八年度のがん対策予算が百六十億九千万円という形であります。そこから、平成二十六年度におきまして二百三十億四千万円という形でございまして、四三%増ということになっております。

 あわせて、七十五歳未満のがんの年齢調整死亡率でありますが、平成十八年が九〇%から、平成二十三年が八三・一に低下をいたしておるということでありまして、約七低下をいたしております。

山井委員 このがん対策、小児慢性疾患のことともかかわるわけですけれども、トータルの予算をしっかりとふやしていかなければ、大人にとってもお子さん方にとっても、がんに対する治療というのは進んでいかないわけでありまして、非常に重要な施策、まさにこの厚生労働委員会の大きな仕事の一つがこのがん対策であると思っております。

 ついては、このがん対策基本法というものに基づきながら、今後のがん対策の推進の方針と決意を田村大臣にお聞きしたいと思います。

田村国務大臣 済みません、ちょっと訂正させてください、正確な数字じゃなかったので。先ほどの九十から八十三というのは、パーセンテージというよりか、対十万人当たりの人数でございますので、御理解いただきますようお願いいたします。

 がん対策に関してでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、十九年の四月の法施行後でありますけれども、基本計画というものを閣議決定してきたわけであります。

 自来、二十四年六月に、第二次基本計画という形で、これも民主党政権のときでございましたけれども、つくってきておるわけでございまして、それまで、第一次に比べまして、例えば小児がん、これを新たに盛り込む、さらには、がんの教育でありますとか普及啓発、こういうものも盛り込みながら、あとは就労という部分にも重きを置いておるわけでございます。

 やはり、がん対策という意味では、ただ単に治療もあるんですけれども、それだけではなくて、がんを治療された後の社会生活という意味も大きい部分があるわけでございまして、こういう部分にもしっかりと我々は取り組んでまいらなきゃならぬというふうに思っております。

 とにかく総合的な対応というものが必要になってくるわけでございまして、これからもそのような対応をしっかりととっていくように努力してまいりたい、このように考えております。

山井委員 特に、私の知り合いの方々でも、さまざまな抗がん剤を服用しながら自分に合う薬を見つけて、そして回復を目指している方がおられます。そのような、新薬、それと保険適用されていない薬の保険適用、そのあたりについてのお考えもお聞かせください。

田村国務大臣 まだ国内で薬事承認されていない抗がん剤等々、もちろん開発からの部分もあるわけでありますが、例えば、言われておりますのが、日本の国では、ドラッグラグの中において開発ラグが非常にまだある、こういう部分がございます。

 開発ラグの方は、そもそも開発に取り組んでいただかなきゃいけないわけでございますので、そういう意味では、新薬創出加算というもの、これは、一方で、未承認薬でありますとか適応外薬、こういうものに対してしっかり開発をしていただくということが前提になっているわけでございますので、製薬会社等々にそのようなインセンティブをつけながら、しっかりと開発に入っていただく。

 その上で、承認される、つまり保険収載される前の薬が、これがまた、保険外併用療養という形で使える、使えないということがございます。これは今官邸の会議の中でも議論されておられるわけでありますけれども、そのような薬をなるべく早く、まずは保険外併用療養という形で、保険と併用できるような形で使う、そしてその中においてなるべく早く薬事承認に向かって進んでいくということでございますので、そのような形でもしっかりと対応できるように、これからも努力をしてまいりたいというふうに考えております。

山井委員 このがん対策基本法は、今、田村大臣も答弁されましたように、がん対策の予算をふやしてほしい、そしてそれによってがんによる死亡率を下げたいという党派を超えた全国会議員の思いとして成立させた法律でありますので、ぜひともその趣旨にのっとってこれからもがん対策を推進していただきたいと思います。

 それで、次に、具体的なことになって恐縮でありますが、まず、難病の一つの例として、遠位型ミオパチーについてお伺いしたいと思っております。

 配付資料の中に遠位型ミオパチーの請願書も配付をさせていただいておりますが、体幹部より遠い部分から徐々に筋力が低下していく筋肉の進行性の難病であり、百万人に数人と言われる希少疾病であります。発症は二十から三十代が中心で、十年ほどで車椅子が必要になり、やがて寝たきりになる人が多く、そのため患者や御家族は不安を抱えながら生活をしておられます。有効な治療法がなく、患者数は国内に数十人から数百人と推測される極めてまれな疾病であるため、治療法の開発に大きな壁が立ちはだかっており、治療薬の開発も進められていないのが現状であります。

 これは、遠位型ミオパチーのみならず、今回私たちが議論している希少難病、そういうものについて一つの典型的な例ではないかと思っております。私の知り合いにも何人かミオパチーの方がおられまして、とにかく、今回のこの法案についても期待をしておられるわけであります。

 そこで、基本的なことを、おさらいなんですが念のため確認させていただきますと、難病の四条件というのがあるわけですね、この六ページ。発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない、希少な疾病であって、長期の療養を必要とするもの、こういう四条件にこの遠位型ミオパチーというのは当てはまるわけでしょうか。確認であります。

田村国務大臣 遠位型ミオパチーでありますけれども、今言われましたとおり、難病の四つの要件、まず、発病機構、これが解明されていないという意味ではそのとおりでございますし、また、治療法、これも確立されておりません。これもそのとおりでございます。あわせて、患者の方々が数百人程度ということでございますので、そういう意味では、数としても十分にこれは要件に当てはまるわけでございます。さらに申し上げれば、長期にわたって生活に支障を来されておられるわけでありまして、長期の療養が必要であるということ、これも確かなことでございますので、この四つの要件に当てはまっておるというふうに考えております。

山井委員 それで、配付資料のその下のところに、指定難病については、今後、厚生科学審議会、第三者的な委員会で意見を聞いて、厚生労働大臣が医療費助成の対象となる指定難病になるかどうかは決めるということでありますが、こういう、たくさん署名も来ております。ぜひとも指定難病にしていただきたいと思っております。

 この、患者数が本邦において一定の人数に達しないこと、客観的な診断基準が確立していること、これはもちろん、今後、第三者委員会で正式に議論されることだとは思いますけれども、これについての現時点での大臣の遠位型ミオパチーについての所見をお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、数百人の患者の方々ということで、そういう意味からいたしますと、数的にはこれは大変少ない数であるということでございますから、要件のうちに入ってくるわけであります。

 一方で、その客観的な診断基準でありますが、これは厚生科学研究班が、臨床的特徴、また筋生検所見、それからあと遺伝学的検査等を組み合わせた診断基準を今作成中ということでございます。

山井委員 これは第三者委員会が決めることですので答弁はなかなか難しいとは思いますが、ぜひこの指定難病に加えていただきたいというふうに思います。田村大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 これは、第三者委員会の方で御検討いただくということでございますが、それに向かっての事実関係は、先ほど申し上げたとおりでございます。

山井委員 私も、これは非常に複雑な心境ながら質問をさせていただいておりますのは、一方では、そもそも、昨日の参考人質疑でも、病名で区切るべきではないと。指定難病に限定されない難病その他これに類する疾病の患者さんに対して医療費助成をやるべきだという思いを私は持っておりますし、個別の難病が対象に入ればいいというだけの話ではなくて、逆に言えば、三百にふえても、逆にまた三百という新たな一つの線引きができてしまうわけであります。その意味においては、生活実態や症状で線引きすべき、必要とする人の全てが助成を受けられるようにすべきではないかということを昨日も橋本参考人はおっしゃっておられました。

 遠位型ミオパチーのみならず、難病指定から外れた希少疾病の新薬開発を促進、支援する新たな制度の確立をしていただきたいと思いますが、田村大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 遠位型ミオパチー患者会、PADMとおっしゃられるらしいんですけれども、その皆さんからも要望をいただいておりますし、また、三月三十一日、本年でありますけれども、これはゼンセン同盟の皆様方からも署名を頂戴いたしました。

 そういう意味で、第三者委員会の方で議論をしっかりして、最終的に決定をいただくという話になろうと思いますけれども、今言われたような希少性疾患に関する治療薬の開発、治療法の開発でありますけれども、これは今、基盤研の中におきまして、オーファン、ウルトラオーファンのドラッグの中において、いろいろな助成制度を進めております。その中でもいろいろな研究をしていただいております。

 あわせて、PMDA等々に対しての優先審査という形で、なるべく早く審査に入っていただくようにというような制度がありますし、さらに申し上げれば、審査手数料の軽減ということもしておるわけでございます。

 そういうことを含めて、非常にこのような希少性のある困難な病に対してしっかりと支援をする中において、なるべく早く有効な治療法また薬というものを開発していく、こういうことにこれからも我々は努力してまいりたい、このように考えております。

山井委員 この第三者委員会の結論というのは、大体いつごろ出るんでしょうか。

田村国務大臣 まだ法案を成立していただいていないものでありますから、法案成立後、即座に速やかに検討を始めるということでございますので、なるべく早く法案を成立いただければありがたいというふうに思います。

山井委員 それで、きょうの配付資料の一ページ目に、今回民主党が提出しております修正案要綱というのを出しております。各党の方々にもお配りをしております。

 検討規定に次の修正を加えること。施行後三年、原案は五年となっておりますが、三年をめどとして検討を加えるものとすること。そして、検討すべき事項に、指定難病に限定されない難病その他これに類する疾病の患者に係る医療費助成の制度の導入、難病その他これに類する疾病患者に係る医療費の自己負担のあり方。

 一つ目は、今言いましたように、新たな線引きがなされないように、単なる病名で区切ることの問題点について引き続きしっかり検討してほしい。それともう一つは、これからお話ししますが、自己負担が、特に低所得者も含めて、やはり今回かなりアップします。そのことでいいのかということ。

 それと、下の方にあります児童福祉法の修正に関しては、疾病児童等が成人となった後も必要に応じ継続し医療及び自立支援を受けられるようにするための医療費助成等のあり方、昨日も中根議員が質問をさせていただきましたが、いわゆるトランジション問題、これが今回未解決になっているわけであります。

 このような修正案を出させていただいております。

 恐らく皆さん、与党の先生方も、割とこれは穏当な、マイルドな、のめる修正案だなというふうにお感じになっておられると思いますが、私たちも、今から予算に関する修正というのは、残念ながら、予算を変えるものは無理だとは思っております。

 やはり今回の法案、私は最初に申し上げたいですが、今言いましたように、対象となる疾病が三百に広がるということで、待ち望んでおられる方々ももちろんおられます。しかし一方では、次にお話ししますALSのように、きょうも傍聴にお越しをいただいておりますが、やはり自己負担がアップするという方々もおられるんですね。非常に悩ましい法案なんです、これは。

 そういう意味では、この自己負担のこと、さらに、積み残しになっている小児慢性疾患のトランジションの問題、やはりこういうことは早急にしっかりと取り組んでいく必要があると思います。

 そこで、ALS協会からの要望書、七ページを見ていただけますでしょうか。民主党の部門会議をやったときに、各難病団体あるいは小児慢性疾患の団体の方々に三度ほどお越しをいただきました。そのとき配付していただいた資料であります。

 大きく言いますと、低所得者の負担限度額を低減してください。そして、自己負担限度額の人工呼吸器等装着者の対象に、鼻マスクまたは顔マスクを介した人工呼吸器を含めてください。そして三つ目、ALS軽症者は現行どおり医療費助成の対象としてください。

 そこで、九ページの資料を見ていただけますか。中根議員を中心につくった資料であります。手書きなんですね。この手書きがみそなんです。厚生労働省に、手書きじゃなくて、厚生労働省として自己負担がどうアップするのかを書いてほしいと言ったら、厚生労働省としては書けないとなぜか言われてしまいまして。ただ、この中根さんがつくられた資料を見れば一目瞭然なんです。

 例えば、今無料の方が、手書きで書いてあるのが今なんですね、低所得の百六十万円の方も、現行の重症患者の方は二万人が月二千五百円、年間三万円になります。ところが、百六十万円以上の人は月五千円、年間六万円になります。その方が、三年の経過措置を終わったら、二千五百円、五千円だけじゃなくて、所得の多い人は最高二万円まで上がってしまう。恐らく、この表を見ると、皆さんもちょっとうつうつたる気分になられるんじゃないかと思うんです。

 それでまた、もう一つ、小児慢性疾患も同じであります。詳しくは言いません。小児慢性疾患でもどういうふうに上がっていくかということが、十ページ目に書いてございます。

 つまり、八六%の方の自己負担がアップしてしまうんですね。その資料は、まず最初に十一ページ、これは小児慢性疾患の医療費の自己負担増。つまり、六五%の方が、小児慢性特定疾患で、今回自己負担がアップする。さらに、十二ページを見ますと、八六%の方が自己負担がアップをしていくということです。

 ですから、ここをどう考えるか。新たに難病指定される方にとってはもちろんいいんです、それは医療の自己負担が減るわけですから。ところが、それとセットで自己負担がアップしていく、このことが問題だというふうに考えております。

 そこで、先ほどのALS協会の要望書に戻らせていただきますが、田村大臣、まず、低所得者の負担限度額をもっと低減すべきではないか、これについてはいかがでしょうか。

赤石大臣政務官 先生御指摘のALSの低所得者も含めて、負担限度額の軽減の問題につきましてお答えいたします。

 新たな難病の医療費助成制度における患者の月額負担限度額につきましては、患者団体等の意見を踏まえ、障害者の医療制度、これは自立支援医療でありますけれども、この並びに設定することといたしました。具体的には、負担限度額は、所得区分に応じて、先生先ほど指摘がありましたように、二千五百円から三万円というふうになっております。

 その上で、ALS患者等の人工呼吸器装着者については、持続的に常時、生命維持装置を装着しており、日常生活動作が著しく制限されているという状況に鑑み、さらに軽減策を講じることとして、負担限度額を月額千円に設定したものであります。

 難病の医療費助成につきましては、治療研究としてスタートした経緯もありまして、これまで低所得者や重症者については医療費の負担をいただいておりませんでした。しかし、患者負担については、医療サービスの対価としての性格もあり、今般、消費税収入を充て、公平かつ安定的な医療費助成制度を確立するに当たっては、障害者医療など他の法定化された医療費助成制度と同様に、全ての対象者の方に負担能力に応じた一定の御負担をお願いしたいと考えておるところでございます。

山井委員 私、やはり、ちょっと今の答弁、ひっかかりますのは、患者団体の方々の意見を聞いた上でということであります。

 去年の秋に出た自己負担額は余りにも高過ぎるということで、もう大混乱に陥った。患者団体の方々は、もう少し下げてとは言いますよね、ちょっとだったら払うから、せめてもうちょっと下げてと。そうしたら、それに乗じて自己負担を導入するというか。

 私は、はっきり言いまして、厚生労働省と患者団体の方々の力関係というのは対等じゃないと思うんですよ。払えるでしょう、払えるでしょう、みんな払っているからというふうに持っていくと、それは、払えないと言えないですよ、はっきり言って。

 だから、私は、そこは政治家としての判断の問題だと思います、こういう難病の方々の自己負担をふやすかどうかというのは。このことは引き続き議論をしたいと思います。

 そこで、今の答弁にもありました人工呼吸器の方が千円ということですが、その中で、人工呼吸器装着と同様に、鼻マスクや顔マスクというのがALSにはあるわけであります。どういうものか、一番最後のページ、二十七ページを見てください。

 本当は、私、実際に装着されている姿の写真をきょう配付しようかと思ったんですけれども、正直言いまして、かなり困難というか、やはりかなり重度の症状なんですね。それで、配付するのは、私はちょっと逆に遠慮したわけなんです。

 この方々も人工呼吸器同様に非常に重度なわけであります。それで、ぜひ、鼻マスクや顔マスクを装着されている方も、千円というところにせめてしていただきたいと思っております。

 もう少し説明しますと、ALSは人工呼吸器の選択を迫られる疾患で、鼻マスクから気管切開に踏み切るか否か、人工呼吸器のもう前段階なわけですね。それで、鼻マスクというのは、つけると医療依存度がますます高まって、いよいよ、長期人工呼吸療法、いわゆる気管切開をして人工呼吸器を使うことをどうするかという選択が近づいてくるわけです。

 今回の法案では、気管切開による長期人工呼吸療法に達しなければ一カ月千円にならない、人工呼吸器をつけないと千円にならない。これまでは、鼻マスクも長期人工呼吸療法も、同様に特定疾病研究事業でカバーされていて、医療費の自己負担はなかったわけです。

 鼻マスク段階の患者は全く軽度ではなく、吸引と経管栄養を必要としており、家族の介護負担は長期人工呼吸療法と比較しても同程度に重い。また、心身の苦痛に耐え切れず、鼻マスクの途中で断念していく、本当に生きることを断念していく患者も、こういうふうなことをするとふえてしまうのではないか。人工呼吸器と違って軽度だということで、軽いという評価を下手に下すと、意思決定に悪い影響が出るのではないか。

 一言で言いますと、本当にもう生きるか死ぬかの瀬戸際の方々が、人工呼吸器や鼻マスク、顔マスクをされておられるわけですね。その方を、重度じゃないから、人工呼吸器をつけていないから軽度だというふうにすることは、私は本当にあってはならないというふうに思っております。

 ついては、この鼻マスクや顔マスクを介した人工呼吸器も、ここに「人工呼吸器等装着者」となっているわけですから、この「等」の中にぜひ鼻マスクや顔マスクも含めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

赤石大臣政務官 委員のおっしゃることはよく理解はできるのでありますが、これは、呼吸や血液循環などの生命維持のためにはいっときもとめることができない機能を機械に委ねざるを得ないことで、間断なく持続的な多大なストレスを抱え、常に周囲の者の助けを得る必要があるという状態に着目して設定したものであります。

 したがって、その対象としては、持続的に常時、生命維持装置を装着しており、日常生活動作が著しく制限されている患者を想定しております。具体的には、神経難病で気管切開を行って恒久的に人工呼吸器を装着している患者や、末期心不全にて体外式の補助人工心臓を装着している患者が該当するとして考えられております。

 したがって、鼻マスクなど取り外し可能な人工呼吸器をしている患者については、その対象としては想定していないところでございます。(発言する者あり)

山井委員 法案では「等」となっているわけですから、そうおっしゃらずに、患者の方々の要望を今後も聞いて、ぜひ含めていただきたいというふうに思います。

 繰り返しですけれども、千円か二千五百円かとか、そういう議論なわけですが、やはり患者の方々にとっては命がかかっているんですよね。今も大西さんから、もっと温かみのある答弁をという声が出ましたけれども、そこはぜひ、この法案の趣旨にのっとって解釈を拡大していただきたいと強く要望したいと思います。

 私も、このALS協会の要望書を今取り上げておりますけれども、難病はたくさんあるわけで、本来、これは質疑し出すと何百時間あっても足りないんです。ただ、本当に、難病の一つの典型例としてALSの問題を取り上げさせていただいているということを少しお断りさせていただきたいと思います。ほかの病気でも、それぞれ難病は、それぞれの苦しい立場があるわけであります。

 それで、このALS患者の軽症者は、現行どおり医療費助成の対象にしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

赤石大臣政務官 先生の指摘の問題につきましては、今回の難病医療費の見直しは、公費負担を大幅にふやして対象疾病を拡大し、あわせて、法定化することによって、社会全体で難病患者を支える安定的な仕組みをつくるものであります。この考え方を基本として、難病対策委員会等での議論を踏まえ、軽症者であっても高額な医療を継続して必要とする場合には、医療費助成の対象とする考えであります。

 このため、ALSの軽症者であっても高額な医療を継続して必要とする者、具体的には、月ごとの医療費総額が三万三千三百三十円を超える月が年間三回以上ある者を医療費助成の対象とすることとしております。

山井委員 ぜひ、現行どおり医療費助成の対象としていただきたいと思います。

 例えば、このALSの話ですけれども、実際、ALSの方々は、この医療費のみならず、既に介護保険の一割負担も払っておられる。そしてまた、介護保険も、もしかしたら一部所得者は二割になるかもしれない。さらに、例えばエダラボンのような保険がきかない薬を服用されている方は、月に数万円かかっている。

 何が言いたいのかというと、千円、二千五百円、払えるじゃないかじゃなくて、それまでに月数万円、あるいはもっと多くの自己負担をされているわけですし、おまけに、御家族の支えておられる側も、これは釈迦に説法になるかと思いますが、もう大変な御苦労をされているわけです。私の知り合いにもALSの方は非常に多いわけですし、ALSのみならず、難病問題というのは、患者の方だけじゃなくて、支えておられる御家族の方、小児慢性特定疾患も一緒だと思います。

 そういうことを考えると、私は、今回の自己負担がふえるというのは非常に問題があるというふうに思っております。

 そのことについて、例えば十三ページ、全国心臓病の子どもを守る会の要望書でございますが、ここでも、せめて「低所得層は無料としてください。」そして、「入院時の食事療養費への助成と、重症児の全額公費負担を継続してください。」こういう要望が出ております。

 具体的に言いますと、十四ページ、十五ページ、成人先天性心疾患患者のある例の資料をいただいておりますけれども、これだけ、一々読み上げませんが、治療のために今までから自己負担が、莫大なお金がかかっているわけですね。二〇一三年、二十四万円、二〇一二年、二十四万円、そして、二〇一一年、二十三万円、二〇〇八年、五十三万円というふうに。大前提は、千円、二千円、三千円、四千円、五千円、払えるじゃないかじゃなくて、既に数万円払っておられるわけですよ。

 だから、普通に考えたら、難病の方々や小児慢性特定疾患の方の負担をもっと減らして応援しようというのが、難病法案やこの児童福祉法改正の趣旨であるわけでもあるのに、その負担がふえてしまうわけなんですね。

 それで、ついては、もう少ししっかりとした資料がございます。それを見ていただきたいんですが、配付資料の二十三ページは、タニマーによる制度の谷間をなくす会の代表の大野更紗さんが作成してくださった資料ですが、非常にわかりやすいグラフなんですね。

 外来における自己負担限度額、夫婦のみ世帯の一般の場合、どう変化していくか。結局、自己負担額がどんどんどんどん上がっていくということが書かれております。経過措置、そして、四年目以降では大幅にふえていくわけであります。

 それで、例えば、年収百六十万円世帯で、現行制度では限度額は年二万七千円だったのが、今度は十二万円になってしまう。あるいは、年収三百七十万円だったら、年間十三万八千円だったのが二十四万円になってしまいます。

 それと、次の二十四ページ、高額かつ長期の方の場合ですね。この方々の場合も、百六十万円の世帯が、今まで年間最高二万七千円だったのが六万円に上がる。そして、年収三百七十万円世帯だったら、年間十一万円だったのが十二万円に上がっていくということであります。だから、これをどう考えるのかということであります。

 それで、二十五ページに進ませていただきます。

 そこで、引き続き、大野更紗代表の作成資料、非常に私の問題意識と近いものがありますので、この資料をもとに議論をさせていただきたいと思います。「重症度分類等の導入により、症状の程度が一定以下(軽症)とされる患者を医療費助成から外すべきではない。」なぜならば、「継続的な治療・投薬等なしには軽症の状態を維持できないと予測される者に対しては、すべからく医療費助成の対象とする必要がある。」「また、助成対象から外れることによって、経済的負担を理由にした受診抑制が起こり、症状が重度化したり、現行の医療費助成のもとで就労・就学を維持している患者が、再び社会参加できなくなる実態を認識する必要がある。」ということであります。

 それで、引き続き読ませていただきます。

 また、医療費の患者負担についても、「特定疾患の平均発症年齢は四十一歳であり、生涯に渡って継続的に高額の医療費・療養費がかかる。」「過度な負担や支援体制の不備の結果、症状が重度化したり死亡したりする難病患者が出ることはあってはならない。」「経済的理由による受診抑制が起きれば、正確な臨床データの把握は困難になる。」「希少性・難治性疾患の患者が、持続可能に生涯にわたって無理なく負担できる自己負担限度額で、医療費助成をおこなうことは、わが国が国際的に誇る、現在の難治性疾患克服研究事業の研究の質を維持する観点からも不可欠である。」もう書いてあるとおりだと思います。

 これによって症状が悪化してしまったら、ますます医療費もかかりかねない。さらに、今回の自己負担増によって治療を抑制して、そのことによって仕事をやめざるを得なくなったり、あるいは仕事につける予定だったのが長期化してしまう。そうすると、元も子もないわけですね。

 昨日も、参考人の方が、難病によって社会参加できなくなる、あるいは仕事をやめざるを得なくなる、このことによる社会的損失は、もう膨大な額に上がるという話がありました。

 そういう意味では、経済対策、景気対策という観点から見ても、こういう、一番困っておられて、改善するのか、しないのか、悪化するのか、あるいは仕事をやめざるを得ないのか、維持できるのか、あるいは就職できるのか、できないのかというはざまで、多くの患者の方々はもがき苦しんでおられるわけですね。なぜ、そのもがき苦しんでおられる方々の自己負担をアップするのかということについては、私は、この法改正なり法案、いい面もありますけれども、納得できない部分もあるわけです。

 それで、もう一気に言いたいことを言わせていただきますと、例えばきょうの配付資料でも、十一ページ、小児慢性特定疾患の自己負担増。例えば低所得一、二の方々は、結局、二千人、一万二千人で、合計一万四千人。合わせると、年間一・六億円。それで、新規認定者も入れても一・五倍ぐらいですから、三億円ぐらいなんですよね、低所得者を無料にすると。

 それと、難病患者の方々、十二ページ。ここも、低所得の百六十万以下の方をもし無料にするならば、低所得一の人、十八億円、十万人。低所得二の方、四十五億円、十五万人。そして、新規の方を入れると、大体百万人が既認定者で、新規認定者が五十万人で、結局これを合わせると、今回の既認定者で低所得一、二の方が年間六十三億円かかるわけですから、一・五倍すると九十億円ちょっとですよね。

 何が言いたいかというと、低所得の百六十万円以下の子供、そして大人の難病の方々を新規の方も含めて無料化すると、年間百億円ぐらいなんですよね。

 私は、基本的には、今回自己負担増というのはおかしいと思います。消費増税で、八%で今年度五兆円。そして、全てで、一〇%までいくと十二兆円も増収がある。増収がなかったらこんなことは言いませんが、やはり増収がある中で、何のための消費税か。

 私たち、民主党政権で一番苦労したのは消費税増税だったんです。本当にこれは悩みました。でも、やはり、患者の方々、弱い立場の方々、その意味では、最も消費税増税で応援すべき、救うべき方々は、私は難病患者の方々や小児慢性特定疾患の方々だと思うんですね。そういう方々に負担増をするというのは、私は、やはり、消費増税の趣旨からいっても、政治の理念からいってもおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 百億をどう見るかという話だと思います。

 消費税増税のお話は、言われるとおり、三党の中で議論をして、社会保障に使おうと。社会保障の中も、もちろん充実もありますが、今までの赤字国債で対応しておった部分に関しても、これは、多くはそれに使っていくわけであります。それは、そのまま基礎年金の国庫負担二分の一、これへの充当部分にも入っているわけでございますので、全てが全て、十何兆円というようなお話がありましたけれども、十三兆円でありますけれども、それが全て社会保障の充実に使えるわけではありません。

 その中において、委員も御承知のとおり、難病の対策に対しても使うわけでありますが、医療や介護、他の部分に関しての充実にも使わなきゃいけない。あわせて、七千億強は子育て等々に使っていくということも決まっておるわけであります。

 中身を見たときに、実はこれはもう以前も申し上げましたけれども、民主党の精査の中においても、難病というものの位置づけがなかなか明確でなかったというのは、それはそれぞれ皆様方もお悩みになられながらその十四兆円の使い道というものを御議論になられたんだというふうに思います。

 そういう中において、今般、そうはいっても難病に対しての予算は大幅拡充をしておるわけでございまして、この百億円というものを、多いか少ないか、これはもちろんその中に入っているわけであります、百億円以上はふえているわけでありますから。その中でどう使うかという中において、一定の患者団体の皆様方、難病団体の皆様方と話し合いをする中において、御負担というものを若干なりともふやす中において、拡大もしていこう。

 そこは、安定的な財源というものは、今までは予算措置でありますから、要は、なくなってしまえばそれ以上受けられないという状況であったわけでありますけれども、安定的にこれは義務的な経費として認めるわけでございまして、法律の中にのっとっての予算でございます。

 そういう意味からいたしますと、難病患者、これは今三百を一つのめどにしていますけれども、これがさらにふえていくことも前提にあるわけであります。これからまだまだ範囲も広がっていくわけであります。その中においての財源だというふうに御理解をいただく中において、一定の合意といいますか、御理解を賜って、今般のこの法改正になっておるわけでございます。

 そこは、確かに、安ければ安い方がいいというのは、どなたもそのような御意識はあられると思いますが、ただ、そのようなこれからふえていく難病予算の中においての一定の御理解の中での今般の法案ということでございますので、どうか御理解いただければありがたいというふうに思います。

山井委員 私がなぜこういうことを言うかというと、先ほど赤石政務官も患者の方々の声を聞いてこの自己負担にしたとおっしゃったけれども、それは難病の患者の方々も、小児慢性疾患の親の方々も、なかなか無料にしてくれと言いにくいですよ、はっきり言いまして。

 私も非常に考えさせられたのは、お子さんが小児慢性特定疾患のお母さんから話を聞いたときに、今回の法案を早く成立させてくれとおっしゃるんですね。それで、成立するように私も微力ながら頑張りますと言いました。では、あなたのお子さんにとってどういうメリットがあるんですかと言ったら、ありません、自己負担がアップするだけですとそのお母さんはおっしゃいました。それで、私、聞きました、自己負担がアップする、苦しくなるわけですねと。どうして早く成立してくれとおっしゃるんですかと言ったら、ほかにも困っている方々がおられるし、新たに指定がふえるから、そういう方々のために頑張っているんですとおっしゃったんです。

 これは、立派なお母さんだと思った反面、こう言ったらなんですけれども、健康な方が難病の方々や小児慢性特定疾患の方々のために頑張るというのはわかりますよ、でも、一番世の中で困っている人に、自分たちは負担増でいいからもっと困っている人を助けてと言わせちゃだめだと私は思うんです。

 お気持ちはいただきますよ、そのお気持ちは。でも、先ほどの資料にあったように、皆さん方も既に、子供の看病のために仕事をやめたり、さまざまな将来の不安を抱えたり、ほかの医療費もかかっているんでしょう。お気持ちはいただきます。でも、やはりこれは党派を超えた政治の意思として、一番困っておられる、一番政治が応援せねばならない方々の負担はゼロのままにしておきますよというのが本来あるべき政治じゃないかと私は思っているんです。

 これはもう一言言わせていただきますと、私は、厚生労働省の役人の方々は今回の法案に非常に御尽力いただいたと思います。それで、もちろん田村大臣を個人攻撃するわけでもありませんが、今問われているのは、やはりこれは政治の意思なんです。最も日本社会の中で困っている難病や小児慢性疾患の、おまけに低所得者の、最も生きるために御苦労されている方々の負担を消費税増税とセットで上げるのか上げないのかというのは、私はこれは政治の意思だと思うんですね。

 それで、もう一点言わせていただきますと、十六ページ。私はやはりおかしいと思いますのは、ここにもありますように、今、公共事業が非常にふえているんですよ。

 これは政府の資料でありますけれども、どういう見方をするかといいますと、この青の民主党政権の最後、年間五・二兆円、公共事業に使っているんです。それが、安倍政権になってからすぐ補正を組んで、公共事業が二・四兆円、そして翌年度、二十五年度の本予算で、合わせてこの一年間で七・七兆円に膨らんでいるわけです。さらに、ことしの当初の二十五年度補正一兆円、そして今年度予算六兆円、つまり七兆円。

 もちろん、景気対策はそれなりに大事だと私は思います。でも、五と七で、年間二兆円ぐらいの公共事業をふやしていっているんですよね。言ってはなんですけれども、私はこれだけで終わらないと思いますよ。国土強靱化で、これからも恐らく大体こういう水準を維持していくんでしょう。

 そう考えたときに、先ほど言った百億円、これは本当に政治の意思次第だと私は思うんです。私は、政治はメッセージだと思います。実際、今、障害者自立支援法では、低所得の障害者六十万人は無料となっております。しかし、実際にはさまざまな実費がかかっているわけですね。

 田村大臣に改めてお伺いしますが、今問われているのは政治の意思なんです。きょうもおみえになっておられますけれども、人工呼吸器をつけておられるALSの人を無料のままにするのか、千円取るのか。これは、日本の財政が苦しいから千円取るとかという次元じゃなくて、一つの意思だと思うんですね。やはり、絶対、無料というのはおかしいんですか。先ほども言いましたように、既に、月数万円、それ以外に自己負担がかかっているんですよ。

 私は、私の日本の国の国家観としては、世界一人間を大切にする国で日本はあるべきだ、平和と人間を愛する国、大切にする国、それが日本であるべきだと思っております。

 私も、今から二十年ぐらい前、スウェーデンやアメリカに三年ぐらい留学しましたが、そのとき、円高で、ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代で、私は、海外の人たちから、日本人というのはエコノミックアニマルだとかなり文句を言われた覚えがあるんですね。私は、そういう原点からして、日本人はエコノミックアニマルじゃないんだ、どの国よりも人間を大切にする国なんだということを世界に向かって大きな声で言いたいと思って、政治家になりました。

 そういう思いからすると、繰り返しますよ。私は消費税増税がなかったらこれは言いません、はっきり言いまして。言いません。ペイ・アズ・ユー・ゴー、財源がなかったら新たな施策はできませんよ。消費税増税がなかったら言いませんけれども、消費税で、ことしは五兆円、一〇パーになったら十二兆円。おまけに、公共事業は年間二兆円ずつふやしている。にもかかわらず、低所得者の、一番困っている難病や小児慢性特定疾患の方々の百億円、無料に据え置けないのか。田村大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 義務的経費になりましたので、難病予算はこれからふえていきます。これから減っていくとか、これでとまる話ではないわけでありまして、範囲もこれから広げていく。さらに、新しく基準を超えられた、そういう難病に関しても、今般、見直しておるわけであります。その後も、新しく指定難病に入ってくるものというものは出てこようというふうに思います。そういう意味では予算はふえていく。

 今、総合支援法の話が出ました。総合支援法は、確かに無料の方々はおられます。それは、難病の方々もそのサービスは受けられるわけであります。しかし一方で、障害者の方々の自立支援医療の方は、やはり無料ではないわけでありまして、そこは、難病と一致するといいますか、今回、バランスをとる、そのような形の中で改正をさせていただくわけでございますので、難病の方々と比べても、同じようなバランスの中で今般の法律を提案させていただいておるわけであります。

 あわせて申し上げれば、公共事業はまた、私の所管外でありますが、それはそれで、一方で、災害の対応でありますとか、既に老朽化しておるものが日本は今非常に多くなってきておりますよね。昨日も新聞を見ておりますと、何か、最後の提言だというような、そういうものも出てきておるわけでありまして、もし、道路、橋等々が落ちれば、たくさんの方々が犠牲になられるわけでありまして、そういうものに関しては、それは国土交通省等々担当のところで適切な対応をされていかれるものだというふうに思います。

 消費税は社会保障に使うということで、これは我々も皆様方とともに約束をしてきたわけでありまして、そのとおり使わせていただく中において、どのような使い方をするかというのは、限られた財源の中で、消費税というものを社会保障のどの分野に使うかというのはそれぞれ頭を悩ませているわけであります。繰り返しますけれども、民主党もやはり、消費税の使い道の中において、難病というものをどこまでどのような形で予算を配分するかというものはあらわしていただいていなかったわけでありまして、同じような悩みを持っておられたんだというふうに思います。

 その中において、広がる難病予算というようなものをどのような形で使っていくか、それは持続可能性がなければならないわけでございますので、その点も御理解をいただきながら、もちろん、難病団体の方々も大変御苦労をいただきながら、今般の形の中において一定の御理解をいただいたというふうに我々は理解しておるわけでございまして、どうかその点も御配慮いただきながら、今般のこの法律に対して対応いただければありがたいというふうに思います。

山井委員 やはり納得できないですね。消費税増税、今年度だけでも五兆円入る。五兆円入って、社会保障に全額使うと言いながら、公共事業は二兆円ふやして、今言った最も困っている難病や小児慢性特定疾患の方々の自己負担は百億円、あるいは既に認定されている方だけだと六十数億円アップする。ということは、公共事業が二兆円ふえているんだったら、その〇・五%じゃないですか。

