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平成二十七年五月十二日提出
質問第二二七号

平成二十七年四月二十七日開催の財政制度等審議会財政制度分科会にて提示された財務省主計局作成「社会保障」と題する資料の内容に関する質問主意書

提出者  柚木道義




平成二十七年四月二十七日開催の財政制度等審議会財政制度分科会にて提示された財務省主計局作成「社会保障」と題する資料の内容に関する質問主意書


 平成二十七年四月二十七日に開催された財政制度等審議会財政制度分科会にて、財務省主計局より提出された「社会保障」と題する資料について、その資料の示す内容に疑義があり、これにつき政府の真意を確認するものである。

一 三十五頁に示された「保険薬局の収益率及び大手調剤薬局の内部留保」と題する資料にある「大手調剤薬局四社」とは具体的にいかなる法人をさしているのかお示し願いたい。
二 一で示された四社のうちで専ら「保険調剤」事業に従事し、一般用医薬品販売業、薬剤師人材派遣業、医薬品卸業、医薬品製造業などを含む副業を営んでいない法人は何社かお示し願いたい。
三 同資料では、調剤薬局大手の内部留保があることを指摘しており、保険薬局の調剤報酬にかかる収益があたかも高いかのような印象を与えるものであるが、この内部留保のうちに具体的にどの程度のものが調剤報酬によって得られたものなのかを正確にお示し願いたい。さもなくば、多事業展開している法人の場合に、その収益が主計局が強調したいとみゆる「保険薬局」として調剤技術料や調剤報酬などによって過分に得た利益が蓄積された結果としての内部留保とは言い切れず、こうして広く一般に知らしめる財務省主計局名を冠した資料としては不適切と断じざるを得ない。参考資料として示すのであれば、当該四社の純粋に調剤報酬によって得た利益を蓄積した内部留保の実態について正確な数値を別に精査して示すべきと考えるが、政府の見解如何。
四 同資料には、保険薬局の収益率を店舗数で比較した図が提示されているが、これについても各店舗が単に調剤報酬のみにて収益を得ているかどうかを正確に反映したものとはなっていないことが推測されるが、調剤報酬のみで収益率を比較したものかどうかをお示し願いたい。
五 保険薬局が多店舗展開する動機となっているのは、多店舗展開し、社内業務の合理化を進めることによって収益構造を改善させる企業努力をしている結果と想像される。また、医薬品など必要な資材の購入に際して、多店舗展開となることによって大規模取引となり、価格交渉において発言力を高めた結果として収益構造を高めていることも考えられる。こうした価格交渉が円滑に進められる結果として、薬価改定の参考となる乖離率が導出され、ひいては薬価を引き下げることにつながっているともいえ、結果的に医療費のコスト削減に貢献しているといえなくもない。単に収益構造のみをとって比較することは、こうした企業努力も否定するかのような印象を与えかねない。また、問題の本質は、こうして得た利益を何に投資しているのかということであり、収益を薬局設備の改善や従業員の専門性を向上するための研修に投資することによって国民生活の公衆衛生の向上と国民の健康増進に寄与するべく努力しているというのであれば、あたら批判をするに及ぶことではないと考える。収益構造について提示するのであれば、単に店舗数大小に着目するのみではなく、再投資の中身についても精査した資料を提示するべきと考えるが、政府の見解如何。
六 薬剤服用歴の未記載問題や「薬剤師」の資格を保有せずに調剤させることによって調剤報酬を得ている問題などが報道されているところであるが、こうした不実な企業の企業文化や経営体質によって不当に得た利益があるということを強調したいのであれば、そういった趣旨の資料を作成することが望ましい。確かに、現行法では、薬局個々に対して指導監督はできる立てつけになっていると理解するが、企業としての企業文化や経営体質を全体として指導監督するのは難しいと理解するところである。開設者たる企業の体質に対してより強く指導できる仕組みを検討してはどうかと考えるが政府の見解如何。
七 不実な企業とは別に、株主への責任及び従業員への責任をもって真摯に経営努力をしている企業をして「不当に利得」を得ているようなイメージ戦略は、医療において唯一「経済自由の原則」に任せている医薬品給付制度の現状を鑑みるに、極めて政策的に矛盾した見解である。国として「経営努力」と「適切な利得」を認めることができないというのであれば、医療機関と同様にして保険調剤を営む薬局についても営利目的を許さない制度とするべきであると考えるが、そういった趣旨での財務省作成資料なのかどうか財務省の見解如何。
八 七に関して、政府としては、保険薬局の在り方についてどのように考えているのか見解如何。

 右質問する。



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