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平成三十年六月二十九日提出
質問第四一八号

国民年金法に基づく障害基礎年金の支分権の消滅時効についての異議申立てに関する質問主意書

提出者  大西健介




国民年金法に基づく障害基礎年金の支分権の消滅時効についての異議申立てに関する質問主意書


 厚生労働省は、障害基礎年金の裁定の通知に際して、遡及五年を超える障害基礎年金については「時効消滅によりお支払いはありません」と記載した年金決定通知書を通知している。
 この点、障害基礎年金の受給権者は、保険者の裁定を受けるまでは、支分権を行使することはできず、支分権は未だ具体化していないため、支分権についての消滅時効の起算点は、保険者による裁定が受給権者に通知された時点になると考えられる。
 これに関連し、行政不服審査法に基づき厚生労働大臣に対して、遡及五年を超える障害基礎年金の消滅時効完成を理由に不支給とした通知を取消し、遡及して障害基礎年金の支払いを求める異議申立てが行われているが、厚生労働省は、年金裁定通知書の「時効消滅によりお支払いはありません」という付記は、裁定の通知に際し、事実の通知として「年金は時効消滅により支払われない」旨の見解を書面に付記したものに過ぎず、行政不服審査法の異議申立ての対象となる「行政庁の処分」には該当しないとして、異議申立てを却下している。(厚生労働省発年〇七〇三第一号平成二十九年七月三日決定書他)
 一方、遡及五年を超える障害基礎年金の消滅時効完成を理由に不支給とした厚生労働省の処分を不服として、社会保険審査会に対して行われた再審査請求については、社会保険審査会は受理した上で、「権利者が権利を行使することを知らない場合であっても、それは事実上ないし主観的な障害であるから、これらの事情は時効の進行は妨げない」として、再審査請求には理由がなく棄却するとの判断を下している。(社会保険審査会平成二十五年七月三十一日平成二十四年(国)第二六四号裁決書他)
 同様の事案に対して、社会保険審査会が少なくとも受理した上で棄却の判断をしているのに対して、厚生労働省が厚生労働大臣への異議申立てを却下し、門前払いとしていることは、行政に対する不服申立ての道を違法に閉ざしていると考えるが、行政不服審査法に基づく厚生労働大臣への異議申立てに対する厚生労働省の却下の決定と、再審請求に対する社会保険審査会の棄却の裁決が矛盾した取り扱いとなっている理由、および厚生労働省による却下の決定は行政不服審査法の趣旨に照らして違法ではないかとの指摘に対する政府の見解を明らかされたい。

 右質問する。



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