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平成二十九年三月二十九日提出
質問第一七七号

議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律に基づく証言に対する安倍総理の認識に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律に基づく証言に対する安倍総理の認識に関する質問主意書


 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(以下、「本法」という。)の第一条では、「各議院から、議案その他の審査又は国政に関する調査のため、証人として出頭及び証言又は書類の提出(提示を含むものとする。以下同じ。)を求められたときは、この法律に別段の定めのある場合を除いて、何人でも、これに応じなければならない」とされ、第六条では「この法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する」という罰則規定を持つ。
 三月二十三日、参議院予算委員会で行われた証人喚問において、籠池康博氏は、「九月五日、昭恵夫人は、講演の控室として利用していただいた園長室で、私との対面していただいたとき」、「私と二人っきりの状態で、一人でさせて済みません、どうぞ、安倍晋三からですというふうにおっしゃって、寄附金として封筒に入った百万円を下さいました。昭恵夫人は全く覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えております」(以下、「籠池証言」という。)と証言した。
 三月二十八日の参議院決算委員会で安倍総理は籠池証言に関連して、「辻元議員はメールの中で書かれたことがですね」、「これはそんなことはなかったと辻元議員はですね」、「これも証明しなければならないということになるわけであります」、「しっかりと検証されるべきだろうと、このように思っています」と答弁した。
 安倍総理の本法による証言等に対する認識に疑義があるので、以下質問する。

一 三月二十四日の記者会見で、菅官房長官は、「官邸というか、政府としてはですね、やはりこのメールを公開することによって、ひとつの物的証拠にもなるわけですよね。特に、講演料だとか、口止めだとか、まぁ色々言ってますよね。あとは寄付ですか。そういう中で、これはあくまでも客観的なひとつの証拠になるだろうと思って公開を行うということを先方の了解を頂いて、決断した」、「国会でこれだけ取り上げられていますから。そして籠池さんもメールに、そういう口止めされたとか言ってるわけですから、そういうものはやはり公開をして、国会または国民の皆さんに見てもらうということは極めて大事なことじゃないでしょうか」と述べたと承知しているが、「このメール」の公開は政府として行ったものという認識でよいか。
二 一に関連して、菅官房長官は、「やはり公開をして、国会または国民の皆さんに見てもらうということは極めて大事なこと」であると述べているが、「このメール」は、政府として事実を確認した上で公開したという理解でよいか。
三 一に関連して、「このメール」は、政府が事実を確認した上での「ひとつの物的証拠」であるという理解でよいか。
四 菅官房長官が「官邸というか、政府として」「このメールを公開することによって、ひとつの物的証拠に」という位置付けで、官邸における定例会見で公開した「このメール」は公文書であるという理解でよいか。
五 菅官房長官は記者会見で、「メールが客観的な証拠になり得ると述べられたが、メールは講演料や口止めについてどういった証拠になるとお考えか」という記者の問いかけに対して、「それはご覧になった方が判断するんじゃないでしょうか」と述べているが、かかる発言は、「このメール」が事実であるかどうかを政府として確認せずに公開したという理解でよいか。
六 安倍総理は、「これはそんなことはなかったと辻元議員はですね」、「これも証明しなければならないということになるわけであります」と発言しているが、本法に基づく証人喚問における籠池証言と、「それはご覧になった方が判断するんじゃないでしょうか」というところの「このメール」との意味は全く異なると考える。安倍総理は、本法による籠池証言と「このメール」は同程度の重要性を持つと考えているのか。見解を示されたい。
七 安倍総理は、籠池証言は事実誤認であると考えているのか。見解を示されたい。
八 本法第六条は「この法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する」という罰則規定を持ち、本法に基づく証人喚問における証言は重い意味を持つ。行政府の長である安倍総理は、国会で行われた籠池証言について言及しつつ、「ご覧になった方が判断するんじゃないでしょうか」程度の信頼性の「このメール」を根拠に衆議院議員に対して、「これも証明しなければならないということになるわけであります」と発言することは国会の権威を傷つけるものではないか。見解を示されたい。
九 先般提出した「内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問主意書」(質問第一〇五号)に対する答弁書(内閣衆質一九三第一〇五号)では、「公人とは、一般に、公職にある人を意味するものと承知しており、他方、私人とは、一般に、公人の対義語として用いられるものと承知している。その意味で「内閣総理大臣夫人」は、公人ではなく私人である」と示された。内閣総理大臣夫人が「私人」であるとすれば、「このメール」は、本来、私人間で交わされた政府が公開することを全く想定していないものであるとの認識でよいか。
十 「このメール」は、本来、私人間で交わされた政府が公開することを全く想定していないものであるにもかかわらず、「このメール」の内容の第三者が誹謗中傷にさらされたとき、当該第三者自身がその内容が虚偽であることを「証明しなければならない」と安倍総理が発言することの法的根拠は何か。

 右質問する。



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