少年法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 裁量的国選付添人の選任及び検察官関与の必要性判断に当たっては、法の趣旨にのっとった適正な運用が行われるよう、それぞれ留意すること。
二 刑事裁判と異なる少年審判の特質を理解した弁護士が国選付添人に選任されるようにするため、国選付添人制度の趣旨について、司法関係者に周知徹底を図ること。
三 少年審判に関与させる検察官について、児童心理などに関するプログラム・研修を受講させるなどして、少年審判の特質に関する理解を深めさせること。
四 少年鑑別所送致の観護措置がとられたぐ犯少年についての国選付添人制度の適用について、引き続き検討を行うこと。
五 少年院における矯正教育及び少年刑務所における矯正処遇と社会復帰後の更生保護及び児童福祉とが連続性を持って行われ、仮釈放又は仮退院の運用が一層適正に行われるよう、少年に対する支援の在り方について検討を行うこと。
六 平成二十年の少年法改正の経緯に鑑み、犯罪被害者等が別室でモニターにより少年審判を傍聴する方法の導入及び傍聴対象事件の拡大について引き続き検討を行うこと。
七 少年に対する不定期刑の在り方について、存否も含めた幅広い検討を行うこと。
八 検察官関与制度の対象事件の範囲の拡大の趣旨が事実認定手続の一層の適正化にあることに鑑み、改正後の同制度の運用状況に十分配意すること。