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民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 親権停止制度については、改正の趣旨の周知、関係機関の体制の整備、家庭裁判所と児童相談所の連携の強化など、制度の円滑な実施に必要な措置を講ずること。

二 親権停止の請求については、児童等の利益の確保のため、児童相談所長による請求が適切に行われるよう努めるとともに、請求に必要な調査への協力など、児童相談所に対する支援体制の充実に努めること。

三 親権停止期間中における児童相談所による保護者指導など、親子の再統合のための取組みの充実に努めるとともに、保護者指導に関する家庭裁判所の保護者への勧告制度の創設について検討を行うこと。

四 未成年後見制度については、未成年後見人の報酬に対する公的支援、職務に伴う損害賠償責任に関する保険料の負担に対する支援等、制度の利用の支援のために必要な措置を講ずること。

五 離婚後の面会交流及び養育費の支払い等については、児童の権利利益を擁護する観点から、離婚の際に取決めが行われるよう、明文化された趣旨の周知に努めること。また、その継続的な履行を確保するため、面会交流の場の確保、仲介支援団体等の関係者に対する支援、履行状況に関する統計・調査研究の実施など、必要な措置を講ずること。

六 親権制度については、今日の家族を取り巻く状況、本法施行後の状況等を踏まえ、協議離婚制度の在り方、親権の一部制限制度の創設や懲戒権の在り方、離婚後の共同親権・共同監護の可能性を含め、その在り方全般について検討すること。

七 児童相談所長、児童福祉施設の長又は里親等が一時保護中、入所中又は受託中の児童等について行う必要な措置については、個別の事案に適切に対応しうるよう、親権者による不当な主張の判断基準を具体的に示して、関係者に周知を図るとともに、関係者に対する研修の実施など、関係者の資質の向上を図ること。

八 児童虐待の防止等のため、子育てに関する相談・支援体制の充実、虐待通告窓口の周知徹底等、関係する施策の充実・強化に努めること。

九 児童の社会的養護については、里親制度の周知及び活用、施設の小規模化の推進など、家庭的環境における養護の推進に引き続き取り組むとともに、施設退所後の自立支援、孤立防止のための相談・支援体制の構築に努めること。

十 強制入所措置がとられ、かつ、面会通信を全部制限する行政処分がなされている場合に限定されている保護者に対する接近禁止命令の対象の在り方について、更なる検討を行うこと。

十一 東日本大震災により親権者等が死亡し又は行方不明となった児童等について、未成年後見制度、親族里親制度等の活用により適切な監護が行われるよう必要な支援を行うこと。

 

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