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平成二十年三月二十四日提出
質問第二一九号

一九九六年五月のビザなし交流に同行した外務省職員が暴行を受けたとされるやり取りの経緯に対する外務省の認識に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




一九九六年五月のビザなし交流に同行した外務省職員が暴行を受けたとされるやり取りの経緯に対する外務省の認識に関する第三回質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第一七一号)を踏まえ、再度質問する。

一 一九九六年五月二十五日から二十七日までの日程で国後島を訪問したビザなし交流(以下、「ビザなし交流」という。)による北方四島訪問団(以下、「訪問団」という。)が、ビザなし交流五周年を記念して桜の植樹(以下、「植樹」という。)並びに「植樹」の為の苗木の持込み(以下、「苗木の持込」という。)を「訪問団」の公式日程(以下、「日程」という。)の中に組み込んでいたことについて、「前回答弁書」では「苗木の持込み及び植樹については、外務省としては、四島交流の枠組みで北方領土を訪問した御指摘の訪問団の具体的な行程を記載した日程表に明記されていなかったと承知しており、また、先の答弁書(平成二十年三月十一日内閣衆質一六九第一三二号)の一から五までについて等で繰り返し述べているとおり、北海道庁から事前に協議を受けていなかった。」との答弁がなされている。当方が保管している「日程」の写しには、同年同月二十六日の日程に「記念樹の贈呈」と書かれている箇所があり、「植樹」を行う場所も具体的に書かれている。同年同月二十五日付の北海道新聞二十七面にも、「根室市が託したチシマザクラの苗木五本を現地で植樹するなど、交流を深める。」との記述がなされているが、右の答弁は、外務省として「日程」の中に「植樹」が組み込まれ、そのために「苗木の持込」が計画されていたということすら事前に全く承知していなかったということか。「日程」に明記されていなかった云々ではなく、事前に承知していた、承知していなかったのどちらかの、明確な答弁を求める。
二 一九九六年五月二十四日には「訪問団」の出発式が行われ、「訪問団」に同行した加賀美正人現国際情報統括官組織国際情報官(第四担当)も当然右の出発式に参加したと承知するが、確認を求める。
三 二の出発式で「日程」の表が加賀美氏を含む「訪問団」のメンバーに配付され、「植樹」の説明がなされたと承知するが、それでも外務省は「植樹」及び「苗木の持込」を事前に承知しておらず、北海道庁からの協議もなく、「植樹」の実施並びに「苗木の持込」は、北海道庁により外務省への事前の相談もなしに独断で決められたと言うのか。
四 加賀美氏が「ビザなし交流」の際に鈴木宗男衆議院議員から殴打(以下、「殴打」という。)を受けたと主張しており、また外務省としても「殴打」があったことは事実であると認識していると承知するが、外務省が最初に「殴打」があったと判断したのはいつか、その具体的日にち及び最終判断を決定した人物の官職氏名を明らかにされたい。「前回答弁書」では「御指摘の事実があった後に御指摘の者から外務省に報告があったと承知している。」と、質問の趣旨から外れた回答がなされているところ、再度質問する。
五 四の答弁で言う、「殴打」についての報告が加賀美氏から外務省になされたのはいつか。また、右の報告は誰に対してなされたのか説明されたい。
六 外務省が「殴打」があったと判断した根拠に、当時加賀美氏から外務省に対して提出された「殴打」に関する報告書と診断書(以下、「報告書・診断書」という。)を挙げているが、現在も「報告書・診断書」は外務省において保管されているか。
七 六で、保管されているのならば、外務省のどの部局において「報告書・診断書」が保管されているのか明らかにされたい。
八 外務省は「前回答弁書」でも「報告書・診断書」のうち報告書について「当時の報告書には御指摘の事実の経緯が記されていたと承知しており、十分な客観性を有していると考えている。」と述べているが、外務省がそう認識する具体的な根拠を示されたい。
九 前回質問主意書で、一般に外務省職員が何ら自らの過失、瑕疵がない中で他人から殴打等の暴行を受けた時、外務省において当該職員をケアし、保護すべくどの様な措置がとられるのか、また、外務省職員に対して右の暴行を働いた者に対して、外務省としてどの様な対抗措置をとるのかと問うたところ、「前回答弁書」では「個別具体的事例に即して判断する必要があり、仮定の質問にお答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、外務省職員が自身に何の瑕疵、過失もない中で他人から暴行を受けた時に、外務省としてどの様に職員を守り、また職員に暴行を働いた者に対してどの様な対抗措置をとるのか、外務省の内規として何らかの取り決め、マニュアル等は作成されているか。