 やはり私は、もちろん、田村大臣も民主党政権のことをおっしゃいましたが、私たちが、今、政権であればこのような判断はしなかったと思っておりますし、もう最後になりますが、私は政治家になって一番やはりつらかったのは、障害者自立支援法なんですよ。障害者自立支援法で、あのときも同じ議論をしたんですよ。義務的経費にするから、弱者が弱者を助け合わないとだめだ、これぐらいの負担だったら耐えられるだろうといって、私たちがいろいろ指摘をしたにもかかわらずやってしまって、結局、それによって家庭崩壊、親子心中等々が起こって、一年後に、自己負担が多過ぎたといって戻したんですよね。

 ああいう教訓もありますので、ぜひ、三年以内にこの自己負担の部分を見直していただきたいという私たちの修正案をのんでいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、橋本岳君。

橋本(岳)委員 おはようございます。自由民主党の橋本岳でございます。

 本日、厚生労働委員会で質疑の機会をいただきました。本来、別の委員会にふだんは所属しておりますが、きょうは御配慮をいただきましてこの機会をいただきましたことに、御関係の皆様方に感謝を申し上げます。

 そして、きょう、難病対策の法案、児童福祉法の改正案もありますが、これに立ち会えるのは大変感慨深いことだと思っております。

 私自身、この問題にかなり取り組んで、自分の在籍中取り組んできたという思いがございますけれども、そもそもを言えば、平成十八年、前の安倍政権のころでありましたが、パーキンソン病のヤール三を対象から外すという話がありまして、自民党、公明党の厚労部会で決議をして、それをどうにか考え直してほしいということをしたことがございます。

 そのころに、私の議員会館の事務所にパーキンソン病の方がお見えになりまして、いろいろお話を伺ったんですけれども、そのときに物すごく印象に残った言葉がありました。私たちも拉致被害者なんですとおっしゃったんですね。それはどういう意味でしょうかとお尋ねをしたら、当時、北朝鮮の拉致の問題が大変クローズアップをされておられました。私たちも、要は自分の意思に反して身体の自由などを奪われていることには違いがない、だから、そういう意味では拉致被害者と同じなのだと。

 なぜ、世間の方々は北朝鮮の拉致の問題をあれだけ大きく取り上げられるのに、こっちの拉致の問題は余り注目をしてもらえないのだろうかというお話をされたのが非常に印象に残っておりまして、それ以来、私はこっちの拉致の問題を取り扱おうと思って議員生活をしてきたわけであります。

 ですから、きょう、こういう場が、まず法案が出てきて法案審議にかかっているという、本当にありがたいことだなと私も思っております。

 もちろん、委員の先生方、議員の皆様方もそうですし、役所の方々、特に厚生労働省さんは頑張ったと思います。一度出入り禁止にしたこともありますが、しかし、それを乗り越えて頑張ってこられたということはぜひここで申し上げておきたいと思います。

 もちろん、患者、御家族の方、サポーターの皆様方が、たくさんお力をいただいてこの場になったということも、本当に敬意を表さなければならないことだと思っております。

 ですから、きちんと御審議をいただきまして、早期に法律ができるということを大変望んでおります。

 ただ、一点申し上げたいのは、この法律ができても拉致問題は解決をしないんですね。やはり、患者の方が、拉致問題が解決をする、この場合でいえば、自分の自由な意思で活動できるような、健康を取り戻すということになりますが、それは政治の仕事ではなくてお医者さんの仕事ということになります。そういう意味で、この法律ができることは僕はすばらしいことだと思いますが、まだ拉致問題は残りますので、引き続き、法律ができた後も、先生方、皆様方には関心を持ち続けていただきたいということはまずお願いをしたいと思います。

 では、質疑に移ります。

 本法案ができた意義とかメリットというものはいろいろな言い方があるんだと思いますが、やはり、先ほど来も大臣からお話がありましたが、医療費助成が義務的経費になったということは最大のポイントなんだと思います、極めて行政的な話なんですが。毎年、陳情とか要望とかをいただいて、事業が継続をしているんだという状態ではなくなるというのは、実は大変大きな進歩だと思っております。

 もう一個、余り患者さんサイドから見えないことですけれども、都道府県が超過負担をしていたという問題がこれまでございまして、厚労省の予算が少な過ぎたということが問題なんですけれども、今回それが解消されるということになるわけであります。都道府県が、そういう形で、いや、自分たちが持ち出しでやっているんですよというのは、やはり窓口でも患者さんの方々に伝わってくることもあるだろうと思いますし、そこで引け目を感じさせてしまったようなところもあるのではないかなというふうに思っておりますから、今回これが解消されるであろうということで、私はいいことだと思っております。

 そこで、総務省さんにきょう来ていただいていますのでお尋ねをしますが、この超過負担問題について、今回の法改正でどうなるかということについてお考えを教えていただければと思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 難病に係る医療費助成につきましては、国が必要経費の二分の一を国庫補助金により負担することとされているところでございましたが、その額が十分でなくて、これまで都道府県に多額の超過負担が生じているという実態がございました。

 総務省といたしましては、国と地方の財政秩序を維持する、そういう観点から、この超過負担の早期解消を強く求めてきたところであり、今回の法改正により、国の負担が国庫負担金に位置づけられたこと、また、予算が確保されて超過負担が解消することになったということは、国と地方のあるべき経費負担の姿になったものというふうに考えております。

橋本(岳)委員 ありがとうございます。

 あるべき姿になった、そして、これから、法律に定まっていることですので、ずっと維持をされる、継続をされるということだと思います。きちんとそういう財政的な裏づけもできている、厚労省の予算での二分の一の補助ということに加えて、きちんと地財措置がされているということもあわせてあるわけですから、交付税は地方の独自財源なので使い道を云々してはいけないのですが、ただ、この事業としてはきちんと、この法律ができた趣旨にのっとって都道府県にも対応していただける、もしくは、先には政令市ということもあるようですが、対応していただけるようにぜひ周知をいただきたいということは、お取り計らいをお願いいたします。

 さて、先ほど来、医療費助成についての議論が大変真剣に、熱心にありました。山井先生のお話も熱心にじっくりと聞かせていただきましたし、また、金曜日の議論も、ちょっと出たり入ったりしましたが、私も少し聞かせていただいたところであります。本当に熱心に取り組んでおられることに、私も、重ねてですが、感謝だなと思いながら聞かせていただきました。

 感想だけちょっと申し上げますが、トランジションの問題の提起もありまして、これも含めていろいろな、やはり今回の法案では対象にならなかった病気あるいはその状況というのがあるということは、取り上げられたことではあります。

 できるだけ漏れ落ちなくいろいろな方をできるだけ安くカバーしたいということは、もちろん我々もそのように願っているところでありますし、ここにおられる全ての方がそうだろうと思います。ただ、この難病対策あるいは小児慢性疾患対策ということだけでそれをカバーするというのも難しいんだろうというのは、これは現実問題としてあるだろうと思います。

 要するに、できるだけ広くみんなカバーしようよといえば高額療養費制度の問題にかかわってくるということにもなりますし、あるいは、障害者の医療との見合いで上限額を設定したということになっておりますが、将来的に必要な調査研究等がきちんと進めば難病と障害者というものの仕切りを見直していくということ、先に進めばそこは一緒にして障害者総合支援法と一体にするようなことも考えられなくはないんだろうとは思います。

 そしてまた、個別の法律というのもあるわけで、がん対策の話も先ほど出てまいりました。あるいは、アレルギー対策基本法というのを古屋先生、江田先生とともに提出をさせていただいておりますので、ぜひ審議をいただければありがたいなと思っております。

 そういういろいろなものもある中で、この制度というのがどうあるべきか位置づけられるべきだろうというふうに思うわけでございまして、現状では、今の制度から一歩前にとりあえず進むんだ、きちんと予算が確保されるようになった、義務的経費になった、だから、税金を使わせていただく以上、どこかで基準を設けて、クリアに対象を決めて恣意性を排除する、あるいは公平性を確保するということも、視点としては要るんだろうというふうに思うわけでございます。

 先ほど山井先生も、難病の患者の親御さんが、法案の成立を早期にというお話がありました。自分の負担はふえるんだけれども、早期に成立をしてほしいというお話がありました。これは、僕らは、その裏にある思いも含めて、重たく受けとめなきゃいけないと思います。それはきのう、参考人として、JPAの方、また、難病のこども支援全国ネットワーク、親の会の方、連絡会の方もお見えになってお話しになっておられました。苦渋の思いもあるだろうということは十分受けとめながら、同時に、早期成立を求められているということも受けとめなければならないのだろうというふうに思うわけであります。

 一つ確認をしたいんですけれども、経過措置というのを今回設けるということにされていると思います。我々も、資料一として、自民党のPTとして決議をして厚生労働大臣に提出をさせていただいたものをつけさせていただいておりまして、いっぱい中身がありますので後で読んでいただければと思いますが、その中でも経過措置を設けるということはお願いをしたことであります。

 ただ、三年間ということだと思いますが、一応本則があって、それに至る経過措置ということでのお願いをしております。本則について、ほかの制度との見合いでということになっておりますから、時限的に行うものはきちんと期限を切って三年で行っていただくということがまずは大事な、必要なことだと思いますが、その点について御確認をいただけませんでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今御質問がございました現行の難病とそれから小児慢性特定疾病の医療費助成の支給者でございますけれども、新制度への移行に伴う急激な負担増というものを緩和するため、今の御質問の中にもありましたように三年間の経過措置を講じることとしまして、現在よりも低い自己負担限度額等を適用することとしたところでございます。

 そして、このような経過措置を講じるという案に対しまして、都道府県や医療関係者などからは幾つか意見があります。一つは、経済的負担の急激な変化が抑制されるということで積極的に評価をしていただく声です。もう一つは、同一の疾病で同程度の症状であるにもかかわらず、既に認定されている方か、それとも法律施行後に新しく認定されるかということによって、自己負担の限度額が異なるということはどうなのかなという声もまた一方であったようでございます。

 こうしたことを踏まえまして、とりわけ公平性ということも考えますと、こうした経過措置はやはり法施行から三年間ぐらいだろうというふうに考えております。

橋本(岳)委員 ありがとうございます。

 さまざまなお立場の方々がおられるので難しいところです。本当に、山井先生がおっしゃったように、僕らだって、できるだけ、自己負担額なんて少ないにこしたことはないと言いたいのは物すごくやまやまであります。

 もちろん、難病の方々、小児慢性疾患の方々、苦しんでおられますが、ほかの病気で苦しんでおられる方もたくさんおられるし、障害で苦しんでおられる方もたくさんおられるし、財源はそれなりに限りがありますしということもある中での議論で、今このような案とされているわけですから、バランスを守るという意味でも、そこをきっちり守っていただかないといけないと思います。

 本則になったところで、そこで患者の方々の御負担がどうなんだろうというようなことを改めて見直されるということも、それはそれであってしかるべきだと思いますが、まずは、きちんと経過の期間を過ごしていただくということが私は必要だと思いますので、そのようにお願いを申し上げたいと思います。

 さて、ちょっと質問の順番を入れかえます。ごめんなさいね。指定難病の基準で、人口の〇・一%ということについて伺いたいと思います。

 これは、今の医療費助成の対象になっております潰瘍性大腸炎、それから、さっきも出ましたパーキンソン病の方々、この線でどうなのかということで、はらはらしておられます。今後、これから高齢化が進みますと、もっと患者さんはふえていく可能性というのはあるんだろうと思うわけであります。

 あわせて、先日、本会議で地方自治法改正の質疑をさせていただいたんですが、そのときに、二〇五〇年には日本の人口は九千七百八万人になりますという話をしました。私が七十六歳になりますという話もしましたが、それはどうでもいいんですけれども。日本の人口が減ると、そのラインは自動的に下がるよねみたいな話にもなるんですよね、それで基準にしていると。

 ですから、どの疾病がまず対象になるのかということは今質問しても答えていただけないということですから、それはそれで結構ですが、一度対象になった疾病が、患者の数がふえたとか、あるいは人口が減ったのでラインが下がったとか、そういうことで対象から外れてしまうということがあるべきではないと思いますが、その点についてどのように考えているか、教えてください。

土屋副大臣 公平かつ安定的な医療費助成制度とするためには、指定難病も客観的かつ公平に選定されるべきであると考えておりますが、選定に当たっては、第三者的な委員会において、難病医療について見識を有する者による議論を行うこととしているところであります。

 患者数の基準の適用については、今後、その具体的な内容が第三者的な委員会で検討されることとなりますが、一度対象疾病となった病気については、今は〇・一%の基準があるわけですけれども、これは患者数だけで考えた場合ですね、患者数のみならず、患者の治療状況やそれまでの経緯等も考慮しつつ判断されるものと考えております。

橋本(岳)委員 〇・一%だけで決めるわけではないというお話でしたが、もうちょっと、何というんですかね、こういう場合どうですかという質問を申し上げたので。では、厳密にお答えいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 大きく二つのことをお聞きになったように思います。

 一つは、その潰瘍性大腸炎のような、今具体的にある疾患が〇・一%とした場合にどうなるのか、それから、人口が今後減少していった場合にどうなるかということですけれども、いずれの場合も、患者数に係る要件として人口の〇・一%程度ということで、幅を持たせた、言葉をかえて言うと含みのある表記、こういうふうにしております。

 ただいま土屋副大臣からもお話がありましたように、実際の判断に当たりましては、複数の調査結果とか、現に医療費助成の対象になっているかどうかとか、総合的に勘案し、また丁寧に議論をして対応していくんだろうということだと思います。

 いずれにしましても、患者数に係る要件も含めまして、今後の運営の仕方についても、第三者委員会はもとより、厚生科学審議会の中でまた議論していくものだと思います。

橋本(岳)委員 今後の議論という話でございましたので、今申し上げた趣旨をお酌み取りいただきまして、きちっと御対応いただけるように要望申し上げたいと思います。

 それから、もう一つ、これもちょっと質問の順番を変えることになりますが、トランジションの問題について、既に、大西委員あるいは伊東委員からいろいろな質疑がございまして、この問題も取り上げられておられます。石井局長が立派な答弁をされておりますので、どうなんですかというざくっとした質問は割愛をさせていただきたいと思います。ちゃんと答えていただいていますから、立派なことだと思いますよ。

 ただ、感想を言えば、残った宿題だろうというふうには私個人としても思っておりますし、党の決議の中でもそのような表現はさせていただいたと思っています。決して、今回の案で全てが満足をされた、要望にきちっと応え切れたとは私どもも認識はしていません。

 そのことは申し上げた上で、ただ、医療費の支援だけではなくて、可能な方はできるだけ自立をしていただけるような、そういうサポートをするということで、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業というのが児童福祉法に今回の改正によって明記をされるということは、大きな一定の成果だと思います。

 ただ、相談業務というのは都道府県がしなければならないという事業になっておりますが、そのほかに、一時預かり、あるいは相互交流、それから雇用の情報を提供するとか、そうした自立に向けた非常に大事な事業というのが、都道府県は以下の事業をすることができるという規定になっておりまして、規定ぶりが違います。

 必ずやらなければならないものについて、もちろん、それについては厚労省、国が二分の一を補助するということになっておりますし、できる規定のものもその補助がつくんですけれども、さっき言いました、地方自治体にとって地方交付税の裏負担があるかどうかというのはそれなりに大きな問題でありまして、一般的に、やらねばならないという規定の場合、地方交付税の裏負担というのはつきますが、できるという規定のときは、それはやってもやらなくてもいいんだから、裏負担は必ずしも必要とされないということで、算定されなかったりすることもそう珍しくないんだというふうに思っております。

 ただ、これはすごく大事なことで、医療費について、トランジションの問題、宿題として残すけれども、せめてこういうことはやらせてほしいということで設けられている大事なことですから、その点、ぜひ、都道府県さんにはしっかりやってほしいと思うし、総務省さんとしても後押しをしてほしいなと思っておりますが、このできる規定の事業についての地財措置の取り扱いを教えてください。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 小児慢性の特定疾患に該当する児童等の自立支援に向けて、お話にもございましたが、都道府県は、必須事業として相談支援事業、また、任意の事業として児童等の相互交流機会の提供や就職支援等の各種事業を行うこととされております。

 これらの事業に要する経費につきましては、必須な事業であるか、あるいは任意の事業であるかという区別なく、事業を実施する場合には国が二分の一を負担するということになっておりまして、残りの地方負担につきましても、特段の区分を設けず、必要となる額について地方交付税による措置を講じてまいりたいというふうに考えております。

橋本(岳)委員 これは本当に大きなことだと思っております。もちろん、都道府県のその時々の体制によって、全部が一遍にいきなりできる、始められるとは限りませんから、そういうことで、しなければならないこととできることという区別があるんだろうと思いますけれども、やはり、できるだけやってほしいと思っていますし、今、その裏負担もきちんとやるのだということで御答弁をいただきましたので、厚労省ないし総務省からも、きちんとこの法案の趣旨にのっとって、これらの事業を必要に応じてやってほしいということをぜひ言っていただけるようにお願いをしたい、このように思うわけであります。よろしくお願いいたします。

 さて、ちょっと資料をせっかくつくってきたんですけれども、資料の二というので、三枚めくった裏側にNHK生活情報ブログというのがありまして、慢性疲労症候群、ないしは筋痛性脳脊髄炎という言い方もあるんですが、その方々に取材をされたときの記事がブログで出ておりましたので、参考資料として掲げさせていただきました。

 病気でしんどいのは病気でしんどいわけでありますけれども、同時に、この方々は、慢性疲労症候群という名前が余りよくないというか、ちょっとなじみやす過ぎるということで、非常に誤解を受けられる。

 私も正直言って、この資料をつくったり勉強をしていて読んでいると、隣の席に座っていた別の議員の方が、えっ、なになにと言って、ちょっと話をすると、ああ、俺も慢性疲労症候群かもしれないなとか平気で言うわけですよね。いやいや、病気と単におくたびれなのは違いますよ、先生は寝たら治りますよねというお話をするわけですが、僕はそういう対応をしますけれども、やはり患者の方がそういう言葉を気軽にかけられるというのは、それはそれでつらいことにつながるんだろうと私は思うのであります。

 やはりいろいろな方にきちんと知ってほしい、患者会の方からは研究班にもいろいろなことをちゃんと伝えたいという御要望もいただきましたので、そこはきちんと厚労省さんの方でもコミュニケーションを図っていただくようにお願いをしたいと思います。

 周囲の誤解で苦しむということについては、この病気に限らず、昨日の参考人質疑でもお話しになった方もおいででありましたし、安倍総理も、総理大臣ですから批判を浴びるのはよくあること、別に珍しくないことなんですが、おなかがどうのこうのとかというのは、ちょっと心ないことを言う人がいるものだなということを感じたということもあわせて申し上げさせていただきたくありますが、やはり病気で苦しい人は本当に病気で苦しいのであって、そのことをやゆしたりするようなものではないと思います。

 ただ、難病ですから、なかなか人に知られておりませんので、きちんと広報をする。自分で言い歩くものでもありませんからね。今回、こういう形で法律ができるということもあって、きちんと政府としても、ホームページも更新が古いとかいう指摘もありましたが、そんなことのないように、そして、ホームページは見に来る人じゃないと見に来ませんから、ちゃんと政府広報なりなんなりで取り上げていただきたいと思うんですが、その点、どのように考えておられるでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今御質問の中にもございましたように、難病もさまざまでございますけれども、一般的に申し上げて患者数が大変少ないということなので、一般の方にとってみますと、病名もわからない。一般の方ならまだしも、お医者さんの中でも、そんなのあったかなとか、あるいは同じ内科の中でも、私は消化器なので神経系難病は余りよくわかりませんという方もあったりして、なかなか御理解いただけない部分があるんだろうと思います。

 また、事例として出された慢性疲労症候群の場合は、恐らくはほとんどの症状が自覚症状、つまり、御自身は苦しみ、痛み、つらさ、だるさのようなものがよくわかっていらっしゃるけれども、これを、お医者様を含めて第三者、これは他覚的と申しますけれども、例えば血液をはかって、血液の中のある成分が高い値を示したりあるいは低い値を示しているから多分痛いんだろうなとか、そういう他覚的かつ客観的に示す指標がないので、御自身の悩み、苦しみが何となく、もしかしたらサボりなんじゃないのとか、そんな病気あったのかしらというようなことにつながっているということだろうと思います。

 私どもとしましては、こういう慢性疲労症候群のように、まだ必ずしも実態が解明されていないものについては厚生労働科学研究の中で取り上げて研究をしていますし、また、今質問の最後の方にございました国民への情報提供という意味でも、難病情報センターのホームページを通じまして、研究全般、それからこうした慢性疲労症候群のことについてもお示しをしているところでございます。

 いずれにしましても、今回の難病法案第三条におきまして、広報活動等を通じた難病に関する正しい知識の普及ということが国や地方公共団体の責務ということになっておりますので、これまで以上に充実を、とりわけ政府広報など、使えるメディアも使いながら対応してまいりたいと考えております。

橋本(岳)委員 よろしくお願いいたします。

 時間が限られてきたので、幾つか質問を飛ばします。オーファンドラッグあるいはウルトラオーファンドラッグの開発、ぜひよろしくお願いしますと言って、ちょっと質問を割愛させていただきます。

 済みません、最後に一点、ちょっと話をかえますが、医療介護総合確保法、この後で審議をされる予定だと思いますが、これの医療事故に関する調査について、一個だけお尋ねをしたいと思います。

 ちょっと説明は後回しにして、一つだけ質問します。それに関連をして、総務省さんから、きょうはもう一人、政府参考人に来ていただいていますが、放送倫理・番組向上機構、BPOというものがございます。資料の三で、そこの、ある委員会の規定を載せておりますが、第三章第五条の(五)というところで、「苦情の取り扱い基準」という中で、「裁判で係争中の事案および委員会に対する申立てにおいて放送事業者に対し損害賠償を請求する事案は取り扱わない。また、苦情申立人、放送事業者のいずれかが司法の場に解決を委ねた場合は、その段階で審理を中止する。」という規定があります。

 この規定について、その趣旨をお尋ねしたいと思います。

南政府参考人 お答え申し上げます。

 BPOは、NHKと民放が自主的に設立して運営されている組織でございますので、その内部の運営規則の規定の趣旨について、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、損害賠償を請求するような事案の場合は、その事柄の性格上、最終判断は司法に委ねられるという考え方を取り入れるのが一般的ではないかというふうに理解をしているところでございます。

橋本(岳)委員 ありがとうございます。

 今の答弁で学ぶところが、医療事故の調査に関して二つあるんだろうと思います。

 一つは、まず、損害賠償等になる場合は、もう司法の場に行くんだから、そこに委ねるのだということをきちんと切り分けておられる。この医療事故の調査について、安全の向上のために調査をするということはいいんですけれども、その調査の結果を持って裁判所に行かれると、不当に医療の方々が責任を負わされることになるのではないかという懸念が強いものがあります。

 そういう意味で、こういう切り分け方をきちんとされているということは、一つ参考にされるべきではないかと思っております。

 それからもう一つ、総務省さんとして、一般論としてお話をいただきましたが、お答えは差し控えますというのが先につきました。そういう形で、政府との切り分け、第三者性の確保というものを、総務省としてきちんとBPOに対して距離をとっているということも、私は、一つ参考にされるべき点ではないかと思います。

 そういう意味で、今後審議をされると思いますが、医療事故に係る調査の仕組みに関して、ガイドライン等をこれからつくられるに当たっては、今の規定などを参考にすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、本制度は、医療事故の再発防止に資することを目的としております。したがいまして、医療事故が発生した全医療機関において、まず医療事故調査を行い、その結果を御遺族等にお示しするということになっております。さらに、その結果を、民間の第三者機関である医療事故調査・支援センターが、医療事故に係る経緯や事実を分析、整理するというような制度をつくっているわけでございます。

 仮に、訴訟が提起されたとしても、再発防止に資することを目的とする調査の必要性は変わらないと考えておりまして、今般提出いたしました法案の中では、訴訟になった場合に対象外にするというような取り扱いはしていないところでございます。

橋本(岳)委員 そこの切り分けというのは、僕はすごく大事なことだと思いますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

 終わります。

後藤委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、難病対策の抜本改革について、法案に沿って質問をさせていただきたいと思っております。

 田村厚生労働大臣を初め厚生労働省の皆様、新法の成立へ向けての御努力、大変に御苦労さまでございます。

 難病についてであります。

 原因がわからず、治療法が確立されていない難病、これは数百種類以上あると言われております。効果的な治療法がなく、患者数が少ないために、その多くは研究すら行われてまいりませんでした。

 神経難病であるHAMや遠位型ミオパチー、また、再発性多発軟骨炎を初め、私は多くの難病患者の皆さんにお会いしてまいりました。皆様が口をそろえて訴えられておるのは、難病に認定されていないがゆえに病名がわからず病院をたらい回しにされ、高額な医療費にも苦しんできた、一刻も早く難病に認定して、治療研究や医療費の助成を実現してもらいたい、これが皆さんの心の底からの叫びでございました。

 このような中、私も公明党も全力でこの難病の認定の実現に取り組んでまいったつもりでございます。

 難病対策が大きく進んだのは、自公政権の二〇〇九年に、公明党の強い主張もあり、難病対策の研究予算が一気に四倍の百億円に増額されました。これにより、研究の対象が従来の百二十三疾患から三百疾患に拡大されたわけであります。一方で、医療費が助成される特定疾患も、一挙に十一疾患を加えて五十六疾患までふやすことができました。

 しかし、医療費助成を受けている患者は、やはり、財源不足などの理由により、なお一握りにすぎないわけでございます。

 公明党は、大幅な対象疾患の拡大を目指して、一貫して難病制度の抜本改革を訴えてまいりました。今回、四十年ぶりに、我が国の難病制度が抜本的に見直されることになりました。これまで難病には法律もなく、財源も義務化されておりませんでした。昨年成立した社会保障制度改革プログラム法により、新たな医療費助成制度を組み込んだ本法律案が成立すれば、医療費助成の対象も五十六疾患から三百以上と大幅に拡大することになりますし、また、安定的な制度が実現することになります。

 今健康な人でも、いつ原因不明の病気になるかわからないのが難病であります。私の娘や、そして孫、そういう親族の皆がかかることもあるわけであります。難病は、ごくまれではありますけれども、国民の誰もがこれを発症する可能性がある、だからこそ、難病で苦しむ人たちを社会全体で支える、そういう制度をつくらなくてはならない、これが今回の難病新法の理念であると思っております。

 公明党は、この患者団体へのヒアリングを繰り返し行ってまいりました。現場の声を重視しました。そして、昨年十二月に、難病対策の改革に対する提言を取りまとめて、田村厚生労働大臣に申し入れたところでございます。

 今回の法案は、この提言が大きく反映しているものと思われますし、また、おおむね患者団体の皆様からも理解を得られるものとなりました。患者団体の皆様も、この法案を早期に成立させてほしいとの要望も出されておりまして、大変大きな期待が寄せられております。公明党としても、この法案が難病患者の皆様の希望の光となるように、法案の早期成立に向けて、この審議を充実させるとともに、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

 今大臣が帰ってこられましたが、後ほどにいたしますので。

 それでは、本法案について随時質問をいたします。

 まず、土屋副大臣にお答えをしていただきたいわけでございますが、まず、新たな難病の医療費助成における対象疾病の考え方について確認をさせていただきます。

 先ほどもございましたけれども、現行の特定疾患治療研究事業では五十六疾患に限っております医療費助成の対象疾患を、今回、新しい制度として三百疾患に拡大する、こういうことになるわけでありますが、対象疾患を三百に拡大しても、やはり、数が限定されていては新たに今後発見される難病には対応できないことになります。先ほども橋本先生からもございました。

 私はやはり、三百という数に限ることなく、対象疾病の要件を満たす疾病は全て医療費助成の対象とすべきと提言をしてまいりましたけれども、どのように対応されるのでしょうか、お伺いをします。

 そして、個別には、指定難病の要件に、患者数が人口の〇・一%程度以下というのがありますが、パーキンソン病とか、そして潰瘍性大腸炎の皆様は、この数の問題で医療費助成から外れてしまうのではないかというような懸念をずっとお持ちなんです。

 ここで確認をしたいんですが、患者数が人口の〇・一%を超えたからといって、その患者さんの状況が変わるわけではないわけでありまして、機械的に指定難病から外すべきではないと思っております。パーキンソン病も潰瘍性大腸炎も指定されるべきと考えておりますけれども、厚生労働省はどのような基準でこれを進めていかれるおつもりでしょうか、お伺いします。

土屋副大臣 江田委員にお答えいたします。

 指定難病の指定に当たっては、第三者的な委員会において難病医療に係る見識を有する者による議論を行うこととしているところでございますが、対象疾病の要件を満たしているものについては、疾病数に上限を設けることなく指定されるものと考えております。

 また、患者数に係る要件については、人口の〇・一%程度と幅を持たせたものとすることとしておりまして、実際の判断に当たっては、複数の調査結果を踏まえて丁寧に議論していただきたいと考えております。

 いずれにしても、患者数に係る要件を実際にどのように運用するかについては、第三者委員会等で御議論いただき、今後決定していきたいと思います。

江田(康)委員 先ほどの橋本先生の質問に対する答弁と一緒でございますが、要は、〇・一%程度以下、この程度としたのは、やはりそういうところをかたく考えず、総合的な判断をしっかりと取り込んで対応をするということではないかと思っております。パーキンソンや潰瘍性大腸炎の皆様も指定難病に入り得ると私は確信するものでございます。

 次に、医療費助成の対象となる患者さんの範囲、そして負担のあり方についてお聞きをいたします。

 新たな制度では、現行の特定疾患治療研究事業と比べて、症状が比較的重たい方、すなわち日常生活や社会生活に支障のある方をこの医療費助成の対象にするとしているわけでございます。しかし一方で、患者さんの中には、薬で治療を続けることで軽症を維持されている方も多くいらっしゃいます。

 このような軽症の患者さん方についても、治療を続けて重症化を抑えるためには医療費助成の対象とすべきと提言をしてきましたけれども、どのように対応をされるか、お伺いをしたいと思います。

 あわせて、難病には遺伝性のものもあります。同一の世帯に複数の対象者がおられることもあるわけであります。こういった世帯の医療費の負担がふえないように、負担限度額が患者数によって案分されるということが今回決められたわけでありますけれども、しかし、ファブリー病のように、同一世帯に指定難病の患者さんと小児慢性特定疾患の患者さんがいる場合があるわけですね。そうすると、難病新法と小児慢性特定疾患の児童福祉法、制度が違うわけです。そういう制度が違う中で、それぞれ別々に負担限度額を設定するということであれば、現実的には世帯の負担は軽くならないわけであります。

 こういうファブリー病のような遺伝病の皆さん方の世帯に対しては、やはり両制度間の調整を行って、その世帯全体で負担が軽減できるようにすべきと主張をしてまいりましたけれども、どのように対応をされるのか、お伺いをいたします。

佐藤政府参考人 今御質問の中にございましたように、難病は、一見しますと軽症のように見えても、それは例えば高額な薬の服用などの高額な医療費を継続して受けられることによって、見かけ上、全体としての症状の軽症を保っていらっしゃるという方があると思います。

 こういうことも鑑みまして、今回の難病対策の見直しにおいては、患者負担を障害者の医療制度、自立支援医療ですけれども、これに並ぶ形で設定をするということでありますし、また、難病の今申し上げましたような特性に合わせまして、軽症者であっても高額な医療を継続して必要とする方、こういう方については医療費助成の対象とすることとしております。

 具体的には、一月の医療費総額が三万三千三百三十円を超える月が年間三回以上ある者。この三万三千三百三十円というのは、一般的な医療保険の自己負担割合が三割としまして、三万三千三百三十円だとちょうど三割で一万円になるということなので、自己負担が一万円を超える月が年間に三回以上ある場合に、この方を医療費助成の対象とするということで考えております。

 また、もう一つの御質問は、ファブリー病を例示なさいまして、このように制度が異なる、つまり、難病の患者さんと小児慢性特定疾病の患者さんがいらっしゃるような場合、制度が異なる場合でどういう軽減措置を講ずるのかということであったと思いますけれども、今申し上げましたように、同一世帯内に複数の指定難病それから小児慢性特定疾病の医療費助成の対象患者がいる場合には、世帯負担の軽減を図るという視点から、世帯内の対象の患者さんの数を勘案しまして、おのおの自己負担限度額を設定するなど、軽減措置を講ずることとしております。

江田(康)委員 難病の皆さん方の中には軽症者がいらっしゃる、それを薬で抑えて維持している方々、高額な医療を、月一万円が三カ月以上続くような方々については、軽症者もその医療費助成の対象にすると明確にございました。また、ファブリー病のように、遺伝病の、制度が二つある場合においても、それを考慮して、世帯全体で負担が軽減されるように取り組む、こういうことであったかと思いますので、患者負担の軽減をしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 田村厚生労働大臣がお帰りになられましたので、医療提供体制の整備について、まずお伺いをさせていただきます。

 難病の医療については、その希少性や治療の困難さから、患者さんが適切な治療を受けられる体制を構築することが何よりも重要であります。これは、医療費助成に加えて、大変難病の患者さんが求められていることでございます。

 しかし、現状では、各地域において、受けられる医療体制に格差がございます。可能な限りこの格差が生じないようにすべきと私どもも主張してまいりましたけれども、新しい制度においては、どのように医療提供体制を構築することをお考えでしょうか。

 先ほども申しましたように、アクセスする医療機関がない、専門家の皆さんがいない、そういう中で、たらい回しといいますか、長年にわたって診断がつけられないで適切な治療を受けられなかった、こういうような声が余りにも多いわけでありまして、今回の法案の整備を機にこれが整うことになるかと思っておりますが、そのことについてお伺いをさせていただきます。

 また、難病は希少であることから、診断が難しいのも事実であります。先ほど言いましたように、幾つもの病院を回って、そして、何年もかかってようやく難病であると診断される。ある患者さんは、十年かかったということを本当に強く訴えておられました。

 やはり、早期に適切な治療が開始できなければますます病気が悪化するわけでありまして、このような事態を解消するために、早期に的確な診断を受けることができるようにすべきと考えますが、どのような取り組みをお考えか明らかにしてもらいたいと思います。

 最後に、新制度においては、医療費助成を申請する際に、難病指定医の診断を受けることが必要となるわけでありますが、専門性を有する医師の診断を受けることは大変重要なんですけれども、指定医が少ないと、それが懸念されますけれども、診断を受ける際の患者の負担が重くなってまいります。

 十分な数の指定医を確保することが、この法案が本当に実効性のあるものになるかどうかの私は鍵だと思っておりますけれども、そのことについて、長く、公明党も強く主張してまいりましたけれども、どのように対応をしようとされているか、大臣のお考えを明らかにしていただきたいと思います。

田村国務大臣 難病の治療は非常に専門性が高いわけでありますし、多くの診療科が携わるということもあります。

 そのような意味で、高度な専門性、そういうものを有する拠点病院というものを三次医療圏の中でぜひとも一つは確保していきたい、こう思っております。あわせて、当然のごとく、入院だとか療養が必要になってきますので、そういう意味では、二次医療圏に一つは地域の基幹病院をつくっていきたい、このように思っております。

 その確保をすると同時に、先ほど言いました、拠点病院とナショナルセンターとそれから難病医療の研究班、こういうところが連携しながら支援のネットワークをつくっていく。そこで治療のガイドライン等々をつくって、これを周知していく中において、難病治療の均てん化を図ってまいりたい、このように考えております。

 言われますとおり、なかなか地域においては難病治療とうまくアクセスできないという問題もございますので、このような形で全国展開をする中において、全国で今大変御苦労されておられる難病患者の方々にしっかりと医療が提供できるような、そんな体制整備をしてまいりたいと思います。

 一方で、指定医の問題でありますが、基本的には高度な知識を持っておられる専門医、これを学会等々でしっかりと養成をいただく中において専門医の方々が指定医になっていくわけでありますが、あわせて、専門性をつけるために一定の研修をしていただいた医師の方々も、指定医という形で御活躍をいただきたいというふうに思っております。

 これには、やはり、それぞれ医師会の方々でありますとか学会の方々に協力をいただかなければならないというふうに思いますが、そこは御理解をいただく中において指定医を一人でも多く養成をしていただいて、それぞれ難病患者の方々がアクセスできるような形で適切な医療を受けられるように、このように考えておるような次第であります。

江田(康)委員 今大臣にお答えしていただきましたように、今回の法案を機に、新・難病医療拠点病院を三次医療圏ごとにつくる、また、難病医療地域基幹病院を二次医療圏ごとにつくっていく、そして、かかりつけ医との連携をしっかりとっていくことで早期の診断や治療に結びつけていくということでございました。

 そして、おっしゃったように、これにはやはり、国立高度専門医療センターとか難病研究班とか、それぞれの学会が連携して難病医療支援ネットワークを形成していく、これをどのようにつくり上げていくかというのがまたさらに重要でございます。

