平成23年1月18日(火)、政府の招待で来日したヴィクトル・ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領一行は衆議院を訪問し、横路議長、衛藤副議長と懇談を行いました。
冒頭、横路議長は、来年日・ウクライナ外交関係樹立20周年を迎えるところ、時宜を得た大統領の訪日を歓迎する旨述べた上で、ウクライナが旧ソ連から引き継いだ核兵器を自主的に廃棄し、高濃縮ウランの大部分を国外移送したことについて、「核兵器のない世界」を目指す立場からウクライナの努力に敬意を表し、核軍縮・不拡散の問題について両国が協力していくことに期待を表明しました。また、本年がチェルノブイリ原発事故から25年の節目に当たることに触れ、今もなお被爆による被害に苦労が多いと思われるところ、日本の被爆国としての経験がいかされる部分も多いと思う旨述べました。更に、ヤヌコーヴィチ大統領の訪日を機に、両国の経済関係が一層進展することを期待すると述べました。
これに対しヤヌコーヴィチ大統領からは、経済分野における日本との協力関係を発展させることはウクライナにとって最優先課題の一つであり、両国間の投資や物流を促進するための環境整備について議論を深めていきたい旨述べました。また、チェルノブイリ原発事故の際、日本政府から大きな支援を受けたことが、ウクライナにおいて高く評価されていると述べ、謝意を表明しました。
懇談の最後に横路議長は、ウクライナでも農作物に大きな被害を与えた昨年の異常気象に言及し、気候変動等の地球規模問題の解決のため両国が協力していくことを期待すると述べました。