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第1号 平成29年2月15日(水曜日)

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本国会召集日(平成二十九年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 井坂 信彦君

   理事 柚木 道義君 理事 桝屋 敬悟君

      あべ 俊子君    赤枝 恒雄君

      秋葉 賢也君    江渡 聡徳君

      大隈 和英君    木原 誠二君

      木村 弥生君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      豊田真由子君    中川 郁子君

      長尾  敬君    丹羽 雄哉君

      福山  守君    堀内 詔子君

      村井 英樹君    山下 貴司君

      阿部 知子君    大西 健介君

      岡本 充功君    郡  和子君

      中島 克仁君    長妻  昭君

      初鹿 明博君    水戸 将史君

      伊佐 進一君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君    河野 正美君

平成二十九年二月十五日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 丹羽 秀樹君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 高鳥 修一君 理事 とかしきなおみ君

   理事 三ッ林裕巳君 理事 柚木 道義君

   理事 桝屋 敬悟君

      赤枝 恒雄君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    江渡 聡徳君

      大隈 和英君    神山 佐市君

      木原 誠二君    小松  裕君

      白須賀貴樹君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君    谷川 とむ君

      冨岡  勉君    豊田真由子君

      長尾  敬君    丹羽 雄哉君

      福山  守君    堀内 詔子君

      村井 英樹君    阿部 知子君

      岡本 充功君    柿沢 未途君

      郡  和子君    中島 克仁君

      初鹿 明博君    升田世喜男君

      水戸 将史君    伊佐 進一君

      角田 秀穂君    中野 洋昌君

      高橋千鶴子君    堀内 照文君

      河野 正美君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      橋本  岳君

   厚生労働副大臣      古屋 範子君

   厚生労働大臣政務官    堀内 詔子君

   厚生労働大臣政務官    馬場 成志君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  あべ 俊子君     大岡 敏孝君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  木村 弥生君     穴見 陽一君

同月二十七日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     冨岡  勉君

二月十五日

 辞任         補欠選任

  山下 貴司君     神山 佐市君

  大西 健介君     柿沢 未途君

  長妻  昭君     升田世喜男君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     山下 貴司君

  柿沢 未途君     大西 健介君

  升田世喜男君     長妻  昭君

    ―――――――――――――

一月二十日

 保育等従業者の人材確保等に関する特別措置法案(山尾志桜里君外七名提出、第百九十回国会衆法第二二号)

 労働基準法の一部を改正する法律案(井坂信彦君外十四名提出、第百九十二回国会衆法第四号)

 労働基準法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十九回国会閣法第六九号)

 臨床研究法案(内閣提出、第百九十回国会閣法第五六号)

二月十四日

 社会保障費の大幅な削減を中止し、保育、医療、介護、年金などの拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五号)

 同(池内さおり君紹介)(第一六号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第一七号)

 同(大平喜信君紹介)(第一八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇号)

 同(斉藤和子君紹介)(第二一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二二号)

 同(清水忠史君紹介)(第二三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二四号)

 同(島津幸広君紹介)(第二五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第二八号)

 同(畠山和也君紹介)(第二九号)

 同(藤野保史君紹介)(第三〇号)

 同(堀内照文君紹介)(第三一号)

 同(真島省三君紹介)(第三二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三三号)

 同(宮本徹君紹介)(第三四号)

 同(本村伸子君紹介)(第三五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

丹羽委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

丹羽委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。

塩崎国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たりまして、私の所信を申し上げたいと思います。

 国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すために、そして我が国の経済社会の発展に寄与するために、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。

 引き続き、一億総活躍の国づくりを進めます。その実現に向けた横断的課題であり、最大のチャレンジである働き方改革は、働く方一人一人のニーズに合った多様な働き方の選択を可能にすると同時に、企業の生産性や競争力の向上、賃金アップ、さらには経済全体の成長につながるように進めていくことが重要です。日本の企業や暮らし方の文化を変えていくとの決意のもと、働き方改革実行計画の年度内の取りまとめと、その後の計画実行に向けて、働き方改革担当大臣ともしっかり連携をして確実に取り組みます。

