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答弁本文情報

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平成二十七年三月十日受領
答弁第一〇三号

  内閣衆質一八九第一〇三号
  平成二十七年三月十日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 町村信孝 殿

衆議院議員奥野総一郎君提出障害基礎年金の障害認定の地域差に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員奥野総一郎君提出障害基礎年金の障害認定の地域差に関する質問に対する答弁書



一の1について

 お尋ねの「指導」については、国民年金及び厚生年金保険に係る障害の程度の認定について、障害の種類ごとに認定の基準及び認定要領等を定めた「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(昭和六十一年三月三十一日付け庁保発第十五号社会保険庁年金保険部長通知別添。以下「認定基準」という。)により行うこととしており、日本年金機構(以下「機構」という。)の本部から各都道府県事務センターに対して「日本年金機構設立に伴う既存通知等の取扱い等について」(平成二十二年一月二十二日付け経企指s〇一〇−一二・品管指s〇一〇−五指示・依頼)により周知しているところである。また、認定基準を改正した際には、機構の本部から「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正」(平成二十二年十月十五日付け給付指二〇一〇−一九七指示・依頼)、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正」(平成二十三年七月一日付け給付指二〇一一−一九五指示・依頼)、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正」(平成二十四年五月三十日付け給付指二〇一二−一二六指示・依頼)、「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正」(平成二十五年四月二日付け給付指二〇一三−五六指示・依頼)及び「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正」(平成二十六年三月二十四日付け給付指二〇一四−二九指示・依頼)を発出するとともに、障害認定事務担当職員事務打合せ会を平成二十二年五月二十六日、平成二十三年六月一日、平成二十四年六月一日、平成二十五年五月十七日及び平成二十六年四月七日に開催し、改正の内容等を各都道府県事務センターに伝達しているところである。
 また、お尋ねの「地域差の発生した原因」の意味するところが必ずしも明らかではないが、個々の認定については、専門的な判断に基づいて障害認定診査医員(以下「認定医」という。)が行っており、その際に用いる目安についての考え方に差異があることが認定の傾向に地域差が生じた要因の一つではないかと考えているが、精神障害及び知的障害については、診断書に記載された「日常生活能力の程度」のみではなく、具体的な症状、治療の経過、日常生活状況等を総合的に評価して認定しているため、診断書に記載された「日常生活能力の程度」が同じであっても、認定結果に差異が生じることはあり得るものと考えている。

一の2について

 認定基準については、地域によってその内容が異なるものではなく、法の下の平等に反しないと考えている。

一の3について

 精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会(以下「検討会」という。)において、精神障害及び知的障害の等級判定のガイドラインとなる客観的な指標、就労状況の評価の在り方等について検討中であることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。

一の4について

 認定基準に基づく障害の程度の認定については、診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」を目安の一つとしつつ、認定医が具体的な症状、日常生活状況、就労状況等を総合的、専門的に評価して適正に行ってきたところであり、過去に行った障害の程度の認定について、再度認定審査を行うことは考えていない。

一の5について

 政府として、個々の報道について答弁することは差し控えたい。

二の1について

 検討会においては、障害者団体からのヒアリングも実施しながら、精神障害及び知的障害の等級判定のガイドラインとなる客観的な指標、就労状況の評価の在り方等を適切に検討していくこととしている。

二の2について

 御指摘の報道については、承知していない。なお、「内的障害者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、知的障害等の障害の程度を認定するに当たっては、認定基準に定めているとおり、「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断する」必要があると考えている。

三の1について

 機構が行った「障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査」は、一定期間を通じた都道府県ごとの障害基礎年金の不支給割合(障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、機構の都道府県事務センターにおいて不支給と決定された件数の割合をいう。)を把握するために、平成二十二年度から平成二十四年度までの三年間についての割合を算出したものであり、「機構の調査は「意図的に支給抑制を隠ぺいしている」との疑念も持たざるを得ない」との御指摘は当たらないものと考えている。
 また、お尋ねの「年ごとのデータ」については、平成二十七年二月十九日に開催した第一回検討会において、平成二十二年度から平成二十五年度までの各年度のデータを公表したところである。

三の2について

 厚生年金保険・国民年金事業年報に基づき、障害年金の総額(決定された年金額をいう。)を@厚生年金保険及びA国民年金について直近三年間の年度ごとにお示しすると、次のとおりである。
 平成二十三年度 @三千二億円 A一兆五千四百四十九億円
 平成二十四年度 @二千九百九十六億円 A一兆五千六百三十億円
 平成二十五年度 @二千九百七十六億円 A一兆五千六百八十六億円
 また、同様にお尋ねの受給者数を直近三年間の年度ごとにお示しすると、次のとおりである。
 平成二十三年度 @三十八万四千人 A百七十四万四千人
 平成二十四年度 @三十九万人 A百七十七万三千人
 平成二十五年度 @三十九万七千人 A百八十万人

三の3について

 お尋ねについては、認定医の確保に当たって、機構において、各都道府県医師会や独立行政法人地域医療機能推進機構に対する協力の依頼等を行ってきたところであるが、今後の対応については、現在検討中である。

四について

 お尋ねの「初診日」については、障害年金制度において受給権を発生させるためには、社会保険方式であることから、保険事故の発生時点において支給要件を満たしていることが必要であるところ、保険事故の発生時点を、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日である初診日としているものである。
 また、御指摘の「初診日時点での保険料が未納であっても、障害が一定期間続いた時や、障害の程度が一定以上になった時」において支給要件を満たしていた場合に受給権が発生することとすると、障害の原因となった傷病の発生後に保険料を納付して受給権を発生させることが可能となってしまい、あらかじめ保険事故に備えて保険料を納付していた者との間の公平を阻害し、制度の存立基盤を危うくするおそれがあるため、適当ではないものと認識している。



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