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平成二十四年衆議院議長年頭の辞


迎春

新しい年が、国民の皆様にとって希望に満ちた年になりますことを心からお祈り申し上げます。

昨年は、東日本大震災をはじめとする災害により、多くの尊い命が奪われ、深い悲しみに包まれた一年でありました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りしますとともに、今なお不自由な生活を余儀なくされている被災者の方々が一日も早く平穏な日常を取り戻せるよう、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げます。

国会としても、今後のエネルギー供給のあり方を検討していく上で、東京電力福島原子力発電所事故の徹底的な検証と原因の究明を行い、必要な施策の構築に向けて取り組んで参ります。私は、震災からの復興はもとより、直面する諸課題に的確に対応していくため、与野党とも互いに建設的かつ真摯な議論を尽くしていかなければならないとの思いを強くしています。

今回の震災は、今後我が国の進むべき道を考えさせるものでした。仮設住宅で暮らす中学生の「大好きな家族とご飯を食べれることを、寝れることを、すごく幸せに思います」という言葉が頭に残っています。家族や親しい友人、生活をしてきた街や故郷の存在がいかに大切であるかを本当に実感させられました。そして、震災は、我々日本人にとって、「幸せとは何か」ということを改めて考える機会になりました。江戸時代末期に来日した米国人ハリスは、質素な生活を送る日本人が幸せで満足そうに見えると日記に書き残しています。ほんの百五十年前の我々の姿です。また、昨年は伝統的な文化や社会を大切にし、国民の幸福を目指すブータン国王ご夫妻を強い共感をもってお迎えしました。我々には、これまでの豊かさのみを追いかける従来の成長戦略を再考察し、自然との共存を図りながら、生活者の幸福度を向上させ、それを支える経済や社会の活力を高めていくことが求められています。

思い返すと、震災直後の混乱の中でも、被災地では家族や家を失った人たちが瓦礫の中で助け合い、あるいは、交通が麻痺した首都圏では電車やバスで整然と列をなす光景がありました。お会いした多くの外国の方々から、こうした日本人の秩序正しい冷静な行動を称える声を頂きました。周囲との関係を大切にしながら、思いやりの心を忘れず、公正さや忍耐力をもって対処するという日本人が持つ力というものを世界に示したといえましょう。この力によって、日本人はこれまでも幾多の災害を乗り越えてきました。

また、今回の震災に際し世界各国から多くの支援を頂き、国際協力を通じ育まれてきた日本と世界との絆を実感しました。昨年十月にスイスで開催された第百二十五回列国議会同盟(IPU)会議において、百二十七カ国・地域の議会代表に対しお礼を申し上げてきたところです。今後も、IPUや議会間交流の場を通じ、国家間の信頼・協力関係を深めていきたいと思います。

昨年七月のサッカーFIFA女子ワールドカップで、チーム一丸となった団結力と強い絆で初優勝を飾ったなでしこジャパンの勇姿は、沈滞ムードにあった日本国内に勇気と元気を与え、スポーツの持つ力を改めて証明してくれました。未曾有の困難を乗り越え、明るい未来を築き上げる夢の実現に向けて、日本国民がひとつになる時です。

結びに、国民の皆様のご健勝とご多幸、皇室のご繁栄を心よりお祈りし、新年の挨拶といたします。


平成二十四年  元旦



衆議院議長

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