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平成二十九年二月十六日提出
質問第七四号

麻生財務大臣のまだ百二十円に行っていない、円安といわれる覚えはないとの発言に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




麻生財務大臣のまだ百二十円に行っていない、円安といわれる覚えはないとの発言に関する質問主意書


 麻生財務大臣は、二月十五日の衆議院財務金融委員会で、「今後とも、日本が金融緩和で円安だなんて言われたって、まだおまえ、俺のところはリーマン・ブラザーズのときのあれが、二百四十円が百二十円まで円高になったときでしたから、まだ百二十円まで行っていませんから、うちは円安と言われる覚えはない、まだ円高の方なんだということが言える」と答弁した。
 この答弁を受けて、二月十五日の日本経済新聞は、「財務相が為替水準に言及するのは異例。二十カ国・地域(G二〇)の為替政策に関するルールから逸脱したと受け取られる可能性が高い。麻生氏は二〇〇八年秋の金融危機前の円相場が一ドル=百二十円程度であったと指摘しており、百二十円を円安の一つの目安としているようだ」と報じている。
 このような観点から、以下質問する。

一 円相場は、日本経済などの先行きを大きく左右するものであり、円相場の具体的な水準に財務大臣が言及するのは極めて異例であり、不適切なものと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
二 麻生財務大臣の発言からは、一ドルが百二十円であることを円安の一つの目安としていることがうかがえる。日本経済新聞も記事でそのように推測している。政府としては、一ドル、百二十円以上が円安であるとの認識を持っているのか。政府の見解を示されたい。
三 内閣総理大臣臨時代理国務大臣麻生太郎氏が衆議院議長に送付したところの、「ドナルド・トランプ氏のアメリカ合衆国大統領選挙当選にともなう日本政府の対応に関する質問主意書」に対する答弁書(内閣衆質一九二第一二九号)では、「株価及び外国為替相場は、様々な要因を背景に市場において決まるものであり、それらの動向について言及することは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから、御指摘の株価及び外国為替相場の動向やそれらを前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたい」との政府見解が示されているが、この答弁は現時点でも政府の見解であると考えてよいか。
四 三について、「外国為替相場は、様々な要因を背景に市場において決まるものであり、それらの動向について言及することは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから、御指摘の株価及び外国為替相場の動向やそれらを前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたい」という、内閣総理大臣臨時代理国務大臣麻生太郎氏が衆議院議長に送付したところの政府の見解と「まだ百二十円まで行っていませんから、うちは円安と言われる覚えはない、まだ円高の方なんだということが言える」との麻生財務大臣の答弁は矛盾すると考えられるが、政府の見解を示されたい。
五 従来の政府見解である外国為替相場の「動向について言及することは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから」、「差し控えたい」のであれば、「まだ百二十円まで行っていませんから、うちは円安と言われる覚えはない、まだ円高の方なんだということが言える」との麻生財務大臣の答弁は撤回すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。
六 二十カ国・地域(G二〇)の首脳会合等でしばしば確認されているように、為替政策に関するルールとして、為替相場は市場が決めるもので、それを歪めるような政治の具体的な数字への言及は、明らかに国際金融市場の常識から逸脱したもので、明白なルール違反である。麻生財務大臣の「まだ百二十円まで行っていませんから、うちは円安と言われる覚えはない」との発言は、かかるG二〇の為替政策に関するルールから逸脱していると思われるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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