 一昨年の冬、大手企業で、入社間もない女性社員が、長時間労働等による過酷な状況の中、みずから命を絶つ痛ましい事件がありました。御冥福を改めてお祈りするとともに、働き過ぎによって命を失うという悲劇を二度と起こさない決意で長時間労働の是正に取り組みます。

 これまで、私を本部長とする長時間労働削減推進本部のもとで、監督のためのスペシャリスト集団である過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」を創設したほか、監督指導の対象を月八十時間を超える残業が行われている全ての事業場に拡大するなどの取り組みを行ってきました。

 さらに、昨年十二月、「過労死等ゼロ」緊急対策を取りまとめました。労働時間の適正把握のための企業向けのガイドラインを新たに策定するとともに、これまでの事業場単位を基本とする監督指導から本社も含めた企業全体の労務管理を改善させる監督指導に転換するなど、長時間労働の是正に向けて、できることは全てやるという姿勢で取り組んでいます。

 さらに、三六協定のあり方を含めた実効ある時間外労働規制のあり方については、どのような働き方でも、心身の健康を確保しながら、働く方のやる気と能力の発揮を可能にするという視点で議論を行い、長時間労働に無頓着な企業文化から脱却する実効ある法改正に向けて準備を進めます。

 同一労働同一賃金の実現については、職務内容、能力等の明確化と公正な評価を確立し、それにのっとった正規、非正規を通じた合理的な賃金制度を労使の話し合いにより速やかに構築することが何よりも重要です。どのような待遇差が不合理であるかを示した昨年末のガイドライン案に引き続き、今後は必要な法改正に向けて準備を進めます。

 継続審議となっている労働基準法等の一部を改正する法律案も、長時間労働を抑制し、多様な働き方を実現することにより、働き方改革を前進させていくものであり、早期の成立をお願いします。

 企業の生産性向上の実現に向けて、労働関係助成金について、生産性要件の設定、金融機関との連携強化など抜本改革を行うほか、人材育成の充実、成長産業への転職、復職の支援等を進めます。

 雇用保険制度等については、雇用保険料率と国庫負担率の引き下げ、教育訓練給付の拡充、職業紹介事業の機能強化、求人情報等の適正化等を内容とする法律を今国会に提出しました。法案には育児休業期間の延長も盛り込んでおり、仕事と子育ての両立、女性の活躍を一層推進します。

 高齢者の就労促進については、六十五歳を超えた方の継続雇用、雇い入れを行う企業に対する支援など、取り組みを強化します。

 今後も高齢化が進展していく中で、制度を持続可能なものとして、次世代に引き渡していく必要があります。このため、世代間、世代内の負担の公平を図り、年齢にかかわらず負担能力に応じた負担をいただく観点から、医療保険制度等の見直しを行います。あわせて、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から、薬価制度の抜本改革に取り組みます。

 我が国の医療を取り巻く環境は、少子高齢化に伴い医療、介護のニーズが増加する一方で、担い手となる若い世代が減少していくことが見込まれる中で、ICT、AI等の情報技術が進展するなど大きな変化に直面をしています。このため、今後の我が国が目指す新たな医療のあり方と、これを踏まえた医師、看護師等の働き方のあり方についてのビジョンを策定し、それを踏まえて需給推計、養成確保、偏在対策等について検討を進めます。

 安全で適切な医療提供の確保を推進するため、特定機能病院におけるガバナンス改革による高度の医療安全管理体制の確立、検体検査の精度の確保等を内容とする法案を今国会に提出します。