 全国規模で正しい診断ができる体制を目指していると思うんですけれども、そのように今うたっているとしても、なかなかその整備が進んでいかないことがございます。ですから、ハードの整備だけでなくて、やはりその連携がしっかりとつくられていくことが大切だと思っておりますので、どうか、この難病の新法の成立は今までとは違う、難病の患者さんたちを社会が支えるという、いわゆる消費税で財源をとって、そして今回、持続可能な社会保障制度にしたわけでございますので、そういうような医療提供体制の整備については、これまでと違う対応をしっかりととっていっていただきたい、そのように念願をいたします。

 次に、就労、生活支援の拡充等についてお伺いをさせていただきます。土屋副大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。

 難病患者の多くの皆さんは、症状が安定しない、そういう特性から、就業中に突然体調を壊されたり、出勤できない日が続いたりする、継続的に就労することが難しい状況に陥ってしまう、これは非常に多々あることでございます。

 しかしながら、難病患者の皆さんの中には、潰瘍性大腸炎、IBDの患者さんのように、みずから就労して収入を得ることで自立的な生活を維持する、その努力を続けていらっしゃる方々がいっぱいいらっしゃいます。

 そういうことのためにも、難病患者に対する就労支援を適切に行っていくことが大変重要でございますが、この難病法案の基本理念にもあるとおり、地域社会で尊厳を持って共生するためにも非常に重要なのが就労支援でございます。

 まず、現状と今後の取り組みについて、これまでと違う取り組みについてお尋ねをいたします。

 これは答えられるかどうかわかりませんけれども、将来的には、私は、やはり難病の病気の理解、周知徹底を図り、社会に理解をしていただく中で、企業の皆様にも、障害者の制度のように、法定雇用のように、制度化を進めていくということも視野に入れて支援をしていくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。佐藤副大臣にお聞かせいただきます。

佐藤副大臣 江田委員の御質問にお答えいたします。

 江田委員にも御紹介いただいた難病患者の皆さんを含め、また御家族の皆さんを含め、今御指摘の就労支援、社会に出て働く場が何とか見つかるようにしてほしい、そういう御要望というのは本当に強いものもあるし、またお悩みであるということは、よく私も理解をしているつもりでございます。

 厚生労働省としても、難病患者の方々を含めた障害者に対する就労支援として、今まで実績を上げているものとして、三つぐらい大きくまず御紹介させていただきたいと思うんです。

 一つは、平成十八年度から実施しておりますチーム支援ですね。ハローワークが中心となりまして、地域の関係機関が連携し、就職から職場定着まで一貫して支援を行う、こういうチーム支援によって、個々の障害者に対応した支援を行っていくということが一つでございます。

 二つ目は、ジョブコーチ支援。職場に専門のスタッフを派遣いたしまして、そこで障害者に例えば仕事のやり方をしっかりと御説明する、あるいは、事業主の方々に障害に対する理解をしっかりと深めていただく、障害者及び事業主双方に対して職場適応のための支援を実施する、そういうジョブコーチ支援を行っております。

 三つ目が、障害者就業・生活支援センター、いわゆるナカポツセンター。これは四月一日現在、全国で三百二十二センターあるんですが、ここを中心として、就業面と生活面の一体的支援等を実施してきております。

 次に、難病患者の皆さん方に特化した対策といたしまして、一つは、難病患者を雇用し、適切な雇用管理等を行った事業主に対する助成として、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金という助成金がございまして、これは、新たに難病患者の方々を雇い入れられた事業主に対する助成金というものを実施しているところでございます。

 二つ目が、これは割と新しくて、昨年度、平成二十五年度から、ハローワークに関する専門的な知識を持つ難病患者就職サポーターの配置を、今現在十五ハローワークに一人ずつ、そういう専門的なサポーターを配置しているところでございます。

 今後とも、地域の関係機関とも連携しつつ、きめ細かな支援体制を整え、難病患者の方に対する就労支援の充実を図ってまいりたいと思います。

 江田委員が最後に言われました法定化については、今後の課題として、省としてもこれから慎重に検討させていただきたいと思っております。

江田(康)委員 佐藤副大臣、ありがとうございました。これまでと違う難病患者への就労支援をしっかりと進めるということでございました。

 次に、時間のない中ではございますけれども、小児慢性特定疾病の対策について、特に成人期への移行の課題について御質問をさせていただきます。

 小児慢性特定疾病の医療費助成も、今回大きく拡大して、充実していくことになります。これは児童福祉法の改正によって実現するわけでございますけれども、この小児慢性特定疾病の患者さんたちが二十以降になった場合、医療費助成を受けられないという、いわゆるトランジションの問題がございます。

 今回の難病の医療費助成が大幅に拡大することで、その多くはといいますか、一定程度、大人の難病の方の拡大によって、このトランジションの問題は一部解消されるものとも思っております。しかし、やはり希少性の要件を満たさずに、難病の医療費助成の対象とならない疾病も出てくるものと思われるわけでございます。

 小児慢性特定疾病の医療費助成は、児童福祉法における児童の健全育成という理念を踏まえて、医療費助成を行うことで児童の健全育成を図り、ひいては自立した大人になることを支援するものであると考えています。このために、成人移行問題については、医療費助成も大きな問題ではございますけれども、この自立支援の強化というのがやはりしっかり充実されなければならないと思っております。

 小児慢性特定疾病の子供さんたちが成人期に自立した生活を送ることができるように、成長段階に応じた自立支援を受けることが最重要だと思っております。政府は、新たな自立支援事業を本法案に位置づけて促進していくということでございますけれども、どのような支援を具体的に取り組んでいくのか、お伺いをさせていただきます。

土屋副大臣 小児慢性特定疾患患者について、成人期に向けた切れ目ない支援により、一層の自立支援を図ること、トランジション、これが非常に重要だと考えております。

 成人後の医療費助成については、難病に係る医療費助成の対象疾病の拡大を検討しております。引き続き、それぞれの患者の状況に応じて、既存の医療費助成制度等による支援を行っていきたいと思います。

 また、成人期に向けての地域での自立支援の充実のため、審議中の児童福祉法の改正法案で、新たに地域の関係者が一体となって自立支援を行うための事業を法定化し、平成二十六年度予算に必要な予算を計上し、今後とも、総合的な支援を強化し、患者の自立等を図っていきたいと考えております。

江田(康)委員 時間がぎりぎりになってまいりましたが、最後に一つ大臣にお伺いをして、終わりたいと思います。

 まず、この研究の推進、治療法の開発というのが大変に重要でございます。企業が医薬品などの開発に着手するためには、また、画期的な研究成果を治療薬の実用化に結びつけるために、希少疾病用医薬品や医療機器の開発支援をより一層強化していく必要があると思われます。

 特に、遠位型ミオパチーのように、患者数が千人以下のウルトラオーファンに対して、医薬品の実用化支援が必要不可欠であります。大臣には、このウルトラオーファンについて、ミオパチーの皆さん方からも声を聞いていただいて、勉強会も開始していただきました。

 本法案の成立で、どのようにこれらが充実して、そして、患者さんの手元に効果のある薬が届くようになるのか、その具体的な対応をお聞きするとともに、最後に、大臣のこの法案成立に向けての決意をお伺いして、終わらせていただきます。

田村国務大臣 これは、難病の研究に関して法律に位置づけさせていただいたわけでございますので、そういう意味では、これから強化をしていかなければならぬわけであります。

 今委員がおっしゃられましたミオパチー、私のところにも委員がお連れになられて、御要望をお聞かせいただきました。オーファン、ウルトラオーファンという形で、基盤研の中で今助成金をつけて対応しておるわけであります。

 この法案と同時に、今、一方で、新しい機構をつくる。つまり、健康・医療戦略推進本部のもとに新しい医療研究開発機構というものをつくって、ここを司令塔にしながら、難病を含めて医療研究をやっていくということでございますが、難病も九大プロジェクトの中の一つに位置づけたわけでありまして、こちらは実用化研究という形で、治療等々、医薬品の開発等々の対応をしていただくということでございます。

 一方で、疫学調査でありますとか、あと診断基準等々に関しましては、これは一方で、政策研究というような形の中で、厚生労働省の予算の中において対応するわけでございまして、九十三億と十八億という形で、それぞれ今年度予算をしっかりと確保しながら対応していくということでございます。そういう意味では、我々、これからもしっかりこれは強化をしていかなければならないというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、本当に希少疾患である中において、この制度がないとそもそもが研究ベースに乗っていかないということでございますので、我々、しっかりそれを位置づける中においてこれからも治療法の開発等々、研究等々を進めてまいりたい、このように考えております。

江田(康)委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。

 この難病新法の成立に全力で公明党も取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 きょうは六十五分いただいておりますので、ゆっくりと冷静に田村大臣と議論をしていきたいと思います。

 恐らくもう報告を受けておられると思いますし、田原課長がきのう終始傍聴しておられました参考人質疑、私との質疑の中で代表的な御意見を改めて御紹介申し上げますと、小慢の小林参考人からは、今回はこういう形で進むかもしれませんけれども、将来的には、次のステップとしてまた自己負担も見直していただけるような、そういったことに進めるといいなと思っております、やはり、難病の、私たち同じように苦しんでいる者が、医療の費用のことに対して心配をすることなく日常生活を送っていきたいということが第一です、医療が、やはりお金の心配で受けられないというようなことがあってはならないと思っております、特に低所得者の方については、生活費の中で占める医療費の割合というものが、多くの所得を得ておられる方々よりもずっと負担が大きいと思いますと。

 あるいは、膠原病の森参考人からは、重症度の方につきましても、今受けている治療をやめるようなことがないように、今受けている治療というものが受けられなくなったりしますと、たちまちぐあいが悪くなって、さらにまた医療費がかかるというようなこともあります、せっかく治療して、よい状態に持っていける治療があるのに、それを医療費の面で心配をして諦めなくてはならない人が出てきます、高額な所得を持っている人ならば治療は受けられるけれども、普通に生活をしている者、また低所得の者について、その治療を諦めないといけないという、お金のあるなしで変わってしまうということは非常に残念です、その点からいいましても、全ての患者に医療費助成というものを考えていただきまして、安心して暮らせるようにしていただきたいと思いますと。

 それぞれの参考人の皆様方から、こういった切実な御意見が出されたということでございます。

 おおむね、病名によらない、谷間のない支援というものを望んでおられた。あるいは、地域間格差に対する不安が表明をされていた。生活の苦しさ、困難さ、社会の理解が十分とは言えないというような意見陳述もあったということでございます。相当苦しい思いをして、今回の法案に対して相当いろいろな複雑な思いを持っておられるということも感じさせていただいたということでございます。

 そして、早期の成立を皆さん望んでおられるということではあったんですが、とはいえ、この法案に十分満足しているわけではないということも、きのうの参考人質疑で明らかにされたということでございます。中には、線維筋痛症の橋本さんのように、谷間が解消されていないから反対だと、明確にお立場を表明されておられた方もあったわけでございます。

 難病対策がこの法案によって法定化をされ、財源が義務的経費化されるということは、大きな前進だということではございます。ただ、難病対策というものは、重度の人を救うということだけではなく、軽症の方を重度化させない、これは、特に低所得者の方々にとって、自己負担がふえるということにおいて受診抑制が起こり、何とか軽症を保っていたけれども、そのことによって重症化するということがあってはならないというようなこと、これが一つの難病対策の重要なポイントであろうと考えさせていただいております。

 少し話はそれますが、たまたまけさの東京新聞にこういった記事が載っておりまして、これは僕も初めてというか、余りなじみのない病気なんですが、NTM症という病気だそうです。そのNTM症というものの中で、アビウム・コンプレックス菌によるものの一つの症状が肺MAC症、そういう御病気があるという記事がありました。

 これは、治療法は確立をしておらない、重症化することもある、しかし、この原因菌がアビウム・コンプレックス菌というようなものだということがわかっているために難病には指定されない、したがって医療費補助は十分ではない。患者数や死亡者数が増加しているにもかかわらず、治療法は確立していない、しかし原因菌がわかっているために難病には指定されない、こういうことであります。

 もちろん、難病というものの定義がそういうものであるということでいえばそういうことなんですけれども、こういう、法律にのせるということ、あるいは税金を使って対応していくということにおいては、何らかの線引きが生じてしまうと、そこにどうしても何らかの谷間、崖のようなものが生じてしまうということが、法案を審議していても、とてもつらいものだなと感じざるを得ないということでございます。

 今回の法案でございますけれども、一方で、充実をしているものも内容としてはあるわけでありますけれども、一方で、いわゆる難病患者が難病患者を支える、つまりは、多くの方々の自己負担の引き上げによって一定の財源を消費税以外につくっていく、そのことが難病患者が難病患者を支えるというような構図になっているということも、これは否定できないわけであります。

 そして、先ほど橋本委員からの御質問の中にもありましたが、今回の法案で都道府県の超過負担分が解消されるということが一つの大きな大切なところであるということを指摘されておられて、総務省からの御答弁においても、総務省もずっとそれを求めておりました、したがって、この法案でそれが実現をするということは、ちょっと表現は忘れてしまいましたが、喜ばしいことであるというような御答弁がありました。

 都道府県の超過負担分が解消される、これは、今まで、民主党政権も含めてということになるかもしれませんけれども、厚労省が十分な予算を難病につけてこなかったことであるにもかかわらず、それが解消されるからこの法案がすばらしいものだというような評価というのは、私はおかしなものであると感じております。

 この難病対策というものは、患者さん当事者、あるいはその御家族、また周辺の支えておられる方々にとって、どう状況が好転していくかということがやはり本質的なものでなければならない。しかし、この法案をずっと審議してきて、実は、その目指しているものは、患者さんに新たな自己負担をお願いして、そして都道府県の超過分を解消するということが、一つの、一番重要なというか、この法案で目指されている中身であるということであるならば、それは少し悲しいような気がいたしておるところでございます。

 昨日の参考人質疑等から、あるいはきょうの質疑などを通じて、こういったことを感じさせていただいているということをまず大臣に聞いていただいた。聞いていただくということは、我々議員にとって、とてもありがたいことなんですよ。大臣、ぜひ本当に聞いてください。難病患者の皆様方からも、大臣に話を聞いてもらえると安心するというか、聞いてもらえるということはやはり大事なことですので、ぜひ聞いてくださいね。

 資料六というところから質問は始めていきたいと思います。

 資料六、これは毎度使わせていただく資料でございますけれども、人工呼吸器等装着者については自己負担の限度額千円。我々は、この最も厳しい状況にある方々については無料を続けるべきではないかとお訴えを申し上げております。

 この千円というところに該当する状態の難病患者さんというのは、ALSの方々が代表的なものであるわけでありますけれども、ほかにどんな病気があって、それに該当する人数は何人だと厚労省として把握しておられるでしょうか。

赤石大臣政務官 中根委員にお答えいたします。

 お尋ねの、自己負担限度額千円に該当する難病の患者は、ALS等で人工呼吸器を装着している患者、それから拡張型心筋症で体外式補助人工心臓を装着している患者を想定しておりまして、患者数は約一万人と試算をしております。

中根(康)委員 これは繰り返しになりますけれども、今、赤石政務官が御答弁をされた状態の方々、もう御案内のとおりでございますけれども、やはり人工呼吸器を装着するというのは、まさに生きるか死ぬかの選択を迫られた上でなされるということでございます。

 呼吸器をつけなければ、死を選ぶということになります。呼吸器をつけてもそこで命を延命させるということが、果たして自分にとって、あるいは家族にとって、いい選択なのかどうかということは、まさに壮絶な思いの中で選択をされる。自分が生きていることが家族にとって大きな迷惑をかけることになる、大きな負担をかけることになるのではないかという思いの中で、御家族の方々の御理解の上で、人工呼吸器等を装着される。本当に、これ以上ない究極の選択をされる状態の中での毎日の生活であるということでございます。

 だから、千円というものが負担ができるかどうか、こういうことでいえば、負担ができるのかもしれません。しかし、そこに政治の優しさというか、そういった厳しい状況に置かれた方々に対する政治からの思いというものがなければいけないんだろうと私は思っております。

 したがって、ここは、政治や国会が、厚労省や国会が、そういう厳しい状況の方々を全力でお支えするという思いをあらわすとしたら、私は、この千円という負担はやはりふさわしいものではない、しかるべきものではない、無料化を継続すべきものであると考えさせていただいております。

 ちなみに、厚労省から資料をいただいております。資料二というところになります。ALS患者の数及びそのうち人工呼吸器装着者の数、これは推計ということになっておりますけれども、ALSの患者の方々の数が平成二十三年度で八千九百九十二人、そして3のところでありますが、人工呼吸器の装着者数は千三十七人ということになっております。

 これは、千三十七人の方が自己負担限度の千円を御負担された、逆に言うと、ここの部分を厚労省が負担するということになると、一月でいえば、千三十七人掛ける千円ということになります。年間でいえば、十二を掛けて、私の計算では千二百四十四万四千円という額になります。

 これは、厚労省として準備できない金額ではないんじゃないでしょうか。国会議員一人分よりも少ない額じゃないでしょうか。厚労省の幹部の方々の年俸よりも少ない金額というふうに言えるのではないでしょうか。ここは、政治的な判断で、人工呼吸器装着者の方の無料化というものは続けることができないわけではないと言えるのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 委員、千人とおっしゃられましたが、先ほども政務官から答弁させていただきましたように、対象者は、拡張型の心筋症、体外式補助人工心臓を装着しておられる方も含まれるわけでありまして、一万人ということになろうかと思います。その中で、ALSの患者の皆さんの中で人工呼吸器をつけておられる方が千何名。ですから、今言われた金額よりかは十倍ぐらいふえるんだろうというふうに思いますけれども。

 それはそれといたしまして、そもそもなぜ千円をお願いするのかということでありますが、今まで予算事業でやってまいりました。これは、本来、予算がなくなればその時点で医療は提供できない、こういう制度であります。ただ、命がかかわる話でございますので、自治体がこれを超過負担という形で人道的な対応をしていただいておった。

 ですから、先ほど委員おっしゃられました、これがなくなるというのが今回のことに関して意味があるというのはちょっと寂しいというようなお話がございましたが、本来はその時点で終わってしまう事業であった、つまり、予算を使い切ればそれでなくなってしまうという性質の事業が、今までの難病に対する医療費助成であったわけであります。それを、そうではない、かかったらかかった分だけはしっかりと国が保障します、法律において保障しますよというのが今般の改正でございますから、これは超過負担がなくなったという話ではなくて、そういう制度になったことに大きな意味があるということを多分それぞれの方々は言われておったんだろう。私がいない間の答弁でありますけれども、そういう話であったんだろうと思います。

 その上で、そのように法律にのっとって、義務的な経費としてしっかりと、かかったものはかかったものとして負担ができるという制度である限りは、これは自己負担というものが他の制度、医療の制度においてもあるわけでございまして、自立支援医療でもやはり自己負担はあるわけであります。もちろん、低所得者の方々でありますとか重い方々に対しては、一定の負担の軽減はあるわけであります。

 でありますから、無料ということではないという中において、しかし、やはり、こうやって重度、超重度の方々は生活においての大変な御負担もあられるという中において、そこからさらにもう一歩進んで、二千五百円だとかいう負担がある中において千円というような、さらに軽減をさせていただいた、そういう御負担をお願いさせていただきたい。

 ですから、負担がある中において、いろいろなことを勘案しながら、負担能力に応じた負担はどこなんだろうという中において千円というようなお願いをさせていただいておるわけでございまして、それは、ただの方がいいというのはあるのかもわかりません。しかし、無料の方がいいというのはあるにしても、制度として、やはり一定程度の御負担はお願いをするというのが、今までこのような形で法律においてつくられてきておる、担保されておる、そういう制度の中においてのバランスということを考えるわけでありますので、その点はどうか御理解をいただければありがたいというふうに思います。

中根(康)委員 確かに、ほかの制度とのバランスということは決して軽視をすべき話ではないのかもしれませんけれども、例えば、障害者の皆様方の議論の中においても、自立支援医療の自己負担のあり方については今後見直しを進めていくということもあるわけであります。

 したがって、この難病の方で余りそのことをバランスというようなことで決めつけられてしまうと、本来的な、本質的な議論にふたをかぶせられてしまって、例えば障害者の方にしても難病患者の方々にしても、生活実態に見合った負担のあり方というような議論に進まずに、他制度とのバランス、バランスということで決めつけられてしまうということになると、議論が深掘りをされていかないということになりかねません。

 また、他制度とのバランスを厚労省の担当の方々がおっしゃるのは、これは仕方のないことだと思います。しかし、その職員の方々の上に、大臣、副大臣、政務官という、政治家の立場で役所に乗り込んでおられるのが田村大臣であるわけでありますので、そこに、機械的なバランスということだけではなく、まさに国民の気持ちを酌み取って政治的な御判断というものが加えられても、私はおかしな話ではないと思っております。

 それで、あちこち行って申しわけありませんが、資料五、これは介護保険の方の資料でありますけれども、これを改めて御確認いただきながら、その上で、資料四、これも厚労省につくっていただいたものでございますけれども、難病患者のうち、介護保険の要支援認定者数ですね。いろいろ制約条件が書いてありますが、約三・七%の方が要支援認定を平成二十三年度において受けておられるということでございます。

 簡単に申し上げますと、この方々であっても、介護保険のデイサービスやあるいはホームヘルプサービスの利用に当たって保険の対象外にして、そしてボランティアの方々にやってもらうということになってしまうんでしょうか。

田村国務大臣 まず、前段のお話でありますが、政治的な判断というようなお話がありましたけれども、難病でない方々で医療を受けられている方々も、本当に命がかかった医療を受けられている方々がおられて、そういう方々は制度がありませんから、高額療養費また多数該当、こういうものを使って負担というものに対して対応いただいているわけでありまして、そことのバランスも一方であるのかもわかりません。

 あわせて、自立支援医療のお話が出ました。民主党も政権のときに無料にしたいということで御苦労されて、しかし、越えられなかった。そこはやはり、政権を担う、いろいろなバランスも考えなきゃいけない、そういうつらさがあられるということは御理解もいただいておるんだと思います。

 それをどうするかというのはこれからのまた国会含めての議論になってくると思いますが、少なくとも今はまだ無料のものはないという中において、今般は、自立支援医療とのバランスや他の医療とのバランスも含めて、無料というわけにはいかなかったということは御理解をいただきたいというふうに思います。

 今のお話でありますが、難病の方々も、当然のごとく、それぞれの症状があられるわけであります。

 この予防事業に関しましては、言うなれば、要支援者の方々の状態像と環境、これでケアマネジメントをして、必要な方は専門的なサービス、そうでなくてもいい方に関してはいろいろな多様なサービスという形になるわけであります。

 でありますから、難病の方々も、難病という病気ではあられますけれども、それが比較的症状が軽い中において十分に自立して生活できるという方々に対しては、そのような判断基準の中において、どのようなサービスになるかということになろうと思います。一方で、当然のごとく、専門的なサービスがなければ生活ができないというような方に関しては、それはやはり専門的なサービスという形になるわけでございますので、そこはそれぞれのケアマネジメントの中での判断になるというふうに思います。

中根(康)委員 まず、前段のところなんですけれども、千円という負担は、ほかの制度とのバランス上、やはりどうしてもお願いせざるを得ないという御答弁であったんですが、一万人ということにしても、今まで無料だったんですよね。今まで無料だったことに対して、ALS患者の方々等が無料だったということに対して、どこかから、それはおかしい、それは不公平だというような声というのは、例えばどこから、どの程度の強弱で出されていたということなんでしょうか。それが一つ。

 それと、後段の方の御答弁なんですけれども、改めて資料五の介護保険の法案の説明紙を見て、大臣が、専門的なサービスを必要とする人には専門的なサービスをということでございますけれども、保険の対象外にして、地域支援事業にして、きのうもそうです、参考人の方々から、自治体間での格差というものが大変心配だという声が多く出されていたということは冒頭御紹介を申し上げたとおりでございますが、これは保険の対象にしていても恐らく地域間格差というものはあったと思うんですね。それが、自治体にお任せをするということにおいて、本当に専門的な、特に難病という極めてデリケートな状態に対して、十分なケアができるようなサービスが提供され得るものなのか。

 そしてまた、自治体にお任せをする地域支援事業になることによって、予算は年々削減をされていってしまうということになりますので、したがって、専門的な人材の確保というものがかなり難しくなってくるんだろうと思います。

 単価が上がればいいですよ。自治体にお任せして地域支援事業になって、今の保険でやっているときよりも上がるということであれば、例えば高くつけられたところには人が集まるのかもしれません。それでも自治体間格差は依然として残るわけなんですけれども、今までの議論の中で、上がるということは恐らくない、むしろ下がるということが明らかになっているわけでございます。

 そういった中において、まさに絵に描いた餅ということになるのではないかという心配をしておるわけでありまして、本当に難病患者の方々に対して適切な介護が提供されるかどうか、まず大臣の答弁から、改めてその二点についてお伺いをしたいと思います。

田村国務大臣 まず前段から申し上げれば、基本的には、予算事業であったということは決定的に今と違います。予算事業というものは、なくなったら終わりの事業でありますから、そういう意味ではいろいろな対応はその中であったんだと思いますけれども、それを、法律にのっとった、つまり、義務的な経費として制度に乗ったものにするということに変わったわけであります。

 そのような、医療の中において無料というものはないということでありますから、そこはバランスがあるということはお話をさせていただいておるわけでありますし、そこはまさに皆様方も自立支援医療の中で大変苦しまれたところだというふうに思います。

 その上で、ゼロに対して何か意見があったのかというのは、これは難病検討会の中で、ゼロというのはよろしくないというような御意見があられたということでございます。なるべくゼロというのはやめましょうというような話であったようでございます。

 それから、後段の話でありますが、これに関して申し上げれば、減ることはございません。そこは誤解でございまして、これから高齢者もふえていくわけでございますので、当然、要支援もふえます。そうすると、全体のパイはふえていくということは間違いないわけであります。

 その上で、事業として、減らすというよりかは、いろいろな努力をいただく中でそれは効率化を図る。つまり、本来専門的なサービスが必要じゃない方々、今いろいろなお話をお聞きしますと、デイサービスに行ってそういうようなサービスを受けたくない、もっとほかのサービスを受けたいという方々もおられるんですね、実際。ですから、そういう方々にしっかりと多様なサービスというものを提供するということ、これはやはり私は必要だというふうに思います。

 それが専門性というものでなくて対応できるとすれば、当然、単価は専門的なサービスよりは安いわけでありますから、それが、値段を下げて質が落ちて、そして結果的にサービスを受けた方々から不満が出るという話では私はないんだと思いますし、事実、そういうことをやられて成果を上げておられる、そういう自治体もございます。そういうところの好事例はしっかりと横展開もさせていただきたいと思いますし、そのために厚生労働省としてもいろいろな努力はしてまいりたいというふうに思います。

 あわせて、本当に状態像が悪くなれば、それは要支援じゃなくて要介護になられるわけでございますから、要介護になれば専門的なサービスを受けることが前提になってくるわけでございますので、そのときには要介護の対応をいただくという話になると思いますが、要支援の中においても、そのような形で、どのような状態像でどのような環境であるかということを判断するのは、それはちゃんとケアマネジメントする段階においても判断は必要であるわけでございますので、そこは専門的知識を持った方が判断をされるということでございます。

 難病という部分でその特殊性というものがあるとすれば、今も難病患者の方々は当然のごとく介護を受けられている方々もおられるわけでありますから、それと同じ話であるわけでございまして、そこに関しては、難病というような特別な状況のもとにおいてのいろいろな判断というものに対して、しっかりと周知できるような努力はしてまいりたいというふうに思います。

中根(康)委員 まず、予算のことなんですけれども、自然増の五、六%の伸びから三、四%の伸びに抑制をするということで、もちろん数字自体はふえていきますけれども、やはり単価というものは下げられるおそれがあるということは確かだろうというふうに思います。

 それと、大臣、よく自立支援医療ということを引き合いに出される。今回の難病の自己負担の限度額のあり方が自立支援医療を参考にしたということは明確になっておりますので、そこを持ち出すのは当然のことでありますけれども、一つ、余り他制度とのバランスであるとか障害者の政策を引き合いに出されたときに心配をするのは、これは前にも申し上げたかもしれませんけれども、障害福祉サービスの低所得者、住民税非課税者の自己負担が無料、ゼロになっているという現状、ここが、ほかの制度とのバランスということで、やはり難病ですら、ALSの患者の方ですら千円の自己負担を御理解いただいたのだから、ここは無料措置はやめましょうということに、本質的な議論なしに他制度とのバランスということだけをもってそういった話になっていくということは、これは一つ心配せざるを得ないものとして、私ども、いつも問題意識を持たせていただいております。

 それと、要支援の話なんですが、今心配しているのは、やはり難病患者の方も含めて、サービスを受けて要支援の状態を保っておられる、ここが大事なところであって、それが要介護に行けば要介護のサービスが受けられるからということではなくて、要介護に行かないように、要支援のサービスをやはり適切なものにしておくということが大事なことであろうと思っております。

 それで、厚労省がモデル事業をしてということも大臣はおっしゃられるんですけれども、どうも、私ども、部門会議でいろいろ話を聞くと、厚労省のモデル事業は、要支援の方々を対象にして行われたとは限らない、たまたまその中に要支援の方も入っていらっしゃったかもしれないけれども、主には要介護認定、要支援認定を受ける前の方々が、いろいろと健康づくり、介護予防、こういった事業を通して非該当状態が維持されている、こういうような結果ではないかとうかがえるような内容であった。これは近々、厚労省さんが集約したものを私どもに御提示いただくということでございます。

 大臣、このあたりはよく区別をして内容を十分把握しておいていただかないと、今後の介護保険の議論のときにすれ違いのやりとりになってしまいかねませんので、ここは改めて、十分その内容を把握しておいていただきますようにお願いを申し上げます。

 介護の話については、医療介護の法案のときに十分また深めさせていただきたいと思います。

 海外で当たり前に使われている薬が、日本の治験や審査に時間がかかることによって保険適用がおくれて、いわゆるドラッグラグなどが理由で、なかなか必要な方々のところに、患者さんのところに、効き目があるとわかっている薬が届かない。

 難病対策というものは治療研究の推進が一つの大きな目標であるということでございますが、何年間で、どの分野の新薬をつくり、今まで治らなかった病気が治せる病気になるということについては、具体的にどのような目標をおつくりになるか、持っておられるか。つまりは、今回の法改正で新薬開発のめどはどれぐらい立っているのか。このことについて、大臣にお伺いをしたいと思います。

田村国務大臣 何の治療薬のお話なのか、ちょっとお聞かせください。

中根(康)委員 何か一つでもないかという話であります。

田村国務大臣 済みません。私、そういう通告を、全体の話の中で、審査ラグだとか、また開発ラグをどうするんだということはお答えをする準備はありますけれども、具体的にどの薬がどうだというような御質問を受けたように、うちの問取りが聞いていなかったものでありますから、どの薬がどうだということはちょっと今お答えする準備がございません。

 もし後ほどでよろしければ、今、難病関係の薬の開発状況がどういう状況かというものは、資料等も含めて御提示をさせていただきたいというふうに思います。

中根(康)委員 今、通告したものを持っておりませんので。そんなに通告したことと変わったことを申し上げているつもりはないんです。つまり、今回の法改正で、要するに、難病対策としての新薬がどれぐらい開発される見込みとなっているか、このような通告をしたと思うんですけれども。

 では、御用意されている御答弁を読み上げていただけますか。

田村国務大臣 個別の薬がどれぐらいというのは、当然、医学の進歩、研究の進みぐあいで、次から次へと新しい薬、それは根治をしないまでも、いろいろな症状を抑えたりだとか、いろいろな薬が出てくるんだと思います。でありますから、今この時点で、この新法ができればどれだけの薬ができるんだというのは、一概にお答えすることができないわけであります。

 ただ、全体として、例えば、今、審査ラグ、審査するアメリカとのラグというものは、これは実はきのうも業界の方々と話しておりましたら、逆に日本の方が早くなってきつつあると。つまり、審査ラグについてはもう完全に解消しつつあるという話でございまして、アメリカは、今そこが時間がかかるような方向になっておるのが若干課題になりつつあるというようなお話でございました。

 一方で、開発ラグというものは、確かに日本の方がまだあります。これは、希少性があるがゆえに、なかなか製薬会社が開発しようとしないというような部分もあるわけでございまして、これに対しては、しっかりと新薬創出加算、これは、新薬を創出したら加算するだけではなくて、その裏側に、ちゃんと未承認薬も開発してください、そしてまた適応外薬に関しても開発してください、こういうような条件がついておりますので、こういうものを使って今それを埋めつつあるわけであります。

 あわせて、国際標準的な研究をしなければならぬわけでありまして、そういう意味で、臨床研究中核病院というものを、これも今般提出をさせていただいております。ICH―GCPという、これに準拠した、そういうような研究ができるような中核病院を法律に位置づけさせていただいておりますし、あと、ファースト・イン・ヒューマン、世界で一番初めに人に対してその薬を研究するというようなもの、これは早期、探索型の臨床試験拠点という形で、全国で整備しながら、これも最終的には中核病院の方に吸収していく形になろうと思いますけれども、そのような形で対応するような形で新薬の開発等々に対応する。

 また、国際共同治験という形で、日本はまだこれは少ないんですけれども、世界で協力しながら共同治験をやるということもできるような環境を整備していこう。

 今、種々の新薬開発の準備等々、また、実際問題やっておるわけでございまして、我々、そのようなものを総合的に組み合わせながら、本当にお困りの方々に早く新しい薬というものが開発できるように努力をしてまいりたい、このように考えております。

中根(康)委員 この質問は、前回というか、井坂委員が、難病対策が始まってから、難病対策を治療研究目的として始めてから、何か一つぐらい成果が出たのか、薬が開発されたのかという御質問に対して、まだ一つもありませんというような御答弁だったので。

 局長が今、違いますとおっしゃるので、では、今まで何か、難病と位置づけられたものに対して薬が開発された事例というのはあったわけですか。ちょっと改めて聞きます。

田村国務大臣 この間の局長の答弁を思い返しますと、根治する薬というものはまだ開発されていないわけでありますが、症状を和らげたり、日常生活をある程度できるような薬は、今までも開発されてきております。

 一つ例を挙げれば、潰瘍性大腸炎に対するアサコールでありますとか、そういうような薬というものは開発されてきておるわけでありまして、そのような意味からいたしますと、全くこの難病研究事業が意味がないというわけではなくて、それなりの成果というものは上げてきておるんだろうというふうに我々は認識いたしております。

中根(康)委員 根治する薬がぜひ期待をされているということでございますので、この新しい法案が成立をして、さまざまな制度が実施をされていくと、根治をする薬が一つでもできないか、ここを今お尋ねをしようと思って始めたのがこの質問項目でございます。

 ぜひ、その成果があらわれないと、何のためのとはいっても、ためのといえば、いろいろな目的がある難病対策ではございますが、それも一つの大きな目的の柱でございますので、やはりこれは一つぐらい何か成果を見出したいですよね。もちろん、和らげる薬ということも当然必要でございますが、やはりこれは期待をしたいと思います。

 それで、今の話のようなことになるんですけれども、そもそも、なぜ難病の治療研究の対象疾患の中から、医療費助成や福祉サービスが限定されたものとして選定されるのかということでございます。

 これは資料十というところになりますが、治療研究ということであると、少ない症例のデータが重要になる。これは上の四角の二つ目の丸に書いてあるんですが、症例が比較的少ない難病について、一定の症例数を確保し、研究の推進や医療の質の向上に結びつける。研究される方々にとっては当然のことかもしれませんが、少ない症例のデータが重要になるということであります。裏を返すと、患者数が多いとデータは既に多くあるから余り重要でないというように、この研究ということにおいてはなってしまうのかもしれません。

 したがって、治療研究ということと医療費助成というものは、ある意味、違う次元で考えていかなくてはならない。ここをリンクさせて連動させると、患者さんが少ないものだけが医療費の助成対象となって、多いものは、必要性が低いから結果的に医療費助成の対象とならない。ここを切り分けてこれからの難病対策というものをつくっていかないと、治療研究ということと患者さんの支援ということ、やはりここを切り分けていかないと、いつまでたっても患者さんの気持ちに沿う難病対策になっていかないということになってしまうんだろうと思います。

 つまりは、医療費助成というものは、長期にわたる高額な医療の負担に対する支援というものであって、治療研究ということでいえば、それは、症例が少ない、データが少ない、そういう例を大切にしていくということであると思います。

 長期かつ高額ということを重要視した難病政策というものを、今までの治療研究ということだけではなく、新しい法律がこれからできるわけでありますので、それを加味して、難病患者さんの生活実態が十分把握された上での難病支援ということになっていくべきであろうと思います。

