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平成三十年六月十二日受領
答弁第三四二号

  内閣衆質一九六第三四二号
  平成三十年六月十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員中谷一馬君提出原発ゼロ・再生可能エネルギーへの全面転換に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中谷一馬君提出原発ゼロ・再生可能エネルギーへの全面転換に関する質問に対する答弁書



一から三まで及び九について

 原子力発電については、各国等の動向を含め、様々な意見があると認識しているが、政府としては、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定。以下「基本計画」という。)に記載されているとおり、「いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める」という方針である。

四について

 基本計画においては、「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる」としており、これを受けて平成二十七年七月十六日に経済産業省が策定した「長期エネルギー需給見通し」においては、「東日本大震災前に約三割を占めていた原発依存度は、二十パーセント〜二十二パーセント程度へと大きく低減する」としている。

五について

 政府としては、原子力発電所の安全性の追求に終わりはなく、原子炉が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)及び同法の規定に基づく原子力規制委員会規則等に定める基準に適合していることを理由として、当該原子炉に係る事故が発生する可能性を否定することはできないため、原子力事業者等が不断の安全性の向上に取り組んでいくことが必要であると考えている。

六について

 お尋ねの「その影響に関する全ての責任」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力発電所について、万が一事故が起きた場合には、原子力災害の拡大の防止等に必要な措置の実施や原子力損害の賠償等について、その一義的な責任は、原子力事業者が負うこととなるが、政府としても、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)等の関係法令に基づき、緊急事態応急対策等の実施のために必要な措置を講ずる等の責務を有するものと認識している。

七及び八について

 各電源の発電コストについては、平成二十七年五月に総合資源エネルギー調査会基本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会発電コスト検証ワーキンググループが取りまとめた報告において試算を行っている。
 この中で、原子力発電の発電コストについてはキロワットアワー当たり十・一円以上、石炭火力発電の発電コストについてはキロワットアワー当たり十二・三円、一般水力発電の発電コストについてはキロワットアワー当たり十一・〇円等と試算している。
 この原子力発電の発電コストは、資本費(キロワットアワー当たり三・一円)、運転維持費(キロワットアワー当たり三・三円)、追加的安全対策費(キロワットアワー当たり〇・六円)、核燃料サイクル費用(キロワットアワー当たり一・五円)、立地対策や研究開発等に係る政策経費(キロワットアワー当たり一・三円)及び賠償や除染・中間貯蔵等に係る事故リスク対応費用(キロワットアワー当たり〇・三円以上)の各費目を算入したものである。
 また、当該試算に際しては、事故リスク対応費用が将来仮に増加した場合を想定した感度分析を行っており、当該感度分析によれば、事故リスク対応費用が一兆円増加した場合、発電コストはキロワットアワー当たり〇・〇四円上昇することになる。このような試算や感度分析を踏まえれば、原子力発電は低廉な電源である。
 また、御指摘の「平成二十九年二月二十九日の東京新聞によれば、原発処理費四十兆円、国民一人当たり三十二万円程度の費用が国民負担として求められるのではないかとの意見」については、御指摘の日付について該当するものが確認できないため、お答えすることは困難である。



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