 継続審議となっている臨床研究法案については、適正な臨床研究の実施を推進するため、早期の成立をお願いします。

 我が国の医薬品、医療機器産業については、より高い創薬力を持つ産業構造に転換するため、革新的な医薬品等の開発を促進する環境を整備するとともに、ベンチャー企業への支援を実施します。また、C型肝炎治療薬の偽造品が発見されたことを重く受けとめ、同種の事案の再発を防止するため、流通段階における医薬品の適切な管理等について制度的対応を含めた安全対策の強化を検討します。化血研における事案を契機として明らかになった、ワクチンと血液製剤の安定的な供給に関する課題に対処するため、国際競争力や経営基盤を強化するための施策、法令遵守を徹底するための企業ガバナンスの強化等を検討します。

 がん対策については、昨年十二月に、希少がんや難治性がんの研究促進、がん患者の就労支援等を内容とするがん対策基本法が改正をされました。この改正内容も踏まえ、本年夏に第三期がん対策推進基本計画を策定いたします。さらに、ゲノム情報に基づく個人に最適化されたがん治療の実現に向けた計画を、医療機関等の全国コンソーシアムを形成しながら早期に策定いたします。

 また、データヘルス改革を進め、健康、医療、介護のデータを収集、分析し、これを予防医療の促進、生活習慣病対策、新たな治療法の開発、創薬、自立支援介護の実現等につなげていきます。このため、審査支払い機関の改革を進め、ビッグデータの活用により保険者機能を強化するとともに、官民のデータベースを連結し、医療関係者のみならず、自治体、保険者、国民、企業等が活用可能な総合的なシステムとして保健医療データプラットフォームを構築し、二〇二〇年度からの本格稼働を目指します。

 このように、近年の保健医療技術の進歩は著しく、個別の疾病予防や治療等の観点のみならず、社会保障、公衆衛生、社会福祉等の幅広い分野において施策への応用が可能となる段階を迎えています。また、国際保健の分野においても、エボラ出血熱の流行等の公衆衛生危機への対応、高齢化に関する国境を越えた取り組みの促進等のため、医学的知見に基づく一元的な施策の推進の必要性が高まっています。このような状況に対応しつつ、厚生労働省の所掌事務の的確な遂行を図るため、医務技監を新設する法案を今国会に提出しました。

 全ての人が、さまざまな困難を抱えた場合でも、社会から孤立することなく、安心してその人らしい生活を地域で送ることができる包摂的な社会の実現を目指します。

 住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムを強化する法案を今国会に提出しました。具体的には、介護保険制度の保険者である市町村の保険者機能を強化し、自立支援、重度化防止の取り組みを推進します。また、地域で支援を必要としている方は高齢者にとどまりません。縦割りから丸ごとへ、高齢者、障害者、子供など、全ての住民のための仕組みを強化し、地域住民が抱えるさまざまな生活課題を住民と行政等が協働して解決につなげていく支援体制を整備していくとともに、高齢者と障害者、障害児がともに利用できる共生型サービスを創設いたします。

 さらに、介護人材の確保については、臨時に介護報酬、障害福祉サービス等報酬を改定し、技能、経験に応じて月額平均一万円相当の処遇改善に取り組むとともに、介護福祉士修学資金貸付制度、再就職準備金貸付制度等の活用を推進します。

 低所得の方やさまざまな困難を抱える方の実態の把握、分析を進めるとともに、生活困窮者自立支援制度については、就労支援や家計相談支援に加えて、住まいの確保の支援を含め、生活全体を丸ごと考えた、より包括的な支援となるよう、平成三十年に予定をしている制度の見直しに向けて議論を進めます。また、生活保護については、必要とする人には確実に保護を実施するという基本的な考えのもと、受給者の自立に向けた就労支援、医療扶助の適正化等に取り組むとともに、平成二十九年度の生活保護基準の検証にあわせて制度全般について見直しを検討します。

