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平成二十年六月四日提出
質問第四七〇号

国連広報センターにおける不正会計処理問題に対する日本政府の対応に関する質問主意書

提出者  保坂展人




国連広報センターにおける不正会計処理問題に対する日本政府の対応に関する質問主意書


 国際連合広報センター(以下「国連広報センター」という。)における不正会計処理問題については、平成二十年五月二十一日付で質問主意書を提出し、その答弁書が平成二十年五月三十日に出されたところである。この回答に関する再質問、及び関連する質問を行う。
 先の質問主意書で明らかにしたとおり、日本国は、国連の活動に対して分担金、拠出金など資金の拠出を行っている。その資金は、国民の税金から支出されており、その資金は、ルールに則った使い方がされなければならないし、更にルールに則った使い方であるとの説明がつくとしても、国民常識に照らして適正に使わなければならない。
 日本政府は、国民の税金の使途について責任を有している。国連に拠出した資金であろうと、国連の自由裁量に任せていい問題ではない。その使い方が適切ではない場合には、国連に対して、過去の不正経理に対する資金返還などの措置及び将来における是正措置を求め、さらに、必要に応じて、今後日本国から資金拠出をしないなどの措置を講ずる責任がある。
 国連の改革は、安全保障理事会の常任理事国問題だけではない。国連行政がルールに則り適切に行われているか、また、効率的に行われているか、さらに、各国から拠出された資金の使い方に不正な処理はないか、また、無駄遣いがないかなど多岐にわたる国連改革が必要である。日本政府は、国連改革に責任を持って取り組むべきである。
 そこで、次の事項について、質問する。

一 国連広報センター(UNIC東京)への施設費に相当する拠出について
 1 国連広報センターは、東京都渋谷区神宮前の国連大学の施設の中に事務所を持っている。一方、国連大学の建物は日本の国有財産であり、土地は東京都が無償貸与しているにもかかわらず、施設費を出しているが、施設費とは何を賄うための拠出か、また施設費はいつから拠出するようになったのか、その経緯及び日本政府が拠出するに至ったのは、どのような判断によるものか。
 2 国連大学の施設内に事務所を設置している他の国連機関に関して、同様に、施設費を拠出している例があるか。もし、あるとすれば、どの機関で、いくらか。また、もし、ないとすれば、日本政府が、国連広報センターについて、特別の拠出をしている理由は何か、また、他の国連機関の事務所は、施設費に相当する資金をどのように手当てをしていると承知しているか。
 3 これに関連して、国連大学の建物内に国連大学協力会が事務所を設置しているが、国連大学協力会は国連の機関ではないにもかかわらず、どのような法的地位をもって東京都が土地を無償貸与し、我が国の国有財産である国連大学の建物の中に事務所を設置しているのか、また、そのことについての日本政府の見解は如何。
二 国連広報センター不正経理について
 1 日本政府は、平成十二年ごろから国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたとあり、UNIC東京の所長は、平成十年十一月から平成十二年六月まではテルマ・オコン・ソロルサノ氏、平成十二年八月から平成十四年八月までは高島肇久氏という回答をしているが、手続規則違反行為はテルマ・オコン・ソロルサノ氏が所長の時に始まったのか、それとも、高島肇久氏が所長の時に始まったのか。
 2 平成二十年五月二十一日付質問主意書の質問一−3−(1)−(ウ)の「会計処理の責任者及び担当者」について、回答がないが、政府は、回答をされたい。
 3 日本政府は、国連事務局及びUNIC東京より毎年広報活動及び施設費の決算報告を受けているということであり、さらに、平成十二年頃から国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたと承知していると回答している。また、平成十二年八月から平成十四年八月までUNIC東京事務所長であった高島肇久氏は、その後、外務省の報道官に就任し、外務省において容易に事情を聴くことが可能であったにもかかわらず、日本政府は、なぜ、毎年決算報告を受けていながら、国連事務局及びUNIC東京に対して是正措置を求めなかったのか。日本政府は、不正経理を知りながら故意にそれを見過ごしていたのか。または、決算報告により不正経理を見抜く能力がなかったのか、あるいは、決算報告に虚偽の報告があり不正経理を見抜けなかったのか、いずれか。
 4 平成二十年五月二十四日付質問主意書の質問一−3−(1)−(イ)の「国連本部に虚偽の報告をしていた事実はあるか。あるとすれば、それはどのような国連規則の違反になるのか」について回答がないが、政府は、回答されたい。
 5 日本政府は、平成十二年頃から国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたと承知しているとし、他方国連の内部監査によれば平成十七年に三件の前払いが行われた旨の回答となっているが、平成十二年頃から規則違反があることが明確になっているにもかかわらず、平成十七年度分以外の監査が行われていない理由を、日本政府はどう理解しているか。また、日本政府が拠出した資金に不正な支出があることが明確であれば、日本政府はその実態究明を国連に求めるべきではないか。また、求める意思がないとすれば、その理由は何か。
三 国連広報センターの疑惑について
 1 日本政府の回答「二の2について」では、どこまでが国連事務局が平成二十年五月十五日に行った、記者団に対する説明で、どこからが日本政府の見解かが明らかでないが、「当該説明の内容は、国連による内部監査の結果と齟齬があるとは承知していない」との部分が日本政府の見解であるとすれば、日本政府は「個人が不正に金を着服した等の疑惑はない」旨が監査報告書に実際に記載されているかどうかを明らかにするために、また、質問主意書への回答の事実に関する部分を明確にするためにも、国連の監査報告書を公表ないし概要をここに明らかにすべきと考えるが如何か。また、政府は、その監査報告書をいつ入手したのか、明らかにされたい。
 2 平成十二年ごろから国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたが、国連の監査が平成十七年分しか行われていないことによって平成十二年以降の不正な経理が行われていた金の流れが明確になっていないにもかかわらず、日本政府は、「当該説明の内容は、国連による内部監査の結果と齟齬があるとは承知していない」とし、「個人が不正に金を着服した等の疑惑はない」との見解に至った根拠は何か。また、日本政府が、監査報告書のほかにこのような見解に至った調査結果を入手しているのであれば、その資料の概要を説明されたい。
 3 前払い先の業者である「ACCCo.Ltd.」、「O.B.OneCo.Ltd.」、「TRYCo.Ltd.」は、国連広報センター以外の国連機関と取引しているかどうか把握しているか。
 4 日本政府は、国連広報センター以外にも日本に事務所を有する国連機関が日本の拠出金を不正に支出していないかどうか確認する用意はあるか。
四 国連広報センターの職員の給与について
 1 国連広報センターの職員の給与は、日本も拠出している国連の各国からの拠出金から賄われており、その給与は、手当の支給額の決定を含め、どのような手続きで決定されているか。
 2 国連広報センターの職員のうち、車のドライバーの給与は、年約一〇〇〇万円になるというが、それは事実か。また、日本政府として、そのような給与額の決定は適切なものと考えるか。

 右質問する。



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