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平成二十七年三月二十四日提出
質問第一六一号

原発の電源系統の安全性の評価等に関する質問主意書

提出者  原口一博




原発の電源系統の安全性の評価等に関する質問主意書


 東日本大震災に伴う福島第一原発事故発生前の第一次安倍内閣においては、平成十八年十二月、「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」(第一六五回国会質問第二五六号)に対し、スウェーデンのフォルスマルク原発一号炉で発生した二重のバックアップ電源の喪失事故に関して「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない」旨の、また大規模地震や津波の発生時にフォルスマルク原発一号炉と同様のバックアップ電源の停止により機器冷却系が停止する可能性に関しては「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、『発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針』(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」旨の答弁書を決定している。
 しかし平成二十三年三月十一日に発生した福島第一原発事故では、我が国においても「二重バックアップ電源の喪失」「機器冷却系の停止」のいずれについても懸念されていた事態が生じ、その結果メルトダウンを伴う大規模事故の発生を招くこととなった。福島第一原発事故の発生以後、民主党政権において原子力安全関係業務を担う原子力規制委員会を設置し、同委員会においてシビアアクシデント対策やテロ対策も盛り込んだ新規制基準が策定され、現在、原発を保有する電力会社の申請に基づいて本規制基準の適合性について審査が進められており、平成二十六年九月に川内原発一号機・二号機について、平成二十七年二月には高浜原発三号機・四号機について適合性が確認されている。また、他の申請中の十四原発二十基についても、逐次適合性審査が進められており、適合性確認が終了した案件から地元同意等の手続きを経て逐次再稼働していく方針である。
 以上の状況を前提に、震災後四年を経てなお福島第一原発事故の爪痕が残る中、奇しくも当時と同じ安倍首相が政権を担い原子力政策の推進に意欲を示す現状において、原子力の規制の在り方に係る安倍内閣の認識についてお伺いしたい。

一 上述の平成十八年の質問主意書に対する答弁では、「二重バックアップ電源の喪失」「機器冷却系の停止」のいずれについても我が国では杞憂であるとされているが、実際に福島第一原発事故が発生したことに見られるとおり、このような「原子力安全神話」に基づく過信と危機感の弛緩が本来必要となる安全対策の不備を招き、結果として福島第一原発事故につながったのではないか。安倍政権では、当時、どのような科学的根拠に基づいて当該答弁を行ったのか、また、福島第一原発事故が実際に発生した以上、当該答弁の論理あるいは前提条件のどこに過ちがあったと評価しているのか。
二 民主党政権時に見直しが開始され、平成二十五年七月に原子力規制委員会において策定された新規制基準については、十分なシビアアクシデント対策、テロ対策等が盛り込まれているものと承知しているが、上記の「二重バックアップ電源の喪失」「機器冷却系の停止」の二点について、原子力規制委員会が現在実施している適合性審査においてはどのような検証を行い、どのような判断により福島第一原発事故と同程度の大規模地震や津波の発生に対し安全性が確保できるものと評価しているのか、一の答弁を踏まえ、客観的な根拠に基づく答弁をお伺いしたい。
三 この他、報道及び予算委員会での議論によれば、福島第一原発において放射性物質に汚染された雨水が排水路を通じて外洋に流出し続けていたことがこの二月に明らかになった問題に関し、原子力規制委員会は、雨水であることを理由としていわゆる炉規法の排出規制及び報告義務のいずれにも該当しないとし、現状の把握も東京電力からの報告任せにする等、炉規法の運用改善や東京電力に対する報告徴収等の積極的・主体的な措置を講じていなかった状況が伺われる。本件につき、安倍内閣では、一昨年のIOC総会での総理発言を踏襲し、「港湾内でコントロールされている」旨の説明に終始しているかに見受けられるが、安倍内閣として、このような原子力規制委員会の対応についてどのように評価しているかお伺いする。

 右質問する。



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