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平成二十年五月十二日提出
質問第三七三号

先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する第三回質問主意書

提出者  鈴木宗男




先住民族の定義及びアイヌ民族の先住民族としての権利確立に向けた政府の取り組みに関する第三回質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第一八二号)を踏まえ、再度質問する。

一 「前回答弁書」で、政府は「先住」と「先住性」という言葉について、「『先住』とは、一般に、先に住んでいることをいうものと承知しており、『先住性』とは、そのような性質を意味するものと承知している。」と定義し、アイヌ民族は先住性を持つ少数民族であると政府は認識しているかとの問いに対して「アイヌの人々は、いわゆる和人との関係において、日本列島北部周辺、取り分け北海道に先住していたことは歴史的事実であり、また、独自の言語及び宗教を有し、文化の独自性を保持していること等から、少数民族であると認識している。」と、アイヌ民族は「先住性を持つ少数民族」である旨の認識を示している。その一方で、「先住性を持つ少数民族」と「先住民族」という言葉の意味の違いについては、「御指摘の「先住性を持つ少数民族」については、一般には、一及び二についてで述べたような性質を持ち、市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和五十四年条約第七号)第二十七条にいう『少数民族』に該当する人々を指すものと認識しているが、『先住民族』の定義については、長年にわたる国際連合での議論が収れんしておらず、定義が国際的に確立していない状態で、『先住性を持つ少数民族』と『先住民族』が同義であるかについてお答えすることは困難である。」と、「先住民族」の国際的な定義が確立していないことを理由に、確たる答弁をすることは困難である旨の答弁をしている。しかし、アイヌ民族が「先住性を持つ少数民族」であるということは、アイヌ民族が我が国のマジョリティを占めるいわゆる和人よりも先に我が国、特に北海道地方に先住していたマイノリティの民族という意味で、国際的な定義云々は別として、一般的な国民の感覚として「先住民族」であるとの認識が既に定着しているものと考えるが、政府の見解如何。
二 政府はなぜ「先住民族」という言葉の定義が確立されていないことに拘るのか。一で述べた様に、一般的な国語能力を有する国民からすれば、「先住性を持つ少数民族」も「先住民族」もほぼ同義であり、アイヌ民族を我が国の先住民族であると政府が公式に認めたところで、何ら国内的に混乱や問題が生じるものではないと考えるが、政府の見解如何。
三 政府がアイヌ民族を我が国の先住民族であると公式に認めることで、国際的に何らかの混乱、問題が生じると政府は考えているのか。
四 北海道ウタリ協会はじめ、アイヌ民族に関わる諸団体も、政府に対してかつての彼らの土地の返還や金銭的な補償等を求めているのではなく、アイヌ民族を我が国の先住民族として政府がきちんと認めることで、彼らのアイヌ民族としての名誉や尊厳、誇りを取り戻すことを求めているものと思料する。「前回答弁書」で政府が述べている様に、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律に基づき、国土交通省及び文部科学省において推進しているアイヌ文化振興等に関する施策を着実に実施することに加え、土地や金銭的な補償を行うのではなく、まずはアイヌ民族を我が国の先住民族であると政府が認めることで、アイヌ民族の方々が自分達の名誉や尊厳、誇りを取り戻すことが今求められており、何よりも肝要であると考えるが、政府の見解如何。
五 アイヌ民族を先住民族として認めることを求める国会決議がなされた場合、政府としてどの様な対応をとる考えでいるのか説明されたい。

 右質問する。



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