 昨年七月に相模原市の障害者支援施設で発生をした痛ましい事件を受け、その検証を通じて明らかになった課題に対応するため、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みを整備すること等を内容とする法案を今国会に提出いたします。

 自殺対策については、依然として多くの方がみずからとうとい命を絶っている現実があります。本年夏をめどに自殺総合対策大綱の見直しを行い、関係府省と連携をして、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて取り組みます。

 ギャンブル等依存症対策や、本年四月に内閣府より移管されるアルコール健康障害対策等については、治療や相談体制の整備等を総合的に推進してまいります。

 安全、安心に妊娠、出産、子育てができるよう、総合的子育て支援を推進します。待機児童の解消に向けて、質の確保を図りつつ、保育の受け皿をさらに整備いたします。保育人材を確保するため、全ての保育士に二%の処遇改善を実施するほか、技能や経験に応じ、おおむね経験三年以上で月五千円、七年以上で月四万円の加算を行います。また、保育士等の離職防止や再就職支援に総合的に取り組みます。妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する子育て世代包括支援センターの全国展開、不妊治療への支援等にも取り組みます。

 全ての子供には、適切な養育を受け、健全に育つ権利があります。平成二十三年の「社会的養護の課題と将来像」を全面的に見直し、その結果を踏まえ、都道府県計画の見直しを進めます。

 児童虐待防止対策については、子供の命と権利、そしてその未来は社会全体で守らなければならないという考えのもと、関係府省と連携をして、発生予防から自立支援まで一連の対策に取り組みます。また、虐待を受けている児童等の保護を図るため、児童相談所が行う保護者に対する指導への司法関与の強化等を内容とする法案を今国会に提出いたします。

 一人親家庭を支援し、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当による経済的支援に加え、子供の生活習慣の習得、学習の支援等に総合的に取り組みます。

 国際オリンピック委員会と世界保健機関は、たばこのないオリンピックについて合意をしています。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック等を契機に受動喫煙対策を徹底するため、多くの方が利用する施設等のうち一定の要件に該当するものにおける喫煙を禁止し、違反者には罰則を適用することなどを内容とする法案を今国会に提出いたします。

 人口減少に伴う給水量の減少、水道施設の老朽化等が課題となっている中、水道事業の基盤強化を図るため、水道施設の計画的更新、広域連携の推進等を内容とする法案を今国会に提出いたします。

 また、いわゆる民泊サービスの制度化にあわせた旅館業の規制緩和を進めるとともに、違法な民泊サービスの広がり等を踏まえた無許可営業に対する取り締まりを強化するための法案を今国会に提出いたします。

 さらに、輸入食品に対する監視体制の強化等、引き続き食品の安全性確保に取り組みます。

 年金制度については、年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮が本年八月から施行をされます。対象となる方への案内、支払い準備等に万全を期します。

 また、昨年の臨時国会で成立をした年金改革法に基づき、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進、年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直しなどを着実に進めます。

 本年一月から加入範囲が大幅に拡大された個人型確定拠出年金制度の周知、広報に努め、私的年金の一層の普及に取り組みます。

 年金事業運営については、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進、情報セキュリティー対策等に着実に取り組みます。

 援護施策につきましては、昨年、戦没者の遺骨収集において、DNA鑑定に必要な検体を誤って焼失するなどの問題を生じさせたことを重く受けとめ、再発防止策を徹底し、遺骨収集に全力を尽くします。また、慰霊事業に着実に取り組むとともに、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策について、引き続き、きめ細かく実施をいたします。

 東日本大震災の発生から間もなく六年がたちますが、避難生活が長期化している被災者の方々も多くいらっしゃいます。引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識のもと、被災者の心に寄り添い、復興に向けた取り組みを進めます。

 熊本地震を初め、全国各地での災害対応について、復旧復興の加速に向けて全力を尽くすとともに、昨年八月の台風第十号により認知症高齢者グループホームで入居者が亡くなられた被害を受けて、関係省庁とも連携をして再発防止に取り組みます。

