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平成二十年三月十二日提出
質問第一六七号

北海道警察釧路方面本部鉄道警察隊の裏帳簿に関する質問主意書

提出者  鉢呂吉雄




北海道警察釧路方面本部鉄道警察隊の裏帳簿に関する質問主意書


 平成二十年二月五日号付けで発売された、写真週刊誌「FLASH(光文社)」(以下、「同誌」という)に掲載された「釧路方面本部鉄道警察隊の一九八九年度の裏帳簿」の内容について政府に対し質問する。なお、国会法第七十五条第二項に規定する通り、質問主意書受領の日から七日以内に答弁されたい。また同様の文言が並ぶ場合でも、項目ごとに平易な文書で答弁されたい。

一 会計帳簿について
 (1) 同誌に掲載されている「帳簿」らしき表(以下、「帳簿」という)は、行政府及び関係する機関・団体において使用される出納簿の要件を満たしているものか、答弁願いたい。また帳簿は現行法における会計法等の要件を満たしているものか、答弁願いたい。
 (2) (1)項で帳簿が関係法の要件を満たしていないとするならば、この帳簿は、いわゆる裏帳簿の類と解してよいか、答弁願いたい。裏帳簿の類と認めないとするならば、その理由について、答弁願いたい。
 (3) 同誌に掲載されている帳簿の、作成者の調査、作成者への事情聴取は行なったのか。行なっていない、行なう必要がないとするならば、その理由を答弁願いたい。
  北海道警察の裏金を告発した原田宏二氏(元北海道警察釧路方面本部長)、齋藤邦雄氏(元北海道警察弟子屈署次長)の両人は、裏金は副署長、次席、副隊長が裏帳簿に記載し管理していたと証言している。当時の北海道警察釧路方面本部鉄道警察隊(以下、「鉄道警察隊」という)の副隊長に大木軍平氏が、その任に就いていたとされているが、同氏への事情聴取等は行なったのか。行なっていない、行なう必要がないとするならば、その理由を答弁願いたい。
 (4) 同誌を読む限りにおいては、帳簿は関係法の要件を満たしているとは言い難く、日額旅費や旅費といった公金を支出入させていることから判断すれば、この行為は、不正経理と解せるが、答弁願いたい。
二 帳簿にある隊長渡しについて
 (1) 同誌に掲載されている帳簿の十二月二十六日には、「隊長渡し」と記載されている。ここで言う「隊長渡し」とは、どのような意味を指すと思われるか、答弁願いたい。
 (2) 帳簿の摘要にある「隊長渡し」は、会計法上における会計処理にあたっては、いずれの費目、科目に属するのか、答弁願いたい。
  属する費目、科目がないとするならば、「隊長渡し」は「ヤミ手当」の類と認めることができると思われるが、答弁願いたい。
 (3) 帳簿には十二月二十六日、隊長とされる人物(以下、「隊長」という)に七万円、一月十八日、隊長に五万円を支出しているが、受領書の類は受け取っているのか、また受領書の類は現存しているのか。受け取っていない、現存していない、また受け取る必要がなかったとするならば、その理由を答弁願いたい。
  また隊長に対しては、どのような目的をもって支出したのか、答弁願いたい。合わせて隊長からは清算時において領収書等の提出は行なわれたのか、それらの行為を証明する会計書類等の現存について、答弁願いたい。受領書及び領収書、支出を証明しうる会計書類等が現存していない、もしくはそれらの会計書類等を作成する必要性がなかったとするならば、その理由について答弁願いたい。
 (4) 警察組織において、所属長など管理職に対して、給与規定等で決められている以外の手当等を支給することはあるのか。ないとするならば、「ヤミ手当」とも思われる「隊長渡し」について、政府の所見を伺う。
三 日額旅費について
 (1) 警察組織における日額旅費の定義、支出基準、支出方法、受領方法について、答弁願いたい。
 (2) 帳簿には一月四日に日額旅費を支出しているが、その内訳について答弁願いたい。
  また同日に支出した六万六千円の日額旅費を受領したと思われる者による、受領書等、会計書類の現存について、答弁願いたい。
  受領書及び領収書、支出を証明しうる会計書類等が現存していない、もしくはそれらの会計書類等を作成する必要性がなかったとするならば、その理由について答弁願いたい。
 (3) 同誌によれば、日額旅費が適正に執行されず裏金として配分されていたとされるが、この指摘について、政府の所見を伺う。
四 旅費について
 (1) 警察組織における旅費の定義、支出基準、支出方法、旅行者による受領方法について、答弁願いたい。
 (2) 同誌の帳簿には、旅費という名目で計九回、収入として計上されている。いつ、いかなる目的をもっての旅費なのか、その内訳を答弁願いたい。また、九回それぞれ、国費、道費のいずれから支出されたものか、その内訳を答弁願いたい。
 (3) 帳簿にある九回の旅費収入は、いつ旅行者に支出されたのか、それぞれ具体的な年月日、支出を受けた旅行者の氏名など、その内訳を答弁願いたい。
  受領書及び領収書、支出を証明しうる会計書類等が現存していない、もしくはそれらの会計書類等を作成する必要性がなかったとするならば、その理由について答弁願いたい。
 (4) 平成元年当時の、鉄道警察隊の人員を、階級ごとに答弁願いたい。また、その年における出張回数と、支出した旅費の総額を国費と道費に分けて、答弁願いたい。
五 耐久消費財について
 (1) 帳簿の一月十二日には、「テレビ月賦代金」として三千四百円が支出されている。購入したテレビのメーカー、一括購入した場合の本体価格、割賦回数、割賦にした理由、割賦にあたっての契約書の現存の有無及び契約者氏名、また同金額には割賦手数料が含まれているのか、否か、含まれているとすれば手数料の金額、それぞれの内容について答弁願いたい。
