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平成三十年三月二十日提出
質問第一六九号

内閣総理大臣夫人の政治的価値に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




内閣総理大臣夫人の政治的価値に関する質問主意書


 平成三十年三月十九日、参議院予算委員会で財務省の太田理財局長は、書き換え前の財務省決裁文書に安倍昭恵氏を巡る記載があった理由について、「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」と答弁した。理財局長の答弁は、当該決裁文書における安倍昭恵氏を巡る記載について、文書を作成した者は、安倍昭恵氏が安倍晋三首相の妻であることを意識して書いているとの認識を示すものである。
 「内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質一九三第一〇五号)では、「公人とは、一般に、公職にある人を意味するものと承知しており、他方、私人とは、一般に、公人の対義語として用いられるものと承知している。その意味で「内閣総理大臣夫人」は、公人ではなく私人であると認識している」として、安倍昭恵氏が「私人」であると答弁している。
 代表的なアメリカの政治学者のイーストンは、政治を「社会に対する価値の権威的配分」と定義している。政治は、形式的にいえば「政策決定過程」であり、内容的にいえば「価値の権威的配分」と説明されることが多い。すなわち、当該答弁書で、内閣総理大臣夫人の「法的地位」が「私人」であったとしても、その者がある政策決定過程において、直接的もしくは間接的に関与し、内閣総理大臣夫人であることを政策決定過程にいる者が知ることで、「価値の権威的配分」、言い換えれば政策決定に一定の影響を与え得る政治的な価値を持つに至る。この場合、「私人」であると政府が主張する内閣総理大臣夫人の存在そのものが政治的な価値を帯びるのであり、その権威、威光は直接的もしくは間接的に政府の政策決定過程に影響を与える。
 このような観点から、以下質問する。

一 理財局長の「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」との答弁は、安倍昭恵氏が内閣総理大臣夫人であるため、安倍昭恵氏を巡る経緯が書き換え前の決裁文書に書かれたという理解でよいか。
二 一に関連して、安倍昭恵氏の夫が現職の内閣総理大臣もしくは国務大臣、国会議員でなければ、安倍昭恵氏を巡る記載はなされなかったという理解でよいか。
三 「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」との答弁を踏まえると、財務省の所管における政策決定過程において、安倍昭恵氏を巡る経緯、また安倍昭恵氏自身の名前そのものが一定の政治的な価値や何らかの意味合いを持つため、財務省の政策決定過程に直接的もしくは間接的に影響を及ぼし得るという理解でよいか。
四 安倍昭恵氏の存在は、内閣総理大臣夫人であることから、行政の意思決定過程を介して、日本「社会に対する価値の権威的配分」に影響を及ぼすのではないか。政府の見解如何。
五 「それは基本的に、総理夫人だということだと思います」との答弁を踏まえると、内閣総理大臣夫人は「私人」であるものの、政治的な価値や意味合いを持ち、行政の政策決定過程に影響を及ぼし得るという理解でよいか。

 右質問する。



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