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採用試験

職員採用総合職試験(第2次試験(論文試験)) 過去の出題例
試験年度 憲法 行政法 民法
平成29年度 PDF [102KB]   HTML PDF [254KB]   HTML PDF(試験問題) [64KB]
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平成28年度 PDF [185KB]   HTML PDF(試験問題) [201KB]
PDF(参照条文集) [324KB]
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PDF(試験問題) [84KB]
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平成27年度 PDF [90KB]   HTML PDF [66KB]   HTML PDF [88KB]   HTML


平成29年度
憲法

以下のA、B二人の学生の会話を読んで、設問に答えなさい。

〔学生の会話〕

女子学生A「今朝、女性専用車両に乗っていたら、スーツ姿のサラリーマンが乗り込んできて平然と座席に座るからびっくりしちゃった。周りにいたおばさんが注意したけど、『別に強制じゃないんだからいいだろう』って開き直るから、すごく嫌な気分になったわ。」

男子学生B「僕は前々から、現在実施されている女性専用車両は、運用の仕方によっては、差別的取扱いとして憲法問題を引き起こす可能性があると思っていたんだ。そもそも、女性専用車両は痴漢対策として効果があるのかい? ラッシュの時間帯や混雑する路線に限定して導入するならまだしも、私鉄のP社なんか昼の時間帯や空いている路線も含めて一律に女性専用車両を設置していて、痴漢対策というよりは単なる女性優遇になってしまっている気がするよ。しかもP社は一番乗りやすい先頭車両に設置しているから、男性客にとってはすごく不便なんだ。でも、現実はともかくとして、建前上は乗客の協力に基づく任意の措置という扱いだから、世間では憲法問題としては強く意識されていないのだろうなあ。」

女子学生A「そうは言っても、私たち女性にとっては痴漢対策というのは切実な問題なのよ。」

男子学生B「確かに、君のように女性の人たちが女性専用車両に期待する気持ちもわからなくはないよ。だから、もし今朝君が体験したような事態がしばしば起こるようだったら、いっそのこと、鉄道会社が、例えば国の認可を受ける約款のようなものに女性専用車両についての規定を設け、それに基づいて制度を実施することとしたらどうかな。そうすれば、女性専用車両に関する措置の内容が明確になって駅員も対応しやすいし、乗客間のトラブルも防げるんじゃないかな。」

女子学生A「そうね、是非そうしてほしいものだわ。でも、それだけでは実効性がないんじゃない? この際、鉄道会社がそのような規定を設けることを前提に、さらに、女性専用車両に男性が乗車してはならないことを法律で義務付け、あわせて、その実効性を担保するための措置を法律に規定することはできないかしら。」

男子学生B「う〜ん、法律で義務付けることまで考えるのかい。その場合は、女性専用車両に関する制度の内容や実効性を担保するための措置についてよく検討しないと、今度は本当に憲法問題になってしまうと思うなあ。」

〔設問〕

1 前記のP社が行っている女性専用車両に関する措置に関し、憲法上の論点について論ぜよ。

2 前述のように、Aは、女性専用車両に男性が乗車してはならないことを法律で義務付けるとともに、その実効性を担保するための措置を法律で規定することを提案しているが、この提案に関し、憲法上の論点について論ぜよ。

行政法

次の1から4までの各事例において、国に対するX1、X2、X3及びX4の国家賠償請求は認められ得るか。道路及び河川に求められる「通常有すべき安全性」の違いに触れつつ述べよ。

1 国道A号線の指定区間内にある甲峠付近の道路では落石が頻発していたが、予算の都合により落石注意の看板のみ設置され、防護柵は設置されていなかったところ、甲峠において落石が発生して当該道路上を走行中のX1の自動車を直撃し、大破してX1が重傷を負った。

2 国道B号線の指定区間内にある乙峠付近の道路ではかつて降雨による土砂崩れが頻発していたため、過去に乙峠付近で発生した最大雨量まで耐え得る水準の防災工事が施されていたところ、予知できない未曾有の集中豪雨により、乙峠において土砂崩れが発生して当該道路上を走行中のX2の自動車を直撃し、落下してX2が重傷を負った。

3 一級河川C川は、河川整備計画に基づく改修工事が順次行われていたが、予算の都合により下流の一部分のみの改修にとどまっていたところ、豪雨により増水し、上流の未改修部分から水があふれて近隣住民X3の住居が浸水被害を受けた。

