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答弁本文情報

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平成二十年五月二十三日受領
答弁第三八四号

  内閣衆質一六九第三八四号
  平成二十年五月二十三日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員三日月大造君提出「道路特定財源等に関する基本方針」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員三日月大造君提出「道路特定財源等に関する基本方針」に関する質問に対する答弁書



Tの1から4までについて

 道路整備特別会計から公益法人に支出された委託経費、道路整備事業を遂行する上で支出された広報広聴経費、職員の福利厚生等のための経費等に係る無駄遣いが国会等において指摘されたため、国土交通省に設置された「道路関係業務の執行のあり方改革本部」(以下「改革本部」という。)において、平成十八年度に道路整備特別会計から支出された経費のうち、平成十八年度において道路整備特別会計から一件当たり五百万円以上の業務等の費用が支出された国土交通省所管の五十の公益法人への調査研究等を行うための委託経費約六百七十三億円、道路整備事業を遂行する上で支出された広報広聴経費約九十八億円、職員の福利厚生等のための経費(健康診断及び永年勤続等表彰に係る経費を除く。)約三千百三十六万円などについて点検を行い、平成二十年四月十七日に最終報告書を取りまとめたところである。
 「道路特定財源等に関する基本方針」(平成二十年五月十三日閣議決定。以下「基本方針」という。)においては、「道路関連公益法人や道路整備関係の特別会計関連支出の無駄を徹底的に排除する」としているが、これは、改革本部が取りまとめた最終報告書を踏まえ、国土交通省において、今後は、これらの経費等の支出に際し、国民の目線から見て、道路整備事業を遂行するために必要か、効果が十分に発揮されるか、支出しようとする額は適正かといった視点から判断し、不適切な支出は行わないこととする趣旨である。
 また、基本方針においては、「政府全体で、行政と密接な関係にある公益法人について、六月末までに集中点検を実施し、支出の無駄を徹底的に是正する」としているが、これは、国からの支出に依存する公益法人等の行政と密接な関係にある公益法人への支出について、事務事業に係る支出の必要性や随意契約の見直し等競争的な契約方式への移行の可能性等について改めて見直すこととし、六月末までに右に述べた道路整備特別会計からの支出に関して指摘された無駄と同様の無駄の有無について、各府省が集中点検を実施し、無駄があればそれを是正するとの趣旨である。

Tの5の@について

 改革本部における検討において、国土交通省が道路整備特別会計からの使途として、今後、支出しないこととしたものは、レクリエーションのための経費、健康・運動器具の購入に係る経費及び道路ミュージカルの上演に係る経費である。これらの経費に係る平成十八年度の支出額は、レクリエーションのための経費が約十五万円、道路ミュージカルの上演に係る経費が約五千五百万円であり、健康・運動器具の購入に係る支出実績はない。
 なお、今後、道路整備関係の特別会計関連支出について、国民の目線から見て、道路整備事業を遂行するために必要か、効果が十分に発揮されるか、支出しようとする額は適正かといった視点から判断し、不適切な支出は行わないこととしてまいりたい。

Tの5のAについて

 国土交通省としては、改革本部が取りまとめた最終報告書を踏まえ、道路関係公益法人(平成二十年度から社会資本整備事業特別会計道路整備勘定からの支出を取りやめるものを除く。)間での国家公務員を退職した者の役員の兼職は、常勤又は非常勤を問わず、平成二十一年度までに解消するよう、平成二十年四月十八日付けで道路関係公益法人(平成二十年度から社会資本整備事業特別会計道路整備勘定からの支出を取りやめるものを除く。)に対し要請したところである。

Tの5のBについて

 基本方針の「道路関連公益法人や道路整備関係の特別会計関連支出の無駄を徹底的に排除する」は、改革本部が取りまとめた最終報告書の内容を踏まえ、閣議決定されたものである。

Tの6について

 御指摘の「天下り」とは、一般的には各府省で退職後の幹部職員を企業、団体等に再就職させることをいうものと考えており、また、お尋ねの「関連する法人」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、政府としては、独立行政法人、特殊法人、認可法人等の役員に就いている退職国家公務員(本府省の課長・企画官相当職以上で退職した者をいう。ただし、国立大学・国立高等専門学校の学長その他の教官等、退職後十年以上民間会社等の役職員歴のある者並びに退職後五年以上当該法人等の職員歴のある者及び役員出向者を除く。)の数及び国所管の公益法人の理事に就いている国家公務員出身者(国の行政機関において常勤の職員として職務に従事した者をいう。ただし、専ら教育、研究、医療に従事した者及び当該官庁における勤務が一時的(原則として、任期の定めのある場合は一期、任期の定めのない場合は三年程度以下)であった者は除く。)の数を毎年調査し、公表している。
 また、国家公務員の再就職については、平成十九年六月に成立した国家公務員法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第百八号)において、各府省の再就職あっせんを全面的に禁止し、中立かつ透明な仕組みによる官民人材交流センターに再就職あっせんを一元化すること等としており、政府としては、これらの措置により退職管理の適正化を進め、いわゆる天下り問題を根絶していく考えである。

Uの1について

 基本方針においては、「道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化する」こと及び「一般財源化の法改正により、道路整備費の財源等の特例に関する法律案における道路特定財源制度の規定は二十一年度から適用されないこと」としており、道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第三十一号)による改正後の道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和三十三年法律第三十四号)について、適切な時期に必要な改正がなされるものと考えており、矛盾は生じないものと考えている。

