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平成二十七年三月九日提出
質問第一二一号

再生可能エネルギーの導入拡大に関する質問主意書

提出者  本村賢太郎




再生可能エネルギーの導入拡大に関する質問主意書


 民主党政権時の平成二十四年七月に開始した固定価格買取制度の導入以後、我が国では、設備容量ベースで原発約七十基分に及ぶ七千二百万キロワット近い再生可能エネルギー発電設備が設備認定を受けるに至っている。しかし、このうち実際に運転を開始している設備の容量は約千四百万キロワットと認定容量の五分の一程度にとどまっており、再生可能エネルギーへの社会的関心や投資意欲の高まりに対して実際の導入が進んでいない状況が見受けられる。
 平成二十四年の政権交代時、自民党は総合政策集(J−ファイル2012)で「再生可能エネルギー産業を、新しい文明社会である低炭素社会のリーディング産業に育てます」と公約を掲げ、昨年四月に政府が策定した第四次エネルギー基本計画においても「再生可能エネルギーについては、二〇一三年から三年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく」旨が示されている。
 しかし、政府においては、昨今、再生可能エネルギーの積極的な導入推進の姿勢に反する施策が散見されるようになっている。例えば、いわゆる「九電ショック」を受けて最近実施された制度改正では、「最大限の再生可能エネルギー導入」を実現するためと称しつつも、電力会社が発電事業者に対し無補償で出力を抑制できる期間の日数制から時間制への変更による事実上の拡大や、新たに小規模電源を出力抑制の対象とする等、電力会社が従前以上に容易に再生可能エネルギーの受入れを制限できるよう改める内容となっており、発電事業者からの憤りの声も報道されるに至っている。また、平成二十七年度の固定価格買取制度における買取価格に関する調達価格等算定委員会では、平成二十四年七月の制度開始時に一キロワットアワー当たり四十円プラス税金であった事業用太陽光の買取価格を、本年七月以降は二十七円まで引き下げる方向で検討が進められており、再生可能エネルギーの導入の推進どころかかえってその投資意欲に水を差すかのような動きも見られるに及んでいる。
 認定済みの設備容量と比して実際の導入が進んでいない原因としては、買取価格の適用年度の問題に起因する発電事業者の「空枠取り」の問題や、より抜本的には、余剰電力を他の電力会社の管区に流すために利用できる連系線を含む送電網の整備が行き届いていない事情等も挙げられるが、これらの問題に関しても、制度導入後三年近く経過した今日までの間に必要な制度的手当やインフラ整備を行ってこなかったことの責めは免れず、制度改正や買取価格見直しの上記の問題と併せて、政府・与党の「再生可能エネルギーの導入推進」という方針の実現意欲を疑わせる状況になっている。
 さらには、民主党は二〇三〇年代原発ゼロを図るべく、あらゆる政策資源を投入することを二〇一四年衆議院選挙のマニフェストでも掲げているのに対し、第四次エネルギー基本計画においては、原子力を「ベースロード電源」と位置付ける等、再生可能エネルギーの推進から原発重視を復活させようとも受け取れる状況にある。
 このような事実を踏まえて、以下質問する。

一 上述のJ−ファイル2012やエネルギー基本計画等で掲げられた再生可能エネルギーの位置付けや導入目標について、昨年の「九電ショック」や総選挙を経て、政府・与党では実質的な方針変更や目標の下方修正を行っている事実はあるか。
二 また、上述したように原発重視の政策を復活させるという意向はあるか。
三 再生可能エネルギーの実際の導入が進んでいない状況について、政府としてはどのような原因があると考えているのか。
四 その原因を踏まえ、今後どのような再生可能エネルギーの導入拡大を図ることとしているのか。特に、連系線や地域送電網の整備、余剰電力の受入れ及び需給調整に資するレドックスフロー等の大規模蓄電池や揚水発電といったインフラの整備に関し、政府として、経済的支援も含めてどのような政策を予定しているのか。

 右質問する。



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