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平成二十年六月十三日提出
質問第五三一号

防衛省における自衛隊員の自殺防止に向けた取り組み並びに自衛隊員が自殺に走る理由に対する同省の認識に関する再質問主意書

提出者  鈴木宗男




防衛省における自衛隊員の自殺防止に向けた取り組み並びに自衛隊員が自殺に走る理由に対する同省の認識に関する再質問主意書


 「前回答弁書」(内閣衆質一六九第四四一号)を踏まえ、再質問する。

一 平成十年度から十九年度までの年齢別に見た自衛官・防衛省職員の自殺件数のうち、十五歳から十九歳までの自衛官・防衛省職員の自殺件数が零件の年は平成十二年度、十三年度及び十六年度のみで、それ以外の年度には一人から四人の自殺者が出ていることについて、前回質問主意書で、自衛隊に入隊または防衛省に入省したてで、社会人経験は皆無と言ってよい未成年の自衛官・防衛省職員が自ら死を選ぶということは、やはり自衛隊を含む防衛省の組織のあり方、特に新人隊員・職員に対する指導、教育方法等に問題があることの証左ではないのかと問うたところ、「前回答弁書」では「自衛隊の部隊等においては、新隊員等に対し、メンタルヘルスに関する啓発教育を反復・継続して実施しているところであり、今後ともこれを実施するとともに隊員の身上把握及び服務指導の充実・強化に努めてまいりたい。」との答弁がなされているが、右の答弁では、当方の質問の趣旨に答えたものとは言えない。当方は、社会人になりたてで、三十代以上の自衛官・防衛省職員と比較して家庭や職務等の悩みからは縁遠いと考えられる未成年の自衛官・防衛省職員が、なぜ自ら命を絶つという選択をとるのか、自衛隊を含む防衛省の組織のあり方、特に新入隊員・職員に対する指導、教育方法等に何か重大な問題があるのではないかと問うているのである。防衛省においては、当方の質問の趣旨を正確に理解した上で、正確な答弁をすることを再度求める。
二 「前回答弁書」によると、平成十五年度から十八年度までに、「正当な理由のない欠勤」として懲戒処分を受けた自衛官・防衛省職員は合計九百三十二名であるとのことであるが、右の九百三十二名のうち、自殺した者はいるか。
三 「前回答弁書」によると、本年五月二十九日現在、二十日以上所在不明となっている自衛官・防衛省職員は八名いるとのことであるが、右八名に対して、現在防衛省においてどの様な対応がとられているのか説明されたい。
四 本年六月十三日現在、三の八名の消息はつかめているか。
五 自衛官・防衛省職員の自殺の原因について、防衛省では「病苦」、「借財」、「家庭問題」、「職務」、「その他・不明」という五つの区分に整理して把握していると承知するが、これまでの答弁書で明らかになった平成十年度から十九年度に発生した八百四十六の自殺件数のうち、右五区分に該当する件数はそれぞれ何件か明らかにされたい。
六 そのうちの「病苦」について、前回質問主意書で、肉体的な病気または精神的な病気の割合はそれぞれどれくらいか。また、それぞれ具体的にどの様な病名が報告されているのかと問うたところ、「前回答弁書」では「これを明らかにすることにより、個人が特定されるおそれがあり、関係者のプライバシーの保護等の観点から、お答えを差し控えたい。」との答弁がなされている。では、具体的病名は問わないところ、「病苦」のうち、肉体的な病気と精神的な病気に該当する割合のみを明らかにされたい。
七 前回質問主意書で、「借財」について、例えば自衛官・防衛省職員の間の借財、特に上司から部下への恐喝等による借財を苦にしての自殺は報告されているかと問うたところ、六と同様の答弁がなされているが、その具体的な事例は問わず、その事実があるかどうかを問うているだけなのに、それに答えることでなぜ個人が特定され、プライバシーを侵害すると言えるのか。防衛省の主張には何ら合理性、論理性がないと考えるところ、「借財」を理由とした自殺のうち、自衛官・防衛省職員の間の借財、特に上司から部下への恐喝等による借財を苦にしての自殺は報告されているか否か、再度質問する。
八 これまでの答弁書で、防衛省として平成十五年度から十八年度までの間に、「私的制裁」として九十二人、「傷害又は暴行脅迫」として二百九十一人、計三百八十三人の者に対して懲戒処分を行っていることが明らかにされている。前回質問主意書で、右の計三百八十三件の事例が発生したそれぞれの原因はどの様なものであるかと問うたところ、「前回答弁書」では「その詳細を明らかにするためには調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、防衛省という組織特有の問題点を明らかにし、自衛官・防衛省職員の自殺が他の国家公務員と比較して突出して多い問題を解消する上で、右を明らかにすることは必須であると考える。調査に膨大な作業を要するのなら、回答期限の延長に応じることは可能であるところ、再度、右について明らかにすることを求める。
九 「前回答弁書」で、八の三百八十三件のうち、被害を受けた者が自殺してしまった事例が一件あることが明らかになったが、右の事例で、私的制裁または傷害・暴行を行った者に対してどの様な処分が下されたのか明らかにされたい。
十 九の者は刑事告訴されているか。
十一 本年四月十六日付の日経新聞夕刊が、「自衛官の自殺 後絶たず 他省庁公務員の二倍 防衛省、ケアに苦慮」との見出しで、国家公務員の中でも自衛官・防衛省職員の自殺件数が飛び抜けて多いことを取り上げ、防衛省が様々な対応策をとっているのにも関わらず、その傾向に歯止めがかからない旨報じた記事の中に、元航空自衛官の須賀雅則氏が「いじめは自衛隊では深刻な問題で、自分の在籍時にも自殺者は出ていた」「(いじめによる自殺は)管理責任に直結する。階級社会の自衛隊では上司が処分を嫌い、上層部に報告する際に(原因特定を)うやむやに済ませる傾向があった」と指摘する記述があることについて、前回質問主意書で、八の三百八十三件の「私的制裁」、「傷害又は暴行脅迫」をいじめとすると、その中で須賀氏が指摘する様な、「私的制裁」、「傷害又は暴行脅迫」を行った者の直属の上司が処分を恐れ、上層部に対して正確な報告がなされなかった事例はあるかと問うたところ、「前回答弁書」では「お尋ねについて明らかにするためには、調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。」との答弁がなされているが、防衛省という組織に特有の問題点を明らかにし、自衛官・防衛省職員の自殺が他の国家公務員と比較して突出して多い問題を解消する上で、右を明らかにすることは必須であると考える。調査に膨大な作業を要するのなら、回答期限の延長に応じることは可能であるところ、再度、右について明らかにすることを求める。
十二 現在防衛省は、自衛官・防衛省職員へのメンタルヘルスを図る上で、株式会社セーフティネットと随意契約を締結しているが、「前回答弁書」によると、株式会社セーフティネットとの随意契約は明年三月三十一日までとのことである。それ以降、防衛省として更に株式会社セーフティネットと契約を結ぶのか。それとも、再度一般競争入札を行い、新たに防衛省の自殺対策に資する会社と契約を結ぶ考えはあるか。

 右質問する。



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