Uの2について

 道路特定財源の暫定税率の在り方については、基本方針において、「暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取組み、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する」としているところであり、御指摘の「受益者負担」の観点も含め、検討してまいりたい。

Uの3について

 今年取り組むこととしている税制抜本改革においては、我が国における所得、消費、資産等に係る税制全般について検討を行う必要があると考えているが、その具体的内容について、現時点で確たることを申し上げることは困難である。

Uの4の@並びにAのア及びイについて

 一般財源化については、一般に、特定の費用に限定することが義務付けられている財源の使途について、その義務付けを行わないことと承知しているが、基本方針において、「道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し二十一年度から一般財源化する」としているところであり、地方分も含め、その具体的内容については、今年の税制抜本改革時に検討すべき課題と認識している。

Uの4のAのウについて

 基本方針の「影響」とは、必要な税財源が確保されなくなることを想定している。

Uの4のAのエについて

 地方道路整備臨時交付金及び地方道路整備臨時貸付金は、地方公共団体における厳しい財政状況のもと必要な道路整備を進めていく上で、必要な制度であると認識しているが、その具体の取扱いについては、今後、議論がなされるものと考えている。

Uの5について

 道路事業の実施に当たって、その必要性については、一般に、道路事業を実施する者等が、地方公共団体の意向等を踏まえ、費用便益分析等により事業評価を行うなど、総合的に判断しているものであるが、基本方針の「必要と判断される道路」については、新たな交通需要推計や事業評価手法の見直し等を踏まえた総合的な判断が必要であると考えている。

Uの6について

 基本方針においては、「一般財源化の法改正により、道路整備費の財源等の特例に関する法律案における道路特定財源制度の規定は二十一年度から適用されないこと」としており、適切な時期に必要な法律の改正がなされるものと考えている。

Uの7について

 基本方針における「道路特定財源制度の規定」とは、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律第三条を指すものであると認識している。

Vの1及び2について

 昭和四十九年に導入された暫定税率の設定により、我が国の道路は近年相当程度整備が進んできたものと考えており、また、先般成立した所得税法等の一部を改正する法律(平成二十年法律第二十三号)等においては、真に必要な道路整備の計画的な推進等の観点から十年間暫定税率の水準を維持することとされたところである。また、暫定税率の在り方については、基本方針においては、「暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取組み、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する」としているところであり、その具体的内容について、現時点で確たることを申し上げることは困難である。

Vの3について

 所得税法等の一部を改正する法律等が先般成立し、暫定税率が維持されたことにより、国民生活や地域経済の様々な混乱及び影響が解消されたものと考えており、暫定税率を維持することについて、国民の理解と協力を得られるよう、説明に努めてまいりたい。

Wの1について

 お尋ねの「道路の中期計画を「五年」とした根拠」については、平成十九年十二月七日に政府・与党で合意し、取りまとめた「道路特定財源の見直しについて」において、今後十年間を見据えた道路の中期計画を策定することが示されたが、人口減少社会の進展等将来を見通すことがますます困難な時代となる中で、これまでの国会審議等における議論を踏まえ、計画期間を五年としたところである。

Wの2について

 基本方針の「最新の需要推計」とは、平成十七年の道路交通センサスや新たな人口推計に基づいた推計値のことを指しており、今年秋までに取りまとめることとしている。

Wの3及び4について

 基本方針の「新たな整備計画」と当該計画の平成二十年度予算の執行への反映については、基本方針に基づき、道路特定財源等に関する関係閣僚会議での議論等を踏まえ、今後検討していくものであり、現時点でお答えすることは困難である。

Wの5について

 政府においては、現在、平成二十年度から平成二十四年度までを計画期間とし、道路、空港、治水等の九つの事業分野別の計画を一本化した第二期の社会資本整備重点計画を策定中である。同計画の策定に当たり、御指摘の「空港・鉄道・港湾等の社会資本整備のあり方」についても、総合的な交通ネットワークの形成等の観点から、十分に検討してまいりたい。
 なお、これらの社会資本整備については、毎年度、予算の範囲内において行われることとなる。

Xの1について

 基本方針の「暫定税率の失効期間中の地方の減収」の規模については、現時点では、軽油引取税等の地方税の減収額が判明していないこと等から、お答えすることは困難である。

Xの2について

 基本方針の「支障」とは、地方公共団体において、暫定税率の失効期間中の地方税及び地方譲与税の減収により財源が確保されなくなることである。

Xの3について

 基本方針の「財源措置」の具体的な内容については、今後、検討することとしている。

Xの4について

 今後、地方公共団体との意見交換等により、地方の意見にも十分に配慮することとしている。

Yについて

 道路特定財源等に関する関係閣僚会議は、基本方針の具体化を進めるために随時開催することとされている。会議の構成員は、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び内閣官房長官であり、必要に応じ、関係者の出席を求めることができることとされている。
 今後は、与党や与野党間の協議の状況を踏まえながら、必要に応じて開催することとしている。

Zの1について

 道路整備を始めとする社会資本整備に要する費用の経理については、国からの資金のみならず、地方公共団体からの負担金等も含めた歳入について、その歳入と歳出の対応関係を明確化するとともに、事業全体のコストと成果を明確化するため、特別会計を設けて区分経理を行っているところである。このため、一般財源化に伴い、当然に区分経理を行わないこととすべきものとは考えていない。

Zの2について

 お尋ねについては、与野党協議会の設置に係る事項であることから、閣議決定である基本方針に盛り込まれていないものである。



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