 これは何回も何回もお尋ねをしているようなことでございますけれども、治療研究ということと医療費助成を初めとする患者さん支援というものがそれぞれ大切にされる、連動しないということについて、またかよという御答弁になるかもしれませんが、もう一度改めてここでお聞かせください。何回も聞いていると、言い方が変わってきて、発展的に議論が進んでいくということもあり得ますので、何回もお尋ねします。

田村国務大臣 大変難しいところなんですね。

 研究という意味、これはまさに、症例数が多い、つまり患者が多い、そういうような難病に関しては研究するための症例数が集まってくるわけでありますから、研究のデータという意味では、いろいろなデータが入ってきて、根治する薬ができていないにしても、いろいろな薬等々の研究開発にはそれ相応の情報として入ってくるわけでありますが、一方で、本当に希少性の高い疾患に関しては、それがなかなか集まりづらい。そこにおいて、どう集めるんだという中において、医療費助成をする中においてしっかりとその症例というものを御報告いただいて、研究、治療に生かしていこう、こういう意味合いがあるわけであります。

 つまり、前回の議論の中でもあったように、難病対策というのは、今までよりかは範囲を広げますから福祉性というものは高いわけでありますが、しかし一方、もとには研究という部分がある中においてやられておるものであります。もちろん、希少性のものだけを研究をやっているわけじゃない、先ほども言いましたとおり。研究は幅広く難病という中にあってやっているわけでありますから、指定難病以外もやっているわけであります。

 福祉性を高めて、例えば人数の多いものを全て、難病、それは原因がわからない、そして治療法がないという中に入れていく、長期療養と入れていくという話になると、当然これは、余り言いたくない話でありますけれども、予算の裏づけというものを考えていかなきゃいけない。それは、与党を経験された民主党ならば十分に御理解をいただくところだというふうに思います。(発言する者あり)余り不規則発言をすると、真剣に話をさせていただいていますので。

 それは民主党だって、先ほど来言っておりますとおり、自立支援医療を無料にするという眼目を掲げながらやれなかったというそのつらさの中で、皆様方も、与党というもの、政府というもののつらさというのは御理解いただいておると思います。ですから、幅広く全てに広げるというのはなかなか難しい部分があります。

 一方で、バランス論からいうと、なぜ難病はこのような形で対策を組んで法律で医療費助成をしていくのかというところには、やはり、一方で、治療法がないものに対して研究をするという部分があるというのは明確にあるわけでありまして、例えば、他の難病以外で、がんで長期間苦しまれて、ずっと治療を何年も続けておられるという方もおられます、実態として。それは医療費がかかります。しかし、そういう方々はないんですね、そういう特別なものは。それは高額療養費の多数該当という形の中で対応いただくわけであります。

 でありますから、それはもちろん難病にフォーカスすれば、もっともっといろいろなことを、いろいろなお金をつぎ込みたいという思いはそれぞれ先生にもあられると思いますし、難病対策を一生懸命やられている議員の先生方、また支援される方々にはあるのは私も存じております。

 ただ、一方で、いろいろなバランスがある中において難病がなぜ医療費助成があるんだということを考えると、難病の特性であります希少性という中においての治療法を開発するということも、大きなその中の要素としてある。しかし、福祉的な意味合いも広げていこうという中においての今般の法律改正でございますので、思いのベクトルは一緒の方向を向いているんですけれども、他のいろいろな制約が政府の中にある中において、全ての方々を全てと、できれば本当はみんな、医療費がかかる方は難病に限らず全部無料化すればいいんでしょうけれども、それがなかなかできないという中において、苦しみながら、今般のような法律を御理解いただきながら提出させていただいておるということでございますので、その点はどうか御理解いただければありがたいというふうに思います。

中根(康)委員 またこれも同じような議論の繰り返しということになってしまいますが、資料一の、難病の定義の資料を使いながら質問を続けてまいりたいと思います。

 指定難病の要件というものは、上の難病の要件のほかに二つの要件が加わる。これはきょうも何度も議論されてまいりましたが、患者数が本邦において一定の人数、人口の〇・一%程度以下であるということ、客観的な診断基準が確立をしているということでございます。

 この希少性の要件の方、人口の〇・一%以下、これは、これまでは患者数五万人未満が目安であったものが、このことによって人口の〇・一%ということになったわけですので、拡大をしているということも確かでございます。もう一つは、診断基準の確立ということでありますが、この二つの要件をあわせて、医療費助成の対象が五十六から三百程度に拡大をする、受給者数も七十八万人から百五十万人になるということで、ここの部分を多くの難病団体の方々が高く評価しておられるということでございます。

 一方で、ここのところでまた新たな問題が生じてくるということもあるわけでありまして、病名すらわからない難病、診断基準のない難病、そして今るる申し上げております患者数の多い難病というもの、あるいは、そういったことも含めたいわゆる軽症の方々であるとか、こういった方々が今回、医療費助成の対象にならない、あるいは外れるということになるわけであります。

 ある意味、ずっとそのことを議論しているわけなんですが、どこまでいっても、当然、予算の制約であるとか、ほかの制度とのバランスだとかということでいえば、どこかに線引きがなされて、どこかにやはり谷間が残ってしまうということであります。

 資料八というところになるわけでありますが、これは、今回拡大をするというものが太線で囲まれて、三百と言っておりますが、三百三十ぐらいというような数にも読み取れるわけでありますけれども、この太線の枠のところが今回の対象になる。

 それで、その外にあるところ、人口の〇・一%程度を上回るというところに、診断基準ありが十疾患以下ある、診断基準に準ずるものがあるというのが十疾患以下ある、診断基準のないものが約四十疾患ある。これを全部足しても六十疾患ふえるだけだということで、もちろん、それぞれの疾患の状況、病気の状況がありますので、そこに医療費がどれぐらいかかるかということはありますけれども、それをあえて抜きにして話せば、あと六十疾患ぐらい、少なくともこの表にあるものぐらいは全部対象にしてはどうかというような印象を受けてしまうわけなんですけれども、これはいかがなんでしょうか。

 この表の読み取り方は、大臣、どういうふうに読み取ったらいいんでしょうか。大臣に聞くことじゃないかもしれませんが。

田村国務大臣 多分、難病だと思われるものというのはもっともっといっぱいあるんだと思います。これは厚生科学研究の中で研究をしておる難病の数であるわけでありまして、厚生科学研究で難病としたものの中で基準に入ってきたものが要するに指定難病になるわけでありますので、これで全て難病と思われるものをカバーできているわけではないというふうに思います。

 いずれにいたしましても、やはり診断基準というものがないと、そもそも、そうなのかどうなのかわからないという話にもつながってくるわけでございますので、一定の診断基準というものを確立するための研究も今やっていただいておりますので、早くその中において基準ができ上がって、指定難病に入ってくるということを我々もしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。

中根(康)委員 それで、例えば、きのうも参考人としてお越しをいただいた線維筋痛症の方なんですけれども、これは、この表でいうとどこに当てはまるんでしょうか。

田村国務大臣 線維筋痛症でありますが、これはこの外でございまして、これはまた、難病というか、痛みの方の研究でやっておるという状況でございます。

中根(康)委員 医療費助成の対象にならないから、まあ、ならないからという一言でまとめてくくってしまっては間違いが生じてしまうかもしれませんけれども、いずれにしても、その谷間が埋められないからこの法案には反対だと、きのう線維筋痛症の橋本さんは言っておられました。

 改めて確認なんですが、やはり医療費助成の対象には線維筋痛症はならないということでございましょうか。

赤石大臣政務官 私もこの病気の方とお会いしてお話を聞きまして、大変しんどい病気だなということは理解しているつもりです。

 今委員指摘のように、指定難病の基本的な考え方は委員がおっしゃったとおりでございまして、今後、個々の疾病の選定に当たっては、何度もきょう答弁していますけれども、厚生科学審議会に第三者的な委員会をつくって、そこでしっかりと議論していただいて結論を得る、このようになっております。

中根(康)委員 ということは、線維筋痛症という病気も、この法案を見て、門前払いをされたということで落胆をする必要はなく、厚生科学研究班ですか、そこで議論の対象にはなり得るということでしょうか。

赤石大臣政務官 線維筋痛症につきましては、客観的な診断基準がまだ未確立であるということ、患者数が二百万人とも言われておりまして、広い意味での難病に該当するか十分な検討が必要なんだろうということで、まだこれから厚生科学審議会等で十分検討させていただきたい、このように思っております。

中根(康)委員 今の御答弁だけを聞くと、やはり厚生科学審議会での検討の対象になることもなかなか難しいようなイメージを受けてしまうわけなんですが、だからこそ、こういった基準そのものが妥当なものであるのかどうかということをずっとこの委員会審議の中で申し上げておるということであろうと思います。

 その厚生科学審議会なんですけれども、改めてお伺いいたしますけれども、その中に有識者等で構成をする第三者的委員会を設置するということも聞いております。その第三者的委員会というものが重症度分類等を決めていくということのようでございますが、第三者的委員会というものは、どんな構成員で、どのような運営が想定されているのか、伺いたいと思います。

赤石大臣政務官 今委員の指摘にありました第三者的委員会でございますけれども、公平かつ安定的な難病の医療費助成制度とするために、医療費助成の対象となる指定難病も客観的かつ公平に選定されるべきというふうに考えております。

 このため、厚生科学審議会のもとに新たに設置する第三者的な委員会については、一つは、法案成立後速やかに設置すること、もう一つは、難病医療にかかわる見識を有する者で構成すること、もう一つは、原則公開による議論を行うことを考えております。

中根(康)委員 まだ予定をしていた質問項目が残っておりますが、時間が来ました。金曜日に続けて行わせていただきますが、公開でというところはとても重要なところであろうと思います。中途半端な公開ではなくて、もう全面公開、マスコミにフルオープンでやるということでぜひお願いをしておきたいと思います。

 またよろしくお願いいたします。

後藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

後藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。上野ひろし君。

上野委員 上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。

 難病対策の法案、それから児童福祉法の一部を改正する法案、この両法律案について質疑をさせていただきます。

 私も、初当選のときから難病対策にはずっと思い入れを持って取り組んでまいりました。今回、この難病対策の法案が提出をされ、審議をするということで、大変感慨深い思いであります。その上で、つくるからには、ぜひいい法律にしていきたい、そういう思いで質問をさせていただきたいと思います。

 私は、もう二年前になりますけれども、この場にも何名かの方々もいらっしゃいますけれども、新たな難病対策の推進を求める議員連盟というのをつくって、ずっと活動してまいりました。患者団体の方々とも協力をしながら、ぜひ法制化をしていくということで取り組んできて、今回、その成果といいますか、形になったものが提出をされてまいりました。

 では、そのときに、この委員会でも随分議論になってまいりましたけれども、難病の定義をどう規定していくのか、これは大変大きな問題ではないかというふうに思います。

 これまでいろいろな経緯もあって、予算措置ということで五十六疾患に対して医療費の助成が行われていた、それが、これまでの御答弁にもある中で、約三百疾患に拡大をされるということでもございます。これはいわゆる指定難病ということでありますけれども、この法律の第一条を見ると、指定難病ではなくて、そもそもこの法律全体の対象になる難病というのが定義をされているということではないかなと思います。

 この定義を順に見ていきますと、発病の機構が明らかではない、治療方法が確立をしていない、また希少な疾病である、それから長期の療養が必要であるということであります。

 では、この難病がどこまで対象になるのかというのが、どういった手続といいますか経緯で明らかになるのかが、なかなか、この第一条だけを見ると明確でないのかなというふうに思います。

 指定難病について言うと、これは当然、医療費の助成をするということでありますので、しっかり、まさに指定をするということだと思います。一方で、医療費の助成以外にも、さまざまな施策がこの法律には当然盛り込まれているわけでありまして、その対象になっているのは、指定難病ではなくて、第一条で規定をされる難病ということであります。

 ただ、では、この難病の外延がどこまでなのか。例えば、発病の機構が明らかでないという規定がありますけれども、では、それを誰が判断するのか。また、希少な疾病ということでありますけれども、では、希少というその基準、指定難病について言うと〇・一%という話もありますけれども、この第一条の、いわゆるより広い側の難病の希少な疾病の規定、基準というのは明らかにはなっていないわけであります。

 その中で、当然ですけれども、大臣、各地方自治体の義務というのはこの法律の中で定められておりまして、では、その対象となる難病がどう規定をされていくのかというのは、これも当然、法律事項ですので明らかでなければいけないのかなというふうに思います。

 我々は当然、できるだけ難病で困っている方々、いろいろな負担をされている方々をできれば広く対象にしていきたいという思いがあるわけでありますけれども、それが明確に規定をされない、場合によっては狭く解釈をされる可能性もある。また、指定難病も、いわゆる第一条の難病の中から指定をされるというわけでありますけれども、その母数となる難病のところの外延がなかなか不明確であるということでは、その内数である指定難病の指定といったことにもかかわってくるのかなと思います。

 この第一条で規定をされている難病の定義と、その外延がどれぐらいに今想定をされているのか。指定難病は三百疾患ということでありましたけれども、この第一条の、まさにこの法律全体の対象となる難病が、では、例えばどれぐらいの疾患の数があるのか、想定をしているのか、千疾患なのか、例えば三千疾患なのか。また、場合によっては、諸外国で難病と言われている範囲、これはもちろん定義が違うわけでありますけれども、五千とか七千とかという話もございます。では、どこまでを対象とした法律なのか、そこについて、まず第一条、基本的なところでありますので、考え方をお伺いしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 大変難しい御質問を伺ったと思います。

 難病の定義は、難病法案を今読み上げていただいたと思いますけれども、大きく分解すると四つの要件を決めまして、そういう意味では、指定難病ほど、例えば〇・一%程度のような余り明確な基準は設けず、この四つの大まかな要件に該当すれば、緩やかにと申しますか、幅広く考えているということでございます。

 では、そういう難病がどういうふうに決まっているのか、どういうふうに対応しているのかということになりますと、一言で言えることは、難病克服研究事業という中で、医療費の助成の対象とはならないけれども、類縁疾患、近い疾患なのかどうなのかとか、あるいは、AとBは別々のものと思っていたけれども一緒なんじゃないかとか、Aの中に、もうちょっと診断基準やあるいは疾患の概念がはっきりしたAダッシュというものがあるんじゃないかということを、医学、医療の進歩とともに今御検討いただいているということでございます。

 疾患の数も、挙げて挙げられないことはないんですけれども、今申し上げましたように、医学、医療の進歩とともに、ある疾患を分類して取り出して一つの独立した疾患とみなすこともあれば、別々な名前がついていたけれども同じだったということもありまして、数え方によってさまざまでございますから、ちょっときょうは具体的にはっきりとした数字を挙げることはできませんけれども、三百の外側に相当な数あるということだけ申し上げておきたいと思います。

上野委員 ありがとうございます。

 まさに法律の第一条に書いてあるとおりであり、法律の第一条に書いてあることだけしか規定をされていないということなんだと思います。

 一方で、第二条以降に、大臣それから地方自治体、地方公共団体に対していろいろな義務もかけている、また、いろいろな施策、難病の方々に対する支援策を規定しているわけであります。

 本来であれば、どういった難病が対象になるのかどうか、これは、現場で紛れがないようにしっかりと規定をしていくというのが本来あるべき姿なのかなというふうに思います。

 実務的にいろいろなところで議論されているということも、御答弁を今いただきましたけれども、我々は、法律で難病に対する政策、対策を議論しているわけでありまして、本来であれば、しっかりとそういったところを法律に明記するのが筋かなと思います。

 仮に今後運用していくときに、この難病の対象が狭く解釈をされないように、紛れた上で、では、難病の方々、例えば希少性であったりとか原因が不明であるといったところで過剰に限定をされないように、ぜひ執行面で、実務の面で御配慮いただきたいというふうに思います。

 その上で、今度は、指定難病の定義についてお伺いをしたいと思います。

 今、難病の定義の話を申し上げました。その指定をされるかどうか、対象に入ってくるのかどうかといったことでより影響が大きいのは、医療費のまさに助成ということも含めて、指定難病のところかなというふうに思います。これも、累次、これまでも各委員の方々から御指摘もあったところでありますけれども、確認をさせていただきます。

 四要件ございました。その中で、特に、発病の機構が明らかであるか否かといったことが、特定医療費の支給の対象になるかどうか、この要件とされているわけでありますけれども、お答えをいただいた中でいうと、発病の機構が明らかになり、予防などの対策がとれるようになるのであれば外れていくという話もございました。

 確かに、予防であったり治療法が確立をしたという段階で、指定難病が適用されなくなるといったことはあり得るのかなというふうに思いますけれども、まだそこまでいっていない、発病の機構が仮に明らかになった、ただ、なかなかその治療法であったり対処の方策が明らかになっていないという段階でこの四要件のうちの一つが外れるというのは、患者さんたちにとってみると、これは大変なことでもあります。

 まさに御答弁の中でもいただいた、治療法であったり対処法が明らかになったという時点で外すということであれば、これらの御答弁の趣旨を踏まえても、これは整合的なのかなというふうに思うんですけれども、あえて発病の機構が明らかになっていないものというのを難病の要件に入れている、この趣旨をもう一度確認させていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 ここまでの議論の中でも申しました、発病の機構が明らかでないというのがなぜ難病の要件になるのかというのは、正確に答えるのはなかなか難しいところもありますが、もともと難病というのが、原因が不明だったりする、そして治療方法がない、長期に、こういうことになってまいります。

 理論的に考えると、原因の物質とか原因の遺伝子とか、あるいは、それが原因になって、そこに引き金が何か働いて発病にまで至る、それが慢性化する、そういったトータルのメカニズムがわかれば、多分、そのどこかをたたくと申しますかブロックすることによって、治療方法も解決されていくんだろうということがあります。

 原因がわかっていないものというのは、この間も御答弁したものの中にありましたけれども、予防法もわからない、治療方法といってもなかなか思いつかないということですから、やはり原因が明らかでないということが治療法の確立や根治に支障があるんだろうということに着目している、こういうふうに理解をしております。

上野委員 まさに今御答弁いただいたとおりで、治療法の確立であったり根治ということができるようになったタイミングで難病から外すというのが本来の姿なのかなというふうに思います。そういった意味では、昭和四十七年の難病対策要綱、ここでは原因が不明なものというのが難病の定義、政策の対象になっていたわけでありますけれども、やはりそこに随分引っ張られた規定にいまだになっているのかなという思いがいたします。

 我々の思いとしては、発病の機構が明らかでないことをもってして難病に該当するかどうかという判断をするのではなくて、しっかり、やはり対処法であったり根治の方策、まさに今答弁いただいた、そこに着目をして難病であるかどうかという判断をしていくのが本来のあり方ではないかということを申し上げさせていただきます。

 続いて、これまでも随分議論がありました希少性というところについて、これも確認をさせていただきたいと思います。

 四要件の中で、希少であることが難病の要件に入っております。これも、繰り返しではありますけれども、一人一人の患者さんにとってみると、希少であるということ、ほかに同じ病気の患者さんが多くいるかどうかということに関係なく、日々の生活で大変な思いをされている、また医療費の支出もかかるという状況であります。

 もちろん、対象となる、まさにその疾患の患者さんの数が多ければ、より研究開発が進みやすい、また根治のための研究が進む、治療法の開発が進みやすいといったことは当然あり得るんだとは思うんです。

 実際に、では難病になるかどうかというのを、まさに希少性、その数だけに今着目をして判断するのではなくて、先ほどの発病の機構といったところと同じでありますけれども、数が多い病気であって、治療法が確立をする、根治をできた、その段階で難病から外すというのであれば、これはこれでまた整合的かなというふうに思うんですけれども、まだそこまでいっていない、単純に希少性、数が少ないといっただけで、難病の定義から外れる、入れるといった議論になるのは、やはりちょっとこれは議論が整合しないのかなと思います。

 希少性という要件を難病の定義、指定難病の定義に入れたということについての考え方、これも確認をさせていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをさせていただきます。

 今、議員の御質問の中にももうお答えの一部がまじっておりましたので、繰り返しになりますけれども、希少な疾患、まれな疾病というのは、患者さんが少ないために、調査研究をしようと思っても患者さんが集まらない、ないしは、医薬品メーカーだとか医療機器のメーカーが研究開発をしようと思っても、市場性が低いと申しますか、投入したコストに見合うだけのリターンがないんじゃないかというようなことでちゅうちょをしてしまう、そういうようなことがあります。

 そうしたさまざまな理由の中で、希少性を難病の要件の一つにして、調査研究や患者支援等を推進しているというところでございます。

 なお、念のため申し上げておきますと、がんやあるいは心臓病、脳卒中などのようにある程度の患者さんがいる疾病の場合は、これはそれなりに研究の対象となるし、また先ほどの医薬品の例などでいいますと、市場性も非常に高いので、研究者もそれから企業も熱心に取り組んでくださるわけですけれども、こういう数の少ない疾患というのは今申し上げましたようなことがあります。

 また、午前中の御質問の中にもありましたけれども、一般の国民の皆様はもとより、お医者さんや医療機関においても、ちょっと専門領域が違うだけで、なかなか患者さんの苦しみや困窮の状態を理解してもらえないということもあるので、そういったことで、こういう希少性の疾患に光を当てると申しますか、ターゲットを絞っているということでございます。

上野委員 ありがとうございます。

 まさに先ほどの発病の機構のところと同じでありまして、発病の機構が明らかになるかどうかというところとこの希少性の要件、二つの要件について言うと、もう一つの別の要件、治療法であったり対処法が明らかになるかどうかといったところと、当然密接に関係はしているんだとは思うんですけれども、それ自体を難病の要件にする、難病の対象になるかどうかの基準にするといったことが適正かどうかについては、大変大きな疑問があるんじゃないかなと思います。

 まさに、治療法、対処法が明らかになれば、これは難病対策の枠の中に入れるかどうかといった議論はあり得ると思いますけれども、希少性それから発病の機構が明らかになったかどうか、ここについては、我々は、疑念も持っているところでありますし、ぜひ引き続き、この難病のあり方というのが適切かどうか、御検討いただければというふうに思います。

 その上で、これも改めて確認をさせていただきます。

 これまで、難病、医療費の助成の対象となっていた疾患であったり、この法律が施行された後に、一度、難病、指定難病になったものであっても、その後、発病の機構が明らかになる、また、その患者さんの数がふえていって、いわゆる〇・一%といった基準を上回っていく、先ほど来、きょうの午前中も議論がありました、潰瘍性大腸炎でありますとかパーキンソン病といったところについて言うと、まさにその〇・一%の基準、このところにかかるか、かからないか、大きな境目のところの疾患でもございます。

 一度、指定難病の指定をされた難病が、指定が外れることがあるのかどうか、では、そのときの要件はどういうことなのか、ぜひお伺いをしたいというふうに思います。

 例えば、発病の機構が明らかになった、これも先ほど来の定義の繰り返しではありますけれども、ただ、対処法であるとか治療法が明らかでない、例えばそういった疾病について、指定難病の指定から外れる可能性があるのかどうか。これは、四つの要件を本当に厳格に指定難病の要件として適用するということになれば、その場合であっても外れるという御答弁なのかなと思うわけであります。

 一方で、では、単純に、その発病の機構が明らかになった、でも、対処法が明らかになっていない、患者さんにしてみれば日々苦しい状況は全く変わっていない、治癒の見通しも少なくともその時点では立っていない、そういった段階で指定難病の指定から外れることがあるのかどうか。

 また、希少性といった観点からいうと、患者の数がふえていく、患者の数がふえれば、当然、その病気の対処方策は明らかになりやすくなるというのは先ほど御答弁いただいたとおりでありますけれども、ただ、これも対処法、治癒のための方策がまだ確立をしていない、そういう段階で指定難病から外れることがあるのかどうか。

 これは当然、患者さんにしてみると、数がふえたから、自分と同じ病気の人がふえたから指定から外れる、また発病の機構が明らかになったからそれだけで外れるというのでは、なかなかこれは納得がいかないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういったことがあり得るのかどうか、厚労省の解釈をお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、北村(茂)委員長代理着席〕

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 確かに、難病の定義、そして指定難病の定義というのは、一応、文章ではこういう形でお示しをしております。

 先にストレートな御質問にお答えをしておくと、四つないし、それからその〇・一%程度までも含めて六つぐらいの要件に明らかに合致しなくなったときにどうなのかということをストレートに御質問になれば、それは、これを卒業と呼べるかどうかわかりませんけれども、難病の指定から外れるということも理論的にはあるのかと思います。

 しかしながら、今この四つプラス二で六つの要件を丁寧に見てみますと、ただいま発病の機構という話がありましたけれども、発病の機構もやはり科学的に考えてみると、何をもって発病の機構が解明されたと見るかは非常に難しいかもしれません。

 例えば、遺伝子が原因の疾患だとして、その遺伝子がどうしてそこにやってきたのか。御両親から、あるいは御先祖様から伝わったのか、それとも突然変異なのか。また、遺伝子があるからといって必ずしも発病するとは決まっていないわけですけれども、それはどういうきっかけなのか。ストレスなのか、例えば大やけどをしたとか、感染なのか。そういうことも含めていくと、どこまでできれば発症のメカニズムが全部解明できたかというのはなかなか難しいところです。

 同じように、希少性についても、〇・一%をちょっとでも超えたらだめなのかとか、もっと少ないものじゃないとだめなのか、細かいところはあると思います。

 こうしたことも、これまで御説明いたしましたように、やはり、残念ながら、現時点の医学、医療に照らしてある程度専門家の御意見も聞きながらということになるかなと思っておりまして、厚生科学審議会においてこれまでのような形で御審議をいただくということになりましょうし、また、個別の疾患がどうなのかということについても、また厚生科学審議会やそれと並行して置かれるであろう第三者委員会のようなところで御審議をいただいて、できるだけ公平かつ科学的に決まっていくということが重要だと思いますし、その際には、これまでの経緯とか総合的な判断が必要になってくるんだろうと思います。

上野委員 今の御答弁を聞いていても、やはり、難病の定義、指定難病の定義、四つプラス二つの要件といったところに少し無理があるのかなという思いがいたします。これまでの経緯、それからいろいろな条件、個別の要件を含めて判断をするということであるのであれば、今の、特に発病の機構、それから希少性のところ、これを難病、指定難病の要件としてかけること、この整合性のないところが、難病の指定をする、外すといったところにも無理を生じているのかなと思います。

 繰り返しになりますけれども、今回、難病対策の法案をせっかく我々はつくるわけでありますから、まさにこういった対策、対応が必要な人が漏れることのないように、この法律に、私の思いとすれば、もうちょっとしっかり法律上の規定をすべきであったかなと思いますけれども、ぜひ、今後の検討それから運用に当たっては御配慮をいただければというふうに思います。

 その上で、この法律のことも含めまして、いわゆる難病対策について今後どう対応していくのかということをお伺いしていきたいと思います。

 先ほど来、難病の定義、それからどこまでが難病に入るのかといった議論をさせていただきました。

 医療費の助成でありますとか、またはいろいろな今後の方策、施策の策定、医療機関でありますとか医療に従事をする方々の育成、それから研究開発と、いわゆる難病に係る施策というのは大変多岐にわたっているわけでありますけれども、それを今回、今議論をしている指定難病でありますとか、数は明らかにはなりませんでしたけれども、例えばより広い難病であるとか、そこに限定をすることなく、ぜひ、難病ということについて言えば、それにかかる、苦しんでいる方々、大変な思いをしている患者さんの方々がより広く対象になるような形で、総合的ないわゆる難病対策というのをしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 限定的な指定難病、それから、いわゆるこの法律で言うと第一条で規定をされている難病、これをより広く対象にするということはもちろんでありますけれども、ここで言う難病には該当しない、いろいろな慢性疾患でありますとか重い病気の方々がいらっしゃいます。ぜひそういったところとうまく連携をする、円滑な連携をしながら総合的な医療対策、難病対策というものをつくっていくことが、まさにこの法律の趣旨からしても必要なのかなと思います。

 今後のそういった対策、方策につきまして、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 難病というものの定義といいますか、今委員がおっしゃられましたとおり、まず、疾病の発病構造といいますか、それが明らかでない、そして治療法が確立されていない、さらには希少な疾患であるということ、そして長期の療養が必要である。指定難病に関しましては、さらに、客観的な診断基準が要ることと、それから人口の〇・一%という希少性であるわけでありますが、指定難病以外のものに関しては、難病とは何ぞやといったときに、疾病で決めるのではなくて、要は、個別の基準といいますか、施策体系みたいなものが樹立されていないもの。

 先ほど線維筋痛症の話が出ましたが、これは数も実は多いんです、二百万人ぐらいだという話であります。また、一方で、慢性の痛みというような形での対応で今対策を組んでおるわけでありまして、こちらでも研究をやっています。そういう意味からしますと、個別の施策体系があるという話になるのかもわかりません。

 ですから、そういうものがないものでありますから、非常に幅広い範囲が難病の範囲になってくるわけであります。

 そこに対しましては、国と地方公共団体の責務といたしまして、良質で適切な医療、これがちゃんと受けられるような施策を打たなければならないわけでありますし、情報収集、さらには教育活動、これを行うとされているわけであります。

 あわせて、国は、医療提供体制の確保、それからまた調査研究、さらには福祉と就労支援策の連携のあり方、こういうものを基本方針に盛り込むということになっておりますので、この基本方針等を含めた法律、それからこの基本方針を含めて、今言いました難病の対象の方々を含めて対応していくということでございますので、この法律が成立をいただきましたら、しっかりと頑張ってまいりたいというふうに思います。

上野委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。

 この法律、当然、指定難病、難病の方々を対象にしてしっかりやっていくという方策を明らかにされたというわけでありますけれども、ここだけではなくて、より関連をする施策、厚労省に限らず、いろいろな施策があるんだと思うんですけれども、しっかりと連携をしていって対応していただきたいというふうに思います。

 では、続いて、法律の中身に若干入りますけれども、お伺いをさせていただきます。

 この法律案の第四条におきまして、厚生労働大臣が基本方針を定めるということにされております。これは、難病患者の方々に関する重要事項について、今後の政策のあるべき姿、方策を定めていくというものであると思います。

 これは、いろいろな団体、患者さんからも御要望が出ているというふうに思います。我々も、先ほども議連の話も申し上げましたけれども、JPA初めいろいろな団体の方々、また患者さんの方々からいろいろな現場の状況についてお伺いをしながら、これまでも議論を進めてまいりました。

 そういった中で、我々、役所であるとか国会議員だけではなくて、しっかりとまさに患者さんの方々の御意見、思いが反映をされる、そういった施策にしていく必要があるのかなと思います。このまさに第四条の基本方針のところにつきまして、これは策定の過程でしっかりとぜひ患者さんの方々の御意見が何らかの形で反映をできるような、そういった仕組みにしていただけるといいのかなというふうに思います。

 法律の条文だけを読んでいると、なかなかそういうことが出てこないわけでありますけれども、このあたり、どういった進め方をされていくのか、これも厚労省にお伺いをしたいと思います。

    〔北村(茂)委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今般の難病法案におきましては、難病の患者さんに対する医療等の総合的な推進を図るということで、これも今御議論がありましたけれども、厚生労働大臣が基本方針を定めるということになっております。

 この基本方針で定める事項についてもちょっと触れておきますと、医療提供体制の確保、調査研究、療養生活の環境整備、それから福祉サービス、あるいは、先ほど御議論がありましたけれども、就労支援、こういった多岐にわたるわけでございます。

 この基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、厚生科学審議会の意見を聞くこととされております。この過程において、委員の中には難病の患者さんを支援する方、関係の方も入っていらっしゃいます。また、御家族、そういった方の御意見もしっかりとお伺いしながら進めていきたいと考えております。

上野委員 ありがとうございます。

 まさにもうこれまで何十年来、我々の悲願であった法律をつくります。それに基づいて基本方針が定められるわけであります。しっかり患者さん、また御家族、そして医療関係者の方々の意見が反映されるような形で議論を進めていただければというふうに思います。

 次に、またこれも法律の関係でありますけれども、第七条の支給の認定についてお伺いをしたいと思います。

 これは、条文を読むと、厚生労働大臣が定める程度、それから政令で定める基準に該当する、それから特定医療を受ける必要があるといったような要件が記載されておりますけれども、これは例えば、具体的にどう定められることになるのか。

 また、このまさに支給の認定をするのは、各地域ごとに認定をするわけでありますけれども、例えば、その認定の事務が円滑に進むのかどうか。また、地域ごとにこれはばらつきがあってはいけないというふうに思うわけでありますけれども、地域ごとに認定のばらつきが生じることがないようにどう手当てをされるのかどうか。

 さらには、その前提として、病院でしっかり診てもらった上で、認定の申請をするということになるわけでありますけれども、例えば、そういった手続をしていくに当たって、これも、近くにそういった手続ができるような病院があるかどうか。これもまた地域間の格差というのが生じてはいけないんじゃないかなというふうに思います。

 まさにこの支給の実務に当たって、どう公平性それから円滑な手続というのが確保されることになるのかどうか、そのあたりをどう配慮されているのか、これも厚労省にお伺いをいたします。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 この難病法案ですが、難病対策委員会で議論されている段階から、事務的なベースでは、自治体とか医療関係者の意見も聞いてまいりましたし、先ほどから何度も申しております厚生科学審議会の中でも、自治体の代表あるいは医療関係者の方もいらっしゃいましたので、そういうことでお話をしてまいりました。

 しかしながら、この難病法案が成立するということになりますと、今度は、詳細についても、またこの経緯についても、もっと丁寧に御説明をしなければいけないので、繰り返しになりますが、自治体や医療関係者等を対象にして、早急に説明会等を実施するなどして周知をしていきたいと思います。

 当たり前のことですけれども、法案ができましたら、政省令や告示、通知等についてもできるだけ早くお示しをして、自治体でスムーズに新しい法律にのっとった事業ができるように考えていきたいと考えております。

 特に、医療費助成制度については、平成二十七年の一月一日から、対象となる疾患の一部については実施をするということにしておりまして、準備のための期間が短いということもありますので、これは議員の御指摘も十分踏まえながら、国として円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 また、これも、ここまでの議論の中で何度かありましたけれども、四十七都道府県、それに政令市も含めて、自治体の規模とか、もともとこういう難病について熱心に取り組んでいただいているかどうかとか、あるいは、そもそも過疎地かとか、医療機関が十分にあるのかとか、そういったさまざまな問題がございまして、確かに、一言で言うと、地域性はあるだろうし、それを何とか乗り越えていかなければならないということになると思います。

 そういう意味で、私どもは、先ほどから申し上げますように、自治体に説明をするとともに、医療機関の指定に当たっても、指定の物の考え方等を十分に周知をしていただくということになります。

 それから、医師の問題も恐らくは御懸念かと思います。

 医療機関、箱のみならず、人の問題も大変重要でございまして、今でも五十六あり、さらに、例えば指定難病ということになりますと、三百になると、その三百それぞれについて専門医がきちっと確保できる都道府県、政令市だけではありませんでしょうから、指定医ないしはそれに準ずる方について研修を行っていただく等々は必要になってくると思います。

 しかしながら、患者さんについて考えるならば、少なくとも最初の認定の段階あるいは一定の期間が過ぎた後は、やはりそれなりの能力のある、専門性のあるお医者さんに診てもらうということは必要ですから、質の担保を図りつつ、やはり節目節目にはそれなりの専門の先生に診ていただいて、病気の診断の確からしさ、治療の方向性の正しさ、経過の動向等々も適宜チェックをしていただくといいますか、経過観察をしていただくということも重要だと思います。

 それからまた、これも言うまでもありませんけれども、指定医にお願いするだけではなくて、患者さんのアクセスという点も重要ですから、指定医と十分な連携のもとに、患者さんに対して、日ごろの日常の診療については、そういうかかりつけ医のお医者さんで適切に、慎重に当たっていただく、こういうことを心がけて全体の制度を構築していきたいと考えております。

上野委員 ここまでの委員会の議論の中でも随分ありました、まさに難病というのは誰にでも発生をし得る病気でありまして、そういった意味で、日本全体、四十七都道府県という話もありましたけれども、どこにいてもしっかり対応していただけるような制度、まさに今回法律をつくるわけですから、そういった制度にすることが必要なんじゃないかなと思います。

 また、今回、あえて難病という定義の中に希少性というのを入れてあるわけでありますけれども、希少な病気であるからこそ、では、本当に四十七都道府県どこでもしっかりとその診断ができる、または治療ができる、そういったお医者さん、まさに指定医が確保できるかどうか。これは、希少であるがゆえに大変難しい問題でもあるし、一方で、大変な思いをして、それぞれの患者さん、まさに難病の患者さんが病院に行くということでありますので、そこについては、地域性、極力地域の問題というのが生じないように、ぜひ御配慮いただきたいというふうに思います。

