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平成二十九年二月二十八日受領
答弁第七九号

  内閣衆質一九三第七九号
  平成二十九年二月二十八日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員逢坂誠二君提出「戦闘」という言葉と「法的な意味における戦闘行為」の違いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員逢坂誠二君提出「戦闘」という言葉と「法的な意味における戦闘行為」の違いに関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の平成二十九年二月八日の衆議院予算委員会(以下「委員会」という。)における稲田防衛大臣の答弁における「法的な意味における戦闘行為」は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)等において「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」をいうものと定義されている「戦闘行為」について述べたものであり、この「国際的な武力紛争」とは、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いをいうものと考えている。

二について

 お尋ねの「戦闘」という用語については、一義的に確立された定義があるとは承知しておらず、文脈によってその意味するところが異なり得るため、一概にお答えすることは困難である。

三について

 お尋ねの「どのような意味を持つのか」及び「その根拠」の趣旨が必ずしも明らかではないが、委員会において稲田防衛大臣が「人を殺傷し、または物を破壊する行為はあったけれども、それは国際的な武力紛争の一環としては行われていない」と答弁したとおり、一についてでお答えした「法的な意味における戦闘行為」の意味で用いられたものではないと承知している。

四及び五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号。以下「PKO法」という。)に定める我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則が満たされているかについては、国際連合南スーダン共和国ミッション(以下「UNMISS」という。)に派遣されている自衛隊の部隊(以下「UNMISS派遣部隊」という。)が作成する「南スーダン派遣施設隊日々報告」を含む要員からの報告や、我が国大使館、国際連合等からの情報等を総合的に勘案し、政府として、適時適切に判断しているものであり、御指摘のように「「法的な意味における戦闘行為」とそれ以外の「戦闘」を区別して報告させるべき」とは考えていない。

六について

 お尋ねの趣旨が明らかではなく、お答えすることは困難である。
 なお、御指摘の「法的な意味における戦闘行為」については、一についてでお答えしたとおりである。

七から九までについて

 お尋ねの趣旨が明らかではなく、お答えすることは困難であるが、UNMISS派遣部隊の派遣については、国際連合から我が国に対し、UNMISSへの要員の派遣について要請があり、我が国としても、世界の平和と安定のために一層の責務を果たしていくに当たり、国際連合による国際平和のための努力に対し人的な協力を積極的に果たしていくため、PKO法に基づきUNMISS派遣部隊を派遣し、道路等の維持補修等の分野における国際平和協力業務を実施しているところであり、UNMISS派遣部隊の派遣は、御指摘の「日本国憲法第九条のもとで許容される自衛の措置」等とは何ら関係ない。
 なお、PKO法上、「武力紛争」を定義した規定はないが、政府としては、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いがPKO法上の「武力紛争」に当たると解してきたところであり、当該「武力紛争」の一環として行われる「戦闘行為」は、「国家又は国家に準ずる組織の間で行われるもの」である。
 その上で、一般に、実力を用いた争いが「武力紛争」に該当するか否かについては、事案の態様、当事者及びその意思等を総合的に勘案して個別具体的に判断すべきものと考えているところ、これまでに南スーダン共和国において発生した事案について、事案の当事者の一方であるマシャール前第一副大統領派は系統立った組織性を有しているとは言えないこと、同派による支配が確立されるに至った領域があるとは言えないこと、さらに、同国政府と同派の双方とも事案の平和的解決を求める意思を有していると考えられること等を総合的に勘案すると、現状においても、UNMISSの活動地域においてPKO法上の「武力紛争」が発生しているとは考えていない。
 このため、委員会における稲田防衛大臣の答弁においては、「人を殺傷し、または物を破壊する行為はあったけれども、それは国際的な武力紛争の一環としては行われていない」との認識を示すとともに、一についてでお答えした「法的な意味における戦闘行為」と混同されかねない「戦闘」という用語を用いた場合、PKO法上の「武力紛争」が発生したのではないかという誤解を招くおそれがあることから、国家又は国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争いではないということを明示するため、「武力衝突」という用語を用いていることを説明したところである。



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