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平成二十九年五月十五日提出
質問第三一一号

沖縄県議会の要請に対する沖縄担当特命全権大使の発言と対応等に関する第三回質問主意書

提出者  仲里利信




沖縄県議会の要請に対する沖縄担当特命全権大使の発言と対応等に関する第三回質問主意書


 沖縄県議会の要請に対する沖縄担当特命全権大使の発言と対応等については、平成二十九年四月四日付第一九七号で質問を、また平成二十九年四月二十日付第二四四号で再質問をそれぞれ行い、四月十四日付及び四月二十八日付でそれぞれ答弁を得たところである。
 その際、本職は当初の質問として、川田司沖縄担当特命全権大使が言う「沖縄経済の四兆円の経済所得の二兆円は本土からの移転経費」の根拠を問い質したところ、政府は沖縄県知事公室発行の「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」の中の「県外受取である」と答弁した。
 この答弁に対して、本職は再質問で、同資料の「県外受取」は沖縄県企画部発行の「平成二十五年度県民経済計算」中の「県外受取の推移」を転記していたものであり、しかもこの「県外受取」の中には、「国庫からの資本移転(国庫支出金等)」や「県外からのその他の経常移転(国庫からの経常移転等)」以外の、県内で発生(生産)した経費であって本土からの移転経費ではない経費が含まれていることから、川田大使の発言は明らかな誤りであると指摘したところであるが、政府は誤りを認めず「当初の答弁通りである」と強弁する有様である。
 さらに、本職が「三千億円の数字の誤りは看過することはできない」と指摘したところ、「当初の答弁通りである」との木で鼻をくくるような答弁であった。
 よって、以下改めてお尋ねする。

一 本職は、政府が対外的な説明や発言を行う場合に、その根拠となる統計資料や事実関係については事前に十分調査・分析・検討した上で用いているものと承知しているが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
二 川田大使及び政府は「二兆円の本土からの移転経費の根拠」として、沖縄県知事公室が発行した「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」中の平成二十五年度の「県外受取」を挙げている。そうであるならば、本職は、川田大使及び政府が、「県外受取」の根拠資料は何を基にして算出されているのか、そして「県外受取」を構成する要件(項目)は何であり、それらの要件(項目)はどのような取引を表したものであるのか、などを事前に十分調査・分析・検討した上で用いているものと承知しているが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
三 本職は、「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」中の平成二十五年度の「県外受取」の根拠資料は、沖縄県企画部発行の「平成二十五年度県民経済計算」中の「県外受取の推移」であると承知しているが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
四 質問三に関連して、沖縄県企画部は、同部発行の「県民経済計算」中の「県外受取の推移」を構成する要件(項目)の説明として、まず大項目が二つあり、そのうちの一つである「経常取引(受)総額」は、(一)「移出(FISIM除く):(県内→県外)」(内訳は@石油製品、A米軍等への財・サービスの提供(米軍基地内工事)、B観光収入、C残差の四つから成る)、(二)「FISIM(県内銀行の剰余金等)の移出入(純)」、(三)「県外からの所得(純)」(内訳は@米軍基地からの要素所得(軍雇用者所得、軍用地料(自衛隊分を除く)、その他)、A残差の二つから成る)及び(四)「県外からのその他の経常移転」(内訳は@県外から財政への経常移転経費、A県外からその他の経常移転経費の二つから成る)という四つの中項目から構成されているとしている。
  次に、もう一つの大項目である「資本取引」は、(一)国庫からの資本移転と(二)その他という二つの中項目から構成されているとしている。
  本職が同資料を取り寄せ、つぶさに点検・確認したところ、このような内容であることを確認したところであるが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
五 質問四に関連して、沖縄県企画部は、「経常取引(受)総額」を構成する四つの中項目のうち、(一)「移出(FISIM除く):(県内→県外)」、(二)「FISIM(県内銀行の剰余金等)の移出入(純)」、(三)「県外からの所得(純)」の三つは、「本土からの移転経費」ではなく、純粋に県内で生産・発生した経費であるとしており、本職も同様な考えであるが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
六 質問四及び五に関連して、本職は、川田大使がその発言の根拠とした「県外受取」は正しく「県外受取の推移」であり、そしてこの「県外受取の推移」の中には川田大使が言う「本土からの移転経費」を意味する「資本取引」及び「県外からのその他の経常移転」が含まれてはいるが、それ以外の経費として「本土からの移転経費」ではなく、純粋に県内で発生した「軍用地料や軍従業員の給与、観光収入、県内での石油製品等」の経費も含まれているものと考えるが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
七 質問四〜六に関連して、よって本職は、川田大使が言う「二兆円の本土からの移転経費」は明らかな誤りであると考えるが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
八 本職は、我が国を代表して対外的に交渉や説明を行う大使の資質として、文化や歴史、経済、産業等に関する基礎的な数値や内容を把握しておくことは、必要最低限の条件であると考えるが、政府の認識もその通りであるか、明らかにされたい。
九 本職の再三の指摘と質問にもかかわらず、政府は頑なに川田大使の言う「二兆円は本土からの移転経費」の誤りを認めようとしない。このような姿勢と対応は単に体面を保とうとする虚勢だけではなく、「沖縄に基地があるが故に政府はひたすら巨額の財政投資を行っている」ことを機会ある度に「流布したい」との意図と姿勢が透けて見えるところであるが、政府の認識と見解を答えられたい。
十 質問九に関連して、「間違っていたと認めることは、何ら恥ではない。それは言い換えれば、今日は昨日よりも賢くなったということなのだから」というイギリスの詩人の言葉を参考に、政府と川田大使は速やかに発言の誤りを認め、訂正すべきであると本職は考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。

 右質問する。



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