衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十九年五月二十四日提出
質問第三三七号

公益社団法人日本獣医師会会長の見解に関する質問主意書

提出者  緒方林太郎




公益社団法人日本獣医師会会長の見解に関する質問主意書


 公益社団法人日本獣医師会の藏内勇夫会長は、今年の新年ご挨拶で以下のような事を述べている。

「さて、昨年の十一月二十八日に地方獣医師会会長の皆様、さらに関係機関の皆様に、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」の決定及びそれに伴う告示改正に関する意見募集の協力をお願いさせていただきました。新年のご挨拶にふさわしいお話ではありませんが、改めて述べさせていただきます。
 内閣府に設置された内閣総理大臣を議長とする国家戦略特別区域諮問会議で、議論されてきたことの一つに獣医学部新設があります。獣医師の需要動向をみましても、地域偏在や職域偏在はあるものの、全国的観点から獣医師数は不足していませんし、平成十九年に農林水産省で行われた獣医師の需給調査においても、今後、獣医師が過剰となる場合や不足する場合のシュミレーションを行いましたが、不足するという結論になっていません。過去五十年間、獣医学部が設置されてこなかったのは、その必要がなかったからであります。現在、日本獣医師会では、地域偏在や職域偏在を解決するため、六年制獣医学教育が始まって以来三十六年間、新規獣医師へ魅力ある職場の提供、処遇の改善、女性獣医師の就業支援を全力で行っています。それと並行して、全国の獣医学系大学は、文部科学省の支援の下で、半世紀に亘り獣医学教育の国際水準達成に向けた自律的改善を計画的に実施してきました。したがって、同諮問会議での有識者委員の発言は、あまりの不見識さに目を覆いたくなります。
 十一月九日に開催された国家戦略特区諮問会議において、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。」ことが決定されました。さらに、十一月十八日付けの「文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件の一部を改正する件(案)」に関する意見募集が一カ月間ありました。本件については、一昨年六月三十日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五の獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討の中で、既存の獣医師養成とは異なる構想が具体化し、さらにライフサイエンス等の新たな分野での獣医師の需要が明らかになり、それらの需要には既存の大学・学部では対応が困難であり、近年の獣医師の需要動向を考慮することが明記されています。現在の提案主体者による獣医学部新設構想は、これらの条件に合致していませんし、全国的見地から獣医師が不足していないので、なぜ新たに獣医師養成大学を設置するのか理解できません。
 このような暴挙というべき国家戦略特区による獣医学部の新設は、これまで関係者が実施してきた国際水準達成に向けた努力と教育改革にまったく逆行するもので、不適切であること、平成二十六年六月二十七日開催の本会第七十一回通常総会で決議したとおり獣医学分野の入学定員の抑制方針の緩和による獣医学部・学科の新設には反対することを、今後も主張してまいります。特に、今回、獣医学教育及び獣医師職域の現状及び将来の在り方について、十分な検証も行わず、本会等関係者が意見を述べる機会もないまま、一方的に獣医学部の新設が決定されたことはきわめて遺憾であります。養成人数の過剰問題を抱えている弁護士や歯科医師のようになることだけは避けなければなりません。会長として、今後もこれらの課題に全力で取り組んでまいりますので、皆様方のご支援ご協力をお願いいたします。」

 これを踏まえ、三月十五日の内閣委員会で以下のようなやり取りがなされている。
 〇緒方委員 (略)それぞれの所掌範囲の中で、この獣医師会会長の見解を共有しておられますか。
 (途中略)
 〇義家副大臣 この獣医師会からの意見については、文部科学省としては確認しております。(緒方委員「いや、確認しているだけじゃなくて、確認して何なんだということです」と呼ぶ)共有しております。

一 文部科学省は、この答弁の通り、その所掌範囲の中で日本獣医師会会長の見解を共有しているか。
二 政府は、日本獣医師会会長の見解を共有しているか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.