 次に、研究開発の促進ということでお伺いをしたいと思います。

 今回、難病の法律をずっと我々が議論をしていく中で、患者さん方ともいろいろお話をさせていただきました。当然、医療費の助成はありがたいし、指定難病の対象にしてほしい、難病の対象にしてほしいという話はあるわけでありますけれども、その上で、やはり、研究開発をしていって治療法を確立していく、それが、当然ですけれども、難病の患者さん、御家族の方々の本当に究極の願いであるわけであります。

 この法律の中にも、研究開発、また医療水準の向上といった話が随所に出てきておりますけれども、これまで、この研究開発、特に難病についてどういった対策を政府としてとられてきたのか、そして、この法律をつくったからには、しっかり、今後難病の、まさに治療法でありますとか対処法でありますとか、そういったことを明らかにしていくことも、この法律のもう一つの大きな役割であるというふうに思います。

 今後、この法律の制定も受けてどう対応していくのか、研究開発についてどうまさに力を入れていくのか、その点についてお伺いをいたします。

土屋副大臣 お答えいたします。

 難病の調査研究については、昭和四十七年の難病対策要綱に基づいて予算事業において実施してきており、一定の成果を上げてきました。

 厚生労働科学研究の中でその対象疾患を少しずつふやしてまいりまして、平成十九年には百二十三疾患となりました。

 平成二十一年度にその予算規模を二十四億円から百億円と大幅に増額し、調査研究を充実し、新たな治療法の開発や診断基準を作成するなどの成果を上げているところでございます。

 今後は、医療費助成などの行政施策に直接結びつく、診断基準や診療ガイドラインの作成などを行う難治性疾患政策研究事業と、難病の病態解明を行い、新規治療薬、医療機器等の開発につなげるための研究をさらに推進するための難治性疾患実用化研究事業が、お互いに連携しつつ、難病に対する調査研究を推進する方針としております。

上野委員 ありがとうございます。

 ぜひ予算面、今お話もいただきました、しっかりと手当てもしながら、まさに難病、今回のこの法律の難病だけには限らないですけれども、ぜひ研究開発、治療法の確立といったところについては力を入れてやっていただきたいというふうに思います。

 最後に、時間が限られておりますので、一問聞かせていただきます。

 今回、指定難病ということで、医療費に対する助成も行われるということであります。ただ、これも我々が患者さんの方々にお聞きをすると、これは病態によって、医療費がかかるかどうかというのも随分ばらつきがあるということであります。お薬を飲んでいれば、そんなに医療費をかけなくても症状が落ちついていて生活をできる方々もいらっしゃれば、当然、たくさんの医療費がかかる病気の方々もいらっしゃる。医療費はかからないけれども、それ以外の、周りの附帯サービスといいますか、附帯するいろいろな支出にお金がかかるという方々もいらっしゃいます。

 例えば、なかなか一人で活動ができないということであれば、人的なサポートが必要であるということもありますし、または、医療費というカテゴリーの中には入らないものであっても、例えば衛生用品でありますとか、まさにガーゼとか、その難病に特有の装具、器具でありますとか、そういったところの支出が大変大きいという話も聞くところであります。

 今回、指定難病の指定をする、そして医療費の助成をする、これはこれで大変大事なことでありますし、医療費の支出が大きくて負担になっている患者さんの方々はたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、ここだけではなくて、まさに難病の病気の病態によっては、今回医療費の手当てはされるけれども、それでは自分たちは余り、ある種助からない、ほかのところの支出が大変大きいんだという方々もいらっしゃいます。

 ぜひ、今回、医療費の助成、これはこれで必要でありますけれども、それ以外の、いわゆるそれに附帯するさまざまな支出、難病であるがゆえのさまざまな支出についても、しっかりこれは何らかの形でカバーをしていく、配慮をしていくということがないと、まさに病態によって、今回法律をつくってせっかく手当てをしても、それで救われる方々、救われない方々、むしろそこにいろいろな差も出てくるのかなというふうな感じもいたします。

 その点について、厚労省といたしましてどう対応していくのか、最後にお伺いをいたします。

土屋副大臣 今委員がおっしゃいました難病患者の生活実態について、平成二十二年度に、難病患者等の日常生活と福祉ニーズに関するアンケート調査を行っておりますが、おっしゃるように、難病患者の方々が、医療費のほかに、衛生用品とか介護用品とか、長期にわたってさまざまな御負担を抱えておられるということを承知しているところでございます。

 難病患者の自己負担限度額の設定に当たっては、難病患者の置かれたさまざまな状況も踏まえて、一般の方や高齢者よりも低く設定しているところでございます。

 今回の難病法案においては、医療費助成制度のほか、基本方針において、医療提供体制や調査研究、福祉・就労支援施策との連携のあり方等について定めることとしておりまして、難病患者に対する総合的な支援を行ってまいりたいと思います。

上野委員 ありがとうございました。

 冒頭からずっと質問もさせていただきました、指定難病に入るかどうか、それから、いわゆる、より広義の難病に入るかどうか、そして今の、まさに医療費の助成の対象でカバーをされるかどうか、そういったことも含めて、ぜひ、いわゆる難病、重い病気の方々、長期療養が必要な方々にとって、より公平公正な制度になるように、しっかりと執行面で手当てをいただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 よろしくお願いいたします。

 ことしの三月の終わり、私の保育園も卒園式がもちろんありました。年度末の卒業式は、実は六十五回目の卒園式でありました。今までトータルで六千人以上の子供が、もうすぐ七千人近いんですけれども、保育園を卒園していっております。その中には、今回の難病の中にも含まれているような病気を患っている子供ももちろんいましたし、その子たちも今は元気に過ごしているということはわかっているわけですけれども、本当に小さいころからそういった病気で、やはり同じ保育園に来ている子供たち、友達となかなか一緒に遊べなかったりとか休みがちになるというのは、仕方のないことなんですけれども。

 きょうは冒頭にこれを言っていますけれども、希少がんのことを聞くので、冒頭の話は全く関係ないですけれども、今回、いわゆる小慢と言われる病気であったりとか、そういった部分が少しでも助成の対象になっていく、助かっていくような法案がこうやって出てきているというのは、非常にいいことだなと思います。我々も、いいところは、一歩前進しているところは評価をさせていただいて、この法案についても前向きに考えているところなんです。

 きょうは、きのうも参考人で来ていただいていました希少がんの患者会の皆さん方、私は府議会、地方議会で議員をさせていただいているときにも、代表の方が大阪の方でしたので、いろいろとお話を伺って、都道府県でできることというのは非常に限られていますので、なかなかお力にはなれなかったんですけれども、今回、この法案でどれぐらいのことができるようになるのかというのは、非常に私も興味を持っていました。

 まず、今現在の希少がんの置かれている現状、どういった認識を厚生労働省は持っておられるかというのをちょっとお聞かせいただけたらと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 希少がんという言葉がだんだん皆さんの耳にも届くようになりましたけれども、希少がんというものが公式な形で定義をされているわけではなくて、あくまでも研究レベルで希少がんというものが語られ、研究されるということだろうと思います。

 私どもが知り得る限りでも、海外でも必ずしも統一されたものはなくて、研究レベルで、ヨーロッパとかアメリカとか、そういう形で幾つか研究が進んでいて、それぞれでちょっとずつ異なった定義をしているようです。

 一つの例で挙げますと、レアケアという、欧州における希少がんを対象としたがんの専門家や科学者による研究グループは、年間の発症率が人口十万当たり六例未満、一年間に発生する方が、人口に合わせたときに、人口十万で六例未満、こういう定義をしていますし、ヨーロッパのレア・キャンサー・ユーロップというのでは、有病率、人口全体を見たときに、今この瞬間にどれくらいいるかという意味で〇・〇五%、こうしていますし、また、アメリカでは、総患者数で二十万人以下、こういうような定義をしている。さまざまでございます。

 日本においても、厚生労働省が国立がん研究センターに委託をする形で、平成二十五年から希少がん対策推進事業というのを実施しておりまして、今あります、例えばレアケアなどの区分とか定義に沿って、一体、日本にどんな患者さんがどのくらいの形でいらっしゃるのかということを今研究を始めたところでございます。

 がん全般につきましては、がん対策基本法等に基づいて実施をしているところでございまして、希少がんにつきましても、がん対策の総合的かつ計画的な実施の枠組みの中で対策を充実していくことになるだろうと考えます。

浦野委員 今御答弁にありましたように、もともと、がんというのは、昔は難病だったというふうに私は記憶しているんです、難病という位置づけにあったと思うんですね。日本では特にがんが多かった、死因の上位を占める病気でしたので、がんを特出しして、がん対策という形でかなり力を入れたのが今のがん対策だったと思うんですね。

 その中で、やはり、たくさんの方がなるがん、よく保険とかで、いわゆる五大がんとか、何かそういうこともありますけれども、そういった大きな、人数の多いがんに関してはかなりの手当ても進みましたし、治療方法もかなり確立されて、初期の段階で見つけてしまえば、ほとんどを切ってしまえばほぼ大丈夫。残っていたとしても薬で抑えたりとかもできる、長いつき合いができるように、一〇〇%克服しているわけではないけれども、かなりの医療の技術が発達して、克服寸前までいっているというのが現状です。

 ただ、その中で、がん対策の中で取り残されていっているのが希少がんなんじゃないかというふうな、患者会の皆さんは、やはり、患者の多いがんではない、本当にまれにしか患者が出てこないようながんについて、がんの患者会さん、大きな患者会さんも確かにたくさんあります、その中で、希少、少ない人数ゆえに、なかなか自分たちの声が届いていない、大きな患者会の声にのみ込まれてしまってなかなか伝わっていないんじゃないかというふうなことを絶えず心配されておりました。

 先ほど、希少がん対策推進事業というのが今はもう立ち上がったと。私が地方議会にいたときはこういう事業はまだなかった時代でしたので、ある程度前進しているのかなというふうにはちょっと思ったんですけれども、私は、希少がんというのはがん対策で見ているから、今回の難病の法案には入ってこないんだというふうな説明を受けているんですね。ただ、きのうの参考人の方にもいらっしゃったように、難病なんだけれども、今回のこの枠組みに当てはまらないという病気の方もたくさんいらっしゃるわけですね。

 私は、希少がんという種類がどれぐらいあるのかもまだちょっとわからないですし、今回の指定に漏れてしまっている、だけれども、私たちは、この病気は難病じゃないかという人たちはたくさんいらっしゃいます。そういった人たちをこれからどういうふうにしていくのか、対応していくのかというのをどうお考えになっていますか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 大変難しい御質問をいただいたかもしれません。

 希少がんというものをどう捉えるかというのも、やはりなかなか難しいというお話もしましたし、おかげさまで希少がん対策推進事業が進んで、こういう形で少しずつ日本でもそういう希少がん対策というものが進もうとしております。また、これと歩調を合わせるようにして、先般、議員立法でございますけれども、がん登録法が成立をいたしまして、がん登録の中で、地域がん登録とあわせて院内がん登録というものが一層推進される形となりました。

 こういう希少がん問題を考える上では、これまで、今議員の御指摘がありましたように、具体的な数字も含めて、実態が必ずしも明らかでない部分があったんですが、がん登録の中で院内がん登録というものが今後どんどん進んでいきますと、数、場所、もちろん性別、年齢、こういったものがもう少し明らかになってくるのではないかと思います。そういう意味では、がん対策というような中で、この希少がんというものも、今後取り組むべき課題の一つとして、取り組むべき条件整備が整いつつあるということだろうと思います。

 それから、ちょっと今度は難病との関係で申しますと、一般の国民の皆様の間で、難病ってどんなもの、こう言うと、確かに治りにくい病気、死ぬかもしれませんねとか、なかなか原因もわからないんですよねという意味では、広い広い意味では、がんも難病だというふうにお受け取りになる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、厚生行政、とりわけ健康局で行っております行政の中では、そこは一応切り分けをしまして、がんや、あるいは先ほど申し上げました生活習慣病と言われるもの、例えば心臓病とか脳卒中とか、こういったもののように、他に総合的な枠組みで対策があるものについてはいわゆる狭義の難病からは別建てとして、先ほどからるる申し上げておりますような四つの大きなクライテリアと申しますか要件に合致し、さらに、指定難病については二つの要件に合致するものを、今般、難病と捉え直して法律の中に位置づけた、こういうことでやっております。

 繰り返しになりますけれども、御質問のありました希少がんというものも、がん対策あるいはがんの本態解明ということを目指す中で条件整備が整った部分もありますので、がん登録の枠組みなどを活用しながら、より一層充実をさせていきたいと考えます。

浦野委員 がん対策はがん対策できっちりと予算もつけてやっていただいている、それも、全然前向きに進めていただいているのはもちろん承知をしています。

 今回、難病対策について、消費税増税を充てるということで、財源がかなりきっちりと確保できるようになったということもあって、私は、だから、消費税という安定的な税収が今度社会保障に充てられることになった中で、がん対策の予算を削るということはないとは思うんですけれども、どっちが安定的な財源かというのは判断は分かれるかもしれませんけれども、私は、消費税の方がより安定的な財源なんじゃないかなということで、であるならば、がん対策の中でなかなか日の目を見てこなかった希少がんの部分に対して、では今回はもうこっちの難病の方に指定を戻してしまって、消費税増税の方で手当てをしていった方が安定的ないろいろな取り組みができるんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、その点についてはどうですか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今般の難病法案において難病をどういうふうに捉えているか、そしてまた、どういう施策を進めていくかということですが、先ほどから何度も申しておりますように、希少性というものに着目をして、それから難治性というものに着目をして、患者さんのデータベースのようなものをつくって治療研究、調査研究を進めていくという枠組みが一つあります。それから二つ目は、その過程で福祉的な要素も加味して医療費の助成もし、経済的な部分での負担も軽減しという部分、それから、生活に着目する、大きく三つあろうかと思います。

 その中で、一番最初に申し上げましたデータベースを構築しという部分については、がんについて、これは繰り返しになりますけれども、がん登録法ができまして、地域がん登録はもうほとんど網羅的に集まる形になりましたし、院内がん登録もこれまで以上にデータが集まるような仕組みになると思いますので、症例を集めて検討をするという、希少性に着目したがんの研究という意味では、このがん登録法が成立したというのは非常に大きな進歩であったろうと思います。

 それから二つ目の、医療費助成ということについては、残念ながら、他の多くの疾病と同様、通常の健康保険制度の中での給付、さらに、どうしても医療費が高額である、ないしは続くということになると高額療養費制度、さらにはその中の多数該当、世帯合算ということで御対応いただくということで御理解をいただくんだろうと思います。

 それから三つ目の、就労支援でありますとか生活の支援につきましては、これは旧労働部局などとも連携をとりまして、これまでのがん対策はどちらかというと本態解明という研究中心あるいは医療中心であったことから、基本法の成立以来、就労支援、生活支援の方にも十分力を向けていっておりまして、希少性も加味しつつ、こういう就労支援などに力を入れているということでございます。

 難病とがんが全く独立して動くのかというと、なかなかお答えしづらい部分もありますが、そうした形で、難病の世界での考え方というのはがんの中にもあるし、またその逆もあるしということで、双方をよく両にらみしながら今それぞれの施策を進めているというふうに御理解ください。

浦野委員 最初の方の答弁で、希少がん対策推進事業ということを始めていただいているということで、では、いつまでにどのようなことをするというのは、これはもう決まっているんでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 個々の研究者が、極めて限定的な希少がんについて、いついつごろまでにどういう研究をして、できれば本態を解明してとか、あるいは、まだその前の段階で、患者さんがどのくらいいらっしゃるのか、年齢層はどうなのか、若い層に多いのか、それともそうじゃないのかとか、放射線治療が効くのか効かないのか、こういったことは個々の研究者やお医者さんが御議論いただくんだろうと思いますので、現時点で私がなかなか申せないところなんですが、先ほどから申し上げますように、正直言いまして、この希少がん対策推進事業もようやく緒についたということで、だんだんと実態がわかりつつあるという状況です。

 その状況を見ながら、今後どういう対策が必要なのか、がんということで一くくりにして対応できるのか、それとも、いやいや、Aというがんと、例えば主流を占める胃がんとか子宮がんと比べると、もう全く違うんだ、とても普通の対応じゃだめなんだということなのか、そのあたりももう少しこれから時間をいただいてということになりますので、きょうこの時点で、ではいついつごろまでにどうするんだというのは、ちょっとまだこれから、緒についた段階で検討の状況でございます。

浦野委員 これは、やはりできるだけ早くに決めて、上げていただけたらなと思います。

 といいますのも、皆さん既に闘病をずっと続けられていて、自分たちの生活がどうなっていくのか、自分たちの病気はどうなっていくのかということを、一定のめど、自分たちの未来を想像できるような何かがないと、やはりなかなか前に向くこともできないでしょうし、患者さんの中には、自分の病気とつき合って社会貢献もしたいというふうに思っている方もたくさんおられます。やはり、そういった方々にある程度のものを提示できる、この事業できっちりといろいろな対策をこれから考えていっていただければ、そういうことにもなると思いますので、よろしくお願いをいたします。

 この希少がんのことは、今御答弁をたくさんいただきました。ほかの、今は難病の指定はできていないけれども、これからしていく、見直しですね、この見直しについては、どういうふうな形をとっていくのか、教えていただけますか。

佐藤政府参考人 ここまでるる御質疑をいただきましたように、いわゆる難病の定義、そして指定難病の定義ということについても御議論いただきました。そしてまた、その定義に照らして、一体どういう疾患が指定難病に該当するのかどうかということも、今後、第三者委員会等で議論していただくんだということは申し上げた次第でございます。

 そういう中で、多分、今の御質問は、では仮に三百なら三百がある時期に決まったとして、三百一番目とか三百三番目とか、あるいは三百二十番目というのは、いつごろ、どういう感じで決まるのか。それは例えば、今の案の中では五年を目途に見直すとなっているから、五年間はもう全く追加もないのか、もちろん、追加もないし、なくなっていく疾患も、卒業する疾患もないのかということかもしれませんけれども、要件を満たしているということであれば、基本的には指定難病に指定するということでいいのではないかと考えています。

 例えば、医学、医療は目覚ましく進歩をして、やはり新しい疾患概念ができたとか、あるいは診断基準が急にできた、そういうこともありましょう。そういうことでありますならば、状況の変化が生じたということであれば、五年を待たずに、適宜、その都度その都度、第三者的な委員会を開いて指定難病について検討する必要があるのではないかというふうに考えております。

浦野委員 今の御答弁をいただいたので、もうほぼ、私はいいかな、百点満点の答弁をいただいたかな、私が聞きたかったことに対する答弁になったんじゃないかなと思います。

 やはりその都度、そのときそのとき、おっしゃっていましたけれども、医学の進歩はかなりのスピードで、これから国もそういったところに力を入れていくという法案もこの間も通過しましたし、そういったことが次々起こるんじゃないかというふうに思っています。ですので、そうなったときに、すぐにこの枠組みの中に入れるようなことをしていただけたらと思います。

 次の質問なんですけれども、この希少がんの病理診断をされる病理医の方々のことなんです。

 これは、がん患者会の皆さん方から教えていただいたんですけれども、全国に八千八百病院があって、病理医が常勤で勤務している病院はわずかに七百五十三しかない。がんの診療連携拠点病院ですら、一四%の病院に常勤の病理医がいないということらしいんですけれども、希少がんは、やはり特殊ながんであるがゆえに、専門の病理医が判断をしないとなかなかわからないといった問題があるということです。

 アメリカなんかは、各臓器別にそういう病理医がいたりとか、聞くところによりますと日本の三倍ほど、人口十万人当たり、アメリカの三分の一しか日本には病理医がいないということなんですけれども、この点については厚生労働省はどうお考えですか。

佐藤政府参考人 がんということで御質問がありましたので、がん診療連携拠点病院にちょっと焦点を絞って御説明いたしたいと思います。

 私どもの持っております資料ですと、平成二十四年の時点で全国三百九十七カ所、自治体の御協力がありまして、御努力がありまして、三百九十七カ所のがん診療連携拠点病院があるんですが、そのうちに、常勤の病理医が配置されているところは八九・六%でございました。

 今議員から御指摘ありましたように、病理医というのは、これはちょっと少し時間があるようですので御説明させていただきますと、希少がんの診断のみならず、通常のがんでございましても、例えば手術をするときに、がんの存在する箇所がちゃんと取り切れているのか、切除できているのかとか、あるいは、このがんはどういう細胞に由来するがんだったのか、あるいはその悪性度は高いのか低いのかということを議論する上で大変重要でございまして、患者さんの予後と言っておりますけれども、患者さんがその後健康を回復できるのかどうなのか、それとも再発するのか、する可能性が高いのか、もう既に転移をしているのか、それから、手術でするとしても、手術で全部がんを切除できるのかとか、非常に高度な判断の材料になる、一言で言うと縁の下の力持ちのような役割を担っていただいているのが病理医だということが言えます。

 このことは、繰り返しになりますけれども、希少がんに限ったことではありませんが、希少がんであればなおのこと、一体そのがんがどういう細胞に由来するものなのか、悪性度は高いのか低いのか、希少だけれども悪性度は低いというものもあるかもしれません、そういったことを議論する上で、病理医の方というのは非常に重要だと思います。

 それで、私どもも、平成二十四年の十二月ごろから、これではいけないということで、がん診療提供体制のあり方に関する検討会というものの中で、がん診療連携拠点病院等の指定要件について検討を行いまして、平成二十六年の一月には新たな指定要件というものを決めて、地域がん診療連携拠点病院の新指針では、病理診断について常勤を必須化、要するに、基準を厳格化したということでございます。

 厳しくすればいいというものでもありませんけれども、こういう形でかなり厳しくいたしましたので、このような取り組みによりまして、がん診療連携拠点病院における病理医の確保というものを進めてまいりたいと考えております。

浦野委員 拠点病院ではかなり病理医の確保が進んでいるということなんでしょうけれども、それでもやはり全国的に見れば、病理医が常勤している病院というのはなかなかないということは間違いないようなんですね。

 特に希少がんなんかは、その診断が非常に困難な場合があって、病院の病理医でもわからないという症例も年間五百症例ほどあるということなんですけれども、こういった判断がなかなかできないような症例は、東京大学や日本病理学会というところに持ち込まれて最終的な診断をしているそうなんですが、この日本病理学会さん等も、何か聞くところによると、事務員の人件費とかも全て学会が持ち出しで、維持管理費とかも全部学会が持ち出しで、自前で頑張っておられるということなんですけれども、それはそうなんですか。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 日本病理学会でどのような形で取り組んでおられるか、詳細は私どもちょっと承知をしておりませんが、例えば、ある病院で病理診断が必要になった場合に、例えば病理医がいない、そういう場合に病理診断をどうしていくか。そのために、遠隔病理診断という世界がございます。遠隔病理診断ですので、病理の、例えば顕微鏡の画像を遠くへ送る、その画像を受け取った側で病理医が診断をする、このようなシステムがあるわけでございます。

 これに対しまして、遠隔病理診断装置の整備に対するものにつきましては私どもで補助事業を行っておりますし、補助を受けたところが全国で約五十カ所ございます。

 さらに、実際の診療の場面でこの病理診断を行った場合には、診療報酬上、病理診断の判断料が算定できるという形になっておりまして、請求は、患者さんがおられる病院で請求をするわけですけれども、後は、その画像診断をした方の病院との間でお金のやりとりをしていただく、こういう仕組みになっているところでございます。

浦野委員 日本病理学会コンサルテーションシステムという、今おっしゃられたのは多分これのことになる、またちょっと違うんですかね、そういうのを利用して診断をしていっているということなんですけれども、これも、病理医が少ないというのが根本的にあるようで、なかなか大変だということなので、これはどんなシステムかまたちょっと調べていただいて、もし厚生労働省としてできることがあったらやっていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。

 次に、きょうは金融庁の方に来ていただいていますけれども、生命保険についてなんですね。

 きょうは、希少がん、がんについて重点的にいろいろ質問させていただいていますけれども、生命保険の中には、がんは普通にありますよね、がんの特約なんかは。最近は、リビングニーズ特約というのもかなり充実してきて、いろいろな保険が出てきました。

 これも希少がんの患者の方がおっしゃっていることなんですけれども、保険ではなかなか間に合わない、その場合、仕事ができなくなって生活が苦しくなって、最後の綱の生命保険すらも解約をせざるを得ないという方々が出てくる状況にあることがあるそうなんですね。そういったことというのは、本来避けなければいけない。これはもう最後の綱の保険ですから、それは避けないといけないんですけれども、ただ、もうそのときそのときの生活が苦しくて、その保険料も払えないというふうになってしまう患者さんがいらっしゃるそうです。

 聞くところによりますと、海外では、これは国がそういう買い取り制度をしているんじゃなくて、第三者のそういうところが買い取りをしているそうなんですけれども、そういった生命保険を買い取って、そのお金をまず最初に患者さんに渡して、ちゃんと、しっかりと生活基盤をつくってもらう、生活をしてもらうというふうな取り組みをされているということなんですけれども、こういったことを金融庁さんは御存じでしょうか。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 諸外国におけます生命保険の買い取り事業につきまして、詳細には承知しておりませんが、アメリカなど一部の欧米諸国におきまして、末期症患者に係る医療費等の資金ニーズへの対応や資産運用手段の一つとして、このような買い取り業務が行われているものと承知してございます。

 また、海外におけますこのような生命保険の買い取り事業に関する法的規制はさまざまではございますが、米国の多くの州あるいはイギリスにおきましては、契約者及び投資家の保護の観点から、買い取り業務を行うに当たりまして、免許の取得等が義務づけられているものと承知してございます。

 一方、我が国の保険業法におきましては、生命保険の買い取り事業に係る法的規制はございませんが、保険契約の売買に伴います保険契約者の変更には、保険約款上、保険会社の同意が必要とされているところでございます。

浦野委員 実際にそういったことをしている国が、制度としてそういう運用をされている国があるということですので、日本でやろうと思えば可能だとは私は思っているんですね。金融庁さんがそういうのを考えるのか、厚生労働省で考えるのか、それはちょっとわからないですけれども。

 ただ、最近、生命保険会社なんかは、外資系の生命保険会社がたくさんありますね。大手なんかは結構外資系であったりするわけです。そうしたら、外資系だから、多分そういうことを知っていると思うんですね、保険会社自体も。だから、私は、こういったことをできるかできないかも含めて、一度国で、そういう制度がもしできるのであれば考えたらいいんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 生命保険を本来の保険契約者の方から買い取る事業につきましては、存命中の生活療養等の資金の受領を希望する契約者の方は、買い取り会社に対しまして一般的に弱い立場にあるものと考えられまして、適正な価格で買い取られない可能性があるほか、いわゆる故殺等のモラルリスクを助長するおそれがあることから、慎重な検討が必要と考えるところでございます。

 ただ、一方で、保険会社におきましては、死亡保障ニーズから生存給付ニーズへのシフトなどに対応した多様な商品開発に取り組んでいるところでございまして、例えば、先ほど先生から御指摘のございました、被保険者の余命が六カ月以内と判断された場合には、存命中に死亡保険金を支払う制度であるリビングニーズ特約の付加を推進するなど、保険会社におきましても、生前の資金ニーズにも対応するものと承知しているところでございます。

 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、保険会社に対しまして、顧客に対するこのような商品に係る必要な情報提供を行うとともに、引き続き、多様な商品開発を進め、お客様の生前の資金ニーズにも応えられるように促してまいりたいと存じます。

浦野委員 田村大臣は、今のはどうですか。

田村国務大臣 所管外でございますから、今お話があったように、それぞれ、その商品自体を売る売らないというのは立場の問題もあるでしょうし、なかなか弱い立場の中において、どのようにそこを正確な価値判断をするのかという問題もあるでありましょうから、これは私が答えるべき問題ではないというふうに改めて感じます。

浦野委員 患者さんの人生、生活を豊かなものにするために、ありとあらゆる可能性を模索するというのは非常に大事かなと思っているんです。そういう意味で、きょうは、保険のことでしたので金融庁さんに来ていただきました。これは、一体どこがそういう仕組みを考えて、これは一義的には保険会社さんがそういう仕組みを考えるものなのかなとは思うんですけれども、保険会社を監督するのが金融庁さんでしたので、きょうは来ていただきました。ありがとうございました。

 何にせよ、大きな大きなまた一歩が踏み出せたということで、これからもいろいろとこの法案についても勉強しながら、いろいろな、患者さんのために何ができるかということを考えながらやっていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

後藤委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。

 本日は、難病医療法、児童福祉法改正案に関する審議ということであります。私は、難病対策について、時間を四十分いただきましたので、質問させていただきたいと思います。既に審議あるいは参考人質疑等で重複する点があるかもしれませんけれども、おつき合い願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、法案の位置づけについてお尋ねいたしたいと思います。

 難病対策の経緯であります。

 難病や小児慢性特定疾患は、いつ、誰の身に降りかかってくるかもわからないものであります。一旦病にかかれば、長い期間治療を続ける必要があり、しかも、いつ治るかの見通しもないものが多くございます。病とともに生活を続けていかなければならず、医療だけでなく、福祉などの支えが必要となると思います。医療費だけでなく、衣類あるいは食費、生活にいろいろな多くの費用が生じてくるために、個人や家族だけで背負っていくのは難しいというような状況になります。したがって、社会全体で支えていく仕組みをつくっていかなければならないものだと思っております。

 これまで、たび重なる制度変更がありましたが、今回の法改正では、難病の医療費助成が法律で明確に定められ、小児慢性特定疾患医療給付も義務的経費となることで、国の役割がこれまで以上にはっきりすることとなりました。そういう意味で、一歩前進した法改正だと認識しております。

 しかし、難病対策というのは今に始まったわけではありません。難病対策要綱が策定されてからもう四十年以上経過して、ようやく法律の制定に至ったというふうに認識しております。余りに長い時間がかかったわけでありますけれども、なぜこれほどまでの時間が必要であったのか、法改正の意義とあわせて大臣の見解をお尋ねいたしたいと思います。

田村国務大臣 この難病対策でありますけれども、歴史があるわけであります。スタートが、スモンに関して、これの原因等々がわからないという中において、どうするんだと、これがきっかけになって、この難病対策というものができ上がってきたわけであります。

 その流れの中で、対象疾患に関しても、やはり不公平感というものがどうしても生じる。入っている五十六疾患に関して言えば医療費助成の対応になるわけでありますが、しかし、それ以外はならない。

 一方で、予算事業でやってまいりましたので、本来、先ほど来も答弁させていただいておりますけれども、予算を使い切れば治療行為ができないわけであります。つまり、医療費助成ができないわけであります。ただ、そこは人道的な対応ということもございまして、都道府県でそれに対しては超過負担という形で御対応いただいてきた、そういう経緯もございます。

 そういうような状況の中で、一つは予算を、しっかり法律にのっとって、医療費助成という制度をつくるべきであるということでございまして、結果、この法案の中で法律的根拠を置きましたので、これからは、予算事業ではなく、しっかりと義務的経費として支出ができるという形になって、安定性が増すわけであります。

 あわせて、この五十六疾患というもの、しっかりとした要件をつくってこれを広げようということで、約三百ぐらいまで広げる。もちろん、それでもその中に入ってこられないところがあるわけでありますから、そこはまだ御不満が残るかもわかりません。

 ただ、今度、診断基準でありますとか、希少性というような一つの大きな、〇・一%程度というような基準をつくりましたので、それに合致すれば入ってこられるわけでございますので、そこは明確に、医療費助成というものの中に向かって、診断基準等々客観的なものをつくっていこう、これをいろいろ研究していこうという流れが出てくるわけでありますから、そこは一つ大きな前進なんだろうと思います。

 あわせて、医療費助成だけではなくて、やはり、これは療養でありますとか社会生活を支えなきゃならぬわけでありまして、そういう総合的な支援という意味でも、今般これを法律にしっかりと明記しておるわけでございまして、意味のある話になってきておるわけであります。

 小児の方も同じような話でありまして、財源的に安定していないということに関して、しっかり安定する、さらには、自立支援という部分もしっかり対応していかなきゃならないということでございまして、これも法律の中に明記しながら対応していくということでございます。

 今までいろいろとありました。それぞれ、難病、小児慢性特定疾病の皆様方のいろいろなお声をお聞きかせいただきながら、今般の法律改正案、また新法を提出させていただいたということでございます。

河野(正)委員 ありがとうございました。非常に丁寧に御答弁いただきました。

 国と地方の役割分担についてお尋ねいたしたいと思います。

 今、大臣の答弁にもありましたけれども、難病の特定疾患研究事業では、国と都道府県が二分の一ずつ費用を出すことになっていたということで、国が必要な予算がなくなってしまえば、都道府県の超過負担分が毎年積み重なっていったというふうに、今もおっしゃったとおりだと思います。

 いつごろから発生し、総額どれぐらいになっていたのか。そもそも国が財源確保をしっかりできなかった責任についてお答えいただけたらと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 議員の御質問の中にもありましたように、特定疾患治療研究事業につきましては、国が予算の範囲内でという枕言葉がつきまして、事業費の二分の一を事業の実施主体である都道府県に補助する、こういう仕組みになっていたわけです。

 超過負担ですけれども、ちょっと歴史をひもといてみますと、もう十五年以上も前から生じていたということになります。

 総額はということでしたので、直近の平成二十五年度を例にとりますと、総事業費は千三百四十二億円ですので、本来ならば国は六百七十一億円ぐらいを負担すべきところですが、国庫補助額は四百四十億円にとどまりましたので、交付率は六五%ということになります。都道府県には、その差額でございます二百三十一億円を多目に支払っていただく、つまり超過負担が生じていた、こういうことになります。これを年次推移的にグラフに描いて見てみますと、大体ですけれども、おおむね六〇%から七〇%ぐらいしか、本来出すべき補助額の六割から七割ぐらいの間で上下をしていたということになります。

 そして、三つ目としまして、では、なぜこんな超過負担が生じたのかということです。

 さっき枕言葉と言いましたけれども、予算の範囲内でということの中で、一方では、対象疾患の拡大を求める声が多うございました。最初、スタートのときには八疾患ぐらいだったんですけれども、その後、一定の期間がたつごとに、一つとか二つとかあるいは三つとか追加をされていくということでございました。そうした中で、国の財政状況もなかなか厳しくなってまいりまして、なかなか追加ができない、追加をするとしても、たくさんの疾患を追加することはできないという状況が続いて、今日に至っております。言葉をかえて言えば、対象疾患の拡大を求める声が強いので、それに応えようと思って対象疾患をふやすということが一方にはあったと思います。

 それから、これは高齢化とかあるいは人口構成の変化とかともある程度関係があると思いますけれども、今申し上げました対象疾患の拡大とあわせて、そういう対象患者数の大幅な増加があったということが二つ目でございます。

 それから、三つ目が、これはしつこく何度か申し上げておりますけれども、予算の範囲内でということで、法的裏づけがない裁量的経費でやっておりますので、予算確保でしばしば困難を来したということです。

 こうしたことが、結果として、先ほど申し上げましたような、都道府県の皆様方に超過負担を生じせしめる、こういうことになったというふうに理解をしております。

河野(正)委員 少しずつ対象疾患がふえて患者さんもふえてきたということで、たしかこれは数が国家試験に出るとかいうので、局長も今うなずいておられましたけれども、これを皆さん、大体医学生は覚えていて、まだ僕らのころは、たしか三十あったかな、それぐらいで、覚えられる範囲内だったんですが、これからの学生さんは大変だなと思って伺っておりました。そういうふうに拡大されてきたということであります。

 これは、都道府県がかなり超過負担していたわけですけれども、都道府県との協議とか、苦情というのは出てこなかったんでしょうか。お聞かせください。

佐藤政府参考人 私自身も県に人事交流の形で九年近く出ていたことがあるんですが、県の立場にいるころは、やはり、超過負担の解消をよろしくお願いしますといって国にお願いをしたという経緯がありますし、私のように課長や部長で行ったほかの同僚ないしは地元の部長さんや課長さんも、やはり同じ思いで、超過負担というようなことは、地方と国との役割分担という観点からもよくないというような声を皆さん上げていらっしゃったというふうに記憶します。

