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平成二十九年二月十五日提出
質問第七二号

公衆の面前で国家安全保障上の機密対応をすることの是非に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




公衆の面前で国家安全保障上の機密対応をすることの是非に関する質問主意書


 安倍総理とトランプ米大統領が、二月十一日にアメリカのフロリダ州パームビーチにある別荘内のレストランで夕食を共にした際、一般客の食事をする、いわば公衆の面前で北朝鮮のミサイル発射を巡り対応を協議していたことが複数のメディアで報じられた。
 例えば、二月十三日のワシントンポスト紙(電子版)は、“Trump and Abe remained at the table and discussed their response to a ballistic missile test by North Korea. While waiters came and went ― and while one club member snapped photos ― the two leaders reviewed documents by the light of an aide's cellphone.”(トランプと安倍はテーブルについたまま、北朝鮮の弾道ミサイル実験への反応を話しはじめた。ウエイターが行ったり来たりし、そのクラブのメンバーが写真を撮ったりしている間、二人の首脳は、側近の携帯電話のライトで照らされた文書を検証した)と報じ、“That strange scene”(おかしな場面)で、“Trump became president, in part, because of Democrat Hillary Clinton's neglect of information security.”(トランプが大統領になったのは、一部には、民主党のヒラリー・クリントンの情報管理に対する軽視によるものだ)と批判している。
 また、このレストランにいたとみられる人のフェイスブックに、安倍総理の前にかざされた文書をスタッフが携帯電話のライトで照らし、谷内正太郎国家安全保障局長ら日本政府関係者がそれをのぞき込んでいる写真も掲載され、「(政府の高官が)慌てているのを見るのは面白い」との書き込みがなされた。
 この件に関し疑義があるので、以下質問する。

一 ワシントンポスト紙(電子版)がいう、「トランプと安倍はテーブルについたまま、北朝鮮の弾道ミサイル実験への反応を話しはじめた。ウエイターが行ったり来たりし、そのクラブのメンバーが写真を撮ったりしている間、二人の首脳は、側近の携帯電話のライトで照らされた文書を検証した」旨の報道は事実であるか。政府の見解を示されたい。
二 ワシントンポスト紙(電子版)がいう、「側近の携帯電話のライトで照らされた文書を検証した」旨の報道でいう「側近」は、谷内国家安全保障局長であるという理解でよいか。谷内国家安全保障局長でないとすれば、この側近は誰か。政府の見解を示されたい。
三 このレストランで北朝鮮のミサイル発射に関し、どのようなことを協議したのかを明らかにされたい。
四 「側近の携帯電話のライトで照らされた文書を検証した」旨の報道でいう文書が、ウエイターが行ったり来たりし、そのクラブのメンバーが写真を撮ったりしている状態を容認し、かつ、携帯電話のライトで照らされている状態がその近くにいた客に撮影されてフェイスブック上に投稿され、全世界に発信されたことは、安倍総理に随行し、携帯電話のライトで文書を照らしていた政府高官に関して、国家公務員法第百条でいう「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」に違反するのではないか。政府の見解を示されたい。
五 アメリカ民主党のペロシ下院院内総務はツイッターで「国際危機(への対応)をディナーショーのように見せたことは言い訳できない」とこのレストランでの協議を厳しく批判している。この協議がどのような内容であるにせよ、日米両国の総理、大統領、そして政府高官が、こうした場面で協議する姿を広く世間にさらすのは不適切なことと考えるが、政府の見解を示されたい。
六 ワシントンポスト紙(電子版)が報じるところのdocuments(文書)は、わが国の安全保障上の機密を含む文書ではないか。政府の見解を示されたい。
七 ワシントンポスト紙は世界的に知られたメディアであり、世界各国に多くの読者を持つ。このようなメディアで、安倍総理とトランプ大統領の行動がThat strange scene(おかしな場面)と批判されることは、わが国の国際的信用の低下に直結する。安倍総理はかかる情報管理に対する軽視の姿勢を改め、猛省すべきではないか。政府の見解を示されたい。
八 「外務省職員の守秘義務に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一七七第三四九号)では、「国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項に規定する「秘密」とは、一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するもの、すなわち、非公知性及び秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実をいうもの」と示されている。ワシントンポスト紙(電子版)が報じるところのdocuments(文書)は、非公知性及び秘匿の必要性の二つを具備しており、「秘密」に該当するのではないか。政府の見解を示されたい。
九 八について、政府が非公知性及び秘匿の必要性の二つを具備していないと判断している場合、その根拠は何か。具体的に示されたい。

 右質問する。



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