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平成二十三年衆議院議長年頭の辞


迎春

新年明けましておめでとうございます。

平成二十三年の新春を迎えるにあたり、国民の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。また、皇室のご繁栄と我が国の益々の発展を心より祈念いたします。

我が国の経済・雇用情勢は、依然として厳しい状況にあります。慢性的なデフレが続き、失業率は高水準で推移し、大卒者の就職内定率はかつての就職氷河期を下回るおそれがあります。景気は本格的な回復の軌道に乗らず、社会の閉塞感が高まっています。このような中、昨年は日本人二名のノーベル化学賞受賞や宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還など科学技術の分野で我々に夢と希望を与えてくれる出来事もありました。

また、米軍普天間飛行場の移設問題や尖閣諸島沖での我が国巡視船と中国漁船との衝突事件、北朝鮮による韓国への砲撃事件など、近隣諸国などと我が国との関係が問われる事態に相次いで直面しました。本年も内外に難題が山積しています。問題の解決に向けて、冷静な対処を心がけつつ、国民の理解と信頼に基づき、主体的に内政・外交を展開していかなければなりません。

昨年六月に発足した菅内閣の下、七月に参議院議員通常選挙が行われましたが、その結果は、衆議院と参議院で多数会派が異なるという、議会政治の試練とも言える状況を再度生み出しました。十月から開かれた臨時国会では、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を盛り込んだ平成二十二年度補正予算は成立したものの、与野党の合意形成のあり方については、依然として模索が続いています。

十一月には、明治二十三年に第一回帝国議会が開かれてから百二十年という節目の日を迎え、参議院と共同して各種の記念行事を実施しました。改めて、幾多の試練を乗り越え、議会政治の確立に献身された先人の尊い努力に思いを寄せつつ、国会において一層充実した審議を重ねて、国民生活の安定向上に努めてまいります。そして、我々の活動が次の若い世代につながっていけばうれしく思います。

昨年七月、スイスのジュネーブで第三回世界議長会議が開催されました。この会議は、IPU(列国議会同盟)と国連の協力のもと、世界各国の議会の議長が参加して開かれるものであります。私は、核廃絶・不拡散に向けた決意を込め本会議場で演説したほか、各国議長や要人との会談で意見交換いたしました。こうした議会間交流を通じた相互理解は、核兵器のない世界の実現、温暖化対策、経済危機対策などの国際的な諸課題の解決に向けて重要な役割を果たすと確信しています。

昨今、「無縁社会」という言葉が広く知られるようになりました。従来は、家族や地域社会、職場とのつながりが存在し、孤立化を防ぐ機能を担ってきましたが、全国で多数の孤独死や高齢者の所在不明が次々と発覚するなど、その機能が急速に失われていることが明らかになったのです。「自助」、「公助」に加え、地域の住民が助け合う「共助」によって、社会から孤立する人々を少しでも減らすため、国としても支援していく必要があります。さらに「公助」の見直し、特に、医療、年金、介護、障害者福祉、子どもや求職者への支援などの社会保障については、新しい制度設計と税負担のあり方が問われており、早急に国民的な合意を得なければなりません。

今月にはまた通常国会が召集されます。国会議員全員が知恵を出し合い、国民生活にとって重大かつ緊急の課題に対処するため、実質的な議論をしていくことが必要であり、大切です。与野党の壁を越えて、十分な協議をしていただけるよう、議長としても努力していきたいと思います。

平成二十三年の新春にのぞみ、国民の皆様からの幅広いご理解とご協力、ご支援をお願い申し上げますとともに、本年が皆様にとりまして幸せで実り多い年となりますことを心よりお祈りし、新年の挨拶といたします。


平成二十三年  元旦



衆議院議長


衆議院議長のサイン



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