河野(正)委員 ありがとうございました。佐藤局長は我が県にもおられたと思いますので、その辺で苦情は受けておられたんだと思います。

 今回、法律では、国は、「財政的援助を与えることに努めなければならない。」と規定されました。今後、そういうふうに義務的経費となることで、都道府県の超過負担は生じないと約束していただけるのでしょうか。見解をお聞かせください。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 これは、きょうの御審議の中でも大臣から再三お話がございましたけれども、難病の新たな医療費助成制度におきましては、法定給付化されるということでございまして、また、その費用としては、もうこれも言うまでもありませんが、消費税の収入を充てて安定的な制度の構築を図る、こういうことになっております。

 具体的には、法案において、医療費助成に係る費用については国が百分の五十を負担するということで、義務的経費化されました。これによりまして、都道府県の超過負担は解消されるものというふうに考えます。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 次に、自己負担額の見直しについてお尋ねをいたしたいと思います。

 今回の自己負担額見直しの議論では、当初示された厚生労働省案は、月当たり四万四千四百円ということであったと思います。これを受けて、患者団体を中心に大きな反発の声が出たというふうに聞いております。

 その後の検討によりまして、金額が減らされ、現在の金額に落ちついたということだと思いますが、こうした議論の経過、あわせて、なぜ当初の厚生労働省案は見直されたのかについてお尋ねいたしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今御質問の中にもありましたように、自己負担、とりわけその上限額をどうするのかということにつきまして、当初は、昨年一月に取りまとめられました難病対策委員会の提言を踏まえまして、そのときは高齢者の高額療養費制度を参考にして、そして、それを昨年十月、秋に難病対策委員会に素案を示し、御議論をいただき、その結果を公表するということであったわけです。

 その後、自民党、公明党はもちろんのこと、野党の先生方からの御指摘はもちろん、それから患者さんの皆様から公式なお話を聞く機会も設けましたし、個別にも申し入れ書や意見書のような形でいただきました。また、新聞を含めたマスコミ等でもいろいろと報道があったことも承知をしております。そうした中で、国会での議論でもそうだったんですけれども、障害者医療並みとしてほしいという声もありましたので、その後、調整をいたしまして、自己負担の上限の額については自立支援医療並びということで設定をして、今般お示しをしているということでございます。

 また、単に自立支援医療並びではありませんで、高額な医療を継続して必要とする方、人工呼吸器を装着している方、あるいは、現在、医療費の助成を受けておられる方、既認定者とこれまで何度か申し上げておりますけれども、こうした方に配慮をすることということで、公費負担も必要な額を確保して、現在お示しをしている案になっております。

河野(正)委員 ちょっと繰り返しになりますけれども、本法案では、施行後五年を目途に、見直し規定というのがあると思います。これに関しまして、当初からは低い金額になってよかったわけなんですけれども、自己負担額が当初予定案に戻ってしまわないか、上がってこないかと懸念する声もありますので、その辺、五年後の見直しのときはいかがでしょうか。

佐藤政府参考人 先ほど御答弁申し上げたことと繰り返しになりますので、ちょっと省略をしてポイントをお話しさせていただきますが、高齢者の高額療養費並みということでさまざまな御意見をいただき、現行のように、障害者の医療制度、すなわち自立支援医療を参考にして設定するとしたところでございますから、五年後を目途としている法律の規定の見直しの際には、今申し上げましたような経緯、それから、法施行後にまたいろいろな御意見もいただきますでしょうし、生活状況や、あるいは医学、医療の進歩というものもあるかもしれませんので、そうしたことを総合的に勘案して検討を行っていくことになるだろうと思います。

河野(正)委員 次に、制度の複雑さということで質問させていただきます。

 まず、公費負担医療についてでありますけれども、特定疾患治療研究事業、難病、あるいは自立支援育成医療、養育医療、未熟児ですね、育成医療、結核、小児慢性特定疾患治療研究事業などなど、子供を対象とするだけでも公費負担医療制度は幾つも存在しております。

 仕組みが多くて、一般に親御さんとかはわかりにくい制度じゃないかなと思いますけれども、この辺についてはどういうふうに考えておられるでしょうか。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、小児慢性特定疾病医療でございますが、これは、慢性的な疾病にかかっていることにより、長期にわたって療養を必要とする児童等に対して治療を行うことを基本としているものでございます。根本的な治療ができない、治療方法がわかっていないようなものも含まれている、そういう類いのものでございます。

 他方で、育成医療でございますが、これは、身体障害を有する児童、または現存する疾病が治療を行わなければ将来的に身体障害を残すと認められる児童に対して、確実な治療の効果が期待される場合に手術による外科的な治療を行うことを基本としております。例えば人工間接置換術だとか、あるいはペースメーカーを埋め込みして手術を行うとか、そういったようにかなり限定的なものとなっているわけでございます。

 このように、二つの医療費助成制度、趣旨が異なっておりますので、それぞれの患者の状況に応じて適切な制度を利用していただくことが適当と考えておりますし、そういう形できちっと誘導していくというんでしょうか、そういうことは必要ではないかなというふうに考えております。

河野(正)委員 非常に複雑な制度がいろいろありまして、例えば、具体的に言いますと、子供の先天性心疾患の治療は、自立支援医療、養育医療、小児慢性特定疾患医療給付の対象になり得るわけであります。

 患者さんやその家族は、病気の治療やケアに取り組みながらそうした制度の情報を集めて、自分の子供がどの制度の対象になっていくのか、どの仕組みを使っていくのがいいのか調べて取捨選択し、書類を取り寄せ、必要書類をそろえて提出し、役所に持っていきます。そして、その後ようやく審査を経て支援の可否が決まるわけであります。

 申請に当たりまして、具体的には、それぞれ申請書、あるいは医療意見書、世帯調書、収入を証明する書類、健康保険証など、いろいろなものを持って診療を受ける医療機関に行かなければなりません。また、医療機関がかわればその都度申請する必要があるということですし、年度ごとに更新作業というのも必要になってくるというふうに聞いております。

 余りにも複雑であり、手間もかかるわけであります。申請を受ける役所の側も、制度のどれがふさわしいのかを判断していかなければなりません。非常に事務負担が大き過ぎるのではないかという意見がありますが、これらについて、こういう制度を並立していく意義というのはあるんでしょうか。

石井政府参考人 委員がおっしゃったのは、要はわかりやすさということなんだろうと思います。

 ただ、それぞれの医療の制度はかなり特定されておりまして、それなりに目的は明確でありますので、そこに対してきちっとわかりやすく示していく、ガイドしていくということを徹底していくということによって対応を万全なものにしていきたいというふうに考えております。

河野(正)委員 では、所得制限ということの存在についてお尋ねをいたします。

 実は、所得階層ごとに負担額が変わってまいります。そのため、毎年度、所得の確認が必要となるということになります。

 果たして、難病対策等に所得制限という仕組み、考え方が必要なのでしょうか。所得に応じて税金をきちんと支払っている、高額所得者は、それに応じた高い税金を納めているわけでもあります。個々の制度でそれぞれ所得制限を設けることが果たして妥当なのかという観点であります。

 所得制限による事務コストと所得制限により生まれてくる財源、本当に見合っているのでありましょうか。こういった制度、難病の方を支えていくということを考えれば、こういう所得制限とかを設けずにもっと簡単な運用ができないのかという観点から、制度を支えていくに当たって所得制限というのを設ける必要があるのかどうか、その点についてお聞かせください。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 ここまで御審議をいただきましたように、今回の難病の医療費助成の見直しというのは、消費税収を活用いたしまして、対象疾病を拡大する、あわせて法定給付化するということが一つのポイントでございます。その心は、社会全体で難病患者を支える公平でかつ安定的な仕組みということが言われるわけでございます。

 したがいまして、患者負担についても、冒頭の御質問の中でもお答えをしてまいりましたように、障害者医療など他の法定化された医療費助成制度を参考にして、実際にはもうほぼ同様の仕組みとして、全ての対象者の皆様方に、少額といえども負担能力に応じて一定の御負担をお願いするという仕組みで御提示をしているわけでございます。

 事務手続が大変だということでございましたけれども、現状では、その際の負担能力を確認させていただくという意味で、毎年の所得確認とそのための書類をお願いするということになっております。

 いずれにしましても、私どもも一国民としてそうですけれども、こうした事務手続がなかなか難しい、大変だ、とりわけ病気をされていると大変だという声は承知しておりますし、こういうことが今後ともより使いやすい制度となるよう改善の方向があるのかどうか、検討してまいる所存でございます。

河野(正)委員 難病にかかる可能性というのは誰にでもあります。難病への備えを自己責任でカバーするのは非常に困難で、先ほどおっしゃいましたように、公平、安定、あるいは社会でちゃんとフォローしていかなければいけない。

 実際、難病にかかれば、所得の多い少ないにかかわらず、その後の生活というのは非常に大きく変わっていってしまいます。収入も家族の負担も生活も、これに備えていくには民間の医療保険だけでは十分とは言えません。まして、小児慢性特定疾患に支えられる子供たちは、その後、民間医療保険への加入も困難でありますでしょうし、負担は一生涯続いていくこともあります。個人の責任で背負っていくには余りにも重たいものではないかなと思っております。先ほど我が党の浦野委員の方からもお話が出ておりましたけれども、こういった保険というのもなかなか難しい問題があると思います。

 親にとって、自分たちが死んだ後、子供さんたちがちゃんと暮らしていけるのか、そうした将来の不安はとてつもなく大きいものであると認識しております。私も精神科の医師をしておりまして、そのときに、極めて多くの親御さんが、自分たちが高齢になって、娘さん、息子さんが自分たちが死んだ後にどうやって生活していくのだろうかということを本当に懸念されて、何とか生活基盤をつくってあげなければいけないということで頭を悩ませていた方がたくさんおられます。そういったのを見てまいりました。

 今回の法改正によって、そうした社会に向けた第一歩と考えていいのか、ちゃんと親御さんたちが安心していけるようなシステムになっていくのか、大臣、よろしければ御見解を伺いたいと思います。

田村国務大臣 親の皆さんが、みずからがお亡くなりになられた後、残されたお子さんが小児慢性特定疾病であるということでお悩みであると。

 これは、お子さんが小さいうちにもし親御さんが亡くなられれば、それはまだ児童という世界でございますから、例えばどういう形になるのか。児童養護施設にお住まいになられながら、例えば小慢のいろいろな事業を受けられ、場合によっては、その中での相談支援でありますとか、地域支援協議会等々の中においてどのようなサービス等々を受けるか。もちろん、それは医療費助成というものもあるわけでありますから、そういう中において御生活をされるという形になるんだろうと思います。

 成人されるということになれば、状況の中において、今まで受けておられた医療サービスが受けられるかどうかというのは、これは難病の方の、指定難病に指定されるかどうかという問題でございますから、それで医療サービスが受けられるかどうかというのはそこでいろいろと分かれるわけでありますが、いずれにいたしましても、就労支援等々いろいろなサービスの中で、みずから自立される方は自立をされていかれるのであろうと思いますし、難病をお持ちで一方で障害者認定を受けられる方に関しては、障害福祉サービスを受けながら、もしくは、難病の中でも一定の範囲の中においては障害福祉サービスを受けられますから、それを受けていただきながら日々御生活をされるという話になると思います。

 いずれにいたしましても、今般の法律改正において、いろいろと法律の中に明記をさせていただきました。難病の場合には基本方針の中にも書かせていただきます。こういうものを受けてのいろいろな対応と、それから一方で福祉サービス、それ以外にも障害福祉サービスなどもございますので、そういうものを組み合わせながら生活をされる。例えば、障害が重い場合には、その場合に住まいというような場もあるわけでございますから、そこにお住まいになられながら、治療もしながらという話になってくるのかもわかりません。

 さまざまな制度を利用していただきながら、これはよく障害者の親御さんも同じような御心配をお持ちいただきながらいつも御意見をいただくわけでございますが、この親亡き後の問題というのは大変大きな課題でございますので、これからもしっかりといろいろな施策を対応してまいりたい、このように考えております。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 本当にいろいろな方から、子供たちは、自分が頑張って生きていかないと、自分たちが死んだ後路頭に迷う、あるいは大変なことになるんじゃないのかと心配していらっしゃる方の声をたくさん聞いておりますので、そういったしっかりとした制度を、道筋をつけられるようなシステムあるいは受け皿というのをつくっていかなければいけない問題だと思いますので、しっかりと検討していただきたいと思います。

 次に、自治体ごとに格差といいますか、いろいろ医療費助成について差があるということをお聞きしたいと思います。

 子供を対象に医療費を助成する仕組みを設けている自治体はたくさんあると思います。制度の中身を見ますと、これがさまざまでありまして、対象年齢、通院と入院によって区別される、あるいは所得制限の有無など、多岐にわたっております。

 一例として、私のふるさとであります福岡県の例でいいますと、乳幼児医療費支給制度を設け、就学前までの乳幼児について、三歳未満は無料、三歳以上は、所得制限の上、入院で一日五百円、上限が月七日、通院は上限が月六百円などとしております。

 こういった制度、実施主体は市町村のために、各自治体で所得制限であるとか負担内容の差が生じているわけであります。これは国の方も調査をされているというふうに思いますけれども、こういった地域によってかなり格差があるということについて、厚生労働省としてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 委員も御案内のとおり、乳幼児の医療費助成制度の関係で自治体はさまざまな施策を独自に展開されておられまして、また、私どもも毎年その状況につきまして調査をして、公表しているところでございます。

 二十五年の四月一日現在で申し上げますと、ほとんどの自治体で導入しております。対象年齢で多いのは、やはり就学前までで対応するのが多いわけでございますが、一県でございますが、十八歳年度末まで通院、入院とも対応されているところもございますし、また、所得制限を設けているところ、設けていないところ、自己負担があるところ、ないところ、これはかなりさまざまであろうかと思います。

 そういう状況は認識をしているところでございますけれども、国におきましては、医療保険制度における自己負担割合を三割から二割に軽減する措置の対象について、平成二十年度からは三歳未満の乳幼児から小学校入学前の子供まで拡大をした、ここまでは国として足並みをそろえるというんでしょうか、統一的な形で対応したところでございます。

 ただ、全ての乳幼児の医療費負担を仮に公費によって助成をして、さらに軽減する、そのことによって少し差が縮まるということには確かになると思うわけでございますが、それは、現在の厳しい財政状況のもとで、医療提供体制の確保とか、あるいは保育等の他の子ども・子育て関連施策との均衡、バランスを勘案しますと、なかなか難しいなというふうに考えております。

 以上でございます。

河野(正)委員 また、この法案で一つ問題点として、小児慢性特定疾患の議論では、今後の検討課題として、成人期へのトランジションの問題が残っているのかと思います。小児慢性特定疾患の対象でありながら難病の支援対象でないばかりに、身体状況は変わらないにもかかわらず、医療や福祉の支援が二十歳以降途切れてしまうという問題であります。制度の縦割りの問題でもあるかと思います。

 この観点からも、身体の状況に注目した制度づくりが求められるのではないかと思いますが、このトランジションの問題に関する今後の取り組みについて見解をお聞かせいただきたいと思います。

石井政府参考人 小児慢性特定疾病を抱える患者については、現在も、児童の健全育成の観点から、医療費助成に限らず、相談支援等を行っているところでございますが、やはり成人期に向けた切れ目のない支援によって自立支援をしっかり図っていく、これが何より肝要ではないかと思っております。

 成人後の医療費助成でございますが、まずは、この委員会でもたびたび出ておりますが、難病に係る医療費助成の新たな制度を構築する中で、その対象疾病を拡大することとしているほか、引き続き、それぞれの患者の状況に応じて、障害者総合支援法に基づく自立支援医療など、既存の医療費助成制度等による支援を行っていきたいと考えております。

 また、成人期に向けた地域における自立支援の充実を図るために、今回の法律案では、新たに、地方自治体、医療、教育などの関係者が一体となって自立支援を行うための事業を法定化、この負担金という形で財源もかなりしっかりとしたものでございますが、必要な予算を平成二十六年度予算に盛り込んでいるところでございます。

 今後とも、この新たな枠組みを活用しまして、子供たちが地域の中で自立して働いていけるような形を目指して、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 幾つも問題点を用意してきてはいたんですけれども、もうあと十分を切る時間になりましたので、最後にちょっと、私が今非常に問題意識を持ってやっている点についてお話をさせていただきたいと思います。

 実は、お手元にこういった資料をお配りしているかと思います。

 これは、実は、私、四月二日の内閣委員会で、いわゆる日本版NIH、この言葉は使っちゃいけないと言われながら使っていますけれども、この日本版NIHで質問をさせていただいたときに、担当大臣、菅官房長官にいろいろお尋ねしたところであります。本日は、担当大臣が田村厚生労働大臣でございますので、改めて、新薬創出・適応外薬解消等促進加算についてということでお聞きしたいと思います。

 実は、この前の内閣委員会の論点では、私は、これは七百億円ぐらいの支出がある、もともと診療報酬が今上がらないという残念な状況にありますので、診療報酬が上がらないならば、診療報酬は適正に、日本で働いている、日本で汗を流している医療従事者に配分されるようにしていただきたいという論点からやってまいりました。ですから、七百億円あるのであれば、ちゃんと日本の企業が潤っていくような状態にして、ちゃんと日本の医療従事者に回っていかなければいけないんじゃないのかという観点でいきました。

 右側の資料二の方を見ていただいたらわかるかと思うんですけれども、新薬創出加算、年間約七百億円あります。これは、左の方の図を見ていただくとわかるんですけれども、厚生労働委員会の先生方は御存じかもしれませんが、年々、薬というのは薬価が下げられていくという状況にありますので、なかなか開発意欲がなくなってしまう。莫大な予算をかけて新薬を開発したところで、やはり年ごとに少しずつ値段が安くなってしまうのであればちゃんと回収ができないということになっていくわけですから、そういった意味で、一定期間は高値のまま保とうということのシステムで試行、まだこれは正式ではなく、試行されている状況が続いていると思います。

 これは、右側の資料を見ていただくと、順位がずっと書いてあるんですけれども、ほとんど外資系の会社なんですよ。

 一位、アステラス製薬。医療界の先生は御承知のように、アステラスというのは、もともと山之内と藤沢が合併してできた会社で、「明日を照らすアステラス製薬」というふうにやっていたのを覚えているんですけれども。ですから、日本のメーカーでよかったなと私は思いまして、一位だけでもやはり日本なのかということで思ったんですが、アステラス製薬の、二〇〇五年四月に誕生したわけですけれども、調べてみたら、株式の五〇%以上が海外なんです。しかも、アステラス製薬とかのお薬というのは、結構海外から輸入してきて売っているものが多いので、ほとんど外国に流出していってしまう、流出という言葉が適当かどうかわかりませんけれども。

 それで、今度、五位に中外製薬。これはしっかりと日本の名前かなと思われるかもしれませんが、中外製薬さんは、実は、ロシュ・ホールディング・リミテッド、スイスの会社でして、ロシュ・ホールディング・リミテッドが五九・八九%、ロシュ以外の外国法人が一六・〇九%、合計すると七五・九八%が外資ということであります。

 ということは、ほとんど、ここに出ているメーカーさんが海外が絡んでいるメーカーであるということになります。そうなってくると、我々医療の現場で働いていた者にすると、非常に製薬会社が、雰囲気でわかるんです、雰囲気というのは余りエビデンスがないですけれども、株式の投資の、投資家の方を向いてやっているような気がしてならなかったわけであります。

 そういった観点からすると、今回の法案審議の話に戻りますと、実は、小児とかあるいは難病疾患というのは、今回規定されていましたように、難病の定義というのがたしか出ていたと思いますけれども、非常に少ない数でなければいけないということで、今回は難病の定義として、発病の機構が明らかではなく、治療方法が確立していない希少な疾患であって、長期の療養を必要とするもの、医療費助成の対象となる指定難病では、患者数が本邦において一定の人数に達しないことというふうにあります。一定の人数とは、人口の〇・一%程度以下であることが想定されているようでございます。

 そうなってきますと、非常に少ない患者さん、仮に、本当に薬を大変な思いをして開発費をかけて製品化したところで、市場で売れる数がわずかな数になってしまうと思います。そういったときに、資本家の方ばかり、これは一〇〇%悪いとは言いませんけれども、どうしても資本家の顔色をうかがってやっているような企業がもし多いのであれば、少数の患者さんは切り捨てられちゃうんじゃないのかなと。

 その点について、厚生省として、大臣、お考えはいかがでしょうか。

田村国務大臣 新薬創出・適応外薬解消促進加算でありますが、この中で、アステラスが外資が五〇%以上入っているというのは、多分、一社等々で持っているんじゃなくて、外資が全体で五〇を超えているという話なんだろう。そうなんですよね、多分。だろうと思いますけれども……(河野(正)委員「アステラスは五二%です」と呼ぶ)要するに、一社でどこかが、ホールディングスが持っているという話じゃなくてということでしょう。

 それは、日本の企業はそういう企業はいっぱいあるわけでありまして、これだけ外国の投資家が日本の株式市場に入ってまいりますと、またそれで株が上がっていくという部分もございますから、そこは一概に否定する話ではないんだろうと思います。

 この新薬創出・適応外薬解消促進加算でありますが、そもそも、新薬創出という部分、つまり画期的新薬に対してちゃんとした評価をするという部分と、それからもう一つ、未承認薬や適応外薬を、要するに開発してもらわないとそもそも薬事承認どころか申請も出てきませんから、まず開発に着手してもらうという必要があるんです。

 希少疾病に対する治療薬等々、こういうものはもうからないから、要は製薬会社はつくらない可能性があるわけですね。ちゃんとこちらから開発要請をしたものに関して、つくってもらえますね、開発してもらえますねということを条件でつけている加算でございますから、それを拒否されるとこの加算がつかないわけでありまして、実際問題、今、百八十五件開発要請をして、これは第一回目の要望で百八十五件が開発済みであります。それから、第二回要望では九十八件中九十二件が開発済みということでございまして、成果が出てきておるわけでございます。

 これは、それこそ希少疾患に苦しむ患者の皆さんのためにも、こういう制度で、メリットもあるけれども、やるべき義務を果たしてくださいねというような形で対応した方が、そういう方々のための薬が開発、そして薬事申請されるであろうという認識のもとでやっております。

 なお、日本の製薬会社と海外の製薬会社、それを別に差別しているわけじゃないので、この制度の中で競い合っている中でこういう状況であるというのと、日本の製薬企業はもうこれに対しては評価をいただいておりまして、決して、外資ばかりもうけているから、日本の製薬会社が我々はこれは反対だと言っているわけではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。

河野(正)委員 ありがとうございました。

 私も、外国資本であっても、しっかりそこで開発がされて、日本の患者さんにとっていい薬あるいは医療機械が出てくればいいことでありますので、その点は批判とかするものではないんですけれども、やはりその辺、難病疾患、少数な患者さんの疾病というのが切り捨てられないように、しっかりそこは見守っていただきたいなという意味で、あえてここのところでちょっと質問をさせていただきました。

 時間が来ましたので、これで質問を終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 先週の金曜日に引き続きまして、本日、難病の患者に対する医療等に関する法律案、児童福祉法の一部を改正する法律案ということで、昨日は、参考人質疑ということで、さまざまなお立場の方からそれぞれのお話をいただきました。大変印象的だった部分もございますので、その辺についてもきょうの質疑の中で取り上げさせていただければなというふうに思っております。

 前回は私、今回、難病対策が法制化された、そして、五十六疾患から三百疾患へと拡充をしたこと、それは一定の評価をしつつ、やはりきょうも何点か他党の先生方からも御指摘がございましたように、希少性、さらに診断基準の確立等、一定の要件を盛り込んでおる。やはり、診断基準、数にかかわらず、苦しんでおられる方、私、前回も言ったように、日常的に診させていただいている立場からいたしますと、どうも喉に何か詰まったような、すっきりしない、そんな思いがあるわけです。

 先週の最後は、そのような話の中から、申請にかかわる部分、私も、難病指定の場合、更新の際、指定医と連携をとったかかりつけ医が更新申請できるということで、ただ、やはり年に一回はしっかりと専門の医師に診ていただかないと、我々専門ではないので、加齢による変化とか、日内変動がある患者さん等、どのように変化していくのか診づらい。

 ただ、一方では、きょうも御質問の中にありました指定医、地域偏在ですね。もともと医師偏在という状況の中で、その専門性を持った医者が各地域にちゃんと配備されるか。そして、ほぼ寝たきりのような重病患者さん、難病患者さんに至っては、やはり年に一回でも通院するのは難しい。

 そういう中で、私、実際に日ごろやっているわけですが、神経疾患の方であれば、理学療法士とか作業療法士とか、筋力の測定等はそちらが専門性が高いわけですね。そういった人たちをうまく利用して、それをもとに、しっかりとした計測結果があれば、判定結果があれば、それを私が通して専門医の医師に診てもらう、もしくは、個人的に、私、昼飯をおごりながら、日曜日に来てもらって往診してもらうとか、そういういろいろ方法をとるわけです。

 更新の手続も、難病の患者さんは単一疾患ではないわけで、先ほど加齢と言いましたけれども、やはり年々年もとられる、もしくは違う病気も合併することもある。きのうの希少がんの方であれば、免疫治療等をした結果、難病を併発してしまう方もいる。

 そういうことの中で、その更新手続、申請手続のあり方もいろいろ工夫をなさったらいかがか、そのような質問で終わらせていただきました。

 きょうは、引き続いてというわけではないんですが、重症度分類について、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。

 現行の医療費助成の対象疾病である五十六疾病のうち、十二疾病で重症度分類を勘案していて、症状の程度が一定以上である方を医療費助成の対象とされる。新制度では、全ての疾病に対し重症度分類を適用することとされておりますが、よって、軽症者は医療費助成の対象外となる。

 具体的にどのような重症度分類を用いるのか、また、重症度分類の設定のどの範囲を医療費助成の対象とするのか、今考えられていることをお尋ねしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 今先生の御質問の中にもありましたように、現行の難病の医療費助成におきましても、例えばパーキンソンに代表されるような十二の疾患につきましては、一定の重症度以上の患者のみを助成の対象としておりますので、こういう仕組みがあります。

 そうした中で、では、新しく、まあ三百ぐらいだということでここまで審議をいただいておりますけれども、医療費助成の対象患者については、症状の程度が重症度分類等で一定以上だということでありまして、また、日常生活または社会生活に支障がある者、こうしております。

 これもこれまでの審議の中でいろいろとお話をしてきましたけれども、一言で難病と言いましても、神経難病もあれば、消化器系の難病もあれば、感覚機能の難病もあるので、きょうこの時点で、重症度基準というのはこういうふうなものを考えていますとか、こうなるでしょうというようなことをちょっと明示、明言できないわけです。

 今あります十二の疾患を見ていただいて、そのときの重症度の基準みたいなものが、先生は医師でいらっしゃいますので大体の御想像はつくのではないかと思いますけれども、私どもも、現在設定をしているこの重症度分類なども参考にしながら、それから一方で、研究班の方で御検討もいただいておりますので、その研究班の成果とあわせながら、法案成立後、厚生科学審議会において、公平に、かつ、科学的に検討していただくこととしております。

中島委員 今回、改正で、要するに五十六から三百ということで、かなり広いわけですよね。従来は五十六疾患で医療費助成の対象になっておったわけですが、今回、重症度分類を全てにおいてやるということですから、軽症者は医療費助成の対象外となる。やはり、今、医療費助成を受けている方にとっては、この重症度は大変関心深いのじゃないかというふうに思うんです。

 これは、全ての疾患、要するに三百近くに対して全て重症度分類を設けるというのは、大変な作業というか、さっき医師だからと言っていただきましたけれども、もともと難病ですから、やはり原因がはっきりしないことが多いわけです。免疫疾患なのか炎症性疾患なのか、例えば肝硬変であれば、アルブミンの値がこうだ、腹水がこうだとか、PT活性がどうだ、そういう評価の基準として重症度を判断するわけです。

 難病に至って、今回、軽症者に至っては医療費助成の対象にならないということであれば、また前回の質問とかぶるかもしれませんが、その一つに、客観的な評価ができない、イコールどういうところで重症度を判定するかといえば、先日も言ったように介護が必要だとか、要するに生活そのものに支障が出る。

 原因が定かでない、ただ、結果的に病状が悪い、歩けなくなってしまう、そういったところをやはり勘案していかないと、もともと診断、検査自体ではっきりしない、だから治療の方法がなかなか見つからない難病ということなので、そうなってくると、今現在、またこれから検討ということなんですが、やはり重症度の指標に、実際に生活に支障がある、今後介護が必要になるんじゃないか、寝たきり状態である、そういったものをぜひ重症度の中に勘案していただけるような検討を進めていただきたいんですが、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 先ほどから何度も申し上げておりますように、難病と一言で言っても、病像、病態がある程度はっきりしていて、したがって疾患の診断基準もはっきりしていて、さらには重症度の分類も極めて客観的なデータでもって診断基準が示せるものから、そうでないもの、先ほど御質疑の中にもありましたように、診断基準に類するものがあるという程度のものもありましょう。それからまた、場合によってはそういうものもなかなか決めがたくて、例えば心臓の機能だけに着目する、あるいは呼吸器の機能に着目するということもあるんだろうと思います。

 そういう意味で、大変な作業になるんじゃないかとおっしゃいましたけれども、まさにそのとおりでございまして、これから研究班の成果と突き合わせをしながら検討していただくという大変な作業が出てまいります。

 また、その際、日常生活または社会生活の支障の程度というものも考慮するんじゃないのかとおっしゃってくださいましたけれども、今の十二の疾患の中でも、生活機能の障害度であるとか、日常生活に支障があるというのも一つの基準、物差しにしておりますので、こうしたことも参考にしながら、この三百についてこれから御検討いただくこととしております。

中島委員 先ほども言ったように、今回、その重症度で軽症者となった場合には、医療費助成の適用外になるということですね。今言った日常生活に支障がある等、現在ではそうだということなんですが、今回、三百疾患と、三百以上になるのかどうかちょっとまだはっきりわかりませんが、その辺について、きのうの参考人質疑でもありました。一番最後の橋本参考人、線維筋痛症の方ですね。今回の要件を見たら、線維筋痛症は難病指定はされない、もうはっきり判断されてしまうわけですね。

 なぜかというと、当然ながら、私、がんの末期の方もたくさん診させていただいておりますが、痛みというのは検査所見で出ないわけですね。客観的な評価が非常にしづらい。そういう中で、実際には寝たきりになってしまったり、そういったものをどういうふうに重症度をしていくのか。

 従来どおりであればまたあれなんでしょうけれども、今回、その重症度判定を重用して、軽症者に対しては医療費助成の適用外ということであれば、三百疾患に広がっても、やはり日常生活自体に支障があるんだということは、ぜひ盛り込んでいただかなければいけないかなというふうに思います。

 難病対策委員会の中でも、疾病によって患者が必要としているものが異なって、指標もさまざまであることから、疾病ごとに重症度分類を設定し、必要に応じて疾病横断的な重症度分類を用いるのがよいのではないかとの意見も出されたとも聞いておりますし、これまで、患者数の増加によって希少性の要件を超えている疾病については、軽症者を医療費助成の対象から外すことが検討されたことがあったものの、各方面から反対意見が示されたことを受け、実現しなかった、そのような経緯があったということも聞いております。

 重症度分類については、適切な基準、なかなか難しいと思うんですが、何度も言うようですが、もともと原因がはっきりしないわけでして、ただ、生活に支障が出てしまったり、日内変動があったり、横断的といってもなかなか難しい。

 ただ、今回、医療費助成の部分が加わるということで、きのうの参考人質疑の中でもございましたように、やはり、苦しんでおられる方、それが認められていない、認められないんだという悲しみというか、そういったことは非常に大きいと思いますので、広く納得を得られる仕組みとするように、なおかつ、日常生活の要件を勘案していただけるような重症度分類を検討していただきたいなというふうに思います。

 そうなってきますと、前回も言ったんですが、介護保険とのかかわりということで、実際に生活されていく上で、もちろん、介護保険というのは、その理念も、これから迎える高齢者に対しての理念というたてつけでございますから、保険者、被保険者という関係の中で、今の状況では誰しもがというふうにいかないのはよくわかります。ただ、現実に地域において、お子さんにしても若年の方にしても、介護が必要な方にそのサービスがうまく適用できるように、先日、田村大臣の御答弁の中で、そういう意見もあって、議論をされておることも確かだというふうにお聞きしました。

 ぜひ、介護保険改革というのはこれからあるとは思うんですが、私は、どちらかというとそちら側へと方向性を見出して、介護保険がせっかく多くの方の努力でここまで地域に広がった、それを小児慢性疾患の子や若年のがんの方、希少がんの方、そういった方にうまく応用できるような、そういうふうにしていただきたいなと思うわけです。

 それで、その先日の大臣の答弁の中でもございました。実際に、今、四十歳以上が介護保険料を払ってはおるわけですが、では、それを引き下げて理解が得られるのかどうか。

 確かにそのとおりだとは思うんですが、実際に、難病、小児慢性疾患、若年のがん末期、地域の介護保険サービスの支援を受ける需要というか、サービスを受けたいと。きのうの参考人の中でもあったんです。私はたまたま地域の介護保険のサービスを受けられた、それは訪問入浴であり、そういったものを受けられたからよかったんだけれども、そうじゃない人たちもたくさんいるんだというお話もあったんです。

 実際に厚生労働省として、もちろん保険者ではないんですが、そのような需要がある方を調べておられるのかどうかとともに、もし調べておられないのであれば、これは本当にサンプルでもいいと思うんです、ある都道府県でもいいんですが、そういったところでそういう方々がどのくらいいるのか、調べていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 平成二十二年度に、委託調査の形で、難病及び小児慢性特定疾患の患者等を対象にしました、難病患者等の日常生活と福祉ニーズに関するアンケート調査を実施しまして、平成二十三年に報告書も出されております。この中で、介護サービスとか福祉サービスについての調査も行っております。

 今先生の御質問にございました介護サービスについては、約一四%の方が利用しておられるということで、逆に、約四七%の方はサービスを利用する必要がないと回答されております。また、今後利用したいサービスとしては、訪問介護が多くなっているということがわかっております。

中島委員 恐らく、介護保険のサービスというのは、私もやっていてよくわかるんですが、受けて初めてわかるんです。要するに、頭ではわかっていても、実際に、訪問介護を受けたり訪問入浴を受けたり、ショートステイを利用してみて、初めて、ああ、こういうサービスなんだ、これはいいというところが多いんですね。要するに、介護保険をもともと利用していない方は、その有用性というのがなかなか理解できないというところもあるんです。

 これは、何人も診ている私ども在宅にかかわる医師や看護師が、こういうサービスを使えたらいいのになということから発展していくのかな。恐らく、一四%の方が利用しているというのは、きのうの橋本参考人みたいに自費でやっておられるか、総合支援法の中でうまく組み合わせた結果、そういうふうになっているのかもしれないんですけれども、私は、この数字以上にニーズは高いんじゃないか。

 先ほど言ったように、これはもちろん、保険のたてつけの問題ですから、オールオーケーでというわけにはいかないと思うんです。ただ、議論がされていることであれば、やはり議論を深めていただいて。先日もお話ししたんですが、小児慢性疾患の方、重心障害者の子たちに対してモデル事業はあるわけですが、なかなか、別建てで、それをうまくレスパイト機能を果たせる施設をたくさんつくるなんていうことは、現実的には無理だと思うんですね。

 ですから、そもそも、地域に住んでいる利用者さんからすれば、介護保険だろうが総合支援法だろうが、それは関係ない話なんです。近くにあって、必要なサービスをもっと必要なときに使いたい。そのニーズに応えるために、選ぶのは我々ではなくて、我々というか制度の方ではなくて、患者さん、利用者さんたちがこっちのサービスを受けたいと言えるような、もしくは両方受けたいんだと言えるような、そういった議論、田村大臣、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。

田村国務大臣 介護保険という話になりますと、前回の繰り返しになっちゃうわけでありまして、保険制度に入れば、当然、難病になる方々というのは一定程度、希少性があるわけでありますから少ないわけでありまして、それに対して、全員入ってもらうということが納得いただけるか、御理解いただけるかという課題はあると思います。

 しかし一方で、サービスという意味で、今委員おっしゃられましたとおり、あるんですよね。そのサービスをどう受けるかというところはあるわけで、例えば入浴サービスなんかも、障害福祉だと、地域生活支援事業の中であるわけですよね。ですから、地域生活支援事業であれば、福祉サービスが受けられる方であれば、そういうものは使える。そういうものが、介護である場合、介護とのアクセスができるかできないか、専門性があるかどうかという問題はあるんだと思いますが。

 要するに、そこの財源をどうするかという問題がどうしても出てくるわけでありまして、今、この間もおっしゃられましたとおり、自分のところで、あれはショートステイか何かを使われたと言われていましたよね。物はあるんだけれども、結局は、実費で使うか、持ち出しかという話なので、そこのところの財源の手当てというのは、なかなか、どうするのかというのが大きな課題になってくるのであろうなというふうに思います。

