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答弁本文情報

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平成二十年二月二十九日受領
答弁第一〇七号

  内閣衆質一六九第一〇七号
  平成二十年二月二十九日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員鈴木宗男君提出近年の冤罪事件を受けて警察庁が公表した「警察捜査における取調べ適正化指針」に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員鈴木宗男君提出近年の冤罪事件を受けて警察庁が公表した「警察捜査における取調べ適正化指針」に関する第三回質問に対する答弁書



一について

 警察庁としては、都道府県警察に対して、会議の場を通じ、又は執務資料を送付するなどの方法により、警察庁が平成二十年一月に作成した「警察捜査における取調べ適正化指針」(以下「指針」という。)に係る制度趣旨の周知及び必要な指導を徹底するとともに、各都道府県警察においても、衆議院議員鈴木宗男君提出近年の冤罪事件を受けて警察庁が公表した「警察捜査における取調べ適正化指針」に関する質問に対する答弁書(平成二十年二月五日内閣衆質一六九第二八号。以下「前々回答弁書」という。)一及び二についてで述べた監督担当者となり得る警察職員に対し、執務資料等を用いた研修、個別指導等により、指針に係る制度趣旨のほか具体的な手続、留意事項等の周知を図るよう指導することとしている。
 また、警察庁としては、取調べに関する監督の実効性を確保するため、都道府県警察に対して、取調べに関する監督に係る責任者を置くほか、当該責任者の職務遂行を補佐するために必要な職員を配置するなど所要の体制を整備するよう指導を徹底することとしている。

二について

 警察庁としては、前々回答弁書一及び二についてで述べたとおり、取調べに関する監督は監督対象行為の有無を確認すること等により行うこととしており、その性質上、監督担当者は、個別具体的な事件の内容や具体的な捜査手法等捜査上の秘密に触れる機会があり得ることから、当該捜査上の秘密の保持を図るため、都道府県警察の警察職員とすることとしている。

三について

 警察庁としては、二についてで述べた捜査上の秘密の保持を図る必要があること及び都道府県警察において取調べを始めとする犯罪の捜査を直接担当しない総務又は警務部門に取調べに関する監督を担当させ、必要な体制を整備することにより、警察組織内部におけるチェック機能を発揮させ、取調べに係る不適正行為の未然防止を図ることができると考えられることから、被疑者の弁護人を含め都道府県警察の警察職員以外の者を監督担当者とすることは考えていない。

四及び五について

 被疑者の取調べの全過程について録音・録画を義務付ける制度を導入することの是非については、我が国の刑事手続全体における被疑者の取調べの機能及び役割を踏まえつつ、多角的な見地から調査及び検討を行っているものの、そのような制度の導入については、衆議院議員鈴木宗男君提出富山県における冤罪判決に関する再質問に対する答弁書(平成十九年十月三十日内閣衆質一六八第一三八号。以下「先の答弁書」という。)七及び八についてで述べたとおり種々の問題があると考えている。

六について

 被疑者の取調べの全過程について録音・録画を義務付ける制度を導入することについては、先の答弁書七及び八についてで述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えているが、検察当局においては、裁判員が参加する刑事裁判における自白の任意性の立証方策を検討する一環として、立証責任を有する検察官の判断と責任において、任意性の効果的・効率的な立証のため必要性が認められる事件につき、取調べの機能を損なわない範囲内で、検察官による被疑者の取調べのうち相当と認められる部分の録音・録画を試行しているものと承知している。



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