4 一級河川D川は、河川整備計画に基づく改修工事が完了しているところ、豪雨により増水し、河川整備基本方針に定める計画高水流量と同程度の水流量で堤防が決壊し、水が流れ出て近隣住民X4の住居が浸水被害を受けた。

参照条文

国家賠償法 第二条第一項【略】

道路法 第一条、第二条第一項、第三条、第五条第一項、第十二条、第十三条第一項、第十八条第一項、第二十九条、第四十二条第一項、第四十六条第一項【略】

河川法 第一条から第三条まで、第四条第一項、第七条、第九条第一項、第十三条第一項、第十五条の二第一項、第十六条第一項・第二項、第十六条の二第一項・第二項【略】

民法

木材問屋を営むAは、Bから資金を借り入れ、その担保のためAが甲倉庫内に保管する全ての木材を譲渡担保に供し、占有改定による引渡しを行った。なお、この譲渡担保の設定契約においては、Aが甲倉庫内の木材を通常の営業方法に従って販売できること及びAが新たに木材を取得したときは甲倉庫に搬入するものとし、これについても譲渡担保の目的とすることが定められていた。以上を前提として、以下の設問に答えよ。

1 このような譲渡担保の有効性について論ぜよ。

2 甲倉庫の隣地では、Cが乙工場を操業していた。Cが乙工場内に設置する機械から発火し近隣に延焼したため、甲倉庫は全焼した。Aは、その後程なくして廃業するに至り、Bに対して借入金の返済を怠った。

① Aは、Cにどのような法的主張をすることができるか。

② Bは、A及びCに対してどのような法的主張をすることができるか。

参照条文

民法 第二編、第三編【略】

失火ノ責任ニ関スル法律【略】

平成28年度
憲法

徹底した行政改革を掲げて当選したA市の甲市長は、就任早々、A市議会やA市職員組合と対立を繰り返し、その動静は常にマスコミの注目の的となっていた。放送事業者乙(いわゆる「民放キー局」であり、放送法上の「基幹放送事業者」に当たる。)は、その放送番組で、甲市長の記者会見や住民との市政懇談会における言動並びに甲市長の大学時代の友人及び甲市長の家族を知る者に対するインタビューを事前に収めた録画を紹介した後、当該録画を見たアナウンサー一名とゲスト数名が感想や意見を述べ、甲市長の政策に関する議論を行う模様を放送した。このときゲストの一人であった精神科医で政治評論家の丙は、「本人の言動や友人知人の証言の内容などに、専門的に広く使われている基準を当てはめれば、甲市長は境界性人格障害に当たると診断できます」と発言した。
 当該番組の放送の一月後、甲市長は、この放送に関し、「甲が人格障害を患っている」という真実でない事項の放送がされたことによって自己の名誉が毀損されたとして、乙に対して民法に基づく慰謝料等の支払をし、及び同法に基づく名誉の回復のために適当な措置をとること並びに放送法第九条第一項に基づく訂正放送をすることを求め、丙に対して民法に基づく慰謝料等の支払を求めた。
 甲の右各請求について、刑事上及び民事上の論点を踏まえて、主として憲法上の論点について論じなさい。その際、前記設例で、仮に、乙が出版社であり、乙の出版する雑誌に丙が同内容の記事を寄稿したとした場合と比較して論じなさい。

参照条文

放送法 第一条、第二条第二号・第二十三号、第三条、第九条、第九十三条第一項第一号から第五号まで【略】

行政法

Xは、Y県において、使用済自動車(自動車のうち、その使用を終了したものをいう。以下同じ。)の解体を行う事業(以下「解体業」という。)を行おうとして、Y県知事に対して、解体業の許可の申請(以下「本件申請」という。)を行った。この場合において、次の各小問に答えなさい。なお、1と2は独立した問題である。