 そこにサービスがあるという意味では、使えるという意味では、あるんですよね、日本の国は。それは大きな資源でありますので、いかに有効に活用するかということは、いろいろと検討はしなきゃならぬのですが、やはり財源というところが一つ大きな課題であるのは、確かなところであろうというふうに思います。

中島委員 先日もそのようにお答えいただいておるわけですが、難病の対策にしても、小児慢性疾患にしても、税と社会保障の一体改革、今回、消費税増税をされて財源確保というところで、まあ、私は全然関係ない介護保険を引っ張ってきたわけですが。

 やはり、今後、二〇二五年、さらにもっと先まで、高齢化も進む、医療の発展も含めて、難病の方がふえるという言い方はちょっとおかしいかもしれませんが、NICUの整備によって、重い障害を抱えたお子さんがふえてきている、そういうことを考えていきますと、やはり、障害者福祉、高齢者福祉、地域医療の観点から、誰もがどのような身体状況においても住みなれた地域で暮らしていけるため、それがまさに地域包括ケアシステムだと思うんです。

 もちろん、財源論でいって介護保険、その先にある、住みなれた地域で、お年寄りの方が、ひとり暮らしであろうが、最期まで住んでいける、それを目指すのが地域包括ケアシステムだということであれば、やはりそこには、障害者福祉とか、小児慢性疾患の子たち、希少がんの方たち、うまく組み込んで、これはパズルゲームではないかもしれませんが、もちろん、財源論が大変重要なのはわかるんです。

 ただ、これは考え方のスタートラインだと思います。やはり、スタートラインが合っていれば必ず、今回は消費税増税という形だったかもしれませんが、いろいろな、さまざまな形の中でそこを目指すんだということがないと、これはいつまでも、線路ではないんですが、平行線で終わってしまって、こっちはなかなかできない。

 地域包括ケアシステムの中で、地域包括ケア会議等、医療従事者、介護従事者、ケアマネさんを含めて、多職種連携だと言うんです。ただ、これも先回言ったんですが、一番連携がとれていないのは制度じゃないかと。そういう中で、現場には連携しろ、連携しろと言っておきながら、やはり制度自体が関連性を持たせていないだろうということを、実際聞きますし、私もそう思います。

 例えば、私の診療所の目の前に知的障害者の授産施設がございます。そして、今、障害者の方々の高齢化という問題も非常に大きい問題です。そういう中で、昨年の例ですが、二十数年その知的障害者の施設にいた利用者さんが乳がんになりました。そして、手術はしたんですが、残念ながら、転移、再発をして、ターミナル期に入ってしまった。その利用者さんにとっては、その施設は、二十数年いますから御自宅なんです、自宅と同じような。その利用者さんもそうですが、見ているスタッフも、できれば最期まで見てあげたい。ですが、やはりそこは、総合支援法、授産施設でございますから、そういうケア体制が整っていないわけです。

 では、この方をどういうふうに見ていったらいいんだろうか。本人に聞いても、私はここにいたいと言う。その方の場合は、何とか、ぎりぎりのところで介護保険に移行できました。ただ、そこに行くには大変難しかったんです。総合支援法なのか、介護保険なのか。

 先ほど、この方、今の例の場合はがんですが、例えば、高齢化に向かって、七十歳を超えられた知的障害の方、これは総合支援、要するに、障害なのか、それとも介護なのか、そのはざま。よく、今回の問題でも、制度の谷間、はざまと言われておりますが、大臣、ちょっとお聞きしたいんですが、知的障害の方々が、がんにしろ、高齢にしろ、介護が必要になりました。その場合、施設を選ばざるを得ないと思うんです。それが、現状でいけば、介護保険の施設か障害者の施設ということになるんですが、要は、どっちかを選ぶしかないんです。

 でも、もともと知的障害があるわけですから、介護保険の施設に行くというよりは、実は、両方必要なわけですよね。もともと障害を抱えていて、その方ががんになった、障害も持っているということであれば、これは両方必要ということになっていて、ただ、現状では、その両方を見られる施設、見られないことはないんですが、制度上、またげないということになっているんです。ですから、先ほど、私、その方の場合は、介護保険に移行して、ショートステイでみとったんですけれども、そういうやり方をするしかない。

 これを自治体の障害福祉課に聞くと、なかなか介護保険に移行できないんですね。何度もそのはざまの問題は言われておりますけれども、やはりその辺が谷間になっているわけです。

 そう考えていくと、これから障害を抱えた方々の高齢化や、重い病気を抱えてしまう場合もあるわけです。その辺について、先ほど言ったように、本来連携をとるべきところがなかなか連携をとれないという現状なわけでして、これは難病、小児慢性疾患も含めてですけれども、大変問題意識というか、現場ではいつも困るんです、どうしていいのか。結果的に、うちのように、診療所があって、障害者施設があって、高齢者施設があるところはうまくやるんですが、そうでないところは、一回介護保険に行ってしまったら障害には戻れないとか、戻れないことはないんですが、それは自治体は嫌がったりするという反面があります。

 できれば、先ほど言ったように、もともと障害を抱えている人は、加齢だろうが病気だろうが、もともとの知的障害の部分のケアも必要だし、加齢による介護も必要だ。それを複合的に見られるような、施設づくりというよりは、まずは制度が一体化していかないと、なかなか現場は動けないということだと思うんですが、もし大臣、一言言っていただければ。

田村国務大臣 難病の方々に関しては、やはりこの法律の中で、医療や福祉や就労やということを連携しながらというような形の中で、相談支援センターを県につくっていただいて、そのもとで、難病対策地域協議会というものをつくってもらうという中で、そういうところの問題、情報収集であるとか連携をしっかりやってもらう。

 しかし、これは、要するに、今言われた難病の世界が基本であるわけでありまして、もちろん、福祉や医療の関係者や、就労支援の関係者や、難病の方々や家族の方々が入っていただく協議会でありますが、他制度という話になると、介護と障害ですらもうそういう問題が生じるわけであって、本来は、介護でやれる部分は介護で、やれない部分は障害福祉でという話なんでしょうが、多分、実態は違うというのが、今、現場の本当に切実なるお声だったんだというふうに思います。

 障害者の方々それから難病の方々というのは、そもそも障害者という特性があられて、難病の方々もそれぞれの特性が疾病に関してあられるわけでありますから、その方々が高齢化をしていくということは十分に予想ができるわけであります。いきなり高齢者の方が難病を発症しちゃいますとこれまた大変なんでしょうけれども。

 でありますから、そういう場合は、ある程度、今言われたみたいに、地域においてどのような形で対応するのかというのが連携をとれるようにしておかないと、確かに、現場で後からどうすればいいんだということになるわけでありますので、国としてもそういう意識をこれから持っていろいろな施策を組んでいかなければならぬと思います。

 あわせて、最後はやはり現場でございますので、それぞれの地域で、あらかじめいろいろな連携をとっていただきながら、そういうことに対して対応ができるような、そんな準備をしておく必要があろうというふうに思います。

 大きな課題として受けとめさせていただきます。ありがとうございます。

中島委員 この話で終わっちゃったので、いっぱい通告していたんですけれども、また次回、質問させていただきたいと思いますが、こういう話になったときに、これは高齢者福祉もそうですし、障害者福祉もそう、今回、難病の提言の中でも、難病対策改革について、地域の医療機関、医師、看護・介護・福祉サービスとの連携をというふうにうたわれているわけです。

 これは、必ず地域包括ケアシステムの中ではこういう問題が出てくるわけですが、地域包括ケア会議みたいなものに私はしょっちゅう出させていただいていて、問題意識はいつも一緒なんです。私は医師ですから、在宅医療においても、一方で私が提供するものは医療保険、それ以外は介護保険になるわけです。これはどう考えてもやはり一体化にならないんですね。

 そういったものを邪魔するのは、この間の本会議でも言いましたが、日本医師会。私は医師会が要らないと言っているわけではないんです、私も医師会員ですから。ですが、医師会の中にも、今の地域医療がどうあるべきかといったときに、やはり我々も変わっていかなきゃいけないんだという意見はたくさんあるんです。

 そういう意見をうまく取り上げて、よく岩盤規制だと言われますけれども、岩盤を上からたたいても、こう構えてしまうだけなので、今はいいお薬がたくさんありますから、うまくその辺を中側から溶かしていって、本来の意味での地域包括ケア。今は医療の話ですが、先ほど言った制度間のはざまですね。やはりそれは、現場は取っ払おうと思っても制度の溝でなかなか取っ払えない、そういう意識が非常に強いです。

 ですから、今、現状で、たてつけの問題等もあるかもしれませんが、やはり目指すべきはそこだということは大前提として、今後、地域包括ケアシステムの構築のために旗を振っていただかないと、なかなかそこには、いつまでたっても線路の平行線ということになってしまうということをきょうも話をさせていただいて、また次回、きょうの続きの質問をさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

後藤委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 結いの党の井坂信彦です。

 私は、中島さんのように医療、介護の現場を抱えているわけではありませんから、そのかわり、毎週必ず地元に戻って、なるべく法案に関連した現場の方の声をお伺いするようには努めております。

 先週末も幾つかの難病団体の方々の直接の声を聞く機会がありましたので、本日はそこから質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず一問目ですが、生活保護との兼ね合いであります。

 こういう声を聞いてまいりました。生活保護を受けようと思えば受けられるぐらい非常に厳しい経済状況にもかかわらず、生活保護を受けずに頑張っている難病患者さんが少なからずいるんだよ、こういうことであります。

 お伺いをしたいのは、こういった生活保護基準以下の経済状況ながら、生活保護を受給せずに、どういう言い方がいいのか、いわば頑張っている患者をどう考えるか、また、そのような世帯数、患者数を把握しておられるか、まず、大臣にお伺いをいたします。

田村国務大臣 現在の特定疾患治療研究事業でありますけれども、生計者が住民税非課税の場合においては無料という形になっておりますので、そのような意味からいたしますと患者数は把握はしておりますけれども、御指摘の世帯数や患者数という意味からすると、ちょっと把握はいたしておりません。

井坂委員 質問の前段の、生活保護を受けられるような厳しい経済状況だが、受けずに頑張っておられる難病患者さんがおられるということについては、どうお考えでしょうか。

田村国務大臣 いろいろと事情はあられるんだと思います。例えば、生活保護を受けるにも、資産があられるという方もおられると思います。ストックはあるけれどもフローがないという方はおられると思います。

 でありますが、それぞれ自立をされる中において、頑張って生活、そして難病に対しての治療を行っておられるわけでございますので、そういう方々をこの制度全体でやはり支援していかなければならないなというふうに感じます。

井坂委員 実は、平成十九年の国民生活基礎調査に基づく平成二十二年の厚生労働省の推計というものがありました。生活保護を受けている世帯、これは難病患者さんにはもちろん限らない、全体の数字でありますが、生活保護を受けている世帯が百八万世帯、そして、所得が最低生活費未満、いわゆる生活保護基準未満であるが、生活保護を受けていない世帯が五百九十七万世帯、うち、おっしゃった資産要件まで満たしていると思われる世帯が二百二十九万世帯、こういう数字であります。

 生活保護を受けられるであろう世帯のうち、実際に受けているという割合は、所得、フローベースで一五%、おっしゃった資産要件まで満たしているにもかかわらず受けていない人、まあ、受けている人は三二%、受けていない人が七割近くいる、こういう厚生労働省の推計もあるわけであります。

 これはもちろん難病患者さんに限らない、国全体の数字ではありますが、ただ、いろいろなところを見ますと、やはり、日本の生活保護の捕捉率、受けられるけれども、その中で本当に受けている人の割合というのは、大体二割程度だというふうに一般的に言われており、八割の人は、先ほど申し上げた、いわゆる生活保護を受けられるのに受けずに頑張っている人ということではなかろうかというふうに思うわけであります。経済状況が生活保護基準よりも非常に厳しいにもかかわらず、受けていない方ということではないかというふうに思うわけであります。

 難病患者の中にも、似たような割合でやはり少なからずいらっしゃることは予想されるわけでありますが、経済状況が生活保護基準以下の難病患者さんについては、午前中から随分問題になっておりますが、医療費自己負担が大変なら、これはもう生活保護を受けていただくべきだ、こういうお考えなのかどうか、お伺いをいたします。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 質問の意味を正確に理解しているかどうかわかりませんけれども、新しい制度におきましては、生活保護の方も、私ども、難病法案の枠組みの中で、医療費助成等々対応していくということにしております。

井坂委員 生活保護基準以下の大変厳しい経済状況の難病患者さんが一定おられます。ただ、その方皆さんが、本当に生活保護申請をして、生活保護を受けておられるわけではもちろんありません。生活保護基準以下の厳しい経済状況だけれども、生活保護を受けていない難病患者さんが一定おられるわけです。

 そういった方々にとっては、午前中からある、いわゆる低所得一の層の自己負担分であっても、毎月それだけの負担は非常に厳しい、こういう声を現場で聞いてきたわけでありますが、そういった方々は、もし本当にその千円なり二千五百円が厳しいのであれば、これはもう生活保護を受けるべきだ、そういうお考えなのか。頑張っている方、非常に低所得で、受けてもいいんだけれども受けずに頑張っておられる方について、どう考えておられるかということをお伺いいたします。

田村国務大臣 生活保護を受けられる水準なのに受けない方、これはなかなか難しいので、実際問題、ミーンズテストを受けた上ででないと、どうなのかというのは、生活保護の要件に当てはまるかどうかというのはわからないわけでありますから、今委員が七割とか八割というお話をされましたけれども、実際そうなのかというのはなかなか我々も把握できておりません。

 例えば、地方で、要するにフローの収入がない、ストックもほとんどないんだけれども、農地を持っておられて、その農地で、まあ、農地といいますか、自分の家の周りのところで自活をされて、それで生活されておられるという家庭も、これはよく田舎の方ではある話でございますので。

 わからないわけでありますが、ただ、言われるとおり、生活保護になればこれは無料になるわけでありますから、そういう意味からすると、今言われた意味で、自分で頑張ってという話になって、それで生活ができないという話になれば、そのときは生活保護を申請いただかないと生活ができないわけでございますので、それは適切に御申請をいただいて、その上で治療を受けながら生活の方もしていただくということになろうと思います。

 それは全額という意味ではありません。要するに、全額生活扶助等々という意味ではなくて、必要な部分を、差額を給付するという意味も含めてそのような対応になるのであろうというふうに思います。

井坂委員 午前中の、これは政務官の答弁だったと思いますが、障害者福祉との公平性であったり、あるいは負担能力に応じたサービスの対価だ、こういう考え方で、完全無料ではまずいんだ、こういう御答弁だったと思うんです。

 私は、またちょっと大臣にこの件を重ねてお伺いしたいのは、では、ほかの制度との公平性と言いますが、やはり生活保護との公平性はどうなのか。あるいは、負担能力と言うが、要は、そういう生活保護基準以下の家計の状況というのは、まさに負担能力がないから、現状、医療費無料となっている。ところが、そういう生活保護基準以下の経済状況の患者さん、生活保護申請をしない限りは月々の自己負担分を取るということは、私はやはり、実態にも合わないし、矛盾があるのではないかなと思うんです。

 大臣がおっしゃったように、そういう人はもう全員とりなさい、本当にそういうお考えなら、そういうお考えも一方ではあるのかと思うんですけれども、ただ、世の中では、七割、八割が正しいかは別にして、資産要件まで満たして、農地の問題とかも、これはやはりそういう例もあるでしょうけれども、全然そうじゃない、生活保護を申請すればとれるけれどもとらないという人は、世の中に本当にたくさんおられるわけですから、そういった方々が、いや、困っているんだったらとればいいじゃないですかというのか。

 そういったことについて、生活保護制度との公平性、ないし、本当に負担能力があるのかという問題について、最後、お伺いしたいと思います。

田村国務大臣 これは、今回の難病の医療費の助成に限らず、他の医療、もちろん、先ほど来話が出ておりますような自立支援医療もそうなんですが、一般の医療も含めて、生活保護基準、要件を満たしているにもかかわらず、生活保護を申請されていないという方がおられるとすればですけれども、一定程度はおられるのでありましょう。そういう方々も、やはり同じような対応をされておられるわけであります。

 自分のそれぞれの制度の中で、医療を受けて、負担をしていただきながら、生活保護は申請せずに、切り詰めて御生活をされておられるわけでありますから、やはりそことの公平性というのは、公平性というかバランスというのはあるんだと思います。

 一方で、生活保護とのバランスという意味からすると、本来、生活保護というものは、最低限度の生活であるわけでありまして、それを保障するという意味合いでございますから、もし何らかの事情、突然かかる医療費でありますとか、いろいろな問題で、もうこれは生活できないというふうに御判断される方は申請をしていただかないと、これは命にかかわるわけでございますので。

 そのときにはセーフティーネットとしての生活保護を御利用いただいて、健康で文化的という、病気なら健康的じゃないのかもわかりませんけれども、そのような生活を何とか維持していただくという制度でございますので、なかなか、委員がおっしゃっているその中身の話と、制度上の話を私はしておりますので、多分すれ違っているんだろうなというふうには思いますけれども、やはり制度上はそういう制度であるわけであります。

井坂委員 関連する次の質問に移るわけですが、それでは、これは参考人にお伺いいたします。

 今回、階層区分低所得一となっている、市民税非課税世帯で本人の年収が八十万円以下、こういう難病患者の方、これを仮に、そうされないとおっしゃっておりますが、引き続き自己負担額ゼロにした場合、年間幾らの追加財源が必要となると見込まれますでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今の議員の御質問の中の引き続きの意味が二つにとれるので、ちょっと大きな方で解釈をしたいと思います。引き続きという意味が、既に認定されている方が引き続きという意味もありますし、同じ病名だけれどもこの法案の成立後に新たに認定される方、そういう方が同じような枠組みの中でという両方ありますので、両方を勘案いたします。

 本年一月三十日に開催されました厚生科学審議会の疾病対策部会においてお示しした資料があるんですけれども、それに基づいて機械的に計算しますと、既認定者、新規認定者、それぞれに数がおられまして、そして、上限額よりはもうちょっと下回る程度の平均的な自己負担額がありますのでそれを掛けまして、それに十二カ月を掛けますと、約二十八億円と試算をしております。

井坂委員 午前中から議論がありますように、本当に低所得の方をゼロ円でということをやると、二十八億円の財源が必要であるということであります。

 一方で、先ほど大臣がおっしゃったように、要は、自己負担がしんどい、これでは生活、あるいは医療を受け続けることはできないのであれば、生活保護を受けるべきだ、こういうお話でありますが、生活保護を申請する難病患者の方がふえた場合は、私はむしろ、その方が多額の追加財源を必要とするのではないかと危惧するわけであります。

 もちろん現時点でその辺の比較検討、想定はされていないというふうに思いますけれども、私は、実際、難病患者さんの中でも、生活保護基準以下の生活ながら、ぎりぎりのところではあるけれども、ある種のお考えを持って、生活保護を受けずに、医療費負担ゼロでこれまで何とかやってこられた方が、たとえ低い金額とはいえ自己負担が出てきて、月々の生活費に占めるその割合が、我々が思っている以上に非常に大きいですから、そういった方々が、では、本当に生活保護を受けたらいいですやんという話なのかな、そこは非常に疑問に思うわけであります。

 例えば、こういった生活保護基準に準ずる厳しい経済状況の難病患者さんについては、医療費無料、今は低所得一の人全員をといえば二十八億という話でありますけれども、いわゆる本当にミーンズテストを受ければ受かるような人だけに、生活保護基準に準ずる方々ということで医療費無料を続ける、こういったことは私はあり得るのではないかなと思いますが、ちょっと、お考え、コメントだけでもいただければと思います。

田村国務大臣 多分、今のお話でいきますと、難病でいくと二千五百円のところなんだと思います。月々それだけの負担をすることによって生活ができないという場合でありますけれども、なかなか難しい話ではありますが、本当にそうだとすると、もうやがては生活ができない状況なんだと思います。月々二千五百円を払い続けると生活ができないという方は、多分、もうそう長く自立で頑張るというのが難しい方々であるわけだというふうに思います。

 そういう方々も含めて、要は生活保護制度というものがあるわけで、これは、ただし、国の方が強制的に生活保護を受けなさいという制度ではなくて、御本人の申請というものが第一でございますから、そこも含めて、大変また答弁が多分すれ違うのでありましょうけれども、御本人の判断で生活保護を御申請いただくか、いただかないか、この月々の負担の中においてどう判断されるかというのは、やはり最後は御本人の御判断、御本人の生活観と御判断という形になるのであろう、このように思います。

井坂委員 日本に住む我々の割と標準的なメンタリティーだと思いますが、生活保護制度に限らず、お上のお世話にならずに頑張れるのであれば、頑張れる限り頑張ってみたい、こういう考え方は割と一般的にあると思うんですね。

 困っているんだったら受けたらいいですやんという話ではなくて、それだったらもうとっくに受けておられるんですよ、そういう方は。でも、そうじゃなくて、本当に、年金が何かいろいろ事情があって四万円とか六万円とかそういうところで月々やっておられるような方にとって、月二千五百円、しかも、これはもうずっと、治療法が見つかるまで、死ぬまで永遠にかかる費用でありますから、生活費に占める割合としては、我々が想像している以上に大きいんだということであります。

 では、本当にそういう方々が、もう仕方ない、もうこれではやっていけないということで、生活保護に皆さんが転換していかれたときに、財源論でいうと実際どうなるのかということを、私は一遍真面目に考えるべきではないかなというふうに思います。おっしゃった、いわゆる生活保護の捕捉率の問題と、難病患者の中では実際どうなのかという話。

 加えて、そういう生活保護基準以下の方々が、今回こういう制度になることに当たって、では、どれぐらい生活保護に転換をしていって、そこで多分びっくりするぐらいの金額、財源論でいえばですよ、それが悪いとは言わないですけれども、かかることが私は予想されますので、そういったことは一遍比較考量した上で、もし財源論的に同じなのであれば、むしろ、いわゆる日本人のメンタリティーとしてはぎりぎり頑張るという選択肢がとりやすいように、そういった生活保護基準以下の方ぐらいは無料のまま残すという選択肢があるのではないかと、計算をした上でですよ、私は思いますから、ここは一度、本当に、内々計算をしてみていただきたい、比較考量してみていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 多分、言われている意味はわかるんです。

 ただ、計算は不可能なのは、その方がどれぐらいの頑張りで、本来受ける生活扶助よりもどれだけ少ない生活をされているかはわからないわけなんですね。今委員がおっしゃられたのは、月々二千五百円で生活ができないという話になれば、本来は生活扶助は二千五百円であるわけでありますが、これは簡単な計算ですよ、それならこれは財政的な効果はないわけですよ。

 ただ、問題は、言われるとおり、本当は生活扶助額の基準よりも少ないのに、我慢しておられて、この二千五百円で、いよいよ生活保護を申請せざるを得なくなった場合には、その頑張った金額が、五千円なのか一万なのか二万なのかは、これはわからないわけでありまして、多分、金額を出せというのは不可能だというふうに思います。

 ただ、委員がおっしゃられたような問題意識というものは、当然我々は持たなきゃいけないわけでありまして、これから法律を通していただければでありますけれども、運営していく中において、そのような意識を持ちながらこの制度を見てまいりたい、このように思っております。

井坂委員 続きまして、もう一点、当事者の方の声で、障害者の雇用のことについてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 それに先立ちまして、難病患者さんと障害福祉サービスの関係についてお伺いをしていきたいというふうに思います。

 難病法案による指定難病の対象者だけが、障害者総合支援法の障害者の対象の範囲に含まれるのか、先日、こういう質疑が他党の方であったわけでありますが、大臣の御答弁では、ここは別に完全に連動するわけではないというお答えでありました。

 そこでお伺いをいたしますが、難病の定義のうち、特に私が先日来問題視をしております希少性、希少性要件が、障害福祉サービスの対象になるかどうかの重要な判断要素となるのかということについて、通告どおり、参考人にお伺いをいたします。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員の話にございましたとおり、医療費助成の対象となる指定難病の範囲と障害者総合支援法における難病の範囲というのが、これは自動的に連動するわけではないということは、大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。

 その際、障害者総合支援法における対象にどういう範囲で含めていくかということでございますけれども、まずは、これは従来から申し上げておりますけれども、客観的な指標に基づきます一定の診断基準というのが大前提というふうに考えております。

 そうした前提の上で、障害者総合支援法の対象とする難病の範囲の際に、どのような要素を考慮するかということについても、これはやはり、指定難病の範囲についての検討状況、こういったものをよく踏まえながら、さらには、障害福祉サービスの対象とするという観点をよく考慮した上で、これから検討していきたいというふうに考えております。

井坂委員 お尋ねしたことに直接お答えいただきたいのですが、希少性要件というのは、その重要な判断材料にやはりなりますか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 難病の範囲としてどのようなものを対象にするかということにつきましては、先生が今御指摘ございました希少性というような要件を入れるかどうかということも含めまして、今後の指定難病についての検討状況、あるいは障害福祉サービスについての観点、こうしたことを踏まえてこれから検討していきたいということでございます。

井坂委員 指定難病ということに希少性という要件が入るのは、私は、先日来疑問を申し上げてはおりますが、ただ、研究目的という意味で希少性が入る、その理屈はわかるんです。

 ただ、本日議論しております障害福祉サービスの対象になるかどうか、これは完全に福祉の話ですから、研究の色合いはゼロであってもおかしくないと思うわけです。

 そうすると、福祉の対象になるかどうかについて、希少性という要素がもし入ったら、随分おかしいのではないかなと思うわけでありますが、その点はいかがですか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生からお話ありましたとおり、希少性のことでございますけれども、この点も含めて、どういう要素で障害者総合支援法の難病の範囲を決めるかということについて、おっしゃるような御意見もあると思います。

 そうした意見も含めまして、いろいろな意見をよく聞きながら、最終的には指定難病についての考え方を踏まえながら検討していきたい、こういうふうに考えてございます。

井坂委員 続きまして、難病患者の方の雇用についてお伺いをいたします。

 端的にお伺いいたしますが、障害者雇用促進法の法定雇用率の対象に、この際、難病患者も入れるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 なかなか、難病患者という範囲がどういう範囲をおっしゃっておられるのか、私も今は理解できていないわけでありまして、頭の整理がつかないわけでありますが、当然のごとく、難病患者の方で障害者手帳をお持ちの方は、これは法定雇用率の中に入ってくるわけであります。

 今、全ての難病という話になると、障害者においても、法定雇用率の中に入る方々は、やはり手帳を持っておられる方であるとか、そういう方々に限られるわけでありまして、なかなかこれは難しい話であります。

 あわせて、やはり事業主の方々が、もちろん、障害者は今法定雇用率がありますから、いろいろなノウハウ等々も含めて、各企業が情報収集もされておられるんですが、難病というのは症状がいろいろと動くわけですね。そういうような難病の方々の雇用管理というような形でのノウハウ、これも収集しなきゃならぬわけでありますし、また、雇用環境の整備みたいなものもやらなきゃいけない。

 今、難病の方々のそのような雇用管理のあり方等のノウハウ等々をいろいろと集めていくために、助成金を出させていただいておりまして、難病の方々を雇用されたところに対しては、それは対応させていただいております。

 いずれにいたしましても、法定雇用率というのは、要するに、達していないところにはお金をいただいて、達しているところ等々に対していろいろな支援をしていくという制度でありますので、そういう意味からいたしますと、かなり企業にとっては採用の自由というものに対して例外的な扱いをしておりますので、企業にまず御理解をいただかないことには、これはなかなか進めていくのが難しいわけでございます。

 そういう意味では、まずはそのような形で、難病というその病態の方々が働く場合にどのような問題があるのか、どういうネットワークを組んで、そういう方々が働けるような環境をつくるのかというところが、まず第一であるのであろうな。

 法定雇用率に入れるというのは、この間、精神が法定雇用率の中に入ったばかりでございますので、まだちょっと時期尚早といいますか、なかなかそこまでいっていないのではないのかなというのが現状であろうと思います。

井坂委員 手帳がもらえていれば、もちろん法定雇用率の対象範囲だということでありますが、まさに今回、手帳がもらえなくても、障害者の範囲に難病の方を加えようというのが先般の障害者総合支援法の趣旨でありますから、そういった文脈の中で、また、手帳がなくても一定の難病の方は法定雇用率の範囲に、私は、時期尚早というふうにおっしゃられましたから、それならば、本当に環境整備なども進めながら、やはり近いうちに、いずれはそういったこともやっていくべきではないかなというふうに考えるわけであります。

 ちょっと参考人の方に数字があればお伺いをしたいんですが、身体障害者の方が三百万人ぐらいでしょうか、知的障害者の方四十万人、精神障害者の方三百五十万人というふうに聞いておりますけれども、ここに指定難病患者の方百万人を加えて、その分、法定雇用率のパーセントがおのずから上がる仕組みになっておろうかと思いますが、実際、指定難病の方を法定雇用率のルールの中に加えると、法定雇用率がどれほど上昇すると見込まれるのか、もしそういう数字をお持ちであれば教えていただきたいというふうに思います。

内田政府参考人 申しわけございませんが、そういう数字は今持ち合わせてございません。

井坂委員 ちょっとこれは通告になかったので。事前に当局の方とやりとりしておりましたら、そんなことをやったら率が上がるので大変なんですよ、そういう御説明を受けたものですから、数字をお持ちかなというふうに思ったわけであります。

 もう少しまだ時間がありますので、もう一点、雇用に関して、障害者を雇用する事業主には合理的配慮の提供義務が課され、これには難病患者も含まれるというふうに伺っておりますが、これは文言だけでなく、実効性を持たせるためにどのような方法を考えておられるか、最後にお伺いして、終わりにいたします。

田村国務大臣 おっしゃられますとおり、事業主は合理的配慮義務を、これは難病の方々にも負っておるわけであります。

 そういう意味では、例えば通院のために、出勤、それから会社から帰る時間等に関して配慮する等々が考えられるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、これはしっかりと周知をしていかなきゃなりませんので、説明会を含めて周知をしながら、いろいろな好事例も出てこようと思います。そういうものに関しましても情報発信をさせていただきながら、この合理的配慮の義務を履行いただくように、我々としてもしっかり徹底してまいりたいというふうに思います。

井坂委員 終わります。ありがとうございました。

後藤委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 まず、十一日の本委員会の質問ではっきりしなかった部分から始めたいと思います。

 昨日の参考人の質疑においても、NPO法人線維筋痛症友の会代表の橋本裕子さんが、本法案の第一条で希少疾患というものに限定している、このことを指摘されました。やはり、第一条から難病対策の範囲をここで狭めてしまうということでは、対象にならないのではないかと思っている多くの患者の皆さんが非常に失望されるわけであります。

 しかし、一昨年の中間取りまとめの中でも、難病対策要綱も参考にしつつ、できるだけ幅広く捉えると明記をされているわけですし、第一条に、「難病(発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病」と、いきなり希少性が出てきたのはなぜなのか。そのときに、局長の答弁は、疾病を三百くらいにふやしてさらに治療研究を進め、福祉的要素も加えていくと言いつつも、希少性を改めて書き込んだとわざわざ強調されたわけです。

 そこで、確認をしたいと思うんですが、第一条で言うところの希少とは、医療費助成の対象となる難病、〇・一%とは違うことを確認したい。その上で、ここで言う希少の意味を具体的にお伺いしたい。大臣に。

田村国務大臣 指定難病に関しましての希少性というのは、これは人口の〇・一%程度というようなことを申し上げておるわけでありまして、その希少性とは違うわけであります。

 しかしながら、なぜ希少性というものがあるかというと、それは、例えば、がんでありますとか、まあ、がんにも希少性のあるものはありますけれども、がんでありますとか、あと生活習慣病のように、多くの患者の方々がおられて、それに対して治療研究等々が行われやすい環境であるわけではないわけでありまして、そういう意味では、希少性というものは、一定程度、症例等が少ない中において、そういうものに対して、やはりいろいろな調査研究等々に対して支援をしっかりとやっていかなければならないという部分があるわけでございますので、そのような意味合いも含めて、希少性というところに難病の一つの要件としての着目をしておるところであります。

高橋(千)委員 まず言っておきますが、〇・一%をいいと思っているわけではない。これは前回の質問のときに指摘をしたので確認をしたいわけですが、その上で、ここで言う希少性とはそういう意味ではないのだということをまず確認させていただきました。

 これは、実は、二〇一三年十月二十九日の第三十四回の難病対策委員会で、小沢疾病対策課長補佐が説明をしているんですね、難病の定義について。それで、「原因不明で、治療法が未確立であり、生活面で長期にわたり支障が生じる疾病のうち、がん、生活習慣病等別個の対策の体系がないものとして、希少なものに限定せず、」と言っているんですね。「限定せず、その代わりほかで体系立って対策をしているものについては除いてる」「これは昭和四十七年の難病対策要綱を参考に作成させていただいた」というふうに説明しているんです。そう言ってくだされば、まだわかったんですよ。

 つまり、前回の局長の答弁は、がん、生活習慣病は除いている、要綱も除いていると言いながら、だけれども希少ですよと言うから、それを除くだけで希少というのかと、物すごい距離感があったわけです。そういう意味ではないのだということをきょうは改めて整理させていただきました。よろしいですよね。

佐藤政府参考人 ちょっとお手洗いに行っておりましたので、最後のところしか聞き取れなかったんですけれども。

 要するに、難病の定義というのは、これまで御説明しましたような四要件と、それから医療費助成については二要件、あえて言えば二要件ということになるんでしょうか。

 それから、がんについては、これまでるるいろいろな議員からの御指摘にもお答えをしてまいりましたように、患者のデータベースの部分とか、あるいは就労支援だとか生活の支援だとか、そういったところ、それから研究それ自体も進めている、こういうことで、別個の体系として実施をしているということでございますので、この中では、がんや心臓病、脳卒中のような生活習慣病は、一応、別個の体系として進めていくということになっております。

高橋(千)委員 幅広くとるという趣旨はそういう意味だったと思うんです。体系があるものは除くというだけの話だった。それが、その説明が十分でなく希少ということを使ったから誤解をされるんだということで、整理をさせていただきました。これは本当に重大な問題で、賛否にかかわる重大な問題でありますので、確認をさせていただきました。

 そこで、次にもう一つ、くどいようで申しわけないんですけれども、理念の問題が本当に重要だし、関係者の苦労がにじむものなので、曖昧にできないと思って、もう一度質問させていただきます。

 資料の一に、この間の難病対策委員会の到達というんでしょうか、まとめさせていただいたんですけれども、二〇一二年八月十六日の「今後の難病対策の在り方」、ここでは、難病対策の必要性と理念について、「まれではあるが国民の中に一定の割合で発症する可能性のあるものである。」「治療方法が確立していない疾患に罹患し、往々にして生涯にわたる長期間の療養を必要とすることから、生活面における制約や経済的な負担が大きい。」と。

 こういう認識のもとに、昨年、下にありますけれども、一月二十五日の「難病対策の改革について(提言)」にある基本理念に、難病の克服を目指すとともに、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すということが書き込まれたと思います。

 このことについて、昨年の十一月十三日に私が質問したのに対して大臣は、これをしっかりと新法の中にも盛り込んでまいりたいという答弁をされているかと思います。

 ただ、実際の条文を見ますと、下に書いてあるんですが、第二条「基本理念」については、「難病の患者に対する医療等は、」が主語になり、「社会参加の機会が確保されること及び地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することを妨げられない」とあって、何か理念が非常に後退しているように思うんですけれども、どうなのか。また、基本方針の中でこの理念はきちんと据えられるべきと思いますけれども、どうか。

田村国務大臣 昨年十二月の難病対策委員会の報告書は、今言われましたとおり、「難病の治療研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すこと」、こういう文言でありました。

 一方で、この法律の二条でありますけれども、難病の克服を目指し、難病の患者の社会参加の機会が確保され、難病の患者が地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生することを妨げられないことを旨としてということで、主語が「難病の患者が」、つまり、主語がこうなものでありますからこういう書き方になっておるわけでありまして、上の思いと同じであるわけであります。

 なぜこういう書き方になっているかというと、これは、総合支援法がやはり障害者、障害児がというような書きっぷりになっておるものでありますから、それに合わせた結果がこのような形になっておるということであります。

 基本方針に関しましては、厚生科学審議会のお話をいろいろとお聞きをさせていただく話になるわけでありますが、その過程で患者の方々の御意見もしっかりとお聞かせをいただきながらつくってまいりたい、このように考えております。

