衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十年一月二十九日受領
答弁第一号

  内閣衆質一六九第一号
  平成二十年一月二十九日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員照屋寛徳君提出宮古島「バイオエタノール・アイランド構想」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員照屋寛徳君提出宮古島「バイオエタノール・アイランド構想」に関する質問に対する答弁書



一について

 ガソリンにバイオエタノールを混合する方式には、エタノールとイソブテンからETBEを合成した上でガソリンと混合するETBE方式と、ガソリンに質量の三パーセント相当のエタノールを直接混合するE3方式とがある。いずれの方式で混合された燃料も、二千十年度において原油換算で五十万キロリットルを導入するという目標が京都議定書目標達成計画(平成十七年四月二十八日閣議決定)の中で掲げられている輸送用バイオ燃料であることから、政府としては、同計画の達成のために、ETBE方式、E3方式双方についてその普及の実証事業を進めているところであり、E3方式のみを推奨しているわけではない。

二について

 お尋ねの「年次計画」が何を指すかが必ずしも明らかではないが、沖縄県宮古島市におけるいわゆる「バイオエタノール・アイランド構想」は、同市において開発が進められていた、サトウキビの精製に伴い副次的に産出される糖蜜からエタノールを製造する技術を利用して、同市内で消費されるガソリンをE3方式によるバイオエタノール混合ガソリンで代替することを目的とするものである。政府としては、こうした目的の達成に向けた環境整備のため、平成十九年度より、エタノール製造プラントの整備を開始し、平成二十年度以降に、バイオエタノールの大規模製造及びE3方式によるバイオエタノール混合ガソリンの供給に係る大規模実証試験を開始する予定であり、このため、環境省においては、「エコ燃料実用化地域システム実証事業」として、平成十九年度予算に約二十七億円、平成二十年度政府予算案に二十三億円を計上しており、また、経済産業省においては、「E3地域流通スタンダードモデル創成事業」として、平成十九年度予算に約七億円、平成二十年度政府予算案に約四億円を計上している。
 「バイオエタノール・アイランド構想」を宮古島市で実施することとした理由は、同市において従来よりエタノールの製造技術の開発が進められてきており、また、原料である糖蜜を十分に同市内で確保することができるからである。

三について

 E3方式によるバイオエタノール混合ガソリンは、揮発油等の品質の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第八十八号)に規定する揮発油の規格に適合している限り、通常のガソリンやETBE方式による混合ガソリンと同様、その品質に問題はないと考えている。

四について

 バイオエタノールの生産においては、現在、砂糖の生産過程において副産物として発生する糖蜜の活用等がなされているが、将来的には、収量の高いさとうきびの品種育成とその活用等及びさとうきびの非食用部からのバイオエタノール生産の可能性もあると考えており、御指摘の「全島E3化」の推進は、地球温暖化の防止や循環型社会の形成という効果に加えて、バイオエタノールの製造やさとうきび生産を始めとする地域の産業にとって、新たな需要の開拓やそれに伴う雇用の創出等が期待できると考えている。

五について

 政府は、宮古島「バイオエタノール・アイランド構想」における実証事業においては、E3方式を採用することとしている。
 政府としては、引き続き、関係業界の理解を得つつ、同事業を着実に進めていく所存である。



経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.