 以上、厚生労働行政の当面の主な課題と対応について説明をさせていただきました。

 委員長、理事を初め委員の皆様方、国民の皆様方に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いをいたします。(拍手)

丹羽委員長 次に、平成二十九年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。古屋厚生労働副大臣。

古屋副大臣 厚生労働副大臣の古屋でございます。

 橋本副大臣、堀内、馬場両政務官とともに塩崎大臣を支え、丹羽委員長を初め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 平成二十九年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。

 平成二十九年度厚生労働省所管一般会計予算案の総額は三十兆六千八百七十三億円であり、平成二十八年度当初予算額と比較しますと、三千七百六十三億円、一・二%の増加となっています。

 また、平成二十九年度厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計、年金特別会計、復興庁に一括計上した東日本大震災復興特別会計に所要の予算案を計上しています。

 平成二十九年度における社会保障・税一体改革による社会保障の充実については、消費税増収分に加え、社会保障改革プログラム法等に基づく重点化、効率化による財政効果も活用し、子ども・子育て支援の充実、年金受給資格期間の短縮などを行うこととしています。

 以下、平成二十九年度予算案の重点事項について説明いたします。

 平成二十九年度予算案は、ニッポン一億総活躍プランが策定されてから初めての予算であり、一億総活躍社会の実現に向けて、横断的課題である働き方改革や新三本の矢に関する施策に焦点を絞り、所要の予算措置を講ずることとしています。

 まず、働き方改革は、我が国の最大のチャレンジであり、生産性の向上や労働環境の整備に向けて、オーダーメード型訓練の開発や子育て中の女性のためのリカレント教育の拡充などの人材育成の充実、最低賃金の引き上げ支援の強化などを図ります。

 また、同一労働同一賃金の実現に向けた非正規雇用の方の待遇改善、長時間労働の是正に向けた法規制の執行強化やテレワークの推進、高齢者の就労促進や生きがいの充実、障害者の働く環境の整備などの取り組みを進めます。

 第一の矢、希望を生み出す強い経済については、医療分野のイノベーション、ICT化の推進に向けて、医療系ベンチャーの育成支援、革新的な医薬品、医療機器等の実用化促進などに取り組みます。

 また、医療の国際展開やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成支援、観光先進国の実現等に向けた外国人患者の受け入れ体制の充実、輸入食品の監視体制の強化などを図ります。

 第二の矢、夢を紡ぐ子育て支援については、待機児童の解消や保育人材の確保に向けて、保育園等の整備や放課後児童クラブを含む多様な保育サービスの充実を図るとともに、保育士等の処遇改善を行います。

 また、女性や若者の活躍を推進するため、仕事と家庭の両立支援や、いわゆる就職氷河期世代の不安定就労者等に対する就職支援などを強化するとともに、児童虐待防止対策の強化や社会的養護の推進、一人親家庭等の自立支援など、総合的子育て支援を推進します。

 第三の矢、安心につながる社会保障については、介護サービス基盤の確保や、介護人材と障害福祉人材の処遇改善を行うとともに、障害者や難病、がん患者等の活躍を支援するため、障害福祉サービス提供体制の基盤整備、がん検診の受診勧奨の拡充などを図ります。

 また、地域共生社会の実現に向けて、住民が主体的に地域課題を把握し解決を試みる体制の構築、包括的、総合的な相談支援などの取り組みを進めます。

 以上のほか、地域医療確保対策の推進、水道事業の基盤の強化、自殺対策や戦没者遺骨収集の推進、東日本大震災や熊本地震からの復旧復興の支援などを図ります。

 今後とも、国民生活の安全、安心の確保と質の向上、雇用の安定を図るため、厚生労働行政の推進に一層努力していきますので、皆様のなお一層の御理解と御協力をお願いいたします。(拍手)

丹羽委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成二十九年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時二十六分散会


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