高橋(千)委員 これは、実は、きのう説明を受けたときは、障害者基本法の中に、「共生することを妨げられない」、こういう書きぶりがありますよと教えていただいたのでわざわざ基本法をもう一度読んだんですけれども、それは「妨げられない」の前に来ているものが全然違うわけなんですね。

 「個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、」「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、」なので、社会参加の機会ではないんですよ。どこで誰と、それは自由なんだよという意味で大きな前提があって、「妨げられない」というふうな書きぶりになっている。そこから見て、非常に何か後退するのではないかということをあえて指摘させていただいた。

 でも、大臣は、その方針は方針の中に盛り込むんだということで言っていただいたと思うので、改めて、今、後段でおっしゃったように、関係者の皆さんの気持ちを酌みながらとおっしゃっていただいたので、そこにしっかりと盛り込んでいただきたい、このように思っております。

 そこで、次に行きます。

 筋痛性脳脊髄炎、ME、あるいは慢性疲労症候群、CFS、あるいは線維筋痛症のように、希少要件、患者数〇・一%には当たらず、診断基準が確立していない疾患などは、医療費助成も福祉サービスの対象にもなりません。しかし、その療養生活は余りにも過酷です。

 NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会の、患者と家族の実態についてのアンケート結果を、理事長の篠原さんが雑誌「難病と在宅ケア」十九号にまとめていらっしゃいました。少し紹介したいんです。

 三十七歳の女性。一番症状が重いときは、筋肉を動かすことができず、話すことが難しく、呼吸も苦しく、食事、排せつ、入浴、起居動作全て介助が必要であった。このまま進行すれば死んでしまうと、毎日恐怖であった。

 三十六歳女性の家族。長女は、小五の秋に、風邪を引いた後、激しい頭痛、倦怠感などを訴えて発病。対症療法だけで十六年来たが、症状は徐々に進み、生活の質はほぼ五年ごとに大きく退化している。遠くて体力的に行けないため、専門医にかかっていない。患者本人はもちろん、私も非常に孤独な思いをしている。

 二十八歳女性。十年ほど前に診断され、起きていられないほどの倦怠感、脱力感、筋肉痛、頭痛、その他の症状を抱えて、生活上、本当に困難をきわめている。行政に相談に行っても、CFSの患者が使える制度は皆無と言われ、家族の自助努力で生活をしてほしいとの一点張りで、全く公的支援が受けられないなどなど。

 介助がなければ日常生活が送れないのに、障害でも難病でもないと制度の外に置かれるのはおかしいのではありませんか。医師の診断書など、介護の必要性が認められるものは、病名によらず認めるべきではないでしょうか。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 障害福祉サービスの対象となる難病の範囲につきましては、障害者総合支援法がサービス給付法であるという性質を持っておりますので、利用者間の公平性の観点だとか、あるいは、いろいろな実務の関係で給付対象を明確にする必要がある、こういう状況にございまして、疾病名というものを使って定めている、こういう状況になっているところでございます。

 お話のことがございましたけれども、今後、客観的な指標に基づく一定の診断基準が確立されるということを前提にした上で、具体的な障害福祉サービスの対象にするかどうかについて検討していきたい、このように考えております。

高橋(千)委員 もちろん検討するとおっしゃっていただいたわけですけれども、この問題を公平性で片づけるには、余りにも過酷です。共生社会の実現とは到底言えないのではないか。

 さまざまな疾患の違いを乗り越え、難病対策の基本理念を積み上げてきた、そういう過程を思いますと、寝たきりだとか重症であったり、理解されない苦しみをずっと訴え続けてきたにもかかわらず、新法の効果が何ら波及されない、そういう方たちが残されることがよいのでしょうか。

 治療方法の実用化に向けて、難病患者データの収集と治療研究、効果的な治療方法が確立されるまでの間、長期の療養による医療費の経済的な負担を支援するという福祉的な目的、この医療助成というのは二つの側面があると説明されています。

 私は、これは、どちらかに重点ではなく、どちらかで、あるいはどこかで救済の道が開かれるべきだと思う。福祉的な目的とあえて言っているわけですから、それが医療でなければ、介護でもいいのではないか。そういう形で、どこかで救済される道を模索するべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 前回も申し上げたわけでありますが、もちろん福祉的な意味合いというものは、以前から比べると、今般の法律の中においては強くなっておるのは間違いないわけでありますけれども、しかし一方で、難病という対象であるからには、それはやはり調査研究とは切り離せないわけでありまして、治療法というものを開発することが患者の皆様方にとっては一番であることは間違いないわけであります。

 そのような意味合いから、やはりここは研究というものが外せないわけでございまして、その中において今の基準があるわけでございます。御理解はいただけないんだと思いますけれども、そのような状況でございます。

高橋(千)委員 さっきも言ったように、難病でも障害でもない、どちらにも置かれない、こういう方たちの実態を本当に受けとめなければ、せっかくそういう方たちも含めて議論を積み重ねてきた中でのこうした改革の理念だったということを最初にお話をしていますので、そういうことを重ねて指摘をしたいなと思うんです。

 それで、きのうの質疑でも、ちょっと局長にお答えいただきたいと思うんですが、研究班の成果について紹介がありました。先ほど来の質問の中でも、薬、全然ないのかとか、そういう議論をされていました。本当はそうではなくて、やはり研究班の成果というのは積み重ねられてきたものがあるわけですよね。

 資料の三枚目につけておきましたけれども、痛みセンター、きのう、線維筋痛症のところで紹介をいたしました。厚生労働科学研究の枠組みで、大学病院などに慢性疼痛対策の痛みセンターの整備が広がっている。これは線維筋痛症だけではなくて、原因不明も含めて、そういうセンターの体制をつくっている。ただ、まだまだ少ないので、もっと広がることを期待したい。

 また、四月七日のマイナビニュースでは、今、話題にちょっとしにくいんですが、理研のライフサイエンス技術基盤研究センターと大阪市立大学、関西福祉科学大学の共同研究で、今お話しした慢性疲労症候群の患者が脳内炎症が広い領域で生じている、発症メカニズムの手がかりが得られた、こういう報道もありました。

 こういうデータの蓄積と研究、やはりそういうものはすごく大事な意味合いを持っているんですよね。治療方法が確立されるまでの支援という目的にも非常に合致をすると思うんですね。

 ですから、最初の指定難病で限定される、それだけではなくて、やはり広く捉えた疾患が治療に結びついていく上での、こうした分野についてもしっかりと拡充していかなければならないと思うんです。一言、局長、お願いします。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 線維筋痛症と慢性疲労症候群に関連する御質問でございました。

 もう先生も既に御存じのことと思いますけれども、線維筋痛症についてはまだ不明なところが多いんですが、難病の難治性疾患克服研究事業の外側にはなりますけれども、痛みという観点から研究を進めておりますし、また、慢性疲労症候群は慢性疲労症候群で、大阪大学、あるいは大阪を中心に、倉恒先生なんかの班でもう本当に長年にわたって研究を進めていただいているということと理解しております。

 まだこの中では不明なところが多く、診断基準を初め、なかなか研究が進んでいない部分もありますけれども、今後は、難病は難病ということで、今般の難病それから指定難病という形で、難病法案にのっとってスキームができ上がるわけですけれども、こうした必ずしも難病の枠組みでもなければ生活習慣病という枠組みにも入らないというものも、広く国民の皆様や学界の先生方の御意見を聞きながら対応はしていきたいと思います。

 なお、治療法に関しましても、先ほども御質問がありましたし今も御質問がありましたが、なかなか難病という言葉が、一言で語るように、治療法が開発されました、ないしは治療法らしきものがありますといっても、本当の意味での根治というのはなかなか難しかったり、ないしは、先ほど大臣の方からお話がありましたように、ペンタサとかアサコールみたいなものについても、ある患者さんには効くけれどもある患者さんには効かないとか、さまざまな複雑な個人差のようなものもあるようでございます。

 それから、繰り返しになりますけれども、治療法として出てきているものも、多くは対症療法にとどまっているというものもあるようでございます。

 いずれにしましても、地道ではございますけれども、この間、金曜日に御説明しましたように、ステロイドの治療方法、とりわけ投与方法とか投与期間とかを変えることによって、あるいは通常の免疫抑制剤みたいなものを効果的に、治療、投与方法等を変えることによって相当程度の効果を生んだこともあると聞いておりますので、そうした成果も踏まえつつ、今後も引き続き、治療法の開発、研究に努めてまいりたいと考えます。

高橋(千)委員 そうしたまだ難病に入れない方たちの望みをしっかりと確保していくと同時に、やはりそのための療養生活を支えていくということも重ねて要望したいと思います。

 そこで、関連する話なんですけれども、脳脊髄液減少症の先進医療となっているブラッドパッチ治療について、保険導入についてはどのように判断されたのか。また、その理由について伺いたい。

木倉政府参考人 お答えをいたします。

 医療保険におきます診療の技術の収載でございますけれども、もちろん、その有効性、安全性が確立されておりましたらば、全国で普及してできるものとして、それは保険適用を速やかに行うわけでございますが、将来的に技術の有効性、安全性を確立していただく段階にあるもの、こういうものにつきましては、その安全性、有効性を確認して、一定の体制の整った医療機関で評価を行いながら、二年ごとの診療報酬改定の際に、そのデータに基づきまして保険収載の判断をしておるところでございます。

 御指摘のブラッドパッチ療法でございますけれども、二十三年にこの診断基準が研究班から示されまして、それに沿って先進医療として評価を行うということで、二十四年七月から実施がされてまいりました。

 この間のデータで今回の診療報酬改定において先進医療会議でも議論をいただき、中医協でも御審議をいただいたわけでございますが、実施件数は、今、二十病院から三十八病院ということでふえてきておりますが、確実に診断を行って確実に有効性を示せておるというところについてばらつきがございました。

 やはりそこのところをきちんと、データに基づいて、こういうやり方でやれば確実に治療ができるということのやり方をきちんと確立すべきであるということで、また次の改定に向けてもう少しデータをきちんと集めていただいて、確立していただいた上で判断をするということで、今回は、評価療養として引き続き評価を続けていくという判断になったものでございます。

高橋(千)委員 まだデータがばらつきがあるというお話でありました。五百例くらい積み上がっているということで、ただ、まだ十分ではないということも説明を受けています。これが非常にネックになっていると思うんですね。患者団体は、十八歳未満の子供の画像診断などが難しく、やはり症例の中に全くないんですね、このこと自体を非常に問題にしております。これは要望にしておきたいと思います。

 そこで、きょう聞きたいのは、二〇一二年の十一月七日の本委員会で、先進医療を生保の受給者が受けられるようにすべきだと質問をいたしました。これは誤解のないように言っておきますが、先進医療というのは、保険の部分と、まだ保険ではない自由診療の部分があるんですが、ここで私が指摘をしたのは、患者の方が自己負担はする、だけれども、保険の部分は本来生保で見られるんじゃなかったのかという、保険の部分だけは見られるようにしていただけないのかという要望だったんですね。だけれども、丸ごと生保の受給者には受けられないということが答弁であったわけです。

 それで、病気がきっかけで生保に入る人は多いです。生保患者なら受けられない治療だ、だけれども、治療を受ければ生保を受けて社会に復帰できる人もいるんだから、保険部分だけでもできるようにすべきではないか、こういう質問をしたわけです。検討するという答弁をいただいたんですが、即その後、政権がかわってしまいまして、宿題になっておりました。

 改めて、検討していただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

岡田政府参考人 生活保護制度は、利用できる資産、能力、その他あらゆるものを全て活用した上でなお生活に困窮される方に対して、最低限度の生活を保障するということを目的として行っている事業でございます。

 医療扶助につきましては、そういった観点から、診療方針及び診療報酬につきましては国民健康保険の例によるものとしておりまして、先進医療などの保険外併用療法などにつきましては、原則として医療扶助の給付対象とはしていないところでございます。

 なお、一部、生命の維持に直接関係があるものと認められることなど一定の要件に当てはまるものにつきまして、例外的に特別基準を設定して、医療扶助を給付することは可能にさせていただいているところでございます。

 先進医療につきましては、将来の保険導入のための評価を行っている治療法でございますので、最低生活の保障というような観点の生活保護制度の医療扶助の対象にすることは適当でないということで考えているところでございます。

 御指摘の、二〇一二年十一月七日の衆議院厚生労働委員会での質問のことでございますが、先ほど言いました、生命の維持などに直接関係あるものについて一定の要件に該当するものは例外的に認めているところでございますが、この要件といたしまして、生命の維持に直接関係があると認められること、ほかに代替できる治療法がないなど、それから研究的に用いられることではないというような、三つの要件がございます。

 この三つの要件いずれにも該当するということが例外的に医療扶助を給付することの要件でございまして、このうちの二番目の、代替できる治療法がないということについて御議論がございましたけれども、この三つの要件全て当てはまるという場合に特別基準を設定することが可能だということにさせていただいていますので、先進医療につきましては、先ほど言いましたように、医療扶助の対象としていないということで取り扱いをさせていただきたいと考えているところでございます。

高橋(千)委員 全く答弁が進展しないのでちょっと衝撃を受けているんですけれども、大臣にもう一回よく考えていただきたいと思うんです。きょう、いきなりいい答弁をとるつもりはないですので、本当に検討していただきたいと思うんですね。

 生保の中でも、先進医療を受けられる、未承認薬を使えるとか、そういう特別基準というのがあります、今局長が答弁をしたように。だけれども、本当にそれを使わなければ生命の維持ができない、死ななきゃ治らないみたいな、そういう基準なんですよ。本当にそれでいいんですか。

 それを使うことによって、ブラッドパッチは良好になった方たちが七割くらいいるわけですよね。それを使って、もしかしたら社会に出られるかもしれないじゃないですか。そうしたら生保から抜け出すことができるかもしれないにもかかわらず、それは言ってみればぜいたくだという話ですよね。そういって、対症療法で、痛みどめでも飲んでおけ、ただ休んでおけということは、社会にとって損失じゃないですか。だったら、復帰できる見通しを、やはりそこを応援していくということで、認めてあげる必要があるのではないか。

 また、最初に、先進医療の評価はどうでしたか、保険を目指していきますよと言ってきたんだけれども、なかなかデータが積み上がらないんですよ。それはそうですよ。だって、生保になっちゃった人たちのデータは、治療に結びついていないからデータがないんですね。そういう意味でも、データを積み上げていくという点でも効果的な考え方なんです。

 そういう視点で、特別基準を若干見直しするとか、前向きに考えてもよろしいんじゃないでしょうか。大臣に。

田村国務大臣 答弁を求めないという話でございましたのですけれども……(高橋(千)委員「いや、ちゃんと通告していますよ」と呼ぶ)

 いただいておる質問に関しましては、生活保護の中において難病の医療を受けてこられた方々に関しては、我々は把握はいたしておりません。それは、今までは対象になっていませんでしたから。

 ただ、これからは対象になりますので、そういう意味からいたしますと、その方々にデータ登録をしていただいて、その上で、そのデータ等々も利用させていただきながら治療方法等を開発していくわけでありまして、その結果、保険収載をするということになれば、それはまた生活保護受給者の方々にフィードバックされていくわけでございますので、新しい制度の中においてしっかりと、データ提供を含めて、医療の助成制度の中に加わっていただけるという話であります。

高橋(千)委員 だから、加わるためにも、今これは見直しをすべきだ、検討すべきだということを何度も指摘しています。先進医療の保険の部分ですよ、保険の部分を生保でもいいじゃないかということを言っているだけなんです。

 もう時間なので要望だけにしますけれども、これは未承認薬もそうなんですよね。生保の人は受けられません。未承認薬を使ったことで何とか日常生活を送られるという人は、あなたはぜいたくです、最低限度の生活を超えていますということで生保を受けられないんですよ。それでたちまち破綻してしまうわけですよね。そういうことで、生保にも結びつかない。さっき井坂さんが生保の話をしていましたけれども、入れないんですよ、入り口で。

 そういう形で、最低限度の生活ということを言っていることによって物すごく矛盾が起きているというこの実態をもっとしっかりと捉えていただいて、前向きに検討していただきたい。重ねて要望して、終わりたいと思います。

後藤委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 阿部知子です。

 先回に引き続き質問の時間をいただきまして、委員長を初め、この委員会の皆さんに厚く御礼申し上げます。

 そして、昨日ちょうど参考人の御意見を伺う機会を得て、大変勉強になりましたし、その中で、特に、私にとって今大変興味というか課題と思っております子宮頸がんワクチン問題と線維筋痛症との関連を示唆する発表が最近幾つか続いておりますので、冒頭はそのことについてお伺いをさせていただきます。

 先週のちょうど土曜日でしたが、名古屋で行われました小児科学会で、札幌の社会保険病院の小児科の木沢先生が御発表された、十一歳と十三歳の女のお子さんが、子宮頸がんワクチン接種後、二回目の接種で症状が少しあり、少しよくなって三回目接種したら、痛みを含めた症状が非常に強くなった。あるいは、もう一方のお子さんは、これは十三歳ですが、一回目のワクチン接種で下腹部を中心に痛みがあって、二回目の接種を行ったときにはまた同様な症状の再燃、疼痛が全身に広がるということで受診されて、いわゆる線維筋痛症の診断基準を満たすものとして治療もなさったという報告がありました。

 医学界では、症例報告というのは、まだその原因とか実態とか全体を把握できなくても、こういうことに気がついた、こういう症例があるということを広く世に喚起して、そのことでより患者さんにとっていい情報が集まればというようなものですが、私はこの記事を拝見して、この木沢先生にも御連絡をして、私の思うところは、原因も含めて、あるいは治療も含めて、少しでも患者さんとなる方たちが軽減されればいいということで、この先生も一生懸命治療をしていただいていて、少し寛解、少しよくなった、ただ、長期を見ないと、もし線維筋痛症という病名がつくのであれば、波がありますので、わからないというふうにおっしゃっておられました。

 ここからが質問ですけれども、きょう、大臣のお手元には、私の資料で、緑の網かけがしてある最初の二枚、二枚目をおめくりいただきたいと思いますが、ここには、先回の質問で私が、俗称子宮頸がんワクチンの治験過程、審査過程においては厚生労働省のリーダーシップが極めて重要であったし、また、それだけの責任があると思いまして引用させていただきまして、どういうことかというと、厚生労働省から申請者に指示が出されて、治験方法をある種変えていったということであります。その結果、非常に迅速な審査はなされましたが、果たして十分な審査であったかどうかということが課題として残るということを先回指摘させていただきました。

 大臣は、この問題、大変悩んでいるとこの前もおっしゃっていただきました。そうであれば、ぜひ大臣に、厚生労働省としてのリーダーシップ並びに責任ということでもありますが、このワクチンの審査並びに現在起きている事態については強く自覚しておるという、その御答弁をまず冒頭いただきたいと思います。

田村国務大臣 正確さを欠くといけないので、ちょっと経緯を報告させていただきます。

 HPVワクチン、あえて委員にはHPVワクチンと申し上げますけれども、これについて、審査報告書に記載のとおり、二〇〇六年六月に海外で承認されて以降、日本産婦人科学会から要望書が提出されるなど、子宮頸がんの予防策の一つとしてワクチンの使用を求める医療上と社会的な関心が高まったわけであります。

 このため、厚生労働省では、申請者に対し、本剤の審査を適正に進めるため、国内の臨床試験が実施中ではありますが、海外の臨床試験の成績等をもって製造販売の承認の申請を行うよう指導したわけであります。言われたとおりであります。

 申請者では、これを受けて、二〇〇七年九月に、日本で実施中の臨床試験の成績は、その結果が得られ次第、国に提出することといたしまして、海外の臨床試験の成績をもとに臨床データの申請資料を作成した上で、承認申請を行ったということであります。

 その後、厚生労働省では、申請資料をもとに審査を実施するとともに、この後の部分でありますが、国内の臨床試験が審査期間中に終了したため、その結果も審査の過程で評価した上で、本剤の有効性と安全性は示されたと判断し、承認したということでございまして、国内の臨床試験が終了した後、これもしっかり評価の中に入れた上で、安全性と有効性というものを評価したということであります。

阿部(知)委員 御指摘のとおりなのですが、海外の治験と組み合わせたために、果たして必要な症例数の集積がなされたかということを、先回、私は指摘しました。

 ちなみに、後ほど局長に伺いますが、安全性の方については百例であります、計画の中で。それから、ウイルスの残存、あるかどうかについては、五百、五百の千例ということで、私は、今起こっている事態が、安全性をどこまで見るかということにおいて実は不十分ではなかったかと思うので、お伺いをいたしました。御答弁は、大臣の言われたとおりです。

 では、一枚目に戻っていただきまして、あの当時、三つのワクチンが話題になっておりました。いわゆる今のヒトパピローマウイルスワクチンと、プレベナーとHib、肺炎球菌とインフルエンザ桿菌のおのおののワクチン三つが、同時に、公費の負担があって接種されるように進んでいったわけですが、この注意書き、この前も申し述べましたが、サーバリックス、いわゆるヒトパピローマウイルスワクチンのところには、「本剤は、」というところで、緑の網かけですけれども、「安全性に係る情報が製造販売後調査等の中でも引き続き収集され、」と。いわゆる申請許可された、おっしゃったようにされたんです、でも、引き続き情報収集をせよということを伴っての許可でありました。

 こういうのが前例がないわけではありませんが、下の二つと比べていただくと、やはり、この部分というのは私は極めて重い指摘であると思います。

 そして、ここについて、せんだって今別府局長が、私の痛みに対しての指摘について、簡単に言えば、長引いていないからという御答弁でありましたが、しかし、例えば小児科学会で症例報告された例などを見ますと、痛みは症状が出て一回引くんですけれども、また出てくるみたいな形で、今審議会でやっておられるように、症状を七日で切ったり二十八日で切ったりして長期を見ていないと、過ちを犯すのではないかとすごく強く懸念をしております。

 とにかく、未知のアジュバント、既知ではなくて、使っていなかったアジュバントがいろいろあるでしょうという指摘で、情報収集です。厚生労働省としては、そうした長い時間を見て副反応を収集していくということを指導され、また、みずからもそのように取り組まれると理解してよいでしょうか。

今別府政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生が御指摘されましたところは、前回、私が答弁をいたしました、承認時の有効性、安全性の審査に関する部分でございます。

 承認をした後、市販後の調査がどうなっているかということを申し上げますが、まず、使用成績調査ということで、一千例を目標にしまして、実際は一千二百三十例ですが、今、接種後の観察期間が短いではないかという御指摘もありましたが、ここでは三十日間ということで、疼痛関連の全身の副反応を見てございます。

 それから、あわせまして、国内の臨床試験で治験の対象になった方々のその後を追跡するということで、初回の接種から四十八カ月間、これは、目標として一千例、実際には症例数として七百五十二例でございますけれども、四十八カ月間の追跡をするということで、追加の臨床試験ということでデータを収集いたしております。

 それから、あわせまして、本来、こういうものに限らず、重篤な副反応が出たときには薬事法に基づいて報告をされるということが一般的なルールとしてございます。こういうものに基づきまして、これまでも、使用上の注意の副作用の欄に、合計六回添付文書の改訂を行いまして、例えばギラン・バレー症候群を追加するというようなことをいたしまして、医療関係者に必要な情報提供を行ってきております。

阿部(知)委員 まず冒頭の、三十日では余り完全なフォローとは言えない。四十八カ月はやっていただいた方がいい。

 注意喚起はなさっていると思いますが、実は、昨日の参考人に出られた線維筋痛症の橋本さんたちが電話相談を受けておられる中でも、何例も何例も思春期のお嬢さんたちの相談があるということ。

 あわせて、線維筋痛症学会の方からも、一カ月間、九十六人の関節リウマチやその他線維筋痛症近隣の疾患のフォローをしていた方の中に、六人ワクチン接種歴があって、接種したら増悪というようなことが見られたというので、この線維筋痛症学会の方から田村厚生労働大臣に宛てて、三月二十日に、自分たちも学会として調査するけれども、ぜひ厚生労働省とも協力して実態を把握していきたいというお申し出があったと思うんです。

 私は、あらゆる情報を集めて、この前は自治体のアンケートを活用せよと申しました。と申しますのは、三百万人に接種したわけです。もし深刻な事態が後々起こったとなれば、私たちは今、大事な少子化時代で、若い女の子たちがあたらその人生の中でつまずいていくということは少しでも防がなきゃいけない、そういう責務を負っていると思います。

 大臣にお伺いですが、この線維筋痛症学会からのお申し出、要するに、自分たちも調査します、また、やれる部分は一緒にやりたいと思いますというふうなことについて、いかがお考えでありましょうか。

 ここに文章を読ませていただきますと、「HPVワクチン接種者に対して実態調査の実施をご検討下さいますよう」という文章ですが、実際に厚労省にいろいろお話をされた内容を伺いますと、御一緒に調査も、できれば協力もしたいというありがたいお申し出だと思いますが、いかがでしょう。

土屋副大臣 疼痛関連の疾患については、平成二十六年度厚生労働科学研究事業における慢性の痛み解明事業において公募しておりますが、研究班の選定については、現在、事前評価委員会による評価を行っているところでありまして、個別の申請状況についての言及は差し控えたいと思います。

 公募要項では、五課題程度、採択を予定しているところでございます。

阿部(知)委員 私のきのう投げた質問がそういうふうなニュアンスだったのでお答えいただいたんだと思いますが、きょうはちょっとニュアンスを変えまして、もちろん、それに採択せよとかするなとか、そういうことをプレッシャーをかける気はさらさらありません。

 先ほど申しましたように、学会で発表されたり、いろいろなところで症例がその扉をたたいているわけですから、協力されてはいかがかと。協力の方法は幾つもあると思います。今、副大臣がお答えくださったように、そうした研究的資金を入れるもいいでしょうし、もっと密に意見交換をするもいいでしょうし、審議会に来ていただくもいいでしょうし、いろいろあると思いますが、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 これは、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の方でずっと御議論をいただいておるわけであります。ここにも幾つもの症例が集まってまいりまして、それに対していろいろと調査をしていただいておるわけであります。

 あわせて、もちろん、今般の事案に関しての治療の現場にまで行っていただいて、実際問題、調査をいただいておるわけでございます。

 そういう意味からいたしまして、最終的にはこの検討部会の方で御議論をいただいて、その結果というものを尊重していくという話になるわけであろうというふうに思いますけれども、こちらの方で、あらゆる必要なものをそれぞれ調査の過程の中において収集されておられるというふうに思いますので、こちらの方の御判断というものを尊重してまいりたいというふうに考えております。

阿部(知)委員 私は、そこに大臣のリーダーシップがあると思ってお尋ねをしているんですね。

 もちろん、重なっている症例もあると思います。だって、治療を求めても、どこにも行き場のない患者さんはすごく多いわけですから。厚生労働省は二千何例かお集めでありまして、それも区分してやっておられますが、そこにも出ていない、ほかのルートでまた行っている人もいるということですので、この前も申しましたが、これはワクチン行政の信頼性にかかわる、安心して受けていただかねば、どんな良薬も効かないと一緒でありますから、ぜひ大臣は、今の御答弁を、むしろ前向きに、あらゆる情報を集めるように審議会にもお願いをしたいと言っていただきましたこととみなして、次の質問。

 大臣も、もちろん、これを中止している間に子宮頸がんが例えば日本に広まったらという御懸念は、担当の責任者としてよくわかります。

 そこで、では、ワクチンと検診の費用はどうなっておるかというので、三枚目を見ていただきますと、この五年間、実はワクチンについては非常にアクセルが踏まれましたので、ここで、このワクチン行政について、子宮頸がんについてですが、九百四十六億。これに比べて検診は九十五億となり、この五年間を終了すると、果たしてがん検診はどのような支援で、どのような補助で、もっと広く、本当に一番防ぐのにいいのは検診ですから、取り組まれていくのか。これは佐藤局長、お願いします。

佐藤政府参考人 お答えをいたします。

 今の議員の御質問の中にありましたように、子宮頸がんの対策としては、ワクチン接種のみならず、子宮頸がん検診を進めていくことが重要という認識でございます。

 市町村が実施しております子宮頸がん検診でございますけれども、先生も御存じのように、昭和五十八年に老人保健法の健康診査の中に位置づけられまして、胃がんともども検診をするということで、このときは補助金で、国三分の一、県三分の一、市町村三分の一という形で、共同事業の形で検診を実施していたわけですけれども、平成十年度から一般財源化という形になりまして、地方交付税、地財措置という形で実施をされておりまして、補助金による措置というのはなくなりました。

 現行では、財源的には今申し上げましたような状況ですけれども、二十歳から四十歳までの方のがん検診の受診率向上ということを掲げまして、とりわけ子宮頸がん検診につきましては、平成二十一年度より、無料クーポン、要するに受診率をもう少し向上させてくださいということで、無料クーポンを差し上げたり、検診手帳の配付などもやっております。それから、平成二十五年度補正予算において、無料クーポンの交付を受けたのにまだ未受診の方についても、さらに再度受診できるような対応というのを考えております。

 いずれにいたしましても、受診率の向上も含めたがん検診というものとワクチンというのは、それぞれの役割がありますので、それぞれの役割を踏まえた総合的な対策を進めていくということにしております。

阿部(知)委員 たくさん言葉は並べていただきましたが、これから先どうするんですか、どう充実するんですか。予算面でも、この五年が終わるわけですよ。私はそれを聞いているんですね。本当にそんなやり方で大丈夫ですか。工夫もできると私は思うのです、検診は。

 そして、ワクチンにはワクチンの役割が確かにありますよ。ただ、がんを防ぐわけではない。慢性感染の予防に役立つだろうということですから、この表を見てもわかるように、ワクチンにお金がどんとつぎ込まれて検診が減っていくというのは、決して望ましくないわけです。

 大臣、私、時間が限られていますので、これは大臣にお願いしますが、検討をしてください。御答弁は求めません、もうよくおわかりと思いますから。どうすれば実際に検診事業がより普及するか、いろいろな知恵が御党の中にもおありだと思います。

 そして、きょう、もう一つこの法案に関してお伺いしたいのは、小児の慢性特定疾患の食費の負担問題であります。

 私はもともと小児科医ですから、子供の慢性疾患にかかわる、例えば未熟児の養育にかかわりますのは養育医療であり、結核児、結核はもう今少なくなりましたが、その子供たちには療育というのがございますが、いずれも、この子供たちの食費は、児童の健全な育成を図るという意味で公費で現物給付をされておりました。

 今回、小児慢性特定疾患の見直しの中で、食事も半分負担してもらいましょう、そして、難病の患者さんは全額というか、給付内でほかの補助もありますけれども、ある意味では食事療養費は給付対象外に置いた難病に比べて、半額は補助しますということですからいいでしょうというお考えかもしれませんが、これは、私はやはり筋が違うと思うのです。

 大臣は、自民党が、三年半前になりますでしょうか、もう四年ですか、参議院選挙を戦われるときに、民主党の子ども手当を批判して、自分たちであれば小児の医療の無料化と学校給食の無償化を行うんだと、この委員会でも何度も何度もやったんですね。私は賛成です、それは。

 というのは、子供たちが育っていくために食事というのはすごく大事だし、病気を治すためにも食事というのはすごく大事だし、まして、実は、例えば半額でも月に一万円の負担というのは、そのお子さんが家にいた場合をはるかに上回る負担なんですね。

 年収が五、六百万の御家庭で、若い三十歳代の、平均子供二人というのを例にとりますと、家計簿をつけていただきまして見ると、大体四万円で四人家族が暮らしている。それで、子供が入院すると、実は、子供はほかで食事をとる、お母さんも付き添いでほかで食事をとる、この家の家計の食費は五万八千円にはね上がるんですね、今でも。さらにここに一万円プラスというのは、私から見れば、これから若い世代に子供を、まして病気の子供を育てている御家庭に何と理不尽と思います。

 本当に、その一万が正直言ってきついのです。毎月毎月、長期のがんなどの入院、神経の疾患、本当にここはみんなに共通するものだから、せめてそこは、未熟児を育成するように、あるいは結核児の療育のように、国がこれまでのような健全育成として考えるべきだと思いますし、それは大臣のリーダーシップで、子供へのどういう支援が必要かということをやってこられた方ですから、お考えを伺いたいと思います。

田村国務大臣 小児慢性特定疾病の方々への医療の助成でありますが、これに関しましては、自立支援医療に倣った部分が多いわけであります。

 自立支援医療の場合は食費は頂戴をしておるわけでありまして、ただ、なぜ二分の一にするか。自立支援医療の二分の一といいますか、自立支援医療はそのままでありますが、これは二分の一に食費をしておるわけでありまして、その理由はというと、やはり、入院をしたときに親が付き添う、まあ長期間ということもあろうと思います。そんな中において、他の兄弟等々もおられるわけでありまして、その負担を鑑み、これは二分の一にしようということで、ここは自立支援医療よりも低くした、こういう理由であるわけであります。

 今言われました養育医療に関しては、未熟児のお子さんが正常児のお子さんの体の機能に戻るまでの間、要は、これに関して食費は無料。ですが、これは未熟児の方々に限って、しかも期限があるわけでございますので、そういう意味で特別なんだろうというふうに思います。

 それから、結核はまたちょっと結核の特性の話なので、これはまた別個なんだというふうに思います。

 そのような理由の中でやってきておったわけでございますので、委員の言われる意味も私も全くわからないわけではないんですが、ただ、自立支援医療と比べて、そのような側面があって二分の一にしておるということは御理解をいただければありがたいというふうに思います。

阿部(知)委員 食事を外出ししてしまうということを理解したくないのは、やはり、子供の場合、食事も治療の一環だということなんですね。ですから、もし、今、少しは負担してもらわないとと大臣たちが思われるのであれば、医療保険の中に入れておいて二割負担とか、いろいろな方法があると思います。それは食事を何と考えるかという理念的なことなのです。

 そして、大臣たちが学校給食の無償化と言っていたように、そこは健全育成の一番の手段です。発展途上国にも給食を届けると、日本だって海外支援でやっている。本当にここは、日本の子供たちの健全育成のために、大臣、もう一度深く考えていただきたいですが、あと一問どうしても聞きたいので、大臣にはお伝えしましたから、頑張っていただきたい。

 最後は、この前から、ベビーシッターのところに預けて不幸な死亡をされた坊やの問題が取り上げられています。もちろん、そうやって今の日本の保育を考えた場合に、保育所は足りない、そして、家族だけで、核家族化していて誰かに頼めない、ぎりぎりのところで起きたことであり、ベビーシッター派遣の、いろいろな、利用時の注意書き十カ条とかをやったり、あるいは実態把握をすることも大事ですが、もともとベースに、社会が子供を育てる、一緒に育てるということをもっと普及させないと、ますます親御さんたちが孤立していくのが目に見えます。

 ファミリー・サポート・センター事業というのが平成六年から始まっていて、お手元には私の藤沢市の事案を入れてありますが、預けたいという親御さんと、いいわよ、預かってあげるという方がきちんと登録して、そしてマッチングして成立するという事業であります。ところが、預けたい方は多くても、預かりますという、義侠心というかボランタリーというか、もちろん有償ボランティアですが、これがまだまだ少ないです。

 大臣にお願いは、もっと厚生労働省として、こういう仕組みを宣伝、あらゆるところで、もっと預かり手になりたいなと思うようなムーブメント、あるいは予算を配分していただきたいが、いかがでしょうか。これで終わりです。

田村国務大臣 今度の新制度では、地域子ども・子育て支援事業という形の中で位置づける事業になってくるわけであります。

 言われるとおり、預けたいと希望される会員の皆様方と預かってあげるという提供側の会員の皆様方、これは依頼側が四十四万人で提供側が十二万人ですから、重なって両方ともに登録されている方が四万人ぐらいおられますけれども、圧倒的に依頼側の方が多いという形であります。各自治体でも、この提供側の方々を一生懸命、今、会員募集で募っておるわけでありますが、厚生労働省も、大変重要な御指摘だというふうに思います。

 シルバー人材センター等々の方々も参加されている方々がおられますので、そういう方々に対してリーフレットを配ったりして、ぜひとも御協力をいただく、また、ほかにも母親クラブ等々、いろいろな会があります。そういうところに対しても周知をさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、母親として経験を積まれて、言うなれば子育てというものにしっかりと知識を持っておられる方、そういう方々も含めて、ぜひともこの事業に御協力をいただければありがたいわけでございまして、この間のようなあの悲惨な事件のことを思いますと、やはりファミリー・サポート・センターのような事業がそのかわりになってもらうというのは大変ありがたいことでございますので、子ども・子育て新制度の中において、しっかりと、これが大きく広がるように我々も努力をしてまいりたいというふうに思います。

阿部(知)委員 子育てが孤立しないよう、よろしくお願いいたします。

 終わります。

後藤委員長 次回は、来る十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会


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