十 外務省は九の答弁にある様に、「個別具体的事例に即して判断する必要がある」旨答えているが、「殴打」という個別具体的事例について、外務省として当時、加賀美氏と鈴木宗男衆議院議員に対してどの様な対応をとったのか説明されたい。
十一 「報告書・診断書」では、「殴打」はどこであったと書かれているか。
十二 「報告書・診断書」において、「殴打」の当事者である加賀美氏と鈴木宗男衆議院議員の他に、「殴打」があったと主張している、または認識している人物について何らかの記述はなされているか。
十三 「報告書・診断書」以外に、外務省として「殴打」があったと客観的に証明できる事実を有しているか。「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
十四 当方は、「ビザなし交流」に「訪問団」の一員として参加し、「殴打」があったとされる現場に居合わせていた「訪問団」団長である辻中義一羅臼町長、野村義次北海道議会議員、中津俊行根室支庁長、大濱芳嗣総務庁北方対策本部参事官補佐(いずれも当時)の四名に対して、「殴打」の事実があるか否かを明らかにすべく、二〇〇二年三月十三日と十四日の二日間にわたり、大室征男、関根靖弘両弁護士を通じて聞き取り調査を行い、それを記録した文書を作成しているが、調査の結果、右四名は鈴木宗男衆議院議員が加賀美氏を激しく叱責したことは認めているが、誰一人として「殴打」を目撃しておらず、また「殴打」がなされたという記憶はないとの証言をしている。当方はこの様に「殴打」がなかったことを証明すべく客観的な調査を行っているが、外務省はこの様な「殴打」があったことを証明するための客観的な調査をしているか。「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないが、同時に、「主に御指摘の者から提出された当時の報告書及び診断書から判断したものである。」と、「報告書・診断書」以外にも「殴打」があったと判断するに至った根拠があるとも受け止められる答弁がなされているところ、外務省として何らかの調査を行っているのならば、それについて詳細に説明されたい。
十五 「前回答弁書」では「その他のお尋ねについては、文書が残されておらず、お答えすることは困難である。」との答弁がなされ、十一、十二、十三、十四と同様の問いに対して明確な答弁がなされていないが、右の答弁からは、外務省は「報告書・診断書」のみを「殴打」があったと判断した根拠としており、「殴打」の当事者以外の人物の証言等、他に客観的に「殴打」の事実を裏付けるものは何ら有していないと理解して良いか。確認を求める。
十六 二〇〇六年一月一日に講談社から発行された「闇権力の執行人」の百四十八頁から百四十九頁に、「東京に戻ると、外務省の浦部和好欧亜局長がやってきてこういった。
 『いやあ、先生。今回は相当酔っ払っていたようですね』
 話を聞いてみると、外務省では私が酔っ払って加賀美氏を殴りつけたということになっているのだ。浦部局長の口ぶりから、今回の一件で外務省は私に『貸し』を作ろうとしていることがわかった。つまり、私が加賀美氏を殴ったことをもみ消してあげましょう、ということのようだった。
 事実でないことをいい出されたのだからもちろん私は言下に否定し、本当のことを詳しく浦部局長に話した。浦部局長は呆気にとられた顔で部屋を出て行き、後日、謝罪に来た。
 『申し訳ありませんでした。殴ってもいないことを、殴ったなどといいまして…』」
との記述があることについて、本年二月二十九日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六九第九八号)では、「先の質問主意書(平成二十年一月三十日提出質問第四〇号)が提出されてから武藤顕外務省欧州局ロシア課長が、電話にて御指摘の者に確認を行ったところ、御指摘の者から、御指摘のような事実は記憶にない旨の回答があった。」との答弁がなされているが、浦部氏が右記述にあるやり取りを当時鈴木宗男衆議院議員と交わしたかどうかを記憶していないということは、浦部氏自身が右記述にある様な発言をしたことを明確に否定することもできないと理解して良いか。確認を求める。
十七 十六の記述について、浦部氏は記憶にないと言っているが、当方ははっきり記憶しており、十六で挙げた著書にも記している。このことからも、「殴打」を巡る事実関係に関しては「殴打」があったとする外務省並びに加賀美氏の主張よりも、「殴打」の事実はないとする当方の主張の方が説得力があると思料するが、外務省の見解如何。

 右質問する。



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