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答弁本文情報

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平成二十年六月十三日受領
答弁第四七九号

  内閣衆質一六九第四七九号
  平成二十年六月十三日
内閣総理大臣 福田康夫

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員江田憲司君提出後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員江田憲司君提出後期高齢者医療制度の実態調査、問題点等に関する質問に対する答弁書



一の@について

 お尋ねの事例数について、平成二十年四月九日及び六月五日の時点において各都道府県の後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)が把握している件数を集計したところ、平成二十年四月九日時点では全国で六万三千四百六十八件であり、六月五日時点では全国で四千五百八十五件である。被保険者証が届いていない被保険者に対しては、市町村等の職員が電話連絡や訪問を行うとともに、自治会や民生委員等の協力を得て所在を確認するなどの対応が採られている。また、お尋ねの要因については、このような対応をとっても、なお連絡が取れない場合があったこと等である。

一のAについて

 本年四月に後期高齢者医療の保険料を特別徴収の方法により徴収された被保険者数は約八百三十二万人であり、その総額は約八百六十六億五百九万円である。

一のB及びCについて

 お尋ねの後期高齢者医療の被保険者から保険料額を過大に徴収した件数は三千六百五十件であり、その総額は約三千三百三十八万円である。また、保険料額を過少に徴収した件数は二万五千二百五十八件であり、その総額は約一億千八百五十五万円である。なお、誤った額を徴収した要因としては、市町村において被保険者の情報を保険料徴収の事務処理システムに入力する際に誤った情報を入力したこと、当該システムの保険料算定に係るプログラムに誤りがあったこと等がある。

一のDについて

 本年四月に後期高齢者医療の保険料を特別徴収の方法により徴収していない市町村(人口が少ない等の理由により、特別徴収の方法により徴収しなかった市町村を含む。)の数は三十一であり、全市町村数に占める割合は約一・七パーセントである。また、お尋ねの要因としては、特別徴収導入に向けた事務処理システムの改修に時間を要したこと等がある。

一のEについて

 厚生労働省において各広域連合における状況を調査したところ、市町村又は都道府県から補助を受けて保険料額の軽減を行った広域連合は、平成二十年四月三十日現在、東京都、石川県、京都府及び岡山県の四都府県の広域連合である。なお、東京都の広域連合は保険料の軽減のために七億円の補助を受けているが、石川県、京都府及び岡山県の広域連合については、市町村又は都道府県からの補助を保険料の軽減以外にも充てており、保険料額の軽減に充てられた額については把握していない。

二の@について

 お尋ねの試算は行っておらず、いずれについてもお答えすることは困難である。

二のAについて

 これまで、厚生労働省においては、国民健康保険から後期高齢者医療に移行する場合において、国民健康保険の保険料(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による国民健康保険税を含む。以下同じ。)の計算方法や医療費の水準が市町村ごとに異なるため単純な比較は難しいことから、国民健康保険について、約八割の市町村が採用し、最も多くの国民健康保険の被保険者に係る保険料の算定に用いられている方式に着目し、当該方式を採用する市町村における保険料率等の平均値を用いることにより、国民健康保険の保険料から後期高齢者医療の保険料への代表的な変化について、導入前後の傾向を算定した結果を基に、これらの市町村においては、基礎年金や平均的な厚生年金だけで生活をしている方は負担が軽減されること、及び一般的に低所得者では負担が軽減され、高所得者では負担が増える傾向がある旨を説明してきたものである。
 今回の実態調査では、当該算定方式を採用している市町村においては、後期高齢者医療制度の創設により、年金収入百七十七万円未満の世帯の七十三パーセント、年金収入百七十七万円以上二百九十二万円未満の世帯の八十パーセント及び年金収入二百九十二万円以上の世帯の六十八パーセントの世帯の保険料負担が、これまでの国民健康保険の保険料負担よりも減少することが推計されたところであり、概ねこれまでの説明が裏付けられる結果になったものと考えているが、それ以外の市町村を含めた全体で見ても、世帯における保険料負担が、六十九パーセント(年金収入百七十七万円未満の低所得世帯で見ても六十一パーセント)の世帯で、減少することが推計されたところである。

三の@について

 お尋ねについては、低所得世帯における保険料負担の増加の実態を踏まえ、均等割額が七割軽減されている世帯の一部について、さらに均等割額の軽減等の措置を講じることとしている。

三のAについて

 後期高齢者医療の被保険者の資格を有する日の前日において被用者保険の被扶養者であった者については、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)において、当該資格を有する日から二年間、所得割額を課さないとともに均等割額を五割軽減することとしているが、それに加え、平成二十年四月から九月までの間は均等割額を課さず、平成二十年十月から平成二十一年三月までの間は均等割額を九割軽減する措置を講じているところである。平成二十一年度以降の取扱いについては、今後、慎重に検討してまいりたい。

四について

 後期高齢者医療制度は、今後、増大することが見込まれる高齢者の医療費について、現役世代と高齢者の負担の公平化及び明確化を図りつつ、国民全体で支える仕組みとするものであり、七十四歳以下の現役世代には後期高齢者支援金としてご負担をいただくものである。この後期高齢者支援金については、各保険者を通じて同一の算定方法によりその加入者数に応じて負担する仕組みとなっており、もとより健康保険組合に対して差別的に不当な負担を課すものではない。この後期高齢者支援金は、後期高齢者医療を国民が支えるために不可欠なものと考えており、このご負担についてご理解をいただけるよう、さらに努力してまいりたい。
 なお、今回の政府管掌健康保険等への支援措置は、厳しい国家財政の中において、被用者保険のセーフティネットとしての役割を果たしている政府管掌健康保険の安定的運営を確保するため、財政力のある健康保険組合等から納付いただいた特例支援金を政府管掌健康保険等に対して交付するものであり、被用者保険間の助け合いの一環として、医療保険制度全体の安定的な運営と、国の適切な財政運営との両立を図るために必要な措置と考えている。



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