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平成三十年二月二日提出
質問第四九号

憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書

提出者  初鹿明博




憲法を「国の理想の姿を示すもの」とする総理の認識に関する質問主意書


 安倍総理は憲法について言及する際に、しばしば「憲法は、この国の形、理想の姿を示すものです」と述べています。
 「憲法」とは、小学館発行の辞書、大辞泉では「国家の統治権・統治作用に関する根本原則を定める基礎法。他の法律や命令で変更することのできない国の最高法規。近代諸国では多く成文法の形をとる」とあり、三省堂発行の大辞林では「国家の基本的事項を定め、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範」とあり、他の辞書を見ても、国の「理想の姿」を示すと記載されている辞書は確認できません。
 一方、「理想」の意味は、大辞泉では「人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態」、大辞林では「考えうるかぎり最もすばらしい状態。最も望ましい姿。行動の目的となって現実に意味を与える」とあり、対義語として「現実」が挙げられています。
 フランス人権宣言第十六条に「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」と記載されているように、憲法は国民の権利と自由を保障し、権力の分立を定めており、国の理想の姿を示すのではなく、具体的な国家組織の形態を規定しているものであります。
 また、全ての法律は憲法の規定を満たす範囲で公布されるので「憲法は法律の法律である」と説明されることもあり、憲法は「国民が権力者(国家)に守らせる法」、法律は「権力者(国家)が国民に守らせる法」であると捉えられていることが一般的です。
 つまりは、憲法はそこに記載されていることを権力者が守り、現実の姿としなければならないのであって、記載されている事柄を理想として、そこに近づくように励むようなものではありません。
 以上を踏まえて、政府の見解を伺います。

一 安倍総理の、憲法はこの国の「理想の姿」を示すものだという考えは、安倍総理個人の考えですか。
二 政府としても、憲法は三権分立など国家組織の具体的な姿を示すのではなく、(現時点では具現化していない)理想の姿を示すものであると考えているのですか。
三 上述した通り、安倍総理の「国の理想の姿を示すものです」という憲法に対する認識は、明らかに誤っているので、過去の答弁を訂正すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

 右質問する。



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