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平成三十年一月二十五日提出
質問第三〇号

日本政府における仮想通貨の規制とイノベーション政策に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




日本政府における仮想通貨の規制とイノベーション政策に関する質問主意書


 ビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨市場全体の時価総額が一時百兆円に近付き、世間を賑わせる中、仮想通貨を成長分野とみなし、金融分野における競争力を高め、経済成長のエンジンとするべく戦略的に取り組んでいる国がある。例えば、仮想通貨を発行して世界中からの資金調達を行うICO(Initial Coin Offering)に関していえば、エストニアが電子居住権(e-Residency)のコミュニティ内で流通させる独自の仮想通貨「エストコイン」を発行する構想を政府担当者が明らかにしたという報道がある。また、ベラルーシにおいては、仮想通貨・ICO等の発展を目指した法令が採択され、仮想通貨の発行・取得・採掘などする事によって得た所得を二千二十三年まで非課税にする見通しで、国家レベルでブロックチェーン技術を成長させる狙いがあると言われている。さらに、カナダでは、州証券監督当局がスタートアップ企業のICOの安全性を承認するなど、柔軟な対応をすることによりイノベーションの後押しをしている。その他にも、スイスやロシアなど様々な国で仮想通貨の活用や研究が始まっている。その一方で、仮想通貨の取引に対して、中国や韓国などいくつかの国において規制の強化を目指した動きがある。報道によると、これに関して麻生財務大臣兼金融担当大臣は、本年一月十二日午前の閣議後記者会見において「何もかも規制すればよいものではない」との見解を示し、「利用者保護とイノベーションのバランスを注意しながらやっていかなければいけない」との発言をしている。
 仮想通貨に使われるブロックチェーンは、様々な分野に応用が期待される技術であり、金融とITの融合は新たな産業を生み、経済の効率化にも繋がると考えられる。政府は、「未来投資戦略二〇一七」(以下「未来投資戦略」という。)においてフィンテックの推進を掲げているが、仮想通貨・ICOの規制と健全な発展について、政府はどのように考えているのか、見解を確認したいので、以下質問する。

一 未来投資戦略では、国際的な研究機関等と連携した共同研究や金融当局の国際的なコンソーシアムへの参加について述べているが、政府として各国の仮想通貨・ICOの規制やイノベーションを進める政策についての調査研究や各国当局との情報交換などを既に行っているのか、またその具体的内容があれば伺いたい。
二 各国の仮想通貨・ICOの規制やイノベーションを推進する政策について日本政府としてどのように捉えているか、所見を伺いたい。
三 日本における仮想通貨・ICOの規制政策をどの省庁が、どのように進めていこうと考えているのか、具体的に示されたい。
四 日本における仮想通貨・ICOのイノベーション政策をどの省庁が、どのように進めていこうと考えているのか、具体的に示されたい。
五 麻生財務大臣兼金融担当大臣が述べられている、日本における仮想通貨の「規制」と「イノベーション」のバランスについては、省庁を超えた戦略的かつ包括的な政策が必要であると考える。そのためにもICOも含む仮想通貨政策について今後、政府として「規制」と「イノベーション」のバランスをどのように図ろうと考えているのか、具体策と展望を伺いたい。
六 未来投資戦略では、実証実験を行うためのフィンテック実証実験ハブについて述べられている。現時点で日本政府内には、仮想通貨やICOのイノベーション政策について戦略的かつ包括的に担当する部署が設置されていないように見受けられるが、同政策を担当する部署を早急に定めるまたは新設すべきであると考えるが、所見を伺いたい。

 右質問する。



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