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平成二十年五月十三日提出
質問第三七八号

外務省においてかつて行われていたとされている白紙領収書作成についての質問に対する同省の不誠実な対応等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




外務省においてかつて行われていたとされている白紙領収書作成についての質問に対する同省の不誠実な対応等に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一六九第二〇九号)を踏まえ、以下質問する。

一 起訴休職外務事務官の佐藤優氏が、株式会社アスコムより発行された鈴木宗男衆議院議員との共著「反省 私たちはなぜ失敗したのか?」の六十九頁と、講談社より発行されている「現代」二〇〇六年九月号に掲載されている「最強の『情報分析官』による懺悔の告白 外務省『犯罪白書』四 私が手を染めた『白紙領収書』作り」との見出しの論文で、かつて外務省で佐藤優氏自身が当時の直属の上司である原田親仁現欧州局長の指示を受けて、マスコミ関係者に対して白紙の領収書を渡していたことを明らかにする旨の記述(以下、「記述」という。)をしていることについて、外務省においてかつて「白紙領収書」を作成してマスコミ関係者に配っていた事実があるか、また、「記述」にある様に原田局長がかつて佐藤優氏に白紙領収書作成の具体的指示を出した事実があるか否かを明らかにすべく、外務省において確認作業(以下、「確認」という。)が行われたと承知する。その「確認」の対象となった、当時外務省報道課で勤務していた外務省職員の中に、外務省HPに掲載されている外務省幹部名簿等、外務省職員以外の一般人でも容易に閲覧することが可能であるものに、その氏名が記載されている者はいるか。いるのなら、その官職氏名を全て明らかにされたい。前回質問主意書でも同様の問いをしたが、「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。なお、外務省においては、各職員の外務省入省後の経歴をまとめた外務省職員名簿があると承知する。それを見れば、現在外務省幹部名簿に氏名が記載されている者のうちどの者が以前報道課に務めていたかについて明らかにすることは可能であり、「確認」についての記録が作成されていないことを理由に右の問いに答えられないとするのは全く理由にならないと思料するところ、外務省においては明確な答弁をすることを求める。
二 これまでの答弁書によると、「確認」は外務省による同行記者団に対する白紙領収書の供与に関する質問主意書(第一六四回国会質問第二四二号)が提出された二〇〇六年四月二十七日以降、外務省大臣官房において当時報道課で勤務していた職員を中心に行われたとのことであるが、「確認」は右の日にちから大体何日間に亘り行われたのか明らかにされたい。
三 二の「確認」が行われていた時期に、外務省大臣官房長、監察査察官、官房審議官、官房参事官、大臣官房長補佐、大臣秘書官、考査・政策評価官、総務課長、人事課長、調査官、情報通信課長、会計課長、在外公館課長の大臣官房幹部の職に就いていた者の氏名をそれぞれ明らかにされたい。「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
四 「確認」を行った責任者は、三に挙げた当時の外務省大臣官房幹部のうち誰か。「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
五 「政府答弁書」では、「御指摘の局長に確認した結果、御指摘の『白紙領収書』が作成された事実は確認されていない。」との答弁がなされている。一方、「記述」の中には「一九八八〜八九年、在ソ連邦日本大使館政務班で筆者の直属の上司は原田親仁氏(現欧州局長)だった。当初、一等書記官だった原田氏はプレスアタッシェ(報道担当官)をつとめ、日本から外務大臣が訪問する際の同行記者団のアテンドを担当した。同行記者団には幹事がいるが、原田氏から、『大使館の管理班(日本からの来客に対する便宜供与や現地人スタッフの労務管理を担当する班)に行って、大使館の用箋の左上にEmbassy of Japan,Moscowと書かれているレターヘッドの右下に、他人に見られないようにスタンプを押して書類を作ってこい』と命じられた。筆者が『口上書(外交上の公式文書)に用いる文書班が保管する公印でなくていいのですか』と質すと原田氏は『口上書用のスタンプではなく会計班のスタンプにするんだ』と明示的に指示した。筆者が指示された通りの書類を作り、封筒に入れて原田氏に渡すと、原田氏はこの封筒の中身を確認し、『これでいいよ。サンキュー』と筆者に告げた後、幹事社の記者に封筒を渡していた。」と、原田局長から佐藤優氏への「白紙領収書」作成の指示が事細かく書かれているが、「確認」について原田局長はどの様な回答をしたのか明らかにされたい。「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。なお、これまでの答弁書では外務省は、白紙領収書作成の事実について「確認されていない」の一点張りであり、「確認」に対する原田局長の具体的な回答内容等について一切明確な答えをしていないが、例えば本年二月二十九日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質一六九第九八号)では、「先の質問主意書(平成二十年一月三十日提出質問第四〇号)が提出されてから武藤顕外務省欧州局ロシア課長が、電話にて御指摘の者に確認を行ったところ、御指摘の者から、御指摘のような事実は記憶にない旨の回答があった。」と、確認に対する本人の回答が具体的に示されている。「確認」に対して当方が求めているのも右答弁にある様な、原田局長の「確認」に対する具体的な回答内容であるところ、「確認」に対して原田局長はどの様に回答したのか、明確に示すことを改めて求める。
六 佐藤優氏は「記述」の中で、「白紙領収書」作成の事実関係について、原田局長と刺し違えてでも公の場で真実を明らかにしたい旨述べているが、右の佐藤優氏の呼びかけに原田局長並びに外務省はどの様に応えるか。「政府答弁書」では何ら明確な答弁がなされていないところ、再度質問する。
七 「政府答弁書」では、「これまでの答弁書については、外務省内で大臣の決裁を経た上で、閣議決定しており、外務省として、御質問の趣旨を踏まえ、誠意をもって答弁しているものと認識している。」との答弁がなされているが、では麻生太郎、町村信孝、高村正彦の歴代外務大臣は、白紙領収書作成にかかるこれまでの当方の質問並びに外務省の答弁にきちんと目を通し、その内容をきちんと把握しているのか。
八 現職の外務事務官でありながら、「記述」にある様に、外務省において白紙領収書作成という不正な行為が行われており、しかも欧州局長という重職の任に現在就いている原田氏が具体的な作成指示を出していた旨、佐藤氏が公の場で訴えていることについて、外務省という組織を統轄する大臣として、何らかの処分を下すことは考えていないのか。高村大臣の見解如何。

 右質問する。



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