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答弁本文情報

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平成二十年三月十一日受領
答弁第一二九号

  内閣衆質一六九第一二九号
  平成二十年三月十一日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員長妻昭君提出社会保険庁職員による標準報酬月額の不正改ざん等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長妻昭君提出社会保険庁職員による標準報酬月額の不正改ざん等に関する質問に対する答弁書



一、二及び七について

 社会保険庁においては、厚生年金保険の適用事業所に該当しなくなった後に遡及して標準報酬月額又は資格喪失日に係る記録訂正(以下「遡及記録訂正」という。)が行われ、遡及記録訂正に合理的な理由が認められないと年金記録確認第三者委員会(以下「委員会」という。)が判断し、本年一月三十一日までに総務大臣があっせんした十五件の事案について、同月十一日以降順次社会保険庁運営部医療保険課から関係する地方社会保険事務局(以下「関係事務局」という。)に対して、当初、当時の社会保険事務所の適用業務及び徴収業務の担当者で調査が可能な者を対象とし、遡及記録訂正が行われた理由等を聴取し、一週間程度で回答するよう指示したが、さらに、正確な調査を行う必要があると考えられたことから、同年二月一日及び同月八日に同課から関係事務局に対して、書面及び面談調査を実施するよう指示したところである。その書面調査においては、当時の社会保険事務所の適用業務及び徴収業務の関係者を対象とし、遡及記録訂正への関与の有無及び関与があった場合にはその内容等について調査し、また、その面談調査においては、書面調査の対象者全員に対し、遡及記録訂正への関与の有無、関与があった場合には遡及記録訂正を行った経緯及びその内容等について、書面調査の内容も踏まえ、調査している。これらの書面及び面談調査の報告期限については、本年二月十八日及び同月二十二日としたが、退職者も調査の対象としていること等から、調査に時間を要しており、改めて同月末を目途に報告を求めた結果、関係事務局から報告があったところである。なお、退職等により連絡が取れない者に対しては、引き続き調査することとしている。
 また、その後、社会保険庁においては、遡及記録訂正が行われ、遡及記録訂正に合理的な理由が認められないと委員会が判断し、本年二月二十九日に総務大臣があっせんした一件の事案についても同年三月四日に同様の書面及び面談調査を実施するよう指示したところであり、その報告期限を同月二十一日としている。
 お尋ねの調査結果の公表期日及び遡及記録訂正が行われた原因については、これまで報告があったものについては現在分析中であり、また、他方の当事者である事業主に対しても別途速やかに調査を実施することとしていることから、現時点において回答することは困難であるが、今後、明らかにしてまいりたい。

三について

 お尋ねについては、本年一月十一日以降順次坂野社会保険庁長官から一、二及び七についてで述べた調査に係る指示があり、さらに、二月四日の参議院予算委員会において舛添厚生労働大臣から調査の加速化の指示があり、これらを受け、社会保険庁においては、現在、早急に調査を進めているところである。

四について

 本年二月一日に埼玉、東京、大阪、兵庫及び鹿児島の各社会保険事務局長に対し、同月八日に宮城及び広島の各社会保険事務局長に対し、同年三月四日に東京社会保険事務局長に対し、事務連絡「年金記録確認第三者委員会あっせん事案等に係る調査について」をそれぞれ発出している。

五の1について

 お尋ねの「不正改ざん」の件数は把握していないが、遡及記録訂正が行われ、記録訂正に合理的な理由が認められないと委員会が判断し、総務大臣があっせんした件数としては十六件である。また、これらの事案とは別に、社会保険庁において、社会保険庁が発足した昭和三十七年七月一日から本年二月二十九日までの間に、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第一項に規定する免職、停職、減給及び戒告並びにそれらに準ずる矯正措置である訓告及び厳重注意(以下「処分」という。)を行った事案について確認した結果、実際に支給された給与に基づく標準報酬月額より低額である標準報酬月額とし、事業主及び被保険者から低額の標準報酬月額に基づき保険料を徴収した不正な処理(以下「不正処理」という。)の事案が、三件あると承知している。

五の2について

 五の1についてでお答えした十六件のうち、これまでに社会保険審査会への審査請求があったものはない。また、五の1についてでお答えした三件については、社会保険審査会への審査請求の有無について確認できない。

五の3について

 お尋ねの「件数」は、五の1についてでお答えしたとおり十六件であり、これらはすべて総務大臣があっせんしたものである。なお、委員会に対して現在申立てがなされている事案のうち、遡及記録訂正が行われたと委員会で判断されることとなるものについては、今後、委員会における調査及び審議を通じて明らかになるものと考えている。

五の4について

 五の1についてでお答えした三件の事案について、社会保険庁が処分を行った職員数は、五名であり、当該処分の日付及び内容は、昭和四十四年十一月二十二日付けでの免職が一名並びに昭和五十七年四月二日付けでの減給が二名、戒告が一名及び訓告が一名である。なお、このほか、同様の不正処理を理由として、禁錮以上の刑に処せられた職員一名が、昭和四十二年四月二十五日付けで国家公務員法第七十六条の規定により失職している。

六について

 年金記録問題への対応の緊急性にかんがみると、「ねんきん特別便」の送付により、すべての受給者又は被保険者に、できるだけ早く御自身の加入履歴の確認を行っていただくことが最優先課題であると考えている。仮に「ねんきん特別便」に標準報酬月額を記載することとした場合、そのためのプログラム開発等の作業が必要となり、「ねんきん特別便」の迅速な送付が困難となること、標準報酬月額は「ねんきん特別便専用ダイヤル」や社会保険事務所等で確認可能であること、また、被保険者についてはインターネットでの年金個人情報提供サービスにおいても確認可能であることから、「ねんきん特別便」に標準報酬月額を記載しないこととしたところである。
 なお、これらの標準報酬月額の確認方法については、今後、政府広報等により周知することとしているとともに、本年四月以降に送付する「ねんきん特別便」においても、標準報酬月額の記載がないことを明記した上で、少しでも心配がある場合には、「ねんきん特別便専用ダイヤル」や社会保険事務所等に問い合わせていただくよう周知することとしている。

八について

 社会保険庁としては、標準報酬月額に係る事業主からの届出に疑義がある場合には、社会保険事務所から事業主に対して事実確認を行っており、特に、長期間遡及して標準報酬月額を引き下げる場合等は、関係書類の提出を求めるなど、慎重に確認を行うこととしている。いずれにしても、今後、一、二及び七についてでお答えした調査結果を踏まえて必要な対策を講じてまいりたい。

九について

 お尋ねの「入力ミスの割合の提示」については、平成十九年七月五日に年金業務刷新に関する政府・与党連絡協議会が取りまとめた「年金記録に対する信頼と新たな年金記録管理体制の確立について」に基づくコンピュータ記録と台帳等との計画的な突合せを行うことにより、これを行うことが可能である。また、お尋ねの「台帳紛失の割合の提示」については、国民年金及び厚生年金保険の被保険者台帳等(以下「台帳等」という。)は、昭和五十八年以前のものは磁気ファイルに収録した上で既に破棄されたものがあり、また、昭和五十九年以後のものは順次被保険者に関する届出の内容を直接社会保険オンラインシステムに収録しているため、そもそも台帳等が存在しないことから、当該割合を提示する必要性は低いと考えている。このため、お尋ねの「サンプル調査」を実施する緊急性及び必要性は低いものと考えている。



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