 (2) 警察組織において、テレビなど耐久消費財を購入する場合、いずれの費目、科目から支出されるのか、答弁願いたい。
 (3) 警察組織において、テレビなど耐久消費財を購入する場合、割賦による購入方法を用いることはあるのか。あるとした場合、主にどのような耐久消費財が対象となるのか、割賦方法を用いる理由について、答弁願いたい。ないとした場合、同誌の帳簿にある、一月十二日、「テレビ月賦代金」についての、政府の所見を伺う。
六 駐車場料金について
 (1) 帳簿の一月六日には、「駐車場料金」として六千円が支出されている。この料金は車両一台分なのか、また公用車両、私用車両なのか、答弁願いたい。
 (2) 同誌の記事の元になった資料には、他の月においても「駐車場料金(六千百八十円)」が毎月支出されている。支出を証明する領収書等の会計書類は現存するのか。領収書など支出を証明しうる会計書類等が現存していない、もしくはそれらの会計書類等を作成する必要性がなかったとするならば、その理由について答弁願いたい。
 (3) 鉄道警察隊のような組織において、公用車両が臨時もしくは月極として一般駐車場を利用することはあるのか。あるとすれば、どのような場合において事由が発生するのか、その際、駐車場料金は、いずれの費目、科目によって支出されるのか、答弁願いたい。
 (4) 鉄道警察隊のような組織において、警察職員が私用車両を公務で使用することはあるのか。あるとすれば、どのような場合において事由が発生するのか、その際、個人からの車両借上げなどの措置は、どのように図られているのか、答弁願いたい。
 (5) 鉄道警察隊のような組織において、公務でないにもかかわらず、警察職員の私用車両を、月極として一般駐車場に駐車させ、その駐車場料金を公金で賄うことはあるのか、答弁願いたい。
  公務でないにもかかわらず、私用車両の駐車場料金を、公金で賄っていたとするならば、この行為は私的流用に該当すると思われるが、政府の所見を伺う。
七 交際費について
 (1) 帳簿には、一月十八日(お土産分担金九千三百七十五円)、一月二十六日(会食費五千六百三十四円)、一月二十九日(外勤主務者会議懇親会費一万二千五百円)、一月三十日(通信指令課長懇親会分担金七千五百円)、一月三十日(主務者会議懇親会タクシー代千八百円)として支出されているが、その支出を証明する領収書等、会計書類は現存するのか、答弁願いたい。領収書など支出を証明しうる会計書類等が現存していない、もしくはそれらの会計書類等を作成する必要性がなかったとするならば、その理由について答弁願いたい。
 (2) 警察組織は、交際費をどのように定義しているのか、答弁願いたい。
 (3) 警察組織において、交際費の支出が認められる対象は、いずれのもの(個人・団体)となるのか、内規等、具体的に答弁願いたい。
 (4) 帳簿の摘要に記載されている、「鉄警新年会費(一月四日)」、「所属長新年会費(一月八日)」、「結婚祝賀会〃費(一月十二日)」、「お土産分担金(一月十八日)」、「鉄、計懇親分担金(一月二十二日)」、「会食費(一月二十六日)」、「タクシー使用料(一月二十六日)」、「外勤主務者会議懇親会費(一月二十九日)」、「通信指令課長懇親会分担金(一月三十日)」、「主務者会議懇親会タクシー代(一月三十日)」を公金から支出する行為は、私的流用と認められると思うが、政府の所見を伺う。
 (5) 警察内部の職員に対する「交際費」の支出は認められるのか、認められるとするならば、その根拠について答弁願いたい。認められないとするならば、前項に示した帳簿の摘要にある、内部に対する支出について、政府の所見を伺う。
八 裏金の存在について
 (1) 同誌には、元釧路方面本部参事官兼警務課長の西川英明氏が、「当時、各所属で裏ガネが作られていたのは事実です。私も裏帳簿をつけていたことがあります。」と語ったとある。西川氏は、北海道警察の裏金疑惑を告発した元北海道警察釧路方面本部長原田宏二氏と同じ最高幹部を務めた人物である。その人物が裏金と裏帳簿の存在を認めている。この発言について、政府の所見を伺う。
 (2) 同誌には、「裏帳簿の記載は九十年三月十三日に残高八十万五千五百七十三円で中断され、同年三月三十一日に残高十万円で再開されている。」と記載されている。この差額、七十万五千五百七十三円の所在についての調査は行なわれたのか。行なっていない、行なう必要がないとするならば、その理由を答弁願いたい。
 (3) 同誌による告発を受け、鉄道警察隊への調査が必要と考えるが、政府の所見を伺う。
 (4) 平成十六年四月三日から同年十一月十九日に実施した捜査用報償費等特別調査では、鉄道警察隊への調査は行なわれたのか。行なったとすれば、調査結果の内容について、行なっていない、行なう必要はなかったとするならば、その理由を答弁願いたい。
 (5) 同誌が指摘した帳簿及び記事について、北海道警察は調査を行なうのか。行なわないとするならば、その理由を答弁願いたい。
 (6) 全ての警察庁採用職員に対して、「裏金」に関する調査は、行なったのか。行なっていない、行なう必要がないとするならば、その理由を答弁願いたい。また今後、調査を行なう予定はあるのか、答弁願いたい。
 (7) 平成十六年四月三日から同年十一月十九日の期間、北海道警察予算執行調査委員会は捜査用報償費等の特別調査を実施している。調査対象者は総数で一万千四百四十五人に及んでいるが、その中には警察庁採用職員は含まれているのか。含まれているとすれば、人数を答弁願いたい。調査対象としていないとするならば、その理由を答弁願いたい。

 右質問する。



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