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平成二十年六月十日提出
質問第五〇七号

ロシア政府による北方領土開発に対する外務省の対応等に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




ロシア政府による北方領土開発に対する外務省の対応等に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第四〇五号)を踏まえ、再質問する。

一 「前回答弁書」では、ロシア政府が策定した、二〇〇七年から二〇一五年までの期間にわたり実施される「千島列島経済社会発展計画」について、「ロシア連邦政府が承認した『「二千七年から二千十五年までのクリル諸島(サハリン州)社会・経済発展」連邦特別プログラム』の内容については承知している。」との答弁がなされているが、当方がビザなし交流の枠組みで本年五月三十一日から六月二日の日程で択捉島を訪問した際、現地のエレーナ・コルイチュワ副地区長より、「千島列島経済社会発展計画」に約百七十九億四千百七十万ルーブル、日本円にして約八百億円超の予算が投じられているとの説明を受けた。外務省は右の様な「千島列島経済社会発展計画」の金額等、その詳細な内容を承知しているか。
二 前回質問主意書で、「千島列島経済社会発展計画」に基づくロシア政府による北方領土の開発により北方領土の社会基盤が整備されていく現状は、我が国の国益に資する形での北方領土問題の解決に対してどの様な影響を及ぼすかと問うたが、「前回答弁書」では何ら明確な答弁がなされていない。我が国の手が全く及ばない中で、「千島列島経済社会発展計画」に基づくロシア政府による北方領土の開発及びそれにより北方領土の社会基盤整備が進められていく現状は、我が国への北方領土返還を実現させる上で、どの様な影響を及ぼすと外務省は認識しているのか、明確な答弁を求める。
三 「前回答弁書」で外務省は、「我が国の固有の領土である北方四島がロシア連邦により不法占拠され続けている現状において、第三国の国民等があたかも北方四島に対するロシア連邦の管轄権を前提にしたかのごとき形で我が国固有の領土である北方四島に入域すること等は、北方領土問題に関する我が国の立場と相容れないものと認識している。」との認識を示し、さらに、かかるロシアによる北方領土の不法占拠に対処する方策については、「この問題を根本的に解決するためには北方領土問題そのものを解決する必要があると考えており、ロシア連邦との間で北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針の下、引き続きロシア連邦政府との間で交渉する考えである。」と答弁している。我が国固有の領土である北方領土に対するロシア政府の実効支配が強化されていく現状を解決するには、北方領土問題そのものの解決を図ることが必要であることは当方も十分承知している。しかし、外務省が右答弁で「引き続きロシア連邦政府との間で交渉する考えである」と言いながらも、ここ六、七年、北方領土問題は一向に解決に向けて前進を見せていないのが、紛れもない実状であると考えるが、外務省の見解如何。
四 北方四島は日ロ両国の係争地域であり、話し合いで解決することになっている。その様な中で、ロシア政府が「千島列島経済社会発展計画」によって北方領土に対する実効支配を強めている現状を鑑みる時、このことからしても、外務省が言う様に、ロシア政府による北方領土の実効支配が強化されていく現状をただ座視しているだけでは、北方領土が益々遠ざかるのみであると考える。我が国としても、日本企業の北方領土への進出を促し、北方領土の内部から我が国の資本、文化等を浸透させていく、または、二〇〇五年七月に世界自然遺産に登録された知床に関し、知床と同様の生態系に属している北方領土までの世界遺産の区域の拡張を日ロが共同して申請する様、ロシアに働きかけ、更にそれが実現した後には、日ロ両国共同で北方領土の環境保全を行う等、積極的に北方領土開発に乗り出す必要があるのではないか。その様にして北方領土におけるロシアの不法占拠、実効支配を段々と弱めていく等の、大胆に発想を転換した方法が今こそ必要であると考えるが、外務省の見解如何。
五 本年五月三十日の政府答弁書(内閣衆質一六九第四〇四号)には、一九九八年二月二十一日に日ロ間で署名された「日本国政府とロシア連邦政府との間の海洋生物資源についての操業の分野における協力の若干の事項に関する協定」(以下、「安全操業協定」という。)で「この協定、この協定に従って行われる活動及びこの協定の実施のための措置並びにこれらに関連するいかなる活動及び措置も、相互の関係における諸問題についてのいずれの政府の立場及び見解をも害するものとみなしてはならない。」と規定されている旨の答弁がなされているが、「安全操業協定」により海上では日ロ両国の主権、立場を害さないことを前提とした活動ができるのだから、陸上で同様の取り決めを作り、超法規的な枠組みにより、例えば我が国の企業の進出を図る等のことを行えるのではないのか。外務省の見解如何。

 右質問する。



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