1 Y県知事は、本件申請に対する処分に関する標準処理期間である四十日以内に申請書及び添付書類を審査したところ、本件申請は使用済自動車の再資源化等に関する法律第六十二条第一項各号のいずれにも適合していると認められた。しかし、Y県知事は、環境保全協定の締結の努力義務を定めるY県産業廃棄物等の処理施設設置等の手続に関する条例の規定や、使用済自動車を解体する際に生ずる油漏れや油臭等による生活環境の悪化を懸念する周辺住民による反対運動を踏まえ、Xに対して、本件解体施設の設置を予定しているY県Z市の市長との間で環境保全協定を締結するよう求めた上で、環境保全協定の締結まで本件申請に対する処分を行わない方針とした。しかし、XとZ市長との間で、環境保全協定の内容をめぐって争いがあり、本件申請後六月の間にわたり度重なる交渉を行った後も、環境保全協定の締結に至らなかった。そこで、Xは、Y県知事に対し、環境保全協定の締結の求めに応じられないことを伝えた上で、本件申請に対する許可処分をするよう要請した。しかし、Y県知事は、XがZ市長と環境保全協定を締結していないことを理由として、本件申請に対する処分を何ら行っていない。
 この場合において、この状況に不満のあるXがY県知事に対してどのような訴訟を提起することが予想されるかを示した上で、これを提起した場合にXの主張が認められるかについて、適宜Y県知事の反論に言及しつつ、論じなさい。なお、Y県ではY県行政手続条例が制定されているが、その内容は行政手続法と同じであることを前提にして答えなさい。

2 本件申請に対する許可処分が、平成二十五年四月一日に行われ、その許可の期限は、平成三十年三月三十一日となった。あわせて、XはZ市長との間で環境保全協定を締結するに至った。同協定では、使用済自動車を解体する際に生ずる油漏れや油臭等による生活環境の悪化を懸念する周辺住民に配慮し、本件解体施設の使用期限を平成二十八年三月三十一日とし、その使用期限を超えて本件解体施設において使用済自動車の解体を行ってはならない旨を規定した。しかし、Xは平成二十八年四月一日以降も引き続き本件解体施設において使用済自動車の解体を行っており、Z市長はこれをやめさせたいと考えている。
 この場合において、Z市長がXに対してどのような訴訟を提起することが予想されるかを示した上で、これを提起した場合にZ市長の主張が認められるかについて、適宜Xの反論に言及しつつ、論じなさい。

参照条文

使用済自動車の再資源化等に関する法律 第一条、第二条第十三項、第六十条第一項・第二項、第六十二条第一項、第六十四条第五号、第六十六条第一号・第三号・第四号【略】

使用済自動車の再資源化等に関する法律施行令 第四条【略】

Y県産業廃棄物等の処理施設設置等の手続に関する条例(抄)

(目的)

第一条 この条例は、産業廃棄物等の処理施設設置等を行おうとする者と関係住民等との間で円滑に合意が形成されるための手続を定めることにより、生活環境の保全を図ることを目的とする。

(環境保全協定の締結)

第十条 事業者は、地域団体又は関係市町村の長との間において、産業廃棄物等の処理施設設置等に関し、生活環境の保全のために必要な事項に関する協定を締結するよう努めなければならない。

注 「事業者」とは、産業廃棄物等の処理施設設置等を行おうとする者をいう。

注 「産業廃棄物等の処理施設設置等」には、解体業の用に供する施設の設置も含まれるものとする。

行政手続法【略】

行政事件訴訟法【略】

民法

Aには、妻Bとの間に子C、Dがおり、また、妻B以外の女性Eとの間に非嫡出子Fがいた。以上を前提として、次の各設問に答えよ。なお、1と2は独立した問題である。

1 Cは、A所有の土地PをAに無断でGに売却し、所有権移転登記を完了した。その後しばらくしてAは死亡したが、近隣にショッピングモールが建設される計画が持ち上がったところ、今後土地Pが値上がりすると見込んだCは、本件売買契約は無権代理によるものだったとしてGに移転登記の抹消を請求した。Cの主張は認められるか。

2 まだ幼いFの将来に不安を感じていたAは、死亡の数日前に、所有していた現金千五百万円全てをFに贈与しており、Aの死亡時には、Aの財産は土地Q(時価九百万円)のみであった。Aの死亡から数日後、Aの相続人らは、遺産を整理していたところ、預金通帳から現金が全て引き出されていたことに気が付き、Fへの贈与の事実を知ることとなった。

① Dの遺留分額及び遺留分侵害額はいくらか。

② Aが死亡したのは平成二十七年五月一日であった。その後、平成二十八年二月一日にDについて後見開始の申立てがなされ、同年六月一日に後見が開始し、成年後見人としてHが選任された。選任後まもなく、Hは、Dの遺留分についてFに対し遺留分減殺請求権を行使したいと考えた。この請求は認められるか。

