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答弁本文情報

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平成三十年五月十五日受領
答弁第二七四号

  内閣衆質一九六第二七四号
  平成三十年五月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員山井和則君提出高度プロフェッショナル制度が適切に運用されることへの強い疑問等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山井和則君提出高度プロフェッショナル制度が適切に運用されることへの強い疑問等に関する質問に対する答弁書



一及び十六について

 個別の過労死等事案における支給決定の事実や企業名は個人情報保護の観点から公表しないこととしている。また、お尋ねの過労死の件数の集計及び公表については、今後、検討していく考えである。

二について

 いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件は、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること」としている。このため、同制度が適用される以前の賃金額は、年収要件にはなっていない。また、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金」については、労働の状況等に応じて支払われることとなる賃金は含まれず、労働契約において当該要件を満たさない場合には、同制度の対象労働者にはならない。

三について

 お尋ねについては、多様な賃金体系が可能であること等から、一概にお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねについては、国会の運営に関することを含むものであり、お答えすることは差し控えたい。

五について

 いわゆる高度プロフェッショナル制度においては、対象業務及び対象労働者の年収については厚生労働省令で定めることとしており、お答えすることは困難である。

六について

 いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象業務については、平成二十七年二月に労働政策審議会において取りまとめられた今後の労働時間法制等の在り方について(建議)において、「具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当」とされているところであり、これを踏まえて労働政策審議会において議論していただき、厚生労働省令で定めることとしている。

七について

 いわゆる高度プロフェッショナル制度の適用要件は、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」に従事し、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」こと等としており、これらの要件に該当する場合に限り同制度を適用することができる。

八、十七及び十八について

 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づき業務上の災害として認定するか否かについては、労働基準監督署長により、脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について(平成十三年十二月十二日付け基発第一〇六三号厚生労働省労働基準局長通達)、心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成二十三年十二月二十六日付け基発一二二六第一号厚生労働省労働基準局長通達)等に従って、個別の事例に応じて関係者への聴き取りなどの調査を実施し労働時間数を把握した上で、判断されるものである。

九について

 お尋ねについては、平成二十五年度から平成二十八年度までの件数について把握している。労働者災害補償保険法に基づき、脳・心臓疾患に起因する死亡として認定されなかった件数は、平成二十五年度は三件、平成二十六年度は一件、平成二十七年度は二件、平成二十八年度は一件であり、精神障害に起因する自殺(未遂を含む。)として認定されなかった件数は、平成二十五年度及び平成二十六年度は零件、平成二十七年度は一件、平成二十八年度は零件である。

十について

 お尋ねについては、労働者災害補償保険法による保険給付の支給の決定に当たり、被災労働者の年収を確認していないため、把握していない。

十一及び十二について

 お尋ねについては、現時点では未定である。

十三から十五までについて

 いわゆる高度プロフェッショナル制度においては、対象業務について、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」であることを要件としていること、また、当該制度の適用に当たって労働者の同意を必要としていること等から、御指摘のような場合は通常想定されない。

十九について

 お尋ねについては、第百二十二回の労働政策審議会労働条件分科会において、厚生労働省より、「平成十五年(中略)当時の技術系の一定の管理職層の方々、具体的には課長級の方々の確実に支払われる給与の額で見た年収として、上から四分の一をとって千七十五万円ということであれば相当程度の交渉力が認められるのではないかという意見で審議会がまとまり・・・その後、かなり年数も経つ中で、制度の成熟を見て、こうした数字が労働基準法の体系の中で、交渉力のある方々にとっての年収要件ということで定着してきている」と説明しているところである。



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