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平成二十年三月二十四日提出
質問第二一三号

金融政策に関する再質問主意書

提出者  岩國哲人




金融政策に関する再質問主意書


 政府としては、日本銀行において、民間需要主導の持続的な成長と両立する安定的な物価上昇率を定着させるため、政府とマクロ経済運営に関する基本的視点を共有し、適時適切な金融政策が行なわれることを期待しているとのことである。
 与党の自由民主党が「暮らしに安心」とのキャッチ・コピーを掲げ、企業収入から家計収入に軸足を移した政治姿勢を打ち出しておられる。
 したがって、経済財政担当大臣を中心に低金利政策の家計への影響についてどのような調査・分析を行なっておられるか明らかにするため、次の事項について質問する。

一 仮に、超低金利政策(一九九九年二月から二〇〇〇年八月までのいわゆるゼロ金利政策とそれに続く金利設定政策、以下同じ)が実施されず、一九九三年度の金利が二〇〇七年度まで継続して維持されたと仮定した場合、一九九三年度からの十五年間の家計所得の総額が実際の総額よりいくら上回るか、その金額を再度質問する。
 この試算においては、二〇〇五年一月二十八日の衆議院予算委員会における福井俊彦参考人の答弁と同様の方法によっていただきたい。
 具体的には、「国民所得統計に基づき、日本の家計の受取利子の過去十五年間の毎年の受取利子の減少額の累計」によるものとする。
 なお、福井参考人の答弁によると二〇〇五年一月二十八日までの十年間の累計減少額は百五十四兆円とのことである。
 また、これに類似する試算として、福井日本銀行総裁(当時)は、二〇〇七年三月二十二日の参議院財政金融委員会において、バブル崩壊後の超低金利により家計が失った金利収入の累計が三百三十一兆円に上るとの試算を明らかにしている。
二 「金利の引下げによる経済活動の活発化を通じて雇用者報酬が増加し、マクロ経済全体として内需を拡大する」ことに、右の超低金利政策がどの程度貢献したか、試算を行なったことがあるか。
 行なったことがあれば、その試算額をお示し願いたい。
 また、行なったことがないとすれば、いかなる理由で行なったことがないのか。
三 国際決済銀行(BIS)が二〇〇七年六月二十四日に公表した年次報告書(〇六〜〇七年度版)には、「日本からの資金流出は世界各地で歓迎されざる効果を及ぼしている」旨の指摘がなされている。
 伝統的に、通貨政策は各国の主権に関わる事項とされ、このような指摘がなされることは例外的と言い得るが、超低金利政策によって、円が通貨売買の対象となる(いわゆる円キャリー・トレード)割合の増加が内需・家計へ及ぼす影響について、いかに考えているか。
四 家計所得に占める利子所得につき、家計が受け取った利子所得の総額は、一九九〇年度は約三十九兆円だったが、二〇〇三年度には約五兆円に激減している。この三十兆円を超える減少額は、世帯あたりでは年間六十万円以上の利子収入が減少したことになり、これは個人消費額の十%以上に相当する額である。
 米国においては、利子所得は家計所得の約十%の額で推移しているが、日本においては、超低金利政策実施前には米国と同様に約十%だったものが、現在では約一%である。
 このような状況が、内需に及ぼす影響について、いかに考えるか。
 また、推計があれば、適宜数値を挙げてお示し願いたい。

 右質問する。



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