参照条文

民法 第一編、第五編【略】

平成27年度
憲法

次のA、B二人の学生の会話に含まれる憲法上の論点を指摘し、多面的な角度から論ぜよ。

学生A「日本国憲法において、最高裁判所は、法律が憲法に適合するかしないかを最終的に決定する権限を有しているが、しかし、あらゆる法律の憲法適合性を常に最高裁が判断するわけではない。そこで、日常的に重要になってくるのは、唯一の立法機関である国会の責任だ。内閣は、たとえ違憲の法律であっても、憲法上、それを誠実に執行するしかないだろう?」

学生B「立法府の責任が重要なのはそのとおりだが、君の意見の最後の部分は、必ずしもそうとは言えないよ。なぜなら、大臣を始めとする公務員には、憲法上、憲法尊重擁護義務があるからだ。内閣が違憲の法律を執行するということは、この、憲法尊重擁護義務に反することになる。それこそ、憲法違反と言われるよ。私は、国民の権利利益を擁護するためにも、憲法違反の法律は、内閣は執行すべきでないし、また、執行してはいけないと思う。」

学生A「それは、おかしいよ。そんなことを認めたら、国会の立法権が形骸化してしまうじゃないか。」

学生B「国会の多数が制定した法律だって、その憲法適合性についての国会の判断が間違っていることはある。それに、例えば、最高裁で、ある法律のある条項が憲法違反であるとされた場合、たとえ、その法律の改正がなされずにそのままの形で残っていたとしても、内閣は、その後は、その条項の適用を避けるだろう?これも、憲法を尊重擁護すべき内閣の、重要な役割だよ。」

行政法

行政機関は、行政活動を行うに当たって、申請、届出、行政調査等の様々な手法を用いて必要な情報を収集している。次の①から③までに掲げる者が当該①から③までに掲げる事項に関する情報を入手しようとする場合、どのような手法を用いるのが適当か。当該手法によっては情報を入手することができない場合の対応策に触れつつ、論じなさい。

① A県知事 同県B市の山麓にある急傾斜地について急傾斜地崩壊危険区域の指定をするに当たっての、当該急傾斜地の崩壊のおそれの有無

② C県知事 同県内の新型インフルエンザの発生の状況

③ D県E市長 同市の福祉事務所の所管区域内に居住する市民Fに対する生活保護の要否

民法

Aはイラストレーターであり、住居とは別に静かな仕事部屋を持ちたいと考えていたところ、知人であるBから、「Xマンションの一室を所有しているが、なかなか借り手が見つからない。賃料は周辺相場よりも大幅に安くするので、借りてくれないか」と持ちかけられた。
 Aは、Xマンションが幹線道路沿いにあることを知っていたため、職業上、周囲の音が気になると仕事に集中できない旨を伝え、断ろうとしたところ、Bが「Xマンションは大手会社が施工した物件だから、防音もしっかりしている」と説明するなどして食い下がったため、Aは「静かなら借りてもよい」として、最終的に周辺相場よりも安い賃料でこの部屋を借りることとし、手始めに一箇月分の賃料を支払った。
 ところが、実際にはこの部屋には特別な防音設備は施されておらず、日中に幹線道路を走る自動車の音も、Aが仕事をする上で耐えられないほどの大きさであった。
 以上を前提として、次の各問について論じなさい。なお、1と2は独立した問題である。

1 Aは、この部屋に特別な防音設備が施されていなかったことを知り、今後、この部屋で仕事をすることはできず、既に支払った賃料も返してもらいたいと考えている。この場合において、Aが支払った賃料を回収するためにBに対して行いうる法的主張としてどのようなものが考えられるかについて、予想されるBからの反論に言及しつつ、複数の法的主張を論じなさい。

2 この部屋に特別な防音設備が施されていなかったことを知ったAは、この部屋をAが所有する部屋であると偽って、周辺相場程度の賃料でCに貸すことにした。
 部屋を利用しているのがAでないことを察知したBは、Aに契約の解除を通告した上で、新たにこの部屋を周辺相場程度の賃料でDに貸すこととしたが、既にこの部屋に住み始めていたCが「AB間の事情は私には関係ない」と主張して立ち退かないため、Dはこの部屋に自分の荷物を運び込むことができないでいる。
 このとき、Dは、誰に対し、どのような法的主張をすることができるかについて、複数の法的主張を論じなさい。

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